JP4683242B2 - 集塵ブロアー装置とそのブロアー羽根補修方法 - Google Patents

集塵ブロアー装置とそのブロアー羽根補修方法 Download PDF

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溶銑の脱硫、脱燐、脱珪処理などの所謂溶銑予備処理装置における集塵ブロアー装置そのブロアー羽根補修方法に関するものであり、そのブロアー羽根に、該処理中に発生する排出ガス中に含まれる粉塵が付着することを防止し併せて粉塵による摩耗対策を施したものである。
溶高炉より出銑された銑鉄は、混銑車にて転炉に運ばれ,最終的には溶銑鉄中の炭素と硫黄と燐が除去されるが,大量処理と効率化の為、混銑車の上で直接ランスより脱硫剤のCaC2(炭化カルシウム)やCaCO3(炭酸カルシウム)等の反応促進剤を加えて、脱硫と脱燐を同時に行う所謂溶銑予備処理方法が現在は主として施行されている。
この方法によると約80%の除去率と成る為、後工程の転炉製鋼処理を短時間で終了させる事が可能と成っている。
この溶銑予備処理設備において、混銑車内の溶銑中にランスより窒素ガスや反応中に発生する炭酸ガスの再利用にてガスを吹き込み,反応後の排出ガスは、集塵機ブロアー装置にて強制的に排出される。この排出ガス中には、脱硫脱燐による硫酸カルシウムCaSO4(別命 石膏)や燐酸カルシウムCa(H2PO4)2の粉塵が多量に含まれて吸引されるため、吸引ブロアー羽根の反回転方向面である裏面に密着し,3〜5日に1回集塵機ブロアー装置を停止して除去している。ブロアー羽根の該裏面への粉塵付着は、気圧が低降する飛行機の翼の羽根に掛る揚力と同じ原理にて強力に密着するが、厚み20〜30mmとなると自重により部分的に剥離し落降して急激に回転バランスを崩して,ブロアー羽根の軸受メタル,回転シャフトの曲り,駆動モーターの軸受破損事故を頻発した。
その為3日〜5日と言う短いサイクルにてブロアー羽根の清掃をして付着粉塵を除去している。
又、排気ガス流が高速で流れる羽根の表面即ち回転方向面や吸引側の先端部(内周側から吸引して外周側に排出するブロアー羽根の場合は内周側の先端部)はアーク方式の肉盛が主流であったが、これでは含有粉塵によるアタックによりクラックが発生したり研削摩耗が著しく、2年以上の長寿命は達成出来なかった。前記アーク方式の肉盛面の特に先端部にクラックが発生すると,クラックのスキ間を集中的に粉塵がアタックしてSS400等の羽根母材を喰って剥離させてしまう恐れがある。
本発明は、前記ブロアー羽根への粉塵付着を防止して、ブロアー羽根の回転バランスを良好に維持して軸受メタル,ブロアー羽根の回転シャフトの曲り,駆動モーターの軸受破損事故を皆無にし、且つブロアー羽根に対する排ガス中の含有粉塵によるアタック防止とクラック発生を防止(ノークラック)して、長期安定運転を可能にした集塵機ブロアー装置を提供するものである。
本発明は上記課題を解決する特徴は1)〜5)の通りである。
1)、溶融銑鉄の予備処理設備における排気ブロアーにおいて、
ブロアー羽根の吸引側と排出側の両端部を超硬粉体を高周波肉盛蝋し,ブロアー羽根の回転方向面の摩耗部をHi−Cr鋳鉄粉体を高周波肉盛蝋付した硬度HV1300〜900のライナーとしたことを特徴とする集塵ブロアー装置。
2)、溶融銑鉄の予備処理設備における集塵ブロアー装置において、
ブロアー羽根の吸引側と排出側の両端部を超硬粉体を高周波肉盛蝋付し,ブロアー羽根の回転方向面の摩耗部をHi−Cr鋳鉄粉体を高周波肉盛蝋付した硬度HV1300〜900のライナーとし、ブロアー羽根の反回転方向面に粉体附着防止用のテフロン板を張りつけたことを特徴とする集塵ブロアー装置。
3)、溶融銑鉄の予備処理設備における集塵ブロアー装置において、
ブロアー羽根の吸引側と排出側の両端部を超硬粉体を高周波肉盛蝋付し,ブロアー羽根の回転方向面の摩耗部をHi−Cr鋳鉄粉体を高周波肉盛蝋付した硬度HV1300〜900のライナーとし、ブロアー羽根の反回転方向面に粉体附着防止用のテフロン板を張りつけその上に炭素繊維又はガラス繊維の10〜50メッシュの網を180℃〜200℃の予熱にて密着し,その上にクッションゴムを張りつけたたことを特徴とする集塵ブロアー装置。
4)、前記ブロアー羽根の吸引側と排出側の超硬粉体の高周波肉盛蝋付部は、粉体の中にフラックスとしてクラック防止用の5%以下の炭酸セシウム(CsCO3)と蝋付粉体5%残部が30%以下の超硬粉体と残りが鉄粉である請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の集塵ブロアー装置。
5)、溶融銑鉄の予備処理設備における集塵ブロアー装置において、
ブロアー羽根の吸引側と排出側の両端部に超硬粉体を高周波肉盛蝋付するに際して、
鉄粉に炭酸物(5〜6種類)とフラックスとして炭酸セシウム(CsCO3)5%以下と蝋付粉5%以下を良く撹拌混合して、それを3%以下のケイ酸ソーダー(NaSiO3)にて撹拌しCO2ガスを放出してブロアー羽根の吸引側と排出側の両端部に固めた物とし,鋳型(砂型)に挿入し高周波コイルにて加熱蝋付して、巣,ピンホールのない硬化ブロアー羽根にすることを特徴とする集塵ブロアー装置のブロアー羽根補修方法。
本発明は、前記ブロアー羽根への粉塵付着を防止して、ブロアー羽根の回転バランスを良好に維持して軸受メタル,ブロアー羽根の回転シャフトの曲り,駆動モーターの軸受破損事故を皆無にし、且つブロアー羽根に対する排ガス中の含有粉塵によるアタック防止とクラック発生を防止(ノークラック)して、長期安定運転を可能にした集塵機ブロアー装置とそのブロアー羽根補修方法を完成したものである。
操業実績としては、集塵ブロアー装置のブロアー羽根の当該部を従来のアーク方式の肉盛では、2年以上の長寿命は達成出来なかったが、本発明は前記の高周波粉体肉盛蝋付方式とテフロン板の張り合わせにより、ブロアー羽根の補修のために集塵機ブロアー装置を停止すること無く4年半の今でも連続して回っている。
<本発明の具体的作用効果>
(1)、前記集塵ブロアー装置とブロアー羽根の補修方法において、粉塵含有の高速排気流が衝突するブロアー羽根の吸引側と排出側の研削摩耗部、及び排気流が高速で流れる回転方向面の研削摩耗摩耗部とは、高周波粉体肉盛蝋付方式を採用することにより,クラックなしのHV1000以上の硬度保持が可能にした。高周波粉体肉盛蝋付部は、例えば5種類程度の炭化物を鉄粉の中に埋設した母材である。例として、鉄粉重量比60%+35%が炭化物(WC,Cr2C7,NbC2,VC,MoC等5種の炭化物)と高周波フラックス粉体を重量比5%以下を入る事で,HV1000以上の炭化物の入った硬化肉盛羽根とする。
(2)、前記ブロアー羽根の反回転方向面(裏面)には,テフロン板を張りつけるが,好ましくはテフロン板に炭素繊維又はガラス繊維に入った網目10〜50メッシュをアイロン方式で熱にて溶着させて,網目の中にテフロンを溶かし込み,上面に密着した網と接着剤にて羽根の裏面に接合する。
集塵ブロアー装置の最大の振動の原因はCaSO4,Ca(H2PO4)2,CaC2,FeO,Fe2O3等の粉塵がブロアー羽根の反回転方向面すなわち負圧領域となる裏面に吸着増圧し、部分それが剥落することによる。
この対策としては,本発明は、これ等の粉体の吸着を防止するため、ブロアー羽根の反回転方向面にテフロン板を張りつけることで前記粉体の吸着を100%防止したものである。
テフロン板をブロアー羽根に張りつけるには、特開2008-137776粉体ロータリーフィダーにて実績のある通り,テフロン板に炭素繊維で織られた10〜50メッシュの網状又はガラス繊維に織られた網状同じく10〜50メッシュを180℃〜200℃の電気ヒーターにて保温された一種のアイロンで強制的に押えつけ,テフロン板の中に喰い込ませる。冷えるとテフロン板上面に炭素繊維又はガラス繊維状の網が喰い込んで回っている。この網状の物に200℃以下に耐える接着剤(ゴム糸)にて接着すればよい。
溶融銑鉄の予備処理設備における集塵ブロアー装置において前記本発明のブロアー羽根とその補修方法の詳細を以下に紹介する。
<フラックスについて>
ブロアー羽根の吸引側と排出側の両端部に施す前記高周波粉体肉盛蝋付部は、鉄粉は蝋付の蝋とも成り,炭化物を接合した母材でもある。
高周波によるブロアー羽根の当該部の母材表面を1550℃〜1650℃にする事で,鉄粉が溶解し,含有のフラックス5%以下が蝋付用フラックスとして働いている。考案者は特願2004−245836高炉溶滓樋冷却パイプ鋳ぐるみでフラックスを前もって塗布する事で,蝋付する事を証明した。
本発明にて用いる前記フラックスは、例えば(硼酸銅(Cu(H3BO3)2)30%)(桂弗化ナトリウムNaSiF6 15%)(酸化硼素B2O3 10%)(硼砂NaB4O7 15%)(臭化ナトリウムNaBr 5%)(弗化カリウムKF 10%)(硼酸H3BO3 13%)(炭酸セシウムCsCO3 2%)である。
このフラックスは、硼酸銅中のCuが鉄と化合し,鉄銅イオン結合する前にCsCO3→Fe(CO)5(鉄ペンタカルボール)を作り,単独のCsが鉄イオン結合をバラバラとする為,イオン銅が蝋と成って炭化物を接合するもので、一種の拡散接合の分子種と成る。
<蝋材(ステライトNo.6粉末5%)について>
鉄粉60%と炭化物とフラックス35%(内フラックスは5%)重量比良く撹拌し,3%のケイ酸ソーダー(NaSiO3)を加えて羽根両端のカーブ面に沿って鋳型方式で密着させてCO2↑ガスにて固める。
固め終わったら流れ防止と硬化面保持の為,同じくケイ酸ソーダーで固めた生型の中に羽根の鉄板と硬化部の粉体を挿入固定し,高周波コイルにてカーブ状に加熱する。
1550℃〜1650℃と非常に高温に設定しているが,蝋付は1400℃〜1450℃にて完了する。ケイ酸ソーダー(NaSiO3)も1400℃迄に耐える為,フラックスの働きと砂粒子の結合剤として肉盛面内圧の張り気力保持し,上面の空間よりフラックスの燃焼と発生するアセチレンガスC2H2↑を逃がす為に砂型の上面は空間とする立型蝋付方式加熱を採用している。
5種類の複合炭化物(Cr2C7,Nbc,WC,VC,MoC)は銅イオンだけでは無理の為,ステライト粉(NO6)5%が蝋材と成る。
ステライトNO6の化学成分は、C:1.0〜1.1W%、Si1.1〜1.3W%、Cr:27〜29W:4.5〜5.5W%、Fe:0.3〜0.5W%、Co:残である。
超硬合金は化学成分も幅広く硬度と目的にて例えばCo:10〜40W%、WC:90〜60W%などから撰択する。
ステライトNO6中のコバルト(Co)が超硬粉中のCoとなじみが良い為,フラックスの中のCsによる分子結合弱を加熱中は弱まっている為,フラックスの働きによる表面張力除去作用が大きく成る為粉体炭化粒1つ1つの蝋付が可能と成っている。

<超硬粉について>
前記ブロアー羽根の吸引側と排出側の高周波肉盛蝋付部の肉盛は平均8mmと厚く長寿命6年を目標とし,かつ超硬粉体の焼結状の鋳ぐるみ高周波肉盛蝋付法である。その為高価と成る為,両端のみ採用し,羽根の背中の大部分はハイクロムライナーを作る粉体とした。
超硬粉体の化学成分は、C:4〜4.5w%、Si:0.5〜0.8w%、Mn:0.5〜1.0w%、P.S:0.02w%以下、Cr:27〜30w%、Mo:1〜2w%、Ni:1〜2w%、V:1〜1.5w%、W:1〜1.5w%、Ti:0.5w%以下、Nb:0.5w%以下、Fe残のHV硬度900〜950の出る粉体である。
このHV900〜950硬度を得る為には,Cr2C7,WC,VC,Nbc,MoC5種類は出る。これ等の粉体を鉄粉50%,炭化物40%,フラックス5%,蝋材5%。蝋材としては安い自溶性合金例えばC:0.1〜0.15w%、Si:4.5〜5.0w%、Cr:8〜9w%、B:2.5〜3.0w%、Fe:3〜4w%、Ni:残を混合することで,1200℃以内にて蝋付が可能である。
<ブロアー羽根の回転方向面の摩耗部をHi−Cr鋳鉄粉体を高周波肉盛蝋付した硬度HV1300〜900のライナーとすることについて>
ブロアー羽根の羽根断面は飛行機の羽根と良く似ている為,回転方向面である上面を流れる気流が早く裏面の方が遅い為,その結果揚力が働き羽根の裏面側に,CaSO4,Ca(H2PO4)2,CaC2,FeO,Fe2O3が密着し,耐えれる自重7~8kg以下程度に成長した後,局部的に剥落する事でブロアー羽根の回転バランスが崩れて異常振動と成り事故に繋がる事は前術の説明のとおり通りである。
一方ブロアー羽根の回転方向面はこれ等粉塵による研削摩耗の為,高硬度ほど摩耗は少なく,場合によってはサーメント,セラミックス等のタイル状の物が接合されていたが,遠心力と接着剤の寿命(主として熱180℃以下と成る)により,結果的に短命に終わった。
セラミックスを真空炉にて接合ピンと蝋付し,このピンに大電流を流し接合するスタットピンガン方式の接合は熱に対する又,遠心力に対する寿命もあるが,混銑車より吸い込む途中配管中の固まった鉄粉及びノロ及びとめているボルト,ナットの抜け落ち等が当る為,セラミックスが割れて結果的にこれも短命であった。
超硬チップのスタット方式が考えられたが,表面とスキ間の調整が困難と高価であり,部分補修しか使われていない。
表面を流れる排気気流(速度150m/sec)は研削性を持っている為,Hi−Cr鋳鉄粉体の高周波肉盛蝋付して表面の仕上りはなめらかとする。肉盛方式でありながら母材は溶かしていない為,非常になめらかな平面を得る事が可能である。
肉盛はビードとビードに±1mm以上の凹凸がある為,表面乱流と成り,一段と研削性が増加する。
その為,極力凹凸のないHi−Cr鋳鉄粉体肉盛蝋付方式は高硬度保持となめらかも溶接ビードを得る事が可能と成った。蝋材自体がHs60〜65の硬度を持ち,粉体で固まった状態で加熱されるため,外枠に砂型があり,まったく凹凸の±0.1以内美しい肉盛面でしかもクラックなしの状態で作れる。
Hi−Cr鋳鉄粉体の高周波肉盛蝋付のフラックスは、蝋付する化学成分と温度にて1100℃〜1400℃の耐熱性を持たせる化学成分として作る。
例えば、硼酸(CH3BO3:185℃〜800℃)、硼砂(Na2B4O7:740℃〜1575℃)、弗化カリウム(KF860℃〜1505℃)、桂硼化ナトリウム(500℃〜1500℃)、臭化ナトリウム(NaBr: 750℃〜1390℃)、炭酸セシウム(CsCO3:300℃〜950℃)の配合比を変えるだけでステライトNO6の場合は,1200℃〜1300℃で溶けるようにし,自溶性合金の場合は,1000℃〜1100℃とする。
一般に母材が鉄鋼等の場合に主とする配合基準は,
耐熱性180℃〜450℃が、塩化亜鉛,塩化アンモニア等の塩化物、
耐熱性450℃〜900℃が、硼酸,弗化カリウム,弗化ソーダー硼砂等
耐熱性900℃以上〜1500℃が、炭酸ナトリウム,炭酸水素ナトリウム,カリウム,硼酸カリウム,硼酸ソーダー
等が考えられる。この配合は耐熱性100℃〜1400℃範囲の為,経験的に決定し,実行した。あくまで1例の配合でありその他の配合は無限である。
最大の特徴はセシュウムCsが入っている事である。セシウムは全元素中で最も陽性が強く,イオン化エネルギーや電子親和力が小さい為,短時間で反応が完了する為,高周波過熱コイル等の短時間加熱,急熱急冷(砂型保持の為除冷と成る)と成った場合クラックが入りやすく成るが,割れない最大の原因と成っている。

このようにHi−Cr鋳鉄粉体の高周波肉盛蝋付方式は5%以下の前記フラックスが入る事で
1)、母材表面の酸化物を除去し,清浄作用をする。
2)、蝋付温度範囲の活性をする。
3)、蝋の流動性,拡延性を促進し,表面張力を除去する。
これ等の働きにて,適正な蝋材と成る。ステライトNO6が蝋と成って炭化物と鉄粉空間を接合する。
鉄粉は大部分が溶解する為,結果的に複合炭化物を巻き込んだ母材と生れ変わる事でHV1000以上の高硬度が保持出来る。
図1から図2に溶融銑鉄の予備処理設備における集塵ブロアー装置の主要部を示す。
集塵ブロアー装置の構成は、ブロアー羽根3として、回転軸1の周囲の中央部に支持円盤2を設置し、支持円盤2の外周部の両側お各々にブロアー羽根3-1、3-2を設け、ブロアー羽根3-1、3-2の各外側に円錐台状の第一支持ドーナツ盤4-1、4-2を固定介設してブロアー羽根3-3、3-4を設け、ブロアー羽根3-3、3-4の各外側に円錐台状の第二支持ドーナツ盤4-3、4-4を固定してブロアー4と、このブロアー4を取り囲みブロアー羽根3の回転する領域とその外周に沿って回流域5を形成し支持円盤2の両側部側に各々吸引口(ベルマウス)6を設け前記回流域5の始端部7と終端部8間に吐出口9を設けたブロアーケーシング10とが主な構成部である。
ブロアー4の回転稼働により、ブロアー羽根3は回転して、ガスは両吸引口6から吸引されブロアー羽根3-1、3-2、3-3、3-4間を通り回流域5に高速で押し出され、その終端部8で吐出口9から強制的に高圧で排出される。
図3に拡大して示すブロアー羽根3は、羽根の母材3Bに,摩耗大きい吸引側3iの超硬粉体を高周波肉盛蝋付N1により平均8mmと厚く施し,排出側3oの超硬粉体を高周波肉盛蝋付N2は平均5mmに施し,ブロアー羽根3の回転方向面3f-1の摩耗部はHi−Cr鋳鉄粉体を高周波肉盛蝋付N3により平均6mmとしてある。
ブロアー羽根3の反回転方向面3f-2は揚力による押しつけ力が主と成る為,接着方式で十分に機能を果す。
今回はテフロン板3tの裏面に炭素繊維10〜50メッシュ網3mをアイロン方式(180℃〜200℃)で加熱密着し,ゴム接着剤で2mmのネオプレンゴム3gをクッションの為接合し,密着完了後,これをブロアー羽根3の反回転方向面3f-2(裏面)にゴム接着剤200℃以下保持成分で接合した。ネオプレンゴム3gを入る事でブロアー羽根の伸びと縮み応力に対するクッションの役目を作った事が,テフロン板3tの伸び縮みに対して,応力の残らない方法とした。
図4において、ブロアー羽根3は、吸引側3iと排出側3oは、砂型11の中を中空に浮いた上体で保持されます。
吸引側3iの斜線部が前記超硬粉体とフラックスと蝋が入り,撹拌後ケイ酸ソーダー(3%),NaSiO2によりCo2↑ガスを放出して固められた物です。高周波コイル12にて急激に加熱される為,ブロアー羽根3の膨張とフラックスのガス化による矢字方向上面にガスが逃げる道すじが必要です。
高周波コイル12で吸引側3iと排出側3oを順に加熱する事でステライトNo6が溶解し,鉄粉を上面よりガスが逃げる為,巣,ピンホールは出来にくい。
この肉盛が終わったら,ブロアー羽根3の回転方向面3f-1の摩耗部はHi−Cr鋳鉄粉体を高周波肉盛蝋付により肉盛る。こうして結果的に1枚の羽根が生れるが,完全に冷却後,歪みを取り±1mm以内とする。これによりこの後にブロアー羽根の反回転方向面に、ゴムライニングを前もって施したテフロン板を接合して完成する。
本発明は前記に効果に記載したように耐摩耗性を主としかつ平面は高周波粉体肉盛蝋付による排気ブロアーの羽根を作りかつ羽根の裏面には粉体附着を防止する。テフロン板を張りつけた事を最大の特長とするが,耐摩耗の方法も羽根の両端は超硬粉体合金で羽根の大部分を占める背中はHi-Cr鋳鉄粉を使っている事でこれ等の粉体蝋としてステライト合金を使っている事である。
肉盛蝋付法と言っても,1200℃〜1300℃の高温でする為,それなりのフラックスを必要とする為,蝋材の温度にて自由にフラックス成分を変化させる事であり,テフロンのような高分子張りつけ技術の確立にて長寿命化が可能と成った。
溶融銑鉄の予備処理設備における両口吸い込み式の集塵ブロアー装置を示し図2の矢視B-Bからの断面図である。 前記本発明のブロアー羽根とその補修方法の詳細を以下に紹介する。ブロアー 図1の矢視A-Aからの断面図である。 ブロアー羽根3の断面肉盛面とテフロン面を示す ブロアー羽根両端部の高周波コイルによる蝋付を示す

Claims (5)

  1. 溶融銑鉄の予備処理設備における排気ブロアーにおいて、
    ブロアー羽根の吸引側と排出側の両端部を超硬粉体を高周波肉盛蝋付し,ブロアー羽根の回転方向面の摩耗部をHi−Cr鋳鉄粉体を高周波肉盛蝋付した硬度HV1300〜900のライナーとしたことを特徴とする集塵ブロアー装置。
  2. 溶融銑鉄の予備処理設備における集塵ブロアー装置において、
    ブロアー羽根の吸引側と排出側の両端部を超硬粉体を高周波肉盛蝋付し,ブロアー羽根の回転方向面の摩耗部をHi−Cr鋳鉄粉体を高周波肉盛蝋付した硬度HV1300〜900のライナーとし、ブロアー羽根の反回転方向面に粉体附着防止用のテフロン板を張りつけたことを特徴とする集塵ブロアー装置。
  3. 溶融銑鉄の予備処理設備における集塵ブロアー装置において、
    ブロアー羽根の吸引側と排出側の両端部を超硬粉体を高周波肉盛蝋付し,ブロアー羽根の回転方向面の摩耗部をHi−Cr鋳鉄粉体を高周波肉盛蝋付した硬度HV1300〜900のライナーとし、ブロアー羽根の反回転方向面に粉体附着防止用のテフロン板を張りつけその上に炭素繊維又はガラス繊維の10〜50メッシュの網を180℃〜200℃の予熱にて密着し,その上にクッションゴムを張りつけたたことを特徴とする集塵ブロアー装置。
  4. 前記ブロアー羽根の吸引側と排出側の超硬粉体の高周波肉盛蝋付部は、粉体の中にフラックスとしてクラック防止用の5%以下の炭酸セシウム(CsCO3)と蝋付粉体5%残部が30%以下の超硬粉体と残りが鉄粉である請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の集塵ブロアー装置。
  5. 溶融銑鉄の予備処理設備における集塵ブロアー装置において、
    ブロアー羽根の吸引側と排出側の両端部に超硬粉体を高周波肉盛蝋付してその成分をC:4〜4.5w%、Si:0.5〜0.8w%、Mn:0.5〜1.0w%、P.S:0.02w%以下、Cr:27〜30w%、Mo:1〜2w%、Ni:1〜2w%、V:1〜1.5w%、W:1〜1.5w%、Ti:0.5w%以下、Nb:0.5w%以下、Fe残にするに際して、
    鉄粉と、炭化物としてCr2C7,Nbc,WC,VC,MoCの5種類と、フラックスとして5%以下の炭酸セシウム(CsCO3)と、5%以下の蝋材とを、良く撹拌混合して、それに3%以下のケイ酸ソーダー(NaSiO3)にて撹拌しCO2ガスを放出してブロアー羽根の吸引側と排出側の両端部に固めた物とし,鋳型(砂型)に挿入し高周波コイルにて加熱蝋付して、巣,ピンホールのない硬化ブロアー羽根にすることを特徴とする集塵ブロアー装置のブロアー羽根補修方法。
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