JP4684877B2 - 薄膜積層基板、及びその製造方法、並びに表示装置 - Google Patents

薄膜積層基板、及びその製造方法、並びに表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、薄膜積層基板、及びその製造方法、並びに薄膜積層基板を備える表示装置に関する。
近年、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置として、高精細、及び高移動度が得られる低温ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)を備えた基板を搭載したものが注目を集めている(非特許文献1、2参照)。
図4は、従来例に係る液晶表示装置に搭載された低温ポリシリコンTFTアレイ基板(以下、単に「TFTアレイ基板」とも言う)の主要部の模式的断面図である。この従来例に係るTFTアレイ基板100は、ポリシリコン層を活性層とするトップゲート構造となっている。この従来例に係るTFTアレイ基板100は、以下のようにして製造することができる。まず、ガラス基板101上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法により下地窒化膜102、下地酸化膜103、アモルファスシリコン(a−Si)を形成するための薄膜を成膜する。アモルファスシリコンを成膜後、アニール処理を行い、アモルファスシリコン中の水素(H)濃度を低下させる。そして、レーザアニール法により、アモルファスシリコンを結晶化させることによりポリシリコン(p−Si)に変換する。
続いて、フォトリソグラフィープロセス(写真製版工程)により所望のパターン形状のポリシリコン層4を得る。その後、CVD法によりゲート絶縁層105を形成する。そして、レジストを塗布して、N型トランジスタを形成する場所のみが開口したパターンからなるレジスト層を形成する(不図示)。そして、イオンドーピング法により、N型トランジスタを形成する場所の下層、すなわち、レジストの開口部の下層にあるポリシリコン層4に選択的にリン(以下、単に「P」と記す)をドーピングして、前記レジスト層を除去する。その後、トランジスタの閾値電圧を制御するために、イオンドーピング法によりゲート絶縁層105にホウ素(以下、単に「B」と記す)をドーピングする(不図示)。
次に、スパッタリングなどの方法で、ゲート電極106を形成するための金属薄膜を成膜する。そして、フォトリソグラフィープロセスによりレジストパターンを形成して、エッチング液でゲート電極106を所望の形状にパターニングし、レジストを除去する。そして、イオンドーピング法により前記ゲート電極106をマスクとしてポリシリコン層4にBをドーピングして、P型トランジスタを形成する(不図示)。
次に、ゲート電極106の端部近傍に位置するポリシリコン層4に、ポリシリコン層4におけるソース/ドレイン領域として機能する箇所より低濃度領域となるLDD(Lightly Doped Drain)領域4aを形成する。具体的には、上記P型トランジスタ形成後、フォトリソグラフィープロセスによりレジストパターンを形成して、エッチング液でゲート電極を形成する。そして、イオンドーピング法によりポリシリコン層4にPをドーピングする。次いで、エッチング液でゲート電極106を後退させて、レジストを除去する。その後、再びイオンドーピング法によりポリシリコン層4にPをドーピングすることによりLDD領域4aを形成する。
続いて、プラズマCVD法により層間絶縁膜107を形成する。層間絶縁膜107としては、SiHとNO、又はTEOS(TetraEthOxySilane,Si(OC)とOを反応させたSiO膜や、SiHとNHを反応させて形成したSiN膜を用いることができる。次に、フォトリソグラフィープロセスによりレジストパターンを形成して、ドライエッチング法で層間絶縁膜にコンタクトホールを形成して、レジストを除去する。その後、スパッタリングなどの方法によりソース/ドレイン配線108を形成するための金属薄膜を成膜し、フォトリソグラフィープロセスによりレジストパターンを形成して、ドライエッチング法でソース/ドレイン配線108を所望の形状にパターニングする。さらに、不図示の平坦化膜、画素電極等を形成してアレイ基板100が製造される。そして、このアレイ基板100は、対向電極を備えた対向基板と貼り合わされ、その間に液晶が注入される。そして、面状光源装置に載置されて液晶表示装置が製造される。
しかしながら、上記従来例に係るアレイ基板100においては、ソース/ドレイン配線108がショートして、表示不良を引き起こしやすいという問題があった。これは、スパッタリング法で形成されたソース/ドレイン配線108の段差部及びその近傍(以下、これらをまとめて「段差構造部110」と言う)の被覆性が悪いためである。すなわち、この段差構造部110でソース/ドレイン配線108の段切れが発生し、ソース/ドレイン配線108がショートして、表示不良を引き起こす場合があった。
層間絶縁膜の上層に形成される金属電極配線の段切れを防止する第1の方法として、層間絶縁膜を高温(例えば、1100℃程度)で融かし、金属電極配線の被覆性を改善する技術が開示されている。また、層間絶縁膜の上層に形成される金属電極配線の段切れを防止する第2の方法として、層間絶縁膜を二つの層により構成する技術が提案されている(特許文献1、2)。
東芝レビューVol.55 No.2(2000)「低温P-Si TFT―LCD」 西部 徹 著他 「低温ポリSi TFT-LCD技術」 鵜飼 育弘 著 EDリサーチ社発行(2005年4月20日発行) 特開昭63−104478号公報 特開昭64−35960号公報
しかしながら、層間絶縁膜を1100℃程度の高温で処理する工程は、上記低温ポリシリコンTFT基板の製造工程に適用することはできない。また、低温ポリシリコンTFT基板に適用する場合でなくとも、1100℃程度の高温で処理すると不純物の拡散等が懸念される。
また、上記特許文献1及び2の技術においては、絶縁層の上層に形成される金属電極配線の段切れ回避に十分に効果があるとは言えなかった。その他、ソース/ドレイン配線自体の材料を変更したり、膜厚を厚くしたり、スパッタ条件を変えたりすることによりソース/ドレイン配線108の段切れを回避させようとする試みがなされてきた。しかしながら、満足し得るものがなかったのが現状であった。
なお、上記においては、液晶表示装置に搭載した低温ポリシリコンTFTアレイ基板における問題点について述べたが、これに限定されるものではなく、有機ELディスプレイ等の表示装置に用いる場合についても同様の課題が生じ得る。また、低温ポリシリコンTFTアレイ基板に限定されるものではなく、上記第1の方法より低温プロセスにて絶縁層の段差部及びその近傍の上層に被覆される導電層の段切れを防止したい薄膜積層基板全般において同様の課題が生じ得る。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記第1の方法より低温プロセスにて絶縁層の段差部、及び当該段差部近傍の上層を被覆する導電層が、電気的に段切れしてショートすることを抑制することができる薄膜積層基板、及びその製造方法、並びにこの薄膜積層基板を備える表示装置を提供することである。
本発明に係る薄膜積層基板の製造方法は、基板上に、段差構造部を有する絶縁層と、前記絶縁層の上に形成されて少なくとも前記段差構造部を被覆する導電層と、を備える薄膜積層基板の製造方法であって、前記絶縁層をP、B、又はPとBのいずれかよりなる不純物を導入することなく形成する第一のステップと、前記第一のステップ後に行う、前記絶縁層の前記段差構造部のみに、前記P、B、又はPとBのいずれかよりなる不純物をドーピングする第二のステップと、前記第二のステップ後に行う、少なくとも前記絶縁層の前記段差構造部にアニーリングを行う第三のステップと、前記第三のステップ後に行う、前記段差構造部を被覆するように前記絶縁膜上に前記導電層を形成する第四のステップと、を含むことを特徴とするものである。
本発明に係る薄膜積層基板の製造方法によれば、絶縁層の段差部、及び当該段差部近傍の上層を被覆する導電層が、電気的に段切れしてショートすることを抑制することができる薄膜積層基板の製造方法を提供することができる。その理由は、以下の通りである。すなわち、上記不純物をドーピングすることにより絶縁層を軟化しやすい状態とし、この状態にて絶縁層をアニーリングしているので、上記第1の方法に比して低温プロセスで絶縁層表面が軟化して可動する。これにより、絶縁層の段差部及びその近傍が、緩やかなテーパー形状(基板から離れるに従って幅が狭くなるように成形された順テーパー形状)となり、その段差部及びその近傍の上層を被覆する導電層の段切れを防止することができる。その結果、導電層の段切れに起因した電気的ショートを回避することができる。
本発明によれば、絶縁層の段差部、及び当該段差部近傍の上層を被覆する導電層が、電気的に段切れしてショートすることを抑制することができる薄膜積層基板、及びその製造方法、並びにこの薄膜積層基板を備える表示装置を提供することができるという優れた効果を有する。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
[実施形態1]
図1は、本実施形態1に係る液晶表示装置の低温ポリシリコンTFTアレイ基板(以下、単に「TFTアレイ基板」とも言う)の部分拡大平面図である。図1中、1はガラス基板等の絶縁性基板、4はポリシリコン層、6はゲート電極、8はソース/ドレイン配線を示している。図2(a)〜(d)は、図1のI−I'で示した箇所の工程断面図であり、図2(d)が図1のI−I'切断部断面図に相当する。図2中の2は下地窒化膜、3は下地酸化膜、5はゲート絶縁層、7は絶縁層、8はソース/ドレイン配線を示している。説明の都合上、図1において、ポリシリコン層4とゲート電極6は、図2のハッチングと同一のものにより図示した。
本実施形態1に係るTFTアレイ基板50は、ポリシリコン層を活性層とするトップゲート構造となっている。具体的には、図2(a)に示すように、絶縁性基板1上に下地窒化膜2、下地酸化膜3が設けられ、その上に島状のポリシリコン層4が設けられた構造となっている。その上層には、これらを被覆するようにゲート絶縁層5が設けられている。さらに、ゲート絶縁層5上には所定の形状にパターニングされたゲート電極6が設けられ、その上層に層間絶縁膜7、ソース/ドレイン配線8が所定の形状にパターニングされている(図2(d)参照)。このソース/ドレイン配線8と、上述したポリシリコン層4とは、層間絶縁膜7及びゲート絶縁層5を貫通するコンタクトホールを介して接続されている。層間絶縁膜7はゲート絶縁層5を被覆しているが、ゲート絶縁層5の下層であるポリシリコン層4のパターン端部においては、ポリシリコン層4の膜厚に起因する段差部があり、段差部と当該段差部近傍は緩やかなテーパー形状(基板からはなれるに従って段差部の底辺の幅が狭くなるように成形された順テーパー形状)をなしている。ソース/ドレイン配線8、及び層間絶縁膜7の上層には不図示のパッシベーション膜、平坦化膜、及び画素電極等が設けられている。
本実施形態1に係るTFTアレイ基板50の製造方法について説明する。なお、以下に説明する例は典型的なものであって、本発明の趣旨に合致する限り他の製造方法を採用することができることは言うまでもない。
まず、絶縁性基板1としてガラス基板を洗浄して表面を清浄化する。絶縁性基板1には、ガラス基板等の透明な絶縁性基板を用いる。また、絶縁性基板1の厚さは任意でよいが、液晶表示装置の厚さを薄くするために1.1mm厚以下のものが好ましい。絶縁性基板1が薄すぎる場合には各種の成膜やプロセスの熱履歴によって基板の歪みが生じるためにパターニング精度が低下するなどの不具合を生じるので、絶縁性基板1の厚さは使用するプロセスを考慮して選択する必要がある。また、絶縁性基板1がガラスなどの脆性破壊材料からなる場合、基板の端面は面取りを実施しておくことが、端面からのチッピングによる異物の混入を防止する上で好ましい。また、絶縁性基板1の一部に切り欠きを設けて基板の向きが特定できるようにすることが、各プロセスでの基板処理の方向が特定できることでプロセス管理がしやすくなることより好ましい。
次に、プラズマCVD法により絶縁性基板1上に下地窒化膜2、下地酸化膜3、ポリシリコン層4を形成するための薄膜を順に成膜する(図2(a)参照)。ポリシリコン層4を形成するための薄膜としては、アモルファスシリコンを用いることができる。アモルファスシリコンを成膜後、アニール処理を行い、アモルファスシリコン中の水素濃度を低下させる。そして、レーザアニール法によりアモルファスシリコンを結晶化させることによりポリシリコンに変換する。レーザアニール法としては、エキシマレーザアニール、YAGレーザアニールなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
続いて、フォトリソグラフィープロセス(写真製版工程)によりレジストパターンを形成し、ドライエッチングにて所望のパターン形状のポリシリコン層4を得る。フォトリソグラフィープロセスは、感光性レジストを塗布・乾燥した後に所定のパターンが形成されたマスクパターンを通して露光し、現像することで写真製版的にTFTアレイ基板上にマスクパターンを転写したレジストを形成する。そして、感光性レジストを加熱硬化させた後にエッチングを行い、感光性レジストを剥離することにより行われる。
次いで、プラズマCVD法によりゲート絶縁層(酸化膜)5として機能するための薄膜を成膜し、下地酸化膜3やポリシリコン層4を被覆する(図2(a)参照)。その後、レジストを塗布して、N型トランジスタを形成する場所のみが開口したパターンからなるレジスト層を形成する(不図示)。そして、イオンドーピング法により、N型トランジスタを形成する場所の下層、すなわち、レジストの開口部の下層にあるポリシリコン層4に選択的にPをドーピングして、前記レジスト層を除去する。その後、トランジスタの閾値電圧を制御するために、イオンドーピング法によりゲート絶縁層5にBをドーピングする。(不図示)。なお、ゲート絶縁層5を構成する薄膜としては、SiOx膜、SiOyNz膜やこれらの積層膜を用いることができる(なお、x、y、z、はそれぞれ正数である)。
次に、スパッタリングなどの方法でゲート電極6を形成するための金属薄膜を成膜する(図2(a)参照)。当該金属薄膜としては、例えば、Al(アルミニウム)、Cr(クロム)、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、W(タングステン)等や、これらに他の物質を微量に添加した合金などを用いることができる。ゲート電極6を形成するための金属薄膜を成膜後、フォトリソグラフィープロセスによりレジストパターンを形成して、エッチング液でゲート電極を所望の形状にパターニングし、レジストを除去する。そして、イオンドーピング法により前記ゲート電極6をマスクとしてポリシリコン層4にBをドーピングして、P型トランジスタを形成する(不図示)。
次に、ゲート電極6の端部近傍に位置するポリシリコン層4に、ポリシリコン層4におけるソース/ドレイン領域として機能する箇所より低濃度領域となるLDD領域4aを形成する(図2(a)参照)。具体的には、上記P型トランジスター形成後、フォトリソグラフィープロセスによりレジストパターンを形成して、エッチング液でゲート電極を形成する。そして、イオンドーピング法によりポリシリコン層4にPをドーピングする。次いで、エッチング液でゲート電極6を後退させて、レジストを除去する。その後、再びイオンドーピング法によりポリシリコン層4にPをドーピングすることによりLDD領域4aを形成する。
続いて、プラズマCVD法により層間絶縁膜7を500nm(すなわち、5000Å)形成する。層間絶縁膜7としては、SiHとNO、又はTEOSとOを反応させて形成したSiO膜を用いることができる。なお、絶縁層の膜厚として、500nmの例を挙げたが、この膜厚に限定されるものではないことは言うまでもない。また、層間絶縁膜として、上記SiO膜に代えてSiOH膜やSiN膜を用いてもよい。また、単層とする場合に限定されず、積層構造としてもよい。
層間絶縁膜7を形成後、その全面に、イオンドーピング法により(1)P(第1の不純物)、(2)B(第2の不純物)、又は(3)PとBの両方のいずれかをドーピングする(図2(b)参照)。ドーピングする濃度((1)P,(2)B、あるいは(3)PとBの合計の濃度)は、それぞれ1.0×1012ions/cm以上、1.0×1016ions/cm以下とすることが好ましい。1.0×1012ions/cm未満の場合には、絶縁膜の軟化が不十分となり、絶縁膜の段差部及びその近傍が緩やかなテーパー形状にならないという恐れがあるためである。また、1.0×1016ions/cmを超えると、PやBが結晶化して絶縁膜表面に析出してしまい、異物等の原因となり、これが段差部を被覆する導電層の段切れを発生させる懸念があるためである。より好ましい範囲は、1.0×1013ions/cm以上、1.0×1015ions/cm以下であり、さらに好ましい範囲は、5.0×1013ions/cm以上、5.0×1014ions/cm以下である。
イオンドーピング装置としては、質量分離型タイプと、非質量分離型タイプのものとがある。質量分離型タイプの場合には、BやPのみを選択してドーピングすることができる。一方、非質量分離型タイプの場合には、原料ガスにBを使用した場合には、Bの他にH、BHx、BHxがドーピングされることになる。また、原料ガスにPHを使用した場合には、Pの他にH、PHxがドーピングされることになる。この場合でも、BやPがドーピングされているので差し支えない。
層間絶縁膜7にBやPをドーピング後、レーザアニール法により層間絶縁膜7の全表面をアニールする(図2(c)参照)。レーザアニール法としては、エキシマレーザアニールやYAGレーザアニールなどを挙げることができる。無論、これらに限定されるものではない。
その後、スパッタリングなどの方法によりソース/ドレイン配線8を形成するための金属薄膜を成膜する(図2(d)参照)。当該金属薄膜としては、例えば、Al、Cr、Mo、VI、W等や、これらに他の物質を添加した合金などを用いることができる。ここでは、Mo合金/Al合金/Mo合金の積層構造とし、膜厚はそれぞれ100nm(1000Å)/300nm(3000Å)/100nm(1000Å)とした。次に、フォトリソグラフィー工程によりレジストパターンを形成して、ドライエッチング法により所望の形状にパターニングされたソース/ドレイン配線8を得る。その後、パッシベーション保護膜、平坦化膜、画素電極等を必要に応じて公知の方法により形成する。
上述のように形成されたTFTアレイ基板は、対向電極を備えた対向基板と貼り合わされ、その間に液晶が注入されて、面状光源装置に載置される。このようにして液晶表示装置が製造される。
本実施形態1によれば、絶縁層の段差部、及び当該段差部近傍(これらをまとめて「段差構造部10」と言う(図2(b)参照))の上層を被覆する導電層が、電気的に段切れしてショートすることを抑制することができるTFTアレイ基板を提供することができる。その理由は、以下の通りである。すなわち、層間絶縁膜7に(1)P、(2)B、又は(3)PとBの両方をドーピングすることで層間絶縁膜7を軟化しやすい状態とし、この状態にて層間絶縁膜7をレーザアニール法によりアニールしているので、層間絶縁膜7が軟化して可動する。これにより、層間絶縁膜7の段差構造部10が、緩やかなテーパー形状となり、その段差部及びその近傍の上層を被覆するソース/ドレイン配線8の段切れを防止することができる。その結果、ソース/ドレイン配線8の段切れに起因した電気的ショートを回避することができる。
ここで、(1)P、(2)B、又は(3)B及びPの両方のいずれかをドーピングしないで、レーザアニール法によってアニーリングを行っても、ソース/ドレイン配線8の金属膜の段差部10の被覆性はよくならなかった。これは、アニール法のみでは層間絶縁膜7が軟化しにくいためである。
なお、本実施形態1においては、第1の不純物としてPを、第2の不純物としてBを用いた例について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の趣旨に反しない限りにおいて他の不純物をドーピングすることができる。また、絶縁層として層間絶縁膜(SiO)の例について説明したが、これに限定されるものではなくSiO以外の層間絶縁膜や、絶縁層全般に適用可能である。また、本実施形態1においては、層間絶縁膜7のアニール法として、レーザアニール法を用いたが、層間絶縁膜7の表面をアニーリング可能なものであって本発明の趣旨に反しないものであれば、他の方法を採用してもよい。また、本実施形態においては、液晶表示装置に搭載する薄膜積層基板について説明したが、これに限定されるものではなく有機ELディスプレイ等の表示装置や各種電子機器全般において適用可能である。さらに、低温ポリシリコン薄膜TFTアレイ基板に限定されるものではなく、上記第1の方法(絶縁層の上層に形成される金属電極配線の段切れを防止する第1の方法)より低温プロセスにて絶縁層の段差部及びその近傍の上層に被覆される導電層の段切れを防止したい薄膜積層基板全般において適用可能である。
[実施形態2]
次に、上記実施形態1のTFTアレイ基板50とは異なる実施形態について説明する。なお、以降の説明において、上記実施形態1と同一の構成部材は、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
本実施形態2に係るTFTアレイ基板51は、以下の点を除く基本的な構成は上記実施形態2と同じである。すなわち、上記実施形態1においては、層間絶縁膜7全面にイオンドーピングを行ったが、本実施形態2においては、層間絶縁膜7の段差構造部10のみにイオンドーピングを行っている点が異なる。
図3(a)〜(d)は、本実施形態2に係る低温ポリシリコンTFTアレイ基板の、図1のI−I'で示した箇所の工程断面図であり、図3(d)が図1のI−I'切断部断面図に相当する。本実施形態2に係るTFTアレイ基板51は、層間絶縁膜7までは上記実施形態1と同じ製造工程なので、それ以降の製造工程について説明する。上記実施形態1と同様にして、層間絶縁膜7を形成後、フォトリソグラフィー工程によりレジストを塗布する。そして、層間絶縁膜7の段差構造部10が開口するレジストパターンを形成する(図3(a)参照)。続いて、イオンドーピング法により(1)P、(2)B、又は(3)PとBの両方をドーピングする(図3(b)参照)。これにより、段差構造部10のみに不純物がドーピングされる。ドーピングするP,Bの濃度は、上記実施形態1と同様の理由により1.0×1012ions/cm以上、1.0×1016ions/cm以下とすることが好ましい。イオンドーピング後、レジスト層9を除去して、レーザアニール法により層間絶縁膜7の全表面をアニールする(図3(c)参照)。その後、上記実施形態1と同様の方法により、ソース/ドレイン配線8を形成する(図3(d)参照)。
本実施形態2に係るTFTアレイ基板51によれば、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。また、上記不純物を必要な箇所だけドーピングすることが可能であるので、不純物を導入したくない部位がある場合に特に好適に利用することができる。
[実施形態3]
次に、上記実施形態1及び2のTFTアレイ基板50、51とは異なる実施形態について説明する。
本実施形態3に係るTFTアレイ基板は、以下の点を除く基本的な構成は上記実施形態2と同じである。すなわち、上記実施形態2においては、層間絶縁膜7の全面をアニーリングしていた(図3(c)参照)が、本実施形態3においては、ソース/ドレイン配線8が被さる層間絶縁膜7の段差構造部10のみをアニーリングしている点が異なる。
本実施形態3に係るTFTアレイ基板は、図3(b)に示す工程までは、上記実施形態2に係るTFTアレイ基板の製造工程と同様である。上記実施形態2においては、層間絶縁膜7の段差構造部10に不純物をドーピング後、レジストを剥離してから層間絶縁膜7の表面全体をアニーリングしていたが、本実施形態3においては、層間絶縁膜7の段差構造部10に不純物をドーピングした後に、レジストを除去せずに、段差構造部10のみにレーザーアニールを行う点が異なる。その後、上記実施形態1と同様の方法により、ソース/ドレイン配線8を形成する(図3(d)参照)。
本実施形態3に係るTFTアレイ基板によれば、上記実施形態2と同様の効果を得ることができる。また、アニールを必要な箇所のみに行っているので、省エネルギー化の観点からより好ましい。
本実施形態1に係るTFTアレイ基板の部分拡大平面図。 (a)〜(d)は、図1のI−I'切断部断面図。 (a)〜(d)は、本実施形態2に係るTFTアレイ基板の断面図。 従来例に係るTFTアレイ基板の断面図。
符号の説明
1 絶縁性基板
2 下地窒化膜
3 下地酸化膜
4 ポリシリコン層
5 ゲート絶縁層
6 ゲート電極
7 絶縁層
8 ソース/ドレイン配線
9 レジスト
10 段差構造部
50 TFTアレイ基板
51 TFTアレイ基板

Claims (6)

  1. 基板上に、
    段差構造部を有する絶縁層と、
    前記絶縁層の上に形成されて少なくとも前記段差構造部を被覆する導電層と、を備える薄膜積層基板の製造方法であって、
    前記絶縁層をP、B、又はPとBのいずれかよりなる不純物を導入することなく形成する第一のステップと、
    前記第一のステップ後に行う、前記絶縁層の前記段差構造部のみに、前記P、B、又はPとBのいずれかよりなる不純物をドーピングする第二のステップと、
    前記第二のステップ後に行う、少なくとも前記絶縁層の前記段差構造部にアニーリングを行う第三のステップと、
    前記第三のステップ後に行う、前記段差構造部を被覆するように前記絶縁膜上に前記導電層を形成する第四のステップと、を含むことを特徴とする薄膜積層基板の製造方法。
  2. 請求項1に記載の薄膜積層基板の製造方法であって、
    前記絶縁膜は、SiO 膜、SiOH膜、SiN膜のいずれかであることを特徴とする薄膜積層基板の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の薄膜積層基板の製造方法であって、
    前記アニーリングはレーザーアニール法により行うことを特徴とする薄膜積層基板の製造方法。
  4. 基板上に、
    段差構造部を有する絶縁層と、
    前記絶縁層の上に形成されて少なくとも前記段差構造部を被覆する導電層と、を備える薄膜積層基板であって、
    前記段差構造部は、前記基板から離れるに従って段差部の底辺の幅が狭くなるように形成された順テーパー形状をなしており
    記絶縁層前記段差構造部のみP、B、又はPとBのいずれかよりなる不純物がドーピングされていることを特徴とする薄膜積層基板。
  5. 請求項4に記載の薄膜積層基板の製造方法であって、
    前記絶縁膜は、SiO 膜、SiOH膜、SiN膜のいずれかであることを特徴とする薄膜積層基板
  6. 請求項4又は5に記載の薄膜積層基板を備えた表示装置。
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