JP2001113179A - 水溶液中のゲルマニウムの除去法 - Google Patents

水溶液中のゲルマニウムの除去法

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允武 三原
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信義 南部
Osamu Ito
治 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶液中に微量含まれるゲルマニウムを簡単
な方法で選択的に効率よく除去することのできる方法を
提供すること。 【解決手段】 繊維分子中に下記式(1)で示される基
を有するキレート形成性繊維を、pH3〜12に調整さ
れたゲルマニウム含有水溶液と接触させ、該水溶液中の
ゲルマニウムを選択的にキレート捕捉して除去する。 [式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
ヒドロキシエチル基、またはヒドロキシプロピル基、R
2は炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシエチル基、
またはヒドロキシプロピル基を表し、R1とR2とは同一
もしくは異なる基であってもよい]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のキレート形
成性官能基が導入されたキレート形成性繊維を用いて、
水溶液中のゲルマニウムを効率よく除去する方法に関
し、この除去法を用いれば、水中に微量存在するゲルマ
ニウムを選択的に効率よく除去することができ、例えば
工業・農業用水、排水の浄化、更には資源の回収など、
工業的に幅広く応用することができる
【0002】
【従来の技術】ゲルマニウムは、ポリエステルの重合触
媒、トランジスター、ダイオード等の半導体材料、光フ
ァイバー用合成石英のドープ材など、工業原料として様
々の分野で広く使用されており、希少元素として各分野
においてその回収技術が求められている。また亜鉛の電
解精錬工程では、不純物として亜鉛鉱石に含まれるゲル
マニウムが、電解時の電流効率を著しく低下させるた
め、電解液中のゲルマニウムの除去が望まれている。
【0003】従来から水溶液中のゲルマニウムの簡便な
分離法として、D.A.Everest and J.
E.Salmon,J.Chem.Soc.,195
4,2438に示される様なイオン交換法、あるいは
G.Kraft,H.Doschand K.Gabb
ent,Z.Anal.Chem.,267、106
(1973)やJ.Seidl,J.Stamberg
and E.Hrbkova,J.Appl.Che
m.,12,500(1962)に示される様なキレー
ト樹脂吸着法が挙げられる。これらの方法によればゲル
マニウムを吸着することは可能であるが、ゲルマニウム
の選択吸着性が乏しく、また基材である樹脂がビーズ状
あるいは粒状であることから、ゲルマニウムを含む液が
基材内部にまで含浸するのに長時間を要するため、吸着
速度が低くなり、効率的なゲルマニウム捕捉ができなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、水溶
液中に微量含まれるゲルマニウムを簡単な方法で効率よ
く除去することのできる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係るゲルマニウムの除去法とは、分子
中に下記式(1)で示される基を有するキレート形成性
繊維を使用し、これを、pH3〜12に調整されたゲル
マニウム含有水溶液と接触させてゲルマニウムを除去す
るところに要旨を有している。 [式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
ヒドロキシエチル基、またはヒドロキシプロピル基、R
2は炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシエチル基、
またはヒドロキシプロピル基を表し、R1とR2とは同一
もしくは異なる基であってもよい]。
【0006】上記式(1)で示される基の中でも好まし
いのは、該式(1)中のR1およびR2がいずれもヒドロ
キシエチル基であるもの、或いはR1が水素原子または
メチル基、R2がヒドロキシエチル基であるものであ
る。
【0007】上記式(1)で示される基は、繊維分子中
の反応性官能基(ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ
基、アルデヒド基、カルボキシル基、チオール基など)
等に直接結合していてもよく、あるいは繊維分子中にエ
ポキシ基、反応性二重結合、ハロゲン基、酸無水物から
選ばれる2個以上の官能基を有する架橋剤を介して間接
的に結合していても構わない。
【0008】上記除去法を実施することによってゲルマ
ニウムを捕捉したキレート形成性繊維は、酸水溶液を用
いて処理することによってゲルマニウムを簡単に溶離さ
せることができるので、この方法を採用すれば、キレー
ト形成性繊維を簡単に再生できるばかりでなく、溶離液
からゲルマニウムを高濃度で回収することも可能とな
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明にかかるゲルマニウムの除
去法は、上記の様に、繊維分子中に前記式(1)で示さ
れる基、より好ましくは、式(1)中のR1およびR2
いずれもヒドロキシエチル基、あるいはR1が水素原子
またはメチル基で、R2がヒドロキシエチル基である基
が導入されたキレート形成性繊維を、ゲルマニウムを含
有するpH3〜12の水溶液と接触させ、水溶液中のゲ
ルマニウムを捕捉除去するところに特徴を有している。
【0010】即ち本発明では、前記式(1)で示される
基が、特定pH領域でゲルマニウムに対して高いキレー
ト形成能を発揮することを活用し、該基を繊維分子中に
導入することによって、水溶液中のゲルマニウムを効率
よく捕捉除去することに成功したものである。
【0011】本発明で用いる前記式(1)で示される基
が導入される繊維の種類は特に制限されず、例えば綿、
麻などを始めとする種々の植物繊維;絹、羊毛などを始
めとする種々の動物性繊維;ビスコースレーヨンなどを
始めとする種々の再生繊維;ポリアミド、アクリル、ポ
リエステルなどを始めとする様々の合成繊維を使用する
ことができ、これらの繊維は必要に応じて各種の変性を
加えたものであっても構わないが、前記式(1)で示さ
れる基の導入のし易さ、被処理液の濡れ性、強度、安定
性を考慮して最も好ましいのはセルロース系繊維であ
る。
【0012】上記ベース繊維の性状にも格別の制限はな
く、長繊維のモノフィラメント、マルチフィラメント、
短繊維の紡績糸あるいはこれらを織物状もしくは編物状
に製織もしくは製編した布帛、更には不織布であっても
よい。また、2種以上の繊維を複合もしくは混紡した繊
維や織・編物であってもよい。
【0013】更に該キレート形成性繊維と被処理水溶液
との接触効率を上げるため、上記基材繊維を短繊維状の
粉末あるいはフィルター状の素材として使用することも
有効である。
【0014】ここで用いられる短繊維状粉末の好ましい
形状は、長さ0.01〜5mm、より好ましくは0.0
3〜3mmで、単繊維径が1〜50μm程度、より好ま
しくは5〜30μmであり、アスペクト比としては1〜
600程度、より好ましくは1〜100程度のものであ
る。
【0015】この様な短繊維状の粉末素材を使用すれ
ば、ゲルマニウムを含む水性液に該短繊維粉末状のキレ
ート形成性繊維を添加して攪拌し、通常の濾過処理を行
うという非常に簡単な方法で、且つ短時間の処理で被処
理水中に含まれるゲルマニウムを効率よく捕捉して清浄
化することができる。また場合によっては、該短繊維粉
末状のキレート形成性繊維をカラム等に充填して被処理
水を通過させることによっても、同様にゲルマニウムを
捕捉できる。
【0016】またフィルター状の素材も格別特殊なもの
ではなく、その用途に応じて任意の繊維間隙を有する織
・編物もしくは不織布などからなる単層もしくは複層構
造のマット状に成形して適当な支持体に組み付けた構
造、あるいは通水性支持筒の外周側に紐状の繊維を綾巻
状に複数層巻回した構造、または同繊維からなる織・編
物もしくは不織布シートをプリーツ状に折り曲げて支持
部材に装着した構造、同繊維を用いて作製した織・編物
や不織布を袋状に成形したバグフィルタータイプなど、
公知のあらゆる形態のものが使用できる。
【0017】本発明において、ベース繊維に前記式
(1)で示される基を導入する際に使用するアミノ化合
物としては、前記式(2)で示されるアミノ化合物が使
用され、例えば各種アミンにエチレンオキサイドやプロ
ピレンオキサイドを付加させたものを用いることができ
る。しかし、ゲルマニウムとのキレート形成能や繊維分
子との反応性、コスト等を総合的に考えて最も実用的な
のは、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、N
−メチルエタノールアミンである。
【0018】これらキレート形成能を与えるため繊維分
子中に導入される基は、繊維分子中の反応性官能基(例
えば、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、カルボキ
シル基、アルデヒド基、チオール基など)等に直接結合
していてもよく、あるいは架橋剤を介して間接的に結合
していても構わないが、繊維分子への導入の容易性を考
えると、後述する様な架橋剤を介して間接的に導入した
ものが、実用性の高いものとして推奨される。
【0019】本発明で用いる上記キレート形成性繊維を
製造する方法としては、繊維分子が元々有している前述
の様な反応性官能基もしくは変性によって導入した反応
性官能基に、前記アミノ化合物を直接反応させ、あるい
は、該反応性官能基に、架橋剤として分子中にエポキシ
基、反応性二重結合、ハロゲン基、酸無水物基から選ば
れる2個以上の官能基を有する化合物を反応させた後、
前記アミノ化合物を反応させる方法などが採用される。
【0020】これらの架橋剤を用いて前記式(1)で示
される基を繊維に導入する際の反応は特に制限されない
が、好ましい方法を挙げると、ベース繊維と前記架橋剤
を水あるいはN,N’−ジメチルホルムアミドやジメチ
ルスルホキシド等の極性溶媒中で、必要により反応触媒
や乳化剤などを併用して、60〜100℃程度で30分
〜数十時間程度反応させる方法であり、この反応によ
り、架橋剤が繊維分子中の反応性官能基(例えば、ヒド
ロキシル基やアミノ基など)と反応して繊維と結合し、
前記アミノ化合物と容易に反応する官能基を繊維分子中
に導入することができる。次いで、該官能基を導入した
繊維と前記アミノ化合物を、水やN,N’−ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒中で、
必要により反応触媒を用いて60〜100℃で30分〜
数十時間程度反応させると、前記アミノ化合物のアミノ
基が架橋剤の反応性官能基(例えばエポキシ基やハロゲ
ン基など)と反応し、ゲルマニウムに対してキレート形
成能を有する基が繊維分子中にペンダント状に導入され
る。
【0021】上記の様にして得られるキレート形成性繊
維は、用いるベース繊維の性状に応じてモノフィラメン
ト状、マルチフィラメント状、紡績糸状、不織布状、繊
維織・編物状など任意の性状のものとして得ることがで
きるが、いずれにしても細径の繊維分子表面にペンダン
ト状に導入された前述のキレート形成性を有する基の実
質的に全てが、ゲルマニウム捕捉性能を有効に発揮する
ので、例えば顆粒状やフィルム状などのキレート形成性
樹脂に比べると非常に優れた除去性能を発揮する。
【0022】従ってこの繊維をゲルマニウムを含む水溶
液と接触させ、具体的には該繊維を任意の厚さで積層し
たり或はカラム内に充填して被処理液を通す方法、ある
いは短繊維粉末状の該繊維を被処理液に添加して攪拌
し、通常の濾過処理を行うという非常に簡単な方法で、
且つ短時間の処理で被処理水中に含まれるゲルマニウム
を効率よく捕捉して清浄化することができる。
【0023】なお本発明を実施するに当たり、水溶液中
に含まれるゲルマニウムイオンもしくはその化合物を前
記キレート形成性繊維によって効率よく除去するには、
該水溶液のpHを3〜12に調整することが必須とな
る。ちなみに該水溶液のpHが3未満の酸性側でも、ま
たpHが12を超える強アルカリ側でも、前記キレート
形成性繊維のゲルマニウムイオンに対するキレート形成
能が有効に発揮されず、満足のいくゲルマニウム除去効
果が得られないからである。
【0024】上記の様にしてゲルマニウムを捕捉したキ
レート形成性繊維は、例えば塩酸水溶液や硫酸水溶液で
処理すると、キレートを形成して捕捉されたゲルマニウ
ム成分は簡単に離脱するので、こうした特性を利用すれ
ば該繊維を簡単に再生することができ、更に溶出液から
ゲルマニウムを有価成分として有効に回収することも可
能となる。
【0025】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
【0026】(キレート形成性繊維の合成例1)蒸留水
1000mlに、硫酸第一鉄アンモニウム六水和物0.
025gを溶解後、綿糸(染色試材社製 40/1綿単
糸晒品)50gを添加し、室温で30分撹拌後、メタク
リル酸グリシジル50g、非イオン系界面活性剤(日本
油脂社製ノニオン「OT−221」)1g、31%H2
2水0.81g、二酸化チオ尿素0.31gを添加
し、60℃で1時間撹拌する。次いで、処理を終えた綿
糸を蒸留水で洗浄し、脱液した後50℃で15時間乾燥
することにより、グリシジルメタクリレートがグラフト
したグラフト繊維68.0gを得た。
【0027】次に、蒸留水350g、ジメチルスルホキ
シド350gの混合溶媒にモノエタールアミン300g
を溶解させた溶液に上記グラフト繊維を浸漬し、80℃
で2時間加熱処理する。次いで十分に水洗し脱液した
後、50℃で15時間乾燥することにより、キレート形
成性繊維(キレート繊維A)73.2g(置換率:4
6.4質量%)を得た。
【0028】(キレート形成性繊維の合成例2)前記合
成例1において、モノエタノールアミンをジエタノール
アミンに代えた以外はすべて同様にして、キレート形成
性繊維(キレート繊維B)78.0g(置換率:56.
0質量%)を得た。
【0029】実施例1 (バッチ式でのゲルマニウム吸着性能試験1)前記合成
例1で得たキレート繊維A50mgを、10mmol/
lのゲルマニウム(IV)、ほう素(III)およびテルル(VI)
を含む0.1mol/lの塩化カリウム溶液25mlに
添加し、更に塩酸または水酸化ナトリウム水溶液を用い
てpHを変化させ25℃で24時間攪拌を行った後、水
溶液中に残存するゲルマニウムを定量することによっ
て、各pHでの吸着量を確認した。結果は図1に示す通
りであり、水溶液pHを3〜12の範囲、より好ましく
はpHが5〜10の範囲に調整して処理することによ
り、ゲルマニウムを選択的に効率よく吸着・除去できる
ことが分かる。
【0030】実施例2 (バッチ式でのゲルマニウム吸着性能試験2)前記実施
例1のキレート繊維Aに代えてキレート繊維Bを用いた
以外は同様にして、吸着試験を行なった。結果は図2に
示す通りであり、水溶液pHを5〜12の範囲、より好
ましくはpHが6〜11の範囲に調整して処理すること
により、ゲルマニウムを選択的に効率よく吸着・除去で
きることが確認された。
【0031】実施例3 (破過曲線測定試験)前記合成例で得られたキレート繊
維Bを内径5mmのガラスカラム内に1.8ml充填
し、1mmol/lのゲルマニウム(IV)、ほう素(II
I)、テルル(VI)をそれぞれ含んだ0.1mol/lの塩
化アンモニウム−アンモニア緩衝液(pHを8.6に調
整)をSV=75hr-1の流速で流し、流出液中の各元
素の濃度を測定することによって破過曲線を求め、図3
に示す結果を得た。
【0032】また比較のため、キレート繊維Bに代えて
市販のビーズ状スチレン系グルカミン型キレート樹脂
(三菱化学社製商品名「ダイヤイオンCRB02」)
1.3mlを用いて同様の試験を行った。市販キレート
樹脂の場合は、キレート繊維Bの条件に合わせたSV=
75hr‐1の流速と、実際の使用条件に合わせたSV
=10hr‐1の流速でそれぞれ試験を行ない、図4、
図5に示す結果を得た。
【0033】破過曲線を示す図3と図4、図5を比較す
れば明らかな様に、市販のキレート樹脂を用いたカラム
式除去法では、SV=75hr-1という高流速において
はゲルマニウム、ほう素、テルルのいずれもほとんど吸
着されずに流出してしまい、またSV=10hr‐1
おいてはゲルマニウム、ほう素、テルルのいずれも保持
されてしまうのに対し、本発明のキレート繊維Bを用い
たカラム式除去法では、SV=75hr-1という高流速
においても、ほう素およびテルルは全く吸着されないう
ちに流出するが、ゲルマニウムは吸着量が飽和に達する
までは完全に吸着除去されており、この結果からも明ら
かな様に本発明のキレート形成性繊維は、ゲルマニウム
に対して特に優れた選択吸着性能を有していることがわ
かる。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、本
発明の除去方法を用いれば、ゲルマニウムを高い選択吸
着性で除去できるばかりでなく、吸着速度も格段に優れ
ており、従来のイオン交換樹脂やキレート樹脂に較べて
用排水中のゲルマニウムを極めて効率よく捕捉・除去す
ることができ、それらを極めて効率よく清浄化すること
ができる。しかも、該成分を捕捉した本発明のキレート
形成性繊維は、酸水溶液による処理によって簡単に該成
分を離脱するので、その再生が簡単で繰り返し使用でき
るばかりでなく、該成分の濃縮採取にも利用することが
できる。また不織布状もしくは布帛状等のキレート形成
性繊維を使用すれば、これらをカートリッジ方式として
交換その他の作業性を高めることも容易であり、更には
繰り返し使用によって捕捉性能を失った場合は、通常の
焼却炉などによって簡単に焼却処分することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得た元素吸着量とpHの関係を示す
グラフである。
【図2】実施例2で得た元素吸着量とpHの関係を示す
グラフである。
【図3】実施例3で得た処理液量と元素濃度の関係を示
すグラフである。
【図4】実施例3で対照例として用いた市販のキレート
樹脂を用いた場合の処理液量と元素濃度の関係を示すグ
ラフである。
【図5】実施例3で対照例として用いた市販のキレート
樹脂を使用し、処理流速を変えた場合の処理液量と元素
濃度の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/58 C02F 1/58 H C09K 3/00 108 C09K 3/00 108A D06M 14/04 D06M 14/04 15/273 15/273 15/61 15/61 (72)発明者 犬養 吉成 佐賀県鳥栖市宿町字野々下807番地1 工 業技術院 九州工業技術研究所内 (72)発明者 甲斐田 泰彦 佐賀県鳥栖市宿町字野々下807番地1 工 業技術院 九州工業技術研究所内 (72)発明者 安田 誠二 佐賀県鳥栖市宿町字野々下807番地1 工 業技術院 九州工業技術研究所内 (72)発明者 三原 允武 千葉県千葉市花見川区長作町1682−551 (72)発明者 南部 信義 三重県四日市市日永東3丁目3−3 中部 キレスト株式会社四日市工場内 (72)発明者 伊藤 治 三重県四日市市日永東3丁目3−3 中部 キレスト株式会社四日市工場内 (72)発明者 土井 貴雄 三重県四日市市日永東3丁目3−3 中部 キレスト株式会社四日市工場内 Fターム(参考) 4D024 AA01 AA04 AB17 BA18 BB01 BB02 BB03 DA07 4D025 AA01 AA09 AB33 BA17 BA25 CA03 4D038 AA01 AA08 AB70 BA02 BB06 BB08 BB13 4L033 AA02 AB01 AC11 AC15 BA21 BA46 BA48 BA79 BA99 CA21

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維分子中に下記式(1)で示される基
    を有するキレート形成性繊維を、pH3〜12に調整さ
    れたゲルマニウム含有水溶液と接触させ、該水溶液中の
    ゲルマニウムを除去することを特徴とする水溶液中のゲ
    ルマニウムの除去法。 [式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
    ヒドロキシエチル基、またはヒドロキシプロピル基、R
    2は炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシエチル基、
    またはヒドロキシプロピル基を表し、R1とR2とは同一
    もしくは異なる基であってもよい]
  2. 【請求項2】 前記式(1)中のR1およびR2がいずれ
    もヒドロキシエチル基である請求項1に記載の除去法。
  3. 【請求項3】 前記式(1)中のR1が水素原子または
    メチル基、R2がヒドロキシエチル基である請求項1に
    記載の除去法。
  4. 【請求項4】 前記式(1)で示される基が、繊維分子
    中の反応性官能基に直接結合している請求項1〜3のい
    ずれかに記載の除去法。
  5. 【請求項5】 前記式(1)で示される基が、繊維分子
    中の反応性官能基に架橋剤を介して導入されている請求
    項1〜3のいずれかに記載の除去法。
  6. 【請求項6】 前記架橋剤が分子中にエポキシ基、反応
    性二重結合、ハロゲン基、酸無水物基から選ばれる2個
    以上の官能基を有する化合物である請求項5に記載の除
    去法。
  7. 【請求項7】 前記架橋剤が、メタクリル酸グリシジ
    ル、アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテ
    ル、エピクロルヒドリン、エチレングリコールジグリシ
    ジルエーテル、無水マレイン酸、無水イタコン酸よりな
    る群から選択される少なくとも1種である請求項5に記
    載の除去法。
  8. 【請求項8】 繊維が天然繊維または再生繊維である請
    求項1〜7のいずれかに記載の除去法。
  9. 【請求項9】 天然繊維または再生繊維がセルロース系
    繊維である請求項8に記載の除去法。
  10. 【請求項10】 繊維が合成繊維である請求項1〜7の
    いずれかに記載の除去法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の除
    去法を実施した後、酸水溶液を用いてキレート形成性繊
    維からゲルマニウムを溶離させる、キレート形成性繊維
    の再生法。
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