まず、この発明における第1態様、つまり請求項1に記載の立体視シート構成体の一例である立体視シート構成体1について、図面を参照して、説明する。第1態様の立体視シート構成体1は、図1に示されるように、シート部材10の一方の表面に、複数の凸レンズ21が形成されてなる凸レンズ集合体20を有し、他方の表面に、繰り返し模様部30を有している。
図1に示されるように、シート部材10は、1枚のシートからなり、後述する凸レンズ集合体20を支持する。立体視シート構成体1は、凸レンズ集合体20を介して、この凸レンズ集合体20が形成されたシート部材10の一方の表面に対して反対側の表面に形成された繰り返し模様部30を観察するものであるから、シート部材10は、透明であることを要する。ここで「透明」とは、繰り返し模様部30を観察することができる程度の透明性があることを意味し、無色透明、半透明、有色透明、有色半透明の状態を含む概念である。シート部材10の材質としては、凸レンズ集合体20を支持でき、透明な材質であればよく、例えば、合成樹脂、ガラス又は透明な塗装膜等を挙げることができる。
シート部材10の厚さは、凸レンズ21の焦点距離と実質的に同じ長さである。換言すると、シート部材10の一方の表面に凸レンズ集合体20を形成した場合に、その凸レンズ集合体20における凸レンズ21がそのシート部材10の他方の面に焦点を結ぶように、前記シート部材10の厚みが決定される。シート部材10の厚みは、通常の場合、凸レンズ21の焦点距離に応じて、0.1〜10.0mmであり、0.1〜0.8mmであるのがよい。シート部材10の形状は、凸レンズ集合体20を支持し、案内表示板等に適用可能な形状であればよく、例えば、平面形状、曲面形状、任意の凹凸形状等の板状にすることができる。
このシート部材10において、後述する凸レンズ集合体20が形成される表面は、できるだけ平滑であることが好ましい。シート部材10の、凸レンズ集合体20が形成される表面の好ましい平滑度は、JIS B 0601により規定された算術平均粗さ値(Ra値)及び最大高さ値(Ry値)により規定することができる。シート部材10の、凸レンズ集合体20が形成される表面の好ましいRa値は、0.001〜5(μm)であり、特に好ましくは0.002〜0.6(μm)であり、好ましいRy値は、0.001〜28(μm)であり、特に好ましくは0.002〜3(μm)である。なお、場合によっては、前記0.001〜0.6及び0.002〜5をRa値の好ましい範囲とすることもできるし、0.002〜28及び0.001〜3をRy値の好ましい範囲にすることもできる。シート部材10の、凸レンズ集合体20が形成される表面の平滑度が前記範囲内にあると、均一な凸レンズ21を有する凸レンズ集合体20を形成することができ、特に後述する印刷法による凸レンズ集合体20の形成を効果的に行うことができる。前記平面の平滑度が悪いと、最終的に形成される凸レンズ集合体20の機能が損なわれることがある。
凸レンズ集合体20は、前記シート部材10の表面に、複数の凸レンズ21が形成されてなる。凸レンズ21の配列は、モアレ効果によって繰り返し模様部における模様単位が浮き上がり、又は沈み込んで観察されるような視覚効果等の特殊視覚効果が得られる配列であればよく、一個の凸レンズ21が形成されるレンズ形成区画、レンズ形成区画の間隔等によって、特徴付けられる。このようなレンズ形成区画の形状としては、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形、円形、楕円形等が挙げられる。レンズ形成区画は、その内部に一個の凸レンズ21が形成され、凸レンズ21の配列を決定する。パターン形成区画の大きさ(隣接するパターン形成区画の間隔)は、後述する凸レンズの配列間隔Lに応じて決定される。
前記凸レンズ集合体20の配列としては、例えば、図2〜図8に示す配列が挙げられる。図2に示す凸レンズ集合体20の配列は、最密に配置された正六角形のレンズ形成区画22それぞれに1個の凸レンズ21が形成されたハニカム形状の配列である。図3に示す凸レンズ集合体20の配列は、縦横に配置された正四角形のレンズ形成区画22それぞれに1個の凸レンズ21が形成されたスクエア形状の配列であり、図4に示す凸レンズ集合体20の配列は、45度回転して縦横に配列された正四角形のパターン形成区画22それぞれに1個の凸レンズ21が形成されたスクエア形状の配列であり、図5に示す凸レンズ集合体20の配列は、一点から放射状に配置されたレンズ形成区画(図5において図示しない。)それぞれに1個の凸レンズ21が形成された放射形状の配列であり、図6に示す凸レンズ集合体20の配列は、同心円状に配置されたレンズ形成区画(図6において図示しない。)それぞれに1個の凸レンズ21が形成された同心円形状の配列であり、図7に示す凸レンズ集合体20の配列は、一点から渦巻き状に配置されたレンズ形成区画(図7において図示しない。)それぞれに1個の凸レンズ21が形成された渦巻き形状の配列であり、図8に示す凸レンズ集合体20の配列は、一点から半径方向に向かって延在する曲線状に配置されたレンズ形成区画(図8において図示しない。)内に凸レンズ21が形成された放射曲線形状の配列である。第1態様の立体視シート構成体の一例である立体視シート構成体1においては、レンズ形成区画22の配列は、図2に示されたハニカム形状の配列とされている。
凸レンズ21は、前記レンズ形成区画22内、好ましくはその略中央部に形成される。凸レンズ21の形状は、この凸レンズ21に入射する光を焦点することができる形状であればよい。凸レンズ21の大きさは、前記レンズ形成区画形状の大きさ以下であればよく、前記レンズ形成区画形状と同じであるのが特によい。凸レンズ21の高さは、凸レンズ21に入射する光を前記シート部材10の裏面に焦点させることができればよく、例えば、5〜100μm程度である。
凸レンズ21は、前記レンズ形成区画22の配列方向に向かって、互いに隣接する凸レンズ21同士の配列間隔Lをもって、配列される。このときの凸レンズ21の配列間隔Lは、等間隔でもよく、異なる間隔でもよく、特に限定されない。立体視シート構成体の一例である立体視シート構成体1(図1)においては、複数の凸レンズ21が等間隔の配列間隔Lをもって配列されている。このような凸レンズ21同士の配列間隔Lとして、例えば、0.1〜1.2mm程度であるのがよく、0.12〜0.42mm程度であるのが特によい。凸レンズ21の配列間隔Lは、前記レンズ形成区画22の配列方向に向かって、ある凸レンズ21の任意の位置から、それと隣接する凸レンズ21の前記任意の位置に対応する位置までの距離をいう。参考のため、図2〜図8に示される配列における凸レンズ21の中心間の配列間隔Lを各図に示してある。
凸レンズ集合体20の材質としては、レンズとして機能する材質であればよく、例えば、アクリル酸メチル樹脂等のアクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸メチル樹脂等のメタクリル酸エステル系樹脂若しくはビニル系樹脂、又は、これらの樹脂を含む樹脂組成物が挙げられる。
第1態様の立体視シート構成体1は、前記したように、そのシート部材10における前記凸レンズ集合体20を有していない表面、通常は前記シート部材10の一方の表面に形成された凸レンズが焦点を結ぶ面に、繰り返し模様部30を有している。この繰り返し模様部30は、複数の模様単位31が、前記複数の凸レンズ21の配列と相違するように、隣接する模様単位31の配列間隔及び配列方向が相違してなる連続変形模様部を含んでいる。立体視シート構成体1における繰り返し模様部30の一例について、図9〜図17を参照して、説明する。なお、図9及び図14はこの発明における三次元モアレ模様を説明するための参考図である。図10、12、15、16、17に示される実施態様においては、繰り返し模様部30は、模様単位の配列間隔Dが、任意の隣接する模様単位3個を選択したときに、N番目の模様単位Nとそれに隣接するN+1番目の模様単位N+1との間隔LN〜N+1とN+1番目の模様単位N+1とそれに隣接するN+2番目の模様単位N+2との間隔DN+1〜N+2との比(DN〜N+1/DN+1〜N+2)が0.95以上かつ1.05以下の範囲内となるように、換言すると以下の式(1)を満たすように、規則的に変化し、前記模様単位の配列方向が、N番目の模様単位Nとそれに隣接するN+1番目の模様単位N+1とを結ぶ直線の延長線と、N+1番目の模様単位N+1とそれに隣接するN+2番目の模様単位N+2とを結ぶ直線との交差角θ(以下において配列角度θと称することもある。)が−1度以上かつ+1度以下の範囲内となるように、換言すると以下の式(2)を満たすように規則的に変化する連続変形模様部を含む。
式(1) 0.95≦DN〜N+1/DN+1〜N+2≦1.05
式(2) −1≦θ≦+1
なお、前記比(DN〜N+1/DN+1〜N+2)が0.95未満であると、凸レンズ集合体側から三次元モアレ模様を観察しても模様が小さくなり過ぎて模様の沈み込みを認識することができなくなり、前記比が1.05よりも大きくなると、凸レンズ集合体側から三次元モアレ模様を観察しても模様が小さくなり過ぎて模様の浮き上がりを認識することができなく成る。また、前記交差角が−1度未満又は+1度を越えると、三次元モアレ模様の変化を認識することができなくなる。
繰り返し模様部30の一例として、図10に示される連続変形模様部40を含んだ繰り返し模様が挙げられる。この連続変形模様部40は、星形をなした模様単位31が凸レンズ集合体20の配列と相似の配列パターンで配列された模様パターン35(図9参照。)を、図10に示されるように、その配列方向に隣接した2つの模様単位31の配列間隔D、及び、前記配列方向と前記2つの模様単位31を結んだ直線とで形成される配列角度θが連続的に変化するように、変形してなる。
変形前の模様パターン35は、図9に示されるように、凸レンズ集合体20における凸レンズの配列方向と模様単位の配列方向とが同じであるが凸レンズの配列間隔L(ピッチとの称される。)と模様単位の配列間隔Dとが相違し、いわゆる相似の配列パターン、具体的には、凸レンズ集合体20における複数の凸レンズの配列間隔Lと相違する配列間隔Dをもって、星形の模様単位31が複数配列された配列パターンであるが、この配列パターンに限定されない。すなわち、変形前の模様パターン35は、そのパターンが凸レンズ集合体20の配列と相似であればよく、例えば、模様パターン35の配列間隔Dが凸レンズ集合体20の配列間隔Lよりも小さく又は大きく、かつ、その配列方向が、凸レンズ集合体20の配列方向と同じ又は異なる場合等が挙げられる。例えば、凸レンズ集合体20が、図2〜図8に示す配列に従って形成されている場合には、模様パターンは、それぞれ、図2〜図8に示す配列における配列間隔Lと相違する間隔を持つ図2〜図8に示す配列に従って形成されることになる。
ここで、模様パターンを構成する模様単位とは、模様パターンが不連続な模様で構成されている場合には、模様パターンを構成する不連続な各模様をいい、模様パターンが例えば線分等の連続的な模様で構成されている場合には、模様パターンを所定の間隔で格子状に分割したときに、模様の一部となる分割された連続した形状をいう。模様単位となる不連続な模様の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形、円形、楕円形、ハート形、星形、涙形、文字形等の任意の形状が挙げられる。
立体視シート構成体1における凸レンズ集合体20(前記レンズ形成区画22)は、図2に示されたハニカム形状の配列に従って形成されているから、図9に示されるように、模様パターン35は、星形の複数の模様単位31がハニカム形状の配列に従って形成されている。なお、図9に示す補助線X−5〜X5及びY−5〜Y5は、それぞれ、模様パターン35を変化させる状態を説明するための説明用の補助線であり、模様パターン35を構成するものではない。
図11は、第1の態様における模様パターン、例えば図10に示される模様パターン40における模様単位31の配列の規則性を示す説明図である。図11に示されるように模様パターン40における任意の連続する3個の模様単位例えば31a〜31cに着目する場合に、模様単位31aと模様単位31bとを結ぶ直線と模様単位31bと模様単位31cとを結ぶ直線との為す交差角度θ1が−1度から+1度の範囲内にある。模様単位31cと模様単位31bとを結ぶ直線と、模様単位31cと模様単位31dとを結ぶ直線との為す交差角度θ2も−1度から+1度の範囲内にある。このようにして複数の模様単位の列において、前記式(2)の関係が満たされる。θの角度を前記−1度から+1度の範囲内におけるどのような値にするかは、模様パターンの設計により決定される。
図10に示される模様単位31の配列は、図9に示される模様パターン35において、隣接する2個の模様単位により形成される直線と、それら2個のうちの1個の模様単位とそれに隣接する他の模様単位とで形成される直線との為す交差角度θが前記式(1)を満たすように、しかも視覚的効果を意図して設計されたところの、補助線x及び補助線yが直線からS字カーブへと変化するように配列された複数の補助線x及び補助線yに沿うように、連続して段階的に変化するように、変形されている。
このように模様単位31の配列角度θを変化させると、図10及び図11から明らかなように、その変化に伴って、図11により明確に示されるように、補助線y0に沿う方向に隣接する2つの模様単位31の配列間隔Dも前記式(1)を満たすようにわずかに変化する。すなわち、補助線X−5及びX5側それぞれから、補助線X0に向かって、補助線y0に沿う配列方向に隣接した2つの模様単位31の配列間隔Dが連続して段階的に又は無段階的に変化している。
図9に示される模様パターン35において、その補助線x0に沿う模様単位31の配列及びy0に沿う模様単位31の配列すべてが前記式(1)及び式(2)を満たしつつ、直線と成った補助線x−5からS字状の補助線x0を経由して再び直線となった補助線x+5及び直線と成った補助線y−5からS字状の補助線y0を経由して再び直線となった補助線y+5にそれぞれ沿い、しかも補助線xと補助線yとで囲繞させる領域内ではいずれも同数の模様単位が含まれるように模様単位が配列されるように、変形され、その結果、図10に示されるように、連続変形模様部40が形成される。この連続変形模様部40は、模様パターン35の補助線X0と補助線Y0との交点を中心に、模様パターン35をねじ曲げたような、又はひねったような配列パターンになっている。
連続変形模様部40として、図10及び図11に、その一例を示したが、式(2)における配列角度θを連続的に変化させる際の、配列角度θの大きさ、及び、角度の向き(θの絶対値)は、前記した式(2)を満たす範囲内で任意に設定することができる。
また、図10に示される連続変形模様部40は、前記したように、補助線xを、直線と成った補助線x−5からS字状の補助線x0を経由して再び直線となった補助線x+5へと変化させ、同時に直線と成った補助線y−5からS字状の補助線y0を経由して再び直線となった補助線y+5に変化させているが、補助線の変化のパターンはこのような例に限られず、補助線x及び補助線yのいずれか一方を順順に変化させるが、他方の補助線は直線又は非直線のままにしておいて、そのような補助線に沿って配列された複数の模様炭により形成されていても良い。
前記繰り返し模様部30の他の一例として、図12に示される連続変形模様部41を含んだ繰り返し模様部(図示しない。)が挙げられる。この連続変形模様部41は、模様単位31が凸レンズ集合体20の配列と相似の配列パターンで配列された模様パターン35(図9参照。)を、その配列方向に隣接した2つの模様単位31の配列間隔D、及び、前記配列方向と前記2つの模様単位31を結んだ直線とで形成される配列角度θが連続的に変化するように、変形してなる。
模様パターン35は、前記繰り返し模様部30の一例として説明した前記模様パターン35と同一であり、凸レンズ集合体20の配列間隔Lと相違する間隔をもって、星形の模様単位31が複数配列された配列パターンである。
図13は、図9に示す模様パターン35の補助線Y0に沿う模様単位31の配列を、補助線Y0に沿う配列方向に隣接した2つの模様単位31の配列間隔Dを連続して変化させてなる連続変形模様を説明する図である。図13において、補助線X−5〜X5に位置する星形の模様単位31a〜31kのみを丸で示し、変形した後の補助線を小文字の「x」及び「y」で示している。
図12に示されるy0に沿う模様単位31の配列は、図9に示される模様パターン35において、その配列方向に隣接した2つの模様単位31の配列間隔Dが、図13に示されるように、式(1)の関係を満たすように、連続して段階的に又は無段階的に変化するように、変形されている。その結果、前記模様単位31の配列は、模様パターン35の配列間隔に比して、大きな間隔と小さな間隔を有し、かつ、補助線x0を中心線として、補助線x−5から補助線x0までの模様単位31の配列と、補助線x5から補助線x0までの模様単位31の配列とが線対称となっている。したがって、補助線y0に沿う模様単位31aと31bとの配列間隔D1と、模様単位31kと31jとの配列間隔D1とは同じ間隔を有しており、配列間隔D2〜d5も同様に、それぞれ同じ配列間隔D2〜d5を有している。なお、図13には、補助線x−5〜x5に位置する模様単位31a〜31kのみが示されているが、補助線Y0に沿う模様単位31の配列すべてがこのように、補助線x0に対して線対称に変形されている。
一方、図12に示されるx0に沿う模様単位31の配列も、前記y0に沿う模様単位31a〜31kの配列における変形と同様に、補助線y0に対して線対称に変形されている。具体的には、前記x0に沿う模様単位31の配列は、図9に示される模様パターン35において、その配列方向に隣接した2つの模様単位31の配列間隔Dが、式(1)の関係を満たすように、連続して段階的に又は無段階的に変化するように、変形されている。その結果、前記x0に沿う模様単位31の配列は、模様パターン35の配列間隔に比して、大きな間隔と小さな間隔を有し、かつ、補助線y0を中心線として、補助線y−5から補助線y0までの模様単位31の配列と、補助線y5から補助線y0までの模様単位31の配列とが線対称となるように、補助線X0に沿う模様単位31の配列がすべて変形されている。
このように、図12に示される模様パターン41においては、その補助線X0に沿う模様単位31の配列及び補助線Y0に沿う模様単位31の配列すべてが、前記したように、補助線y0に対して線対称に変形されている。この図12に示される連続変形模様部は、y軸とx軸とにより区画される単位区画内に存在する模様単位の数は、いずれの単位区画内にあっても同じ数である。また、この図12に示される連続変形模様部における模様単位の配列規則は、換言すると、y0軸とx0軸との交点の周囲に存在する4個の単位区画内に存在する模様単位の密度が最大となり、前記4個の単位区画の外側に順次に配列される単位区画内の模様単位の密度が外側に向うにつれて減少するような配列規則となっている。このように模様単位31の配列を変形させると、図12及び図13から明らかなように、その変形に伴って、より明確には、例えば、図12における補助線y4に沿う模様単位31の配列が補助線y0の方向に近接しているように、補助線y0に沿う模様単位31の配列方向と、この配列方向における隣接する2つの模様単位31を結んでなる直線とで形成される配列角度θもわずかに変化する。すなわち、補助線y0に沿う模様単位31の配列は、その配列方向と、この配列方向における隣接する2つの模様単位31を結んでなる直線とで形成される配列角度θが連続して段階的に又は無段階的に変化している。この配列角度の変化は、補助線yに沿う模様単位31の配列だけでなく、補助線xに沿う模様単位31の配列にも共通している。その結果、図12に示されるように、連続変形模様部41は、模様パターン35の補助線X0と補助線Y0との交点を中心に、模様パターン35が収束するような配列パターンを有している。
連続変形模様部41として、図12及び図13に、その一例を示したが、配列間隔Dを連続して段階的に又は無段階的に変化させる際の、配列間隔Dの大きさは、前記式(1)を満たす限り、任意に設定することができる。
また、図12に示される連続変形模様部41の代わりに、例えば、前記補助線y0及び補助線x0に沿う模様単位31の配列における一方の配列を変形してなる連続変形模様部とすることもできる。また、例えば、補助線x−5から補助線x0までの模様単位31の配列及び補助線x5から補助線x0までの模様単位31の配列の何れか一方の配列のみを変形してもよく、さらには、補助線x−5から補助線x0までの模様単位31の配列と補助線x5から補助線x0までの模様単位31の配列との配列間隔Dの変化量を異なる値に設定して、両配列を変形してもよい。
前記繰り返し模様部のまた別の一例として、図15に示される連続変形模様部44を含んだ繰り返し模様部(図示しない。)が挙げられる。この連続変形模様部44は、星形をなした模様単位31が凸レンズ集合体20の配列と相似の配列パターンで配列された模様パターン37(図14参照。)を、図15に示されるように、その配列方向に隣接した2つの模様単位31の配列間隔D、及び、前記配列方向と前記2つの模様単位31を結んだ直線とで形成される配列角度θが連続的に変化するように、変形してなる。
模様パターン37は、図14に示されるように、凸レンズ集合体20の配列と相似の配列パターン、具体的には、凸レンズ集合体20の配列間隔Lと相違する配列間隔をもって、星形の模様単位31が複数配列された配列パターンであり、模様パターン37は、回転して縦横に配列された正四角形のレンズ形成区画22内に凸レンズ21が形成されたスクエア形状の配列に従って形成された図4に示される凸レンズ集合体20と同様の配列に従って、星形の複数の模様単位31が配列されている。なお、図14に示す補助線X−5〜X5及びY−5〜Y5は、それぞれ、模様パターン37を変化させる状態を説明するための説明用の補助線であり、模様パターン37を構成するものではない。
連続変形模様部44は、図15に示されるように、連続変形模様部40と同様に、模様パターン37に基づいて、模様パターン37の補助線X0及びY0に沿う模様単位31の配列を、前記配列方向とその配列方向に隣接した2つの模様単位31を結んだ直線とで形成される配列角度θを連続して変化させてなる。その結果、補助線x0と補助線y0との交点を中心点として、補助線x−5から補助線x0までの模様単位の配列と補助線x5から補助線x0までの模様単位の配列とが直線状からS字カーブ状に変形し、次いで直線状に変形し、かつ、補助線y−5から補助線y0までの模様単位の配列と補助線y5から補助線y0までの模様単位の配列とが直線状からS字カーブ状に変形し、次いで直線状に変形するように、模様パターン37の補助線X0及びY0に沿う模様単位31の配列がすべて変形されている。なお、図15においては、変形した後の補助線を小文字の「x」及び「y」で示している。
前記繰り返し模様部のまた別の一例として、図16に示される連続変形模様部45を含んだ繰り返し模様部が挙げられる。この連続変形模様部45は、図14に示される前記模様パターン37を、連続変形模様部1と同様に、その配列方向に隣接した2つの模様単位31の配列間隔D、及び、任意に選択された連続する3個の模様単位について前記式(2)を満たすように配列角度θが連続的に変化するように、変形してなる。図16に示される繰り返し模様部30における連続変形模様部45においては、模様パターン37の配列間隔に比して、大きな間隔と小さな間隔を有し、かつ、補助線x0を中心線として、補助線x−5から補助線x0までの模様単位の配列と、補助線x5から補助線x0までの模様単位の配列とが線対称となり、かつ、補助線y0を中心線として、補助線y−5から補助線y0までの模様単位31の配列と、補助線y5から補助線y0までの模様単位31の配列とが線対称となるように、模様パターン37の補助線X0及びY0に沿う模様単位31の配列がすべて変形されている。なお、図16においては、変形した後の補助線を小文字の「x」及び「y」で示している。
前記繰り返し模様部のまた別の一例として、図17に示される連続変形模様部42及び連続変形模様部43を含んだ繰り返し模様部30Dが挙げられる。図17には、繰り返し模様部30Dの一部が示されている。繰り返し模様部30Dは、模様単位が2種類の連続変形模様部42及び43を補助線のx方向及び補助線のy方向に変形してなる。なお、図17において、連続変形模様部42及び43を構成する線分を実線で示している。
前記連続変形模様部42は、前記連続変形模様部41又は45と同様であり、模様単位31からなる模様パターン(図示しない。)を変形してなる。この連続変形模様部42においては、補助線y0と補助線x-3との交点を中心にして、模様単位31の配列間隔Dが、前記交点から遠ざかるにつれて大から小へと変化する。前記連続変形模様部43は、補助線y0と補助線x3との交点を中心にして、模様単位31の配列間隔Dを、前記交点から遠ざかるにつれて大から小へと変化するように、すなわち、前記連続変形模様部42と逆の変形方法で、前記模様パターン36を変形してなる。
図17に示されるところの、模様単位の集合である模様パターンは、線分を碁盤目状乃至縦横に配列した模様パターンによって構成されているから、凸レンズ集合体20における複数の凸レンズの配列は、図3に示される正四角形のレンズ形成区画を縦横に配置したスクエア形状の配列になっている。
連続変形模様部40〜45を含む繰り返し模様部は、シート部材10における凸レンズ集合体20が形成された表面の反対側の表面、すなわち凸レンズの焦点面に形成されている。
立体視シート構成体1において、視距離が長くても短くても、見る角度を変えていくことによって、連続変形模様部40〜45を含む繰り返し模様部30、30Dに基づく三次元モアレ模様が変位して動いて見える原理を、連続変形模様部40を例にして説明する。
連続変形模様部40を含む繰り返し模様部30を、凸レンズ集合体20を介して見ると、前記連続変形模様部40が、三次元モアレ模様であって、かつ、それを見る角度を変えていくことによって、変位し動いて見える。
立体視シート構成体1において、連続変形模様部40の三次元的な視覚効果は、凸レンズ集合体20における凸レンズ21間の配列間隔Lと連続変形模様部40における模様単位31間の配列間隔Dとの差、及び、凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列方向と連続変形模様部40における模様単位31の配列方向との角度差によって、決定される。すなわち、配列間隔Lが配列間隔Dよりも大きいと、繰り返し模様部30は沈んだように見え、逆に配列間隔Dが配列間隔Lよりも大きいと、繰り返し模様部30は浮き上がるように見える。そして、配列間隔Lと配列間隔Dとの差(絶対値)が小さいほど、沈み込み量又は浮き上がり量が大きく見える。また、凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列方向と連続変形模様部40における模様単位31の配列方向との角度差(絶対値)が小さいほど、沈み込み量又は浮き上がり量が大きく見える。
したがって、模様単位31における配列間隔D及び配列角度θが連続して段階的に又は無段階的に変化してなる連続変形模様部40は、それを構成する複数の模様単位31の配列間隔D及び配列角度θが連続して変化しているから、凸レンズ集合体20を介して連続変形模様部40を見たときに、連続変形模様部40の沈み込み量又は浮き上がり量も、連続して変化して見える。その結果、凸レンズ集合体20を介して見た連続変形模様部40は、三次元的に、沈み又は浮き上がる様が、強調され、連続変形模様部40の三次元的な視覚効果が大きくなる。
一方、レンズ集合体20を介して連続変形模様部40を見る角度を変えた時に、連続変形模様部40を構成する模様単位31が移動したように見える移動量は、前記三次元的な視覚効果の大きさに依存する。すなわち、配列間隔Lと配列間隔Dとの差(絶対値)が小さいほど、また、凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列方向と連続変形模様部40における模様単位31の配列方向との角度差(絶対値)が小さいほど、連続変形模様部40を見る角度を変えていくと、その沈み込み量又は浮き上がり量が大きくなり、その移動量も大きくなる。したがって、見る角度を変えた時に、配列間隔Lと配列間隔Dとの差(絶対値)に応じて、連続変形模様部40を構成する模様単位31が移動したように見える移動量が変化する。さらに、凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列方向と連続変形模様部40における模様単位31の配列方向との角度差(絶対値)を変化させると、見る角度を変えた時に、連続変形模様部40を構成する模様単位31が視線の移動方向と異なる方向に移動したように見える。このときの模様単位31の移動方向は、前記凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列方向と連続変形模様部40における模様単位31の配列方向との角度差(絶対値)に依存し、この差が大きくなると、模様単位31の移動方向は、前記視線の移動方向から大きく外れることになる。
その結果、連続変形模様部40において、配列間隔Dを連続して変化させた部分では、見る角度を変えた時に、模様単位31の変位量が連続して異なるように見え、また、配列角度θを連続して変化させた部分では、見る角度を変えた時に、模様単位31の変位方向が連続して異なるように見える。したがって、凸レンズ集合体20を介して連続変形模様部40を見る角度を変えた時に、連続変形模様部40の動きが強調され、より明確に見える。
そして、このように、配列間隔Lと配列間隔Dとの差(絶対値)、及び、凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列方向と連続変形模様部40における模様単位31の配列方向との角度差(絶対値)を、連続して段階的に又は無段階的に変化させた連続変形模様部40では、連続変形模様部40を構成する模様パターン31の変位量及び模様パターン31の変位方向に連続して違いが生じ、その結果、連続変形模様部40の動きが強調され、より明確に見えるようになるから、視距離が短い場合はもちろん、視距離が長い場合にも、連続変形模様部40の動きが、明確かつ容易に観察できる。
そのため、この発明に係る第1態様の立体視シート構成体1のように、凸レンズ集合体20を介して見た連続変形模様部40は、三次元的に、沈み又は浮き上がる様が明瞭に見えるだけでなく、レンズ集合体20を介して、連続変形模様部40を見た場合に、視距離が長くても、それを見る角度を変えていくことによって、この三次元モアレ模様が変位し動いて見える。
したがって、立体視シート構成体1は、短い視距離を隔てて見られる、例えば、包装物等に加えて、通常、長い視距離を隔てて見られる、例えば、街頭看板、ポスター、広告塔、案内表示板等にも適用することができる。
前記連続変形模様部40及び前記連続変形模様部44は、具体的には、凸レンズ集合体20を介して、見る角度を変えて見ると、模様単位31が補助線x0と補助線y0との交点に向かって収束しつつ浮き上がった三次元モアレ模様が、その交点に流入又は流出するように、動いて見える。
前記連続変形模様部41及び前記連続変形模様部45は、具体的には、凸レンズ集合体20を介して、見る角度を変えて見ると、模様単位31が補助線x0と補助線y0との交点に向かって収束しつつ沈み込んだ三次元モアレ模様が、その交点に流入又は流出するように、動いて見える。
図17に示される前記連続変形模様部42は、具体的には、凸レンズ集合体20を介して、見る角度を変えて見ると、模様単位32が補助線x−3と補助線y0との交点に向かって収束しつつ沈み込んだ三次元モアレ模様が、その交点に流入又は流出するように、動いて見え、一方、連続変形模様部43は、具体的には、凸レンズ集合体20を介して、見る角度を変えて見ると、模様単位32が補助線x3と補助線y0との交点から放射状に広がりつつ浮き上がった三次元モアレ模様が、その交点に流入又は流出するように、動いて見える。つまり、繰り返し模様部30Dは、全体として、交互に凹凸を有する起伏模様が波打つように見える。
立体視シート構成体1の製造方法を説明する。まず、シート部材10を前記材質で、成形技術等の公知の製造方法によって、形成する。このとき、シート部材10における凸レンズ集合体20が形成される表面は、前記表面粗さを有するように、定法に従って表面処理されてもよいし、下地層が設けられてもよい。下地層は、樹脂組成物等を用いて、ディッピング、刷毛塗り、スプレー、ロールコータによる塗工、印刷及びその他の方法により、形成することができる。
次いで、シート部材10の表面に、前記材質で、凸レンズ集合体20を形成する。凸レンズ集合体20を形成する方法として、前記凸レンズ集合体20を形成可能な公知の方法、例えば、型を使った成型法や印刷法等が挙げられる。
前記シート部材10と凸レンズ集合体20とが、同一の材質で形成される場合には、シート部材10と凸レンズ集合体20とを、例えば成形技術等によって、一体に形成してもよい。
次いで、連続変形模様部40を含む繰り返し模様部30を形成するためにはまず、この繰り返し模様部30を、例えば、パーソナルコンピュータにて、画像編集ソフト(例えば、アドビシステムズ社製のAdobe Illustrator(登録商標)、アドビシステムズ社製のAdobe Photoshop等が挙げられる。)を用いて、凸レンズ集合体20の配列間隔Lと相違する配列間隔を持つ配列パターンとなるように、複数の模様単位31を配列して、例えば図9に示すような模様パターン35を作成する。次に、この繰り返し模様部30における一部の領域又は全部の領域(模様パターン35に相当)において、前記画像編集ソフトを用いて、その配列角度θ及び配列間隔Dを、図10に示される配列に変化させる。このようにして形成されたところの連続変形模様部40を含む繰り返し模様部30を、シート部材10の凸レンズ集合体20が形成されていない表面つまり凸レンズの焦点面に形成して、立体視シート構成体1を製造することができる。なお、図12に示される連続変形模様部41を含む繰り返し模様部、図15に示される連続変形模様部44、図16に示される連続変形模様部45、図17に示される連続変形模様部42,42を含む繰り返し模様部30Dも同様にして形成することができる。
この発明によれば、前記のようにして、その一部又は全部を変形してなる連続変形模様部を容易に形成することができるから、立体視シート構成体1を容易に製造することができる。
また、連続変形模様部は、その配列方向における任意の連続する3個の模様単位31が式(1)及び式(2)の関係を満たす限り、配列間隔D、及び、前記模様単位31における配列角度θを徐々に変化させ、又は急激に変化させて、模様パターンを変形してなるものであればよく、必ずしも、模様パターンを連続変形模様部40〜45に限定されるものではない。
さらに、立体視シート構成体1における繰り返し模様部30、30A〜30Cは、1つの連続変形模様部を含んでいるが、図17に示されるように、2以上の連続変形模様部を含んでいてもよい。この場合、2以上の連続変形模様部は、同じ連続変形模様部であってもよく、異なる連続変形模様部であってもよい。例えば、連続変形模様部40又は連続変形模様部41を複数含んでいてもよいし、両方を複数含んでいてもよい。繰り返し模様が複数の連続変形模様部を含んでいる場合には、連続変形模様部は任意に配列することができる。
さらにまた、立体視シート構成体1における繰り返し模様部30、30D並びに連続変形模様部40〜45は、何れも、それら繰り返し模様部及び連続変形模様部の形成領域が正方形であると想定されているが、繰り返し模様及び連続変形模様部を形成する領域の輪郭形状は、特に限定されず、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形、円形、楕円形、ハート形、星形、涙形、矢印形、流線形、文字形又はこれらを結合した形状等が挙げられる。
この発明に係る立体視シート構成体は、一層又は複数の層からなる透明なシート部材の一方の表面に、複数の凸レンズを集合形成して成る凸レンズ集合体を形成し、そのシート部材の前記凸レンズの焦点面に、連続変形模様部を有する繰り返し模様部を形成して成る構成に限定されない。例えば本願請求項6に記載されているように、第1のシート部材における一方の表面に前記請求項1に記載の凸レンズ集合体を有し、第2のシート部材における一方の表面に前記請求項1〜5のいずれか一項に記載の繰り返し模様部を有し、前記第1のシート部材における凸レンズの焦点面と、前記第2のシート部材における前記繰り返し模様部を有する表面とが対面するように、前記第1のシート部材及び前記第2のシート部材を着脱自在又は一体に積層してなる立体視シート構成体もまた、この発明に係る立体視シート構成体である。
具体的には、図18に示されるように、立体視シート構成体2は、第1のシート部材10における一方の表面に凸レンズ集合体20を有し、第2のシート部材11における一方の表面に繰り返し模様部30を有し、前記第1のシート部材10における他方の表面すなわち凸レンズの焦点面と、前記第2のシート部材11における前記繰り返し模様部30を有する表面とが対面するように、前記第1のシート部材10及び前記第2のシート部材11を積層してなる。立体視シート構成体2におけるシート部材11は、透明でなくてもよく、例えば、紙、合成樹脂、塗装膜等の材質で形成することができる。
この積層体は、シート部材10及びシート部材11が対面した状態で一体的に固定、例えば、接着乃至接合等されていなくてもよく、例えば、2枚の保持板等を用いて、シート部材10及びシート部材11を把持することによって、使用時に、シート部材10及びシート部材11を対面した状態に保持してもよい。図18に示される立体視シート構成体2においては、前記方法で、繰り返し模様部30を作成し、シート部材11の表面に形成して、繰り返し模様部30を有するシート部材11を形成することができる。
さらに、図18には、2枚のシート部材10及び11の積層体が示されているが、3枚以上のシート部材を積層した積層体としてもよい。例えば、シート部材10とシート部材11の間に第3のシート部材が介装されていてもよく、シート部材10、シート部材11及び第3のシート部材がこの順に積層されていてもよい。この第3のシート部材は、場合によっては、シート部材10又はシート部材11を支持する支持層としての機能を有し、凸レンズ集合体20による焦点が繰り返し模様に結像するように焦点距離を調整する焦点距離調整層としての機能を有する。
また、立体視シート構成体1及び2は、繰り返し模様を備えているが、これらの繰り返し模様に加えて、他の模様や画像等を有していてもよく、例えば、図19に示される立体視シート構成体3のように、凸レンズ集合体20が形成されていないシート部材10の表面に画像15を形成し、この画像15の背景等として、繰り返し模様部30を、この画像15の表面に形成してもよい。もちろん、前記シート部材10の表面に繰り返し模様部30を形成し、さらに、その表面に画像15を形成してもよい。
この発明における第2態様の立体視シート構成体4について、図面を参照して、説明する。図20に示す立体視シート構成体4は、図1に示される第1態様の立体視シート構成体1と同様に、シート部材10の一方の表面に複数の凸レンズ21が形成されてなる凸レンズ集合体20を有し、シート部材10の他方の表面に繰り返し模様50を有している。第2態様の立体視シート構成体4におけるシート部材10及び凸レンズ集合体20は、第1態様の立体視シート構成体1におけるシート部材10及び凸レンズ集合体20と同様である。第2態様の立体視シート構成体4においては、例えば、凸レンズ集合体20は、図3に示す正四角形のレンズ形成区画を縦横に配置したスクエア形状に配列されている。
図20に示されるように、立体視シート構成体4における繰り返し模様50は、複数の線分65が凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列間隔Lと相違する間隔Dをもって隣接してなる線分集合部60を含んでいる。
線分集合部60を形成する領域の輪郭形状は、所望の模様となるように任意に決定することができ、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形、円形、楕円形、ハート形、星形、涙形、矢印形、流線形、文字形又はこれらを結合した形状等が挙げられる。
前記線分集合部60を構成する線分65は、凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列間隔Lと相違する間隔をもって略平行に隣接し、繰り返しパターンを形成可能な線分であればよく、例えば、直線、曲線又はこれらを含む線であってもよい。このような線分65としては、例えば、凸レンズ集合体20を構成する凸レンズ21の隣接する凸レンズ21を通る線分65の延在方向と同方向に延在する線分等が挙げられ、より具体的にその例を挙げると、例えば、凸レンズ集合体20が図2に示す配列に従って形成されている場合には、図21に示される線分65a〜65c等の延在方向と同方向に延在する線分等が挙げられ、凸レンズ集合体20が図3に示す配列に従って形成されている場合には、図22に示される線分65d〜65m等の延在方向と同方向に延在する線分等が挙げられる。
前記線分集合部60は、これらの線分が、複数集合し、かつ、凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列間隔Lと相違する間隔をもって、略平行に隣接してなる。ここで、凸レンズ21の配列間隔Lと相違する間隔とは、例えば、線分集合部60を構成する隣接する複数の線分間の間隔が、配列間隔Lよりも短く一定である場合、配列間隔Lよりも長く一定である場合、連続的に徐々に又は急激に短く又は長くなる場合、及び、連続的に徐々に又は急激に短くなり又長くなる場合等をいう。前記一定の間隔としては、例えば、凸レンズの配列間隔Lの1/n〜n倍(nは0でない数)とすることができる。
立体視シート構成体4においては、繰り返し模様50は、例えば、図23に示されるように、正六角形を基本とする星形の輪郭を有し、この星形を12に分割した三角形部分に、3種類の線分集合部60a、60b及び60cを、それぞれ4固ずつ、配置してなる。前記3種類の線分集合部60a、60b及び60cの配置は、これらの線分集合部60a〜60cを構成する線分の延在方向が、隣接する2つの線分集合部を構成する線分の延在方向と、それぞれ異なるように、時計方向に、線分集合部60a、60b及び60cの順で配列されている。線分集合部60a、60b及び60cを構成する線分65は、それぞれ、図22に示された線分65j、線分65d及び65fの延在方向と同方向に延在し、各線分集合部60a、60b及び60cを構成する隣接する線分65同士の距離は、凸レンズ集合体20を構成する凸レンズ21の配列間隔Lと相違するように設定されている。そして、前記3種類の線分集合部60a、60b及び60cは、何れも、配列間隔Lと相違する距離を隔てて、複数の線分65が平行に配列されてなる。
立体視シート構成体4は、立体視シート構成体1と同様に、繰り返し模様50が、シート部材10における凸レンズ集合体20が形成された表面の反対側の表面である凸レンズ焦点面に形成されている。
立体視シート構成体4において、視距離が長くても短くても、見る角度を変えていくことによって、線分集合部60を含む繰り返し模様50の三次元モアレ模様が変位し動いて見える原理を以下に説明する。
繰り返し模様50に含まれる3種類の線分集合部60a、60b及び60cを、凸レンズ集合体20を介して見る角度を変えて見ると、それぞれの線分集合部60a、60b及び60cを構成する複数の線分は一様に平行移動し、その結果、それぞれの線分集合部60a、60b及び60cが変位し動いて見える。具体的には、図23に示される前記繰り返し模様50を、凸レンズ集合体20を介して水平方向(図23において左右方向)に視線を移動して見ると、線分集合部を構成する線分の延在方向が前記視線の移動方向と一致する線分集合部60aは、実際には変位し動いているものの、変位する方向が前記視線の移動方向と一致しているから、見かけ上、線分集合部60aは動いて見えないが、線分集合部を構成する線分の延在方向が前記視線の移動方向と一致していない線分集合部60b及び60cは何れも変位し動いて見える。このように、繰り返し模様50の一部(線分集合部60a)は見かけ上動いて見えず、その他の部分(線分集合部60b及び60c)は動いて見えるから、繰り返し模様50を、凸レンズ集合体20を介して水平方向に視線を移動して見ると、繰り返し模様50が三次元的に動いて見える。
前記繰り返し模様50は、線分集合部を構成する線分の延在方向が、隣接する2つの線分集合部を構成する線分の延在方向と、それぞれ異なるように、複数の線分集合部60a、60b及び60cが、配置されているから、見る角度を変えたときに、各線分集合部が異なる動きをすることによって、繰り返し模様50の三次元的な動きがより一層明確に見える。したがって、この発明に係る第2態様の立体視シート構成体4によれば、レンズ集合体20を介して、繰り返し模様50を見た場合に、視距離が長くても、それを見る角度を変えていくことによって、三次元モアレ模様の動きを、はっきりと見ることができ、前記したように、複数の線分集合部を含んでいる場合には、三次元モアレ模様の動きを、より一層はっきりと見ることができる。
したがって、立体視シート構成体4は、短い視距離で観察されることの多い、例えば、包装物等に加えて、通常、長い視距離で観察されることの多い、例えば、街頭看板、ポスター、広告塔、案内表示板等にも適用することができる。
前記繰り返し模様50は、具体的には、凸レンズ集合体20を介して、水平方向に視線を移動して見ると、線分集合部60aは静止したままで、線分集合部60b及び60cが繰り返し模様50の外側又は内側に向かって流れるように見える。一方、線分集合部60a〜60cを構成する線分の何れの延在方向にも一致しない方向に視線を移動して見ると、線分集合部60a〜60cのすべてが、それぞれ別個に、繰り返し模様50の外側又は内側に向かって流れるように見える。
立体視シート構成体4は、基本的には、第1態様の立体視シート構成体1〜3と同様にして、製造することができる。線分集合部60を含む繰り返し模様50は、例えば、繰り返し模様部30と同様にして、パーソナルコンピュータにて前記画像編集ソフト等を用いて、所望のイメージデータを作成することができる。
第2態様の立体視シート構成体4においては、繰り返し模様50は、線分集合部60a〜60cを含む星形ものに限られない。例えば、繰り返し模様50は、線分集合部を少なくとも1個含んでいればよい。また、線分集合部を構成する複数の線分は、図24に示されるように、隣接する線分間の間隔が、連続して段階的に又は無段階的に短くなる場合、連続して段階的に又は無段階的に長くなる場合、及び、連続して段階的に又は無段階的に短くなり長くなる場合であってもよい。これらの場合には、三次元モアレ模様が、連続して段階的に又は無段階的に動いて見える。さらに、線分集合部に、それを構成する線分の間に他の模様や画像等を介在させてもよい。
また、立体視シート構成体4においても、第1態様の立体視シート構成体1と同様に、図18に示される立体視シート構成体2のように、シート部材10及びシート部材11の積層体としてもよく、3枚以上のシート部材を積層した積層体としてもよい。同様に、立体視シート構成体4においても、図19に示される立体視シート構成体3のように、繰り返し模様50の他に、他の模様や画像15等を備えていてもよい。
この発明における第3態様の立体視シート構成体5について、図面を参照して、説明する。図25に示す立体視シート構成体5は、図1に示される第1態様の立体視シート構成体1と同様に、シート部材10の一方の表面に複数の凸レンズ21が形成されてなる凸レンズ集合体20を有し、シート部材10の他方の表面に繰り返し模様70を有している。第3態様の立体視シート構成体5におけるシート部材10及び凸レンズ集合体20は、第1態様の立体視シート構成体1におけるシート部材10及び凸レンズ集合体20と同様である。第3態様の立体視シート構成体5においては、例えば、凸レンズ集合体20は、図3に示す正四角形のレンズ形成区画を縦横に配置したスクエア形状に配列されている。
図25に示されるように、立体視シート構成体5における繰り返し模様70は、凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列間隔Lと相違する配列間隔Dをもって配列された複数の模様単位31を含む模様パターンに、模様単位31の各配列方向に等間隔に分割してなる、同数の模様単位31を含む複数の区画を形成し、前記配列方向の少なくとも1方向に沿って形成された区画が、この区画の前記方向に隣接する少なくとも1つの他の区画に含まれる模様単位31における前記1方向に沿う配列間隔と相違する配列間隔Dをもって、前記1方向に沿って配列された複数の模様単位31を含むように、前記模様パターンが変形されてなる連続変形模様部を含んでいる。換言すると、繰り返し模様70は、複数の模様単位31が、(A)凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列間隔Lと相違する配列間隔Dをもって、配列され、かつ、(B)模様単位31の各配列方向に連続して複数に分割されたところの、同数の模様単位31を含む区画において、1の区画に含まれる模様単位31における前記配列方向の少なくとも1方向に沿う配列間隔と、その区画の前記1方向に沿って隣接する少なくとも1つの区画に含まれる模様単位31における前記1方向に沿う配列間隔とが異なるように、模様単位31が配列されて成る連続変形模様部を含んでいる。立体視シート構成体5における繰り返し模様70の一例について、図26〜図31を参照して、説明する。なお、図26に示される繰り返し模様はこの発明における繰り返し模様ではなく、この発明における繰り返し模様を説明するための参考である。
第3態様の立体視シート構成体5における繰り返し模様70の一例として、図27に示される連続変形模様部46を含んだ繰り返し模様が挙げられる。この連続変形模様部46は、図27に示されるように、丸形の模様単位31が凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列間隔Lと相違する配列間隔Dをもって配列された複数の模様単位31を含む模様パターンに、模様単位31の縦横の配列方向に等間隔に格子状に分割してなる、同数の模様単位31を含む複数の区画を形成し、模様単位31の縦横の配列方向に沿って形成された区画が、この区画の縦横に隣接する他の区画に含まれる模様単位31における縦横の配列間隔と相違する縦横の配列間隔をもって、縦横の配列方向に沿って配列された複数の模様単位31を含むように、図26に示される模様パターン38が変形されてなる。すなわち、連続変形模様部46は、図26に示されるように、模様単位31が凸レンズ集合体20の配列と相似の配列パターンで配列された模様パターン38を前記したように変形してなる。
模様パターン38は、具体的には、図26に示されるように、凸レンズ集合体20の配列間隔Lと相違する間隔を持つ配列パターンで、丸形の模様単位31が複数配列されているが、これに限定されない。すなわち、模様パターン38は、そのパターンが凸レンズ集合体20の配列と相似であればよく、例えば、模様パターン38の配列間隔が凸レンズ集合体20の配列間隔Lよりも小さく又は大きく、かつ、その配列方向が、前記凸レンズ集合体20の配列方向と同じ又は異なる場合等が挙げられる。例えば、凸レンズ集合体20が、図2〜図8に示す配列に従って形成されている場合には、模様パターンは、それぞれ、図2〜図8に示す配列における配列間隔Lと相違する配列間隔Dを持つ図2〜図8に示す配列に従って形成されることになる。なお、模様パターン38を構成する模様単位は、第1態様の立体視シート構成体1における模様単位と同様である。第3態様の立体視シート構成体5における凸レンズ集合体20(レンズ形成区画22)は、図3に示されたスクエア形状の配列に従って形成されているから、図26に示されるように、模様パターン38は、複数の丸形の模様単位31がスクエア形状の配列に従って形成されている。なお、図26に示す補助線X0〜X7及びY0〜Y7は、それぞれ、模様パターン38を変化させる状態を説明するための説明用の補助線であり、模様パターン38を構成するものではない。
模様パターン38は、図26に示されるように、模様単位31の縦横の各配列方向に等間隔に分割してなる、同数の模様単位31を含む複数の格子状区画が形成されている。模様パターン38に形成された格子状の区画は、模様パターン38の縦横各配列方向に等間隔の補助線X0〜X7及びY0〜Y7によって、縦横7個ずつに分割されてなり、各区画には49個の模様単位31が含まれている。
連続変形模様部46は、例えば49個の区画が形成された模様パターン38を、前記のように、変形してなる。換言すると、連続変形模様部46は、複数の模様単位31が、(A)凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列間隔Lと相違する配列間隔Dをもって、配列され、かつ、(B)模様単位31の縦横の配列方向に連続して格子状に複数に分割されたところの、同数の模様単位31を含む区画において、1の区画に含まれる模様単位31における縦横一方の配列方向に沿う配列間隔と、その区画の前記配列方向に沿って隣接する区画に含まれる模様単位31における前記配列方向に沿う配列間隔とが異なるように、模様単位31が配列されて成る。
具体的には、連続変形模様部46は、図27に示されるように、補助線yの延在方向(以下、補助線y方向と称することがある。図27において、連続変形模様部46の横の配列方向)に連続した、例えば、区画D11〜D71それぞれに含まれる模様単位31の補助線y方向に沿う配列間隔d11〜d71が、補助線y方向に隣接する他の区画に含まれる模様単位31の配列間隔Dと異なるように、より具体的には、区画D11〜D71における配列間隔d11〜d71が、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きくなった後順次小さくなり、区画D41を中心に対称となるように、模様パターン38が補助線y方向に変形され、複数の模様単位31が配列されている。すなわち、区画D11〜D71における模様単位の配列間隔d11〜d71は、「d11=d71<d21=d61<d31=d51<d41」の関係を有し、補助線y方向に隣接する区画同士における前記方向の配列間隔は異なっている。なお、図27に示す補助線x0〜x7及びy0〜y7は、それぞれ、模様パターン38における補助線X0〜X7及びY0〜Y7に対応し、区画の変形状態を説明するための説明用の補助線であり、連続変形模様部46を構成するものではない。
さらに、連続変形模様部46は、補助線xの延在方向(以下、補助線x方向と称することがある。図27において、連続変形模様部46の縦の配列方向)に連続した、例えば、区画D11〜D17それぞれに含まれる模様単位31の補助線x方向に沿う配列間隔d11〜d17が、前記補助線y方向に連続した区画D11〜D71と同様の割合で、補助線x方向に隣接する他の区画に含まれる模様単位31の配列間隔Dと異なるように、より具体的には、前記補助線y方向に連続した区画D11〜D71と同様の割合で、区画D11〜D17における配列間隔d11〜d17が、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きくなった後順次小さくなり、区画D14を中心に対称となるように、模様パターン38が補助線x方向に変形され、複数の模様単位31が配列されている。すなわち、区画D11〜D17における模様単位の配列間隔d11〜d17は、「d11=d17<d12=d16<d13=d15<d14」の関係を有し、補助線x方向に隣接する区画同士における前記方向の配列間隔は異なっている。また、連続変形模様部46に形成された区画における配列間隔Dは、d11=d71=d17、d21=d61=d12=d16、d31=d51=d13=d15、d41=d14の関係を有している。
なお、区画D11〜D71及び区画D11〜D17を例に、連続変形模様部46を説明したが、図27に示されるように、補助線y方向に沿って連続した区画及び補助線x方向に沿って連続した区画すべてが、区画D11〜D71及び区画D11〜D17と同様に変形され、模様単位31が同様に配列されている。
連続変形模様部46は、このように、補助線x方向及び補助線y方向に同様に変形され、模様単位31が同様に配列されているので、模様パターン38の輪郭形状と同じ正方形の輪郭形状を有し、その外側ほど模様単位31の密度が大きく、その内側ほど模様単位31の密度が小さくなり、四隅に位置する区画D11、D17、D71及びD77が模様単位31の密度が最も大きく、中心に位置する区画D44が模様単位31の密度が最も小さく、連続変形模様部46の対角線に沿って整列する区画が相似形になっている。
連続変形模様部46として、図26及び図27に、その一例を示したが、配列間隔dを連続若しくは不連続で段階的に又は無段階的に変化させる際の、配列間隔dの大きさは任意に設定することができる。
また、連続変形模様部46は、図26に示されるように、模様パターン38に、模様単位31の縦横の各配列方向に等間隔に7分割してなる49区画を形成し、模様単位31の縦横の配列方向に沿って形成された区画が、この区画の縦横に隣接する他の区画に含まれる模様単位31における縦横の配列間隔と相違する縦横の配列間隔をもって、縦横の配列方向に沿って配列された複数の模様単位31を含むように、模様パターン38が変形されてなるが、模様パターン38に形成される区画は49区画に限定されず、任意の数に設定することができる。
さらに、図27に示される連続変形模様部46は、補助線x方向及び補助線y方向に同様の割合で、各区画Dにおける配列間隔Dが異なるように、模様パターン38が補助線x方向及び補助線y方向に変形され、複数の模様単位31が配列されているが、補助線x方向及び補助線y方向に異なる割合で、各区画Dにおける配列間隔Dが異なるように、模様パターン38が補助線x方向及び補助線y方向に変形され、複数の模様単位31が配列されていてもよい。
さらにまた、図27に示される連続変形模様部46は、各区画Dにおける配列間隔dを、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きくした後順次小さくし、区画D14及び区画D41を中心に対称となるように、模様パターン38が補助線x方向及び補助線y方向に変形され、複数の模様単位31が配列されているが、第3態様の立体視シート構成体5においては、このような変形及び配列方法に限られず、例えば、補助線x方向及び補助線y方向に連続した区画における配列間隔dが、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きく若しくは小さくし、又は、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に交互に大きく若しくは小さくするように、模様パターン38が補助線x方向及び補助線y方向に変形され、複数の模様単位31が配列されていてもよい。
なお、繰り返し模様70は、全体が連続変形模様部46とされてもよく、一部に1又は複数の連続変形模様部46を含んでいてもよい。
前記繰り返し模様70の他の一例として、図28に示される連続変形模様部47を含んだ繰り返し模様(図示せず。)が挙げられる。この連続変形模様部47は、図28に示されるように、丸形の模様単位31が凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列間隔Lと相違する配列間隔Dをもって配列された複数の模様単位31を含む模様パターンに、模様単位31の縦横の各配列方向に等間隔に格子状に分割してなる、同数の模様単位31を含む複数の区画を形成し、模様単位31の縦の配列方向に沿って形成された区画が、この区画に隣接する他の区画に含まれる模様単位31における縦の配列間隔と相違する配列間隔をもって、縦の配列方向に沿って配列された複数の模様単位31を含むように、模様パターン38の縦の配列方向のみが変形されてなる。すなわち、図28に示されるように、連続変形模様部47は、模様パターン38の縦の配列方向のみが変形されてなる点で、模様単位31の縦横の各配列方向が変形されてなる連続変形模様部46と相違する。
連続変形模様部47は、49個の区画が形成された模様パターン38をこのように変形してなる。換言すると、連続変形模様部47は、複数の模様単位31が、(A)凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列間隔Lと相違する配列間隔Dをもって、配列され、かつ、(B)模様単位31の縦横の配列方向に連続して格子状に複数に分割されたところの、同数の模様単位31を含む区画において、1の区画に含まれる模様単位31における縦の配列方向に沿う配列間隔と、その区画の縦の配列方向に沿って隣接する区画に含まれる模様単位31における縦の配列方向に沿う配列間隔とが異なるように、模様単位31が配列されて成る。
具体的には、連続変形模様部47は、図28に示されるように、補助線x方向に連続した、例えば、区画D11〜D17それぞれに含まれる模様単位31の補助線x方向に沿う配列間隔d11〜d17が、補助線x方向に隣接する他の区画に含まれる模様単位31の配列間隔dと異なるように、より具体的には、区画D11〜D17における配列間隔d11〜d17が、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きくなった後順次小さくなり、区画D14を中心に対称となるように、模様パターン38が補助線x方向に変形され、複数の模様単位31が配列されている。すなわち、区画D11〜D17における模様単位の配列間隔d11〜d17は、「d11=d17<d12=d16<d13=d15<d14」の関係を有し、補助線x方向に隣接する区画同士における前記方向の配列間隔は異なっている。なお、図28に示す補助線x0〜x10及びy0〜y7は、図27における補助線と同様に、連続変形模様部47を構成するものではない。
なお、区画D11〜D17を例に、連続変形模様部47を説明したが、図28に示されるように、補助線x方向に沿って連続する区画すべてがこのように変形されている。また、補助線y方向に連続した区画に含まれる模様単位31の補助線y方向に沿う配列間隔Dはすべての区画において一定であり、模様パターン38における配列間隔と同一であっても、この配列間隔よりも小さくても、又は大きくてもよい。
連続変形模様部47は、このように、補助線x方向にのみ変形され、模様単位31が配列されているので、模様パターン38の輪郭形状と異なる長方形の輪郭形状を有し、補助線x方向における外側ほど模様単位31の密度が大きく、その内側ほど模様単位31の密度が小さくなっている。図28に示されるように、連続変形模様部47は、模様パターン38の輪郭形状と略相似の輪郭形状となるように、補助線x方向に連続する区画列D71〜D77の補助線y軸方向に連続して区画列D81〜D87、区画列D91〜D97及び区画列D101〜D107がそれぞれ形成されている。
連続変形模様部47は、模様パターン38に形成される区画が49区画に限定されないこと、変形する配列間隔dは任意に設定することができること、補助線x方向に連続した区画Dにおける配列間隔dが、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きく若しくは小さくし、又は、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に交互に大きく若しくは小さくするように、模様パターン38が補助線X方向に変形されてもよいこと、及び、繰り返し模様70Aは、全体が連続変形模様部47とされてもよく、一部に1又は複数の連続変形模様部47を含んでいてもよいことは、前記連続変形模様部46と同様である。
前記繰り返し模様70の他の一例として、図29に示される連続変形模様部48を含んだ繰り返し模様70B(図示しない。)が挙げられる。この連続変形模様部48は、図29に示されるように、模様単位31の縦の配列方向(補助線x方向)に沿って形成された区画に含まれる模様単位31の配列間隔Dが、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次小さくなった後順次大きくなるように、模様パターン38の縦の配列方向のみが変形されている点が、連続変形模様部47と異なる。具体的には、連続変形模様部48は、図29に示されるように、補助線x方向に連続した、例えば、区画D11〜D17それぞれに含まれる模様単位31の補助線x方向に沿う配列間隔d11〜d17が、補助線x方向に隣接する他の区画に含まれる模様単位31の配列間隔dと異なるように、より具体的には、区画D11〜D17における配列間隔d11〜d17が、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次小さくなった後順次大きくなり、区画D14を中心に対称となるように、模様パターン38が補助線x方向に変形され、複数の模様単位31が配列されている。すなわち、区画D11〜D17における模様単位の配列間隔d11〜d17は、「d11=d17>d12=d16>d13=d15>d14」の関係を有している。なお、図29に示す補助線x0〜x5及びy0〜y7は、図27における補助線と同様に、連続変形模様部48を構成するものではない。
なお、区画D11〜D17を例に、連続変形模様部48を説明したが、図29に示されるように、補助線x方向に沿って連続する区画すべてがこのように変形されている。また、補助線y方向に連続した区画に含まれる模様単位31の補助線y方向に沿う配列間隔dはすべての区画において一定であり、模様パターン38における配列間隔と同一であっても、この配列間隔よりも小さくても、又は大きくてもよい。
連続変形模様部48は、このように、補助線x方向にのみ変形され、模様単位31が配列されているので、模様パターン38の輪郭形状と異なる長方形の輪郭形状を有し、補助線x方向における外側ほど模様単位31の密度が小さく、その内側ほど模様単位31の密度が大きくなっている。図29に示されるように、連続変形模様部48は、模様パターン38の輪郭形状と略相似の輪郭形状となるように、補助線x方向に連続する区画列D51〜D57の補助線y軸方向に連続して存在した区画列D61〜D67及び区画列D71〜D77(何れも図示しない。)が削除されている。
連続変形模様部48は、模様パターン38に形成される区画が49区画に限定されないこと、変形する配列間隔dは任意に設定することができること、補助線x方向に連続した区画Dにおける配列間隔dが、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きく若しくは小さくし、又は、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に交互に大きく若しくは小さくするように、模様パターン38が補助線X方向に変形されてもよいこと、及び、繰り返し模様70Bは、全体が連続変形模様部48とされてもよく、一部に1又は複数の連続変形模様部48を含んでいてもよいことは、前記連続変形模様部46と同様である。
前記したように、連続変形模様部47と連続変形模様部48とは、模様単位31の縦の配列方向(補助線x方向)に沿って形成された区画に含まれる模様単位31の配列間隔dが互いに逆の関係になるように、模様パターン38の縦の配列方向のみが変形されているので、繰り返し模様70A及び繰り返し模様70Bがそれぞれ、1つの連続変形模様部47及び1つの連続変形模様部48を含んでいる場合には、繰り返し模様70Aと繰り返し模様70Bとは異なる模様になるが、繰り返し模様70A及び繰り返し模様70Bがそれぞれ、複数の連続変形模様部47及び複数の連続変形模様部48を含んでいる場合には、繰り返し模様70Aと繰り返し模様70Bとは同一の繰り返し模様になる。
前記繰り返し模様70の他の一例として、図30に示される連続変形模様部49を含んだ繰り返し模様70C(図示しない。)が挙げられる。この連続変形模様部49は、図30に示されるように、補助線x方向及び補助線y方向に連続した区画における模様単位31の配列間隔dが、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次小さくなった後順次大きくなるように、模様パターン38が補助線x方向及び補助線y方向に変形され、複数の模様パターン31が配列されている点で、連続変形模様部46と異なる。すなわち、連続変形模様部49は、模様パターン38における補助線x方向及び補助線y方向の変形方法及び模様単位31の配列間隔が、連続変形模様部46の変形方法及び配列間隔と逆である。具体的には、連続変形模様部49は、図30に示されるように、補助線y方向に連続した、例えば、区画D11〜D71それぞれに含まれる模様単位31の補助線y方向に沿う配列間隔d11〜d71が、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きくなった後順次小さくなり、区画D41を中心に対称となるように、かつ、補助線x方向に連続した、例えば、区画D11〜D17それぞれに含まれる模様単位31の補助線x方向に沿う配列間隔d11〜d17が、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きくなった後順次小さくなり、区画D14を中心に対称となるように、模様パターン38が補助線y方向に変形され、複数の模様単位31が配列されている。したがって、区画D11〜D71における模様単位の配列間隔d11〜d71は、「d11=d71>d21=d61>d31=d51>d41」の関係を有し、補助線y方向に隣接する区画同士における前記方向の配列間隔は異なっている。また、区画D11〜D17における模様単位の配列間隔d11〜d17は、「d11=d17>d12=d16>d13=d15>d14」の関係を有し、補助線x方向に隣接する区画同士における前記方向の配列間隔は異なっている。さらに、連続変形模様部49に形成された区画における配列間隔dは、d11=d71=d17、d21=d61=d12=d16、d31=d51=d13=d15、d41=d14の関係を有している。なお、図30に示す補助線x0〜x7及びy0〜y7は、図27における補助線と同様に、連続変形模様部49を構成するものではない。
連続変形模様部49は、このように、補助線x方向及び補助線y方向に同様に変形され、模様単位31が同様に配列されているので、模様パターン38の輪郭形状と同じ正方形の輪郭形状を有し、その外側ほど模様単位31の密度が小さく、その内側ほど模様単位31の密度が大きくなり、四隅に位置する区画D11、D17、D71及びD77が模様単位31の密度が最も小さく、中心に位置する区画D44が模様単位31の密度が最も大きく、連続変形模様部49の対角線に沿って整列する区画が相似形になっている。
連続変形模様部49は、模様パターン38に形成される区画が49区画に限定されないこと、変形する配列間隔dは任意に設定することができること、補助線x方向及び補助線y方向に異なる割合で各区画Dにおける配列間隔dが異なるように、模様パターン38が変形されてもよいこと、補助線x方向及び補助線y方向に連続した区画における配列間隔dが、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きく若しくは小さくし、又は、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に交互に大きく若しくは小さくするように、模様パターン38が補助線x方向及び補助線y方向に変形されてもよいこと、及び、繰り返し模様70Cは、全体が連続変形模様部49とされてもよく、一部に1又は複数の連続変形模様部49を含んでいてもよいことは、前記連続変形模様部46と同様である。
前記したように、連続変形模様部46と連続変形模様部49とは、模様単位31の縦横の配列方向(補助線x方向及び補助線y方向)に沿って形成された区画に含まれる模様単位31の配列間隔dが互いに逆の関係になるように、模様パターン38の縦横の配列方向が変形されているので、繰り返し模様70及び繰り返し模様70Cがそれぞれ、1つの連続変形模様部46及び1つの連続変形模様部49を含んでいる場合には、繰り返し模様70と繰り返し模様70Cとは異なる模様になるが、繰り返し模様70及び繰り返し模様70Cがそれぞれ、複数の連続変形模様部46及び複数の連続変形模様部49を含んでいる場合には、繰り返し模様70と繰り返し模様70Cとは同一の繰り返し模様になる。
連続変形模様部46〜49は何れも、模様パターン38に、その模様パターン38を構成する模様単位31の各配列方向に等間隔に分割してなる、同数の模様単位31を含む複数の区画が形成されているが、模様パターン38に形成される区画は、模様単位31の各配列方向に等間隔に分割されている必要はなく、例えば、各配列方向にランダムに分割されてもよく、各配列方向において異なる間隔を有し、かつ等間隔で又はランダムに分割されてもよい。
また、模様パターン38は、同一形状の模様単位31を含んでいるが、異なる形状の模様単位31を複数種含んでいてもよい。
なお、連続変形模様部46〜49は何れも、模様パターン38を構成する模様単位31の各配列方向に等間隔に分割してなる、同数の模様単位31を含む複数の区画を形成し、前記配列方向の少なくとも1方向に沿って形成された区画が、この区画の前記方向に隣接する他の区画に含まれる模様単位における前記1方向に沿う配列間隔と相違する配列間隔をもって、前記1方向に沿って配列された複数の模様単位を含むように、前記模様パターンが変形されてなる。ここで、前記区画を形成する補助線は、例えば、互いに直交する2方向に延在する補助線とすることもでき、また、模様単位31の配列間隔は、例えば、図26〜図30に示されるように、形成された区画長さ(その区画を形成する同方向に延在する2つの補助線間の距離)に相当する。したがって、連続変形模様部46〜49は何れも、凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列間隔Lと相違する配列間隔dをもって配列された複数の模様単位31を含む模様パターンに、互いに直交する2方向に等間隔に分割してなる、同数の模様単位31を含む複数の区画Dを形成し、前記互いに直交する2方向の少なくとも1方向に沿って形成された区画Dが、この区画Dの前記少なくとも1方向に隣接する少なくとも1つの他の区画における前記1方向の区画長さと相違する区画長さとなるように、前記模様パターン38が変形されてなるともいえる。ここで、「互いに直交する2方向」とは後述する通りである。
前記繰り返し模様70の他の一例として、図31に示される複数の連続変形模様部46を含んだ繰り返し模様70D(図示しない。)が挙げられる。図31には、繰り返し模様70Dの一部が示されている。繰り返し模様70Dは、縦方向及び横方向に連続して配列された前記連続変形模様部46を複数含んで成る。
繰り返し模様70Dは、同一の連続変形模様部46のみを複数含んで成るが、繰り返し模様は、異なる連続変形模様部、例えば、前記連続変形模様部46〜49からなる群より選択される少なくとも2種の連続変形模様部が、所定のパターンで配列されて成っていてもよく、また、ランダムに配列されて成っていてもよい。
立体視シート構成体5における繰り返し模様70の別の態様は、凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列間隔Lと相違する配列間隔dをもって配列された複数の模様単位31を含む模様パターンに、互いに直交する2方向に等間隔に分割してなる、同数の模様単位31を含む複数の区画Dを形成し、前記互いに直交する2方向の少なくとも1方向に沿って形成された区画Dが、この区画Dの前記少なくとも1方向に隣接する少なくとも1つの他の区画における前記1方向の区画長さと相違する区画長さとなるように、前記模様パターンが変形されてなる連続変形模様部を含んでいる。ここで、前記「互いに直交する2方向」とは、ある1つの模様パターン31と、この模様パターン31の周囲に存在する他の1つの模様パターン31(前記ある1つの模様パターン31から前記他の1つの模様パターン31までの距離は問わない)とを通る方向に延在する直線と、この直線に直交する直線をいう。
前記繰り返し模様70の別の態様は、換言すると、複数の模様単位31が、(A)凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列間隔Lと相違する配列間隔dをもって、配列され、かつ、(B)互いに直交する2方向、図32においては縦方向及び横方向、の少なくとも1方向に連続して複数に分割されたところの、同数の模様単位31を含む区画において、1の区画における前記少なくとも1方向の区画長さと、その区画の前記1方向に沿って隣接する少なくとも1つの区画における前記少なくとも1方向の区画長さとが異なるように、模様単位31が配列されて成る連続変形模様部を含んでいる。立体視シート構成体5における繰り返し模様70の別の態様における一例について、図32〜図37を参照して、説明する。
第3態様の立体視シート構成体5における繰り返し模様70の別の態様における一例として、図33に示される連続変形模様部46Aを含んだ繰り返し模様70E(図示しない。)が挙げられる。この連続変形模様部46Aは、図33に示されるように、丸形の模様単位31が凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列間隔Lと相違する配列間隔dをもって配列された複数の模様単位31を含む模様パターンに、互いに直交する2方向に等間隔に格子状に分割してなる、同数の模様単位31を含む複数の区画Dを形成し、前記互いに直交する2方向の少なくとも1方向に沿って形成された区画Dが、この区画Dの前記少なくとも1方向に隣接する他の区画における前記1方向の区画長さと相違する区画長さとなるように、模様パターン39が変形されてなる。すなわち、連続変形模様部46Aは、図33に示されるように、模様単位31が凸レンズ集合体20の配列と相似の配列パターンで配列された模様パターン39を前記したように変形してなる。
模様パターン39は、模様パターン38と同様に、図32に示されるように、そのパターンが凸レンズ集合体20の配列と相似、具体的には、凸レンズ集合体20の配列間隔Lと相違する間隔を持つ配列パターンで、丸形の模様単位31が複数配列されている。より具体的には、この繰り返し模様70の別の態様においては、凸レンズ集合体20(レンズ形成区画22)は、図4に示される45度回転したスクエア形状の配列に従って形成されているから、模様パターン39は、図32に示されるように、複数の丸形の模様単位31が45度回転したスクエア形状の配列に従って形成されている。すなわち、模様パターン39は、図26に示されるスクエア形状に模様単位31を配列した模様パターン38を45度回転した以外は、模様パターン38と同様に成っている。なお、図32に示す補助線X0〜X7及びY0〜Y7は、それぞれ、模様パターン39を変化させる状態を説明するための説明用の補助線であり、模様パターン39を構成するものではない。
模様パターン39は、模様単位31の配列方向に対して45°の角度を持つ互いに直交する2方向、図32において、縦方向(補助線Xが延在する方向)及び横方向(補助線Yが延在する方向)等間隔に分割してなる、同数の模様単位31を含む複数の格子状区画が形成されている。模様パターン39に形成された格子状の区画は、模様パターン39の縦方向及び横方向に等間隔の補助線X0〜X7及びY0〜Y7によって、縦横7個ずつに分割されてなり、各区画には49個の模様単位31が含まれている。
連続変形模様部46Aは、49個の区画が形成された模様パターン39を、前記のように、変形してなる。換言すると、連続変形模様部46Aは、複数の模様単位31が、(A)凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列間隔Lと相違する配列間隔dをもって、配列され、かつ、(B)互いに直交する補助線X方向及び補助線Y方向に連続して格子状に複数に分割されたところの、同数の模様単位31を含む区画において、1の区画における補助線X方向及び補助線Y方向の区画長さと、その区画の補助線X方向及び補助線Y方向に沿って隣接する区画における補助線X方向及び補助線Y方向の区画長さとが異なるように、模様単位31が配列されて成る。
具体的には、連続変形模様部46Aは、図33に示されるように、補助線y方向(図33において、連続変形模様部46Aの横方向)に連続した、例えば、区画D11〜D71それぞれの区画長さ(その区画を形成する同方向に延在する2つの補助線間の距離)が、補助線y方向に隣接する他の区画の区画長さと異なるように、より具体的には、区画D11〜D71における区画長さが、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きくなった後順次小さくなり、区画D41を中心に対称となるように、模様パターン39が補助線y方向に変形されている。その結果、このように変形された区画長さに応じて、区画D11〜D71における各配列方向における各配列間隔が、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きくなった後順次小さくなって、d41を中心に対称となり、かつ、区画D11〜D71における2つの配列方向がなす角度が異なって、複数の模様単位31が配列されている。なお、図33に示す補助線x0〜x7及びy0〜y7は、それぞれ、模様パターン39における補助線X0〜X7及びY0〜Y7に対応し、区画の変形状態を説明するための説明用の補助線であり、連続変形模様部46Aを構成するものではない。
さらに、連続変形模様部46Aは、補助線x方向(図33において、連続変形模様部46Aの縦方向)に連続した、例えば、区画D11〜D17それぞれの区画長さが、前記補助線y方向に連続した区画D11〜D71と同様の割合で同様に、より具体的には、区画D11〜D71における区画長さが、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きくなった後順次小さくなり、区画D14を中心に対称となるように、模様パターン39が補助線y方向に変形されている。その結果、このように変形された区画長さに応じて、区画D11〜D17における各配列方向における各配列間隔が、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きくなった後順次小さくなって、d14を中心に対称となり、かつ、区画D11〜D17における2つの配列方向がなす角度が異なって、複数の模様単位31が配列されている。
なお、区画D11〜D71及び区画D11〜D17を例に、連続変形模様部46Aを説明したが、図33に示されるように、補助線y方向に沿って連続した区画及び補助線x方向に沿って連続した区画すべてが区画D11〜D71及び区画D11〜D17と同様に変形され、模様単位31が同様に配列されている。
連続変形模様部46Aは、このように、補助線x方向及び補助線y方向に同様に変形され、模様単位31が同様に配列されているので、模様パターン39の輪郭形状と同じ正方形の輪郭形状を有し、その外側ほど模様単位31の密度が大きく、その内側ほど模様単位31の密度が小さくなり、四隅に位置する区画D11、D17、D71及びD77が模様単位31の密度が最も大きく、中心に位置する区画D44が模様単位31の密度が最も小さく、連続変形模様部46Aの対角線に沿って整列する区画が相似形になっている。
連続変形模様部46Aとして、図32及び図33に、その一例を示したが、区画長さを連続若しくは不連続で段階的に又は無段階的に変化させる際の、区画長さの大きさは任意に設定することができる。
また、連続変形模様部46Aは、模様パターン39に、模様単位31の縦方向及び横方向に等間隔に7分割してなる49区画を形成し、前記のように模様パターン39を変形してなるが、模様パターン39に形成される区画は49区画に限定されず、任意の数に設定することができる。
さらに、図32及び図33に示される連続変形模様部46Aは、補助線x方向及び補助線y方向に同様の割合で、各区画Dにおける区画長さが異なるように、模様パターン39が補助線x方向及び補助線y方向に変形され、複数の模様単位31が配列されているが、補助線x方向及び補助線y方向に異なる割合で、各区画Dにおける区画長さが異なるように、模様パターン39が補助線x方向及び補助線y方向に変形され、複数の模様単位31が配列されていてもよい。
さらにまた、図32及び図33に示される連続変形模様部46Aは、各区画Dにおける区画長さを、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きくした後順次小さくし、区画D14及び区画D41を中心に対称となるように、模様パターン39が補助線x方向及び補助線y方向に変形され、複数の模様単位31が配列されているが、このような変形及び配列方法に限られず、例えば、補助線x方向及び補助線y方向に連続した区画における区画長さが、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きく若しくは小さくし、又は、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に交互に大きく若しくは小さくするように、模様パターン39が補助線x方向及び補助線y方向に変形され、複数の模様単位31が配列されていてもよい。
なお、繰り返し模様70Eは、全体が連続変形模様部46Aとされてもよく、一部に1又は複数の連続変形模様部46Aを含んでいてもよい。
第3態様の立体視シート構成体5における繰り返し模様70の別の態様における一例として、図34に示される連続変形模様部47Aを含んだ繰り返し模様70F(図示しない。)が挙げられる。この連続変形模様部47Aは、図34に示されるように、丸形の模様単位31が凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列間隔Lと相違する配列間隔dをもって配列された複数の模様単位31を含む模様パターンに、互いに直交する2方向に等間隔に格子状に分割してなる、同数の模様単位31を含む複数の区画Dを形成し、縦方向に沿って形成された区画Dが、この区画Dの縦方向に隣接する他の区画における縦方向の区画長さと相違する区画長さとなるように、模様パターン39が変形されてなる。すなわち、連続変形模様部46Aは、模様パターン39の縦の配列方向のみが変形されてなる点で、模様単位31の縦横の各配列方向が変形されてなる連続変形模様部47Aと相違する。
連続変形模様部47Aは、49個の区画が形成された模様パターン39を、前記のように、変形してなる。換言すると、連続変形模様部47Aは、複数の模様単位31が、(A)凸レンズ集合体20における凸レンズ21の配列間隔Lと相違する配列間隔dをもって、配列され、かつ、(B)補助線X方向及び補助線Y方向に連続して格子状に複数に分割されたところの、同数の模様単位31を含む区画において、1の区画における補助線X方向の区画長さと、その区画の補助線X方向に沿って隣接する区画における補助線X方向の区画長さとが異なるように、模様単位31が配列されて成る。
具体的には、連続変形模様部47Aは、図34に示されるように、補助線x方向(図34において、連続変形模様部47Aの縦方向)に連続した、例えば、区画D11〜D17における区画長さが、連続変形模様部46Aにおける補助線x方向に連続した区画D11〜D17と同様に、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きくなった後順次小さくなり、区画D14を中心に対称となるように、模様パターン39が補助線X方向に変形されている。その結果、このように変形された区画長さに応じて、区画D11〜D17における各配列方向における各配列間隔が、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きくなった後順次小さくなって、d14を中心に対称となり、かつ、区画D11〜D17における2つの配列方向がなす角度が異なって、複数の模様単位31が配列されている。
なお、区画D11〜D17を例に、連続変形模様部47Aを説明したが、図34に示されるように、補助線x方向に沿って連続した区画すべてがこのように変形されている。また、補助線y方向に連続した区画に含まれる模様単位31の補助線y方向に沿う区画長さはすべての区画において一定であり、模様パターン39における配列間隔と同一であっても、この配列間隔よりも小さくても、又は大きくてもよい。
連続変形模様部47Aは、このように、補助線x方向にのみ変形され、模様単位31が配列されているので、模様パターン39の輪郭形状と異なる長方形の輪郭形状を有し、補助線x方向における外側ほど模様単位31の密度が大きく、その内側ほど模様単位31の密度が小さくなっている。図34に示されるように、連続変形模様部47Aは、模様パターン39の輪郭形状と略相似の輪郭形状となるように、補助線x方向に連続する区画列D71〜D77の補助線y軸方向に連続して区画列D81〜D87、区画列D91〜D97及び区画列D81〜D87がそれぞれ形成されている。
連続変形模様部47Aにおいて、模様パターン39に形成される区画が49区画に限定されないこと、変形する区画長さの大きさは任意に設定することができること、補助線x方向に連続した区画における区画長さが、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きく若しくは小さくし、又は、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に交互に大きく若しくは小さくするように、模様パターン39が補助線x方向に変形されてもよいこと、及び、繰り返し模様70Fは、全体が連続変形模様部46Aとされてもよく、一部に1又は複数の連続変形模様部47Aを含んでいてもよいことは、前記連続変形模様部46Aと同様である。
第3態様の立体視シート構成体5における繰り返し模様70の別の態様における一例として、図35に示される連続変形模様部48Aを含んだ繰り返し模様70G(図示しない。)が挙げられる。連続変形模様部48Aは、前記連続変形模様部47Aと逆のパターンで、すなわち、縦方向に沿って形成された区画の区画長さが、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次小さくなった後順次大きくなるように、模様パターン39の縦の配列方向のみが変形されている点で、連続変形模様部47Aと異なる。その結果、このように変形された区画長さに応じて、区画D11〜D17における各配列方向における各配列間隔が、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きくなった後順次小さくなって、d14を中心に対称となり、かつ、区画D11〜D17における2つの配列方向がなす角度が異なって、複数の模様単位31が配列されている。
なお、区画D11〜D17を例に、連続変形模様部48Aを説明したが、図35に示されるように、補助線x方向に沿って連続した区画すべてがこのように変形されている。また、補助線y方向に連続した区画に含まれる模様単位31の補助線y方向に沿う区画長さはすべての区画において一定であり、模様パターン39における配列間隔と同一であっても、この配列間隔よりも小さくても、又は大きくてもよい。
連続変形模様部48Aは、このように、補助線x方向にのみ変形され、模様単位31が配列されているので、模様パターン39の輪郭形状と異なる長方形の輪郭形状を有し、補助線x方向における外側ほど模様単位31の密度が小さく、その内側ほど模様単位31の密度が大きくなっている。図35に示されるように、連続変形模様部48Aは、模様パターン39の輪郭形状と略相似の輪郭形状となるように、補助線x方向に連続する区画列D51〜D57の補助線y軸方向に連続して存在した区画列D61〜D67及び区画列D71〜D77(何れも図示しない。)が削除されている。
連続変形模様部48Aにおいて、模様パターン39に形成される区画が49区画に限定されないこと、変形する区画長さの大きさは任意に設定することができること、補助線x方向に連続した区画における区画長さが、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きく若しくは小さくし、又は、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に交互に大きく若しくは小さくするように、模様パターン39が補助線x方向に変形されてもよいこと、及び、繰り返し模様70Gは、全体が連続変形模様部48Aとされてもよく、一部に1又は複数の連続変形模様部48Aを含んでいてもよいことは、前記連続変形模様部47Aと同様である。
前記したように、連続変形模様部47Aと連続変形模様部48Aとは、縦方向に沿って形成された区画の区画長さが互いに逆の関係になるように、模様パターン39が変形されているので、繰り返し模様70F及び繰り返し模様70Gがそれぞれ、1つの連続変形模様部47A及び1つの連続変形模様部48Aを含んでいる場合には、繰り返し模様70F及び繰り返し模様70Gとは異なる模様になるが、繰り返し模様70F及び繰り返し模様70Gがそれぞれ、複数の連続変形模様部47A及び1つの連続変形模様部48Aを含んでいる場合には、繰り返し模様70F及び繰り返し模様70Gとは同一の繰り返し模様になる。
第3態様の立体視シート構成体5における繰り返し模様70の別の態様における一例として、図36に示される連続変形模様部49Aを含んだ繰り返し模様70H(図示しない。)が挙げられる。この連続変形模様部49Aは、図36に示されるように、互いに直交する2方向の少なくとも1方向に沿って形成された区画Dにおける区画長さが、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次小さくなった後順次大きくなるように、模様パターン39が変形されてなる点で、連続変形模様部46Aと異なる。すなわち、連続変形模様部49Aは、図36に示されるように、模様パターン39における補助線x方向及び補助線y方向の変形方法が、連続変形模様部46Aの変形方法と逆である。その結果、このように変形された区画長さに応じて、区画D11〜D71及び区画D11〜D17における各配列方向における各配列間隔dが、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次小さくなった後順次大きくなって、d41及びd14を中心に対称となり、かつ、区画D11〜D71及び区画D11〜D17における2つの配列方向がなす角度が異なって、複数の模様単位31が配列されている。
なお、区画D11〜D71及び区画D11〜D17を例に、連続変形模様部49Aを説明したが、図36に示されるように、補助線y方向に沿って連続した区画及び補助線x方向に沿って連続した区画すべてが、区画D11〜D71及び区画D11〜D17と同様に変形され、模様単位31が同様に配列されている。
連続変形模様部49Aは、このように、補助線x方向及び補助線y方向に同様に変形され、模様単位31が同様に配列されているので、模様パターン39の輪郭形状と同じ正方形の輪郭形状を有し、その外側ほど模様単位31の密度が小さく、その内側ほど模様単位31の密度が大きくなり、四隅に位置する区画D11、D17、D71及びD77が模様単位31の密度が最も小さく、中心に位置する区画D44が模様単位31の密度が最も大きく、連続変形模様部49Aの対角線に沿って整列する区画が相似形になっている。
連続変形模様部49Aにおいて、模様パターン39に形成される区画が49区画に限定されないこと、変形する区画長さの大きさは任意に設定することができること、補助線x方向及び補助線y方向に異なる割合で、各区画Dにおける区画長さを変形してもよいこと、各区画Dにおける区画長さを、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きく若しくは小さくし、又は、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に交互に大きく若しくは小さくするように、模様パターン39が補助線x方向に変形されてもよいこと、及び、繰り返し模様70Hは、全体が連続変形模様部49Aとされてもよく、一部に1又は複数の連続変形模様部49Aを含んでいてもよいことは、前記連続変形模様部46Aと同様である。
前記したように、連続変形模様部46Aと連続変形模様部49Aとは、互いに直交する2方向に沿って形成された区画の区画長さが互いに逆の関係になるように、模様パターン39が変形されているので、繰り返し模様70E及び繰り返し模様70Hがそれぞれ、1つの連続変形模様部46A及び1つの連続変形模様部49Aを含んでいる場合には、繰り返し模様70Eと繰り返し模様70Hとは異なる模様になるが、繰り返し模様70E及び繰り返し模様70Hがそれぞれ、複数の連続変形模様部46A及び1つの連続変形模様部49Aを含んでいる場合には、繰り返し模様70Eと繰り返し模様70Hとは同一の繰り返し模様になる。
連続変形模様部46A〜53は何れも、模様パターン39に、互いに直交する2方向に等間隔に分割してなる、同数の模様単位31を含む複数の区画が形成されているが、模様パターン39に形成される区画は、互いに直交する2方向に等間隔に分割されている必要はなく、例えば、所定の角度を成す2方向にランダムに分割されてもよく、所定の角度を成す2方向において異なる間隔を有し、かつ等間隔で又はランダムに分割されてもよい。
また、模様パターン39は、同一形状の模様単位31を含んでいるが、異なる形状の模様単位31を複数種含んでいてもよい。
繰り返し模様70の別の態様における一例として、図37に示される複数の連続変形模様部46Aを含んだ繰り返し模様70I(図示しない。)が挙げられる。図37には、繰り返し模様70Iの一部が示されている。繰り返し模様70Iは、縦方向及び横方向に連続して配列された前記連続変形模様部46Aを複数含んで成る。
繰り返し模様70Iは、同一の連続変形模様部46Aのみを複数含んで成るが、繰り返し模様は、異なる連続変形模様部、例えば、前記連続変形模様部46A〜53からなる群より選択される少なくとも2種の連続変形模様部が、所定のパターンで配列されて成っていてもよく、また、ランダムに配列されて成っていてもよい。
立体視シート構成体5において、見る角度を変えていくことによって、連続変形模様部46〜49Aを含む繰り返し模様70、70A〜70Iの三次元モアレ模様が変化して見える原理を、連続変形模様部46を例にして説明する。
連続変形模様部46を含む繰り返し模様70を、凸レンズ集合体20を介して見ると、前記連続変形模様部46が、三次元的な模様であって、かつ、それを見る角度を変えていくことによって、三次元モアレ模様が変化して見える。立体視シート構成体5において、連続変形模様部46の三次元的な視覚効果は、立体視シート構成体1と同様に、凸レンズ集合体20における凸レンズ21間の配列間隔Lと連続変形模様部40における模様単位31間の配列間隔dとの差によって、決定される。すなわち、配列間隔Lが配列間隔dよりも大きいと、繰り返し模様70は沈んだように見え、逆に配列間隔dが配列間隔Lよりも大きいと、繰り返し模様70は浮き上がるように見える。そして、配列間隔Lと配列間隔dとの差(絶対値)が小さいほど、沈み込み量又は浮き上がり量が大きく見える。
したがって、連続する区画に含まれる模様単位31の配列間隔dが、区画毎に連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に変化してなる連続変形模様部46は、凸レンズ集合体20を介して連続変形模様部46を見たときに、区画毎に模様単位31の沈み込み量又は浮き上がり量も、連続して変化して見える。その結果、凸レンズ集合体20を介して見た連続変形模様部46は、三次元的に、沈み又は浮き上がる様が、強調され、連続変形模様部46の三次元的な視覚効果が大きくなる。
一方、凸レンズ集合体20を介して連続変形模様部46を見る角度を、凸レンズ集合体20を構成する凸レンズ21の上方から水平方向に変えると、凸レンズ21の焦点が凸レンズ21の下から水平方向に変化する。したがって、凸レンズ21の上方から連続変形模様部46を見ると、凸レンズ21の焦点は凸レンズ21の下に位置するから、凸レンズ21の下に位置する連続変形模様部46の一部である区画が、配列間隔Lと配列間隔dと差によって、三次元的に見える。この状態で観察することができる三次元モアレ模様は、図38に示されている。次いで、凸レンズ21の上方から水平方向に移動して連続変形模様部46を見ると、凸レンズ21の焦点は凸レンズ21の水平方向に移動した位置にあるから、この凸レンズ21が焦点した位置に存在する連続変形模様部46の他の一部である他の区画が、配列間隔Lと配列間隔dと差によって、三次元的に見える。この状態で観察することができる三次元モアレ模様は、凸レンズ21の上方から見たときの連続変形模様部46の配列間隔と異なる配列間隔を有する連続変形模様部46の一部を凸レンズを介して見るのであるから、図38に示される三次元モアレ模様とは異なる三次元モアレ模様となる。この状態で観察することができる三次元モアレ模様は図39に示されている。
このように、凸レンズ集合体20を構成する凸レンズ21の上方から水平方向に変えると、この凸レンズ21を介して見える連続変形模様部46の区画がそれぞれ異なる。そして、連続変形模様部46は、補助線x方向及び補助線y方向に同様の割合で、連続若しくは不連続で段階的に若しくは無段階的に順次大きくした後順次小さくし、区画D14及び区画D41を中心に対称となるように、模様パターン38が、補助線x方向及び補助線y方向に、変形されて成るから、見る角度を変えると、その角度において観察することができる連続変形模様部46を構成する区画に含まれる模様単位の形状、大きさ、密度等が、この模様パターン38の変形に応じて、異なって見える。したがって、凸レンズ集合体20を介して連続変形模様部46を見る角度を変えると、三次元モアレ模様が変化して見える。
連続変形模様部46においては、凸レンズ集合体20を介して連続変形模様部46を見る角度を、凸レンズ集合体20を構成する凸レンズ21の上方から垂直方向に変えた場合も、凸レンズ集合体20を介して連続変形模様部46を見る角度を、凸レンズ集合体20を構成する凸レンズ21の上方から水平方向に変えた場合と同様に、三次元モアレ模様が変化して見える。
このように、凸レンズ集合体20を介して見た連続変形模様部46は、三次元的に、沈み又は浮き上がる様が明瞭に見えるだけでなく、凸レンズ集合体20を介して、連続変形模様部46を見た場合に、視距離が長くても、それを見る角度を変えていくことによって、この三次元モアレ模様が変化して見える。
一方、連続変形模様部46A〜49Aは、前記したように、連続変形模様部46〜49と異なり、模様単位31の配列間隔と共に、模様単位31の配列角度も変化している。したがって、連続変形模様部46A〜53は、連続変形模様部46〜49と比較して、三次元モアレ模様がより明確に見える。
したがって、立体視シート構成体5は、短い視距離を隔てて見られる、例えば、包装物等に加えて、通常、長い視距離を隔てて見られる、例えば、街頭看板、ポスター、広告塔、案内表示板等にも適用することができる。
前記連続変形模様部47は、具体的には、模様単位31の縦の配列方向のみが連続変形模様部46と同様の三次元モアレ模様を観察することができる。また、前記連続変形模様部48は、具体的には、連続変形模様部47と逆の三次元モアレ模様を観察することができる。さらに、前記連続変形模様部49は、具体的には、連続変形模様部46と逆の三次元モアレ模様を観察することができる。また、前記繰り返し模様70Dは、具体的には、連続変形模様部46と同様の三次元モアレ模様が複数連結した三次元モアレ模様を観察することができる。
また、前記連続変形模様部46Aは、具体的には、前記連続変形模様部46と、模様単位31の配列方向が異なる以外は、同様の三次元モアレ模様を観察することができる。前記連続変形模様部49Aは、具体的には、連続変形模様部46Aと逆の三次元モアレ模様を観察することができる。前記連続変形模様部47Aは、具体的には、縦方向のみが連続変形模様部46Aと同様の三次元モアレ模様を観察することができる。さらに、前記連続変形模様部48Aは、具体的には、連続変形模様部47Aと逆の三次元モアレ模様を観察することができる。また、前記繰り返し模様70Eは、具体的には、連続変形模様部46Aと同様の三次元モアレ模様が複数連結した三次元モアレ模様を観察することができる。
立体視シート構成体5は、基本的には、第1態様の立体視シート構成体1〜3と同様にして、製造することができる。連続変形模様部46〜49Aを含む繰り返し模様70、70A〜70Iは、繰り返し模様部30と同様にして、パーソナルコンピュータにて前記画像編集ソフト等を用いて、所望のイメージデータを作成することができる。
立体視シート構成体5は、第1態様の立体視シート構成体1と同様に、図18に示される立体視シート構成体2のように、2枚のシート部材10及び11の積層体としてもよく、3枚以上のシート部材を積層した積層体としてもよい。同様に、立体視シート構成体5は、図19に示される立体視シート構成体3のように、繰り返し模様50の他に、他の模様や画像15等を備えていてもよい。
この発明の立体視シート構成体として、第1態様、第2態様及び第3態様に分けて説明したが、この発明の立体視シート構成体は、これらの態様を組み合わせてなる立体視シート構成体としてもよい。例えば、前記第1態様の立体視シート構成体における連続変形模様部、前記第2態様の立体視シート構成体における線分集合部、及び、前記第3態様の立体視シート構成体における連続変形模様部からなる少なくとも2つを含む繰り返し模様を有する立体視シート構成体としてもよい。また、第2態様の立体視シート構成体における線分集合部の一部又は全部を、前記第1態様の立体視シート構成体における連続変形模様部と同様にして、線分の間隔及び線分の延在方向が連続して段階的に又は無段階的に変化するように、変形してなる繰り返し模様、及び/又は、前記第3態様の立体視シート構成体における連続変形模様部と同様にして、線分の間隔が連続して段階的に又は無段階的に変化するように、変形してなる繰り返し模様を有する立体視シート構成体としてもよい。