JP2007000930A - 小径軸状部品の溶接方法および溶接装置ならびに小径軸状部品 - Google Patents

小径軸状部品の溶接方法および溶接装置ならびに小径軸状部品 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱容量の小さな小径軸状部品の先端部を鋼板部品に対して適正な溶融量のもとに正確に溶接でき、しかも溶接後の小径軸状部品の高さ寸法等を所定の値に設定することができる小径軸状部品の溶接方法および溶接装置ならびに小径軸状部品を提供する。
【解決手段】 鋼板部品10に小径軸状部品1の先端部を加圧した後、溶接電流を通電し、この通電によって前記先端部と鋼板部品10との加圧部に生じた溶融部9の溶融熱を、小径軸状部品1の軸部2よりも大径とされているとともにこの軸部2と一体的に形成された熱吸収用の頭部3に吸熱させる。こうすることにより、溶融部9の溶融範囲が過大になることが防止できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、小径軸状部品の溶接方法および溶接装置ならびに小径軸状部品であり、とくに、小径軸状部品を電極に確実に保持し、しかも小径軸状部品の溶融部における溶融熱の放熱を適正に行うものに関している。
例えば、プロジェクションボルトのような軸状部品は、雄ねじが切られた軸部と、この軸部と一体のフランジと、軸部とは反対側のフランジ面に設けた溶着用突起から構成されている。このようなプロジェクションボルトを鋼板部品に電気抵抗溶接で溶着させるときには、可動電極の収容孔内に軸部を挿入してプロジェクションボルトを可動電極に保持し、この状態で可動電極を進出させて溶着用突起を鋼板部品に圧接した後、溶接電流を通電して溶着用突起と鋼板部品とが溶融して両者の一体化がなされる。
上記の溶接においては、フランジの溶着用突起が鋼板部品に溶着され、このフランジに軸部が一体化されている状態である。したがって、軸部が小径であってもフランジ部分の溶着によってプロジェクションボルト全体の溶着が成立しているので、可動電極によって溶着用突起に加えられる加圧力や、溶接電流の通電時間等の設定は比較的広い幅で行うことができる。換言すると、軸部よりも大径のフランジにおいて溶融部の熱が吸収されるので、小径の軸部に対し熱的な悪影響が及ばないのである。
特開平7−223078号公報 米国特許第5508488号明細書
上述のように、フランジやそれと一体の溶着用突起を備えたプロジェクションボルトにおいては、軸部が小径になっても問題なく溶接することができるが、小径の軸部の先端部を直接相手方部材である鋼板部品に溶接する場合には、つぎのような問題がある。
例えば、断面が円形で直径が3mm、長さが5mmの鉄製またはステンレス鋼製軸状部品の先端部を厚さ0.6mmの鋼板部品に押し付けて電気抵抗溶接をする場合には、軸状部品の体積が少なくて熱容量が小さいので、前記先端部だけを所定量溶融させて鋼板部品に溶着させることが困難である。
すなわち、上記のように熱容量が小さいので、溶融部の溶融量が過大になって溶着後の軸状部品の長さが所定長さよりも短くなったり、軸状部品の軸線が鋼板部品に対して傾斜したりする。このような問題を解消するために、軸状部品に付与する加圧力や通電時間等の溶接条件を種々組み合わせるのであるが、結果的には、熱容量の不足のため溶接条件の微妙な制御が厳密になりすぎて、適正な溶接品質を維持することが実質的に不可能となる。
さらに、重要視される問題点は、小径の軸部を電極に保持させることを確実に行うことである。軸部が小径であると、電極の小径な孔内に軸部を差し込むような方式となるのであるが、このような方式では軸部が確実に電極に保持されないという問題がある。このような問題により、軸部と電極との軸線が合致しないために軸部が相手方部品に対して所定の相対位置に溶接されなかったり、あるいは、軸部が電極から外れたりすることが発生する。これらの現象は、良好な通電性を維持することができないという問題をも生じさせる。
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、小径の軸部を確実に電極に保持し、熱容量の小さな軸部を鋼板部品に対して適正な溶融量のもとに正確に溶接して、所定の溶接強度と小径軸状部品の高さ寸法等を確保することができる小径軸状部品の溶接方法および溶接装置ならびに小径軸状部品を提供することを目的とする。
とくに、上記溶接が、電気抵抗溶接によって行われる際の問題点を解決することに主眼がおかれている。
問題を解決するための手段
本発明は、以上に述べた問題点を解決するために提供されたもので、請求項1記載の発明は、小径軸状部品は、小径の軸部と、この軸部の一端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部から構成され、前記熱吸収用の頭部を電極に保持した状態で、他方の電極上に載置された鋼板部品に前記軸部の先端部を加圧した後、この加圧状態において前記先端部と鋼板部品との間に溶接電流を通電し、この通電によって前記先端部と鋼板部品との加圧部に生じた溶融部の溶融熱を、軸部を経由して熱吸収用の頭部に吸熱させることを特徴とする小径軸状部品の溶接方法である。
また、請求項11記載の発明は、小径軸状部品は、小径の軸部と、この軸部の一端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部から構成され、前記軸部の先端部を鋼板部品に電気抵抗溶接をする装置であって、前記鋼板部品が載置される固定電極と、前記小径軸状部品の頭部を収容孔内に保持して前記軸部の先端部を鋼板部品に加圧した後溶接電流を通電する可動電極と、前記熱吸収用の頭部の一部に密着する前記収容孔の内面とを含んで構成されていることを特徴とする小径軸状部品の溶接装置である。
請求項14記載の発明は、小径の軸部と、この軸部の一端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部から構成され、前記熱吸収用の頭部が電極に保持される部分とされ、前記軸部の先端部が相手方部材に電気抵抗溶接される部分とされていることを特徴とする小径軸状部品である。
請求項18記載の発明は、異なった形状の小径軸状部品を対象にしたものであって、小径軸状部品は、小径の軸部と、この軸部の一端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部と、前記軸部の他端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた補助頭部から構成され、前記熱吸収用の頭部を電極に保持した状態で、他方の電極上に載置された鋼板部品に前記補助頭部の先端部を加圧した後、この加圧状態において前記先端部と鋼板部品との間に溶接電流を通電し、この通電によって前記先端部と鋼板部品との加圧部に生じた溶融部の溶融熱を、補助頭部および軸部を経由して熱吸収用の頭部に吸熱させることを特徴とする小径軸状部品の溶接方法である。
請求項28記載の発明は、異なった形状の小径軸状部品を対象にしたものであって、小径軸状部品は、小径の軸部と、この軸部の一端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部と、前記軸部の他端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた補助頭部から構成され、前記補助頭部の先端部を鋼板部品に電気抵抗溶接をする装置であって、前記鋼板部品が載置される固定電極と、前記小径軸状部品の頭部を収容孔内に保持して前記補助頭部の先端部を鋼板部品に加圧した後溶接電流を通電する可動電極と、前記熱吸収用の頭部の一部に密着する前記収容孔の内面とを含んで構成されていることを特徴とする小径軸状部品の溶接装置である。
請求項31記載の発明は、異なった形状の小径軸状部品を対象にしたものであって、小径の軸部と、この軸部の一端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部と、前記軸部の他端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた補助頭部から構成され、前記熱吸収用の頭部が電極に保持される部分とされ、前記補助頭部の先端部が相手方部材に電気抵抗溶接される部分とされていることを特徴とする小径軸状部品である。
発明の効果
独立項である前記請求項1記載の溶接方法の発明には、つぎの作用効果がある。
軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部が電極に保持されるので、種々な外力に対して安定した頭部保持がなされ、溶接時の加圧動作時に、電極と小径軸状部品との所定の相対位置に狂いが発生することがない。例えば、小径軸状部品が鋼板部品に対して傾斜することなく垂直に正確に溶接することが可能となる。
前記先端部と鋼板部品との加圧部に生じた溶融部の溶融熱が軸部を経て頭部に伝熱される。このときには、軸部は小径で熱容量が小さいので溶融部の熱は急速に軸部を流れて熱容量の大きな頭部にいたる。このような熱流によって溶融部が過剰に拡大することが防止される。したがって、溶融部の溶融量が異常に多くなることが防止され、小径な軸部の溶着にとって適正な溶融量が確保でき、十分な溶着強度が得られ、軸部の高さ寸法も所定どおりに設定できる。
前記溶融量は、溶融領域が軸部の断面全体に及ぶことが高い溶接強度を確保する面から重要であるが、さらには軸部の軸線方向の溶融量が必要最小限にとどまっていることが重要である。本発明においては、溶融部からの熱流が前記のように熱容量の大きな頭部に向かっているので、軸線方向の溶融量が異常に多くなることが抑制されるのである。したがって、溶融量過多による軸部の高さ不足が防止され、溶接後の小径軸状部品の高さ寸法が正確に求められる。同時に、軸部の断面全体に及ぶ溶融領域が確保されて、十分な溶接強度が得られる。
上記のように、軸部の先端部における溶融熱を頭部に吸熱させるものなので、溶接電流の通電時間,軸状部品の加圧力および通電電流値等の溶接条件の厳密さが緩和される。したがって、溶着部の溶融量を許容範囲内に管理することが行いやすくなり、溶接品質の向上にとって効果的である。
請求項2記載の発明は、前記頭部は電極に形成された収容孔内に保持され、この収容孔の内面に頭部の一部が密着している請求項1記載の小径軸状部品の溶接方法である。
このように頭部が収容孔内に収容され、頭部の一部が収容孔の内面に密着しているので、電極から軸状部品への通電が確実になされ、また、電極の動作変位が軸状部品に対して正確に伝達され、軸部の先端部と鋼板部品との圧接が確実に得られ、適正な溶着を行わせるのに有効である。さらに、このような密着によって、熱伝導状態が良好な条件下で、頭部の熱が収容孔の内面を経て電極側に吸熱されるので、溶融部近傍の高い熱量を迅速に頭部へ伝熱することができ、溶融部を必要最小限の範囲内にとどめることが可能となる。すなわち、頭部から電極側への熱伝達が良好で頭部の温度が低く維持されるから、溶融部近傍の部位と頭部との間の熱勾配が大きく設定でき、溶融部近傍から頭部への熱流を確実にかつ積極的に行わせることが実現する。
請求項3記載の発明は、前記頭部に設けられた平坦な頂面が、前記小径軸状部品の軸線に対して垂直な状態となるように配置され、前記電極の収容孔の内面に前記頂面が密着した状態で電極が前記軸線と同方向に進出するようにした請求項1または請求項2記載の小径軸状部品の溶接方法である。
前記頭部の頂面が小径軸状部品の軸線に対して垂直な位置関係となり、しかも電極の収容孔の内面と頂面とが密着した状態で前記軸線の方向へ電極が進出する。これにより、小径軸状部品に対する加圧力は小径軸状部品の軸線方向に正確に作用することとなり、小径軸状部品を傾斜させる力成分が発生せず、小径軸状部品は鋼板部品に対して所定の角度、例えば、垂直の起立姿勢で正しく溶接される。
電極の進出によって小径軸状部品の先端部が鋼板部品に対して加圧され溶融が開始されると、溶融部は液状になっているので、わずかな傾斜方向の力で小径軸状部品は傾斜し、溶着完了時には小径軸状部品が鋼板部品に対して所定の角度、例えば、垂直にならないことが発生する。しかしながら、頭部の頂面が収容孔の内面に密着し、小径軸状部品の軸方向に電極が進出することにより、傾斜方向の力成分が発生しないので、溶融部の液状状態が一時的に存在しても、小径軸状部品は所定の角度で正しく鋼板部品に溶接される。
請求項4記載の発明は、前記収容孔が形成された電極に吸引手段が組み込まれ、この吸引手段の吸引力によって前記頂面が収容孔の内面に密着している請求項3記載の小径軸状部品の溶接方法である。
このように吸引手段の吸引力によって頭部の頂面が収容孔の内面に密着しているので、この密着状態が確実に維持される。したがって、電極の収容孔における頭部の保持力すなわち保持安定性が向上する。
さらに、前記のように、小径軸状部品に対する正確な加圧力の伝達や小径軸状部品の傾き防止が確実になされる。また、吸引手段は、磁石や空気の吸引負圧等によって簡単に実現できるので、電極の構造が複雑になることが最小化され、構造簡素化の面で有利である。
請求項5記載の発明は、前記小径軸状部品の先端部に、初期溶融を促進する突起形状部が設けられている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の小径軸状部品の溶接方法である。
前記突起形状部が鋼板部品に圧接されている箇所は、溶接電流の密度が高くなり、それにともなう局部的なジュール熱が発生する。したがって、通電開始後できるだけ短時間で溶融が開始されて所定の溶融量に到達し、熱容量の小さな小径軸状部品の先端部において適正な溶融量の溶着を図ることができる。
請求項6記載の発明は、前記突起形状部は、先端にゆくほど断面積が減少する突起形状とされている請求項5記載の小径軸状部品の溶接方法である。
この突起形状部は頂点を有しているので、この頂点から溶融が開始され周囲に徐々に均一に溶融領域が拡大してゆくので、溶融領域の範囲と形状が小径軸状部品の断面形状とほぼ同じとなり、適正な溶着にとって好適である。前記突起形状部を例えばテーパ型にした場合には、テーパ形状部分が溶融し軸方向にはテーパ高さの分が短縮されることになる。したがって、テーパ高さの短縮だけを見込むことにより、小径軸状部品の高さが均一に確保できる。また、テーパ部分全体が溶融することなく、周囲にわずかな空隙が残存している状態であっても、所定の溶着面積が確保されることにより、正常な溶接が得られる。
請求項7記載の発明は、前記突起形状部は、リング状の突起形状とされている請求項5記載の小径軸状部品の溶接方法である。
この突起形状部はリング状の突起形状を有しているので、このリング状の部分から溶融が開始され中央部に向かって徐々に均一に溶融領域が拡大してゆくので、溶融領域の範囲と形状が小径軸状部品の断面形状とほぼ同じとなり、適正な溶着にとって好適である。また、溶着部の形状をリング状にとどめて、溶接強度をほとんど低下させることなく、小径軸状部品の軸方向の溶融変位量を少なくすることも可能である。
請求項8記載の発明は、前記鋼板部品に形成した隆起部に前記軸部の先端部を加圧する請求項1〜請求項7のいずれかに記載の小径軸状部品の溶接方法である。
このように鋼板部品に隆起部が形成してあると、軸部の先端部が平坦な面であっても、隆起部の頂点付近が小さな接触面積の状態で、前記先端部が加圧される。したがって、その部分を流れる電流の密度が高くなって、ジュール熱が的確に得られる。このような発熱によって、軸部先端部は鋼板部品の表面に対して適正な溶融量をもって溶着し、しかも所定の溶接強度が確保できる。そして、上記のような小さな接触面積であるから、この部分が先行して確実に溶融を開始し、それに引き続いて所定の溶融領域がえられる。
請求項9記載の発明は、軸部の体積V1/頭部の体積V2は、約0.3〜約1.6である請求項1〜請求項8のいずれかに記載の小径軸状部品の溶接方法である。
V1/V2を上記の値に設定することにより、軸部に伝熱された溶融熱を的確に頭部に吸熱させることができる。このような吸熱性をより一層確実にするためには、頭部の体積V2が軸部のそれを上回る「1」未満に設定するのが望ましい。
請求項10記載の発明は、前記小径軸状部品の軸部の直径は2.0〜4.0mm、溶接電流の通電時間は2/60〜5/60秒、鋼板部品に対する小径軸状部品の加圧力は10〜30kgfであり、溶接電流は9000〜12000Aである請求項1〜請求項9のいずれかに記載の小径軸状部品の溶接方法である。
このように軸部の直径が2.0〜4.0mmの小径軸状部品を、頭部の熱容量すなわち吸熱性との関係において、上記の各溶接条件の範囲内で選定することにより、所定の溶接状態を確保することができる。
独立項である前記請求項11記載の溶接装置の発明には、つぎの作用効果がある。
すなわち、このような溶接装置を用いて前記小径軸状部品を溶接することにより、前記請求項1および請求項2記載の小径軸状部品の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
請求項12記載の発明は、前記頭部に設けられた平坦な頂面が、前記小径軸状部品の軸線に対して垂直な状態となるように配置され、前記電極の収容孔の内面に前記頂面が密着した状態で電極が前記軸線と同方向に進出するように構成した請求項11記載の小径軸状部品の溶接装置である。
このような溶接装置を用いて前記小径軸状部品を溶接することにより、前記請求項3記載の小径軸状部品の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
請求項13記載の発明は、前記小径軸状部品の軸線と同方向に進退するとともに前記頂面が密着し前記内面を形成する受け部材を電極内部に組み込み、この受け部材に電極の進出方向の弾力を作用させる付勢手段が設けられている請求項12記載の小径軸状部品の溶接装置である。
このような溶接装置を用いて前記小径軸状部品を溶接することにより、電極の進出ストロークの制御が行いやすくなる。本発明においては、前述のように、溶接条件の制御並びに設定が行いやすいという利点があるが、万一、溶接条件が何らなの原因で狂ったりして加圧力が過大になると、軸部が座屈するおそれがある。
しかしながら、上記のように、受け部材に付勢手段が組み合わされているので、軸部の先端部は鋼板部品に対して弾力的に加圧されることになる。したがって、付勢手段の付勢力を所定の値に設定しておくことにより、加圧力が過大になることが防止でき、前述のような溶接条件の狂いに対して万全の対応が可能となる。
独立項である前記請求項14記載の小径軸状部品の発明には、つぎの作用効果がある。
すなわち、このような小径軸状部品を溶接することにより、前記請求項1および請求項2記載の小径軸状部品の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
請求項15記載の発明は、前記軸部の先端部に、初期溶融を促進する突起形状部が設けられている請求項14記載の小径軸状部品である。
このような小径軸状部品を溶接することにより、前記請求項5記載の小径軸状部品の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
請求項16記載の発明は、前記突起形状部は、先端にゆくほど断面積が減少する突起形状とされている請求項15記載の小径軸状部品である。
このような小径軸状部品を溶接することにより、前記請求項6記載の小径軸状部品の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
請求項17記載の発明は、前記突起形状部は、リング状の突起形状とされている請求項15記載の小径軸状部品である。
このような小径軸状部品を溶接することにより、前記請求項7記載の小径軸状部品の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
独立項である前記請求項18記載の溶接方法の発明には、つぎの作用効果がある。
軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部が電極に保持されるので、種々な外力に対して安定した頭部保持がなされ、溶接時の加圧動作時に、電極と小径軸状部品との所定の相対位置に狂いが発生することがない。例えば、小径軸状部品が鋼板部品に対して傾斜することなく垂直に正確に溶接することが可能となる。
前記補助頭部の先端部と鋼板部品との加圧部に生じた溶融部の溶融熱が補助頭部と軸部を経て頭部に伝熱される。このときには、溶融熱は、先ず軸部よりも大径の補助頭部全体に伝熱され、その後、小径の熱容量の小さな軸部を急速に昇温させながら軸部を流れて熱容量の大きな頭部にいたる。このような熱流によって溶融部が過剰に拡大することが防止される。このような熱流において、溶融部と軸部との間に補助頭部が介在しているので、補助頭部が溶融熱を即座に吸熱し、その後、軸部への熱流がなされる。したがって、溶融部の溶融量が異常に多くなることが防止され、補助頭部先端部の溶着にとって適正な溶融量が確保でき、十分な溶着強度が得られ、小径軸状部品の高さ寸法も所定どおりに設定できる。
上記のように、補助頭部の熱容量を軸部の熱容量よりも大きく設定することができるので、溶融部の熱が急速に補助頭部に吸熱され、溶融量が過大になることが防止できる。
前記溶融量は、溶融領域が補助頭部の断面全体に及ぶことが高い溶接強度を確保する面から重要であるが、さらには補助頭部の軸線方向の溶融量が必要最小限にとどまっていることが重要である。本発明においては、溶融部からの熱流が前記のように熱容量の大きな頭部に向かっているので、軸線方向の溶融量が異常に多くなることが抑制されるのである。したがって、溶融量過多による小径軸状部品の高さ不足が防止され、溶接後の小径軸状部品の高さ寸法が正確に求められる。同時に、補助頭部の断面全体に及ぶ溶融領域が確保されて、十分な溶接強度が得られる。
さらに、補助頭部は軸部よりも大径であるから、小径軸状部品が鋼板部品に加圧されたときの安定性が良好となり、小径軸状部品と鋼板部品との相対位置を所定通りに設定することができる。
上記のように、補助頭部の先端部における溶融熱を頭部に吸熱させるものなので、溶接電流の通電時間,軸状部品の加圧力および通電電流値等の溶接条件の厳密さが緩和される。したがって、溶着部の溶融量を許容範囲内に管理することが行いやすくなり、溶接品質の向上にとって効果的である。
請求項19記載の発明は、前記頭部は電極に形成された収容孔内に保持され、この収容孔の内面に頭部の一部が密着している請求項18記載の小径軸状部品の溶接方法である。
このように頭部が収容孔内に収容され、頭部の一部が収容孔の内面に密着しているので、電極から軸状部品への通電が確実になされ、また、電極の動作変位が軸状部品に対して正確に伝達され、補助頭部の先端部と鋼板部品との圧接が確実に得られ、適正な溶着を行わせるのに有効である。さらに、このような密着によって、熱伝導状態が良好な条件下で、頭部の熱が収容孔の内面を経て電極側に吸熱されるので、溶融部近傍の高い熱量を迅速に頭部へ伝熱することができ、溶融部を必要最小限の範囲内にとどめることが可能となる。すなわち、頭部から電極側への熱伝達が良好で頭部の温度が低く維持されるから、溶融部近傍の部位と頭部との間の熱勾配が大きく設定でき、溶融部近傍から頭部への熱流を確実にかつ積極的に行わせることが実現する。
請求項20記載の発明は、前記頭部に設けられた平坦な頂面が、前記小径軸状部品の軸線に対して垂直な状態となるように配置され、前記電極の収容孔の内面に前記頂面が密着した状態で電極が前記軸線と同方向に進出するようにした請求項18または請求項19記載の小径軸状部品の溶接方法である。
前記頭部の頂面が小径軸状部品の軸線に対して垂直な位置関係となり、しかも電極の収容孔の内面と頂面とが密着した状態で前記軸線の方向へ電極が進出する。これにより、小径軸状部品に対する加圧力は小径軸状部品の軸線方向に正確に作用することとなり、小径軸状部品を傾斜させる力成分が発生せず、小径軸状部品は鋼板部品に対して所定の角度、例えば、垂直の起立姿勢で正しく溶接される。
電極の進出によって小径軸状部品の先端部が鋼板部品に対して加圧され溶融が開始されると、溶融部は液状になっているので、わずかな傾斜方向の力で小径軸状部品は傾斜し、溶着完了時には小径軸状部品が鋼板部品に対して所定の角度、例えば、垂直にならないことが発生する。しかしながら、頭部の頂面が収容孔の内面に密着し、小径軸状部品の軸方向に電極が進出することにより、傾斜方向の力成分が発生しないので、溶融部の液状状態が一時的に存在しても、小径軸状部品は所定の角度で正しく鋼板部品に溶接される。
請求項21記載の発明は、前記収容孔が形成された電極に吸引手段が組み込まれ、この吸引手段の吸引力によって前記頭部の一部が収容孔の内面に密着している請求項19または請求項20記載の小径軸状部品の溶接方法である。
このように吸引手段の吸引力によって頭部の頂面が収容孔の内面に密着しているので、この密着状態が確実に維持される。したがって、電極の収容孔における頭部の保持力すなわち保持安定性が向上する。
さらに、前記のように、小径軸状部品に対する正確な加圧力の伝達や小径軸状部品の傾き防止が確実になされる。また、吸引手段は、磁石や空気の吸引負圧等によって簡単に実現できるので、電極の構造が複雑になることが最小化され、構造簡素化の面で有利である。
請求項22記載の発明は、前記補助頭部の先端部に、初期溶融を促進する突起形状部が設けられている請求項18〜請求項21のいずれかに記載の小径軸状部品の溶接方法である。
前記突起形状部が鋼板部品に圧接されている箇所は、溶接電流の密度が高くなり、それにともなう局部的なジュール熱が発生する。したがって、通電開始後できるだけ短時間で溶融が開始されて所定の溶融量に到達し、熱容量の小さな小径軸状部品の先端部において適正な溶融量の溶着を図ることができる。
請求項23記載の発明は、前記突起形状部は、先端にゆくほど断面積が減少する突起形状とされている請求項22記載の小径軸状部品の溶接方法である。
この突起形状部は頂点を有しているので、この頂点から溶融が開始され周囲に徐々に均一に溶融領域が拡大してゆくので、溶融領域の範囲と形状が小径軸状部品の断面形状とほぼ同じとなり、適正な溶着にとって好適である。前記突起形状部を例えばテーパ型にした場合には、テーパ形状部分が溶融し軸方向にはテーパ高さの分が短縮されることになる。したがって、テーパ高さの短縮だけを見込むことにより、小径軸状部品の高さが均一に確保できる。また、テーパ部分全体が溶融することなく、周囲にわずかな空隙が残存している状態であっても、所定の溶着面積が確保されることにより、正常な溶接が得られる。
請求項24記載の発明は、前記突起形状部は、リング状の突起形状とされている請求項22記載の小径軸状部品の溶接方法である。
この突起形状部はリング状の突起形状を有しているので、このリング状の部分から溶融が開始され中央部に向かって徐々に均一に溶融領域が拡大してゆくので、溶融領域の範囲と形状が小径軸状部品の断面形状とほぼ同じとなり、適正な溶着にとって好適である。また、溶着部の形状をリング状にとどめて、溶接強度をほとんど低下させることなく、小径軸状部品の軸方向の溶融変位量を少なくすることも可能である。
請求項25記載の発明は、前記鋼板部品に形成した隆起部に前記補助頭部の先端部を加圧する請求項18〜請求項24のいずれかに記載の小径軸状部品の溶接方法である。
このように鋼板部品に隆起部が形成してあると、補助頭部の先端部が平坦な面であっても、隆起部の頂点付近が小さな接触面積の状態で、前記先端部が加圧される。したがって、その部分を流れる電流の密度が高くなって、ジュール熱が的確に得られる。このような発熱によって、補助頭部の先端部は鋼板部品の表面に対して適正な溶融量をもって溶着し、しかも所定の溶接強度が確保できる。そして、上記のような小さな接触面積であるから、この部分が先行して確実に溶融を開始し、それに引き続いて所定の溶融領域がえられる。
請求項26記載の発明は、前記頭部と補助頭部は、同一形状、同一寸法とされている請求項18〜請求項25のいずれかに記載の小径軸状部品の溶接方法である。
このように前記頭部と補助頭部は、同一形状、同一寸法とされているから、頭部または補助頭部の区別なくどちらを電極の収容孔に保持してもよい。したがって、小径軸状部品の方向性を確定する必要がないので、小径軸状部品の供給が簡素化され、また、方向まちがいのようなトラブルも回避できる。さらに、頭部と補助頭部が同一形状、同一寸法であるから、小径軸状部品の生産設備、例えば、金型の製作等の面において有利である。
請求項27記載の発明は、前記小径軸状部品の軸部の直径は2.0〜4.0mm、溶接電流の通電時間は2/60〜5/60秒、鋼板部品に対する小径軸状部品の加圧力は10〜30kgfであり、溶接電流は9000〜12000Aである請求項18〜請求項26のいずれかに記載の小径軸状部品の溶接方法である。
このように軸部の直径が2.0〜4.0mmの小径軸状部品を、頭部の熱容量すなわち吸熱性との関係において、上記の各溶接条件の範囲内で選定することにより、所定の溶接状態を確保することができる。
独立項である前記請求項28記載の溶接装置の発明には、つぎの作用効果がある。
すなわち、このような溶接装置を用いて前記小径軸状部品を溶接することにより、前記請求項18および請求項19記載の小径軸状部品の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
請求項29記載の発明は、前記頭部に設けられた平坦な頂面が、前記小径軸状部品の軸線に対して垂直な状態となるように配置され、前記電極の収容孔の内面に前記頂面が密着した状態で電極が前記軸線と同方向に進出するように構成した請求項28記載の小径軸状部品の溶接装置である。
このような溶接装置を用いて前記小径軸状部品を溶接することにより、前記請求項20記載の小径軸状部品の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
請求項30記載の発明は、前記小径軸状部品の軸線と同方向に進退するとともに前記頂面が密着し前記内面を形成する受け部材を電極内部に組み込み、この受け部材に電極の進出方向の弾力を作用させる付勢手段が設けられている請求項29記載の小径軸状部品の溶接装置である。
このような溶接装置を用いて前記小径軸状部品を溶接することにより、電極の進出ストロークの制御が行いやすくなる。本発明においては、前述のように、溶接条件の制御並びに設定が行いやすいという利点があるが、万一、溶接条件が何らなの原因で狂ったりして加圧力が過大になると、軸部が座屈するおそれがある。
しかしながら、上記のように、受け部材に付勢手段が組み合わされているので、軸部の先端部は鋼板部品に対して弾力的に加圧されることになる。したがって、付勢手段の付勢力を所定の値に設定しておくことにより、加圧力が過大になることが防止でき、前述のような溶接条件の狂いに対して万全の対応が可能となる。
独立項である前記請求項31記載の小径軸状部品の発明には、つぎの作用効果がある。
すなわち、このような小径軸状部品を溶接することにより、前記請求項18および誚求項19記載の小径軸状部品の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
請求項32記載の発明は、前記補助頭部の先端部に、初期溶融を促進する突起形状部が設けられている請求項31記載の小径軸状部品である。
すなわち、このような小径軸状部品を溶接することにより、前記請求項22記載の小径軸状部品の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
請求項33記載の発明は、前記突起形状部は、先端にゆくほど断面積が減少する突起形状とされている請求項32記載の小径軸状部品である。
すなわち、このような小径軸状部品を溶接することにより、前記請求項23記載の小径軸状部品の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
請求項34記載の発明は、前記突起形状部は、リング状の突起形状とされている請求項32記載の小径軸状部品である。
すなわち、このような小径軸状部品を溶接することにより、前記請求項24記載の小径軸状部品の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
請求項35記載の発明は、前記頭部と補助頭部は、同一形状、同一寸法とされている請求項31〜請求項34のいずれかに記載の小径軸状部品である。
すなわち、このような小径軸状部品を溶接することにより、前記請求項26記載の小径軸状部品の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
独立項である前記請求項36記載の溶接装置の発明は、小径軸状部品は、小径の軸部と、この軸部の一端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部から構成され、前記軸部の先端部を鋼板部品に電気抵抗溶接をする装置であって、前記鋼板部品が載置される固定電極と、前記小径軸状部品の頭部を収容孔内に保持して前記軸部の先端部を鋼板部品に加圧した後溶接電流を通電する可動電極と、前記熱吸収用の頭部の一部に密着する前記収容孔の内面と、可動電極に絶縁状態で組み付けられ可動電極の進出時に鋼板部品に接触する検知部材と、この検知部材と可動電極との間に小径軸状部品を介して通電される検知電流の検出手段とを含んで構成されていることを特徴とする小径軸状部品の溶接装置である。
このように可動電極の進出によって検知部材と小径軸状部品がともに鋼板部品に接触すると、検知電流が小径軸状部品を介して可動電極から検知部材に流れ、検知手段においてこの電流が検知される。したがって、小径軸状部品が正常に可動電極側に保持されていることが確認できる。もし、何等かの原因で小径軸状部品が保持されていない場合には、検知電流が検知手段に流れることがないので、小径軸状部品が不存在であることが確実に検出できる。したがって、小径軸状部品が欠落した鋼板部品が後工程に送給されることがなく、後工程における混乱が防止できる。
独立項である前記請求項37記載の溶接装置の発明は、小径軸状部品は、小径の軸部と、この軸部の一端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部と、前記軸部の他端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた補助頭部から構成され、前記補助頭部の先端部を鋼板部品に電気抵抗溶接をする装置であって、前記鋼板部品が載置される固定電極と、前記小径軸状部品の頭部を収容孔内に保持して前記補助頭部の先端部を鋼板部品に加圧した後溶接電流を通電する可動電極と、前記熱吸収用の頭部の一部に密着する前記収容孔の内面と、可動電極に絶縁状態で組み付けられ可動電極の進出時に鋼板部品に接触する検知部材と、この検知部材と可動電極との間に小径軸状部品を介して通電される検知電流の検出手段とを含んで構成されていることを特徴とする小径軸状部品の溶接装置である。
このように可動電極の進出によって検知部材と小径軸状部品がともに鋼板部品に接触すると、検知電流が小径軸状部品を介して可動電極から検知部材に流れ、検知手段においてこの電流が検知される。したがって、小径軸状部品が正常に可動電極側に保持されていることが確認できる。もし、何等かの原因で小径軸状部品が保持されていない場合には、検知電流が検知手段に流れることがないので、小径軸状部品が不存在であることが確実に検出できる。したがって、小径軸状部品が欠落した鋼板部品が後工程に送給されることがなく、後工程における混乱が防止できる。
独立項である前記請求項38記載の溶接装置の発明は、鋼板部品が載置される固定電極と、小径軸状部品を収容孔内に保持して小径軸状部品の先端部を鋼板部品に加圧した後溶接電流を通電する可動電極と、可動電極に一体化され鋼板部品に突き当たることにより小径軸状部品の溶融量を所定の量に設定する規制部材とを含んで構成されていることを特徴とする小径軸状部品の溶接装置である。
可動電極が進出して最初に小径軸状部品の先端部が鋼板部品に加圧され、その後、溶接電流が通電される。これにより小径軸状部品の先端部が溶融を開始するので、これにともなって可動電極がさらに進出する。この進出によって前記規制部材が鋼板部品に突き当たるので、可動電極の進出は停止する。このようにして規制部材が鋼板部品に突き当たって可動電極と鋼板部品との間隔が所定の距離に設定されるので、小径軸状部品の軸方向に課せられる加圧力が一定値以上になることがない。したがって、小径軸状部品の過剰溶融が防止され、鋼板部品表面からの小径軸状部品の長さが一定長さに維持でき、小径軸状部品の長さ精度が正確に管理できる。
上述の規制部材による過剰溶融防止の作用効果は、種々な小径軸状部品において達成される。つまり、軸部の端面が鋼板部品に突き当てられて溶接される場合や、軸部の端面に形成された溶着用突起が鋼板部品に突き当てられて溶接される場合、あるいは軸部の端部に溶着用突起を有するフランジが形成されこの溶着用突起が鋼板部品に突き当てられて溶接される場合などである。いずれの場合においても、小径軸状部品の軸方向における溶融量が規制部材によって所定値に設定されるので、軸部の端部や溶着用突起の正常な溶融が確保できる。
つぎに、本発明の小径軸状部品の溶接方法および溶接装置ならびに小径軸状部品を実施するための最良の形態を説明する。
以下、図示の実施例について説明する。図1は溶接装置全体を示す縦断側面図、図2は本発明において溶接される小径軸状部品を示す図、図3は溶着して行く過程を示す断面図、図4は固定電極の形状を示す側面図、図5は小径軸状部品の温度状態を示す線図、図6は溶着状態を確認する破壊図である。
溶接の対象とされる鉄製の小径軸状部品1は、図2に示すように、小径の軸部2とこの軸部2と一体的に形成された頭部3から構成されている。軸部2および頭部3は断面が円形であり、その中心部を貫通する軸線は符号8で示されている。軸部2の直径D1は3mm、頭部3の直径D2は5mm、小径軸状部品1全体の軸線8方向の長さL1は7.2mm、頭部3の軸線8方向の長さL2は2.1mmである。
前記軸部2の先端部に初期溶融を促進する突起形状部4が形成されており、図2(A)に示すものは先端中央部が頂点5とされた形式のもので、テーパ部6を設けて1箇所が隆起した頂点5が形成されている。このテーパ部6のテーパ角度θ1は15度である。また、頂点5の高さH1は0.4mmである。
また、軸部2の体積V1は約36.0mm、頭部3の体積V2は約41.2mmであり、V1/V2の比は約0.87である。
図2(A)のE−E断面が同図の(E)であり、小径軸状部品1全体の斜視図が同図(F)である。(F)に示すように、頭部3には前記軸線8に対して垂直な位置関係とされた平坦な頂面7が形成されている。
前記小径軸状部品1の軸部2の先端部が鋼板部品10に電気抵抗溶接で溶着されるもので、鋼板部品10は固定電極11の上に載置されている。前記鋼板部品の板厚は、0.6mmである。この固定電極11と対をなす可動電極12は、固定電極11と同軸状態で配置され、図示してないがエアシリンダによって進退動作をするようになっている。固定電極11および可動電極12は断面が円形である。また、可動電極12は、エアシリンダによって進退動作をする作動ロッド13に結合されている。
可動電極12は、主としてクロム銅製の本体部14と、ねじ部15を介して本体部14に結合されているクロム銅製のキャップ部16とから構成されている。本体部14には吸引手段である永久磁石17が組み込まれている。この永久磁石17は、非磁性材料製、例えば合成樹脂製の容器18内に収容された状態で本体部14内に挿入されている。
前記キャップ部16の中央部に円形の収容孔19がキャップ部16を貫通した状態で形成されている。この収容孔19の開口側は、図3にも示すように、頭部3の入り込みをし易くするためのテーパ部20が形成されている。収容孔19の内径は頭部3の外径よりもわずかに大きく設定されている。すなわち、収容孔19内に頭部3がごくわずかな隙間を残した状態で挿入され、頭部3の軸心と可動電極12の軸心(進退軸線)とのずれが最小化されるようになっている。すなわち、頭部3の外周面が収容孔19の内周面に摺動できる状態になっている。
頭部3の一部が収容孔19の内面に密着するようになっている。この実施例では、頭部3側の密着面は前記頂面7とされている。他方、収容孔19の内面側はキャップ部材16と本体部14との間に挟みつけられる受け板22である。この受け板22は、非磁性材料で製作されており、この例では熱伝導性の良好なクロム銅製とされている。受け板22は、ねじ部15が締めつけられるときに強固に挟みつけられるもので、密着受け面23が形成され、この密着受け面23に頭部3の頂面7が密着するようになっている。
前記収容孔19内に頭部3が収容されると、永久磁石17の吸引力で頂面7が密着受け面23に密着する。この密着した状態において、小径軸状部品1の軸線8を可動電極12の進退方向と同方向とするために、密着受け面23の向きを可動電極12の進退軸線に対して垂直としてある。
また、可動電極12の進退方向は鋼板部品10に対して垂直となるように、鋼板部品10の載置姿勢が設定されている。こうすることにより後述のように、小径軸状部品1が鋼仮部品10に対して垂直に溶接されるのである。
上述のように本体部14,キャップ部16,容器18および受け板22等が非磁性材料で製作されているので、永久磁石17の吸引力が効果的に強力に小径軸状部品1の頭部3に作用し、頂面7と密着受け面23との密着力が高く設定できる。
吸引手段として永久磁石17を例示したが、これを電磁石に置き換えることも可能である。また、磁石ではなく、後述のような空気吸引によるバキューム式の吸着を採用することも可能である。
小径軸状部品1を可動電極12の収容孔19内に供給する方法としては、作業者が手で供給する方法、自動供給機構で供給する方法など種々な方法で実現することができる。ここでは、エアシリンダの組み合わせが採用されている。すなわち、静止部材24に取り付けたエアシリンダ25のピストンロッド26が上下方向に進退するように配置され、このピストンロッド26に水平方向の姿勢で基板27が固定されている。
前記基板27にエアシリンダ28が固定され、そのピストンロッド29が水平方向に進退するようになっている。このピストンロッド29の先端部に小径軸状部品1を保持する保持部材31が結合されている。この保持部材31には上方に開口している保持孔32が設けられ、ここに軸部2が挿入されることにより、小径軸状部品1が保持部材31に保持されるようになっている。
また、前記保持部材31がエアシリンダ28によって最も後退した位置にあるときに、小径軸状部品1が保持孔32に供給される。そのために、部品供給管33が配置され、この部品供給管33の他端部は小径軸状部品1を送出する通常のパーツフィーダ(図示していない)に接続されている。
上述の作動ロッド13を進退させるエアシリンダおよび各エアシリンダ25,28を、進退式の出力軸を有する電動モータに置き換えることも可能である。
図1に示す溶接装置はエアシリンダ28等で動作するものであるが、可動電極12を手で持って小径軸状部品1を鋼板部品10に押し付けるハンディタイプにすることも可能である。
さらに、固定電極11側に小径軸状部品1を保持し、鋼板部品10を可動電極12と一体にして小径軸状部品1に加圧・溶接するようにすることも可能である。
つぎに、図1に示す溶接装置の動作を説明する。
図1の2点鎖線で示すように、部品供給管33から小径軸状部品1が保持部材31に供給されると、軸部2が保持孔32内に挿入される。その後、エアシリンダ28の進出動作で小径軸状部品1が進出して、小径軸状部品1の軸線8が収容孔19の中心線と合致すると、この位置で進出が停止される。これに引き続いてエアシリンダ25が動作して基板27が上昇すると、頭部3が収容孔19内に挿入される。
収容孔19内に挿入された頭部3は、その頂面7が永久磁石17の吸引力により受け板22の密着受け面23に密着する。この密着した状態では、小径軸状部品1の軸線8は可動電極12の進退軸線と同軸となっており、同時に軸線8や可動電極12の進退軸線は鋼板部品10に対して垂直な状態になっている。
前記のように可動電極12に小径軸状部品1が保持されると、今度は、作動ロッド13の進出により、可動電極12が鋼板部品10の方に向かって進出し、小径軸状部品1の軸部2の先端部が鋼板部品10に押し付けられる。その後、溶接電流が可動電極12から固定電極11に向かって通電されると、電流は軸部2の先端部から鋼板部品10の表面に向かって流れ、このときに発生するジュール熱により軸部2の先端部と鋼板部品10の表面部が溶融し、所定の通電時間の経過後、溶融部が硬化して溶接が完了する。
前記の溶接装置の動作においてなされる溶接局部の溶融と、この溶融部からの熱流状態を説明する。
図2(A)に示すように、軸部2の先端部にテーパ部6が形成され、1箇所が隆起した頂点5を有する場合の溶融と熱流について説明する。
図3(A)に示すように、頭部3の頂面7が密着受け面23に密着した状態で軸部2の頂点5が鋼板部品10の表面に押し付けられている。このときの可動電極12による加圧力は20kgfである。そして、このときの鋼板部品10の表面から頂面7までの長さL1は、図2(A)にしたがって記載したように、7.2mmである。
このように頂点5が鋼板部品10に対して点接触をしている状態であっても、密着受け面23に頂面7が密着しているので、小径軸状部品1が傾くようなことがない。
前記加圧状態のもとで溶接電流が通電される。溶接電流は電流値が10000A,電圧が200V,通電時間が3/60秒である。なお、通電時間をサイクル数で表すことが一般的に行われているが、1サイクルは1/60秒であるから、この3/60秒は2.94サイクルに相当する。したがって、溶接制御装置のサイクル数設定は、3サイクルにするのが適当である。
このような通電がなされると、図3(B)に示すように、頂点5における電流密度が高いので、この部分が先行して溶融を開始し、いわゆる初期溶融が促進される。溶融部は符号9で示されている。さらに通電時間が経過し3/60秒に達して通電が終了すると、同図(C)に示すように、溶融部9が軸部2の断面全体にわたって拡大する。
前記のように(B)に示す初期溶融の状態から(C)に示す溶融完了にいたる過渡期には、溶融部9の溶融熱は非溶融状態の軸部2から頭部3に流れて行き、さらに頂面7から密着受け面23に伝熱されて頭部3に蓄積されようとする熱量の低減が図られる。このような熱流現象により、溶融部9と頭部3との間の温度勾配が大きくなり、それにともなって溶融熱は積極的に頭部3の方へ伝熱される。このため、溶融部9は軸部2の断面全体に拡大はするが、軸部2の軸線方向への溶融増大が抑制され、軸部2の過剰溶融が軸線方向に生じることがない。
図5は、溶接電流の通電を終了した時点における各部位の温度状態を示す線図であり、横軸が部位の位置、縦軸が温度を示している。この線図から明らかなように、溶融部9の温度が最も高く、溶融部9に最も近い非溶融部においては急激に温度が低下し、それから頭部3の方に向かって徐々に温度が低くなっている。このように頭部3の熱容量が大きく、また、密着受け面23を経て可動電極12側に熱が吸収されているので、溶融熱は十分に可動電極12側に伝熱されていることが認められる。
上記のような熱流現象により、図3(C)に示された溶接完了の状態においては、鋼板部品10の表面から頂面7までの長さL1を、6.8mmにすることができた。このことは、図2(A)に示した頂点5の高さH1(0.4mm)に相当する軸部先端部の素材が溶融して溶着が完了していることを示している。
したがって、軸部2の軸方向の溶融量は高さH1に相当する素材量だけが溶着に寄与していることとなり、小径軸状部品1の溶接後の高さL1を正確に確保しつつ確実な溶接強度が得られるのである。換言すると、図3(C)に2点鎖線で示すように、過剰溶融部21ができて上記L1が過小となるようなことがないのである。
さらに、小径軸状部品1の軸部2が鋼板部品10に対して垂直の状態で押し付けられ、この状態から前述のような通電と溶融および熱流がなされるので、軸部2は鋼板部品10に対して正確に垂直状態で溶接され、軸部2と鋼板部品10との所定の角度関係が確保できる。すなわち、この実施例においては、軸部2が傾斜することなく垂直に起立した状態の溶接が得られるのである。
また、可動電極12の収容孔19内に軸部2よりも大径の頭部3が収容されるので、小径軸状部品1の保時安定性が向上し、小径軸状部品1と可動電極12との相対位置が容易にずれたりするようなことがなく、鋼板部品10に対する小径軸状部品1の位置関係が正確に求められる。
以上に説明した実施例は、軸部2の先端部の形状が図2(A)に示した形状である。このような形状に代えて同図(B)に示す先端部形状とすることも可能である。この場合は、突起形状部4は先端部の外周部が隆起したリング状の突起形状とされている。そのようなリング状の隆起形状を形成するために、軸部2の端面中央部に凹部30を設けている。この凹部30はいわゆるテーパ孔であり、そのテーパ角θ2は15度である。そして、凹部30の深さH2は0.57mmである。
このような先端部形状の小径軸状部品1が溶接されるときには、リング状の突起形状部4が最初に溶融し、初期溶融の促進が図られる。それに引き続いて溶融領域が中央部に広がり、最終的には軸部2の断面全域が溶融部となる。
このときに生じる溶融熱が頭部3の方へ伝熱される現象は、図2(A)に示した先端部形状の場合と同じである。
また、リング状の突起形状部4であるから、溶着部の形状をリング状にしておいても溶接強度は十分に確保することができる。この場合には、通電時間を2/60秒、溶接電流を11000A、加圧力を10kgfとし、それ以外の条件は前述の場合と同じにすることにより、確実な溶着がえられる。それ以外の作用効果も先の例と同様である。
図2(D)に示した例は、同図(B)に示したものの変形例であり、凹部30の深さが(B)のようにテーパ孔ではなく、軸方向に深くなる窪み形状とされている。それ以外の構成や作用効果は、図2(A)および(B)に示したものと同じである。
一方、凹部30や突起形状部4の形成を止めて、完全な平面34で軸部2の端部を構成したものが図2(C)に示されている。この場合には、初期溶融を促進する突起形状部4は機能しないが、鋼板部品10の表面に密着した平面全体がほぼ同時に容融を開始する。この場合には、通電時間を5/60秒、溶接電流を11000A、加圧力を30kgfとし、それ以外の条件は前述の場合と同じにすることにより、確実な溶着がえられる。それ以外の作用効果も先の例と同様である。
なお、溶接条件である溶接電流の値,通電時間の長さ,加圧力の加減等は、鋼板部品10の厚さや軸部2の直径D1あるいは軸部2や頭部3の体積V1,V2等の変化に応じて設定されるものであり、軸部2の直径D1が2.0〜4.0mmの範囲内において、溶接電流の通電時間は2/60〜5/60秒、鋼板部品に対する小径軸状部品の加圧力は10〜30kgfであり、溶接電流は9000〜12000Aである。これらの範囲を超えたりあるいは下回ったりすると、溶融量が過多になったり過少になったりして良好な溶接状態が得られなくなる。なお、この通電時間2/60〜5/60秒を前述のようにサイクル数に換算すると、1.96〜4.90サイクルとなる。したがって、溶接制御装置のサイクル数設定は、2〜5サイクルにするのが適当である。
前記のような溶融熱の伝熱現象は、軸部2の体積V1に対する頭部3の体積V2の大きさが密接な関係を有している。本実施例に用いた小径軸状部品1の各部寸法は、図2(A)にしたがって記載した前記のとおりであり、それらによると、軸部2の体積V1は約36.0mm、頭部3の体積V2は約41.2mmであり、V1/V2の比は約0.87である。
このような比を適正に設定することにより、軸部2の熱容量に対して頭部3の熱容量の適正なバランスが設定されるのである。すなわち、軸部2の熱容量を上回る熱容量が頭部3に付与されているので、軸部2からの熱が十分に頭部3で吸熱されるのである。したがって、この場合はV1<V2なる関係となっている。
軸部2の直径D1が3mmでそれ以外の各部寸法が前述のような値の場合には、V1/V2は約0.87であるが、ここでD1だけがさらに細くなれば、約0.87の値をさらに下回ることになる。D1が2mmの場合は、V1が約15.4mmとなり、その結果V1/V2は約0.37となる。したがって、この場合もV1<V2なる関係となっている。
D1が2mm未満であると、軸部2自体が細くなりすぎて熱容量が不足し、図3(C)に示すような過剰溶融部21ができやすくなってしまったり、あるいは軸部2自体の剛性が不足して加圧力によって座屈したりするおそれがある。
一方、軸部2の直径D1だけを4.0mmにした場合には、V1は約64.1mmとなり、V1/V2は約1.56となる。したがって、この場合にはV1>V2となり、前記の場合とは逆の関係になっている。なお、このようにD1だけを4.0mmに設定した場合には、頭部3からの熱流出を活発に行わせるために、可動電極12に水冷などの冷却手段を採用することが望ましい。あるいは、他の方策として、V2がV1に近づくように、頭部3の体積を大きくすることも有効である。
D1が4mmを上回ると、軸部2自体の熱容量が大きくなるので、頭部3側における吸熱性に依存する度合いが低下する。
上記のように、軸部2の直径D1を2.0〜4.0mmの範囲内で変化させることにより、V1/V2を約0.3〜約1.6の範囲内に設定して、適正な溶融熱の熱流が確保され、健全な溶着部が得られることが確認された。
前記のように、V1/V2を約0.3〜約1.6の範囲内に設定するのであるが、好ましくは適正な溶融熱の熱流を確保するために、V1/V2を「1」未満に設定することが望ましい。
図6は、鋼板部品10に溶接された小径軸状部品1の溶接強度を確認するテスト状態を示す破壊図である。鋼板部品10に垂直に溶接されている小径軸状部品1の頭部3を、真横から衝撃ハンマーで叩くことにより、溶接状態の良否が判定される。
図6(A)は、図3(C)に示した健全な溶接状態のものをテストしたものであり、図示のように軸部2の端部と鋼板部品10の表面部間の溶融部9すなわち溶着部には剥離などが発生せず、鋼板部品10が円形に破断していることが認められる。この破断部は符号35で示されている。したがって、このように破断部35が形成される場合は、正常な溶接強度であることを示している。
一方、図6(B)に示すものは、溶着不良の場合である。この場合は溶融部の広さや深さが所定の領域に及んでいないので、衝撃ハンマーで打たれると、簡単に剥離していることが認められる。図示のように細かい凹凸のある剥離後の表面部36が認められ、溶接強度が不完全であることを明らかに示している。
なお、図3(C)に2点鎖線で示した過剰溶融部21が発生している場合には、所定の溶接強度は得られるが、小径軸状部品1の距離L1が不合格なので、テストは行っていない。
図4は、固定電極11の先端部の形状を変形した場合を示す側面図である。同図(A)は先端部形状が球形であり、こうすることにより電流密度を向上させて、確実に溶融させるようにしている。また、同図(B)に示すものも同様であり、この場合には先端部がテーパ形状とされ、その中央部に小さな直径の平面部37が形成されている。この場合も、確実に溶融部がえられる。
以上に説明した実施例1の作用効果を列記すると、次のとおりである。
まず、溶接方法の実施例における作用効果を列記する。
前記小径軸状部品の溶接方法においては、軸部2よりも大径とされた熱吸収用の頭部3が可動電極12に保持されるので、種々な外力に対して安定した頭部保持がなされ、溶接時の加圧動作時に、可動電極12と小径軸状部品1との所定の相対位置に狂いが発生することがない。例えば、小径軸状部品1が鋼板部品10に対して傾斜することなく垂直に正確に溶接することが可能となる。
前記先端部と鋼板部品10との加圧部に生じた溶融部9の溶融熱が軸部2を経て頭部3に伝熱される。このときには、軸部2は小径で熱容量が小さいので溶融部9の熱は急速に軸部2を流れて熱容量の大きな頭部3にいたる。このような熱流によって溶融部9が過剰に拡大することが防止される。したがって、溶融部9の溶融量が異常に多くなることが防止され、小径な軸部2の溶着にとって適正な溶融量が確保でき、十分な溶着強度が得られ、軸部2の高さ寸法L1も所定どおりに設定できる。
前記溶融量は、溶融領域が軸部2の断面全体に及ぶことが高い溶接強度を確保する面から重要であるが、さらには軸部2の軸線方向の溶融量が必要最小限にとどまっていることが重要である。本実施例においては、溶融部9からの熱流が前記のように熱容量の大きな頭部3に向かっているので、軸線方向の溶融量が異常に多くなることが抑制されるのである。したがって、溶融量過多による軸部2の高さ不足が防止され、溶接後の小径軸状部品1の高さ寸法L1が正確に求められる。同時に、軸部2の断面全体に及ぶ溶融領域が確保されて、十分な溶接強度が得られる。
上記のように、軸部2の先端部における溶融熱を頭部3に吸熱させるものなので、溶接電流の通電時間,軸状部品の加圧力および通電電流値等の溶接条件の厳密さが緩和される。したがって、溶着部の溶融量を許容範囲内に管理することが行いやすくなり、溶接品質の向上にとって効果的である。
前記頭部3は可動電極12に形成された収容孔19内に保持され、この収容孔19の内面に頭部3の一部が密着している小径軸状部品の溶接方法である。
このように頭部3が収容孔19内に収容され、頭部3の一部である頂面7が収容孔19の内面の一部である密着受け面23に密着しているので、可動電極12から小径軸状部品1への通電が確実になされ、また、可動電極12の動作変位が小径軸状部品1に対して正確に伝達され、軸部2の先端部と鋼板部品10との圧接が確実に得られ、適正な溶着を行わせるのに有効である。さらに、このような密着によって、熱伝導状態が良好な条件下で、頭部3の熱が収容孔19の内面を経て可動電極12側に吸熱されるので、溶融部9近傍の高い熱量を迅速に頭部3へ伝熱することができ、溶融部9を必要最小限の範囲内にとどめることが可能となる。すなわち、頭部3から可動電極12側への熱伝達が良好で頭部3の温度が低く維持されるから、溶融部9近傍の部位と頭部3との間の熱勾配が大きく設定でき、溶融部9近傍から頭部3への熱流を確実にかつ積極的に行わせることが実現する。
前記頭部3に設けられた平坦な頂面7が、前記小径軸状部品1の軸線8に対して垂直な状態となるように配置され、前記可動電極12の収容孔19の密着受け面23に前記頂面7が密着した状態で可動電極12が前記軸線8と同方向に進出するようにした小径軸状部品1の溶接方法である。
前記頭部3の頂面7が小径軸状部品1の軸線8に対して垂直な位置関係となり、しかも可動電極12の収容孔19の密着受け面23と頂面7とが密着した状態で前記軸線8の方向へ可動電極12が進出する。これにより、小径軸状部品1に対する加圧力は小径軸状部品1の軸線方向に正確に作用することとなり、小径軸状部品1を傾斜させる力成分が発生せず、小径軸状部品1は鋼板部品10に対して所定の角度、例えば、垂直の起立姿勢で正しく溶接される。
可動電極12の進出によって小径軸状部品1の先端部が鋼板部品10に対して加圧され溶融が開始されると、溶融部9は液状になっているので、わずかな傾斜方向の力で小径軸状部品1は傾斜し、溶着完了時には小径軸状部品1が鋼板部品10に対して所定の角度、例えば、垂直にならないことが発生する。しかしながら、頭部3の頂面7が収容孔19の密着受け面23に密着し、小径軸状部品1の軸方向に可動電極12が進出することにより、傾斜方向の力成分が発生しないので、溶融部9の液状状態が一時的に存在しても、小径軸状部品1は所定の角度で正しく鋼板部品10に溶接される。
前記収容孔19が形成された可動電極12に吸引手段である永久磁石17が組み込まれ、この永久磁石17の吸引力によって前記頂面7が収容孔19の密着受け面23に密着している小径軸状部品1の溶接方法である。
このように永久磁石17の吸引力によって頭部3の頂面7が収容孔19の密着受け面23に密着しているので、この密着状態が確実に維持される。したがって、可動電極12の収容孔19における頭部3の保持力すなわち保持安定性が向上する。
さらに、前記のように、小径軸状部品1に対する正確な加圧力の伝達や小径軸状部品1の傾き防止が確実になされる。また、永久磁石17のような部品で吸引手段が形成できるので、可動電極12の構造が複雑になることが最小化され、構造簡素化の面で有利である。
前記小径軸状部品1の先端部に、初期溶融を促進する突起形状部4が設けられている小径軸状部品1の溶接方法である。
前記突起形状部4が鋼板部品10に圧接されている箇所は、溶接電流の密度が高くなり、それにともなう局部的なジュール熱が発生する。したがって、通電開始後できるだけ短時間で溶融が開始されて所定の溶融量に到達し、熱容量の小さな小径軸状部品1の先端部において適正な溶融量の溶着を図ることができる。
前記突起形状部4は、先端にゆくほど断面積が減少する突起形状とされている小径軸状部品1の溶接方法である。
この突起形状部1は頂点5を有しているので、この頂点5から溶融が開始され周囲に徐々に均一に溶融領域が拡大してゆくので、溶融領域の範囲と形状が軸部2の断面形状とほぼ同じとなり、適正な溶着にとって好適である。前記突起形状部4を例えばテーパ型にした場合には、テーパ形状部分6が溶融し軸方向にはテーパ高さH1の分が短縮されることになる。したがって、テーパ高さH1の短縮だけを見込むことにより、小径軸状部品1の高さL1が均一に確保できる。また、テーパ部分6全体が溶融することなく、周囲にわずかな空隙が残存している状態であっても、所定の溶着面積が確保されることにより、正常な溶接強度が得られる。
前記突起形状部4は、リング状の突起形状とされている小径軸状部品1の溶接方法である。
この突起形状部4はリング状の突起形状を有しているので、このリング状の部分から溶融が開始され中央部に向かって徐々に均一に溶融領域が拡大してゆくので、溶融領域の範囲と形状が軸部2の断面形状とほぼ同じとなり、適正な溶着にとって好適である。また、溶着部の形状をリング状にとどめて、溶接強度をほとんど低下させることなく、小径軸状部品の軸方向の溶融変位量を少なくすることも可能である。
軸部の体積V1/頭部の体積V2は、約0.3〜約1.6である小径軸状部品1の溶接方法である。
V1/V2を上記の値に設定することにより、軸部2に伝熱された溶融熱を的確に頭部に吸熱させることができる。このような吸熱性をより一層確実にするためには、頭部3の体積V2が軸部2のそれを上回る「1」未満に設定するのが望ましい。
前記軸部2の直径は2.0〜4.0mm、溶接電流の通電時間は2/60〜5/60秒、鋼板部品10に対する小径軸状部品1の加圧力は10〜30kgfであり、溶接電流は9000〜12000Aである小径軸状部品1の溶接方法である。
このように直径が2.0〜4.0mmの軸部2を、頭部3の熱容量すなわち吸熱性との関係において、上記の各溶接条件の範囲内で選定することにより、所定の溶接状態を確保することができる。
つぎに、溶接装置の実施例における作用効果は、前記溶接装置を動作させることにより、上述の各溶接方法を的確に実施できるものである。
さらに、小径軸状部品の実施例における作用効果は、前記小径軸状部品を採用することにより、上述の各溶接方法を的確に実施できるものである。
図7は、小径軸状部品1が非磁性材料であるステンレス鋼(SUS)で製作されているので、前記吸引手段を永久磁石に代えて係止部材で構成している。
図7(A)に示す例は、前記係止部材が鋼球40で構成されている場合である。すなわち、収容孔19内に鋼球40を突出させ、それをコイルスプリング41で外側から押圧している。そのために、キャップ部16に半径方向の通孔42をあけ、その中に鋼球40とコイルスプリング41を収容し、コイルスプリング41を着座させるプラグ43が通孔42の端部に圧入してある。鋼球40が収容孔19内に抜け落ちるのを防止するために、鋼球40の直径よりも小さな孔から鋼球40が収容孔19内に露出するようになっている。
この例では永久磁石が組み込まれていないので、受け板22は本体部14とキャップ部16の間に挟みつけられている。また、前記鋼球40は、可動電極12の円周方向に90度間隔で配置されている。この90度間隔を120度間隔にすることも可能である。
図7(A)は、小径軸状部品1の頭部3が収容孔19内に挿入されて頂面7が密着受け面23に密着している状態を示している。この状態において、コイルスプリング41の弾力により鋼球40が頭部3の下側の角部44に対して押圧力を加えるように鋼球40の突出位置が設定されている。
頭部3が収容孔19内に挿入されると、コイルスプリング41の弾力が鋼球40を介して前記角部44に作用するので、頂面7は密着受け面23に押し付けられた状態になる。溶接完了後に可動電極12が上昇すると、頭部3は鋼球40を押し込みながら収容孔19から抜け出る。それ以外の構成は、先の各例と同じであり同じ機能を果たす部材には同一符号が記載されている。
また、溶融熱の伝熱に関する作用効果も前記各例と同様である。
図7(B)は、U字型ばね45が通孔42内に挿入されているもので、その湾曲部46が前記鋼球40と同様な状態で収容孔19内に突出している。U字型ばね45の一端は通孔42内に突出した突起47に係止され、他端は摺動可能な状態で通孔42の内面に接触している。したがって、頭部3が収容孔19内に挿入されるときには、U字型ばね45の端部が通孔42の内面を摺動して湾曲部46が通孔42内に押し込まれる。これにより、頂面7が密着受け面23に押し付けられた状態になる。溶接完了後に可動電極12が上昇すると、頭部3は湾曲部46を押し込みながら収容孔19から抜け出る。それ以外の構成は、先の各例と同じであり同じ機能を果たす部材には同一符号が記載されている。
また、溶融熱の伝熱に関する作用効果も前記各例と同様である。
図7(C)は、収容孔19の内周部にエラストマーのような弾性材料で構成された断面円形のOリング50が配置されている場合である。Oリングの一部が、前記鋼球40や湾曲部46と同様に、収容孔19内に突出している。したがって、頭部3が収容孔19内に挿入されるときには、Oリング50に弾性変形をさせながら入って行き、頂面7が密着受け面23に密着した位置でOリング50が前記鋼球40や湾曲部46と同様な押圧機能を果たす。溶接完了後に可動電極12が上昇すると、頭部3はOリング50を押し込みながら収容孔19から抜け出る。それ以外の構成は、先の各例と同じであり同じ機能を果たす部材には同一符号が記載されている。
また、溶融熱の伝熱に関する作用効果も前記各例と同様である。
図7(D)は、収容孔19内に板ばね51の先端部52をわずかに突出させ、先端部52が上下に揺動できるようにした場合である。板ばね51は、その端部がボルト53で固定されており、先端部52は丸く曲げてある。したがって、頭部3が収容孔19内に挿入されるときには、板ばね51が撓んで頭部3が進入して行き、頂面7が密着受け面23に密着した位置で板ばね51の先端部が前記鋼球40,湾曲部46およびOリング50と同様な押圧機能を果たす。溶接完了後に可動電極12が上昇すると、頭部3は先端部52を移動させながら収容孔19から抜け出る。それ以外の構成は、先の各例と同じであり同じ機能を果たす部材には同一符号が記載されている。
また、溶融熱の伝熱に関する作用効果も前記各例と同様である。
図8は、小径軸状部品1が非磁性材料であるステンレス鋼(SUS)で製作されているので、前記吸引手段を永久磁石に代えて空気吸引(バキューム)方式で構成している。
この実施例は、受け板22の密着受け面23の中央部を窪ませて低圧室54が形成され、この低圧室54を可動電極12の外部に連通する空気通路55が、受け板22と本体部14に設けられている。この空気通路55は空気ホース56を介して真空ポンプ(図示していない)に接続されている。空気通路55から空気吸引がなされているときに頭部3が収容孔19内に挿入されると、頭部3は吸引負圧によって勢いよく吸い込まれ、頂面7は密着受け面23に密着する。この密着状態は低圧室54が真空に近い状態におかれるので、強い圧着力をもって維持される。溶接完了後に可動電極12が上昇すると、頭部3は前記真空吸引にまさって収容孔19から抜け出る。それ以外の構成は、先の各例と同じであり同じ機能を果たす部材には同一符号が記載されている。
この実施例3では、空気通路55からの空気吸引がなされるので、受け板22が吸引空気で冷却され、これによって頭部3の熱が可動電極12側へ積極的に伝熱され、ひいては溶融部9の溶融量を適正に制御できるという効果がある。
また、溶融熱の伝熱に関する作用効果は前記各例と同様である。
上記のように、小径軸状部品1がステンレス鋼のような非磁性材料で製作されている場合においても、実施例2および実施例3のような手法によって、軸部2と鋼板部品10との間に適正な溶融量を確保することができて、実施例1と同様な作用効果が得られるのである。なお、実施例2および実施例3のような手法のものに、磁性材料製の小径軸状部品を保持することも可能である。
図9に示す実施例は、鋼板部品10に隆起部57を形成しておき、この隆起部57に軸部2の先端部を加圧する小径軸状部品1の溶接方法である。
このように鋼板部品10に隆起部57が形成してあると、軸部2の先端部が平坦な面であっても、隆起部57の頂点付近が小さな接触面積の状態で、前記先端部が加圧される。したがって、その部分を流れる電流の密度が高くなって、ジュール熱が的確に得られる。このような発熱によって、軸部2の先端部は鋼板部品10の表面に対して適正な溶融量をもって溶着し、しかも所定の溶接強度が確保できる。そして、上記のような小さな接触面積であるから、この部分が先行して確実に溶融を開始し、それに引き続いて所定の溶融領域がえられる。
図10に示す実施例は、溶接装置を改良したものである。
すなわち、前記小径軸状部品1の軸線8と同方向に進退するとともに前記頂面7が密着し前記内面を形成する受け部材58を可動電極12の内部に組み込み、この受け部材58に可動電極12の進出方向の弾力を作用させる付勢手段が設けられている。
前記受け部材58は断面が円形であり、同様に空間が円形の断面とされた収容室59内に摺動可能な状態で挿入してある。そして、この受け部材58に永久磁石17が埋設してある。前記付勢手段である圧縮コイルスプリング60が収容室59内に挿入され、その弾力が受け部材58に対して可動電極12の進出方向に作用するようになっている。それ以外の構成は、先の各実施例と同様であり、同じ符号を記載してある。
このような可動電極12を有する溶接装置を用いて前記小径軸状部品1を溶接することにより、可動電極12の進出ストロークの制御が行いやすくなる。本実施例においては、前述のように、溶接条件の制御並びに設定が行いやすいという利点があるが、万一、溶接条件が何らなの原因で狂ったりして加圧力が過大になると、軸部2が座屈したりするおそれがある。
しかしながら、上記のように、受け部材58に圧縮コイルスプリング60が組み合わされているので、軸部2の先端部は鋼板部品10に対して弾力的に加圧されることになる。したがって、圧縮コイルスプリング60のばね定数を所定の値に設定しておくことにより、加圧力が過大になることが防止でき、前述のような溶接条件の狂いに対して万全の対応が可能となる。それ以外の作用効果は、先の各実施例と同様である。
図11〜図14に示す実施例は、異なった形状の小径軸状部品1を対象にしたものである。
図12に示すように、この実施例における小径軸状部品1は、小径の軸部2と、この軸部2の一端に一体的に設けられているとともに軸部2よりも大径とされた熱吸収用の頭部3と、前記軸部2の他端に一体的に設けられているとともに軸部2よりも大径とされた補助頭部61から構成されている。すなわち、前記実施例1の小径軸状部品1に、補助頭部61が追加されている例である。
軸部2の直径D1は3mm、頭部3の直径D2は5mm、小径軸状部品1全体の軸線8方向の長さL1は7.2mm、頭部3の軸線8方向の長さL2は2.1mmである。また、補助頭部61の直径は頭部3のD2と同じであり、厚さL2も頭部3と同じである。
前記実施例1では、軸部2の先端部に初期溶融を促進する突起形状部4が形成されているが、この実施例でも補助頭部61の先端部に同様な突起形状部4が形成されている。図12(A)に示すものは先端中央部が頂点5とされた形式のもので、テーパ部6を設けて1箇所が隆起した頂点5が形成されている。このテーパ部6のテーパ角度θ1は15度である。また、頂点5の高さH1は0.64mmである。
図11に示すように、装置全体の構造は、小径軸状部品1に補助頭部61が設けられている点以外は、前述の各実施例と同じであり、同様の符号を付してある。また、その動作も前述の各実施例のものと同じである。
そして、図12(A)の突起形状部4が鋼板部品10に押し付けられて溶融し、その溶融熱が頭部3に吸熱されて行く現象も、図3に示したものと同じである。このような吸熱現象により、前述の各実施例と同様な作用効果がえられる。なお、図12(A)に示した小径軸状部品1についての溶接電流の電流値,通電時間,加圧力等の溶接条件は、前述の各実施例と同じである。
以上に説明した実施例は、補助頭部61の先端部の形状が図12(A)に示した形状である。このような形状に代えて同図(B)に示す先端部形状とすることも可能である。この場合は、突起形状部4は先端部の外周部が隆起したリング状の突起形状とされている。そのようなリング状の隆起形状を形成するために、補助頭部61の端面中央部に凹部30を設けている。この凹部30はいわゆるテーパ孔であり、そのテーパ角θ2は15度である。そして、凹部30の深さH2は0.53mmである。それ以外の構成は、前述の各実施例と同じである。
図12(B)に示す小径軸状部品1が鋼板部品10に溶着される状態や、溶接電流の電流値,通電時間,加圧力等の溶接条件、およびそれによる作用効果は、前述の各実施例と同じである。
図12(D)に示すものは、同図(B)の変形例であり、その溶着過程は、図2(D)に示すものと同じである。
図12(C)に示すものは、凹部30や突起形状部4の形成を止めて、完全な平面34で補助頭部61の端部を構成したものである。この場合は、初期溶融を促進する突起形状部4は機能しないが、鋼板部品10の表面に密着した平面34全体がほぼ同時に溶融を開始する。この場合の溶接電流の電流値,通電時間,加圧力等の溶接条件は、図2(C)の例について示したものと同じである。それ以外の構成や作用効果は前述の各実施例と同様である。
図12(C)に2点鎖線で図示したように、図9の場合と同様な隆起部57を鋼板部品10に形成してある。こうすることにより、図9の場合と同じ作用効果がえられる。
図12(G)および(H)に示したものは、頭部3と補助頭部61とが、同一形状、同一寸法とされている場合である。(G)に図示の場合は、頭部3にテーパ型の突起形状部4が形成されているので、受け板22の密着受け面23に凹部62が形成され、突起形状部4に密着受け面23が密着できるようになっている。一方、(H)に図示の場合は、頭部3に凹部30が形成されているので、受け板22の密着受け面23に凸部63が形成され、凹部30に密着受け面23が密着できるようになっている。
したがって、頭部3または補助頭部61の区別なくどちらを可動電極12の収容孔19に保持してもよい。したがって、小径軸状部品1の方向性を確定する必要がないので、小径軸状部品1の供給が簡素化され、また、方向まちがいのようなトラブルも回避できる。さらに、頭部3と補助頭部61が同一形状、同一寸法であるから、小径軸状部品1の生産設備、例えば、金型の製作等の面において有利である。
図12(A)に示すような突起形状部4を有する補助頭部61が鋼板部品10に溶接される場合には、補助頭部61の直径が軸部2の直径よりも大きいので、図13に示すように、溶融部9が中央部に集中して外周部に楔型の隙間64が形成されることがある。この場合には、中央部の溶着面積を溶接電流の通電時間や加圧力を選定して適正に求める必要がある。
補助頭部61を備えた小径軸状部品1を、図10に示した構造の可動電極12に保持して溶接することができる。
図14は、図5と同様な線図である。この線図において図示のように補助頭部61と軸部2との境界部近傍にわずかな昇温現象が発生するものと予測される。このような現象は、補助頭部61の断面積が軸部2の断面積よりも大きいので、溶融部9の熱は急速に補助頭部61に吸熱されるが、断面積の小さな軸部2に移行する箇所で熱流に停滞現象が生じ、そのために補助頭部61と軸部2との境界部近傍でわずかに昇温するものと考えられる。
この実施例6の作用効果を列記すると、次のとおりである。
実施例6の溶接方法には、つぎの作用効果がある。
軸部2よりも大径とされた熱吸収用の頭部3が可動電極12に保持されるので、種々な外力に対して安定した頭部保持がなされ、溶接時の加圧動作時に、可動電極12と小径軸状部品1との所定の相対位置に狂いが発生することがない。例えば、小径軸状部品1が鋼板部品10に対して傾斜することなく垂直に正確に溶接することが可能となる。
前記補助頭部61の先端部と鋼板部品10との加圧部に生じた溶融部9の溶融熱が補助頭部61と軸部2を経て頭部3に伝熱される。このときには、溶融熱は、先ず軸部2よりも大径の補助頭部61全体に伝熱され、その後、小径の熱容量の小さな軸部2を急速に昇温させながら軸部2を流れて熱容量の大きな頭部3にいたる。このような熱流によって溶融部9が過剰に拡大することが防止される。このような熱流において、溶融部9と軸部2との間に補助頭部61が介在しているので、補助頭部61が溶融熱を即座に吸熱し、その後、軸部2への熱流がなされる。したがって、溶融部9の溶融量が異常に多くなることが防止され、補助頭部61先端部の溶着にとって適正な溶融量が確保でき、十分な溶着強度が得られ、小径軸状部品1の高さ寸法も所定どおりに設定できる。
上記のように、補助頭部61の熱容量を軸部2の熱容量よりも大きく設定することができるので、溶融部9の熱が急速に補助頭部61に吸熱され、溶融量が過大になることが防止できる。
前記溶融量は、溶融領域が補助頭部61の断面全体に及ぶことが高い溶接強度を確保する面から重要であるが、さらには補助頭部61の軸線方向の溶融量が必要最小限にとどまっていることが重要である。本発明においては、溶融部9からの熱流が前記のように熱容量の大きな頭部3に向かっているので、軸線方向の溶融量が異常に多くなることが抑制されるのである。したがって、溶融量過多による小径軸状部品1の高さ不足が防止され、溶接後の小径軸状部品1の高さ寸法L1が正確に求められる。同時に、補助頭部61の断面全体に及ぶ溶融領域が確保されて、十分な溶接強度が得られる。
さらに、補助頭部61は軸部2よりも大径であるから、小径軸状部品1が鋼板部品10に加圧されたときの安定性が良好となり、小径軸状部品1と鋼板部品10との相対位置を所定通りに設定することができる。
上記のように、補助頭部61の先端部における溶融熱を頭部3に吸熱させるものなので、溶接電流の通電時間,軸状部品の加圧力および通電電流値等の溶接条件の厳密さが緩和される。したがって、溶着部の溶融量を許容範囲内に管理することが行いやすくなり、溶接品質の向上にとって効果的である。
前記頭部3は可動電極12に形成された収容孔19内に保持され、この収容孔19の内面である密着受け面23に頭部3の一部である頂面7が密着している小径軸状部品1の溶接方法である。
このように頭部3が収容孔19内に収容され、頭部3の頂面7が収容孔19の密着受け面23に密着しているので、可動電極12から小径軸状部品1への通電が確実になされ、また、可動電極12の動作変位が小径軸状部品1に対して正確に伝達され、補助頭部61の先端部と鋼板部品10との圧接が確実に得られ、適正な溶着を行わせるのに有効である。さらに、このような密着によって、熱伝導状態が良好な条件下で、頭部3の熱が収容孔19の密着受け面23を経て可動電極12側に吸熱されるので、溶融部9近傍の高い熱量を迅速に頭部3へ伝熱することができ、溶融部9を必要最小限の範囲内にとどめることが可能となる。すなわち、頭部3から可動電極12側への熱伝達が良好で頭部3の温度が低く維持されるから、溶融部9近傍の部位と頭部3との間の熱勾配が大きく設定でき、溶融部9近傍から頭部3への熱流を確実にかつ積極的に行わせることが実現する。
前記頭部3に設けられた平坦な頂面7が、前記小径軸状部品1の軸線8に対して垂直な状態となるように配置され、前記可動電極12の収容孔19の密着受け面23に前記頂面7が密着した状態で可動電極12が前記軸線8と同方向に進出するようにした小径軸状部品1の溶接方法である。
前記頭部3の頂面7が小径軸状部品1の軸線8に対して垂直な位置関係となり、しかも可動電極12の収容孔19の密着受け面23と頂面7とが密着した状態で前記軸線8の方向へ可動電極12が進出する。これにより、小径軸状部品1に対する加圧力は小径軸状部品1の軸線8方向に正確に作用することとなり、小径軸状部品1を傾斜させる力成分が発生せず、小径軸状部品1は鋼板部品10に対して所定の角度、例えば、垂直の起立姿勢で正しく溶接される。
可動電極12の進出によって補助頭部61の先端部が鋼板部品10に対して加圧され溶融が開始されると、溶融部9は液状になっているので、わずかな傾斜方向の力で小径軸状部品1は傾斜し、溶着完了時には小径軸状部品1が鋼板部品10に対して所定の角度、例えば、垂直にならないことが発生する。しかしながら、頭部3の頂面7が収容孔19の密着受け面23に密着し、小径軸状部品1の軸方向に可動電極12が進出することにより、傾斜方向の力成分が発生しないので、溶融部9の液状状態が一時的に存在しても、小径軸状部品1は所定の角度で正しく鋼板部品10に溶接される。
前記収容孔19が形成された可動電極12に吸引手段である永久磁石17が組み込まれ、この永久磁石17の吸引力によって前記頭部3の頂面7が収容孔19の密着受け面23に密着している小径軸状部品1の溶接方法である。
このように永久磁石17の吸引力によって頭部3の頂面7が収容孔19の密着受け面23に密着しているので、この密着状態が確実に維持される。したがって、可動電極12の収容孔19における頭部3の保持力すなわち保持安定性が向上する。
さらに、前記のように、小径軸状部品1に対する正確な加圧力の伝達や小径軸状部品1の傾き防止が確実になされる。また、永久磁石17を用いることにより、吸引手段が簡単に実現できるので、可動電極12の構造が複雑になることが最小化され、構造簡素化の面で有利である。
前記補助頭部61の先端部に、初期溶融を促進する突起形状部4が設けられている小径軸状部品1の溶接方法である。
前記突起形状部4が鋼板部品10に圧接されている箇所は、溶接電流の密度が高くなり、それにともなう局部的なジュール熱が発生する。したがって、通電開始後できるだけ短時間で溶融が開始されて所定の溶融量に到達し、熱容量の小さな補助頭部61の先端部において適正な溶融量の溶着を図ることができる。
前記突起形状部4は、先端にゆくほど断面積が減少する突起形状とされている小径軸状部品1の溶接方法である。
この突起形状部4は頂点5を有しているので、この頂点5から溶融が開始され周囲に徐々に均一に溶融領域が拡大してゆくので、溶融領域の範囲と形状が補助頭部61の断面形状とほぼ同じとなり、適正な溶着にとって好適である。前記突起形状部4を例えばテーパ型にした場合には、テーパ形状部分6が溶融し軸方向にはテーパ高さH1の分が短縮されることになる。したがって、テーパ高さH1の短縮だけを見込むことにより、小径軸状部品1の高さが均一に確保できる。また、テーパ部分6全体が溶融することなく、周囲にわずかな空隙64が残存している状態であっても、所定の溶着面積が確保されることにより、正常な溶接が得られる。
前記突起形状部4は、リング状の突起形状とされている小径軸状部品1の溶接方法である。
この突起形状部4はリング状の突起形状を有しているので、このリング状の部分から溶融が開始され中央部に向かって徐々に均一に溶融領域が拡大してゆくので、溶融領域の範囲と形状が補助頭部61の断面形状とほぼ同じとなり、適正な溶着にとって好適である。また、溶着部の形状をリング状にとどめて、溶接強度をほとんど低下させることなく、小径軸状部品1の軸方向の溶融変位量を少なくすることも可能である。
前記鋼板部品10に形成した隆起部57に前記補助頭部61の先端部を加圧する小径軸状部品1の溶接方法である。
このように鋼板部品10に隆起部57が形成してあると、補助頭部61の先端部が平坦な面であっても、隆起部57の頂点付近が小さな接触面積の状態で、前記先端部が加圧される。したがって、その部分を流れる電流の密度が高くなって、ジュール熱が的確に得られる。このような発熱によって、補助頭部61の先端部は鋼板部品10の表面に対して適正な溶融量をもって溶着し、しかも所定の溶接強度が確保できる。そして、上記のような小さな接触面積であるから、この部分が先行して確実に溶融を開始し、それに引き続いて所定の溶融領域がえられる。
前記頭部3と補助頭部61は、同一形状、同一寸法とされている小径軸状部品1の溶接方法である。
このように前記頭部3と補助頭部61は、同一形状、同一寸法とされているから、頭部3または補助頭部61の区別なくどちらを可動電極12の収容孔19に保持してもよい。したがって、小径軸状部品1の方向性を確定する必要がないので、小径軸状部品1の供給が簡素化され、また、方向まちがいのようなトラブルも回避できる。さらに、頭部3と補助頭部61が同一形状、同一寸法であるから、小径軸状部品1の生産設備、例えば、金型の製作等の面において有利である。
前記小径軸状部品1の軸部2の直径は2.0〜4.0mm、溶接電流の通電時間は2/60〜5/60秒、鋼板部品10に対する小径軸状部品1の加圧力は10〜30kgfであり、溶接電流は9000〜12000Aである小径軸状部品1の溶接方法である。
このように軸部2の直径が2.0〜4.0mmの小径軸状部品1を、頭部3の熱容量すなわち吸熱性との関係において、上記の各溶接条件の範囲内で選定することにより、所定の溶接状態を確保することができる。
この実施例6における溶接装置には、つぎの作用効果がある。
すなわち、このような溶接装置を用いて前記小径軸状部品1を溶接することにより、前記小径軸状部品1の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
前記頭部3に設けられた平坦な頂面7が、前記小径軸状部品7の軸線8に対して垂直な状態となるように配置され、前記可動電極12の収容孔19の密着受け面23に前記頂面7が密着した状態で可動電極12が前記軸線8と同方向に進出するように構成した小径軸状部品1の溶接装置である。
このような溶接装置を用いて前記小径軸状部品1を溶接することにより、前記小径軸状部品1の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
前記小径軸状部品1の軸線8と同方向に進退するとともに前記頂面7が密着し前記密着受け面23を形成する受け部材58を可動電極12内部に組み込み、この受け部材58に可動電極12の進出方向の弾力を作用させる圧縮コイルスプリング60が設けられている小径軸状部品1の溶接装置である。
このような溶接装置を用いて前記小径軸状部品1を溶接することにより、可動電極12の進出ストロークの制御が行いやすくなる。本発明においては、前述のように、溶接条件の制御並びに設定が行いやすいという利点があるが、万一、溶接条件が何らなの原因で狂ったりして加圧力が過大になると、軸部2が座屈するおそれがある。
しかしながら、上記のように、受け部材58に付勢手段である圧縮コイルスプリング60が組み合わされているので、軸部2の先端部は鋼板部品10に対して弾力的に加圧されることになる。したがって、圧縮コイルスプリング60のばね定数を所定の値に設定しておくことにより、加圧力が過大になることが防止でき、前述のような溶接条件の狂いに対して万全の対応が可能となる。
この実施例6における小径軸状部品には、つぎの作用効果がある。
すなわち、このような小径軸状部品1を溶接することにより、前記小径軸状部品1の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
前記補助頭部61の先端部に、初期溶融を促進する突起形状部4が設けられている小径軸状部品1である。
すなわち、このような小径軸状部品1を溶接することにより、前記小径軸状部品1の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
前記突起形状部4は、先端にゆくほど断面積が減少する突起形状とされている小径軸状部品1である。
すなわち、このような小径軸状部品1を溶接することにより、前記小径軸状部品1の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
前記突起形状部4は、リング状の突起形状とされている小径軸状部品1である。
すなわち、このような小径軸状部品1を溶接することにより、前記小径軸状部品1の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
前記頭部3と補助頭部61は、同一形状、同一寸法とされている小径軸状部品1である。
すなわち、このような小径軸状部品1を溶接することにより、前記小径軸状部品1の溶接方法と同様の作用効果がえられる。
図15は、小径軸状部品1の実施例である。図2や図12に示した小径軸状部品1には、テーパ型の突起形状部4に尖った形状の頂点5が形成されている。このような形状に代えて本実施例では、突起形状部4がテーパ部4Aと平坦な円形の頂面7Aによって形成されている。この頂面7Aは、テーパ部4Aが形成されていることによって、その面積が軸部2の断面積よりも小さくなっている。それ以外の構成は先の各実施例と同じなので、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
このように頂面7Aの面積が小さくなっているので、溶接電流の電流密度を高めて初期溶融を促進することができる。また、平面である頂面7Aが鋼板部品10に対して密着するので、加圧時の小径軸状部品1の安定性が良好となり、小径軸状部品1が鋼板部品1に対して傾いたりすることがない。それ以外の作用効果は、先の各実施例と同じである。
図16は、溶接装置の実施例である。この実施例では、小径軸状部品1の欠落を検出する機能を果たすようになっている。ここでは本体部14に固定されたキャップ部16が絶縁材料で作られている。この絶縁材料は、ポリアミド樹脂,ケイ素樹脂およびフェノール樹脂などのような電気絶縁性や耐熱性にすぐれた合成樹脂である。
断面円形の筒状とされた検知部材70内にキャップ部16が圧入されて、検知部材70が可動電極12に一体化されている。また、検知部材70には底部材71が形成され、可動電極12が進出したときにその底面72が鋼板部品10の表面に密着するようになっている。キャップ部16の中央に筒部16Aが形成され、その内側が前記収容孔19とされている。検知部材70の底部材71の中央部には、前記筒部16Aが進入する通孔73が設けてある。
可動電極12の軸方向における底面72の配置位置は、収容孔19内に正常に収容され前記受け板22に密着している小径軸状部品1が、底面72から突出するように設定されている。図16(A)に示すように、この突出量はS1で示されている。突出量S1は、小径軸状部品1の軸方向における軸部2の適正な溶融量を設定する。すなわち、可動電極12の進出途上で軸部2が溶融しながら底面72が鋼板部品10の表面に突き当たると、突出量S1が消滅する。このS1を軸部の適正な溶融量となるようにあらかじめ設定しておくことにより、軸部2の過剰溶融が防止されて適正な溶着が得られる。図16(B)は、突出量S1が消滅して検知部材70が規制機能を果たしている状態を示している。同図の黒く塗りつぶした箇所が前記溶融部9である。
上述のように検知部材70は、その底面72が鋼板部品10に突き当たることによって過剰溶融を規制する機能を果たしている。したがって、この検知部材70は後述の導通機能を果たしているが、同時に「規制部材」でもあり同様に符号70が付されている。
検知部材70は、ステンレス鋼やクロム銅のような導通材料で構成され、前述のように絶縁材料製のキャップ部16を介して可動電極12すなわち本体部14に対して絶縁状態で組み付けられている。なお、本体部14,作動ロッド13などはクロム銅で作られている。検知部材70と本体部14との間に検知電流が通電されたことを検知するために、検知手段74が設けてある。検知部材70に接続された導通線75と、作動ロッド13側に接続された導通線76が前記検知手段74に接続されている。この検知手段74は、検知電流の検知回路や、後述のタイマーや、タイマーからの信号で溶接電流の通電制御を行う回路などが内装された制御装置である。
したがって、図16(B)に示すように、小径軸状部品1が鋼板部品10に溶着して検知部材70の底面72が鋼板部品10に密着すると、検知電流が、検知部材70,鋼板部品10,溶融部9,小径軸状部品1,受け板22,本体部14,作動ロッド13の通電順序(またはその逆)で導通状態になり、小径軸状部品1が正常に存在していることが検知手段74において確認される。もし、小径軸状部品1が欠落していると、上記のような導通回路が形成されないので、検知手段74において検知電流は検出されない。したがって、小径軸状部品1が欠落していることが検知手段74で検出される。
検知手段74の動作機能としては種々なものが採用できる。ここでは、図示していないが、可動電極12の進出ストロークで動作するタイマーを組み合わせた例を説明する。
可動電極12が進出して、小径軸状部品1の先端部が鋼板部品10の近傍まで接近した位置で信号を発生するリミットスイッチが設けられ、このリミットスイッチからの信号で計時を開始するタイマーが検知手段70に組み込まれている。
小径軸状部品1が可動電極12に保持されているときには、タイマーの計時時間が所定時間に達して、計時信号が送出される。この計時信号によって検知手段74が動作して溶接電流の通電がおこなわれ、軸部2の溶融にともなって可動電極12がさらに進出して規制部材70(検知部材70)が鋼板部品10に密着する。この密着によって、前述の通電回路が形成されて検知電流の通電がなされる。この通電が検知手段74において検出され、小径軸状部品1が正常に存在していることが確認される。この確認は、異常状態を示す警告が発せられないことによって、行われる。
小径軸状部品1が可動電極12に保持されていないときには、タイマーの計時時間が所定時間に達して、計時信号が送出される。この計時信号によって検知手段74が動作して溶接電流の通電がおこなわれるが、溶融現象は開始されない。そして、小径軸状部品1の存在しない状態で規制部材70(検知部材70)が鋼板部品10に密着しても、前述の通電回路が形成されず検知電流の通電はなされない。この状態のままでタイマーの第2の計時時間が所定時間に達すると、検知手段74は小径軸状部品1が不存在であるとの判定を行い、この判定信号によって可動電極12を後退させて小径軸状部品1を収容孔19に供給するように動作させる。同時に、小径軸状部品1を収容孔19に供給する機能や、収容孔19に小径軸状部品1を保持する機能などに異常があることを、警告ブザーや警告灯で報知する。それ以外の構成は先の各実施例と同じなので、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
この実施例8の作用効果は、つぎのとおりである。
前述のように、可動電極12の進出によって検知部材70と小径軸状部品1がともに鋼板部品10に接触すると、検知電流が小径軸状部品1を介して本体部14から検知部材70(またはその逆)に流れ、検知手段74においてこの電流が検知される。したがって、小径軸状部品1が正常に可動電極12側に保持されていることが確認できる。もし、何等かの原因で小径軸状部品1が保持されていない場合には、検知電流が検知手段74に流れることがないので、小径軸状部品1が不存在であることが確実に検出できる。したがって、小径軸状部品1が欠落した鋼板部品10が後工程に送給されることがなく、後工程における混乱が防止できる。
また、規制部材70が鋼板部品10に突き当たって可動電極12と鋼板部品10との間隔が所定の距離に設定されるので、小径軸状部品1の軸方向に課せられる加圧力が一定値以上になることがない。したがって、軸部2の過剰溶融が防止され、鋼板部品10の表面からの小径軸状部品1の長さが一定長さに維持でき、小径軸状部品1の長さ精度が正確に管理できる。
さらに、キャップ部16が絶縁材料で構成されているので、そこに組み合わされる検知部材70すなわち規制部材70の取付けが、圧入のような簡単な構造で実現する。検知部材70が規制部材70を兼ねているので、構成部材の多機能化が図られて、構造簡素化において効果的である。それ以外の作用効果は、先の各実施例と同じである。
図17は、他の溶接装置の実施例である。キャップ部16に本体部14の直径方向に伸びている突出部78が設けられ、ここに可動電極12の軸線と平行に配置された挿入孔79が設けてある。この挿入孔79に摺動可能な状態で棒状の検知部材80が挿入されている。この検知部材80に結合されているロッド81が、摺動可能な状態で突出部78の上方に突き出ており、そこにストッパ片82が設けられている。このストッパ片82は、突出部78の上面に当たってストッパ機能を果たすようになっている。挿入孔79内に組み込まれた圧縮コイルスプリング83によって、検知部材80に突出方向のばね力が作用している。ストッパ片82の設置位置は、可動電極12の後退時に、検知部材80の先端部が小径軸状部品1の先端部よりも突き出た位置となるように設定されている。
検知部材80やロッド81は、電気導通性のあるステンレス鋼で作られており、ロッド81の上端に前記導通線75が接続してある。前記実施例8における規制部材70は、この実施例では筒部16Aによって形成されている。したがって、筒部16Aの先端部と鋼板部品10との間の空間が、小径軸状部品1の突出量S1とされている。また、実施例8と同様にこの実施例9においても、リミットスイッチやタイマーの利用がなされている。それ以外の構成は先の各実施例と同じなので、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
この実施例9の作用効果は、つぎのとおりである。
小径軸状部品1が可動電極12に保持されているときには、可動電極12が進出してくると、最初に検知部材80が鋼板部品10に当接し、ついで小径軸状部品1の軸部2が鋼板部品10に当接する。このように検知部材80と軸部2がともに鋼板部品10に接触することによって、検知電流の導通がなされて、小径軸状部品1の存在が確認され、検知手段74から動作信号が発せられる。この動作信号によって、溶接電流が通電されて軸部2が鋼板部品10に溶接される。したがって、溶接電流が通電される前に検知電流が導通状態になるので、小径軸状部品1が収容孔19に保持されていることを事前に確認することができる。また、規制部材である筒部16Aの先端部が鋼板部品10に突き当たることにより、軸部2の過剰溶融が防止される。
小径軸状部品1が可動電極12に保持されていないときには、上述のように検知電流が導通せず、それにともなってタイマーの計時時間が所定時間に達して、計時信号が送出される。この計時信号によって検知手段74が動作して溶接電流の通電が事前に停止される。そして、小径軸状部品1が存在しない状態で、規制部材16Aが鋼板部品10に突き当たっている。この状態のままでタイマーの第2の計時時間が所定時間に達すると、検知手段74は小径軸状部品1が不存在であるとの判定を行い、この判定信号によって可動電極12を後退させて小径軸状部品1を収容孔19に供給するように動作させる。同時に、小径軸状部品1を収容孔19に供給する機能や、収容孔19に小径軸状部品1を保持する機能などに異常があることを、警告ブザーや警告灯で報知する。それ以外の作用効果は、先の各実施例と同じである。
実施例8および実施例9の小径軸状部品1には、前記補助頭部61が形成されていないが、補助頭部61を備えている場合であっても、溶接装置としての構成は先の各実施例と同じである。また、作用効果も先の各実施例と同じである。したがって、実施例8および実施例9に相当する、補助頭部61を備えた場合の実施例は図示していない。
図18は、他の溶接装置の実施例である。この実施例10における小径軸状部品1は、フランジ付きの鉄製プロジェクションボルトである。すなわち、プロジェクションボルト1は、雄ねじが形成された軸部2と、それと一体に形成された円形のフランジ61Aと、このフランジ61Aの中央部に形成された円形の溶着用突起61Bによって構成されている。可動電極12すなわち本体部14の端面中央部に収容孔14Aが形成され、その奥に永久磁石17が固定されている。軸部2が収容孔14Aに挿入された状態では、永久磁石17の吸引力によりフランジ61Aが本体部14の端面に密着している。
この実施例10における規制部材70Aは、直方体の形状をしたブロック状の部材で構成され、本体部14の側面にボルト84を用いて固定されている。規制部材70Aの先端面と鋼板部品10との間に、突出量S1が形成されている。このS1は、溶着用突起61Bの突出高さとほぼ同じとされている。なお、この規制部材70Aの形状を筒状にして、その内側に本体部14を組み入れる構造としてもよい。さらに、規制部材70Aを本体部14に対して絶縁された状態で結合し、この規制部材70Aに前記導通線75を接続することによって、プロジェクションボルト1の有無を検出することができる。それ以外の構成は先の各実施例と同じなので、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
この実施例10によれば、溶着用突起61Bが溶融しきってフランジ61Aが鋼板部品10に密着するのとほぼ同時に、規制部材70Aが鋼板部品10に突き当たるので、溶着用突起61Bの過剰に溶融して溶融域がフランジ61Aにおよぶことを防止することができる。それ以外の作用効果は、先の各実施例と同じである。
前記実施例8,実施例9および実施例10においては、上述の規制部材70,16A,70Aなどによる過剰溶融防止の作用効果が、種々な小径軸状部品1において達成される。つまり、軸部2の端面が鋼板部品10に突き当てられて溶接される場合や、軸部2の端面に形成された溶着用突起が鋼板部品10に突き当てられて溶接される場合、あるいは軸部2の端部に溶着用突起61Bを有するフランジ61Aが形成され、この溶着用突起61Bが鋼板部品10に突き当てられて溶接される場合などである。いずれの場合においても、小径軸状部品1の軸方向における溶融量が規制部材70,16A,70Aなどによって所定値に設定されるので、軸部2の端部や溶着用突起61Bの正常な溶融が確保できる。
本発明は、直径の小さな軸状部品の端部を、所定の溶融量の状態で、鋼板部品に電気抵抗溶接で正確に溶接することができる。したがって、自動車の車体や家庭電化製品などの広い産業分野で利用することが可能となるものである。
本発明を実施するための溶接装置全体の縦断側面図である。 溶接に供される小径軸状部品の図である。 溶着が進行してゆく状態を示す側面図である。 電極の形態を示す側面図である。 小径軸状部品の部位と温度との関係を示す線図である。 溶着状態を確認する破壊テストの破壊図である。 他の実施例を示す断面図である。 他の実施例を示す断面図である。 他の実施例を示す断面図である。 他の実施例を示す断面図である。 他の実施例における溶接装置全体の縦断側面図である。 他の実施例における小径軸状部品の図である。 溶着状態を示す断面図である。 他の実施例における小径軸状部品の部位と温度との関係を示す線図である。 他の実施例における小径軸状部品の図である。 他の実施例における溶接装置の縦断側面図である。 他の実施例における溶接装置の縦断側面図である。 他の実施例における溶接装置の縦断側面図である。
符号の説明
1 小径軸状部品,プロジェクションボルト
2 軸部
3 頭部
4 突起形状部
7 頂面
7A 頂面
8 軸線
9 溶融部
10 鋼板部品
11 固定電極
12 可動電極
14 本体部
14A 収容孔
16A 規制部材
17 永久磁石
19 収容孔
22 受け板
23 密着受け面
57 隆起部
60 圧縮コイルスプリング
61 補助頭部
70 検知部材,規制部材
70A 規制部材,検知部材
S1 突出量
74 検知手段
80 検知部材

Claims (38)

  1. 小径軸状部品は、小径の軸部と、この軸部の一端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部から構成され、前記熱吸収用の頭部を電極に保持した状態で、他方の電極上に載置された鋼板部品に前記軸部の先端部を加圧した後、この加圧状態において前記先端部と鋼板部品との間に溶接電流を通電し、この通電によって前記先端部と鋼板部品との加圧部に生じた溶融部の溶融熱を、軸部を経由して熱吸収用の頭部に吸熱させることを特徴とする小径軸状部品の溶接方法。
  2. 前記頭部は電極に形成された収容孔内に保持され、この収容孔の内面に頭部の一部が密着している請求項1記載の小径軸状部品の溶接方法。
  3. 前記頭部に設けられた平坦な頂面が、前記小径軸状部品の軸線に対して垂直な状態となるように配置され、前記電極の収容孔の内面に前記頂面が密着した状態で電極が前記軸線と同方向に進出するようにした請求項1または請求項2記載の小径軸状部品の溶接方法。
  4. 前記収容孔が形成された電極に吸引手段が組み込まれ、この吸引手段の吸引力によって前記頂面が収容孔の内面に密着している請求項3記載の小径軸状部品の溶接方法。
  5. 前記小径軸状部品の軸部の先端部に、初期溶融を促進する突起形状部が設けられている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の小径軸状部品の溶接方法。
  6. 前記突起形状部は、先端にゆくほど断面積が減少する突起形状とされている請求項5記載の小径軸状部品の溶接方法。
  7. 前記突起形状部は、リング状の突起形状とされている請求項5記載の小径軸状部品の溶接方法。
  8. 前記鋼板部品に形成した隆起部に前記軸部の先端部を加圧する請求項1〜請求項7のいずれかに記載の小径軸状部品の溶接方法。
  9. 軸部の体積V1/頭部の体積V2は、約0.3〜約1.6である請求項1〜請求項8のいずれかに記載の小径軸状部品の溶接方法。
  10. 前記小径軸状部品の軸部の直径は2.0〜4.0mm、溶接電流の通電時間は2/60〜5/60秒、鋼板部品に対する小径軸状部品の加圧力は10〜30kgfであり、溶接電流は9000〜12000Aである請求項1〜請求項9のいずれかに記載の小径軸状部品の溶接方法。
  11. 小径軸状部品は、小径の軸部と、この軸部の一端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部から構成され、前記軸部の先端部を鋼板部品に電気抵抗溶接をする装置であって、前記鋼板部品が載置される固定電極と、前記小径軸状部品の頭部を収容孔内に保持して前記軸部の先端部を鋼板部品に加圧した後溶接電流を通電する可動電極と、前記熱吸収用の頭部の一部に密着する前記収容孔の内面とを含んで構成されていることを特徴とする小径軸状部品の溶接装置。
  12. 前記頭部に設けられた平坦な頂面が、前記小径軸状部品の軸線に対して垂直な状態となるように配置され、前記電極の収容孔の内面に前記頂面が密着した状態で電極が前記軸線と同方向に進出するように構成した請求項11記載の小径軸状部品の溶接装置。
  13. 前記小径軸状部品の軸線と同方向に進退するとともに前記頂面が密着し前記内面を形成する受け部材を電極内部に組み込み、この受け部材に電極の進出方向の弾力を作用させる付勢手段が設けられている請求項12記載の小径軸状部品の溶接装置。
  14. 小径の軸部と、この軸部の一端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部から構成され、前記熱吸収用の頭部が電極に保持される部分とされ、前記軸部の先端部が相手方部材に電気抵抗溶接される部分とされていることを特徴とする小径軸状部品。
  15. 前記軸部の先端部に、初期溶融を促進する突起形状部が設けられている請求項14記載の小径軸状部品。
  16. 前記突起形状部は、先端にゆくほど断面積が減少する突起形状とされている請求項15記載の小径軸状部品。
  17. 前記突起形状部は、リング状の突起形状とされている請求項15記載の小径軸状部品。
  18. 小径軸状部品は、小径の軸部と、この軸部の一端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部と、前記軸部の他端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた補助頭部から構成され、前記熱吸収用の頭部を電極に保持した状態で、他方の電極上に載置された鋼板部品に前記補助頭部の先端部を加圧した後、この加圧状態において前記先端部と鋼板部品との間に溶接電流を通電し、この通電によって前記先端部と鋼板部品との加圧部に生じた溶融部の溶融熱を、補助頭部および軸部を経由して熱吸収用の頭部に吸熱させることを特徴とする小径軸状部品の溶接方法。
  19. 前記頭部は電極に形成された収容孔内に保持され、この収容孔の内面に頭部の一部が密着している請求項18記載の小径軸状部品の溶接方法。
  20. 前記頭部に設けられた平坦な頂面が、前記小径軸状部品の軸線に対して垂直な状態となるように配置され、前記電極の収容孔の内面に前記頂面が密着した状態で電極が前記軸線と同方向に進出するようにした請求項18または請求項19記載の小径軸状部品の溶接方法。
  21. 前記収容孔が形成された電極に吸引手段が組み込まれ、この吸引手段の吸引力によって前記頭部の一部が収容孔の内面に密着している請求項19または請求項20記載の小径軸状部品の溶接方法。
  22. 前記補助頭部の先端部に、初期溶融を促進する突起形状部が設けられている請求項18〜請求項21のいずれかに記載の小径軸状部品の溶接方法。
  23. 前記突起形状部は、先端にゆくほど断面積が減少する突起形状とされている請求項22記載の小径軸状部品の溶接方法。
  24. 前記突起形状部は、リング状の突起形状とされている請求項22記載の小径軸状部品の溶接方法。
  25. 前記鋼板部品に形成した隆起部に前記補助頭部の先端部を加圧する請求項18〜請求項24のいずれかに記載の小径軸状部品の溶接方法。
  26. 前記頭部と補助頭部は、同一形状、同一寸法とされている請求項18〜請求項25のいずれかに記載の小径軸状部品の溶接方法。
  27. 前記小径軸状部品の軸部の直径は2.0〜4.0mm、溶接電流の通電時間は2/60〜5/60秒、鋼板部品に対する小径軸状部品の加圧力は10〜30kgfであり、溶接電流は9000〜12000Aである請求項18〜請求項26のいずれかに記載の小径軸状部品の溶接方法。
  28. 小径軸状部品は、小径の軸部と、この軸部の一端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部と、前記軸部の他端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた補助頭部から構成され、前記補助頭部の先端部を鋼板部品に電気抵抗溶接をする装置であって、前記鋼板部品が載置される固定電極と、前記小径軸状部品の頭部を収容孔内に保持して前記補助頭部の先端部を鋼板部品に加圧した後溶接電流を通電する可動電極と、前記熱吸収用の頭部の一部に密着する前記収容孔の内面とを含んで構成されていることを特徴とする小径軸状部品の溶接装置。
  29. 前記頭部に設けられた平坦な頂面が、前記小径軸状部品の軸線に対して垂直な状態となるように配置され、前記電極の収容孔の内面に前記頂面が密着した状態で電極が前記軸線と同方向に進出するように構成した請求項28記載の小径軸状部品の溶接装置。
  30. 前記小径軸状部品の軸線と同方向に進退するとともに前記頂面が密着し前記内面を形成する受け部材を電極内部に組み込み、この受け部材に電極の進出方向の弾力を作用させる付勢手段が設けられている請求項29記載の小径軸状部品の溶接装置。
  31. 小径の軸部と、この軸部の一端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部と、前記軸部の他端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた補助頭部から構成され、前記熱吸収用の頭部が電極に保持される部分とされ、前記補助頭部の先端部が相手方部材に電気抵抗溶接される部分とされていることを特徴とする小径軸状部品。
  32. 前記補助頭部の先端部に、初期溶融を促進する突起形状部が設けられている請求項31記載の小径軸状部品。
  33. 前記突起形状部は、先端にゆくほど断面積が減少する突起形状とされている請求項32記載の小径軸状部品。
  34. 前記突起形状部は、リング状の突起形状とされている請求項32記載の小径軸状部品。
  35. 前記頭部と補助頭部は、同一形状、同一寸法とされている請求項31〜請求項34のいずれかに記載の小径軸状部品。
  36. 小径軸状部品は、小径の軸部と、この軸部の一端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部から構成され、前記軸部の先端部を鋼板部品に電気抵抗溶接をする装置であって、前記鋼板部品が載置される固定電極と、前記小径軸状部品の頭部を収容孔内に保持して前記軸部の先端部を鋼板部品に加圧した後溶接電流を通電する可動電極と、前記熱吸収用の頭部の一部に密着する前記収容孔の内面と、可動電極に絶縁状態で組み付けられ可動電極の進出時に鋼板部品に接触する検知部材と、この検知部材と可動電極との間に小径軸状部品を介して通電される検知電流の検出手段とを含んで構成されていることを特徴とする小径軸状部品の溶接装置。
  37. 小径軸状部品は、小径の軸部と、この軸部の一端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた熱吸収用の頭部と、前記軸部の他端に一体的に設けられているとともに軸部よりも大径とされた補助頭部から構成され、前記補助頭部の先端部を鋼板部品に電気抵抗溶接をする装置であって、前記鋼板部品が載置される固定電極と、前記小径軸状部品の頭部を収容孔内に保持して前記補助頭部の先端部を鋼板部品に加圧した後溶接電流を通電する可動電極と、前記熱吸収用の頭部の一部に密着する前記収容孔の内面と、可動電極に絶縁状態で組み付けられ可動電極の進出時に鋼板部品に接触する検知部材と、この検知部材と可動電極との間に小径軸状部品を介して通電される検知電流の検出手段とを含んで構成されていることを特徴とする小径軸状部品の溶接装置。
  38. 鋼板部品が載置される固定電極と、小径軸状部品を収容孔内に保持して小径軸状部品の先端部を鋼板部品に加圧した後溶接電流を通電する可動電極と、可動電極に一体化され鋼板部品に突き当たることにより小径軸状部品の溶融量を所定の量に設定する規制部材とを含んで構成されていることを特徴とする小径軸状部品の溶接装置。
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