JP4683820B2 - 金属および/または類金属含有溶液の処理法 - Google Patents
金属および/または類金属含有溶液の処理法 Download PDFInfo
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Description
本発明は、繊維分子中にキレート形成性官能基が導入されたキレート形成性繊維を用いて、例えば産業排水、飲料水、食品加工用水などの水性液、或いは洗浄用有機溶媒、金属加工油、食用油などの油性液(以下、これらを纏めて被処理液ということがある)中に含まれる金属、例えば銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、クロム、モリブデン、タングステン等の重金属、あるいは類金属、例えば硼素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、セレン、テルル等の類金属を効率よく捕捉することのできる処理法に関し、この処理法を採用すれば、被処理液中に微量存在する金属や類金属を効率よく捕捉することができ、例えばガラス工場、めっき工場、発電所等から排出される各種産業排液の浄化、海水の淡水化、温泉水の浄化、更には、前記金属や類金属成分の有価資源としての回収などに幅広く活用できる。
背景技術
上記の様な各種産業排液等には様々の有害金属が含まれていることがあり、環境汚染防止の観点からそれらの有害金属は、排液処理によって十分に除去することが必要となる。また河川や地下水中に含まれる重金属成分も人体に悪影響を及ぼすので、これらを飲料水などとして使用するに当たっては十分に配慮しなければならない。
また、類金属類の中にも人体に悪影響を及ぼすものが多く、近年それらの環境基準が設定されてきている。より具体的には、類金属の1種であるホウ素やホウ素化合物は、ガラス工業をはじめ、めっき工業、防錆剤、化粧品などの分野において広く用いられており、それらの製造工程から流出する排液中には、ホウ素が含まれる。その他、各種発電所の排水、排煙脱硫排水、更には海水にもホウ素が含まれている。ホウ素は生殖機能の低下など、健康障害を起こす可能性が指摘されており、平成11年には環境基準物質として1ppmの基準値が設定され、また排水基準値も設定されようとしているため、ホウ素を含む排水を流出する分野、更には海水淡水化の分野においても重要な課題となっている。
これらホウ素を含む水の処理法としては、硫酸アルミニウムや消石灰等を用いる凝集沈殿法(特開平7−323292号公報)、アルコール類を用いる溶剤抽出法(特開平11−652号公報)、イオン交換樹脂等を用いる吸着法(特開昭57−197040号公報)などが知られている。これら従来法のうち、凝集沈殿法では、ホウ素の除去効率を高めるのに多量の凝集沈殿剤を使用しなければならず、それに伴って大量のスラッジが発生するという問題が指摘される。また溶剤抽出法は、ホウ素の抽出率が低いため多量の溶剤を使用しなければならず、排水のCODを高める原因になる。吸着法は、イオン交換樹脂へのホウ素の吸着速度が遅く且つ吸着量も少ないため処理効率が悪く、大量処理には大規模な処理設備が必要となる。
またセレンやセレン化合物は、工業原料としてガラスの着色・脱色剤、半導体材料、金属への添加剤など、様々の工業分野で広く使用されており、これらの工業分野で排出される排液中には高濃度のセレンが含まれることがある。また火力発電所から排出される廃水にも相当量のセレンが含まれており、それらセレンやその化合物は一般的に毒性が高く、水質汚濁防止法でも、セレンとしての排水基準は0.1mg/l以下と定められている。
そこで、こうした排液中のセレンを除去するため、特開平5−78105号や同6−79286号公報には、廃水のpHを調整すると共に鉄塩等の沈殿剤を添加し、排液中に溶存しているセレンを水酸化鉄等と共に沈殿させる方法、特開平7−2502号公報には、セレンを含む排液に鉄系金属を添加し、鉄系金属の表面にセレンを析出させる方法、更にはアニオン交換樹脂を使用し、セレン酸(6価セレン)あるいは亜セレン酸(4価セレン)として吸着させる方法などが提案されている。
しかしながら上記従来法のうち、セレンを水酸化鉄等と共に沈殿させる方法は、6価のセレンイオンに対しては殆ど除去効果を示さず、また鉄系金属の表面にセレンを析出させる方法では、多量の排液を低い基準濃度にまで下げるのに長時間を要し、また生成する多量の鉄系金属の処理が煩雑で手数を要するため汎用性を欠く。更にアニオン交換樹脂に吸着させる方法では、他の共存イオンとの選択吸着性がないため、多種類のイオンが共存する被処理液に対しては満足のいく除去効率が得られない。
また、ヒ素は、非鉄金属精錬工業をはじめとして、医薬品、農薬、顔料、石油プラント工業などの排液、更には地熱発電所からの熱排水中に含まれていることが確認されている。ヒ素、特に3価ヒ素の毒性については古くから知られていたが、近年ヒ素の発ガン性が確認されるにおよび、その許容量は排水基準で0.5ppm以下、環境基準で0.05ppm以下の低レベルに規制されている。
この様なヒ素を含む排水の処理法としては、既に幾つかの方法が知られており、その中でも、カルシウム、マグネシウム、バリウム、鉄、アルミニウムなどの金属水酸化物を用いる凝集沈殿法は、比較的簡単な操作で残留ヒ素濃度を排水基準以下に低減できることから、広く採用されている。ところがこの方法では、地熱発電所からの排水の如く、ヒ素濃度の低い多量の排水を処理するには大量の薬剤を使用しなければならず、しかも該処理によって生成する多量のヒ素含有スラッジの処理に大きな負担が強いられる。
そこでヒ素を除く他の方法として、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル等を用いた吸着法、鉄またはジルコニウム担持型カチオン交換樹脂による配位子イオン交換法、陰イオン交換樹脂を用いたイオン交換法などが検討されている。しかし、これら吸着剤やイオン交換樹脂を用いる方法は、ヒ素、特に有害な3価ヒ素に対する吸着容量が小さい上に選択吸着性も悪く、更には吸着剤やイオン交換樹脂の再生が煩雑であるという問題があった。
本発明は上記の様な従来技術の問題点に着目してなされたものであって、その目的は、排水や廃油、加工油、食料油などの被処理液中に含まれる金属および/または類金属を、簡単な方法で効率よく捕捉することのできる方法を提供することにある。
発明の開示
本発明の処理法は、金属および/または類金属を含む溶液を処理する方法であって、下記(1)〜(3)の工程を繰り返すところに要旨を有している。
(1)繊維分子中に金属および/または類金属に対してキレート形成能を有する官能基が導入されたキレート形成性繊維が充填された充填容器に、金属および/または類金属を含む溶液を通し、金属および/または類金属をキレート形成性繊維にキレート捕捉させる捕捉工程、
(2)上記捕捉工程(1)の後、前記充填容器に酸またはアルカリ水溶液を通し、キレート捕捉された金属および/または類金属をキレート形成性繊維から溶離させる溶離工程、
(3)上記溶離工程(2)の後、金属および/または類金属を含む被処理液を該充填容器に通し、キレート形成性繊維に再び金属および/または類金属を捕捉させる工程。
この方法を実施する際に用いられるキレート形成性繊維としては、不織布状、織・編物状などの布状、あるいは糸状、粉末状、顆粒状等、任意の形状のものを使用することができ、これらは単独で使用し得る他、通液による金属や類金属のキレート捕捉効率や圧損などを考慮し2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。
また、この方法を実施する際の処理対象となる金属および/または類金属が鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、コバルト、カドミウム、水銀、鉛、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、マンガン、クロム、モリブデン、タングステンよりなる群から選択される少なくとも1種であるときは、前記捕捉工程(1)をpH1〜11、より好ましくは2〜8の範囲、前記溶離工程(2)をpH2以下、より好ましくは1以下、
捕捉対象がホウ素および/またはゲルマニウムであるときは、前記捕捉工程(1)をpH3〜12の範囲、前記溶離工程(2)をpH0.5〜2.5の範囲、
ヒ素および/またはセレンであるときは、前記捕捉工程(1)をpH1〜8の範囲、前記溶離工程(2)をpH10〜14の範囲
で夫々行なうことにより、被処理対象物を一層効率よく捕捉できるので好ましい。
またキレート形成性繊維が充填される前記充填容器をカートリッジ型とし、処理設備への着脱を簡便に行なえるようにしておけば、キレート形成繊維のキレート捕捉能が多数回の繰り返し使用で劣化したときの交換を簡便に行なうことができるので好ましい。本発明は、水性液および油性液(有機溶剤溶液を含む)の全てに適用できる。
発明を実施するための最良の形態
本発明にかかる金属および/または類金属含有溶液の処理法は、上記の様に、繊維分子中に金属および/または類金属に対してキレート形成性を示す官能基が導入されたキレート形成性繊維を使用し、該繊維の有するキレート捕捉能を有効に活用し、該繊維の使用量を必要最小限に抑えて金属および/または類金属含有溶液を効率よく処理(処理液からの除去、または有価資源としての回収)を行なう方法を提供するもので、以下、一連の工程を詳細に説明していく。
本発明においては、第一の捕捉工程(1)で、前記キレート形成性繊維が充填された充填容器に金属および/または類金属含有溶液を通し、該溶液中に含まれる金属および/または類金属を前記キレート形成性繊維にキレート捕捉させる。その結果、該充填層を通過した被処理液中の金属や類金属は可及的に除去され、前述したような環境汚染の問題は生じない。しかし、外部に直接放流することを考慮すると、公共用水域でpH5.8〜8.6、海域でpH5〜9に調整して放流することが望ましい。
この捕捉工程(1)で、キレート捕捉を効率よく行なうための好ましいpH域は、捕捉対象となる金属および/または類金属の種類によって変わり、例えば、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、コバルト、カドミウム、水銀、鉛、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、マンガン、クロム、モリブデン、タングステンを捕捉対象とする場合の好ましいpH域は1〜11の範囲であり、これら金属の種類によって好適pH域は若干変わってくるが、より好ましくはpH2〜8の範囲である。また、類金属であるホウ素および/またはゲルマニウムを捕捉対象とする場合の好ましいpH域は3〜12の範囲、ヒ素またはセレンを捕捉対象とする場合の好ましいpH域は0超8以下の範囲である。
次に第二の溶離工程(2)では、上記捕捉工程(1)を経た充填容器に酸またはアルカリ水溶液を通し、該充填容器内のキレート形成性繊維に捕捉されている金属および/または類金属を該繊維から溶離させる。その結果、充填容器内のキレート形成性繊維は、金属および/または類金属の溶離によってキレート捕捉活性を回復すると共に、溶離液からは、キレート形成性繊維から溶離した金属および/または類金属を高濃度で回収することができる。
この溶離工程(2)における好適pH域も、捕捉された金属および/または類金属の種類によって異なり、例えば鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、コバルト、カドミウム、水銀、鉛、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、マンガン、クロム、モリブデン、タングステンの場合はpH2以下、より好ましくはpH1以下、ホウ素および/またはゲルマニウムの場合はpH0.5〜2.5、ヒ素またはセレンの場合はpH10〜14の範囲が好ましい。pH調整に用いられる酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸あるいは酢酸、蟻酸などの有機酸が好ましく、またアルカリとしてはアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物や炭酸塩など、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等が使用されるが、設備に対する影響やコストなどを考慮すると、酸としては硫酸、アルカリとしては水酸化ナトリウムが最適である。
該溶離工程(2)で、キレート形成性繊維に捕捉された金属および/または類金属はキレート形成性繊維から溶離し、酸またはアルカリ水溶液中に溶出するので、該溶離液からは、公知の任意の方法で金属および/または類金属を収率良く回収することができる。
そして第三の工程(3)では、上記溶離工程(2)でキレート捕捉能を回復したキレート形成性繊維充填容器に再び金属および/または類金属含有溶液を通すことにより、被処理液中の金属および/または類金属は該繊維にキレート捕捉されるので、該工程(1)〜(3)を繰り返すことにより、同じキレート形成性繊維を効率よく用いた排液処理が行なえると共に、溶離液からの金属および/または類金属の濃縮回収が可能となる。
なお、溶離工程(2)を経た充填容器内のキレート形成性繊維からは、金属や類金属は溶離されているが、溶離液として用いた酸またはアルカリが付着しているので、該工程(3)に先立って、再使用の際のpHを考慮し、必要に応じて洗浄およびpH調整を行なうことが望ましい。その際に生じる初期の洗浄液には、溶離した高濃度の金属および/または類金属が相当量含まれているので、回収して上記溶離液に合流させて処理し、また金属および/または類金属濃度の希薄なその後の洗浄液は、前記捕捉工程(1)に返還して再処理することが好ましい。
図1は、本発明の処理法を例示するフロー図であり、図中、A,Bはキレート形成性繊維が充填された充填容器、2は被処理液槽、3は溶離液貯槽、4は調整槽、5は溶離液槽、6は調整槽を示しており、2機の充填容器A,Bを並列配置して切換え運転することにより、キレート捕捉と溶離処理を連続的に実施できるようにした例を示している。
即ち、処理に付される金属および/または類金属含有液(被処理液)は、まずバルブV1,V2,V4を開、バルブV3,V5を閉とし、ラインL1からL2を経て充填容器Aへ供給し、被処理液中の金属および/または類金属をキレート捕捉した後、ラインL4から調整槽4へ送り、pH調整して無害化した後放流される。
この間、もう一方の充填容器Bでは、内部に充填されたキレート形成性繊維からの金属および/または類金属の溶離と再生が行われる。即ち溶離工程では、バルブV7,V8,V10,V12を開、バルブV9,V11を閉とし、溶離液貯槽3から酸またはアルカリ水溶液をラインL7,L8を通して充填容器Bへ供給し、該充填容器B内に充填され、その前段工程で金属および/または類金属を捕捉したキレート形成性繊維から金属および/または類金属を溶離させる。そして溶離液は、ラインL10,L12を経て溶離液槽5へ送り込み、任意の方法で金属および/または類金属の濃縮回収を行なう。そして金属および/または類金属の溶離がほぼ完了した後は、充填容器Bへ供給される酸またはアルカリ水溶液を洗浄液に切換えて同じラインを流し、洗浄液はラインL13からバルブV13を経て調整槽6へ送り、この部分でpH調整してから放流される。なお初期の洗浄液中には、金属および/または類金属が少量含まれているので、洗浄初期段階の洗浄液はラインL14から被処理液槽2へ戻し、金属および/または類金属の完全除去を行なうことが望ましい。
この様に、並列配置した2機の充填容器A,Bを使用し、一方でキレート捕捉が行われている時は、他方では溶離処理が行なわれるような自動制御システムを組めば、これら充填容器A,Bを切換え運転することで、被処理液の浄化(金属および/または類金属の捕捉)とキレート形成性繊維の再生(金属および/または類金属の溶離)を連続的に行なうことができ、処理効率を高めることができるので好ましい。このとき、充填容器内に充填されるキレート形成性繊維をカートリッジ型としておけば、多数回の繰り返し処理でキレート形成性繊維のキレート捕捉能が低下した時の交換を容易に行なうことができるので好ましい。
なお図示したフロー図は、本発明を実施する際の最も基本的な例を示しただけのものであって、本発明が該図によって制限を受けるものではなく、処理設備の具体的な設計に当たっては様々の設計変更もしくは好ましい構成の付加が可能である。例えば、キレート形成性繊維が充填される充填容器A,B、被処理水槽2、溶離液貯槽3、調整槽4,6、溶離液槽5などの構造や形状は任意に変更することができ、またそれらを結ぶラインやバルブの配置や構造、切換え運転のタイミングなどは、自動制御装置で自動的に行なえる様にすることもできるし、また3機以上の充填容器を併設して処理能力を高めることも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
かくして本発明の処理法によれば、被処理液中に含まれる金属および/または類金属を、最小限のキレート形成性繊維で効率よく捕捉して浄化すると共に、溶離液から金属および/または類金属を有価成分として高濃度で回収することができ、しかもキレート形成性繊維はその都度再生して繰り返し使用されるので、キレート形成性繊維の使用量も最小限に抑えることができ、極めて効率のよい経済的な方法である。
尚、本発明で使用するキレート形成性繊維の種類、殊に該繊維中に導入されるキレート形成性官能基の種類は、捕捉対象となる金属および/または類金属の種類によっても変わってくるので一律に決めることはできないが、好ましい官能基としては、例えば下記一般式[1]〜[4]で示される官能基が例示される。
(式中、R1、R2、R3は低級アルキレン基、nは1〜4の整数を表わす。)
[式中、Gは糖アルコール残基または多価アルコール残基、Rは水素原子、(低級)アルキル基または−G(Gは上記と同じ意味を表わし、上記Gと同一もしくは異なる残基であってもよい)を表わす]
[式中、Xはモノカルボン酸またはジカルボン酸から1つのカルボキシル基を除いた残基、Vは水素またはカルボキシル基、Mは水素または
(R4はアルキレン基における炭素鎖から1つの水素を除いた残基、R5は直接結合もしくはアルキレン基、Y1、Y2は同一もしくは異なって水素、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、ホスホン基またはチオール基、nは1〜4の整数、M’は水素または
(R6はアルキレン基における炭素鎖から1つの水素を除いた残基、R7は直接結合もしくはアルキレン基、Y3、Y4は同一もしくは異なって水素、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基またはチオール基)、Zは水素または前記Mと同じ意味を表わし、ただし前記Mと同一であってもよいし、異なってもよい]
[式中、V、X、Z、M’は前記式[3]と同じ意味を表わす]。
これらのキレート形成性官能基のうち、一般式[1]、[3]、[4]で示される官能基は、その中に存在する窒素、硫黄、カルボン酸が銅、亜鉛、ニッケル、コバルト等の重金属イオンに対して優れたキレート捕捉能を示し、また一般式[2]で示される官能基は、その中に存在する窒素や水酸基がホウ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、セレン、テルル等の類金属イオンに対して優れた選択捕捉能を示す他、クロム、モリブデン、タングステンに対しても優れた選択捕捉能を示す。
本発明で使用するキレート形成性繊維においては、上記キレート捕捉能を有する官能基が繊維素材を構成する分子の表面に露出しているので、優れた選択吸着活性を発揮する。
次に、繊維分子中への代表的なキレート形成性官能基の導入法について説明する。
第1の方法は、繊維素材に下記一般式[5]で示されるキレート形成性化合物を反応させる方法であり、この方法によって導入される前記一般式[1]で示されるアシル基は、その中に存在する窒素やカルボン酸が銅、亜鉛、ニッケル、コバルト等の重金属イオンに対して優れたキレート捕捉能を発揮する。
(式中、R1、R2、R3およびnは前記一般式[1]と同じ意味)
上記一般式[1]および[5]において、R1〜R3で示される低級アルキレン基としては、C1〜C6のアルキレン基が挙げられるが、中でも特に好ましいのはメチレン、エチレン、プロピレンである。また繰り返し数nとして特に好ましいのは1または2である。
一般式[5]で示されるポリカルボン酸の酸無水物の好ましい具体例としては、ニトリロ三酢酸・無水物(NTA無水物)、エチレンジアミン四酢酸・二無水物(EDTA・二無水物)、エチレンジアミン四酢酸・一無水物(EDTA・一無水物)、ジエチレントリアミン五酢酸・二無水物(DTPA・二無水物)、ジエチレントリアミン五酢酸・一無水物(DTPA・一無水物)等が例示されるが、中でも特に好ましいのは、NTA無水物、EDTA・二無水物、DTPA・二無水物である。
そして、これらの酸無水物をN,N’−ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等の極性溶媒に溶解し、例えば60〜100℃程度で繊維素材と30分〜数時間程度反応させると、酸無水物基が繊維素材を構成する分子中の反応性官能基(例えば水酸基やアミノ基など)と反応して結合し、前記アシル基からなるキレート形成性官能基がペンダント状に導入され、キレート形成性繊維が得られる。
繊維分子中に反応性官能基が存在しない場合は、繊維素材に酸化、グラフト重合など任意の手段で先ず反応性官能基を導入してから、前記ポリカルボン酸の無水物を反応させればよく、また反応性官能基が存在する場合でも、上記ポリカルボン酸の無水物との反応性が低い場合は、反応性の高い反応性官能基を導入してから前記ポリカルボン酸無水物と反応させることも有効である。
上記アシル基の導入反応を、綿あるいは絹とエチレンジアミン四酢酸・二無水物との反応を例にとって模式的に示すと、下記の通りである。
(綿の場合)
(絹の場合)
尚上記では、繊維分子中の水酸基またはアミノ基に前記ポリカルボン酸無水物を反応させる場合を代表的に示したが、=NH,−SHその他の反応性官能基を利用して前記アシル基を導入する場合も、同様に考えればよい。
かくして、繊維分子中に前記一般式[1]で示されるアシル基を導入することによって、中性付近はもとより低pH域においても、また金属イオン濃度の低い被処理液に適用した場合でも、優れた金属イオン捕捉活性を示すキレート形成性繊維を得ることができる。
上記キレート形成性官能基を導入したキレート形成性繊維の捕捉対象となる金属としては、銅、ニッケル、コバルト、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄など、または希土類元素であるスカンジウム、イットリウム、およびランタノイド系に属するランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、イッテルビウムなど、更には放射性元素であるテクネチウム、プロメチウム、フランシウム、ラジウム、ウラン、プルトニウム、セシウムなどが例示される。
繊維分子中にキレート形成性官能基を導入する他の方法は、分子中に水酸基やアミノ基などの反応性官能基を有する繊維素材を、下記一般式[6]で示されるアミン化合物を含有する処理液に浸漬して加熱し、該分子中に前記式[2]で示されるキレート形成性官能基を導入する方法である。
[式中、G、Rは前記一般式[2]と同じ意味]
一般式[2]で示されるキレート形成性官能基の導入されたキレート形成性繊維は、類金属イオンに対して優れたキレート捕捉能を有しており、その一例をN−メチル−D−グルカミン残基が導入されたキレート形成性繊維によるホウ素イオンの捕捉を例にとって示すと、下記式の様になる。
即ちこのキレート形成性繊維は、分子中にアミノ基と2個以上のヒドロキシル基とを持った基、とりわけ隣接する炭素に結合した少なくとも2個のヒドロキシル基とを持った基が導入されており、ホウ素やゲルマニウムなどの類金属に対して優れたキレート形成能を示し、それにより類金属を効果的に捕捉する。
また、上記一般式[2]で示されるキレート形成性官能基、とりわけD−グルカミン基が導入されたキレート形成性繊維は、クロム、モリブデン、タングステンに対しても優れたキレート捕捉能を発揮する。これは、上記金属元素が水中などでオキソ酸アニオン(例えば、タングステン酸やモリブデン酸など)として存在する場合に、これらがD−グルカミンの窒素にアニオン吸着し、或いは更に、ホウ素の場合と同様に水酸基に対してエステル様のキレートを形成するためと思われる。
この様な要件を満たす好ましい基は、前記式[2]として示した通りであり、該式[2]中、Gは糖アルコール残基または多価アルコール残基を示し、Rは水素原子、(低級)アルキル基または−G(Gは上記と同じ意味を表わし、前記−Gと同一もしくは異なるものであってもよい)を表わし、Rの中でも実用性の高いのは水素または(低級)アルキル基である。上記において(低級)アルキル基としてはC1〜C6のアルキル基が挙げられるが、中でも特に好ましいのはメチル基またはエチル基である。
前記一般式[2]で示される基の中でも特に好ましいのは、Gが鎖状の糖アルコール残基または多価アルコール残基、Rが水素原子または(低級)アルキル基である基であり、具体例としては、D−グルカミン、D−ガラクタミン、D−マンノサミン、D−アラビチルアミン、N−メチル−D−グルカミン、N−エチル−D−グルカミン、N−メチル−D−ガラクタミン、N−エチル−D−ガラクタミン、N−メチル−D−マンノサミン、N−エチル−D−アラビチルアミンなどからアミノ基を除いた糖アルコール残基、あるいはジヒドロキシアルキル基が例示されるが、繊維分子内への導入の容易性や原料の入手容易性等を考慮して最も好ましいのは、D−グルカミンやN−メチル−D−グルカミンのアミノ基を除いた残基あるいはジヒドロキシプロピル基である。
これらのキレート形成性官能基は、繊維分子中の反応性官能基(例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、チオール基など)等に直接結合していてもよく、あるいは後述する様な架橋結合を介して間接的に結合していても構わない。
そして上記キレート形成性官能基を繊維分子内に導入する方法としては、繊維分子が元々有している前述の様な反応性官能基もしくは変性によって導入した反応性官能基に、前記一般式[6]で示されるアミン化合物を直接反応させ、あるいは、該反応性官能基に、分子中にエポキシ基、反応性二重結合、ハロゲン基、アルデヒド基、カルボキシル基、イソシアネート基の如き官能基を2個以上有する化合物を反応させた後、前記式[6]で示されるアミン化合物を反応させる方法が採用される。
即ち、繊維素材が分子中に水酸基やカルボキシル基等を有している場合は、これらの基に前記一般式[6]で示されるアミン化合物を直接反応させ、これを繊維分子にペンダント状に導入することができ、この場合の代表的な反応を例示すると下記の通りである。
(式中、G,Rは前記と同じ意味を表す)
また繊維分子中の反応性官能基とアミン化合物との反応性が乏しい場合は、繊維素材に先ず架橋剤を反応させることによって、前記アミン化合物との反応性の高い官能基をペンダント状に導入し、次いでこの官能基に前記アミン化合物を反応させることによって、キレート形成性官能基を繊維分子中にペンダント状に導入することができる。特に後者の方法を採用すれば、繊維分子に対する架橋剤やアミン化合物の使用量を調整することによって、使用目的に応じたキレート形成能(即ち、キレート形成性官能基の導入量)を任意に制御することができるので好ましい。
ここで用いられる好ましい架橋剤としては、エポキシ基、反応性二重結合、ハロゲン基、アルデヒド基、カルボキシル基、イソシアネート基などを2個以上、好ましくは2個有する化合物が挙げられ、好ましい架橋剤の具体例としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、グリシジルソルベート、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、マレイン酸、こはく酸、アジピン酸、グリオキザール、グリオキシル酸、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが例示され、中でも特に好ましいのはグリシジルメタクリレート、エピクロルヒドリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル等である。
上記の様な架橋剤を用いてアミン化合物を導入する際の具体的な反応を例示すると、次の通りである。
これらの架橋剤を用いて、繊維分子中にキレート形成性官能基を導入する際の反応は特に制限されないが、好ましい方法を挙げると、繊維素材に、前記架橋剤を水あるいはN,N’−ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等の極性溶媒に溶解し、必要により反応触媒や乳化剤等を併用し、60〜100℃程度で30分〜数十時間程度接触させて反応させる方法であり、この反応により、架橋剤が、繊維分子中の反応性官能基(例えば、ヒドロキシル基やアミノ基など)と反応して繊維と結合し、前記式[6]で示した様なアミン化合物と容易に反応する官能基が繊維分子中に導入される。次いで、該官能基を導入した繊維素材と前記アミン化合物を水やN,N’−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒に溶かした溶液を、必要により反応触媒を添加して60〜100℃×30分〜数十時間程度接触させて反応させると、上記アミン化合物のアミノ基が架橋剤の反応性官能基(例えばエポキシ基やハロゲン基など)と反応し、前記式[2]で示されるキレート形成性官能基が繊維分子中にペンダント状に導入されたキレート形成性繊維が得られる。
この反応は、上記の様に通常は逐次的に行なわれるが、反応系によっては架橋剤とアミン化合物を同時に繊維素材と接触させ、該繊維分子に対して同時並行的に反応させることも可能である。
これらキレート形成性官能基を導入したキレート形成性繊維は、特に類金属に対して優れた選択捕捉性を示し、類金属としては、ホウ素、ゲルマニウム、砒素、アンチモン、セレン、テルル、珪素等が例示される。また、該キレート形成性官能基がD−グルカミンタイプのものである時は、クロム、モリブデン、タングステンに対しても優れた選択捕捉性を示すので、これらも有効な被捕捉金属に含まれる。
キレート形成性繊維を得るための更に他の方法は、繊維分子中に酸無水物との反応性官能基を有する繊維素材を使用し、該繊維分子に、架橋剤として反応性二重結合を有する酸無水物を反応させた後、キレート形成性化合物を反応させる方法である。
この方法によれば、前述の如く反応性二重結合を有する酸無水物を、繊維分子内の反応性官能基と反応させることによって、繊維分子中に反応性二重結合を導入し、該反応性二重結合に金属キレート形成性化合物を反応させることによって、繊維分子に優れたキレート捕捉性能が与えられる。
ここで用いられる反応性二重結合を有する酸無水物としては、分子中に酸無水物基と反応性二重結合を共に有する化合物であればその種類の如何は問わないが、好ましい具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水アコニット酸、無水シトラコン酸、マレイン化メチルシクロヘキセン四塩基酸無水物、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、無水クロトン酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸などが挙げられる。これらの中でも特に好ましいのは二塩基酸の分子内無水物であり、上記分子内へ導入する際の反応効率やコスト等を考慮して特に好ましいのは無水マレイン酸と無水イタコン酸である。
これらの反応性二重結合を有する酸無水物と繊維素材とを、例えばN,N’−ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等の極性溶媒中で、必要により反応触媒を用いて例えば60〜100℃程度で30分〜数時間接触させると、繊維分子中の反応性官能基が酸無水物基と反応して結合し、反応性二重結合を有する基が繊維分子に導入される。
そして、該反応性二重結合の導入された繊維にキレート形成性化合物を反応させると、該キレート形成性化合物が繊維分子中にペンダント状に導入され、キレート形成性繊維を得ることができる。
キレート形成性化合物としては、分子中に反応性二重結合との反応性を有する官能基を有する化合物が用いられる。反応性二重結合との反応性を有する官能基として特に好ましいのは、アミノ基、イミノ基、チオール基であり、これらの基は、上記反応性二重結合と容易に反応すると共に、それら基の中のNやSが、共存するカルボキシル基と共に金属キレート形成能を発揮する。
なお上記二重結合を有する酸無水物が繊維分子中に導入される際に、開環により1つのカルボキシル基が生成し、これがNやSと共にキレート形成能を発揮するので、上記キレート形成性化合物自身にカルボキシル基の存在を必須とするものではないが、キレート形成能は同一分子内に共存するNやSとカルボキシル基との相互作用によってより効果的に発揮されるので、好ましくは、分子中にアミノ基、イミノ基、チオール基の1種以上とカルボキシル基を共に有する化合物を、キレート形成性化合物として使用することが望ましい。
ここで用いられる分子中にアミノ基、イミノ基、チオール基の1種以上とカルボキシル基を有するキレート形成性化合物の具体例としては、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸、イミノ二酢酸、イミノ二こはく酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン二こはく酸、チオグリコール酸、チオりんご酸、チオサリチル酸、メルカプトプロピオン酸などが例示されるが、これらの中でも特に好ましいのはイミノ二酢酸、チオりんご酸である。
上記キレート形成性化合物を、二重結合を有する酸無水物が導入された前記繊維素材に反応させる方法は特に制限されないが、通常は、繊維素材と、金属キレート形成性化合物を水あるいはN,N’−ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等の極性溶媒に溶解し、必要により反応触媒を加えた処理液とを例えば10〜100℃程度で30分〜数十時間接触させて反応させる方法であり、この反応により、繊維分子中に導入された反応性二重結合に上記アミノ基、イミノ基またはチオール基が反応し、前記一般式[3],[4]に示したキレート形成性官能基が繊維分子内にペンダント状に導入される。
こうした反応の代表例を、繊維として綿、酸無水物として無水マレイン酸、キレート形成性化合物としてイミノ二酢酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二こはく酸、イミノ二こはく酸、チオグリコール酸またはチオリんご酸を用いた場合について具体的に示すと、下記式に示す通りである。
なお上記式では、繊維分子中のヒドロキシル基に酸無水物を反応させる場合を代表的に示したが、アミノ基、イミノ基、グリシジル基、イソシアネート基、アリジニル基、チオール基などの他の反応性官能基を利用する場合も同様に考えればよい。
即ち、上記方法によって繊維分子内に導入される前記一般式[3],[4]で示されるアシル基の種類は、該アシル基の導入に使用される前記酸無水物と金属キレート形成性化合物との組み合わせによって様々に変えることができる。従って該アシル基には、前記式に示したもの以外にも、次に示す様な種々のアシル基が挙げられる。
上記の様にして酸無水物基を介してキレート形成性官能基が導入されたキレート形成性繊維は、特に銅、ニッケル、コバルト、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄など、または希土類元素であるスカンジウム、イットリウム、およびランタノイド系に属するランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、イッテルビウムなど、更には放射性元素であるテクネチウム、プロメチウム、フランシウム、ラジウム、ウラン、プルトニウム、セシウムなどに対して優れたキレート捕捉能を発揮する。
本発明で使用されるキレート形成性繊維の更に他の好ましい製法としては、繊維分子、好ましくは天然繊維又は再生繊維の繊維分子に、反応性二重結合とグリシジル基を分子中に有する架橋反応性化合物を介して、エポキシ基との反応性を有するアミノジカルボン酸、チオカルボン酸およびリン酸よりなる群から選択される少なくとも1種の金属キレート形成性化合物を導入する方法が挙げられる。
即ち、分子中に反応性二重結合とグリシジル基を有する化合物を、例えばレドックス触媒の存在下で繊維と接触反応させると、反応性二重結合が繊維分子と反応し、反応性官能基としてグリシジル基を有する基が繊維分子中にペンダント状にグラフト付加する。そして、このグラフト付加物に、グリシジル基との反応性官能基を有する金属キレート形成性化合物を反応させると、該反応性官能基がグラフト付加した前記架橋反応性化合物のグリシジル基と反応し、繊維分子に金属キレート形成性官能基が導入されることになる。
ここで使用される架橋反応性化合物としては、繊維分子へのグラフト付加反応と、金属キレート形成性化合物との反応を実現するため、分子中に反応性二重結合とグリシジル基の双方を有する化合物であれば全て有効に使用できるが、繊維基材に効率よくグラフト付加すると共に、その後の金属キレート形成性化合物の導入反応も効率よく遂行し得るものとして特に好ましいのは、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルであり、中でも、繊維分子への導入の容易性や原料の入手容易性等を考慮して最も好ましいのはメタクリル酸グリシジルである。
また金属キレート形成性化合物としては、グリシジル基との反応性を有するアミノジカルボン酸、チオカルボン酸およびリン酸が選択される。これらの化合物は、グリシジル基に対して高い反応性を有しており、繊維分子中に導入された架橋反応性化合物のグリシジル基に対してほぼ等モル量反応する。しかも、それらは金属イオンに対して高いキレート形成能を有しているので、これらの化合物を使用することによって、繊維分子中に金属キレート形成性官能基を高い反応率で効率よく導入することができる。
上記金属キレート形成性化合物の中でも、反応効率やキレート捕捉能、原料の入手容易性、コスト等を総合的に考慮して特に好ましいのはイミノジ酢酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン三酢酸、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、リン酸であり、中でも特に好ましいのはイミノジ酢酸、エチレンジアミン三酢酸、チオグリコール酸である。
本発明において繊維分子中に導入される前記キレート形成性官能基の導入量は、ベースとなる繊維分子中の反応性官能基の量やキレート形成性化合物の使用量、架橋剤や架橋反応性化合物の使用量、更にはそれらの導入反応条件などによって任意に調整できるが、繊維分子に十分なキレート捕捉能を与えるには、下記式によって計算される導入量が5質量%程度以上、より好ましくは10質量%程度以上となる様に調整することが望ましい。
導入量(質量%)=[(キレート形成性官能基導入後の繊維質量−キレート形成性官能基導入前の繊維質量)/キレート形成性官能基導入前の繊維質量]×100
(但し導入量とは、キレート形成性官能基の導入量を表わす)
キレート捕捉能を高めるうえでは、上記導入量は高い程好ましく、従って導入量の上限は特に規定されないが、導入量が多過ぎるとキレート形成性官能基導入繊維の結晶性が高くなってキレート形成性繊維が脆弱になり、繰り返し使用する際の寿命短縮を招く恐れがあるので、キレート捕捉材としての寿命や経済性などを総合的に考慮すると、導入量は130質量%程度以下、より好ましくは80質量%程度以下に抑えることが望ましい。ただし、要求される清浄度の程度や処理速度(通液速度)等によっては、150〜200質量%といった高レベルの導入量とすることにより、キレート捕捉能を高めることも可能である。
尚、キレート形成性官能基が導入される繊維素材の種類は特に制限されず、例えば綿、麻などを始めとする種々の植物繊維;絹、羊毛などを始めとする種々の動物性繊維;ビスコースレーヨンなどを始めとする種々の再生繊維;ポリアミド、アクリル、ポリエステルなどを始めとする様々の合成繊維を使用することができ、これらの繊維は必要に応じて各種の変性を加えたものであっても構わないが、キレート形成性官能基の導入のし易さ、被処理水に対する濡れ性、強度、安定性を考慮して最も好ましいのは、分子内に多数の反応性官能基を有している天然繊維、中でも植物性のセルロース系繊維である。
上記ベース繊維の性状にも格別の制限はなく、短繊維状の粉末、長繊維のモノフィラメント、マルチフィラメント、短繊維の紡績糸あるいはこれらを織物状もしくは編物状に製織もしくは製編した布帛、更には不織布のいずれであってもよく、必要によっては、それら性状の異なる複数の繊維を2種以上組み合わせることによって、処理時のキレート捕捉効率や通液抵抗を調整することも有効である。
上記の様にして得られるキレート形成性繊維は、細径の繊維分子表面にペンダント状に導入された前記キレート形成性官能基の実質的に全てが、金属や類金属に対して捕捉性能を有効に発揮するので、例えばビーズ状や粒状などの市販キレート形成性樹脂を充填して水処理を行なう方法に比べると非常に優れた捕捉性能を発揮する。
従って、このキレート形成繊維が充填された充填容器に被処理液を流して金属および/または類金属を捕捉することで、被処理液を効率よく清浄化できると共に、溶離液からは金属および/または類金属を有価元素として濃縮回収することができ、しかも、キレート形成性繊維によるキレート捕捉と溶離・再生の繰り返しにより、最小限の繊維使用量で効率のよい連続処理法を確立できる。
実施例
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。尚、下記において「%」とあるのは「質量%」を意味する。
実施例1
長さ0.5mmにカットした約3デシテックスのレーヨン糸に、イミノ二酢酸を固定化したキレート形成性繊維(キレート形成性官能基の導入量:0.822ミリモル/g)700ml(270g)を、吸着剤充填用カートリッジ容器(室町化学工業社製商品名「ムロマックカートリッジ」、容量700ml)に充填し、このカートリッジを処理装置のハウジングに装着した。これに、pH5に調整した被処理水(2ミリモルの酢酸銅含有水溶液)をSV(空間速度):20hr−1で30時間流して破過曲線を求め、図2に示す結果を得た。次に、破過状態に達した充填部に1モル濃度の塩酸をSV:20hr−1で30分間流して溶離処理を行ない、この時の溶離曲線を図3に示した。なお図2の横軸に示す通液率とは、充填されたキレート形成性繊維の飽和吸着容量(モル)に対する通液負荷量(モル)の割合である。
次に比較のため、上記キレート形成性繊維に代えて市販のイミノ二酢酸型キレート樹脂(三菱化学社製商品名「ダイヤイオンCR11」)540gを使用した以外は同様にして処理を行ない、得られた破過曲線と溶離曲線を図4,5に示した。
これらの破過曲線を比較すれば明らかな様に、市販キレート樹脂では、通液率約20%で銅捕捉量が破過しているのに対し、キレート形成性繊維を用いた場合は、通液率約50%まで銅を完全にキレート捕捉しており、本発明処理法の効率が極めて高いことを確認できる。
また各溶離曲線を比較すれば明らかなように、キレート形成性繊維を用いた場合は約7分で銅がほぼ完全に溶離しているのに対し、市販のキレート樹脂では銅の溶離に約20分間を要しており、本発明は溶離効率においても非常に優れた処理法であることが分かる。
実施例2
長さ0.5mmにカットした約1デシテックスのレーヨン糸にイミノ二酢酸を固定化したキレート形成性繊維(キレート形成性官能基の導入量:0.797ミリモル/g)1gを、直径7mmのガラスカラム内に充填し、これに、銅、ニッケル、コバルト、亜鉛を夫々1ミリモル/リットル含有する混合水溶液(pH5)を、SV:50hr−1で5時間流して破過曲線を求め、図6に示す結果を得た。次に、破過状態に達した充填部に1モル濃度の塩酸をSV:50hr−1で30分間流して溶離処理を行ない、この時の溶離曲線を図7に示した。
また比較のため、上記キレート形成性繊維に代えて市販のイミノ二酢酸型キレート樹脂(三菱化学社製商品名「ダイヤイオンCR11」)1gを使用した以外は同様にして処理を行ない、得られた破過曲線と溶離曲線を図8,9に示した。
これら破過曲線と溶離曲線を比較しても明確な様に、本発明の処理法は、市販キレート樹脂を用いた方法に比べて優れた処理効率を有していることが分かる。
実施例3
長さ1mmにカットした約1デシテックスのレーヨン糸にN−メチル−D−グルカミンを固定化したキレート形成性繊維(キレート形成性官能基の導入量:0.894ミリモル/g)0.4gを、直径7mmのガラスカラム内に充填し、これに、pH8に調整したホウ素濃度13ppmのホウ酸水溶液を、SV:100hr−1で3時間流して破過曲線を求め、図10に示す結果を得た。次に、破過状態に達した充填部に1モル濃度の塩酸をSV:100hr−1で30分間流して溶離処理を行ない、この時の溶離曲線を図11に示した。
また比較のため、上記キレート形成性繊維に代えて市販のグルカミン型キレート樹脂(三菱化学社製商品名「ダイヤイオンCRB02」)0.4gを使用した以外は同様にして処理を行ない、得られた破過曲線と溶離曲線を図12,13に示した。
実施例4
上記実施例3のレーヨン糸に代えて、1mm角にカットした綿布(未晒しの綿ニット)に、N−メチル−D−グルカミンを固定化したキレート形成性繊維(キレート形成性官能基の導入量:0.821ミリモル/g)を用いて同様の試験を行ない、得られた破過曲線を図14、溶離曲線を図15に示した。
実施例5
長さ0.5mmにカットした約3デシテックスのレーヨン糸に、N−メチル−D−グルカミンを固定化したキレート繊維(キレート形成性官能基の導入量:0.795ミリモル/g)1.0gを、直径7mmのガラスカラム内に充填し、これに、タングステンを30ppm含有するpH2.8の水溶液を、SV:20hr−1で15時間流して破過曲線を求め、図16に示す結果を得た。
実施例6
長さ0.5mmにカットした約3デシテックスのレーヨン糸に、N−メチル−D−グルカミンを固定化したキレート繊維(キレート形成性官能基の導入量:0.764ミリモル/g)5.0gを、直径15mmのガラスカラム内に充填し、これに、砒素を1ppm含有するpH3.8の水溶液を、SV:5hr−1で7日間流して破過曲線を求め、図17に示す結果を得た。
実施例7
長さ0.5mmにカットした約3デシテックスのレーヨン糸に、N−メチル−D−グルカミンを固定化したキレート繊維(キレート形成性官能基の導入量:0.764ミリモル/g)7.9gを、直径25mmのガラスカラム内に充填し、これに、砒素を10ppm含有するpH3.9の水溶液を、SV:5hr−1で16時間流して砒素を吸着させた後、イオン交換水を1時間流して洗浄した。次いで、0.1モル濃度の水酸化ナトリウム水溶液(pH13)をSV:5hr−1で3時間流して溶離処理を行ない、この時の溶離曲線を図18に示した。
産業上の利用可能性
本発明は以上の様に構成されており、本発明の処理法を採用すれば、金属や類金属を高い捕捉率で除去できるばかりでなく、捕捉速度も格段に優れており、従来のイオン交換樹脂やキレート樹脂に較べて被処理液中の金属や類金属を極めて効率よく捕捉・除去することができ、それらを極めて効率よく清浄化することができる。しかも、金属や類金属を捕捉したキレート形成性繊維を酸あるいはアルカリ水溶液で処理すると、捕捉された金属や類金属は簡単に溶離するので、該繊維のキレート捕捉能を簡単に回復させることができ、繰り返し使用することによってキレート形成性繊維の消費量を大幅に低減することができる。更には、捕捉された金属や類金属は、溶離液から有価成分として効率よく濃縮採取することができるので、一石二鳥の効果を享受できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明にかかる処理法を実施する際の代表例を示すフロー図、図2,3は、実施例1の方法で得た破過曲線および溶離曲線、図4,5は、実施例1の比較法として示した市販キレート樹脂を用いたときの破過曲線および溶離曲線、図6,7は、実施例2の方法で得た破過曲線および溶離曲線、図8,9は、実施例2の比較法として示した市販キレート樹脂を用いたときの破過曲線および溶離曲線、図10,11は、実施例3の方法で得た破過曲線および溶離曲線、図12,13は、実施例3の比較法として示した市販キレート樹脂を用いたときの破過曲線および溶離曲線、図14,15は、実施例4の方法で得た破過曲線および溶離曲線、図16,17は、実施例5,6の方法で得た破過曲線、図18は、実施例7の方法で得た溶離曲線である。
A,B;キレート形成性繊維充填容器、2;被処理水槽、3;溶離水槽、4,6;調整槽、5;溶離液槽、L1〜L13;ライン、V1〜V13;バルブ。
Claims (8)
- 金属および/または類金属を含む溶液を処理する方法であって、
上記類金属は、ホウ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、セレン、テルル、またはケイ素であり、
上記方法は、下記(1)〜(3)の工程を繰り返し、
工程(3)に先立って、キレート形成性繊維が充填された充填容器に洗浄液を通してキレート形成性繊維の洗浄およびpH調整を行い、初期の洗浄液は回収して工程(2)の溶離液に合流させ、その後の洗浄液は工程(1)に返還して再処理することを特徴とする金属および/または類金属含有溶液の処理法。
(1)繊維分子中に金属および/または類金属に対してキレート形成能を有する官能基が導入されたキレート形成性繊維が充填された充填容器に、金属および/または類金属を含む溶液を通し、金属および/または類金属をキレート形成性繊維にキレート捕捉させる捕捉工程、
(2)上記捕捉工程(1)の後、前記充填容器に酸またはアルカリ水溶液を通し、キレート捕捉された金属および/または類金属をキレート形成性繊維から溶離させる溶離工程、
(3)上記溶離工程(2)の後、金属および/または類金属を含む溶液を該充填容器に通し、キレート形成性繊維に再び金属および/または類金属を捕捉させる工程。 - キレート形成性繊維が布状、糸状、粉末状、顆粒状よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の処理法。
- 金属および/または類金属が鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、コバルト、カドミウム、水銀、鉛、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、マンガン、クロム、モリブデン、タングステンよりなる群から選択される少なくとも1種であり、前記捕捉工程(1)をpH1〜11の範囲で行ない、前記溶離工程(2)をpH2以下で行なう請求項1または2に記載の処理法。
- 金属および/または類金属がホウ素および/またはゲルマニウムであり、前記捕捉工程(1)をpH3〜12の範囲で行ない、前記溶離工程(2)をpH0.5〜2.5の範囲で行なう請求項1または2に記載の処理法。
- 金属および/または類金属がヒ素および/またはセレンであり、前記捕捉工程(1)をpH1〜8の範囲で行ない、前記溶離工程(2)をpH10〜14の範囲で行なう請求項1または2に記載の処理法。
- 前記充填容器がカートリッジ型である請求項1〜5のいずれかに記載の処理法。
- 金属および/または類金属含有溶液が水性液である請求項1〜6のいずれかに記載の処理法。
- 金属および/または類金属含有溶液が油性液である請求項1〜6のいずれかに記載の処理法。
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