JP4337111B2 - 虚像現出装飾体 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、目の錯覚を利用して虚像を平凸レンズ状集光素層の上方又は下方に現出させる虚像現出装飾体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
特開平９−２０７２５４号公報並びに特開平１０−３５０８３号公報には、透明性シートの表面に複数の凸レンズ状の突起を連続した任意のパターンで設けると共に、該透明性シートの裏面に表面と同じ連続パターンをもつ模様を、表面の連続パターンに対して変位させて印刷して見る方向によって模様が変化する装飾シート体が開示されている。
【０００３】
また、特開平１１−１８９０００号公報には、透明性シートの一面に、所定のピッチで繰り返された第１の模様を有する第１のパターン部を設け、前記透明性シートの他面に、所定のピッチで繰り返された第２の模様を有する第２のパターン部を設けてなる三次元のモアレ模様が現出する装飾シートが開示されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平９−２０７２５４号公報並びに特開平１０−３５０８３号公報に開示されている装飾シート体は、凸レンズ状の突起の層と模様の層とからなり、当該突起パターンのピッチと模様パターンのピッチが同じであり、透明性シートの表面に設けられた凸レンズ状の突起パターンに対して該透明性シートの裏面に印刷される模様パターンを該突起パターンと該模様パターンとを重ねた状態から突起と模様のパターン軸を角度差がねじれるように回転させて変位させ、回転による角度差により各突起と該各突起に対応する模様との重なり度合いが各突起毎に異なったものとなって、凸レンズ状の突起の層側から装飾シート体を目視すれば見る方向によって該模様が見えたり見えなかったりして装飾シート全体としては模様が変化するように見えるものである。
【０００５】
また、前記特開平１１−１８９０００号公報に開示されている装飾シートは、透明シートの一方面に第一の模様を形成して該透明シートの他方面に第２の模様を形成することにより、装飾シートを表面又裏面から第一の模様の層と第二の模様の層を目視すれば、左眼による目視角度と右目による目視角度の相違によって左眼に見える第一の模様と第二の模様との重なりによって形成される像と、右眼に見える第一の模様と第二の模様との重なりによって形成される像とが異なったものとなり、装飾シートに三次元のモアレ模様をつくり出すものである。
【０００６】
本発明は、新たな虚像現出装飾体を開発すべく、透明基板層の表面に形成される平凸レンズ状集光素層における平凸レンズ状集光素の配置と、該透明基板層の裏面に形成される画素層における画素の配置との因果関係を種々のサンプル装飾体を多数作成して試験・研究を重ねた結果、虚像現出装飾体を同一形状・同一大きさの平凸レンズ状集光素を多数縦横に整列させて形成してなる平凸レンズ状集光素層と該平凸レンズ状集光素層の下に積層された透明基板層と該透明基板層の下に積層された同一形状の画素を多数縦横に整列させて形成してなる画素層とから構成し、当該画素の大きさを基本画素列として選定される一の画素列からより離れた他の画素列に配置される画素ほど小さくなるようにし、前記各平凸レンズ状集光素と前記各画素とを少なくとも一組が上下において最も重なっていると共に、該重なっている画素と等距離にある他の画素が該各画素と対応する平凸レンズ状集光素に対して当該最も重なっている画素を中心として放射状に同じ幅でずれていて、かつ、当該中心となる画素より外側の画素ほどずれる幅が大きくなるように配置すれば、前記画素の形状と同一形状の拡大された虚像が前記最も重なっている画素を中心として前記平凸レンズ状集光素層の上方又は下方に現出するという刮目すべき知見を得て本発明を完成したものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって解決できる。
【０００８】
即ち、本発明に係る虚像現出装飾体は、同一形状・同一大きさの平凸レンズ状集光素を多数縦横に整列させて形成してなる平凸レンズ状集光素層と該平凸レンズ状集光素層の下に積層された透明基板層と該透明基板層の下に積層された同一形状の画素を多数縦横に整列させて形成してなる画素層とからなり、当該各画素の大きさは基本画素列として選定される一の画素列からより遠く離れた他の画素列に配置される画素ほどより小さくなっており、前記各平凸レンズ状集光素と前記各画素とは少なくとも一組が上下において最も重なっていると共に該最も重なっている画素と等距離にある他の画素が平凸レンズ状集光素に対して当該最も重なっている画素を中心として放射状に外側へ向かって同じ幅でずれており、かつ、当該中心となる画素より外側の画素ほどずれ幅が大きくなるように前記平凸レンズ状集光素層と前記画素層とが配置されており、前記画素の形状と同一形状の拡大された虚像が前記最も重なっている画素を中心として前記平凸レンズ状集光素層の上方に現出するものである。
【０００９】
また、本発明は、前記虚像現出装飾体において、平凸レンズ状集光素層はスクリーン印刷により10≦線数≦70を満足する紗体を形成する紗線によってできた升目を単位として透明基板の一方の面に平凸レンズ状集光素が印刷されてなり、画素層は前記紗体の線数未満の線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目を単位として該升目のピッチと同一ピッチで透明基板の他方の面に画素が形成されてなるものである。
【００１０】
また、本発明は、前記虚像現出装飾体において、平凸レンズ状集光素層はスクリーン印刷により10≦線数≦70を満足する紗体を形成する紗線によってできた升目を単位として透明基板の一方の面に平凸レンズ状集光素が印刷されてなり、画素層は前記紗体の線数未満の線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目を単位として該升目のピッチと同一ピッチで透明フィルムに画素が形成されてなるものである。
【００１１】
また、本発明に係る虚像現出装飾体は、同一形状・同一大きさの平凸レンズ状集光素を多数縦横に整列させて形成してなる平凸レンズ状集光素層と該平凸レンズ状集光素層の下に積層された透明基板層と該透明基板層の下に積層された同一形状の画素を多数縦横に整列させて形成してなる画素層とからなり、当該各画素の大きさは基本画素列として選定される一の画素列からより遠く離れた他の画素列に配置される画素ほどより小さくなっており、前記各平凸レンズ状集光素と前記各画素とは少なくとも一組が上下において最も重なっていると共に該最も重なっている画素と等距離にある他の画素が平凸レンズ状集光素に対して当該最も重なっている画素を中心として放射状に内側へ向かって同じ幅でずれており、かつ、当該中心となる画素より外側の画素ほどずれ幅が大きくなるように前記平凸レンズ状集光素層と前記画素層とが配置されており、前記画素の形状と同一形状の拡大された虚像が前記最も重なっている画素を中心として前記平凸レンズ状集光素層の下方に現出するものである。
【００１２】
また、本発明は、前記虚像現出装飾体において、平凸レンズ状集光素層はスクリーン印刷により10≦線数≦70を満足する紗体を形成する紗線によってできた升目を単位として透明基板の一方の面に平凸レンズ状集光素が印刷されてなり、画素層は前記紗体の線数を越える線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目を単位として該升目のピッチと同一ピッチで透明基板の他方の面に画素が形成されてなるものである。
【００１３】
さらに、本発明は、前記虚像現出装飾体において、平凸レンズ状集光素層はスクリーン印刷により10≦線数≦70を満足する紗体を形成する紗線によってできた升目を単位として透明基板の一方の面に平凸レンズ状集光素が印刷されてなり、画素層は前記紗体の線数を越える線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目を単位として該升目のピッチと同一ピッチで透明フィルムに画素が形成されてなるものである。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【００１５】
実施の形態１．
【００１６】
図１は本実施の形態に係る虚像現出装飾体における平凸レンズ状集光素と画素との位置関係を説明する図であり、図中、画素列を点線、基本画素列を一点鎖線にて示している。図２は図１に示す虚像現出装飾体のＡ−Ａ断面図である。図３は図１に示す虚像現出装飾体の平凸レンズ状集光素層を示した平面図であり、平凸レンズ状集光素をスクリーン印刷する紗体の紗線を一点鎖線Ａにて示している。図４は図１に示す虚像現出装飾体を上から目視した場合に平凸レンズ状集光素層の上方に見える（換言すれば、手前に浮いて見える）拡大された虚像を説明する図であり、図４の（ａ）は虚像現出装飾体を上から目視しているところを図示した正面図であり、図４の（ｂ）は虚像現出装飾体の平面図である。図５は図４に示す拡大された画素の虚像を左目で目視した後右目で目視したときの画像の動きを説明する平面図であり、図５の（ａ）は左目で目視したときの画像を示し、図５の（ｂ）は右目で目視したときの画像を示す。図６は図４に示す拡大された画素の虚像を右目で目視した後左目で目視したときの画像の動きを説明する平面図であり、図６の（ａ）は右目で目視したときの画像を示し、図６の（ｂ）は左目で目視したときの画像を示す。
【００１７】
本実施の形態に係る虚像現出装飾体１は、図２に示すように、凸レンズの役割を果たす同一形状・同一大きさの平凸レンズ状集光素２を多数縦横に整列させて形成してなる平凸レンズ状集光素層３と、当該平凸レンズ状集光素層３の下に積層された透明基板４からなる透明基板層５と、前記透明基板層５の裏面に積層された前記平凸レンズ状集光素層３を形成した紗体の線数未満の近い線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目のピッチと同一ピッチで多数縦横に整列される同一形状の各円形状画素（以下、単に「画素」という。）６の大きさ（面積）を、基本画素列として選定した一の画素列（以下、この選定した一の画素列を「基本画素列」という。：図１中の一点鎖線参照）７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とから構成されており、前記平凸レンズ状集光素層３と前記画素層９とは、平凸レンズ状集光素２と画素６とが上下において最も重なる平凸レンズ状集光素（以下、「基準集光素」という。）２’と画素（以下、「基準画素」という。）６’とからなる組（図１参照）を有するように積層されて基準画素６’と等距離にある他の画素６が該各画素６に対応する平凸レンズ状集光素２に対して基準画素２’を中心として放射状に外側へ向かって同じ幅でずれていると共に、基準画素２’より外側の画素６ほどずれ幅が大きくなるように配置されている。
【００１８】
同一形状・同一大きさの平凸レンズ状集光素２が多数縦横に整列した平凸レンズ状集光素層３は厚盛性のよい透明インクを用いて、図３に示すように、透明基板４の表面にスクリーン印刷により紗体を形成する紗線Ａによってできた升目を単位として一つの升目の中に一つの平凸レンズを印刷すれば容易に得ることができる。
【００１９】
スクリーン印刷により平凸レンズ状集光素層３を形成する場合には、10≦線数≦70を満足する紗体を用いればよく、紗の線数が10未満及び70を越えれば、平凸レンズ状とするのが難しい。
【００２０】
前記画素層９は、図１に示すように、パーソナルコンピュータにて、編集処理アプリケーションを用いて平凸レンズ状集光素層３を形成した紗体の線数未満の近い線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目を単位として該升目のピッチと同一ピッチとして多数縦横に整列される同一形状の各画素６の大きさが、基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなる画素配置の画像データを得た後、当該画像データを出力処理アプリケーションを用いてパーソナルコンピュータに転送処理し、転送された画像データをイメージデータに変換する演算処理アプリケーションを用いて演算処理した後、イメージセッターに転送し、自動現像機にて透明基板層５の裏面に形成すれば得ることができる。
【００２１】
なお、升目のピッチとは、図３に示す一点鎖線Ａによってできる升目内の任意の位置から該升目と縦横でとなり合う升目の前記任意の位置と同じ位置までの距離をいう。
【００２２】
透明基板４は、合成樹脂製のものを使用すればよく、硬質、軟質いずれであってもよい。硬質の場合は厚さ１mm〜５mmのもの、軟質の場合は厚さ0.5 mm〜２mmのものが取扱いに適し、商品価値としての応用性が広がり、実用的である。また、透明性を有しておれば、着色されていてもよい。具体的には、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル、ポリ塩化ビニル等の透明合成樹脂製板又は透明フィルムを使用すればよい。なお、透明基板４が5.0 mmよりも厚くなると現出する像がぼやけ、色が薄くなる傾向にあり、逆に0.5 mmよりも薄くなると平印刷の感じとなり、虚像が観察できない傾向にある。
【００２３】
虚像現出装飾体１においては、図４の（ａ）に示すように、目の位置を固定して片目ずつで当該虚像現出装飾体１を上から目視した場合には、基準画素６’と等距離にある他の画素６が該各画素６に対応する平凸レンズ状集光素２に対して基準画素２’を中心として放射状に外側へ向かって同じ幅でずれていると共に、基準画素２’より外側の画素６ほどずれる幅が大きくなっているので、左目１０で目視したときに見えた画像１１（図５の（ａ）参照）が右目１２で目視したときに左方向（図５の（ｂ）参照）にずれ、また、右目１２で目視したときに見えた画像１３（図６の（ａ）参照）が左目１０で目視したときに右方向（図６の（ｂ）参照）にずれる、即ち、虚像現出装飾体１を上から左目１０のみで目視したときに見える画素６の拡大画像１１と右目１２のみで目視したときに見える画素６の拡大画像１３との位置関係を比べると、目線が交差するようにずれて拡大画像が現れており（図４の（ａ）参照）、この画像のずれにより、画素６の拡大画像が虚像現出装飾体１の上方に現れ、画素６の拡大虚像１４が基準画素６’を中心として平凸レンズ状集光素層３の上方（手前）に浮いて見える。
【００２４】
なお、画素６が平凸レンズ状集光素２に対して放射状に徐々に外側にずれていくことにより基準集光素２’と基準画素６’とからなる組から一定の間隔ごとに再び画素６と平凸レンズ状集光素２とが最も重なり、当該重なった画素６（基準画素６’）と平凸レンズ状集光素２（基準集光素２’）とを中心として虚像１４が現出する。
【００２５】
従って、基準画素６’と基準集光素２’とが多数形成される場合には、基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるので、これに伴って当該基本画素列７からより遠く離れた位置に形成される基準画素６’と基準集光素２’とを中心とする当該画素６の拡大虚像１４ほどより小さくなって現出する（図４の（ｂ）参照）。
【００２６】
本実施の形態における画素層９は、写真製版により画素を形成したフィルムであってもよく、スクリーン印刷、オフセット印刷及び凸版印刷によっても得ることができる。
【００２７】
また、画素６の形状としては円形に限らず、四角形、星形、ハート形、文字形、影絵様形等、任意の形状が利用できる。
【００２８】
さらに、透明基板４は合成樹脂製に限ることなく、ガラス製の板であってもよい。
【００２９】
具体的には、例えば、厚さ１mmの樹脂製透明基板４（透明基板層５）の表面に線数20の紗体にて平凸レンズ状集光素２を印刷して平凸レンズ状集光素層３を作成した場合には、樹脂製透明基板４の裏面に16≦線数＜20を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで多数整然と整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、線数25の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては20≦線数＜25を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数30の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては24≦線数＜30を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数35の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては28≦線数＜35を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数40の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては32≦線数＜40を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数45の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては36≦線数＜45を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数50の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては45≦線数＜50を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数55の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては45≦線数＜55を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数60の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては50≦線数＜60を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数65の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては55≦線数＜65を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、そして、線数70の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては60≦線数＜70を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよい。
【００３０】
また、例えば、厚さ３mmの樹脂製透明基板４（透明基板層５）の表面に線数15の紗体にて平凸レンズ状集光素２を印刷して平凸レンズ状集光素層３を作成した場合には、樹脂製透明基板４の裏面に13≦線数＜15を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで多数整然と整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、線数20の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては15≦線数＜20を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数25の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては18≦線数＜25を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数30の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては23≦線数＜30を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数35の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては28≦線数＜35を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数40の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては30≦線数＜40を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数45の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては40≦線数＜45を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、そして、線数50の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては45≦線数＜50を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよい。
【００３１】
次に、例えば、厚さ0.5mm の軟質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数70の紗体にて印刷した場合には、45≦線数＜70を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ１mmの軟質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数35の紗体にて印刷した場合には、26≦線数＜35を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ1.0mm の硬質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数45の紗体にて印刷した場合には、34≦線数＜45を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ2.0mm の硬質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数30の紗体にて印刷した場合には、24≦線数＜30を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ3.0mm の硬質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数25の紗体にて印刷した場合には、19≦線数＜25を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ5.0mm の硬質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数10の紗体にて印刷した場合には、８≦線数＜10を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよい。
【００３２】
実施の形態２．
【００３３】
図７は本実施の形態に係る虚像現出装飾体における平凸レンズ状集光素と画素との位置関係を説明する図であり、図中、画素列を点線、基本画素列を一点鎖線にて示している。図８は図７に示す虚像現出装飾体のＢ−Ｂ断面図である。図９は図７に示す虚像現出装飾体を上から目視した場合に平凸レンズ状集光素層の下方に見える（換言すれば、奥に沈んで見える）拡大された虚像を説明する図であり、図９の（ａ）は虚像現出装飾体を上から目視しているところを図示した正面図であり、図９の（ｂ）は虚像現出装飾体の平面図である。図１０は図９に示す拡大された画素の虚像を左目で目視した後右目で目視したときの画像の動きを説明する平面図であり、図１０の（ａ）は左目で目視したときの画像を示し、図１０の（ｂ）は右目で目視したときの画像を示す。図１１は図９に示す拡大された画素の虚像を右目で目視した後左目で目視したときの画像の動きを説明する平面図であり、図１１の（ａ）は右目で目視したときの画像を示し、図１１の（ｂ）は左目で目視したときの画像を示す。これらの図において、図１〜図６と同一符号は同一又は相当部分を示している。
【００３４】
本実施の形態に係る虚像現出装飾体１５は、図８に示すように、前記実施の形態１と同様にスクリーン印刷により透明基板４の表面に平凸レンズ状集光素２を印刷して形成してなる平凸レンズ状集光素層３と、図７に示すように、パーソナルコンピュータにて、編集アプリケーションを用いて前記平凸レンズ状集光素層３を形成した紗体の線数を越える近い線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目を単位として該升目のピッチと同一ピッチで多数縦横に整列される同一形状の各画素６の大きさを、基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなる画素配置の画像データを得た外は、前記実施の形態１と同様にして透明フィルム１６に画素６を形成してなる画素層９とから構成されており、前記平凸レンズ状集光素層３と前記画素層９とは、図７に示すように、平凸レンズ状集光素２と画素６とが上下において最も重なる基準集光素２’と基準画素６’とからなる組を有するように積層されて基準画素６’と等距離にある他の画素６が該各画素６に対応する平凸レンズ状集光素２に対して基準画素２’を中心として放射状に内側へ向かって同じ幅でずれていると共に、基準画素２’より外側の画素６ほどずれ幅が大きくなるように配置されている。
【００３５】
虚像現出装飾体１５においては、図９の（ａ）に示すように、目の位置を固定して片目ずつで当該虚像現出装飾体１５を上から目視した場合には、基準画素６’と等距離にある他の画素６が該各画素６に対応する平凸レンズ状集光素２に対して基準画素２’を中心として放射状に内側へ向かって同じ幅でずれていると共に、基準画素２’より外側の画素６ほどずれる幅が大きくなっているので、左目１０で目視したときに見えた画像１７（図１０の（ａ）参照）が右目１２で目視したときに右方向（図１０の（ｂ）参照）にずれ、また、右目１２で目視したときに見えた画像１８（図１１の（ａ）参照）が左目１０で目視したときに左方向（図１１の（ｂ）参照）にずれる、即ち、虚像現出装飾体１５を上から左目１０のみで目視したときに見える画素６の拡大画像１７と右目１２のみで目視したときに見える画素６の拡大画像１８との位置関係を比べると、目線が交差しないようにずれて拡大画像が現れており（図９の（ａ）参照）、この画像のずれにより、画素６の拡大画像が虚像現出装飾体１５の下方に現れ、画素６の拡大虚像１９が基準画素６’を中心として平凸レンズ状集光素層３の下方（奥）に沈んで見える。
【００３６】
なお、画素６が平凸レンズ状集光素２に対して放射状に徐々に内側にずれていくことにより基準集光素２’と基準画素６’とからなる組から一定の間隔ごとに再び画素６と平凸レンズ状集光素２とが最も重なり、当該重なった画素６（基準画素６’）と平凸レンズ状集光素２（基準集光素２’）とを中心として虚像１９が現出する。
【００３７】
従って、基準画素６’と基準集光素２’とが多数形成される場合には、基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるので、これに伴って当該基本画素列７からより遠く離れた位置に形成される基準画素６’と基準集光素２’とを中心とする当該画素６の拡大虚像１９ほどより小さくなって現出する（図９の（ｂ）参照）。
【００３８】
具体的には、例えば、厚さ１mmの樹脂製透明基板４（透明基板層５）の表面に線数13の紗体にて平凸レンズ状集光素２を印刷して平凸レンズ状集光素層３を作成した場合には、15≦線数≦17を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで多数整然と整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した透明フィルム１６（画素層９）を作成すればよく、線数15の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては17≦線数≦19を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数20の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては20＜線数≦26を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数25の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては25＜線数≦32を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数30の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては30＜線数≦38を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数35の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては35＜線数≦40を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数40の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては40＜線数≦45を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数45の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては45＜線数≦50を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数50の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては50＜線数≦55を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数55の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては55＜線数≦65を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数60の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては60＜線数≦70を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、そして、線数65の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては65＜線数≦70を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよい。
【００３９】
また、例えば、厚さ３mmの樹脂製透明基板４（透明基板層５）の表面に線数10の紗体にて平凸レンズ状集光素２を印刷して平凸レンズ状集光素層３を作成した場合には、10＜線数≦14を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで多数整然と整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した透明フィルム１６（画素層９）を作成すればよく、線数13の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては13＜線数≦17を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数15の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては15＜線数≦20を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数20の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては20＜線数≦25を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数25の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては25＜線数≦32を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数30の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては30＜線数≦36を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数35の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては35＜線数≦40を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数40の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては40＜線数≦45を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数45の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては45＜線数≦50を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、そして、線数50の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては50＜線数≦55を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよい。
【００４０】
次に、例えば、厚さ0.5mm の軟質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数70の紗体にて印刷した場合には、70＜線数≦115 を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ１mmの軟質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数35の紗体にて印刷した場合には、35＜線数≦43を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ1.0mm の硬質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数45の紗体にて印刷した場合には、45＜線数≦60を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ2.0mm の硬質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数30の紗体にて印刷した場合には、30＜線数≦38を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ3.0mm の硬質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数25の紗体にて印刷した場合には、25＜線数≦31を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ5.0mm の硬質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数10の紗体にて印刷した場合には、10＜線数≦35を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよい。
【００４１】
【実施例】
実施例１．
【００４２】
厚さ0.5mm のポリカーボネート透明基板４を透明基板層５として２枚用意した。厚さ0.1mm の透明フィルム１６（品名：大日本スクリーン印刷株式会社製FTR3050 用フィルムHLNWL ：富士写真フィルム株式会社製）を２枚用意した。そして、透明基板４の上面に、線数が40,45 線の紗体を用いてスクリーン印刷により、十条ケミカル株式会社製4100番シリーズの透明インクで40％（一の升目の面積当たりに閉める平凸レンズ状集光素の割合）の平凸レンズ状集光素２を印刷することにより、平凸レンズ状集光素層３を透明基板層５の上面に積層した。
【００４３】
画素層９は、DTP(Desk Top Publishing)にて、線数が36線の画素６を形成してなるフィルムを作成した。
【００４４】
具体的製造工程を説明すれば、以下の通りである。
【００４５】
先ず、パーソナルコンピュータ（品名：Power Mac 9600/300：Apple 社製）にて、編集処理アプリケーション（品名：Adobe Photoshope 5.02J：Adobe systems 社製）を用いて、線数が36線の升目のピッチにより多数整然と整列される各円形状画素６の大きさが、基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなる画素配置の画像データを得、続いて、画像データを出力処理アプリケーション( 品名：Quark XPress 3.3J ：Adobe systems 社製) を用いてパーソナルコンピュータ（品名：Power Mac 9600/350：Apple 社製）に転送処理し、転送された画像データをイメージデータに変換する演算処理アプリケーション（品名：AD-310PM Ver2.0 ：大日本スクリーン製造株式会社製）を用いて演算処理した後、イメージセッター（品名：FT-R3050：大日本スクリーン製造株式会社製）に転送し、自動現像機（品名：KODAMATIC 710 Processor ：日本コダック株式会社製）にて、前記透明フィルム１６に前記画素６を形成して２枚のフィルム（画素層９）を得た。
【００４６】
そして、各透明基板４の下面に画素層９を積層して２枚の虚像現出装飾体１を得た。
【００４７】
虚像現出装飾体１を平凸レンズ状集光素層３を上にして真上から目視したところ、虚像現出装飾体１の上方（手前）に浮いて見える虚像１４が観察できた。
【００４８】
実施例２．
【００４９】
厚さ0.5mm のポリカーボネート製透明基板４を３枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を３枚用意した。そして、25,30,35線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３と、36線の升目のピッチにより多数整然と整列される各円形状画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして３枚の虚像現出装飾体１５を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では下方（奥）に沈んで見える虚像１９が観察できた。
【００５０】
実施例３，４．
【００５１】
厚さ１mmのポリカーボネート製透明基板４を４枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を４枚用意した。そして、30,35 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例３）及び40,45 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例４）と、36線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１５（実施例３）と２枚の虚像現出装飾体１（実施例４）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００５２】
実施例５，６．
【００５３】
厚さ２mmのポリカーボネート製透明基板４を５枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を５枚用意した。そして、30,35 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例５）及び40,45,50線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例６）と、36線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１５（実施例５）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例６）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００５４】
実施例７，８．
【００５５】
厚さ３mmのポリカーボネート製透明基板４を５枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を５枚用意した。そして、30,35 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例７）及び40,45,50線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例８）と、36線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１５（実施例７）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例８）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００５６】
実施例９，１０．
【００５７】
厚さ0.5mm の透明基板４（品名：アキレス青味透明グラス：アキレス株式会社製）を３枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を３枚用意した。そして、35線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例９）及び40,45 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１０）と、36線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして１枚の虚像現出装飾体１５（実施例９）と２枚の虚像現出装飾体１（実施例１０）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００５８】
実施例１１，１２．
【００５９】
厚さ0.5mm のポリカーボネート製透明基板４を５枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を５枚用意した。そして、25,30 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１１）及び35,40,45線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１２）と、34線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１５（実施例１１）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例１２）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００６０】
実施例１３，１４．
【００６１】
厚さ１mmのポリカーボネート製透明基板４を４枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を４枚用意した。そして、30線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１３）及び35,40,45線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１４）と、34線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして１枚の虚像現出装飾体１５（実施例１３）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例１４）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００６２】
実施例１５，１６．
【００６３】
厚さ２mmのポリカーボネート製透明基板４を４枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を４枚用意した。そして、30線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１５）及び35,40,45線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１６）と、34線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして１枚の虚像現出装飾体１５（実施例１５）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例１６）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００６４】
実施例１７，１８．
【００６５】
厚さ３mmのポリカーボネート製透明基板４を４枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を４枚用意した。そして、30線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１７）及び35,40,45線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１８）と、34線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして１枚の虚像現出装飾体１５（実施例１７）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例１８）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００６６】
実施例１９．
【００６７】
厚さ0.5mm の透明基板４（品名：アキレス青味透明グラス：アキレス株式会社製）を３枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を３枚用意した。そして、35,40,45線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３と、34線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして３枚の虚像現出装飾体１を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００６８】
実施例２０，２１．
【００６９】
厚さ0.5mm のポリカーボネート製透明基板４を３枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を３枚用意した。そして、30線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２０）及び40,45 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２１）と、35線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして１枚の虚像現出装飾体１５（実施例２０）と２枚の虚像現出装飾体１（実施例２１）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００７０】
実施例２２，２３．
【００７１】
厚さ１mmのポリカーボネート製透明基板４を３枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を３枚用意した。そして、30線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２２）及び40,45 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２３）と、35線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして１枚の虚像現出装飾体１５（実施例２２）と２枚の虚像現出装飾体１（実施例２３）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００７２】
実施例２４，２５．
【００７３】
厚さ２mmのポリカーボネート製透明基板４を４枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を４枚用意した。そして、30線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２４）及び40,45,50線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２５）と、35線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして１枚の虚像現出装飾体１５（実施例２４）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例２５）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００７４】
実施例２６，２７．
【００７５】
厚さ３mmのポリカーボネート製透明基板４を４枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を４枚用意した。そして、30線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２６）及び40,45,50線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２７）と、35線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして１枚の虚像現出装飾体１５（実施例２６）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例２７）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００７６】
実施例２８．
【００７７】
厚さ0.5mm の透明基板４（品名：アキレス青味透明グラス：アキレス株式会社製）を２枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を２枚用意した。そして、40,45 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３と、35線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００７８】
実施例２９，３０．
【００７９】
厚さ0.5mm のポリカーボネート製透明基板４を４枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を４枚用意した。そして、30,35 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２９）及び40,45 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例３０）と、35.5線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１５（実施例２９）と２枚の虚像現出装飾体１（実施例３０）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００８０】
実施例３１，３２．
【００８１】
厚さ１mmのポリカーボネート製透明基板４を４枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を４枚用意した。そして、30,35 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例３１）及び40,45 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例３２）と、35.5線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１５（実施例３１）と２枚の虚像現出装飾体１（実施例３２）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００８２】
実施例３３，３４．
【００８３】
厚さ２mmのポリカーボネート製透明基板４を５枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を５枚用意した。そして、30,35 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例３３）及び40,45,50線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例３４）と、35.5線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１５（実施例３３）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例３４）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００８４】
実施例３５，３６．
【００８５】
厚さ３mmのポリカーボネート製透明基板４を５枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を５枚用意した。そして、30,35 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例３５）及び40,45,50線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例３６）と、35.5線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１５（実施例３５）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例３６）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００８６】
実施例３６．
【００８７】
厚さ0.5mm の透明基板４（品名：アキレス青味透明グラス：アキレス株式会社製）を２枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を２枚用意した。そして、40,45 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３と、35.5線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００８８】
なお、実施例においては、いずれも平凸レンズ状集光素層３の一の升目の面積当たりに閉める平凸レンズ状集光素２の割合を40％として形成したが、この割合は５％から95％の間で変更してもよい。
【００８９】
【発明の効果】
本発明によれば、画素の拡大虚像が上方（手前）に浮いて見える虚像現出装飾体を提供することができ、また、画素の拡大虚像が下方（奥）に沈んで見える虚像現出装飾体を提供することができる。
【００９０】
従って、本発明に係る虚像現出装飾体は、現出する虚像に起因して観察者の目を引くと共に興味を持って見られるので、各種の表示板や印刷物、ラベル、玩具等に利用でき、また、通常の印刷技術によって低コストで製造できるから、その用途は広く、本発明の産業上利用性は非常に高いといえる。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施の形態１に係る虚像現出装飾体における平凸レンズ状集光素と画素との位置関係を説明する図である。
【図２】図１に示す虚像現出装飾体のＡ−Ａ断面図である。
【図３】図１に示す虚像現出装飾体の平凸レンズ状集光素層を示した平面図である。
【図４】図１に示す虚像現出装飾体における平凸レンズ状集光素層の上方に浮いて見える拡大された虚像を説明する図である。
【図５】図４に示す拡大された画素の虚像を左目で目視した後右目で目視したときの画像の動きを説明する平面図である。
【図６】図４に示す拡大された画素の虚像を右目で目視した後左目で目視したときの画像の動きを説明する平面図である。
【図７】実施の形態２に係る虚像現出装飾体における平凸レンズ状集光素と画素との位置関係を説明する図である。
【図８】図７に示す虚像現出装飾体のＢ−Ｂ断面図である。
【図９】図７に示す虚像現出装飾体における平凸レンズ状集光素層の下方に沈んで見える拡大された虚像を説明する図である。
【図１０】図９に示す拡大された画素の虚像を左目で目視した後右目で目視したときの画像の動きを説明する平面図である。
【図１１】図９に示す拡大された画素の虚像を右目で目視した後左目で目視したときの画像の動きを説明する平面図である。
【符号の説明】
１，１５ 虚像現出装飾体
２ 平凸レンズ状集光素
３ 平凸レンズ状集光素層
４ 透明基板
５ 透明基板層
６ 画素
７ 基本画素列
８ 画素列
９ 画素層
１０ 左目
１１，１３，１７，１８ 画像
１２ 右目
１４，１９ 虚像
１６ 透明フィルム
【発明の属する技術分野】
本発明は、目の錯覚を利用して虚像を平凸レンズ状集光素層の上方又は下方に現出させる虚像現出装飾体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
特開平９−２０７２５４号公報並びに特開平１０−３５０８３号公報には、透明性シートの表面に複数の凸レンズ状の突起を連続した任意のパターンで設けると共に、該透明性シートの裏面に表面と同じ連続パターンをもつ模様を、表面の連続パターンに対して変位させて印刷して見る方向によって模様が変化する装飾シート体が開示されている。
【０００３】
また、特開平１１−１８９０００号公報には、透明性シートの一面に、所定のピッチで繰り返された第１の模様を有する第１のパターン部を設け、前記透明性シートの他面に、所定のピッチで繰り返された第２の模様を有する第２のパターン部を設けてなる三次元のモアレ模様が現出する装飾シートが開示されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平９−２０７２５４号公報並びに特開平１０−３５０８３号公報に開示されている装飾シート体は、凸レンズ状の突起の層と模様の層とからなり、当該突起パターンのピッチと模様パターンのピッチが同じであり、透明性シートの表面に設けられた凸レンズ状の突起パターンに対して該透明性シートの裏面に印刷される模様パターンを該突起パターンと該模様パターンとを重ねた状態から突起と模様のパターン軸を角度差がねじれるように回転させて変位させ、回転による角度差により各突起と該各突起に対応する模様との重なり度合いが各突起毎に異なったものとなって、凸レンズ状の突起の層側から装飾シート体を目視すれば見る方向によって該模様が見えたり見えなかったりして装飾シート全体としては模様が変化するように見えるものである。
【０００５】
また、前記特開平１１−１８９０００号公報に開示されている装飾シートは、透明シートの一方面に第一の模様を形成して該透明シートの他方面に第２の模様を形成することにより、装飾シートを表面又裏面から第一の模様の層と第二の模様の層を目視すれば、左眼による目視角度と右目による目視角度の相違によって左眼に見える第一の模様と第二の模様との重なりによって形成される像と、右眼に見える第一の模様と第二の模様との重なりによって形成される像とが異なったものとなり、装飾シートに三次元のモアレ模様をつくり出すものである。
【０００６】
本発明は、新たな虚像現出装飾体を開発すべく、透明基板層の表面に形成される平凸レンズ状集光素層における平凸レンズ状集光素の配置と、該透明基板層の裏面に形成される画素層における画素の配置との因果関係を種々のサンプル装飾体を多数作成して試験・研究を重ねた結果、虚像現出装飾体を同一形状・同一大きさの平凸レンズ状集光素を多数縦横に整列させて形成してなる平凸レンズ状集光素層と該平凸レンズ状集光素層の下に積層された透明基板層と該透明基板層の下に積層された同一形状の画素を多数縦横に整列させて形成してなる画素層とから構成し、当該画素の大きさを基本画素列として選定される一の画素列からより離れた他の画素列に配置される画素ほど小さくなるようにし、前記各平凸レンズ状集光素と前記各画素とを少なくとも一組が上下において最も重なっていると共に、該重なっている画素と等距離にある他の画素が該各画素と対応する平凸レンズ状集光素に対して当該最も重なっている画素を中心として放射状に同じ幅でずれていて、かつ、当該中心となる画素より外側の画素ほどずれる幅が大きくなるように配置すれば、前記画素の形状と同一形状の拡大された虚像が前記最も重なっている画素を中心として前記平凸レンズ状集光素層の上方又は下方に現出するという刮目すべき知見を得て本発明を完成したものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって解決できる。
【０００８】
即ち、本発明に係る虚像現出装飾体は、同一形状・同一大きさの平凸レンズ状集光素を多数縦横に整列させて形成してなる平凸レンズ状集光素層と該平凸レンズ状集光素層の下に積層された透明基板層と該透明基板層の下に積層された同一形状の画素を多数縦横に整列させて形成してなる画素層とからなり、当該各画素の大きさは基本画素列として選定される一の画素列からより遠く離れた他の画素列に配置される画素ほどより小さくなっており、前記各平凸レンズ状集光素と前記各画素とは少なくとも一組が上下において最も重なっていると共に該最も重なっている画素と等距離にある他の画素が平凸レンズ状集光素に対して当該最も重なっている画素を中心として放射状に外側へ向かって同じ幅でずれており、かつ、当該中心となる画素より外側の画素ほどずれ幅が大きくなるように前記平凸レンズ状集光素層と前記画素層とが配置されており、前記画素の形状と同一形状の拡大された虚像が前記最も重なっている画素を中心として前記平凸レンズ状集光素層の上方に現出するものである。
【０００９】
また、本発明は、前記虚像現出装飾体において、平凸レンズ状集光素層はスクリーン印刷により10≦線数≦70を満足する紗体を形成する紗線によってできた升目を単位として透明基板の一方の面に平凸レンズ状集光素が印刷されてなり、画素層は前記紗体の線数未満の線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目を単位として該升目のピッチと同一ピッチで透明基板の他方の面に画素が形成されてなるものである。
【００１０】
また、本発明は、前記虚像現出装飾体において、平凸レンズ状集光素層はスクリーン印刷により10≦線数≦70を満足する紗体を形成する紗線によってできた升目を単位として透明基板の一方の面に平凸レンズ状集光素が印刷されてなり、画素層は前記紗体の線数未満の線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目を単位として該升目のピッチと同一ピッチで透明フィルムに画素が形成されてなるものである。
【００１１】
また、本発明に係る虚像現出装飾体は、同一形状・同一大きさの平凸レンズ状集光素を多数縦横に整列させて形成してなる平凸レンズ状集光素層と該平凸レンズ状集光素層の下に積層された透明基板層と該透明基板層の下に積層された同一形状の画素を多数縦横に整列させて形成してなる画素層とからなり、当該各画素の大きさは基本画素列として選定される一の画素列からより遠く離れた他の画素列に配置される画素ほどより小さくなっており、前記各平凸レンズ状集光素と前記各画素とは少なくとも一組が上下において最も重なっていると共に該最も重なっている画素と等距離にある他の画素が平凸レンズ状集光素に対して当該最も重なっている画素を中心として放射状に内側へ向かって同じ幅でずれており、かつ、当該中心となる画素より外側の画素ほどずれ幅が大きくなるように前記平凸レンズ状集光素層と前記画素層とが配置されており、前記画素の形状と同一形状の拡大された虚像が前記最も重なっている画素を中心として前記平凸レンズ状集光素層の下方に現出するものである。
【００１２】
また、本発明は、前記虚像現出装飾体において、平凸レンズ状集光素層はスクリーン印刷により10≦線数≦70を満足する紗体を形成する紗線によってできた升目を単位として透明基板の一方の面に平凸レンズ状集光素が印刷されてなり、画素層は前記紗体の線数を越える線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目を単位として該升目のピッチと同一ピッチで透明基板の他方の面に画素が形成されてなるものである。
【００１３】
さらに、本発明は、前記虚像現出装飾体において、平凸レンズ状集光素層はスクリーン印刷により10≦線数≦70を満足する紗体を形成する紗線によってできた升目を単位として透明基板の一方の面に平凸レンズ状集光素が印刷されてなり、画素層は前記紗体の線数を越える線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目を単位として該升目のピッチと同一ピッチで透明フィルムに画素が形成されてなるものである。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【００１５】
実施の形態１．
【００１６】
図１は本実施の形態に係る虚像現出装飾体における平凸レンズ状集光素と画素との位置関係を説明する図であり、図中、画素列を点線、基本画素列を一点鎖線にて示している。図２は図１に示す虚像現出装飾体のＡ−Ａ断面図である。図３は図１に示す虚像現出装飾体の平凸レンズ状集光素層を示した平面図であり、平凸レンズ状集光素をスクリーン印刷する紗体の紗線を一点鎖線Ａにて示している。図４は図１に示す虚像現出装飾体を上から目視した場合に平凸レンズ状集光素層の上方に見える（換言すれば、手前に浮いて見える）拡大された虚像を説明する図であり、図４の（ａ）は虚像現出装飾体を上から目視しているところを図示した正面図であり、図４の（ｂ）は虚像現出装飾体の平面図である。図５は図４に示す拡大された画素の虚像を左目で目視した後右目で目視したときの画像の動きを説明する平面図であり、図５の（ａ）は左目で目視したときの画像を示し、図５の（ｂ）は右目で目視したときの画像を示す。図６は図４に示す拡大された画素の虚像を右目で目視した後左目で目視したときの画像の動きを説明する平面図であり、図６の（ａ）は右目で目視したときの画像を示し、図６の（ｂ）は左目で目視したときの画像を示す。
【００１７】
本実施の形態に係る虚像現出装飾体１は、図２に示すように、凸レンズの役割を果たす同一形状・同一大きさの平凸レンズ状集光素２を多数縦横に整列させて形成してなる平凸レンズ状集光素層３と、当該平凸レンズ状集光素層３の下に積層された透明基板４からなる透明基板層５と、前記透明基板層５の裏面に積層された前記平凸レンズ状集光素層３を形成した紗体の線数未満の近い線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目のピッチと同一ピッチで多数縦横に整列される同一形状の各円形状画素（以下、単に「画素」という。）６の大きさ（面積）を、基本画素列として選定した一の画素列（以下、この選定した一の画素列を「基本画素列」という。：図１中の一点鎖線参照）７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とから構成されており、前記平凸レンズ状集光素層３と前記画素層９とは、平凸レンズ状集光素２と画素６とが上下において最も重なる平凸レンズ状集光素（以下、「基準集光素」という。）２’と画素（以下、「基準画素」という。）６’とからなる組（図１参照）を有するように積層されて基準画素６’と等距離にある他の画素６が該各画素６に対応する平凸レンズ状集光素２に対して基準画素２’を中心として放射状に外側へ向かって同じ幅でずれていると共に、基準画素２’より外側の画素６ほどずれ幅が大きくなるように配置されている。
【００１８】
同一形状・同一大きさの平凸レンズ状集光素２が多数縦横に整列した平凸レンズ状集光素層３は厚盛性のよい透明インクを用いて、図３に示すように、透明基板４の表面にスクリーン印刷により紗体を形成する紗線Ａによってできた升目を単位として一つの升目の中に一つの平凸レンズを印刷すれば容易に得ることができる。
【００１９】
スクリーン印刷により平凸レンズ状集光素層３を形成する場合には、10≦線数≦70を満足する紗体を用いればよく、紗の線数が10未満及び70を越えれば、平凸レンズ状とするのが難しい。
【００２０】
前記画素層９は、図１に示すように、パーソナルコンピュータにて、編集処理アプリケーションを用いて平凸レンズ状集光素層３を形成した紗体の線数未満の近い線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目を単位として該升目のピッチと同一ピッチとして多数縦横に整列される同一形状の各画素６の大きさが、基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなる画素配置の画像データを得た後、当該画像データを出力処理アプリケーションを用いてパーソナルコンピュータに転送処理し、転送された画像データをイメージデータに変換する演算処理アプリケーションを用いて演算処理した後、イメージセッターに転送し、自動現像機にて透明基板層５の裏面に形成すれば得ることができる。
【００２１】
なお、升目のピッチとは、図３に示す一点鎖線Ａによってできる升目内の任意の位置から該升目と縦横でとなり合う升目の前記任意の位置と同じ位置までの距離をいう。
【００２２】
透明基板４は、合成樹脂製のものを使用すればよく、硬質、軟質いずれであってもよい。硬質の場合は厚さ１mm〜５mmのもの、軟質の場合は厚さ0.5 mm〜２mmのものが取扱いに適し、商品価値としての応用性が広がり、実用的である。また、透明性を有しておれば、着色されていてもよい。具体的には、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル、ポリ塩化ビニル等の透明合成樹脂製板又は透明フィルムを使用すればよい。なお、透明基板４が5.0 mmよりも厚くなると現出する像がぼやけ、色が薄くなる傾向にあり、逆に0.5 mmよりも薄くなると平印刷の感じとなり、虚像が観察できない傾向にある。
【００２３】
虚像現出装飾体１においては、図４の（ａ）に示すように、目の位置を固定して片目ずつで当該虚像現出装飾体１を上から目視した場合には、基準画素６’と等距離にある他の画素６が該各画素６に対応する平凸レンズ状集光素２に対して基準画素２’を中心として放射状に外側へ向かって同じ幅でずれていると共に、基準画素２’より外側の画素６ほどずれる幅が大きくなっているので、左目１０で目視したときに見えた画像１１（図５の（ａ）参照）が右目１２で目視したときに左方向（図５の（ｂ）参照）にずれ、また、右目１２で目視したときに見えた画像１３（図６の（ａ）参照）が左目１０で目視したときに右方向（図６の（ｂ）参照）にずれる、即ち、虚像現出装飾体１を上から左目１０のみで目視したときに見える画素６の拡大画像１１と右目１２のみで目視したときに見える画素６の拡大画像１３との位置関係を比べると、目線が交差するようにずれて拡大画像が現れており（図４の（ａ）参照）、この画像のずれにより、画素６の拡大画像が虚像現出装飾体１の上方に現れ、画素６の拡大虚像１４が基準画素６’を中心として平凸レンズ状集光素層３の上方（手前）に浮いて見える。
【００２４】
なお、画素６が平凸レンズ状集光素２に対して放射状に徐々に外側にずれていくことにより基準集光素２’と基準画素６’とからなる組から一定の間隔ごとに再び画素６と平凸レンズ状集光素２とが最も重なり、当該重なった画素６（基準画素６’）と平凸レンズ状集光素２（基準集光素２’）とを中心として虚像１４が現出する。
【００２５】
従って、基準画素６’と基準集光素２’とが多数形成される場合には、基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるので、これに伴って当該基本画素列７からより遠く離れた位置に形成される基準画素６’と基準集光素２’とを中心とする当該画素６の拡大虚像１４ほどより小さくなって現出する（図４の（ｂ）参照）。
【００２６】
本実施の形態における画素層９は、写真製版により画素を形成したフィルムであってもよく、スクリーン印刷、オフセット印刷及び凸版印刷によっても得ることができる。
【００２７】
また、画素６の形状としては円形に限らず、四角形、星形、ハート形、文字形、影絵様形等、任意の形状が利用できる。
【００２８】
さらに、透明基板４は合成樹脂製に限ることなく、ガラス製の板であってもよい。
【００２９】
具体的には、例えば、厚さ１mmの樹脂製透明基板４（透明基板層５）の表面に線数20の紗体にて平凸レンズ状集光素２を印刷して平凸レンズ状集光素層３を作成した場合には、樹脂製透明基板４の裏面に16≦線数＜20を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで多数整然と整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、線数25の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては20≦線数＜25を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数30の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては24≦線数＜30を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数35の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては28≦線数＜35を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数40の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては32≦線数＜40を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数45の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては36≦線数＜45を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数50の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては45≦線数＜50を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数55の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては45≦線数＜55を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数60の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては50≦線数＜60を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数65の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては55≦線数＜65を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、そして、線数70の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては60≦線数＜70を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよい。
【００３０】
また、例えば、厚さ３mmの樹脂製透明基板４（透明基板層５）の表面に線数15の紗体にて平凸レンズ状集光素２を印刷して平凸レンズ状集光素層３を作成した場合には、樹脂製透明基板４の裏面に13≦線数＜15を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで多数整然と整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、線数20の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては15≦線数＜20を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数25の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては18≦線数＜25を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数30の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては23≦線数＜30を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数35の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては28≦線数＜35を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数40の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては30≦線数＜40を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数45の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては40≦線数＜45を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、そして、線数50の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては45≦線数＜50を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよい。
【００３１】
次に、例えば、厚さ0.5mm の軟質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数70の紗体にて印刷した場合には、45≦線数＜70を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ１mmの軟質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数35の紗体にて印刷した場合には、26≦線数＜35を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ1.0mm の硬質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数45の紗体にて印刷した場合には、34≦線数＜45を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ2.0mm の硬質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数30の紗体にて印刷した場合には、24≦線数＜30を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ3.0mm の硬質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数25の紗体にて印刷した場合には、19≦線数＜25を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ5.0mm の硬質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数10の紗体にて印刷した場合には、８≦線数＜10を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよい。
【００３２】
実施の形態２．
【００３３】
図７は本実施の形態に係る虚像現出装飾体における平凸レンズ状集光素と画素との位置関係を説明する図であり、図中、画素列を点線、基本画素列を一点鎖線にて示している。図８は図７に示す虚像現出装飾体のＢ−Ｂ断面図である。図９は図７に示す虚像現出装飾体を上から目視した場合に平凸レンズ状集光素層の下方に見える（換言すれば、奥に沈んで見える）拡大された虚像を説明する図であり、図９の（ａ）は虚像現出装飾体を上から目視しているところを図示した正面図であり、図９の（ｂ）は虚像現出装飾体の平面図である。図１０は図９に示す拡大された画素の虚像を左目で目視した後右目で目視したときの画像の動きを説明する平面図であり、図１０の（ａ）は左目で目視したときの画像を示し、図１０の（ｂ）は右目で目視したときの画像を示す。図１１は図９に示す拡大された画素の虚像を右目で目視した後左目で目視したときの画像の動きを説明する平面図であり、図１１の（ａ）は右目で目視したときの画像を示し、図１１の（ｂ）は左目で目視したときの画像を示す。これらの図において、図１〜図６と同一符号は同一又は相当部分を示している。
【００３４】
本実施の形態に係る虚像現出装飾体１５は、図８に示すように、前記実施の形態１と同様にスクリーン印刷により透明基板４の表面に平凸レンズ状集光素２を印刷して形成してなる平凸レンズ状集光素層３と、図７に示すように、パーソナルコンピュータにて、編集アプリケーションを用いて前記平凸レンズ状集光素層３を形成した紗体の線数を越える近い線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目を単位として該升目のピッチと同一ピッチで多数縦横に整列される同一形状の各画素６の大きさを、基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなる画素配置の画像データを得た外は、前記実施の形態１と同様にして透明フィルム１６に画素６を形成してなる画素層９とから構成されており、前記平凸レンズ状集光素層３と前記画素層９とは、図７に示すように、平凸レンズ状集光素２と画素６とが上下において最も重なる基準集光素２’と基準画素６’とからなる組を有するように積層されて基準画素６’と等距離にある他の画素６が該各画素６に対応する平凸レンズ状集光素２に対して基準画素２’を中心として放射状に内側へ向かって同じ幅でずれていると共に、基準画素２’より外側の画素６ほどずれ幅が大きくなるように配置されている。
【００３５】
虚像現出装飾体１５においては、図９の（ａ）に示すように、目の位置を固定して片目ずつで当該虚像現出装飾体１５を上から目視した場合には、基準画素６’と等距離にある他の画素６が該各画素６に対応する平凸レンズ状集光素２に対して基準画素２’を中心として放射状に内側へ向かって同じ幅でずれていると共に、基準画素２’より外側の画素６ほどずれる幅が大きくなっているので、左目１０で目視したときに見えた画像１７（図１０の（ａ）参照）が右目１２で目視したときに右方向（図１０の（ｂ）参照）にずれ、また、右目１２で目視したときに見えた画像１８（図１１の（ａ）参照）が左目１０で目視したときに左方向（図１１の（ｂ）参照）にずれる、即ち、虚像現出装飾体１５を上から左目１０のみで目視したときに見える画素６の拡大画像１７と右目１２のみで目視したときに見える画素６の拡大画像１８との位置関係を比べると、目線が交差しないようにずれて拡大画像が現れており（図９の（ａ）参照）、この画像のずれにより、画素６の拡大画像が虚像現出装飾体１５の下方に現れ、画素６の拡大虚像１９が基準画素６’を中心として平凸レンズ状集光素層３の下方（奥）に沈んで見える。
【００３６】
なお、画素６が平凸レンズ状集光素２に対して放射状に徐々に内側にずれていくことにより基準集光素２’と基準画素６’とからなる組から一定の間隔ごとに再び画素６と平凸レンズ状集光素２とが最も重なり、当該重なった画素６（基準画素６’）と平凸レンズ状集光素２（基準集光素２’）とを中心として虚像１９が現出する。
【００３７】
従って、基準画素６’と基準集光素２’とが多数形成される場合には、基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるので、これに伴って当該基本画素列７からより遠く離れた位置に形成される基準画素６’と基準集光素２’とを中心とする当該画素６の拡大虚像１９ほどより小さくなって現出する（図９の（ｂ）参照）。
【００３８】
具体的には、例えば、厚さ１mmの樹脂製透明基板４（透明基板層５）の表面に線数13の紗体にて平凸レンズ状集光素２を印刷して平凸レンズ状集光素層３を作成した場合には、15≦線数≦17を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで多数整然と整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した透明フィルム１６（画素層９）を作成すればよく、線数15の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては17≦線数≦19を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数20の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては20＜線数≦26を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数25の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては25＜線数≦32を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数30の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては30＜線数≦38を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数35の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては35＜線数≦40を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数40の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては40＜線数≦45を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数45の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては45＜線数≦50を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数50の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては50＜線数≦55を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数55の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては55＜線数≦65を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数60の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては60＜線数≦70を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、そして、線数65の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては65＜線数≦70を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよい。
【００３９】
また、例えば、厚さ３mmの樹脂製透明基板４（透明基板層５）の表面に線数10の紗体にて平凸レンズ状集光素２を印刷して平凸レンズ状集光素層３を作成した場合には、10＜線数≦14を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで多数整然と整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した透明フィルム１６（画素層９）を作成すればよく、線数13の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては13＜線数≦17を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数15の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては15＜線数≦20を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数20の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては20＜線数≦25を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数25の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては25＜線数≦32を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数30の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては30＜線数≦36を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数35の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては35＜線数≦40を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数40の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては40＜線数≦45を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、線数45の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては45＜線数≦50を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を、そして、線数50の紗体による平凸レンズ状集光素層３に対しては50＜線数≦55を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよい。
【００４０】
次に、例えば、厚さ0.5mm の軟質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数70の紗体にて印刷した場合には、70＜線数≦115 を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ１mmの軟質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数35の紗体にて印刷した場合には、35＜線数≦43を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ1.0mm の硬質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数45の紗体にて印刷した場合には、45＜線数≦60を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ2.0mm の硬質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数30の紗体にて印刷した場合には、30＜線数≦38を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ3.0mm の硬質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数25の紗体にて印刷した場合には、25＜線数≦31を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよく、厚さ5.0mm の硬質樹脂製透明基板４を用いれば、平凸レンズ状集光素２を線数10の紗体にて印刷した場合には、10＜線数≦35を満足する紗体の線数の升目のピッチと同一ピッチで整列される画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成した画素層９を作成すればよい。
【００４１】
【実施例】
実施例１．
【００４２】
厚さ0.5mm のポリカーボネート透明基板４を透明基板層５として２枚用意した。厚さ0.1mm の透明フィルム１６（品名：大日本スクリーン印刷株式会社製FTR3050 用フィルムHLNWL ：富士写真フィルム株式会社製）を２枚用意した。そして、透明基板４の上面に、線数が40,45 線の紗体を用いてスクリーン印刷により、十条ケミカル株式会社製4100番シリーズの透明インクで40％（一の升目の面積当たりに閉める平凸レンズ状集光素の割合）の平凸レンズ状集光素２を印刷することにより、平凸レンズ状集光素層３を透明基板層５の上面に積層した。
【００４３】
画素層９は、DTP(Desk Top Publishing)にて、線数が36線の画素６を形成してなるフィルムを作成した。
【００４４】
具体的製造工程を説明すれば、以下の通りである。
【００４５】
先ず、パーソナルコンピュータ（品名：Power Mac 9600/300：Apple 社製）にて、編集処理アプリケーション（品名：Adobe Photoshope 5.02J：Adobe systems 社製）を用いて、線数が36線の升目のピッチにより多数整然と整列される各円形状画素６の大きさが、基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなる画素配置の画像データを得、続いて、画像データを出力処理アプリケーション( 品名：Quark XPress 3.3J ：Adobe systems 社製) を用いてパーソナルコンピュータ（品名：Power Mac 9600/350：Apple 社製）に転送処理し、転送された画像データをイメージデータに変換する演算処理アプリケーション（品名：AD-310PM Ver2.0 ：大日本スクリーン製造株式会社製）を用いて演算処理した後、イメージセッター（品名：FT-R3050：大日本スクリーン製造株式会社製）に転送し、自動現像機（品名：KODAMATIC 710 Processor ：日本コダック株式会社製）にて、前記透明フィルム１６に前記画素６を形成して２枚のフィルム（画素層９）を得た。
【００４６】
そして、各透明基板４の下面に画素層９を積層して２枚の虚像現出装飾体１を得た。
【００４７】
虚像現出装飾体１を平凸レンズ状集光素層３を上にして真上から目視したところ、虚像現出装飾体１の上方（手前）に浮いて見える虚像１４が観察できた。
【００４８】
実施例２．
【００４９】
厚さ0.5mm のポリカーボネート製透明基板４を３枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を３枚用意した。そして、25,30,35線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３と、36線の升目のピッチにより多数整然と整列される各円形状画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして３枚の虚像現出装飾体１５を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では下方（奥）に沈んで見える虚像１９が観察できた。
【００５０】
実施例３，４．
【００５１】
厚さ１mmのポリカーボネート製透明基板４を４枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を４枚用意した。そして、30,35 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例３）及び40,45 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例４）と、36線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１５（実施例３）と２枚の虚像現出装飾体１（実施例４）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００５２】
実施例５，６．
【００５３】
厚さ２mmのポリカーボネート製透明基板４を５枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を５枚用意した。そして、30,35 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例５）及び40,45,50線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例６）と、36線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１５（実施例５）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例６）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００５４】
実施例７，８．
【００５５】
厚さ３mmのポリカーボネート製透明基板４を５枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を５枚用意した。そして、30,35 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例７）及び40,45,50線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例８）と、36線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１５（実施例７）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例８）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００５６】
実施例９，１０．
【００５７】
厚さ0.5mm の透明基板４（品名：アキレス青味透明グラス：アキレス株式会社製）を３枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を３枚用意した。そして、35線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例９）及び40,45 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１０）と、36線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして１枚の虚像現出装飾体１５（実施例９）と２枚の虚像現出装飾体１（実施例１０）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００５８】
実施例１１，１２．
【００５９】
厚さ0.5mm のポリカーボネート製透明基板４を５枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を５枚用意した。そして、25,30 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１１）及び35,40,45線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１２）と、34線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１５（実施例１１）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例１２）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００６０】
実施例１３，１４．
【００６１】
厚さ１mmのポリカーボネート製透明基板４を４枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を４枚用意した。そして、30線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１３）及び35,40,45線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１４）と、34線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして１枚の虚像現出装飾体１５（実施例１３）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例１４）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００６２】
実施例１５，１６．
【００６３】
厚さ２mmのポリカーボネート製透明基板４を４枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を４枚用意した。そして、30線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１５）及び35,40,45線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１６）と、34線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして１枚の虚像現出装飾体１５（実施例１５）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例１６）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００６４】
実施例１７，１８．
【００６５】
厚さ３mmのポリカーボネート製透明基板４を４枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を４枚用意した。そして、30線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１７）及び35,40,45線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例１８）と、34線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして１枚の虚像現出装飾体１５（実施例１７）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例１８）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００６６】
実施例１９．
【００６７】
厚さ0.5mm の透明基板４（品名：アキレス青味透明グラス：アキレス株式会社製）を３枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を３枚用意した。そして、35,40,45線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３と、34線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして３枚の虚像現出装飾体１を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００６８】
実施例２０，２１．
【００６９】
厚さ0.5mm のポリカーボネート製透明基板４を３枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を３枚用意した。そして、30線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２０）及び40,45 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２１）と、35線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして１枚の虚像現出装飾体１５（実施例２０）と２枚の虚像現出装飾体１（実施例２１）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００７０】
実施例２２，２３．
【００７１】
厚さ１mmのポリカーボネート製透明基板４を３枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を３枚用意した。そして、30線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２２）及び40,45 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２３）と、35線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして１枚の虚像現出装飾体１５（実施例２２）と２枚の虚像現出装飾体１（実施例２３）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００７２】
実施例２４，２５．
【００７３】
厚さ２mmのポリカーボネート製透明基板４を４枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を４枚用意した。そして、30線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２４）及び40,45,50線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２５）と、35線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして１枚の虚像現出装飾体１５（実施例２４）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例２５）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００７４】
実施例２６，２７．
【００７５】
厚さ３mmのポリカーボネート製透明基板４を４枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を４枚用意した。そして、30線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２６）及び40,45,50線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２７）と、35線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして１枚の虚像現出装飾体１５（実施例２６）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例２７）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００７６】
実施例２８．
【００７７】
厚さ0.5mm の透明基板４（品名：アキレス青味透明グラス：アキレス株式会社製）を２枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を２枚用意した。そして、40,45 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３と、35線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００７８】
実施例２９，３０．
【００７９】
厚さ0.5mm のポリカーボネート製透明基板４を４枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を４枚用意した。そして、30,35 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例２９）及び40,45 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例３０）と、35.5線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１５（実施例２９）と２枚の虚像現出装飾体１（実施例３０）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００８０】
実施例３１，３２．
【００８１】
厚さ１mmのポリカーボネート製透明基板４を４枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を４枚用意した。そして、30,35 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例３１）及び40,45 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例３２）と、35.5線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１５（実施例３１）と２枚の虚像現出装飾体１（実施例３２）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００８２】
実施例３３，３４．
【００８３】
厚さ２mmのポリカーボネート製透明基板４を５枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を５枚用意した。そして、30,35 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例３３）及び40,45,50線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例３４）と、35.5線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１５（実施例３３）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例３４）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００８４】
実施例３５，３６．
【００８５】
厚さ３mmのポリカーボネート製透明基板４を５枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を５枚用意した。そして、30,35 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例３５）及び40,45,50線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３（実施例３６）と、35.5線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１５（実施例３５）と３枚の虚像現出装飾体１（実施例３６）を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１５では実施例２の場合と同じく虚像１９が観察でき、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００８６】
実施例３６．
【００８７】
厚さ0.5mm の透明基板４（品名：アキレス青味透明グラス：アキレス株式会社製）を２枚用意し、厚さ0.1mm の前記透明フィルム１６を２枚用意した。そして、40,45 線の紗体にて形成した平凸レンズ状集光素層３と、35.5線の升目のピッチにより多数整然と整列される各画素６の大きさを基本画素列７からより遠く離れた他の画素列８上に配置される画素６ほどより小さくなるように形成してなる画素層９とした外は、実施例１と同様にして２枚の虚像現出装飾体１を得た。実施例１と同様にして目視したところ、虚像現出装飾体１では実施例１の場合と同じく虚像１４が観察できた。
【００８８】
なお、実施例においては、いずれも平凸レンズ状集光素層３の一の升目の面積当たりに閉める平凸レンズ状集光素２の割合を40％として形成したが、この割合は５％から95％の間で変更してもよい。
【００８９】
【発明の効果】
本発明によれば、画素の拡大虚像が上方（手前）に浮いて見える虚像現出装飾体を提供することができ、また、画素の拡大虚像が下方（奥）に沈んで見える虚像現出装飾体を提供することができる。
【００９０】
従って、本発明に係る虚像現出装飾体は、現出する虚像に起因して観察者の目を引くと共に興味を持って見られるので、各種の表示板や印刷物、ラベル、玩具等に利用でき、また、通常の印刷技術によって低コストで製造できるから、その用途は広く、本発明の産業上利用性は非常に高いといえる。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施の形態１に係る虚像現出装飾体における平凸レンズ状集光素と画素との位置関係を説明する図である。
【図２】図１に示す虚像現出装飾体のＡ−Ａ断面図である。
【図３】図１に示す虚像現出装飾体の平凸レンズ状集光素層を示した平面図である。
【図４】図１に示す虚像現出装飾体における平凸レンズ状集光素層の上方に浮いて見える拡大された虚像を説明する図である。
【図５】図４に示す拡大された画素の虚像を左目で目視した後右目で目視したときの画像の動きを説明する平面図である。
【図６】図４に示す拡大された画素の虚像を右目で目視した後左目で目視したときの画像の動きを説明する平面図である。
【図７】実施の形態２に係る虚像現出装飾体における平凸レンズ状集光素と画素との位置関係を説明する図である。
【図８】図７に示す虚像現出装飾体のＢ−Ｂ断面図である。
【図９】図７に示す虚像現出装飾体における平凸レンズ状集光素層の下方に沈んで見える拡大された虚像を説明する図である。
【図１０】図９に示す拡大された画素の虚像を左目で目視した後右目で目視したときの画像の動きを説明する平面図である。
【図１１】図９に示す拡大された画素の虚像を右目で目視した後左目で目視したときの画像の動きを説明する平面図である。
【符号の説明】
１，１５ 虚像現出装飾体
２ 平凸レンズ状集光素
３ 平凸レンズ状集光素層
４ 透明基板
５ 透明基板層
６ 画素
７ 基本画素列
８ 画素列
９ 画素層
１０ 左目
１１，１３，１７，１８ 画像
１２ 右目
１４，１９ 虚像
１６ 透明フィルム
Claims (6)
- 同一形状・同一大きさの平凸レンズ状集光素を多数縦横に整列させて形成してなる平凸レンズ状集光素層と該平凸レンズ状集光素層の下に積層された透明基板層と該透明基板層の下に積層された同一形状の画素を多数縦横に整列させて形成してなる画素層とからなり、当該各画素の大きさは基本画素列として選定される一の画素列からより遠く離れた他の画素列に配置される画素ほどより小さくなっており、前記各平凸レンズ状集光素と前記各画素とは少なくとも一組が上下において最も重なっていると共に該最も重なっている画素と等距離にある他の画素が平凸レンズ状集光素に対して当該最も重なっている画素を中心として放射状に外側へ向かって同じ幅でずれており、かつ、当該中心となる画素より外側の画素ほどずれ幅が大きくなるように前記平凸レンズ状集光素層と前記画素層とが配置されており、前記画素の形状と同一形状の拡大された虚像が前記最も重なっている画素を中心として前記平凸レンズ状集光素層の上方に現出することを特徴とする虚像現出装飾体。
- 平凸レンズ状集光素層はスクリーン印刷により10≦線数≦70を満足する紗体を形成する紗線によってできた升目を単位として透明基板の一方の面に平凸レンズ状集光素が印刷されてなり、画素層は前記紗体の線数未満の線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目を単位として該升目のピッチと同一ピッチで透明基板の他方の面に画素が形成されてなる請求項１記載の虚像現出装飾体。
- 平凸レンズ状集光素層はスクリーン印刷により10≦線数≦70を満足する紗体を形成する紗線によってできた升目を単位として透明基板の一方の面に平凸レンズ状集光素が印刷されてなり、画素層は前記紗体の線数未満の線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目を単位として該升目のピッチと同一ピッチで透明フィルムに画素が形成されてなる請求項１記載の虚像現出装飾体。
- 同一形状・同一大きさの平凸レンズ状集光素を多数縦横に整列させて形成してなる平凸レンズ状集光素層と該平凸レンズ状集光素層の下に積層された透明基板層と該透明基板層の下に積層された同一形状の画素を多数縦横に整列させて形成してなる画素層とからなり、当該各画素の大きさは基本画素列として選定される一の画素列からより遠く離れた他の画素列に配置される画素ほどより小さくなっており、前記各平凸レンズ状集光素と前記各画素とは少なくとも一組が上下において最も重なっていると共に該最も重なっている画素と等距離にある他の画素が平凸レンズ状集光素に対して当該最も重なっている画素を中心として放射状に内側へ向かって同じ幅でずれており、かつ、当該中心となる画素より外側の画素ほどずれ幅が大きくなるように前記平凸レンズ状集光素層と前記画素層とが配置されており、前記画素の形状と同一形状の拡大された虚像が前記最も重なっている画素を中心として前記平凸レンズ状集光素層の下方に現出することを特徴とする虚像現出装飾体。
- 平凸レンズ状集光素層はスクリーン印刷により10≦線数≦70を満足する紗体を形成する紗線によってできた升目を単位として透明基板の一方の面に平凸レンズ状集光素が印刷されてなり、画素層は前記紗体の線数を越える線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目を単位として該升目のピッチと同一ピッチで透明基板の他方の面に画素が形成されてなる請求項４記載の虚像現出装飾体。
- 平凸レンズ状集光素層はスクリーン印刷により10≦線数≦70を満足する紗体を形成する紗線によってできた升目を単位として透明基板の一方の面に平凸レンズ状集光素が印刷されてなり、画素層は前記紗体の線数を越える線数からなる紗体を形成する紗線によってできる升目を単位として該升目のピッチと同一ピッチで透明フィルムに画素が形成されてなる請求項４記載の虚像現出装飾体。
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