JP4683789B2 - 加湿機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する利用分野】
本発明は、加湿用の水を溜める水槽に、この水槽内の水を除菌する除菌用電極と水位検出用電極を備えた加湿機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来一般に、この種の加湿機として、空気吸込口及び吐出口を有し、底部には給水タンクより給水された水を所定の水位までためる水槽を設けた外装ケースと、水槽に設置された加湿フィルターと、この加湿フィルターに送風して加湿フィルターに浸透した水を気化する送風機とを備え、水槽の適所に、水槽内の水の除菌作用を成す一対の除菌用電極を設けた構成のものを、先に出願人は特願2000−280639で提案している。
【0003】
ところで、この種の加湿機として、水槽内の水位を検出するために、一対の水位検出用電極を水槽の適所に備えたものも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、水槽に除菌用電極と水位検出用電極を装備すると、それぞれ一対づつ、即ち、4個の電極を水槽に備えなければならない。この種の電極は耐久性を考慮して高価なチタン製の電極片が用いられているため、コスト高になるのはもちろんのこと、加湿フィルターを設置できるスペースの外に4個の電極片の設置スペースが必要となり、水槽の大きさをその分だけ大きくしなければならない。
【0005】
本発明は上述の実情に鑑みてなされたものであり、一対の除菌用電極の一方を水位検出用電極の対向電極として兼用し、コストの低減を図りつつ、電極設置スペースをコンパクトにし得る加湿機を提供できるようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、空気吸込口及び吐出口を有し、底部には給水タンクより給水された水を所定水位までためる水槽を設けたケース本体と、水槽の水を加湿に供するための加湿手段と、水槽内にためられた水の除菌作用を成す一対の除菌用電極と、この一対の除菌用電極を水槽内に配置するために一対の除菌用電極を保持するホルダーと、水槽内の水位を検出する水位検出用電極とを備え、この水位検出用電極は、前記ホルダーに保持した一対の除菌用電極に近接した状態で前記水槽内に設置され、前記一対の除菌用電極のうち一方は、前記水位検出用電極の対向電極として働かせることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の加湿機において、前記加湿手段が通気性及び吸水性を持つ加湿フィルターであることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施形態】
以下、本発明の一実施形態について、図1乃至図5を参照して説明する。図1乃至図5において、1は加湿機Aの外装ケースであり、この外装ケース1はそれぞれ合成樹脂にて成型されてケース本体1Aを構成する天板2、底板3、周側板4及びタンク蓋板5と、ケース本体1Aに対して着脱自在とした着脱パネルとしての前パネル6とにて構成されており、前記天板2には表示部兼用の操作部7が設けられるとともに、この天板2の前端部分に位置して天板2と一体成型の吐出ガイド格子8を有する横長な吐出口9が形成されており、また、前記操作部7の周囲には起伏自在に設けられた持ち運び用のコ字型の取っ手10が設けられている。
【0011】
前記周側板4の上部には、それの背面部と一方の側面部に連なる格子状の空気吸込口11が形成され、この空気吸込口11には空気浄化フィルター12が装着されており、この周側板4には前記天板2がねじ(図示せず)止め固定されるとともに、前記底板3が同様にねじ(図示せず)止め固定されている。
【0012】
前記底板3には、図2に示すように、右側部にカートリッジ式給水タンク13から供給される加湿用の水を受ける水受部14が形成されるとともに、底板3と一体成型された仕切壁15を挟む他部側に、給水タンク13より水受部14に給水された水を所定の水位ためる水槽16が形成されており、この水槽16には下端部が水槽16内の水に浸された状態で加湿手段としての加湿フィルター17が設置されており、そして、この加湿フィルター17は通気性と吸水性を持つものである。
【0013】
前記底板3の外周全体には周壁18が底板3と一体に成型されており、そして、図5に示すように、この周壁18の前方側壁部18Aは、水受部14側の高さよりも水受部14から離れた部位Xの高さを約10〜30mm高く設定している。
【0014】
前記前パネル6は、それの左右両端部に複数の係止部19がそれぞれ形成されており、これら複数の係止部19が周側板4の左右両端部に形成した係合部20にそれぞれ係着されることにより、ケース本体1A前面の開放面Zが覆われるものである。21は外装ケース1内に収容された状態の給水タンク13に対向して前パネル6に設けられた給水タンク13の水量確認窓である。
【0015】
22はケース本体1A内の上部に横向きに設置された送風機であり、この送風機22は駆動モータ(図示せず)と、この駆動モータのモータ軸に軸止されたシロッコファン等の横流ファン22Aと、この横流ファン22Aを収容したファンケーシング22Bとから構成されている。
【0016】
そして、前記送風機22は、図2に示すように、空気浄化フィルター12及び空気吸込口11を介して外装ケース1内の吸込側空気流路アに吸引した室内空気を横流ファン12Aで加速して、ファンケーシング22Bの送風口23から下向きに吹出し、加湿フィルター17に送風することにより、その加湿フィルター17を通過させ、その際、加湿フィルター17に浸透した水を気化し、この加湿された空気を吹出側空気流路イ及び吐出口9を介して被加湿室へ吐出する。
【0017】
前記ファンケーシング22Bは、図5に示すように、左右に2分割された分割ケーシング24、25によって構成されており、これら左右の分割ケーシング24、25は、それぞれ合成樹脂にて成型されるとともに、吸込側空気流路アと吹出側空気流路イとを仕切る仕切板26及び水平仕切板27を一体成型して成り、そして、互いの接合部分がネジ28止めにより結合される。
【0018】
前記加湿フィルター17は、それの下部が前記水槽16内にためられた水に浸漬された状態で、その水槽16に着脱可能に設置され、前パネル6をケース本体1Aから取り外した状態のケース本体1A前面の開放面Zから水槽16に対して着脱可能としている。
【0019】
また、前記水槽16は、図3に示すように、長手方向の一側奥部に連絡路30を介して前記水受部14に連絡される補助水槽部16Aを有しており、この補助水槽部16Aには、図4に示すような、水槽16内にためられた加湿用の水(水道水)を除菌するための一対の除菌用電極31、32がホルダー33に保持されて設置されるとともに、これら一対の除菌用電極31、32に近接した状態で一つの水位検出電極34が設置されており、前記一対の除菌用電極31、32及一つの水位検出電極34は、それぞれ下部を水に浸漬した状態で補助水槽部16Aに設置されている。
【0020】
また、前記水位検出電極34は、通常、除菌用電極31、32と同様に一対を必要とするが、水位検出電極34と対向する側の一方の除菌用電極31が他方の水位検出電極を兼ねた構成としているので、一つのみの設置である。
【0021】
35は前記除菌用電極31、32及び水位検出電極34と加湿フィルター17との間に設けられた通気性を有する保護ネットであり、この保護ネット35は合成樹脂にて成型された格子状の多孔部材で構成され、前記加湿フィルター17の掃除・点検・交換時や加湿フィルター17を取り出して水槽16の掃除を行う時に、前記除菌用電極31、32並びに水位検出電極34に人の手指が触れるのを防止するものである。
【0022】
また、前記保護ネット35は、それの両端部がケース本体1A(周側板4の内面)内に対向して設けられたガイド溝37、37に介挿されてケース本体1A内に固定され、また、そのガイド溝37、37に介挿された状態の保護ネット35は、前記送風機22の送風口23が設けられた水平仕切板27によって抜け止めされている。
【0023】
尚、図2中の38は加湿器の運転を制御する制御器、39は加湿フィルター17を抑えるフィルター押さえ具であり、このフィルター押さえ具39はバネ性を有している。
【0024】
本実施形態において、内部に水道水等の加湿用の水が収容された給水タンク13を外装ケース1内にセットすると、この給水タンク13内の水は水受部14に滴下供給され、この水は水受部14から連絡路30を介して補助水槽16Aに供給され、水槽16内には所定の水位で水が溜められる。この水槽16内に溜められた水は毛細管現象によって加湿フィルター17に吸い上げられる。
【0025】
上述の状態において、操作部7に設けられた運転スイッチ入切スイッチ(図示せず)をオンして加湿器Aの運転を開始させると、送風機22の駆動モータ(図示せず)が起動し、被加湿室の空気が空気浄化フィルター12及び空気吸込口11を介して吸込側空気流路アに吸引され、その空気はファンケーシング22内でシロッコファン等の横流ファン22Aにより加速され、この加速された空気は送風口23から下向きに送り出されて、保護ネット35を通過した後、加湿フィルター17を通過し、ここで、加湿フィルター17に含漬された水を気化し、こうして加湿フィルター17を通過する際に加湿された空気は、吹出側空気流路イ及び吐出口9を介して被加湿室へ吐出され、被加湿室の加湿を行う。
【0026】
一方、補助水槽16Aに設置された一対の除菌用電極31、32に通電して、これら除菌用電極31、32により水に通電を行うと、殺菌力の大きなHC10(次亜塩素酸)が発生することになり、水槽16及び補助水槽16Aに貯溜された水が除菌されることになる。この一対の除菌用電極31、32には人体への悪影響の無いに程度の殺菌力のHC10(次亜塩素酸)を発生させるために、間歇的な通電を行なっている。
【0027】
また、一対の除菌用電極31、32の一方に近接した状態で補助水槽に設置された水位検出用電極34に通電し、一対の除菌用電極31、32のうち、一方の除菌用電極31を水位検出用電極34の対向電極として働かせることにより、水槽16内の水位が検出され、その検出信号が制御器38へ送られて、制御器38は、送風機22の駆動を停止させたり、渇水報知器(図示せず)で渇水を報知したりする。
【0028】
ここで、加湿機Aを長時間運転すると、加湿フィルター17に室内から吸込んだ埃等が蓄積し、加湿フィルター17が、所謂、目詰まりになると、加湿フィルター17の掃除を行う必要が有る。この場合、外装ケース1の前パネル6を外すと、ケース本体1Aの前面が開放されるため、フィルター押さえ具39をケース本体1Aから外した後、前記した開放面Zを利用して、加湿フィルター17を水槽16から外部へ取り出すことができる。こうして、外部へ取り出した加湿フィルター17は、掃除を行った後に再び水槽16に組み込んで使用する。
【0029】
本実施形態においては、前記補助水槽部16Aに、水槽16内にためられた加湿用の水(水道水)を除菌するための一対の除菌用電極31、32がホルダー33に保持されて設置されるとともに、これら一対の除菌用電極31、32のうち、一方の除菌用電極31に近接した状態で一つの水位検出電極34が設置されており、そして、一方の除菌用電極31を一つの水位検出用電極34の対向電極として兼用した構成であるから、従来、4個必要であった高価な電極の使用個数を3個に削減でき、コストを低減できるのはもちろんのこと、これら両電極を設置する補助水槽16Aが小くできる。
【0030】
また、前記一対の除菌用電極31、32と水位検出用電極34とが、水槽16に連なる状態で加湿フィルター17よりも奥部に形成された補助水槽16Aに配置されるとともに、これら両電極31、32、34と加湿フィルター17との間には保護ネット35が設けられているので、補助水槽16Aに配置された両電極31、32、34は、それらの前方に設置された保護ネット35によって保護されるため、例えば、顧客が加湿フィルター17や水槽16を掃除する際に、誤って、手指が両電極31、32、34に触れるのを防止することが可能となり、また、加湿フィルター17の水槽16への組込み時に、加湿フィルター17が両電極31、32、34に触れてそれらを変形させるような事態も防止できる。
【0031】
また、保護ネット35は樹脂成型品であるから、両電極31、32、34を確実に保護できる上、耐食性に優れると共に、製作も容易となせる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、空気吸込口及び吐出口を有し、底部には給水タンクより給水された水を所定水位までためる水槽を設けたケース本体と、水槽の水を加湿に供するための加湿手段と、水槽内にためられた水の除菌作用を成す一対の除菌用電極と、この一対の除菌用電極を水槽内に配置するために一対の除菌用電極を保持するホルダーと、水槽内の水位を検出する水位検出用電極とを備え、この水位検出用電極は、前記ホルダーに保持した一対の除菌用電極に近接した状態で前記水槽内に設置され、前記一対の除菌用電極のうち一方は、前記水位検出用電極の対向電極として働かせる構成であるから、コストの低減を図りつつ、電極設置スペースがコンパクトとなせる加湿機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す加湿機の外観斜視図である。
【図2】 同じく加湿機の要部縦断面図である。
【図3】 同じく加湿機の要部横断面図である。
【図4】 同じく水位検出用電極と除菌用電極を説明する説明図である。
【図5】 同じく前パネル、加湿フィルター、給水タンク及びタンク収容室蓋板をケース本体から外した状態の分解斜視図である。
【符号の説明】
A 加湿機
1 外装ケース
1A ケース本体
2 天板
3 底板
6 前パネル(着脱パネル)
7 操作部
9 吐出口
11 空気吸込口
13 カートリッジ式給水タンク
14 水受部
16 水槽
16A 補助水槽部(水槽)
17 加湿フィルター(加湿手段)
22 送風機
31 除菌用電極(一方)
32 除菌用電極(他方)
33 ホルダー
34 水位検出用電極
35 保護ネット

Claims (2)

  1. 空気吸込口及び吐出口を有し、底部には給水タンクより給水された水を所定水位までためる水槽を設けたケース本体と、水槽の水を加湿に供するための加湿手段と、水槽内にためられた水の除菌作用を成す一対の除菌用電極と、この一対の除菌用電極を水槽内に配置するために一対の除菌用電極を保持するホルダーと、水槽内の水位を検出する水位検出用電極とを備え、この水位検出用電極は、前記ホルダーに保持した一対の除菌用電極に近接した状態で前記水槽内に設置され、前記一対の除菌用電極のうち一方は、前記水位検出用電極の対向電極として働かせることを特徴とする加湿機。
  2. 前記加湿手段が通気性及び吸水性を持つ加湿フィルターであることを特徴とする請求項1に記載の加湿機。
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