JP4685212B2 - 燃焼式動力工具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯用燃焼式動力型締結具駆動工具の改良物に関し(本明細書において、「締結具」には締め具、留め具、ファスナー等が含まれ、「駆動」には押動すること、打ち込むこと等が含まれる。)、特には、ピストンをスタート位置まで適切に戻すために燃焼室の燃焼後開放を遅角させることについての改良物に関する。
【0002】
【従来の技術】
締結具をワーク内に駆動するのに使用される携帯用燃焼式動力型、あるいは所謂IMPULSE(商標名)ブランドの工具は、本明細書に参考として組み込まれており、すべてNikolichに譲渡された米国特許出願32,452及び米国特許4,552,162 、4,483,473 、4,483,474 、4,403,722 、5,263,439 に記載されている。同様の燃焼式動力型ネイルアンドステイプル駆動工具はIMPULSE(商標名)ブランドの下でIllinois州LincolnshireのITW-Paslode から市場で入手可能である。
【0003】
そのような工具は、小さい内燃機関を包囲するほぼピストル状工具ハウジングを組み込んでいる。エンジンは所謂燃料セルとも呼ばれる圧縮燃料ガス入りキャニスタにより動力供給される。強力なバッテリ動力型電力分配ユニットは点火のための火花を供給し、燃焼室に配置されたファンにより燃焼室内では効率的な燃焼が行われ、燃焼副産物の排気を含めた掃気が容易になる。エンジンはシリンダ本体内に配置された細長く剛性のあるドライバブレードを備え往復運動するピストンを有する。
【0004】
バルブスリーブは、リンクによりシリンダのまわりで軸方向に往復運動可能であり、リンクの下端のワーク接触要素がワークに押しつけられると燃焼室を閉鎖するために移動する。ワーク接触要素は、ハウジングに固定されたノーズピースに対し往復運動するように構成されている。この押しつけ作用により燃料計量供給バルブにトリガがかけられ、特定量の燃料が閉鎖した燃焼室内に導入される。
【0005】
エンジンの燃焼室内に供給されたガスを点火せしめるトリガスイッチが引っ張られると、ピストン及びドライバブレードが降下せしめられ、位置決めされた締結具が押しつけられてワーク内に駆動される。次いでピストンはシリンダ内のガス圧が異なることにより元の位置、又は「準備」位置まで戻される。締結具はノーズピース内にマガジン型で供給され、ドライバブレードによって押しつけられるのに適切な向きに位置決めされて把持される。
【0006】
従来の燃焼式工具の構成の一つの特徴は、ノーズピースがワークに押しつけられるまでトリガをかけることができないことである。このため、燃焼室が閉鎖されるまで点火が遅れてしまう。適切なトリガロックアウト機構は、参考として組み込まれている米国特許4,483,474 に開示されている。米国特許4,483,474 では、ノーズピースがワークに押しつけられるまでトリガが押し下げられるのがカムレバー機構により阻止され、燃焼室が閉鎖される。発火時、トリガが解放されるまで燃焼室は開放され得ない。
【0007】
燃焼式工具の最近の開発では、ワーク内に締結具を駆動する駆動力を大きくした高エネルギ工具が開発されている。幾つかの工具では、ピストンが移動するシリンダを延ばし、ピストンストロークを長くすることにより更なる力が得られている。他の高エネルギ型のものでは、燃焼室の体積が増加されている。この場合、大きくなった燃焼室の表面積を小さくすることが試みられており、シリンダの表面積は変わっていない。燃焼エネルギは増加されているが、ピストンの温度を低下させピストンをスタート位置に戻す圧力の違いを生み出す表面積はそのままにされている。その結果、ピストンの戻りがより遅くなっている。
【0008】
長さの長い工具では、シリンダ長さが長くなるにつれてピストンが戻るのに必要な時間が長くなる。幾つかの比較的最近に開発された高エネルギ燃焼工具では、ピストンがスタート位置に戻るのに要する時間が、従来のストロークの比較的短い燃焼工具の場合の約二倍になることがわかっている。当然ながら、工具における発火はピストンがスタート位置に完全に戻るまでは行ってはならない。
【0009】
上述した燃焼工具の場合、ピストンがスタート位置に戻る前にトリガスイッチが解放されて工具がワークから持ち上げられると、バルブリンクによって燃焼室が開放され、ピストンを上側に戻す補助となるガス圧の異なっている関係が乱されてしまう。一様な発火を行うためには、燃焼室のサイズは常に一定でなければならない。
【0010】
この型式の燃焼工具の他の特徴は、作業を行っているオペレータが「衝突発火」を行う必要があることである。衝突発火とは、工具を持ち上げ次の発火のための位置にその工具を迅速に配置するためにオペレータが最初の締結具の発火の反動を利用するように迅速に処理される工具の発火のことである。そのようなものとして、ノーズピース及びワーク接触要素がワークに押しつけられた状態に工具が維持されている期間を短くしたものがある。失火を阻止するためには、次の点火の前にピストンをスタート位置に戻すことにより発火と発火との間に回復させることができるようにしなければならない。ピストンを適切に戻すためには、ピストンがスタート位置に戻るまで燃焼室がシールされたままになるようにしなければならない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、ピストンが燃焼前のスタート位置に戻るまで燃焼室がシールされた状態に維持することができる改良された燃焼式動力工具を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的は、ピストンがスタート位置に戻るまで燃焼室を閉鎖した状態に維持する機構を有する改良された燃焼式動力工具を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、ロックアウト機構に接続することによりトリガスイッチが解放するのを遅延させ、究極的には燃焼室が開放するのを遅延させる機構によってピストンが戻るまで燃焼室を閉鎖した状態に維持する改良された燃焼式動力工具を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、作動されていない初期位置に戻るよりも早く押し下げられるか作動されるトリガスイッチを有する改良された燃焼式動力工具を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、ピストンがスタート位置に戻るまでノーズピースに対しワーク接触要素が移動するのを一時的に阻止し、燃焼室が閉鎖された状態に維持するロックアウト機構を有する改良された燃焼式動力工具を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述した目的は、ピストンがスタート位置に戻るまで燃焼後に燃焼室が開放されるのを遅延させるディレイ装置を有する本発明の改良された燃焼式動力工具により達成される。第一の実施形態では、工具は発火後トリガが解放されるまで燃焼室が開放されてしまうのを阻止するトリガ作動式燃焼室ロックアウト機構を有する。ディレイ装置は、トリガがON位置からOFF位置に移動するのを遅らせ、ピストンがスタート位置に戻るための付加的な時間を供給する。他の実施形態では、ディレイ装置は、バルブ部材が移動するのを阻止することにより、燃焼室が早く開放してしまうのを阻止する。バルブ部材は、ピストンがスタート位置に戻るまでノーズピースに対しワーク接触要素を一時的に固定することにより制御される。
【0017】
より詳細には、本発明は、ドライバブレードを締結具に押しつけ、その締結具をワーク内に駆動するために燃焼を行うようになっている内蔵型内燃動力源を備えた燃焼式動力工具を提供する。その工具は、動力源を包囲するようになっているハウジングと、そのハウジングの上端に画定される燃焼室と、その燃焼室と流体連通すべくハウジング内に配置されたシリンダとを有する。バルブ部材が燃焼室を周期的、断続的又は間欠的に開閉するためにハウジング内に配置される。ドライバブレードに関連してピストンが設けられ、そのピストンは、シリンダの第一端に位置するスタート位置とシリンダの第二端に位置する駆動位置との間をシリンダ内で往復運動するように構成されている。バルブ部材に結合されたワーク接触要素を備えたノーズピースがこの工具に設けられ、このノーズピースは、中に締結具を駆動すべきワークに接触するように構成されている。このワーク接触要素はノーズピースに対し移動可能であり、ノーズピースがワークに接触するときにワーク接触要素が移動することにより、バルブ部材が燃焼室を閉鎖する。ディレイ装置は、締結具の駆動後にピストンがスタート位置に戻るまでバルブ部材が燃焼室を開放するのを遅延させるためにワーク接触要素及びリンクと係合可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1及び図2において、本発明により使用するのに適した型式の燃焼式動力工具を全体として参照番号10で示す。工具10は、内蔵型内燃動力源16を包囲する寸法になっているメインチャンバ14と、メインチャンバ14にほぼ平行であってメインチャンバ14に隣接した燃料電池チャンバ18と、燃料電池チャンバの一方の側から延びておりメインチャンバの反対側に位置するハンドル部分20とを備えたハウジング12を有する。
【0019】
更に締結具マガジン22が、メインチャンバ14の第一下側端部28から懸吊しているノーズピース26との係合位置からハンドル部分20に対しほぼ平行に延びるように位置決めされている。バッテリ(図示せず)が工具10に電源を供給するために設けられ、そのバッテリは締結具マガジン22に対しハウジング12の反対側に配置された管状区画(図示せず)内に解放可能に収容されている。
【0020】
本明細書では、「上側」及び「下側」は図1及び図2における工具10の作用方向について言及するために使用するが、本発明は適用例に依存して様々な方向について使用可能であることを理解すべきである。メインチャンバの下側端部28の反対側には第二上側端部30が配置され、その第二上側端部30は複数の吸気穴32を有する。
【0021】
好適な実施形態では、譲渡された米国特許5,263,439 に記載されている型式の電磁ソレノイド式燃料計量供給バルブ(図示せず)又はインジェクタバルブが、公知の従来技術と同様に燃料室内に燃料を導入するために設けられている。上述した米国特許5,263,439 が参考として組み込まれている。MAPPのような加圧された液体炭化水素燃料が燃料セルチャンバ18内に配置された燃料セル内に含有され、公知の従来技術と同様に加圧手段により加圧される。
【0022】
メインチャンバ14に戻り、メインチャンバの上側端部30にはシリンダヘッド34が配置され、そのシリンダヘッド34は燃焼室36の上側端部を画定すると共にヘッドスイッチ38、点火栓40、電気ファンモータ42及びシール用Oリングのための取付け位置となる。
【0023】
燃焼室用ファン46は、モータ42のアーマチュア48に取付けられ、燃焼プロセスを強めると共に冷却及び排気を容易にするために燃焼室内に配置されている。ファンモータ42は、参考として組み込まれている従来特許に詳細に開示されているようにヘッドスイッチ38により制御される。
【0024】
ほぼ円筒形の往復運動するバルブ部材50は、公知のリンク54を使用してノーズピース26上のワーク接触要素52によりメインチャンバ14内で移動せしめられる。このリンク54はワーク接触要素52の一部として考えられる。燃焼室36内においてバルブ部材50はガス制御装置として作用し、燃焼室の側壁はバルブ部材により画定され、バルブ部材の上側端部は、燃焼室の上側端部をシールするためにOリング44とシール係合する(図2に最適に示す。)。バルブ部材50の下側部分56はほぼ円筒形のシリンダ本体又はシリンダ58を包囲している。シリンダ本体58の上側端部は外側Oリング60を有し、その外側Oリング60は燃焼室36の下側端部をシールするためにバルブ部材50の対応する部分62(図2に最適に示す。)と係合する。
【0025】
ピストン64はシリンダ本体58内で往復運動するように配置され、ピストン64には剛性のある細長いドライバブレード66が取付けられ、そのドライバブレード66は、ノーズピース26内に適切に位置決めされた締結具(図示せず)をワーク(図示せず)内に駆動するために使用される。シリンダ本体の下側端部はバンパー70用シート68を画定し、そのシート68はピストン64が移動する際の下側の限界位置を画定する。シリンダ本体58の反対側の端部では、ピストン64が上側に移動する際の限界を定めるためにピストンストップ拘束リング72が取付けられている。
【0026】
工具10を作動するための制御装置がハウジング12のハンドル部分20内に配置されている。トリガスイッチアセンブリ74は、トリガスイッチ76と、トリガ78と、好適な実施形態ではコイルばね80とを有する。トリガスイッチ76が制御されると電気制御ユニット82により点火栓40が作動される。
【0027】
OFF位置(図1)とON位置(図2)との間のトリガ78の作動は、全体として参照番号84で示すロックアウト機構により制御される。このロックアウト機構は、工具10がワークに押しつけられるまでトリガが作動するのを阻止する。そのような圧力によってノーズピース26が押し下げられ、その結果、リンクによりバルブ部材50が上側に移動せしめられ、燃焼室36が閉鎖され、燃焼室36が外部からシールされることになる。
【0028】
より詳細には、図1から図4に示すように、ロックアウト機構84はトリガブラケット86を有し、そのトリガブラケット86は一端においてトリガ78に固定され、他端において傾斜付きアーム88を有しており、そのアーム88は横方向に延びているピボットピン90を有する。
【0029】
端部が開口したスロット94を備えたほぼ三角形状の解放カム92がピン90と係合し、そのスロット94はピン90と摺動して係合するような寸法にされている。更にカム92には、ピボットブッシュ98と係合する貫通穴96とカム突出部100とが設けられている。図1に示すように、カム突出部100は、燃焼室36が外部に対し開放されるときにほぼU形状のロッド102の端部と係合する。この係合により、トリガが押し下げられること及びそれに伴って点火が行われることが阻止される。
【0030】
図2に示すように、U形状ロッド102がバルブ部材50に取付けられているため、燃焼室がバルブ部材により閉鎖されると、ロッド102がバルブ部材と共に上方に移動し、その結果、ロッドを通過して解放カム92が移動するためのクリアランスが形成される。カム92が自由に移動できることにより、トリガ78を押し下げて点火を行うことができる。このロックアウト機構84については譲渡された米国特許4,483,474により詳細に記載されている。
【0031】
トリガ78が引っ張られると、中央電気分配制御ユニット82から信号が発生され、点火栓40の点火ギャップの位置において放電が行われ、その結果、燃焼室36内に噴射されファン46により気化又は分散されている燃料が点火される。この点火により、公知の従来技術と同様にドライバブレードが締結具に接触して締結具が基体内に駆動されるまで、ピストン64及びドライバブレード66がシリンダ本体58の下の方に移動せしめられる。次いでシリンダ内のガス圧が異なることによりピストンは元の位置又は「準備」位置に戻される。それぞれのガス圧は燃焼室がシールされているために分けられた状態に維持されている。仮にピストンがスタート位置(図1、図2)に戻る前に燃焼室36が開放されてしまうと、ガス圧が異なっている状態が壊され、ピストンが戻ることが妨げられてしまう。
【0032】
比較的長いシリンダ本体58又は大きい燃焼室を有する高エネルギ燃焼式動力工具の場合、ピストン64がスタート位置(図1、図2)に戻るために更なる時間が必要となることがわかっている。これらの場合、トリガ78が解放されて燃焼室が早期に開放されてしまう可能性が存在してしまう。トリガ78が押し下げられている間、燃焼室をシールする位置からバルブ部材50を解放するためにU形状ロッド102が下側に移動することができないことが図1及び図2からわかる。しかしながら、トリガ78が解放されると、カム92が図1に示す位置から移動し、その結果、ロッド102が下側に移動し、燃焼室を開放することが可能になる。
【0033】
上述したように、ピストンがスタート位置に戻る前に燃焼室36が開放されないことが重要である。それゆえ、本発明の重要な特徴は、燃焼室の開放を遅延させるディレイ装置を提供することである。好適な実施形態では、このことは、ピストン64が完全に戻るまでトリガ78が押し下げられた位置又はON位置から解放されるのを遅延させることにより達成される。
【0034】
図3及び図4において、本発明のディレイ装置は、全体として参照番号104で示してあり、好適な実施形態ではトリガ78を解放位置又はOFF位置(図3)から戻す付勢されたコイルばね80の作用を遅延させるための空気式チェックバルブを有する。空気式チェックバルブは、トリガ78内に配置されたほぼ円筒形内壁108により画定されたキャビティ106を有する。プランジャ110は、基部端部112の位置においてハウジング12内の支持構造体に対ししまりばめ、ねじ、又は他の公知の締結技術により固定されており、他方の先端114の位置においてキャビティ106と係合する。
【0035】
好適な実施形態において、プランジャ110は先端114の近くの環状溝118内に固定されたシール部材116を有する。シール部材116を適切な位置に固定するためにしまりばめ及び/又は化学的な接着が使用可能である。好適にはシール部材116は所謂「Uカップ」シールであり、その「Uカップ」シールはプランジャ110の長手軸に対し鋭角をなして突出している外側リップ120を有し、かかり又は矢印頭型構成を形成している。それゆえ、リップ120はキャビティ106の内壁108を拭いつつその内壁108と係合し、コイルばね80の作用に対し逆向きになる摩擦力を発生し、トリガ78がOFF位置に戻るのを遅延させる。換言すれば、トリガがON位置(図4)に容易に引っ張られるがOFF位置(図3)に戻るときには遅くなるようにシール部材116がプランジャ110上に配置されている。
【0036】
トリガ78が押し下げられると、プランジャ上をトリガが移動することにより、キャビティ106内の残りの空気が付勢され、その結果、シール部材116の後側のキャビティ内の領域122において相対的な真空状態が形成される。好適にはブナN(buna-N)又はブチルゴム又は均等物により形成されるシール部材116が不完全であるため、この真空も不完全になり、その結果、コイルばね80により及ぼされる力により空気は領域122からゆっくりと漏出し、それゆえ、コイルばね80はOFF位置に戻るようにトリガ78を押動することができる。シール部材116がシールを行うためのものである必要はなく、トリガ78がOFF位置に戻るのを阻止する真空を形成するものであればよいことを当業者であれば理解できるであろう。幾つかの適用例では、キャビティ106内で容易に摺動できるようにリップ120をグリースでコーティングすることも可能である。
【0037】
好適な実施形態では、ピストン64がスタート位置に戻るまでトリガ78がOFF位置に到達するのを遅延させるのに十分な大きさに領域122内の真空がなるようにプランジャ110及びキャビティ106の寸法が定められる。工具10にこのディレイ装置104を組み込むことにより、従来の燃焼型動力工具の場合に比べ、トリガ78がOFF位置に戻るのに要する時間がほぼ二倍になることがわかった。このディレイ装置を有する場合、トリガ78がON位置からOFF位置に到達するのに要する時間は約200msecである。
【0038】
図5及び図6において、他の実施形態の工具を全体として参照番号130で示し、同一の構成部品については同一の参照番号を付してある。図5及び図6は工具130のノーズピース領域の拡大部分裏面図である。本実施形態において、ノーズピース26は軸方向に延びている凹状トラック132を有し、そのトラックは、各発火毎にドライバブレード66が往復運動するときにドライバブレード66が摺動するようにドライバブレード66を収容する。工具130の一つの重要な異なる特徴は、ピストン64がスタート位置に到達するまでノーズピースに対しワーク接触要素52を固定する装置をノーズピース26が有することである。好適な実施形態では、この装置は、ノーズピース26上で回転して係合する少なくとも一つであって好適には二つであるカム134の型式をとっている。各カム134は、ワーク接触要素52と係合する第一外側突出部136と、ドライバブレード66と係合する第二内側突出部138とを有する。両方のカム134はノーズピース26に対し自由に回転できるようにピン140により固定されている。両方のカム134は、突出部136、138が適切な構成要素52、66と係合するのに十分な幅を有するような寸法にされる必要がある。
【0039】
工具130の他の異なる特徴は、ワーク接触要素52が少なくとも一つであって好適には一対のタブ142を有することである。このタブ142は、突出部136と係合するときに突出部136がタブ142から離脱するまで接触要素52がノーズピース26に対し移動することができないように突出部136と係合可能になっている。接触要素52がリンク54を介してバルブ部材50に結合されているため、この係合により、ピストン64がスタート位置に到達するまでバルブ部材50が開放されるのが阻止される。
【0040】
より詳細には、各タブ142は、突出部136の対向するカム表面146上に位置することになる傾斜した先端エッジ144を有する。突出部には、ドライバブレード66が通過して解放されるときにタブ142と突出部との間の相対的な摺動作用が強められるように十分な丸みが付けられている。ドライバブレード66がトラック132に沿って降下して突出部138と係合することによりタブ142が突出部表面と係合するとき、楔形構成になり、その結果、ドライバブレードがカム134を通過して引っ込む又は上昇するまで、カム134により、ワーク接触要素52が移動すること及びバルブ部材50が燃焼室を開放することが阻止されるように、カム134は構成されている。
【0041】
作動中、図5に示す休止位置において、ワーク接触要素52はノーズピース26に対し延びた位置に配置されている。つまり、リンク54を介して延びている要素52に結合されているバルブ部材50により、燃焼室36は開放されている。更にドライバブレード66は、スタート位置に位置しているピストン64により完全に引っ込んだ位置にせしめられている。タブ142がカム134の下に配置され、この位置においてカム134はタブ142ともドライバブレード66とも係合しておらず、自由に回転可能であることがわかるであろう。
【0042】
図6において、発火を行うための準備としてオペレータは工具130をワーク147に押しつけている。その場合、ワーク接触要素52の下側端部148はワーク147と接触しており、ノーズピース26の下側端部150は下側端部148に近接している。つまり、リンク54によりバルブ部材50がハウジング12に対し上方に移動せしめられ、燃焼室36が閉鎖されている。その時、ワーク接触要素52上のタブ142は、カム134の下の位置(図5)からカム突出部136、138の上の位置(図6)に移動されている。次いで工具130は工具10について上述したように発火可能になる。
【0043】
発火が行われるとき、ピストン64が下側に押動され、その結果、ドライバブレード66のエッジが内側突出部138と摺動して係合する。この係合によりドライバブレード66とカム134とタブ142との間に楔形関係が形成され、その結果、タブ142の傾斜付き先端エッジ144がカム表面146と強く係合せしめられる。この位置では、衝撃のある発火により工具130がワーク147から持ち上げられても、ワーク接触要素52が移動することができないため、バルブ部材50は燃焼室36を開放することができない。このロックアウト状況は、工具内に形成されたガス圧の違いによりピストン64がスタート位置に戻ることができるまで燃焼室36をシールしたまま維持される。
【0044】
ドライバブレード66が最も上の位置に位置するスタート位置にピストンが戻ると、ドライバブレードは内側突出部138と係合しなくなり、ピボットカム134はワーク接触要素52上のタブ142から離れる側に自由に移動する。次いで開放位置の側にばね付勢されたバルブ部材50は外側突出部136を内側に押動し、その結果、燃焼室36から排気ガスが排出され他の発火の準備を行うことができるようにバルブ部材が開放される。
【0045】
図7及び図8において、更に他の実施形態の工具を全体として参照番号160で示し、同一の構成部品には同一の参照番号を付してある。概して言えば、工具160は工具10及び工具130と同様の特徴を有し、燃焼室36は、ピストン64がスタート位置に戻るまで開放することができない。工具130と同様に、工具160においても、ドライバブレード66が完全に引っ込むまでノーズピース26に対しワーク接触要素を固定することによりこのことが達成される。
【0046】
より詳細には、ワーク接触要素162は、90°曲げて形成され、バルブリンク166が取付けられた第一パネル164と、傾斜付き上側部分172を備えたロックタブ170を有する第二パネル168とを具備する。好適な実施形態において、ワーク接触要素162の下側端部148は第一パネル164に配置されているが、下側端部148が第二パネル168に配置されるように要素162を構成することも可能である。
【0047】
取付けプレート174は、ハウジング12の下側端部に取付け可能であり、少なくとも四つの間隔を隔てて懸吊しているアイレット176を有する。各アイレット176は貫通穴178を有し、これらのすべての貫通穴178は互いに正確に位置決めされている。連結シャフト180(図9、図10)は、断面が非円形になっており、各貫通穴178内に回転可能に収容されるようになっている。ほぼ平坦なドライバブレードラッチ部材182(図13)は、シャフト180に結合され、非円形の貫通穴186と備えた第一端部184と、ドライバブレード66と係合する張出部190を備えた反対側の第二端部188とを有する。貫通穴186は、シャフト180と係合し、シャフト180と共に回転するように構成されている。好適にはドライバブレードラッチ部材182は一対のアイレット176の間に配置され、その結果、ドライバブレード66が降下して締結具と係合するとき、張出部190はドライバブレードと係合し、矢印192(図7)に示すようにドライバブレードから離れる側にシャフト180上で(シャフト180と共に)回転せしめられる。
【0048】
図7、図8、図11、図12に示すように、タブラッチ194は、第二の対のアイレット176の間に配置され、ドライバブレードラッチ部材182がドライバブレード66と係合するとシャフト180を移動させるためにシャフト180と係合する。四つの主要な構成要素はタブラッチ194と、一対の同一形状の外側カムプレート196、198と、内側カムプレート200と、コイルばね202とである。
【0049】
外側カムプレート196、198(図11)のそれぞれは、ほぼ三角形状であり、シャフト180と係合するための非円形貫通穴204を有し、弓状ばね開口206とばね取付けアイレット208とを有する。好適な実施形態において、ばね取付けアイレット208は、弓状ばね開口206により画定される弓形にほぼ沿ったプレートの側部に沿って横方向に突出しているが、適用例によっては他の構成も可能である。内側カムプレート200は構成全体としては外側カムプレート196、198と同様であるが、二つの主要領域において異なっている。まず第一に、シャフト180に対し独立して回転できるようにシャフト180と係合する貫通穴210が円形である。第二に、内側カムプレート200は、ばね取付けアイレット208の代わりに、アイレット208の反対側となるプレート200の側縁部から延びている突起212を有する。
【0050】
内側カムプレート200にもばね開口206が設けられている。ばね202の端部214が開口206のエッジ216と係合するようにばね202は内側カムプレート200のばね開口206内に配置されている。好適な実施形態では、プレート196、198、200がサンドイッチ状に組み立てられ(図7)、内側カムプレートが二つの外側カムプレートの間に配置されるときに、ばねが両方の外側カムプレートのそれぞれのばね開口206内に延びるように、ばね202の直径は定められる。ばね202は、負荷がかかっていない状態において、基本的に内側カムプレート200、特には突起212をロックタブ170の側に付勢するように各開口206内で端から端まで延びている。外側カムプレート196、198に対し内側カムプレート200をドライバブレード66の側に回転させるように突起212に負荷がかけられると、ばね202は圧縮され、負荷が解除されたときに内側カムプレートが元の位置に戻るように内側カムプレートを付勢する。
【0051】
戻しばね218(図14)の一端はばね取付けアイレット208の両方に結合され、その他端は取付けプレート174から懸吊しているピン220に結合されている。ばね218は、ピストンがスタート位置に戻りドライバブレード66が引っ込むとカムプレート196、198、200がワーク接触要素162のロックタブ170と係合しない「休止」位置に戻るように構成されている。
【0052】
作動中、図14に示すように、まず工具160のスタート位置(A)においてドライバブレード66は引っ込められており、ピストン(図示せず)はスタート位置に位置している。戻しばね218はタブラッチ194を引っ張っており、プレート196、198、200はロックタブ170と係合しておらず、ばね202はプレート196、198、200を位置合わせされた状態、又は互いにほぼ位置合わせされた状態に保持している。更にロックタブ170が内側カムプレート200の突起212の下に位置し、つまり、ワーク接触要素162が延ばされた位置にあり、燃焼室が開放されていることに注目すべきである。
【0053】
取付けプレート174上において、ドライバブレードラッチ部材182がドライバブレード66と係合可能であってタブラッチ194がロックタブ170と係合可能なように、ドライバブレードラッチ部材182及びタブラッチ194は互いに配置されている。図14(B)に示すように、オペレータがワークに抗して工具160を押し下げると、ワーク接触要素が上側に移動され(ロックタブ170の新しい位置を参照)、燃焼室36がバルブ部材50によりシールされる。ロックタブ170全体が突起212よりも上に位置していることに注目すべきである。工具160は発火できるようになっている。
【0054】
図14(C)に示すように、工具160の発火が行われると、ドライバブレード66が降下し、締結具と係合する。この降下中、ドライバブレード66は、ドライバブレードラッチ部材182の張出部190と係合すると共にそれを側方に押動し、その結果、矢印222に示すように部材182、シャフト180及びタブラッチ194が時計回りに回転せしめられる。この配置を部材182及びラッチ194の変位された位置又は回転された位置と呼ぶ。この回転された位置においてロックタブ170が下方に移動することがタブラッチ194の突起212により阻止されることに注目すべきである。
【0055】
図14(D)に示すように、次の発火位置まで工具を迅速に移動させるための所謂「衝突発火」動作の際に、オペレータはワーク表面から工具160を持ち上げる。それにより、ワーク接触要素162はワークに拘束されなくなり、図14(A)に示す休止位置に戻ろうとする。しかしながら、突起212がロックタブ170のエッジ213と係合することによりその動作が阻止される。更にバルブ部材50が上方に移動してしまうのが阻止されるために、燃焼室36はシールされたまま維持される。
【0056】
図14(E)に示すように、ドライバブレード66が完全に引っ込められると、戻しばね218によりドライバブレードラッチ部材182がスタート位置まで戻され、また、ドライバブレードラッチ部材はタブラッチ194が移動することによりシャフト180を介して移動せしめられる。すると、ワーク接触要素162は自由に下方に移動できるようになり、燃焼室36が開放され、燃焼室から既燃ガスを排出させることが可能になる(図14(F))。図14(A)と図14(F)とは同様であり、工具160は次の発火を行えるようになっている。
【0057】
図15に示すように、工具160はタブラッチ194の作動中に引っ掛かりが生じるのが阻止されるように構成されている。図15(A)には、スタート位置のドライバブレード66が示してあるが、ワーク接触要素162はまだ完全に引っ込められた位置又は閉鎖された位置に到達しておらず、その結果、突起212はロックタブ170の側部表面224と係合している。図15(B)に示すように、燃焼室36が完全に閉鎖されていない場合であっても、工具160の発火が行われると、ドライバブレード66によりドライバブレードラッチ部材182が押し退けられ、更にタブラッチ194がシャフト180と連結されているために時計回りに移動せしめられる。しかしながら、突起212が表面224と係合していることにより、タブラッチが完全に時計回りにまわった位置に到達するのが阻止される。仮に解放機構がない場合には、締結具を駆動するためにドライバブレードが自由に降下するのが妨げられてしまい、スタート位置に適切に戻れなくなってしまう。それゆえ、このようになることを解消するために、円形貫通穴210(図12)を有することにより内側カムプレート200は外側カムプレート196、198に対し自由に移動できるようになっている。更にばね202が圧縮されることにより、ドライバブレード66は適切にラッチ部材182を通過できるようになっている。
【0058】
関連する問題を図15(C)に示してある。発火の際に燃焼室が完全に閉じられていないと、通常ピストンをスタート位置まで戻すガス圧の差異が不十分になるか存在しなくなってしまう。図15(B)に示すようにばね202が圧縮されることにより、ロックタブ170は突起212を通過し降下することができる。これは、ロックタブ170の上側部分172が傾いていることにより達成される。
【0059】
図15(D)及び図15(E)に示すように、ドライバブレード66が既に下側位置に配置されると工具160は再発火できなくなる。引っ掛かっていないが部品が適切な位置に存在していない工具をリセットするために、オペレータはワーク147に抗してノーズピース26及びワーク接触要素162を押動することになる。この動作によりワーク接触要素162が上側に押動されるが、ドライバブレード66が下に位置しているために、タブラッチ194は変位された位置又は回転された位置に位置したままであり、ワーク接触要素は完全に上方に移動することができない。
【0060】
要素162が突起212を通過できるようにするために、ロックタブ170の傾斜付き上側部分172は、ばね202を圧縮するカム動作を開始する。オペレータが下方に更に押し下げることにより、ワーク接触要素162が突起212を通過するための十分なクリアランスが設けられるまで、ロックタブ170によってばね202が十分に圧縮され、突起212及び内側カムプレート200が反時計回りに移動せしめられる。
【0061】
図15(F)に示すように、ワーク接触要素162のロックタブ170は突起212を通り抜けており、バルブ部材50は、燃焼室36が典型的には閉じられているスタート位置に到達している。しかしながら、この瞬間、まだピストン64が最も下側の位置又は発火位置に位置しており、燃焼室を開放するためのスタート位置にまだ戻っていないため、燃焼室は閉鎖されていない。
【0062】
ドライバブレード66が押し下げられるとき、ドライバブレードラッチ部材182及びタブラッチ194は回転された位置又は変位された位置にまだ位置している。工具160が発火できるようにするために、オペレータはドライバブレード66がスタート位置(図14(A))に到達するまで、ねじまわし又は同様の工具によりドライバブレードをハウジング12内まで上方に押動することによりドライバブレード66をリセットする。その際、ラッチ部材182及びタブラッチ194は戻しばね218により図14(A)に示す位置まで引っ張られる。そうすると、工具がワーク147上に配置され、図14(B)に示すように燃焼室を閉鎖させるために押し下げられることにより、工具160の再発火ができるようになる。
【0063】
ディレイ装置104、ピボットカム134、又はドライバブレードラッチ部材184とタブラッチ194とを組み合わせたことにより、ピストン64がスタート位置に到達するまで燃焼室36を開放させることが遅延せしめられることがわかるであろう。それゆえ、工具のより一層信頼性の高い作動が達成され、望まれる場合にはオペレータは衝突発火により工具をより一層効果的に操作することができる。ピストンがスタート位置に到達するまで燃焼室を閉鎖した状態に維持するために当業者に知られている他の機構も使用可能であり、それも本発明の範囲内にあることがわかるであろう。
【0064】
本発明の燃焼式動力工具のための燃焼室用ディレイ手段の特有な実施形態について説明したが、当業者であれば、それに対し、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲から逸脱することなく変更又は修正を加えることが可能であることを理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃焼室が開放しトリガがOFF位置に位置している本発明の締結具用燃焼式動力工具の部分切取側面図である。
【図2】燃焼室が閉鎖しトリガがON位置に位置している図1の締結具用燃焼式動力工具の部分切取側面図である。
【図3】OFF位置における本発明のトリガアセンブリ及び空気式ディレイバルブの部分切取拡大図である。
【図4】ON位置における図3のトリガアセンブリ及び空気式ディレイバルブの部分切取拡大図である。
【図5】工具の休止位置における他の実施形態のロックアウトシステムに組み込まれた図1及び図2の工具のノーズピースの部分裏面図である。
【図6】爆発位置における図5に示した工具の図である。
【図7】本発明のロックアウトシステムの他の実施形態の部分斜視図である。
【図8】図7に示したシステムの部分分解斜視図である。
【図9】図8に示したピボットシャフトの正面図である。
【図10】図9の10−10線に沿った断面図である。
【図11】図7の工具の外側カムプレートの平面図である。
【図12】図7の工具の内側カムプレートの平面図である。
【図13】図7の工具のドライバブレードラッチ部材の平面図である。
【図14】本発明の工具の他の実施形態の通常オペレーションのシーケンスを示した概略正面図である。
【図15】図14の工具の異常オペレーションのシーケンスを示した概略正面図である。
【符号の説明】
10…工具
12…ハウジング
16…動力源
26…ノーズピース
36…燃焼室
50…バルブ部材
52…ワーク接触要素
58…シリンダ
64…ピストン
66…ドライバブレード
104…ディレイ装置
Claims (5)
- ドライバブレードを締結具に押しつけ、その締結具をワーク内に駆動するために燃焼を行うようになっている内蔵型内燃動力源を備えた燃焼式動力工具であって、
前記動力源を包囲するように構成されたハウジングと、
前記ハウジングの上端に画定される燃焼室と、
前記ハウジング内に配置され、前記燃焼室と流体的に連通するシリンダと、
前記燃焼室を開閉するために前記ハウジング内に配置されたバルブ部材と、
前記ドライバブレードを備えたピストンとを具備し、前記ピストンが、前記シリンダの第一端に位置するスタート位置と前記シリンダの第二端に位置する駆動位置との間を前記シリンダ内で往復運動するように構成され、更に
前記バルブ部材に結合され、締結具を打ち込むべきワークに接触するように構成されたワーク接触要素を備えたノーズピースを備え、前記ワーク接触要素が前記ノーズピースに対し移動可能であり、ワーク接触要素がワークに接触して前記ノーズピースに対し移動すことにより、前記バルブ部材が前記燃焼室を閉鎖し、更に
前記ワーク接触要素と係合可能な遅延手段であって、前記ドライバブレードが前記締結具を駆動するために下降したときに前記ドライバブレードと係合して作動し、かつ、前記ワーク接触要素とも係合して前記ワーク接触要素が前記ノーズピースに対して移動する事を防止する遅延手段とを備え、
前記遅延手段は、前記ピストンが締結具の駆動後に前記スタート位置に戻るまで、前記ドライバーブレードと係合し続け、その間、前記ノーズピースに対する前記ワーク接触要素の移動を防止することによって、前記バルブ部材が前記燃焼室を開放するのを遅延させる、燃焼式動力工具。 - 前記燃焼式動力工具は、ON位置とOFF位置との間で作動するトリガを備えたトリガスイッチアセンブリを前記ハウジング内に有しており、
前記トリガスイッチアセンブリが、前記トリガによって操作されるトリガスイッチと、前記トリガを前記OFF位置に付勢するコイルばねと、前記ON位置から前記OFF位置への前記トリガの移動を遅延させる空気式チェックバルブとを有している請求項1に記載の燃焼式動力工具。 - 前記空気式チェックバルブが、前記トリガに配置された内壁付きキャビティと、前記ハウジングに対して固定され前記キャビティ内に嵌装されたプランジャとを有し、前記プランジャが前記内壁を拭いつつ前記内壁上を摺動するシール部材を有し、前記シール部材が前記内壁上を摺動する際に発生する摩擦が前記コイルばねの作用に抗して、前記トリガが前記OFF位置に戻るのを遅延させる請求項2に記載の燃焼式動力工具。
- 前記遅延手段が前記ノーズピースに係合する少なくとも一つの回転可能なカムを有し、前記カムが前記ワーク接触要素と係合するための第一突出部と前記ドライバブレードと係合するための第二突出部とを有する請求項1〜3の何れか1項に記載の燃焼式動力工具。
- 前記ワーク接触要素が、少なくとも一つの前記第一突出部のうちの対応する一つと係合するための少なくとも一つのタブを有する請求項4に記載の燃焼式動力工具。
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