JP4684932B2 - 操舵装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両等の操舵装置に関するものである。
車両等の操舵装置には、操作子を車体前後方向へ作動することによって転舵輪(例えば前輪)を転舵するように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−56468号公報
しかしながら、前記公報に開示された操舵装置は車両搭載性の点で改善の余地があった。
そこで、この発明は、車両搭載性に優れた前後作動式の操舵装置を提供するものである。
この発明に係る操舵装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、運転者によって車体前後方向に作動せしめられる操作子(例えば、後述する実施例における操作レバー2,2L,2R)と、前記操作子の作動により油圧を発生させるマスタシリンダ(例えば、後述する実施例におけるマスタシリンダ7,7L,7R)と、前記マスタシリンダからの油圧を受けて作動し、2つの転舵輪の間に配置された1つのスレーブシリンダ(例えば、後述する実施例におけるスレーブシリンダ12)と、前記マスタシリンダと前記スレーブシリンダ間を接続する油路(例えば、後述する実施例における油路23〜26)と、前記スレーブシリンダのピストン(例えば、後述する実施例におけるピストン14)と前記2つの転舵輪(例えば、後述する実施例における前輪3)とを接続し、前記スレーブシリンダの作動により転舵輪の向きを変更させる連結機構(例えば、後述する実施例におけるナックル31L,31R、タイロッド33、)と、を備えることを特徴とする操舵装置(例えば、後述する実施例における操舵装置1C,1D)である。
このように構成することにより、操作子を車体前後方向へ作動させると、マスタシリンダの油圧が上昇し、その油圧が油路を介してスレーブシリンダに伝達され、スレーブシリンダを作動させて、連結機構を介し転舵輪の向きを変えることができる。
請求項1に係る発明によれば、操作子を車体前後方向へ作動することにより転舵輪を転舵させることができ、且つ、車両搭載性に優れている。
以下、この発明に係る操舵装置の実施例を図4および図5の図面を参照して説明する。なお、以下に記載する実施例は、この発明を四輪車両の操舵装置に実施した態様である。
参考例1〕
初めに、この発明に係る操舵装置に関連する技術の参考例1を図1および図2の図面を参照して説明する。
図1に示すように、この車両Vの操舵装置1Aにおいては、図示しない運転席の左右斜め前方に設置された操作子としての操作レバー2L,2R(以下、左右の区別をする必要がない場合には操作レバー2と記す)を車体前後方向に動作させることにより、転舵輪である前輪3,3を転舵可能に構成されている。
詳述すると、図2に示すように、操作レバー2はその下部を車体のフロア構造体5にブラケット6を介して回動可能に支持されており、運転者は操作レバー2の上端に設けられたグリップ2aを把持して、操作レバー2を車体前後方向へ回動することが可能である。
左右の前輪3,3を支持する左右のナックル31L,31Rは支軸32を介して車体に回動可能に支持されており、左右のナックル31L,31Rにおいて支軸32よりも車体後方側の端部同士は連結ロッド34によって連結されている。
左右の操作レバー2L,2Rの車体前方にはそれぞれ、マスタシリンダ7L,7Rがそのシリンダ8の軸方向を車体前後方向に沿わせて設置されている。シリンダ8内はピストン9によって車体前後方向に二つの油室10a、10bに区画されており、ピストン9に連結されたピストンロッド11がシリンダ8から車体後方へ突出している。左右のマスタシリンダ7L,7Rのピストンロッド11の先端は、それぞれ左右の操作レバー2L,2Rにおいてその回動中心から所定寸法上方へ離間した部位に連結されている。
また、左右の前輪3,3の間には、左右一対のスレーブシリンダ12L,12Rがそのシリンダ13の軸方向を車幅方向に沿わせて一直線上に設置されている。シリンダ13内はピストン14によって車幅方向に二つの油室15a、15bに区画されており、ピストン14に連結されたピストンロッド16がシリンダ13から突出し、その先端を前輪3に接近する方向に延ばしている。すなわち、左右のスレーブシリンダ12L,12Rのピストンロッド16,16は互いにその先端を離反する方向へ延ばしている。
左右のスレーブシリンダ12L、12Rのピストンロッド16,16の先端は、それぞれタイロッド33を介して、左右のナックル31L,31Rにおいて支軸32よりも車体前方側の端部に連結されている。
そして、左マスタシリンダ7Lの車体前方側の油室10aと左スレーブシリンダ12Lの車幅方向中央側の油室15aが油路17によって接続されており、左マスタシリンダ7Lの車体後方側の油室10bと左スレーブシリンダ12Lの車幅方向外側の油室15bが油路18によって接続されている。
同様に、右マスタシリンダ7Rの車体前方側の油室10aと右スレーブシリンダ12Rの車幅方向中央側の油室15aが油路19によって接続されており、右マスタシリンダ7Rの車体後方側の油室10bと右スレーブシリンダ12Rの車幅方向外側の油室15bが油路20によって接続されている。
このように構成された参考例1の操舵装置1Aでは、例えば図1において左操作レバー2Lを車体前方に回動すると、図中矢印で示すように左マスタシリンダ7Lのピストン9が車体前方に押動されるので油室10aの油圧が上昇し、この油圧が油路17を介して左スレーブシリンダ12Lの油室15aに供給される。その結果、左スレーブシリンダ12Lのピストン14が車幅方向左方へと押動され、ピストンロッド16が突き出てきて、左タイロッド33を介して左ナックル31Lを上方から見て左回転させる。これにより、左前輪3が左旋回する。なお、左スレーブシリンダ12Lのピストン14の左方移動に伴い、左スレーブシリンダ12Lの油室15bの油圧は油路18を介して左マスタシリンダ7Lの油室10bに戻される。
また、左ナックル31Lが左回転する結果、この左ナックル31Lに連結ロッド34を介して連結された右ナックル31Rが同じく左回転し、右前輪3を左旋回させる。
さらに、右ナックル31Rの左回転に伴い、この右ナックル31Rに右タイロッド33を介して連結された右スレーブシリンダ12Rのピストンロッド16が車幅方向左方へ押動されて、ピストン14を車幅方向左方へと押動する。右スレーブシリンダ12Rのピストン14の左方移動によって右スレーブシリンダ12Rの油室15aの油圧が上昇し、この油圧が油路19を介して右マスタシリンダ7Rの油室10aに供給される。油室10aの油圧上昇により、右マスタシリンダ7Rのピストン9が車体後方へと押動され、右操作レバー2Rを車体後方へと回転させる。これにより、左操作レバー2Lと右操作レバー2Rは互いに逆方向に連動して回動する。
なお、右マスタシリンダ7Rのピストン9の車体後方移動に伴い、右マスタシリンダ7Rの油室10bの油圧は油路20を介して右スレーブシリンダ12Rの油室15bに戻される。
前輪3,3を右旋回させるときには、左操作レバー2Lを車体後方に回動するか、右操作レバー2Rを車体前方に回動すればよい。
このように参考例1の操舵装置1Aによれば、簡単な構造ながら、操作レバー2L,2Rを車体前後方向へ回動するだけで操舵をすることができ、操作性に優れている。しかも、車両Vへの搭載性に優れている。
なお、参考例1において、左右のタイロッド33,33と、左右のナックル31L,31Rは、連結機構を構成する。
参考例2〕
次に、この発明に係る操舵装置に関連する技術の参考例2を図3の図面を参照して説明する。参考例2の操舵装置1Bが参考例1のものと相違する点は、操作レバーおよびマスタシリンダの数と油圧回路にある。以下、相違点についてだけ説明し、参考例1と同一構成については同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
参考例2の操舵装置1Bでは、操作レバー2が運転席の中央前方にただ1つだけ設けられており、この操作レバー2の車体前方にマスタシリンダ7がただ1つだけ設けられていて、マスタシリンダ7のピストンロッド11が操作レバー2に連結されている。
そして、マスタシリンダ7の車体前方側の油室10aと、左スレーブシリンダ12Lの車幅方向中央側の油室15aと、右スレーブシリンダ12Rの車幅方向外側の油室15bが、油路21によって接続され、マスタシリンダ7の車体後方側の油室10bと、左スレーブシリンダ12Lの車幅方向外側の油室15bと、右スレーブシリンダ12Rの車幅方向中央側の油室15aが油路22によって接続されている。
このように構成された参考例2の操舵装置1Bでは、例えば図3において操作レバー2を車体前方に回動すると、図中矢印で示すようにマスタシリンダ7のピストン9が車体前方に押動されるので油室10aの油圧が上昇し、この油圧が油路21を介して左スレーブシリンダ12Lの油室15aに供給されるとともに、右スレーブシリンダ12Rの油室15bに供給され、左右のスレーブシリンダ12L,12Rの各ピストン14が車幅方向左方へと押動される。その結果、左スレーブシリンダ12Lのピストンロッド16がシリンダ13から突き出てきて、左タイロッド33を介して左ナックル31Lを上方から見て左回転させるとともに、右スレーブシリンダ12Rのピストンロッド16が車幅方向左方へ押動されて、右タイロッド33を介して右ックル31Lを上方から見て左回転させる。これにより、左右の前輪3,3が左旋回する。なお、左右のスレーブシリンダ12L,12Rの各ピストン14の左方移動に伴い、左スレーブシリンダ12Lの油室15bおよび右スレーブシリンダ12Rの油室15aの油圧は油路22を介してマスタシリンダ7の油室10bに戻される。
前輪3,3を右旋回させるときには、操作レバー2を車体後方に回動すればよい。
このように参考例2の操舵装置1Bによれば、操作レバー2とマスタシリンダ7がそれぞれ1つだけで済むので、装置構成が参考例1のものよりも簡単になり、装置の小型化やコストダウンを図ることができる。しかも、参考例1と同様、操作性、車両搭載性に優れている。
なお、参考例2において、左右のタイロッド33,33と、左右のナックル31L,31Rは、連結機構を構成する。
〔実施例
次に、この発明に係る操舵装置の実施例を図4の図面を参照して説明する。実施例の操舵装置1Cが参考例1のものと相違する点は、スレーブシリンダの数と油圧回路にある。以下、相違点についてだけ説明し、参考例1と同一構成については同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
実施例の操舵装置1Cでは、スレーブシリンダ12が左右の前輪3,3の間の略中央にただ1つだけ設けられており、シリンダ13の軸方向を車幅方向に沿わせて配置されている。シリンダ13内はピストン14によって車幅方向に二つの油室15a、15bに区画されており、ピストン14からは車幅方向左右両方向にピストンロッド16L,16Rが延び、シリンダ13の左右両端から突出し、その先端を左右の前輪3,3に接近する方向に延ばしている。
左右のピストンロッド16L,16Rの先端は、それぞれタイロッド33を介して、左右のナックル31L,31Rにおいて支軸32よりも車体前方側の端部に連結されている。なお、この操舵装置1Cには、左右のナックル31L,31Rを連結する参考例1における連結ロッド34は存在しない。
そして、左マスタシリンダ7Lの車体前方側の油室10aと、右マスタシリンダ7Rの車体後方側の油室10bと、スレーブシリンダ12の右前輪3側の油室15aとが、油路23によって接続されており、右マスタシリンダ7Rの車体前方側の油室10aと、左マスタシリンダ7Lの車体後方側の油室10bと、スレーブシリンダ12の左前輪3側の油室15bとが、油路24によって接続されている。
このように構成された実施例の操舵装置1Cでは、例えば図4において左操作レバー2Lを車体前方に回動すると、図中矢印で示すように左マスタシリンダ7Lのピストン9が車体前方に押動されるので左マスタシリンダ7Lの油室10aの油圧が上昇し、この油圧が油路23を介してスレーブシリンダ12の油室15aに供給され、油室15aの油圧を上昇させて、スレーブシリンダ12のピストン14を車幅方向左方へと押動する。その結果、スレーブシリンダ12の左ピストンロッド16Lと左タイロッド33を介してピストン14に連結された左ナックル31Lが上方から見て左回転するとともに、右ピストンロッド16Rと右タイロッド33を介してピストン14に連結された右ナックル31Rが上方から見て左回転する。これにより、左右の前輪3,3が左旋回する。
なお、スレーブシリンダ12のピストン14の左方移動に伴い、スレーブシリンダ12の油室15bの油圧は油路24を介して左マスタシリンダ7Lの油室10bと右マスタシリンダ7Rの油室10aに戻され、右マスタシリンダ7Rのピストン9を車体後方へ押動する。その結果、右操作レバー2Rは車体後方へ回動する。このように、左操作レバー2Lと右操作レバー2Rは互いに逆方向に連動して回動する。したがって、右操作レバー2Rを車体後方に回動した場合も前輪3,3を左旋回させることができる。
前輪3,3を右旋回させるときは、左操作レバー2Lを車体後方へ回動するか、あるいは,右操作レバー2Rを車体前方に回動すればよい。
このように実施例の操舵装置1Cによれば、スレーブシリンダ12が1つだけで済むので、装置構成が参考例1のものよりも簡単になり、装置の小型化やコストダウンを図ることができる。しかも、参考例1と同様、操作性、車両搭載性に優れている。
なお、実施例において、左右のタイロッド33,33と、左右のナックル31L,31Rは、連結機構を構成する。
〔実施例
次に、この発明に係る操舵装置の実施例を図5の図面を参照して説明する。実施例の操舵装置1Dが参考例1のものと相違する点は、操作レバー、マスタシリンダ、スレーブシリンダの数と油圧回路にある。
実施例の操舵装置1Dでは、参考例2と同様に、操作レバー2が運転席の中央前方にただ1つだけ設けられており、この操作レバー2の車体前方にマスタシリンダ7がただ1つだけ設けられていて、マスタシリンダ7のピストンロッド11が操作レバー2に連結されている。
また、実施例と同様に、スレーブシリンダ12は左右の前輪3,3の間の略中央にただ1つだけ設けられており、シリンダ13の軸方向を車幅方向に沿わせて配置されている。シリンダ13内はピストン14によって車幅方向に二つの油室15a、15bに区画されており、ピストン14からは車幅方向左右両方向にピストンロッド16L,16Rが延び、シリンダ13の左右両端から突出し、その先端を左右の前輪3,3に接近する方向に延ばしている。
左右のピストンロッド16L,16Rの先端は、それぞれタイロッド33を介して、左右のナックル31L,31Rにおいて支軸32よりも車体前方側の端部に連結されている。なお、この操舵装置1Dには、左右のナックル31L,31Rを連結する参考例1における連結ロッド34は存在しない。
そして、マスタシリンダ7の車体前方側の油室10aとスレーブシリンダ12の右前輪3側の油室15aとが油路25によって接続され、マスタシリンダ7の車体後方側の油室10bとスレーブシリンダ12の左前輪3側の油室15bとが油路26によって接続されている。
このように構成された実施例の操舵装置1Dでは、例えば図5において操作レバー2を車体前方に回動すると、マスタシリンダ7のピストン9が車体前方に押動されるので油室10aの油圧が上昇し、この油圧が油路25を介してスレーブシリンダ12の油室15aに供給され、スレーブシリンダ12のピストン14を車幅方向左方に押動する。その結果、このピストン14にスレーブシリンダ12の左ピストンロッド16Lと左タイロッド33を介して連結された左ナックル31Lが上方から見て左回転するとともに、ピストン14に右ピストンロッド16Rと右タイロッド33を介して連結された右ナックル31Rが上方から見て左回転する。これにより、左右の前輪3,3が左旋回する。
なお、スレーブシリンダ12のピストン14の左方移動に伴い、スレーブシリンダ12の油室15bの油圧は油路26を介してマスタシリンダ7の油室10bに戻される。
前輪3,3を右旋回させるときには、操作レバー2を車体後方に回動すればよい。
このように実施例の操舵装置1Dによれば、操作レバー2とマスタシリンダ7とスレーブシリンダ12がそれぞれ1つだけで済むので、装置構成が実施例1および参考例1,2のものよりも簡単になり、装置の小型化やコストダウンを図ることができる。しかも、実施例1と同様、操作性、車両搭載性に優れている。
なお、実施例において、左右のタイロッド33,33と、左右のナックル31L,31Rは、連結機構を構成する。
参考例3
次に、この発明に係る操舵装置に関連する技術の参考例3を図6および図7の図面を参照して説明する。
図6に示すように、この車両の操舵装置1Eにおいては、図示しない運転席の左右斜め前方に設置された操作子としての操作レバー2L,2R(以下、左右の区別をする必要がない場合には操作レバー2と記す)を車体前後方向に動作させることにより、転舵輪である前輪3,3を転舵可能に構成されている。
詳述すると、図7に示すように、操作レバー2はその下部を車体のフロア構造体5にブラケット6を介して回動可能に支持されており、運転者は操作レバー2の上端に設けられたグリップ2aを把持して、操作レバー2を車体前後方向へ回動することが可能である。
左右の前輪3,3を支持する左右のナックル31L,31Rは支軸32を介して車体に回動可能に支持されており、左右のナックル31L,31Rにおいて支軸32よりも車体後方側の端部同士は連結ロッド34によって連結されている。
左右の操作レバー2L,2Rの車体前方であって左右の前輪3,3の間には、左右1対のベルクランク40L,40Rが、それぞれの中間部に配置された支軸41を介して車体に回動可能に設置されている。
そして、左ベルクランク40Lにおいて支軸41よりも車体前方側の端部42と、左ナックル31Lにおいて支軸32よりも車体前方側の端部とが、タイロッド43によって連結されており、左ベルクランク40Lにおいて支軸41よりも車幅方向左側の端部44と、左操作レバー2Lにおいてその回動中心から所定寸法上方へ離間した部位とが、リンク45によって連結されている。
同様に、右ベルクランク40Rにおいて支軸41よりも車体前方側の端部42と、右ナックル31Rにおいて支軸32よりも車体前方側の端部とが、タイロッド43によって連結されており、右ベルクランク40Rにおいて支軸41よりも車幅方向右側の端部44と、右操作レバー2Rにおいての回動中心から所定寸法上方へ離間した部位とが、リンク45によって連結されている。
このように構成された参考例3の操舵装置1Eでは、例えば図6において左操作レバー2Lを車体前方に回動すると、左ベルクランク40Lが支軸41を中心に上方から見て右回転し、この左ベルクランク40Lにタイロッド43を介して連結された左ナックル31Lが上方から見て右回転する。これにより、左前輪3が右旋回する。
また、左ナックル31Lが右回転する結果、この左ナックル31Lに連結ロッド34を介して連結された右ナックル31Rが同じく右回転し、右前輪3を右旋回させる。
さらに、右ナックル31Rの右回転に伴い、この右ナックル31Rに右タイロッド43を介して連結された右ベルクランク40Rが支軸41を中心に右回転し、この右ベルクランク40Rにリンク45を介して連結された右操作レバー2Rを車体後方へ回動する。これにより、左操作レバー2Lと右操作レバー2Rは互いに逆方向に連動して回動する。
前輪3,3を左旋回させるときには、左操作レバー2Lを車体後方に回動するか、右操作レバー2Rを車体前方に回動すればよい。
このように参考例3の操舵装置1Eによれば、簡単な構造ながら、操作レバー2L,2Rを車体前後方向へ回動するだけで操舵をすることができ、操作性に優れている。しかも、車両Vへの搭載性に優れている。
なお、参考例3において、左右のベルクランク40L,40Rと、左右のタイロッド43,43と、リンク45,45は、連結機構を構成する。
参考例4
次に、この発明に係る操舵装置に関連する技術の参考例4を図8の図面を参照して説明する。参考例4の操舵装置1Fが参考例3のものと相違する点は、左右の操作レバー2L,2Rと左右の前輪3,3とを連結する連結機構にある。以下、相違点についてだけ説明し、参考例3と同一構成については同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
参考例4の操舵装置1Fにおいては、左右の前輪3,3を支持する左右のナックル31L,31Rが参考例3におけるベルクランク40L,40Rを兼ねた構成になっている。
そして、左ナックル31Lにおいて支軸32よりも車体前方右寄りの端部34と左操作レバー2Lがリンク48によって連結され、右ナックル31Rにおいて支軸32よりも車体前方左寄りの端部34と右操作レバー2Rがリンク48によって連結されている。
このように構成された参考例4の操舵装置1Fでは、例えば図8において左操作レバー2Lを車体後方に回動すると、左ナックル31Lが上方から見て右回転し、これにより、左前輪3が右旋回する。
また、左ナックル31Lが右回転する結果、この左ナックル31Lに連結ロッド34を介して連結された右ナックル31Rが同じく右回転し、右前輪3を右旋回させる。
さらに、右ナックル31Rの右回転に伴い、この右ナックル31Rにリンク48を介して連結された右操作レバー2Rが車体前方に回動する。これにより、左操作レバー2Lと右操作レバー2Rは互いに逆方向に連動して回動する。
前輪3,3を左旋回させるときには、左操作レバー2Lを車体前方に回動するか、右操作レバー2Rを車体後方に回動すればよい。
このように参考例4の操舵装置1Fによれば、参考例3におけるベルクランク40L,40Rとタイロッド43,43が不要になるので、装置構成が参考例3のものよりも簡単になり、装置の小型化やコストダウンを図ることができる。しかも、参考例3と同様、操作性、車両搭載性に優れている。
なお、参考例4において、ナックル31L,31Rはベルクランクを構成し、ナックル31L,31Rとリンク48,48は、連結機構を構成する。
〔他の実施例〕
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例はいずれもこの発明を四輪車両の操舵装置に適用した態様であったが、三輪車両の操舵装置に適用することも可能である。
また、操作子は、前後回動式の操作レバーに限るものではなく、車体前後方向に直線的に可動するピストン式のものであってもよい。
この発明に係る操舵装置に関連する技術の参考例1の平面図である。 前記参考例1の操舵装置における操作子の側面図である。 この発明に係る操舵装置に関連する技術の参考例2の平面図である。 この発明に係る実施例の操舵装置の平面図である。 この発明に係る実施例の操舵装置の平面図である。 この発明に係る操舵装置に関連する技術の参考例3の平面図である。 前記参考例3の操舵装置における操作子の側面図である。 この発明に係る操舵装置に関連する技術の参考例4の平面図である。
C,1D 操舵装置
2,2L,2R 操作レバー(操作子)
3 前輪(転舵輪)
7,7L,7R マスタシリンダ
2 スレーブシリンダ
23〜26 油路
31L,31R ナックル(連結機構)
33 タイロッド(連結機構

Claims (1)

  1. 運転者によって車体前後方向に作動せしめられる操作子と、
    前記操作子の作動により油圧を発生させるマスタシリンダと、
    前記マスタシリンダからの油圧を受けて作動し、2つの転舵輪の間に配置された1つのスレーブシリンダと、
    前記マスタシリンダと前記スレーブシリンダ間を接続する油路と、
    前記スレーブシリンダのピストンと前記2つの転舵輪とを接続し、前記スレーブシリンダの作動により転舵輪の向きを変更させる連結機構と、
    を備えることを特徴とする操舵装置。
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