JP4683348B2 - 電気抵抗溶接装置 - Google Patents

電気抵抗溶接装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4683348B2
JP4683348B2 JP2009209799A JP2009209799A JP4683348B2 JP 4683348 B2 JP4683348 B2 JP 4683348B2 JP 2009209799 A JP2009209799 A JP 2009209799A JP 2009209799 A JP2009209799 A JP 2009209799A JP 4683348 B2 JP4683348 B2 JP 4683348B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
welding
electrode
pressurizing
steel plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009209799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011041975A (ja
Inventor
好高 青山
省司 青山
Original Assignee
好高 青山
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 好高 青山 filed Critical 好高 青山
Priority to JP2009209799A priority Critical patent/JP4683348B2/ja
Priority to PCT/JP2010/062059 priority patent/WO2011021456A1/ja
Priority to EP10809801.3A priority patent/EP2468444B1/en
Priority to US13/389,296 priority patent/US9321121B2/en
Publication of JP2011041975A publication Critical patent/JP2011041975A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4683348B2 publication Critical patent/JP4683348B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は、片面側にプロジェクションボルトのような溶着用突起付きの部品が溶接され、その反対側の他面側が開放空間に露出している鋼板部品に対し、加圧電極を進出させて鋼板部品の片面側だけに前記部品の溶着用突起を加圧して、電気抵抗溶接をする装置に関している。以下の説明において、プロジェクションボルトを単にボルトと表現する場合もある。
スポット溶接においては、溶接装置とこの溶接装置によって動作する可動電極との間に圧縮コイルスプリングが配置され、2枚の鋼板部品が前記可動電極と固定電極の間に挟み付けられた状態で溶接される。
特許文献★★★★★★
特開平10−058152号公報
上記特許文献に記載されている技術は、2枚の鋼板部品が可動電極と固定電極の間に挟み付けられた状態で溶接されるものであるから、鋼板部品に対する電極の加圧力は所定の値に確実に設定することができる。しかしながら、片面側にプロジェクションボルトのような溶着用突起付きの部品が溶接され、その反対側の他面側が開放空間に露出している鋼板部品に対し、加圧電極を進出させて鋼板部品の片面側だけに前記部品の溶着用突起を加圧して電気抵抗溶接をするものにおいては、特殊な問題が発生する。
つまり、鋼板部品の他面側が開放空間に露出しているので、電極の加圧力が鋼板部品に作用すると、鋼板部品が弾性変形をする。そのために、加圧力を所定値に均一に維持することが困難となる。とくに、ハンディ式溶接装置の場合には、人力で加圧力が設定されるので、加圧力に異常なバラツキが発生し、溶着状態に不良が発生しやすいという問題があり、所定の溶接強度に達しないことがある。このような問題は、鋼板部品の片側が開放空間に露出しているために、その部分からの放熱量が多くなり、溶着部分の形状や大きさが適正な状態にならないということが、大きく影響している。
さらに重要な事項は、鋼板部品の厚さが変化したり、部品の溶着用突起の大きさや形状が変化したりすると、溶着用突起の鋼板部品に対する溶着加圧力が変化することである。このような変化状態に即応し得る溶接装置でなければ、安定した溶着部が確保できなくなる。
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、鋼板部品の片側に部品溶接を行いその反対側が開放空間に露出しているものにおいて、溶着用突起の鋼板部品に対する溶着加圧力が適正になった時点で溶接電流の通電を行い、しかも装置全体の構成をコンパクトにまとめることができる電気抵抗溶接装置の提供を目的とする。
請求項1記載の発明は、片面側に部品が溶接されその反対側の他面側が開放空間に露出している鋼板部品に対し、加圧電極を進出させて鋼板部品の片面側だけに前記部品の溶着用突起を加圧して、部品を鋼板部品に電気抵抗溶接をするものであって、加圧動作をする部材に結合された加圧部材と、前記加圧電極が結合された被加圧部材の間に、加圧電極の加圧力を蓄積する加圧力蓄積手段が配置され、前記加圧動作をする部材は作業者による加圧動作またはロボット装置による加圧動作によって加圧変位がなされる支持ブロックであり、この支持ブロックに前記加圧部材が結合してあり、前記加圧部材はその加圧変位によって前記被加圧部材との間で前記加圧力蓄積手段に加圧力を蓄積する部材であり、前記溶着用突起の鋼板部品に対する溶着加圧力は、前記加圧力蓄積手段の蓄積加圧力と、加圧電極の進出によって弾性変形をしている鋼板部品の弾性復元力が合算された値とされ、鋼板部品の厚さの変更および部品の溶着用突起の大きさや形状の変更に応じて設定される適正な溶着加圧力に相当する加圧長さに達した状態で検知動作をするセンサー手段が設けられ、このセンサー手段の被検知部材が前記被加圧部材とされ、前記加圧長さに適応させてセンサー手段が被加圧部材を検知するようにセンサー手段の動作位置を設定する加圧力調整手段が設けられ、前記センサー手段の検知信号によって電極に溶接電流を通電するように構成したことを特徴とする電気抵抗溶接装置である。
加圧部材が所定の箇所に変位したときの溶着用突起の鋼板部品に対する溶着加圧力が、加圧力蓄積手段の蓄積加圧力と、加圧電極の進出によって弾性変形をしている鋼板部品の弾性復元力を合算したものとなり、この所定の合算値に達した時点で溶接電流が通電される。つまり、加圧部材の所定変位量によって適正な溶着加圧力が設定され、この適正溶着加圧力に達した時点で溶接電流の通電を行わなければならない。前記加圧力調整手段によるセンサー手段の動作位置調整機能によって、所定の溶着加圧力に適した通電時期が設定されるので、適正な溶着加圧力の条件下で溶接電流の通電がなされて、良好な溶着部が確保できる。
鋼板部品の厚さの大小によって前記弾性復元力が変化したり、部品の溶着用突起の大きさや形状が変更されて溶着用突起の熱容量が変化したりすると、溶着用突起の鋼板部品に対する溶着加圧力をこれらの変化に対応した値に設定し、この設定値に達した時点で溶接電流の通電を行わなければならない。このような変化への対応は、前記加圧力調整手段によるセンサー手段の動作位置調整機能によって行われる。例えば、鋼板部品の厚さが大きくなるとともに、プロジェクションボルトの溶着用突起からプロジェクションナットの溶着用突起に変更された場合には、センサー手段の動作位置を調整することによって、適正溶着加圧力に達した時点で溶接電流の通電を行うことができ、上述のような種々な変化に対して常に均一な溶着部が確保できる。
このような種々な変化に対する対応は、とくに、人力で溶着加圧力が設定されるようなハンディ式溶接装置の場合において、溶着加圧力の異常なバラツキの発生を回避し、溶着状態の不良発生が解消される。
請求項2記載の発明は、前記加圧部材と被加圧部材の相対変位を電極の軸線に沿って行わせるためのガイド手段が加圧部材と被加圧部材との間に配置してあり、前記ガイド手段は、加圧電極の軸線方向と平行に配置された支持部材に取り付けられている請求項1記載の電気抵抗溶接装置である。
このような構成により、加圧部材と被加圧部材が加圧電極の軸線方向に沿った方向に相対変位をするので、加圧部材と被加圧部材の変位動作が円滑で正確になされる。
請求項3記載の発明は、前記加圧電極に溶接電流を供給する撓み変形可能な導通部材が、加圧電極の軸線を間にして前記ガイド手段の反対側に配置されている請求項2記載の電気抵抗溶接装置である。
このような構成により、加圧電極の軸線の両側に導通部材とガイド手段を配置することができ、装置全体をコンパクトに形成することができる。
請求項4記載の発明は、前記加圧力蓄積手段が2組平行な状態で配置され、この両加圧力蓄積手段の間を加圧電極の軸線が通過するように構成した請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電気抵抗溶接装置である。
このような構成により、2組の加圧力蓄積手段の設置によって加圧部材と被加圧部材の支持安定性が向上する。両加圧力蓄積手段の間を加圧電極の軸線が通過しているので、加圧力蓄積手段近傍の構造的なまとまりが良好になる。
請求項5記載の発明は、前記加圧力蓄積手段は、圧縮コイルスプリングで構成されている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電気抵抗溶接装置である。
このような構成により、確実な加圧力蓄積と構造の簡素化が実現する。
請求項6記載の発明は、前記加圧力蓄積手段は、流体式蓄圧ユニットで構成されている請求項1記載の電気抵抗溶接装置である。
このような構成により、確実な加圧力蓄積と構造の簡素化が実現する。
本願発明は、上述のような装置発明であるが、以下に記載する実施例から明らかなように、溶着用突起の加圧過程、鋼板部品の弾性復元力の作用過程等を特定した方法発明として存在させることができる。
電気抵抗溶接装置全体を示す側面図である。 図1の(2)−(2)断面図である。 図1の(3A)−(3A)断面図とそのB−B断面図である。 構造を簡素化して示した正面図である。 他の変形例を示す正面図である。
つぎに、本発明の電気抵抗溶接装置を実施するための形態を説明する。
図1〜図4は、実施例1を示す。
本発明において対象とされる部品としては種々なものがあるが、本実施例における部品はプロジェクションボルトである。
最初に、プロジェクションボルトについて説明する。
本実施例で溶接される鉄製のプロジェクションボルト1は、図1(B)に示すように、雄ねじが形成された軸部2と、この軸部2と一体的に形成され軸部2の直径よりも大径とされた円形のフランジ状の拡径部3と、前記軸部2とは反対側の拡径部3の中央に配置されている円形の溶着用突起4から構成されたものである。溶着用突起4の端面に、外周側が低くなる小さな傾斜角θのテーパ部5が形成されている。テーパ部5の中心部に頂部6が形成されている。
ボルト1の各部の寸法はつぎのとおりである。軸部2の直径は7mm、拡径部3の直径は13.5mm、溶着用突起4の直径は10mm、拡径部3の厚さは1.1mm、溶着用突起4の全高さは1.3mm、テーパ部5の傾斜角θは9度である。
なお、前記頂部6は、機械加工による尖った形状や、金型成型によるわずかな丸味を持った形状等に仕上げられており、通電初期の電流密度は両者ともほぼ同じである。この点は、頂部6をわずかな直径の円形の平面部にした場合も同様である。例えば、この円形の平面部の直径は、0.5mmである。
つぎに、装置構造について説明する。
変圧器(図示していない)から延びてきている給電ケーブル8が導通基板9に結合され、この導通基板9に棒状の絶縁部材10がねじ構造部11によって固定されている。このねじ構造部11は図1(A)に示すように、絶縁部材10の雄ねじ部12を導通基板9に貫通させ、そこに固定ナット13を締め付けた一般的なものである。絶縁部材10は合成樹脂で構成され、例えば、ポリアミド樹脂が使用されている。
分厚いステンレス鋼板で作られた支持ブロック14に、絶縁部材10に形成した雄ねじ部15をねじ込んで、絶縁部材10と支持ブロック14の一体化がなされている。この支持ブロック14の下側にステンレス鋼板で構成された細長い短冊状の加圧部材17が固定されている。
前記加圧部材17に加圧変位を伝達する部材が、導通基板9、絶縁部材10、支持ブロック14等であり、これらが加圧動作をする部材である。そして、この加圧動作をする部材に加圧部材17が結合してある。換言すると、加圧部材17は加圧側の部材である。
前記加圧部材17によって加圧される部材が被加圧部材18である。この被加圧部材18は、加圧部材17と同じ形状や構成材料であり、加圧電極19が結合されている。この加圧電極19は図4に示すように、その結合軸部20を被加圧部材18の中央部に貫通し、溶接部21で加圧電極19と被加圧部材18の一体化が図られている。
なお、図4は理解しやすくするために、簡略化して図示してある。
符号O−Oは電極軸線を示しており、この軸線上に加圧電極19、絶縁部材10が配置してある。
つぎに、加圧力蓄積手段について説明する。
加圧力蓄積手段22は、前記加圧部材17の加圧変位によって加圧電極19の加圧力を蓄積するものであり、加圧変位によって弾力を蓄積して加圧電極19に加圧力を付与する。その構造としては、圧縮コイルスプリング、圧縮流体による弾発ユニット等いろいろなものが採用できる。
この実施例では、圧縮コイルスプリング23を用いたものであり、2本の圧縮コイルスプリング23が加圧部材17と被加圧部材18の間に配置してある。加圧部材17に平行な状態で固定された2本のガイド軸24が圧縮コイルスプリング23内を貫通している。ガイド軸24は電極軸線O−Oと平行に配置され、図2や図4から明らかなように、電極軸線O−Oが両ガイド軸24の中央部を貫通している。
ガイド軸24の下部は、被加圧部材18に設けた通孔25を貫通し、その端部にストッパ用のダブルナット26が取り付けられている。このダブルナット26の位置を調節することによって、加圧部材17と被加圧部材18の間隔が設定され、圧縮コイルスプリング23の張力が受け止められている。
つぎに、ガイド手段について説明する。
前記加圧部材17と被加圧部材18の相対変位を電極軸線O−Oに沿って行わせるために、ガイド手段28が加圧部材17と被加圧部材18の間に配置してある。前記支持ブロック14に、図1および図3に示すように、ステンレス鋼板製の細長い支持部材29が電極軸線O−Oと平行な状態で取り付けられている。この支持部材29の内側に案内部材30が固定され、その両側に電極軸線O−Oと平行な状態で案内溝31が形成され、ここにスライド部材32のスライド片33がはめ込まれている。このスライド部材32に結合部材34が固定され、その下部が被加圧部材18に溶接してある。符号35は、その溶接部である。
つぎに、導通部材について説明する。
前記導通基板9から加圧電極19に溶接電流を給電するために、撓み変形が可能な導通部材36が設けてある。この導通部材36は、細長くて薄い銅板を多数積層したもので、撓み変形をする湾曲部37が設けてある。導通部材36の一端は、ボルト結合部38によって導通基板9に結合してある。このボルト結合部38は、導通基板9と導通部材36に固定ボルト39を貫通し、突き出た箇所を固定ナット40で締め付けたものである。
導通部材36の他端は、断面コ字型の接続部材42に前記ボルト結合部38と同様な構造で結合してある。この接続部材42は、導通ブロック43に前記ボルト結合部38と同様な構造で結合してある。前記導通ブロック43に結合孔44があけられ、ここに加圧電極19の結合軸部20が圧入してある。
そして、導通部材36は、電極軸線O−Oを間にして前記ガイド手段28の反対側に配置してある。したがって、ガイド手段28は電極軸線O−Oの片側に配置され、導通部材36は電極軸線O−Oの他側に配置されている。
前記接続部材42を採用することによって、導通部材36の長さを短くすることができ、さらに湾曲部37が図1(A)の右側へ張り出す寸法を小さくして、構造をコンパクトにしている。
各図において、結合部分に一点鎖線が記載されている箇所に符号38が記載され、前記ボルト結合部38と同様な構造が採用されている。なお構造上、固定ナット40がなくて、固定ボルト39を強固にねじ込んだ箇所もある。
つぎに、加圧電極について説明する。
加圧電極19の先端側に電極本体45が接合され、その端面中央部に電極軸線O−Oと同軸の受入孔46があけられている。受入孔46内に永久磁石47が挿入され、受入孔46に挿入したボルト1が永久磁石47に吸引されて、落下しないようになっている。
つぎに、鋼板部品の態様について説明する。
鋼板部品48は平たい形状であり、支持治具49上に載置してある。この鋼板部品48は、片面側にボルト1が溶接されその反対側の他面側が開放空間50に露出しており、加圧電極19を進出させて鋼板部品48の片面側だけに前記ボルト1の溶着用突起4を加圧して、ボルト1の電気抵抗溶接が行われる。この鋼板部品48の厚さは、0.7mmである。
つぎに、取っ手について説明する。
本実施例にかかる溶接装置は、鋼板部品48の片面にボルト1を電気抵抗溶接で溶接し、他面側は開放空間50に露出しているものに適用される。このような溶接装置を作業者がポータブルなハンディタイプとして使用するために、取っ手51が設けてある。図1(A)の2点鎖線図示や図2から明らかなように、固定ブロック52に絶縁部材10を貫通させて一体化し、この固定ブロック52に棒状の取っ手51が設けてある。なお、この溶接装置をロボット装置(図示していない)に取り付けて動作させることも可能である。
作業者が取っ手51を持って溶接装置全体を鋼板部品48の方へ移動させると、電極本体45に支持したボルト1の溶着用突起4が鋼板部品48に押し付けられる。この押し付けによって図4に示すように、ガイド軸24が通孔25内を通過して加圧部材17と被加圧部材18の間隔が縮まる。これによって、圧縮コイルスプリング23が加圧部材17と被加圧部材18の間で押し縮められ、加圧力蓄積手段である圧縮コイルスプリング23に加圧力が蓄積される。一方、このような加圧によって鋼板部品48が開放空間50の方へ弾性変形をする。この弾性変形によって弾性復元力53が発生する。図4に示した弾性変形は、理解しやすくするために変形量を誇張して図示してある。
上述のような動作によって、前記溶着用突起4の鋼板部品48に対する溶着加圧力は、加圧力蓄積手段である圧縮コイルスプリング23の蓄積加圧力と、加圧電極19の進出によって弾性変形をしている鋼板部品48の弾性復元力53が合算された値となる。このような合算された溶着加圧力は、鋼板部品48の厚さとか、溶着用突起4の大きさや形状に応じて適正値が設定される。そのために圧縮コイルスプリング23の圧縮長さが所定の長さになった時点で溶接電流を通電する必要がある。そこで、後述のセンサー手段が設けてある。
つぎに、センサー手段について説明する。
図4に示すように、加圧部材17が所定の位置に変位し、圧縮コイルスプリング23が所定の圧縮長さになったときに動作して加圧電極19に溶接電流を通電するセンサー手段54が設けられている。このセンサー手段54の動作位置を設定して前記溶着加圧力が適正な値になった状態で加圧電極19に溶接電流を通電する。センサー手段54の動作位置を適正に設定するために、加圧力調整手段55が設けられている。
前記センサー手段54としては、光学的に検知するものや、電磁的に検知するもの等種々なものが採用できる。この実施例では、電磁的なタイプのものであり、センサー56の感知面から発信されている磁界を被検知部材である被加圧部材18が横切ると動作信号が発信され、この信号によって溶接電流の通電がなされる。
センサー56の動作位置を調整する加圧力調整手段55は、調整用の長孔や固定ナットを利用したものである。加圧部材17に細長い板材57を固定し、そこに長孔58を電極軸線O−Oと平行に形成してある。この長孔58にセンサー56を挿入し、センサー56の雄ねじに固定ナット59を締め込んで板材57に締め付けてある。センサー56の位置は、長孔58に沿って調節される。
鋼板部品48の厚さや溶着用突起4の大きさ等によって前記溶着加圧力が変化するので、鋼板部品48の厚さや溶着用突起4の大きさ等と、加圧長さL(図4参照)の相関が相関テーブルのような状態で記録してある。そして、この相関テーブルから読み出された加圧長さLを前記加圧力調整手段55によって設定する。この加圧長さLは、鋼板部品48の厚さや溶着用突起4の大きさ等が変わる度に設定し直される。このようにして適正溶着加圧力に達した時点で溶接電流の通電が行われる。
つぎに、溶接条件について説明する。
溶着用突起4の鋼板部品48に対する溶着加圧力は、200Kgfであり、溶接電流の電流値は9000A、通電時間は6サイクル(1サイクルは1/60秒)である。
このような条件で溶接されたボルト1を、鋼板部品48を固定した状態で引っ張りテストを行った結果、325Kgfで鋼板部品48が円形に破断した。つまり、溶着部自体は破断せずに鋼板部品48の板側に破断が発生した。このような破断状態は、溶着部の溶接強度が著しく高いものであると判定される。325Kgfの値は、例えば、自動車のダッシュパネルに空調機の熱交換器を取り付けるのに十分なものである。
なお、上述のセンサー56からの信号によって溶接電流が通電される動作は、一般的に採用されている制御手法で容易に行わせることが可能である。制御装置またはシーケンス回路にセンサー56からの信号が入力され、それによって動作するスイッチ手段を用いることによって、所定の通電動作を確保することができる。
上述の実施例における鋼板部品48は平板状の部材であるが、これを自動車の車体における中空の閉断面構造部、例えば、ピラー構造部の表面にボルト1を溶接するようにしてもよい。この場合は、閉断面構造部の内部空間が前記開放空間50を形成することになる。
以上に説明した実施例1の作用効果は、つぎのとおりである。
加圧部材17が所定の箇所に変位したときの溶着用突起4の鋼板部品48に対する溶着加圧力が、加圧力蓄積手段である圧縮コイルスプリング23の蓄積加圧力と、加圧電極19の進出によって弾性変形をしている鋼板部品48の弾性復元力53を合算したものとなり、この所定の合算値に達した時点で溶接電流が通電される。つまり、加圧部材17の所定変位量によって適正な溶着加圧力が設定され、この適正溶着加圧力に達した時点で溶接電流の通電を行わなければならない。前記加圧力調整手段55によるセンサー手段54の動作位置調整機能によって、所定の溶着加圧力に適した通電時期が設定されるので、適正な溶着加圧力の条件下で溶接電流の通電がなされて、良好な溶着部が確保できる。
鋼板部品48の厚さの大小によって前記弾性復元力53が変化したり、ボルト1の溶着用突起4の大きさや形状が変更されて溶着用突起4の熱容量が変化したりすると、溶着用突起4の鋼板部品48に対する溶着加圧力をこれらの変化に対応した値に設定し、この設定値に達した時点で溶接電流の通電を行わなければならない。このような変化への対応は、前記加圧力調整手段55によるセンサー手段54の動作位置調整機能によって行われる。例えば、鋼板部品48の厚さが大きくなるとともに、プロジェクションボルトの溶着用突起からプロジェクションナットの溶着用突起に変更された場合には、センサー手段54の動作位置を調整することによって、適正溶着加圧力に達した時点で溶接電流の通電を行うことができ、上述のような種々な変化に対して常に均一な溶着部が確保できる。
このような種々な変化に対する対応は、とくに、人力で溶着加圧力が設定されるようなハンディ式溶接装置の場合において、溶着加圧力の異常なバラツキの発生を回避し、溶着状態の不良発生が解消される。
前記加圧部材17と被加圧部材18の相対変位を電極軸線O−Oに沿って行わせるためのガイド手段28が加圧部材17と被加圧部材18との間に配置してあり、前記ガイド手段28は、加圧電極19の軸線方向O−Oと平行に配置された支持部材29に取り付けられている。
このような構成により、加圧部材17と被加圧部材18が加圧電極19の軸線方向に沿った方向O−Oに相対変位をするので、加圧部材17と被加圧部材18の変位動作が円滑で正確になされる。
前記加圧電極19に溶接電流を供給する撓み変形可能な導通部材36が、加圧電極19の軸線O−Oを間にして前記ガイド手段28の反対側に配置されている。
このような構成により、加圧電極19の軸線O−Oの両側に導通部材36とガイド手段28をそれぞれ配置することができ、装置全体をコンパクトに形成することができる。
前記加圧力蓄積手段である圧縮コイルスプリング23が2組平行な状態で配置され、この両加圧力蓄積手段23の間を加圧電極19の軸線O−Oが通過するように構成した。
このような構成により、2組の圧縮コイルスプリング23の設置によって加圧部材17と被加圧部材18の支持安定性が向上する。両圧縮コイルスプリング23の間を加圧電極19の軸線O−Oが通過しているので、加圧力蓄積手段近傍の構造的なまとまりが良好になる。
前記加圧力蓄積手段は、圧縮コイルスプリング23で構成されている。
このような構成により、確実な加圧力蓄積と構造の簡素化が実現する。
図5は、実施例2を示す。
この実施例2は、前記加圧力蓄積手段22が流体式蓄圧ユニットで構成されている。加圧部材17と被加圧部材18の間に、流体式蓄圧ユニット61が配置してある。この流体式蓄圧ユニット61は、流体が圧縮性のある空気であり、加圧部材17にシリンダボディ62が固定され、そこに形成されたシリンダ63にピストン64が挿入してあり、そのピストンロッド65がシリンダボディ62から突き出て被加圧部材18に結合してある。ピストン64は電極軸線O−Oと同方向に進退するようになっている。
ピストン64の上側と下側のシリンダ空間が通路66で連通状態とされ、この通路66の途中に制御弁67が配置してある。この制御弁67は、上側のシリンダ空間から下側のシリンダ空間に向かう空気流に絞り抵抗を付与する絞り弁68が挿入され、その逆方向には逆止弁69が挿入されている。なお、被加圧部材18に固定したガイドロッド70が、シリンダボディ62のガイド孔71に進退可能な状態で挿入され、進退動作の円滑化を行っている。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の実施例1と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
加圧電極19が進出してボルト1の溶着用突起4が鋼板部品48に加圧されると、空気が上側のシリンダ空間から下側に押し出されるので、上側のシリンダ空間に空気が圧縮された状態で封じ込められ、それによって加圧力が蓄積される。
前記加圧力蓄積手段22は、流体式蓄圧ユニット61で構成されているので、確実な加圧力蓄積と構造の簡素化が実現する。それ以外の作用効果は、先の実施例1と同じである。
上述のように、本発明の装置によれば、鋼板部品の片側に部品溶接を行いその反対側が開放空間に露出しているものにおいて、溶着用突起の鋼板部品に対する溶着加圧力が適正になった時点で溶接電流の通電を行い、しかも装置全体の構成をコンパクトにまとめることができるものであるから、自動車の車体溶接工程や、家庭電化製品の板金溶接工程などの広い産業分野で利用できる。
1 プロジェクションボルト
2 軸部
3 拡径部
4 溶着用突起
17 加圧部材
18 被加圧部材
19 加圧電極
22 加圧力蓄積手段
23 圧縮コイルスプリング
28 ガイド手段
29 支持部材
36 導通部材
48 鋼板部品
50 開放空間
51 取っ手
53 弾性復元力
54 センサー手段
55 加圧力調整手段
56 センサー
61 流体式蓄圧ユニット
O−O 電極軸線
L 加圧長さ

Claims (6)

  1. 片面側に部品が溶接されその反対側の他面側が開放空間に露出している鋼板部品に対し、加圧電極を進出させて鋼板部品の片面側だけに前記部品の溶着用突起を加圧して、部品を鋼板部品に電気抵抗溶接をするものであって、
    加圧動作をする部材に結合された加圧部材と、前記加圧電極が結合された被加圧部材の間に、加圧電極の加圧力を蓄積する加圧力蓄積手段が配置され、
    前記加圧動作をする部材は作業者による加圧動作またはロボット装置による加圧動作によって加圧変位がなされる支持ブロックであり、この支持ブロックに前記加圧部材が結合してあり、前記加圧部材はその加圧変位によって前記被加圧部材との間で前記加圧力蓄積手段に加圧力を蓄積する部材であり、
    前記溶着用突起の鋼板部品に対する溶着加圧力は、前記加圧力蓄積手段の蓄積加圧力と、加圧電極の進出によって弾性変形をしている鋼板部品の弾性復元力が合算された値とされ、
    鋼板部品の厚さの変更および部品の溶着用突起の大きさや形状の変更に応じて設定される適正な溶着加圧力に相当する加圧長さに達した状態で検知動作をするセンサー手段が設けられ、
    このセンサー手段の被検知部材が前記被加圧部材とされ、
    前記加圧長さに適応させてセンサー手段が被加圧部材を検知するようにセンサー手段の動作位置を設定する加圧力調整手段が設けられ、
    前記センサー手段の検知信号によって電極に溶接電流を通電するように構成したことを特徴とする電気抵抗溶接装置。
  2. 前記加圧部材と被加圧部材の相対変位を電極の軸線に沿って行わせるためのガイド手段が加圧部材と被加圧部材との間に配置してあり、前記ガイド手段は、加圧電極の軸線方向と平行に配置された支持部材に取り付けられている請求項1記載の電気抵抗溶接装置。
  3. 前記加圧電極に溶接電流を供給する撓み変形可能な導通部材が、加圧電極の軸線を間にして前記ガイド手段の反対側に配置されている請求項2記載の電気抵抗溶接装置。
  4. 前記加圧力蓄積手段が2組平行な状態で配置され、この両加圧力蓄積手段の間を加圧電極の軸線が通過するように構成した請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電気抵抗溶接装置。
  5. 前記加圧力蓄積手段は、圧縮コイルスプリングで構成されている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電気抵抗溶接装置。
  6. 前記加圧力蓄積手段は、流体式蓄圧ユニットで構成されている請求項1記載の電気抵抗溶接装置。
JP2009209799A 2009-08-19 2009-08-19 電気抵抗溶接装置 Active JP4683348B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009209799A JP4683348B2 (ja) 2009-08-19 2009-08-19 電気抵抗溶接装置
PCT/JP2010/062059 WO2011021456A1 (ja) 2009-08-19 2010-07-16 電気抵抗溶接装置とその電極および溶接方法
EP10809801.3A EP2468444B1 (en) 2009-08-19 2010-07-16 Electric resistance welding device
US13/389,296 US9321121B2 (en) 2009-08-19 2010-07-16 Electric resistance welding device, electrode therefor, and welding method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009209799A JP4683348B2 (ja) 2009-08-19 2009-08-19 電気抵抗溶接装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011041975A JP2011041975A (ja) 2011-03-03
JP4683348B2 true JP4683348B2 (ja) 2011-05-18

Family

ID=43829806

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009209799A Active JP4683348B2 (ja) 2009-08-19 2009-08-19 電気抵抗溶接装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4683348B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2272041B (en) * 1992-10-28 1995-10-25 Unidrive Pty Ltd Propeller shafts
JPH10328843A (ja) * 1997-06-04 1998-12-15 Yashima:Kk スタッド溶植ガン
JP4314622B2 (ja) * 2006-07-18 2009-08-19 好高 青山 電気抵抗溶接用軸状部品とその溶接方法
JP4547681B2 (ja) * 2006-08-16 2010-09-22 好高 青山 中空パイプ材に対するプロジェクションボルトの溶接方法
JP4521639B2 (ja) * 2006-08-21 2010-08-11 好高 青山 円形断面部材用プロジェクションボルトとその溶接方法
JP2008272821A (ja) * 2007-05-01 2008-11-13 Yoshitaka Aoyama 溶接装置
JP5207107B2 (ja) * 2007-06-07 2013-06-12 好高 青山 中空鋼板部品の溶接装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011041975A (ja) 2011-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108465928B (zh) 具有位于相同侧上的电极的电阻焊头
JP5199967B2 (ja) ターミナル部材
US9321121B2 (en) Electric resistance welding device, electrode therefor, and welding method
EP2899737B1 (en) Electromagnetic relay
CN108274105B (zh) 焊头
EP3185364A1 (en) Press-fit terminal
JP4683348B2 (ja) 電気抵抗溶接装置
CN104968466A (zh) 焊接设备和焊接方法
CN109641333B (zh) 夹紧装置
CN101474715A (zh) 具有自对准特征的焊接电极组件
JP2007000930A (ja) 小径軸状部品の溶接方法および溶接装置ならびに小径軸状部品
US20180375242A1 (en) Terminal fitting, and connector
JP5843683B2 (ja) タンデム溶接トーチ
JP7017718B2 (ja) 袋ナット用の電気抵抗溶接電極
JP4683349B2 (ja) 電気抵抗溶接における電極と溶接方法
KR101716095B1 (ko) 핀 터미널 압착기
JP6713128B2 (ja) 電気抵抗溶接装置
JP5773303B2 (ja) 筒状加圧部材を備えた電気抵抗溶接の電極
CN216622536U (zh) 一种用于穿心式分流器测试的检测工装
JP4198117B2 (ja) フレッチング腐食試験装置
TW201433783A (zh) 檢測設備
CN219799554U (zh) 一种散热风扇测试用接线夹
JP2016043366A (ja) 繊維強化樹脂部材と金属部材との接合方法及びその接合体
JP5013344B2 (ja) 孔あき部品の供給装置
CN107504894B (zh) 一种用于应变仪的接线端子

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110118

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110127

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20200218

Year of fee payment: 9

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4683348

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250