JP2003200152A - 溶液中の金属イオン濾過フィルター - Google Patents

溶液中の金属イオン濾過フィルター

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JP2003200152A
JP2003200152A JP2001399818A JP2001399818A JP2003200152A JP 2003200152 A JP2003200152 A JP 2003200152A JP 2001399818 A JP2001399818 A JP 2001399818A JP 2001399818 A JP2001399818 A JP 2001399818A JP 2003200152 A JP2003200152 A JP 2003200152A
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metal ions
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powdery
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JP2001399818A
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English (en)
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Takahiro Kubota
隆弘 窪田
Yuji Kakita
裕次 柿田
Akira Matsuzoe
晃 松添
Hideki Jinbo
秀規 神保
Yutaka Kanzaki
裕 神崎
Tetsuji Koyama
哲司 小山
Mamoru Sazuka
守 佐塚
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種産業排水などに含まれる金属または類金属
を効率よく捕捉し、処理水を浄化すると共に、金属また
は類金属を高濃度に濃縮回収することのできる装置およ
び方法を提供する。 【解決手段】1.粉末キレートを使用して金属イオン及
び半金属イオンを吸着分離する工程、2.金属イオン及
び半金属イオンを吸着した粉末状キレート材を処理液の
流路から可撓性濾材で濾過分離し、該濾材より吸着済み
の粉末状キレート材を機械的振動で剥がし回収槽に搬出
工程、3.処理を連続処理しながら粉末状キレート材に
吸着された金属イオン及び半金属イオンを系外に運び出
す工程からなる分離吸着および回収装置とそのシステム
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】研磨廃液処理、廃水処理、飲
料水・食品加工用水や土壌浄化廃水処理など被処理水中
に含まれる重金属例えば銅、亜鉛、ニッケル、コバルト
等、あるいは類金属、例えばホウ素、ゲルマニウム、ヒ
素、アンチモン、セレン、テルル等を連続的に効率よく
捕捉し、かつ、資源回収用途に適した装置システム。セ
ラミック磁性体研磨や研削クーラント液浄化、放電加工
機(型彫、ワイヤ)クーラント液浄化、印刷用薬液浄
化、食品関係廃液浄化、プール・風呂(旅館、学校、幼
稚園)、ドライクリーニング液浄化、ガラス工場、めっ
き工場、発電所等から排出される各種産業廃水の浄化、
海水の淡水化、温泉水の浄化、更には資源の回収などと
して、工業的に幅広く応用することができる。
【0002】
【従来の方法】各種産業廃水例えばセラミック磁性体研
磨・研削液処理、放電加工機(型彫、ワイヤ)クーラン
ト液、印刷用薬液、食品関係廃液、プール・風呂(旅
館、学校、幼稚園)、ドライクリーニング液、ガラス工
場、めっき工場、発電所等廃液処理、や土壌浄化廃水処
理など被処理水中には様々の有害金属が含まれているこ
とがあり、環境汚染防止の観点からそれらの有害金属
は、排水処理によって十分に除去することが必要とな
る。また河川や地下水中に含まれる重金属成分も人体に
悪影響を及ぼす。
【0003】また、類金属類の中にも人体に悪影響を及
ぼすものが多く、近年それらの環境基準が設定されてき
ている。類金属の1種であるホウ素やホウ素化合物は、
ガラス工業をはじめ、めっき工業、防錆剤、化粧品など
の分野において広く用いられており、それらの製造工程
から流出する排水中には、ホウ素が含まれる。その他、
各種発電所の排水、排煙脱硫排水、更には海水にもホウ
素が含まれている。ホウ素は生殖機能の低下など、健康
障害を起こす可能性が指摘されており、平成11年には
環境基準物質として1ppmの基準値が設定され、また
水質汚濁防止法が2001年7月より改正施行されホウ
素が規制対象物質となったため、ホウ素を含む排水を流
出する分野、更には海水淡水化の分野においても重要な
課題となっている。
【0004】これらホウ素を含む水の処理法としては、
硫酸アルミニウムや消石灰等を用いる凝集沈殿法(特開
平7−323292号公報)、アルコール類を用いる溶
剤抽出法(特開平11−652号公報)、イオン交換樹
脂等を用いる吸着法(特開昭57−197040号公
報)などが知られている。しかし、凝集沈殿法は、ホウ
素の除去効率を高めるため多量の凝集沈殿剤を使用しな
ければならず、それに伴って大量のスラッジが発生する
という問題が指摘される。また溶剤抽出法は、ホウ素の
抽出率が低いため多量の溶剤を使用しなければならず、
排水のCODを高める原因になる。吸着法は、イオン交
換樹脂へのホウ素の吸着速度が遅く且つ吸着量も少ない
ため処理効率が悪く、大量処理には大規模な処理設備が
必要となる。
【0005】またセレンやセレン化合物は、工業原料と
してガラスの着色・脱色剤、半導体材料、金属への添加
剤など、様々の工業分野で広く使用されており、これら
の工業分野で排出される廃水中には高濃度のセレンが含
まれることがある。また火カ発電所から排出される廃水
にも相当量のセレンが含まれており、それらセレンやそ
の化合物は一般的に毒性が高く、水質汚濁防止法でも、
セレンとしての排水基準は0.1mg/l以下と定めら
れている。こうした廃水中のセレンを除去するため、特
開平5−78105号や同6−79286号公報には、
廃水のpHを調整すると共に鉄塩等の沈殿剤を添加し、
廃水中に溶存しているセレンを水酸化鉄等と共に沈殿さ
せる方法、特開平7−2502号公報には、セレンを含
む廃水に鉄系金属を添加し、鉄系金属の表面にセレンを
析出させる方法、更にはアニオン交換樹脂を使用し、セ
レン酸(6価セレン)あるいは亜セレン酸(4価セレ
ン)として吸着させる方法などが提案されている。
【0006】しかしながら上記従来法のうち、セレンを
水酸化鉄等と共に沈殿させる方法は、6価のセレンイオ
ンに対しては殆ど除去効果を示さず、また鉄系金属の表
面にセレンを析出させる方法では、多量の廃水を低い基
準濃度にまで下げるのに長時間を要し、また生成する多
量の鉄系金属の処理が煩雑で手数を要するため汎用性を
欠く。更にアニオン交換樹脂に吸着させる方法では、他
の共存イオンとの選択吸着性がないため、多種類のイオ
ンが共存する処理液に対しては満足のいく除去効率が得
られない。
【0007】また、ヒ素は、非鉄金属精錬工業をはじめ
として、医薬品、農薬、顔料、石油プラント工業などの
排水、更には地熱発電所からの熱排水中に含まれている
ことが確認されている。ヒ素、特に3価ヒ素の毒性につ
いては古くから知られていたが、近年ヒ素の発ガン性が
確認されるにおよび、その許容量は排水基準で0.5p
pm以下、環境基準で0.05ppm以下の低レベルに
規制されている。
【0008】この様なヒ素を含む排水の処理法として
は、既に幾つかの方法が知られており、その中でも、カ
ルシウム、マグネシウム、バリウム、鉄、アルミニウム
などの金属水酸化物を用いる凝集沈殿法は、比較的簡単
な操作で残留ヒ素濃度を排水基準以下に低減できること
から、広く採用されている。ところがこの方法では、地
熱発電所からの排水の如く、低濃度のヒ素を含む多量の
排水を処理するには大量の薬剤を使用しなければなら
ず、しかも該処理によって生成する多量のヒ素含有スラ
ッジの処理に大きな負担が強いられる。
【0009】そこでヒ素を除く他の方法として、活性
炭、活性アルミナ、シリカゲル等を用いた吸着法、鉄ま
たはジルコニウム担持型カチオン交換樹脂による配位子
イオン交換法、陰イオン交換樹脂を用いたイオン交換法
などが検討されている。しかし、これら吸着剤やイオン
交換樹脂を用いる方法は、ヒ素、特に有害な3価ヒ素に
対する吸着容量が小さい上に選択吸着性も悪く、更には
吸着剤やイオン交換樹脂の再生が煩雑であるという問題
があった。
【0010】これらの方法はいずれもある程度の金属を
除くことはできるが、装置が大きくなり、また吸着材や
イオン交換樹脂などから不純物の除去が困難である。ま
してや、侠雑物などの不純物の除去とは別工程で行わ
れ、作業も困難なものである。また、さらに吸着材やイ
オン交換樹脂の再利用などはできず、その処理として問
題が残っていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属イオン
及び半金属イオンを含む液体から粉末状キレート材を使
用し、微粒子と金属イオン及び半金属イオンを含む被処
理水より微粒子と金属イオン及び半金属イオンを除外
し、かつ粉末状キレート材を容易に回収分離してさらに
再生するシステムを提供するものである。
【0012】
【発明を解決するための手段】本発明は、 1.粉末状キレートを使用して被処理液中の金属イオン
及び半金属イオンを吸着分離する工程と、該金属イオン
及び該半金属イオンを吸着した該粉末状キレートを被処
理液の流路において組み可撓性濾材で濾過分離し、該可
撓性濾材に付着した該金属イオン及び該半金属イオンを
吸着した該粉末状キレートに振動を与えることにより該
可撓性濾材から剥がして回収する工程を含むことを特徴
とする金属イオン及び半金属イオンの分離吸着及び粉末
キレートの回収装置、 2.粉末状キレートから金属イオン及び半金属イオンを
離脱させてキレート粉末を再生させる再生工程を含むこ
とを特徴とする上記1に記載の分離吸着および粉末キレ
ートの回収装置、 3.キレート状粉末から金属イオン及び半金属イオンを
離脱させる前にキレート状粉末の脱液を行う工程を含む
ことを特徴とする上記1乃至2のいずれかに記載の分離
吸着および粉末キレートの回収装置、 4.脱液された液をpH調整して被処理液中に戻すこと
を特徴とする上記1乃至3のいずれかに記載の分離吸着
および粉末キレートの回収装置、 5.上記1乃至4のいずかに記載の分離吸着および粉末
キレートの回収装置を用いて溶液中の微粒子及び金属イ
オンの回収システム、からなるものである。
【0013】一般的に毒性が強い金属イオン及び半金属
イオンをキレートし固定するだけでなく、短い周期で系
外に運び出す事によりPHの変動によるイオンの再流出等
の危険を逓減できる。又金属、半金属イオンの安定化、無
害化や資源としてのリサイクル処理本システムの外で別
途行うことができる。そのために、まず始めに被処理液
より侠雑物を分離する工程、引き続いて、粉末状キレー
ト材を使用して金属イオン及び半金属イオンを吸着分離
する。この場合、金属イオン及び半金属イオンの吸着の
ために粉末状キレート材を使用し、さらにその処理液を
可撓性濾材で濾過分離し、該濾材より吸着済みの粉末状
キレート材を機械的振動や該可撓性濾材に変形を与える
ことにより、剥がし回収槽に搬出工程へと移送する。
【0014】この工程において、可撓性濾材を使用する
ことにより、濾過分離が出来るとともに、更に驚くべき
ことに、該可撓性濾材に機械的振動や変形を与えること
により、金属イオン及び半金属イオンを系外へ搬出する
時に洗浄水(逆洗水)を使う必要がなく、従って、随伴液
体を増やすこともなく、廃水処理が大幅に簡略化される
とともに、回収槽以降の再生ラインの小型化が図れる。
【0015】一般にリジッドな濾過フィルタの開口部に
挟まれた繊維状物は逆洗等の操作で除去するのは非常に
困難である。しかし、等可撓性濾材の場合、外力により
メッシュ開口部を容易に目開させることが出来るため繊
維状物であっても大きな物が最初に捕捉され、小さな物
が立体的に捕捉されるので、容易に剥離、再生が出来
る。
【0016】上記達成の方法としては、該可撓性濾材に
機械的振動をあたえる変りに、圧縮気体例えば蒸気、空
気、窒素ガスや他のガス等を噴射することによって変形
を与えることで付着した粉末状キレート材を容易に剥が
すこともできる。
【0017】粉末状キレート材の再生を分離して行う目
的は、回収金属イオンの高濃度化を図ることと、粉末キ
レートの再生薬品量を少なくする事である。粉末状キレ
ート材の再生前に回収槽内で機械的振動与える等して粉
末状キレート材を物理的に絞り、付着水分を引き下げる
事が出来る。特にこのキレート材を事前に絞ることによ
り、超高濃度の金属イオン溶液が抽出され、この結果金
属イオン及び半金属イオンが高濃度で回収できるととも
に、これにより再生薬品の量が削減できる。さらに廃棄
物の削減又は金属のリサイクルも容易になる。
【0018】一方金属イオン及び半金属イオンを脱着済
みの粉末状キレート材は金属イオン及び半金属イオンを
含まない薬液で用途に合ったPHに合わせた後、そのまま
又は水洗、湯洗、比重分離等を行い吸着処理工程に戻す
事が出来る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明で使用する粉末状キレート
材としては、例えば通常の繊維の分子中にキレート形成
性官能基の導入することにより達成される。導入キレー
ト形成官能基量は、ベースとなる繊維分子中の反応性官
能基の量やキレート形成性化合物の使用量、或いは架橋
剤の使用量、更にはそれらの導入反応条件などによって
任意に調整できるが、繊維分子に十分なキレート捕捉能
を与えるには、下記式によって計算される導入量が5質
量%程度以上、より好ましくは10質量%程度以上とな
る様に調整することが望ましい。導入量(質量%)=×
100(ただし導入量とは、キレート形成性官能基の導
入量を表わす)。キレート捕捉能を高めるうえでは、上
記導入量は高い程好ましく、従って導入量の上限は特に
規定されないが、導入量が高くなり過ぎるキレート形成
性官能基導入繊維の結晶性が高くなってキレート形成性
繊維が脆弱になり、循環使用する際の寿命短縮を招く恐
れがあるので、キレート捕捉材としての実用性や経済性
などを総合的に考慮すると、導入量は130質量%程度
以下、より好ましくは80質量%程度以下に抑えること
が望ましい。ただし、要求される清浄度の程度等によっ
ては、150〜200質量%といった高レベルの導入量
とすることにより、キレート捕捉能を高めることも可能
である。
【0020】本発明に使用するキレート基材としては、
繊維に限らず樹脂や無機物粒子を基材としても何らかま
わない。繊維の場合も、キレート形成性官能基が導入さ
れる素材の種類は特に制限されず、例えば綿、麻などを
始めとする種々の植物繊維;絹、羊毛などを始めとする
種々の動物性繊維;ビスコースレーヨンなどを始めとす
る種々の再生繊維;ポリアミド、アクリル、ポリエステ
ルなどを始めとする様々の合成繊維を使用することがで
き、これらの繊維は必要に応じて各種の変性を加えたも
のであっても構わないが、キレート形成性官能基の導入
のし易さ、被処理水に対する濡れ性、強度、安定性を考
慮して最も好ましいのはセルロース系繊維である。
【0021】上記ベース繊維の性状にも格別の制限はな
く、短繊維状の粉末、長繊維のモノフィラメント、マル
チフィラメント、短繊維の紡績糸あるいはこれらを織物
状もしくは編物状に製織もしくは製編した布帛、更には
不織布であってもよいが、キレート形成性繊維を循環使
用する本発明のプロセスにおいては、短繊維状の粉末が
最も好ましい。粉末繊維は、従来の樹脂ビーズに比較し
て表面積が大きく、2〜6倍の速度でホウ素を吸着でき
る。ここで用いられる短繊維状粉末の好ましい形状は、
長さ0.01〜5mm、より好ましくは0.03〜3m
mで、単繊維径が1〜50μm程度、より好ましくは5
〜30μmであり、アスペクト比としては1〜600程
度、より好ましくは1〜100程度のものである。この
様な短繊維状の粉末素材を使用すれば、例えば金属や類
金属を含む水中に該短繊維粉末状のキレート形成性繊維
を添加して攪拌し、通常の沈降分離や遠心分離等を行う
という非常に簡単な方法で、且つ短時間の処理で被処理
水中に含まれる金属や類金属を効率よく捕捉して清浄化
することができる。
【0022】粉末状キレート材の濾過および洗浄は、従
来の方法即ち、圧力濾過機、真空濾過機、遠心分離機、
ベルトフィルター等を用いて行えばよいが、本発明の可
撓性濾材を使用することにより、著しく工程が簡略化さ
れ、かつキレート繊維の回収が容易となる。即ち、金属
イオンを吸着した粉末状キレート材は可撓性濾材に引っ
かかり、被処理液と分離できるが、さらに機械的振動、
変形または加圧気体たとえば加圧空気や蒸気を吹かすこ
とにより、該濾材は弾力性を持っているため前後左右に
ゆすぶられて、網表面に付着した金属イオンを吸着した
粉末状キレート材が容易に剥がれることになり、分離回
収が非常に簡略かつ十分に剥がれる。
【0023】本発明に使用する可撓性濾材とは、組み紐
型のフィルターとして、以下にして作られる。即ち、丸
打組物組織からなる管状濾材において、中央糸が組み込
まれており、組糸が核中央糸により交差部分で接着され
ていることを特徴とする可撓性管状濾材である。丸打組
物組織からなる管状濾材は、可撓性があり配管系に組み
込み、配管を曲げて使用しても屈曲閉塞しないという特
徴を持った濾材であるが、濾材に大きな外力や圧力が加
わった場合に、濾材が長手方向に伸び、あるいは縮み、
それにより濾材の孔径が変化し、また、目開きの大きい
濾材においては、濾材屈曲を繰り返すと目ずれが生じ
る。
【0024】本発明における可携性管状濾材を構成する
組糸は、モノフィラメントや長繊維の集合体であるマル
チフィラメントや短繊維の集合体である紡績糸や加工糸
の形態があり、その原料繊維はセルロース,ビスコース
等の半合成繊維,ポリエステル,ポリオレフィン,ポリア
ミド,アクリル,ポリスルフォン,ポリアミドイミド,ポリ
イミド,ポリフェニレンサルファイド,ポリ弗化ビニリデ
ン等の合成繊維やガラス,カーボン,メタルなどの無機繊
維でありこれらの繊維の単独あるいは混合した糸や樹脂
含浸加工した糸が使用できる。可撓性管状濾材を構成す
る組糸は毛羽を有していないものが好ましい。組糸が毛
羽を有していると、組糸の交差点で形成される孔の表面
や内部が毛羽で覆われ、それにより捕捉する必要のない
小さな粒子も捕捉されてしまい、結果としてフィルター
エレメントの寿命が短くなるのである。したがって、モ
ノフィラメントや樹脂含浸加工したフィラメント、紡績
糸が好ましい。また、本発明において、可擦性管状濾材
を構成する組糸の繊度は、11〜5500dtex、好ましく
は22〜2200dtex、より好ましくは33〜1100dtex
である。これ未満では濾材の十分な耐圧性に欠け、これ
を越えると開孔率が小さくなって、濾過性能が低下する
のである。
【0025】上述の可撓性濾材を使用することにより、
重金属の回収効率は著しく向上したとえば、ホウ素なら
0.5mg/l以下という低濃度まで完全に除去するこ
とが可能となった。また、粉末状濾材の回収も容易であ
りかつ回収効率も向上した。この結果、固定床では困難
であったホウ素濃度の排出基準をクリヤーするとともに
イニシャルコスト、ランニングコストを大幅に削減可能
となった。さらに従来の凝集沈殿法、固定吸着法と比べ
て装置がコンパクトになり、また既存の排水設備への連
結も可能となった。
【0026】図1に本発明に使用する装置の説明を行
う。金属イオンを含む原水は、反応槽1へ移送される。
ここで原水は中和され、その後、原液にキレート繊維が
適量投入される。キレート繊維は原液中で攪拌器8によ
り原液中で攪拌されながら、金属イオンを捕捉する。反
応槽1内の原液は一定時間経過後にキレート繊維と共に
組紐フィルタ2へ移送され、原液は組紐フィルタ2を通
過しバルブ10を経由して清浄水として系外に放出され
る。金属イオンを捕捉したキレート繊維は組紐フィルタ
2の外表面に立体捕捉される。組紐フィルタ2に立体捕
捉されたキレート繊維は、組紐フィルタ2にエアー源9
からバルブ11を経由して圧縮空気を加えることにより
剥離され脱液槽3に移送される。脱液槽3にはエアー源
からバルブ12を経由して圧縮空気が加えられ、金属イ
オンを吸着したキレート繊維の脱液を行う。脱液された
キレート繊維は回収槽4に移送され希濃度の酸に浸漬
(又はシャワー)にて金属イオンをキレート繊維から溶
離、回収させる。キレート繊維から脱液された液は中和
槽5を経由して反応槽1に戻される。回収槽4で金属イ
オンが離脱されたキレート繊維は水洗槽6で回収槽4で
付着した希濃度の酸を洗い落とし、必要に応じて中和処
理して再生させる。尚、金属イオンを含む原水中に粒子
状の顕濁物が含まれる場合には図2に示すように事前に
濾過対象粒子径に応じたプレコート材で可撓性濾材表面
をプレコートして濾過しても良く、別のフィルタを使っ
て濾過しても良い。
【0027】以下に実施例を示す。ガラス洗浄廃液から
ホウ素を除去するテストを行った。原液中のホウ素濃度
は50ppmでpHは1.5である。処理は反応槽に1
3/バッチの原液を貯水して行った。貯水槽の液温は
20℃である。反応槽では最初に原液を水酸化ナトリュ
ームによりpHを7.0に調整した。キレート繊維はホ
ウ素除去能力が1mmol/gでセルロースを母材としたサイ
ズが約100mm〜150mmφの粉末状キレート繊維
(キレスト製GPC)を使用した。これを反応液に48
00gを投入して、5分間攪拌した。攪拌が終了した時
点でキレート繊維を含む原液を組紐フィルタに導き、キ
レート繊維を濾過した。使用した組紐フィルタは275dte
xのポリエステルモノフィラメントを2本合糸し、これ
を組糸とし、一方の端部をエポキシ樹脂で固着して閉塞
端とし、濾過面積0.8m2の可椀性管状を形成したも
のである。これに50000Paの送液ポンプヘッド圧
を加えて110リットル/分の速度で原液を組紐フィル
タに通して濾過した。濾過後、原液通過方向とは逆方向
になるフィルタ筒内面から20000Paの圧縮エアー
を間欠に5回計5秒間加えて組紐フィルター表面に堆積
したキレート繊維塊を剥離させた。剥離されたキレート
繊維はタンク5に落とされ、50000Paの圧縮エア
ーにて水分含有量10%以下に脱液した。脱液されたキ
レート繊維は3%の硫酸に5分浸漬してホウ素イオンを
溶出させた。圧縮エアーで脱液された液は硫酸で中和処
理した後、反応槽へ戻し、次バッチ処理の原液と混合さ
せた。金属イオンが遊離された後のキレート繊維は水洗
し乾燥して再生した。1バッチ処理に要した時間は計1
5分である。このバッチ処理を1日間、計96バッチ行
い、高濃度のホウ素溶出液を回収した。具体的には回収
液量は7m3/日であり、ホウ素濃度は700ppm、
でホウ素の回収率は93%であった。また、ホウ素に対
する吸着速度を図3に示した。比較例(図3中の破線)
はキレート樹脂ビース゛を使用し可撓性のない従来のリ
ジッドな濾材を使用した。
【0028】
【発明の効果】可撓性濾材を使用して、機械的振動や圧
空で該濾材を再生するプレコート型濾過装置を使用する
ことにより、研磨廃液中の砥粒や研磨屑と金属イオンを
低減除去でき、精密フィルターの前処理装置としてまた
単独処理装置として溶液や排水の浄化、リサイクル、産
業廃棄物の削減など、広くエコロジー用途に使用でき
る。さらに、研磨廃液では砥粒ほか粒子と金属イオンを
減らした後リサイクルや従来の排水処理装置に送って処
理することができ、産業廃棄物が減らすこともできる。
さらにレーザー反射鏡(ガリウム、ヒ素)の研磨廃液から
研磨屑及びヒ素イオンを除去、オプトエレクトロニクス
鏡及びガラス研磨の研磨屑処理にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念図
【図2】本発明を用いた応用例
【図3】ホウ素に対する吸着速度
【符号の説明】
1.反応槽 2.組紐フィルター 3.脱液槽 4.回収槽 5.中和槽 6.水洗い槽 7.キレート投入タンク 8.攪拌器 9.エアー源 10.バルブ 11.バルブ 12.バルブ 13.バルブ 14.バルブ 15.バルブ 16.プレコート槽 17.攪拌器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/42 C02F 1/42 H (72)発明者 神保 秀規 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 神崎 裕 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 小山 哲司 大阪府大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社本社内 (72)発明者 佐塚 守 大阪府大阪市北区堂島2丁目1番16号 東 洋紡エンジニアリング株式会社本社内 Fターム(参考) 4D017 AA01 BA11 BA13 CA14 CB01 DA08 DB01 DB02 DB10 EA03 EB04 EB09 4D024 AA01 AA04 AB14 AB16 BA18 BB01 BB08 BC01 CA02 DA01 DA07 DA10 DB03 DB20 4D025 AA01 AA09 AB22 AB23 AB24 AB26 AB33 BA17 BB18 BB19 CA10 DA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉末状キレートを使用して被処理液中の金
    属イオン及び半金属イオンを吸着分離する工程と、該金
    属イオン及び該半金属イオンを吸着した該粉末状キレー
    トを被処理液の流路において可撓性濾材で濾過分離し、
    該可撓性濾材に付着した該金属イオン及び該半金属イオ
    ンを該可撓性濾材から剥がして回収する工程を含む、こ
    とを特徴とする金属イオン及び半金属イオンの分離吸着
    及び粉末キレートの回収装置。
  2. 【請求項2】粉末状キレートから金属イオン及び半金属
    イオンを離脱させてキレート粉末を再生させる再生工程
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の分離吸着およ
    び粉末キレートの回収装置。
  3. 【請求項3】キレート状粉末から金属イオン及び半金属
    イオンを離脱させる前にキレート状粉末の脱液を行う工
    程を含むことを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに
    記載の分離吸着および粉末キレートの回収装置。
  4. 【請求項4】脱液された液をpH調整して被処理液中に
    戻すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    の分離吸着および粉末キレートの回収装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずかに記載の分離吸着
    および粉末キレートの回収装置を用いて溶液中の微粒子
    及び金属イオンの回収システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005087825A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Toyobo Engineering Kk キレート吸着材の再生法

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