JP4683038B2 - 防眩性積層体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は各種表示装置に用いる防眩性積層体に関するものであり、さらに詳しくは、液晶表示装置、CRT表示装置、プラズマ表示装置、エレクトロクロミック表示装置、発光ダイオード表示装置、EL表示装置、各種表示装置等の画面用の防眩性がより優れたハードコート特性を有する防眩性積層体に関する。
LCDおよびCRTに代表される画像表示装置(以後ディスプレイ)は、テレビジョン画面およびコンピュータ端末画面をはじめとして、様々な分野で繁用されており、めざましい発展を遂げている。これらディスプレイの開発は、当初においては、カラー化が開発のキーワードであったが、最近では画像の高精細化、高画質化、さらには、低消費電力化等に向かって努力が傾注されている。マンマシンインターフェイスの重要な役割を担うこれらのディスプレイは、今後、携帯電話、その他の各種携帯端末用としての普及が著しく拡大するものと予測される。
携帯端末用ディスプレイとしては、軽量かつコンパクトであり、また汎用性等を有するLCDが市場を独占すると考えられている。これらの携帯端末は、野外で使用されるケースが多いことから野外で良好な画像表示を実現するため、ディスプレイに入射した太陽光や蛍光灯等の外部光の映り込みを防止すること、すなわち、ディスプレイ画面の防眩に対する要求が強くなっている。
従来、この種の防眩性を実現するために、磨きガラスのように、光を散乱または拡散させて像をぼかす手法が一般的に行われている。通常、光を散乱または拡散させるためには、光の入射する表面を直接粗面化する方法、表面にフィラーを含有させた塗工層を設ける方法、および表面に海島構造による多孔質膜を形成する方法等が採用されている。
一方、ディスプレイ保護として用いられる場合には、偏光板を構成する保護フィルムにフィラーを含有した樹脂からなるハードコート層を設けている。この保護フィルムは偏光子を両面から貼り合わせ、その密着強度を得る為にアルカリ処理(ケン化処理)による易接着処理が施される。しかしながら、このとき防眩性を得るために配合した二酸化珪素微粒子からなるフィラーが表面に露出してしまい、フィラーの欠落による外観変化を生じることが新たに問題となる。
そこでハードコート層を形成する際の環境を、大気雰囲気ではなく、窒素濃度を増加させることで酸素濃度を低下させ、表面硬化時の酸素阻害を少なくすることにより、膜表面のケン化耐性を向上させることで、この問題は解消できる。
しかしながら、このようにして得られたハードコート層は、ケン化時の耐性は格段と向上するが、表面がケン化時に浸食されないために、ハードコート層上に反射防止層や導電層のような機能層を積層する際に、ハードコート層と機能層との層間密着強度が低下するという新しい障害が発生する。そのため、得られた製品の信頼性は低くなり、更に経時及び環境試験による耐久性も低くなる。
これまで、このような密着性及び耐久性を向上させる手段としてハードコート層にコロナ放電処理、紫外線照射処理、火炎処理、プラズマ処理等で表面改質して機能層を積層させている。しかしながら、このような表面改質処理方法では初期の表面硬度を満足していても、その表面硬度は長く持続しない場合が多い。加えて、工程数及び設備が増加するため製造コストが増大する。また、グルー層またはプライマー層と呼ばれる中間層をハードコート層と機能層の間に任意の厚さにて成膜し、密着性及び耐久性を向上させる方法もある。しかしながら、当然、表面処理と同様に中間層を作製することは工程数の増加を伴い、製造コストが増大する。
本発明は上記のような欠点を解消し、高い表面硬度と良好な防眩性を示し、とりわけ機能層との密着性の高い防眩性積層体及びその製造方法並びにそれを用いた表示媒体を提供することにある。
透明基材上に、第一層目と第二層目を順に設けてなる微粒子含有硬化樹脂層、機能層を順に備えてなる防眩性積層体の製造方法であって、
透明基材上に、微粒子含有硬化樹脂層の膜厚を0.5〜10μmの範囲内とし、少なくとも微粒子を含む硬化樹脂からなる第一層目と、微粒子を含まないクリア硬化樹脂からなる第二層目を硬化させずに順次塗布又は同時多層塗布する工程と、
活性エネルギー線を照射し該第一層目と該第二層目を同時に硬化させ、界面が明瞭に存在しない状態で一体化し、且つ、前記微粒子含有硬化樹脂層中に含まれる粒子が、前記微粒子含有硬化樹脂層表面から0.1μm以上離れて存在している、前記微粒子含有硬化樹脂層を形成する工程と、
を備えることを特徴とする防眩性積層体の製造方法。
請求項2の発明は、前記活性エネルギー線照射工程が大気雰囲気下でおこなわれることを特徴とする請求項1記載の防眩性積層体の製造方法である。

本発明によれば、耐アルカリ性に優れ、アルカリ処理によりHazeの上昇、透明性の低下を生じず、とりわけ機能層との密着性の高い防眩性積層体を提供できる。また、透明基材上に第一層目と第二層目を順次塗布し、活性エネルギー線照射によって同時に硬化させることにより、第一層目と第二層目の密着性に優れた防眩性積層体を提供できる。
以下、本発明実施の形態を説明する。本発明の防眩性積層体もしくはシートは、図1に示すように透明基材(1)の少なくとも一方の面に微粒子含有硬化樹脂層(2)を設けてなる防眩性積層体であって、前記微粒子含有硬化樹脂層(2)は、少なくとも基材側の微粒子を含む硬化樹脂からなる第一層目(2a)と、クリア硬化樹脂からなる第二層目(2b)からなるものであり、第一層目と第二層目の界面が明瞭に存在しない状態で一体化していることを特徴としているものである。また、該微粒子含有硬化樹脂層中に含まれる粒子の表面が、前記硬化樹脂層表面から0.1μm以上離れて存在していることを特徴とするものである。
このような構成にすることで、その後他の層積層するための前処理などとしてアルカリ処理を行っても、耐久性、密着性、防眩性を良好に保つことができる。
本発明に使用する透明基材は、特に限定されるものではなく、公知の透明プラスチックフィルムもしくはシートの中から適宜選択して用いることができる。具体例としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル、ナイロン、フッソ樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン等のフィルムもしくはシートをあげることができるが、本発明においては、特にトリアセチルセルロースフィルム、及び一軸延伸ポリエステルが透明性に優れることに加えて、光学的に異方性がない点で好ましい。
本発明の微粒子含有硬化樹脂層(2)は、前記した通り、基材側の微粒子硬化樹脂層からなる第一層目(2a)とクリア硬化樹脂層からなる第二層目(2b)からなるものである。そして、前記微粒子硬化樹脂層からなる第一層目(2a)とクリア硬化樹脂層からなる第二層目(2b)の界面付近では、界面が明瞭に存在しない状態で一体化していることが好ましい。界面が明確にあると、その後の経時変化により層間剥離などを起こしやすくなる。
また、該微粒子含有硬化樹脂層中に含まれる粒子が、微粒子含有硬化樹脂層(2)の表面から0.1μm以上離れて存在していることが必要である。これ以下であると、その後アルカリ処理を行う際に、粒子が表面に出てしまい、欠陥による外観変化などを起こしてしまう。
また、微粒子含有硬化樹脂層(2)の膜厚は、0.5〜10μmの範囲内であることが好ましい。この範囲外であるとその後アルカリ処理を行う際に、粒子が表面に出てしまい、欠陥による外観変化などを起こしてしまう。また、同様の理由で、第一層目としては0.5μm以上、第二層目としては0.1〜3μmの範囲内であることが好ましい。
本発明の、微粒子硬化樹脂層からなる第一層目(2a)とクリア硬化樹脂層からなる第二層目(2b)に用いられる樹脂としては、活性エネルギー線硬化型樹脂を用いることができる。また、第一層目(2a)に用いる樹脂と第二層目(2b)に用いる樹脂は同じ物であっても異なるものであっても構わない。
このような活性エネルギー線硬化型樹脂としては、特に制限はなく、紫外線や電子線硬化により鉛筆硬度でH以上の塗膜を与える樹脂であれば任意に使用することができる。このような紫外線硬化型樹脂として、例えば多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート樹脂、ジイソシアネート、多価アルコール及びアクリル及びアクリル酸又はメタクリル酸のヒドロアキシアルキルエステル等から合成されるような多官能性のウレタンアクリレート樹脂などをあげることができる。さらにアクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も必要に応じて好適に使用することができる。またこれらの樹脂の反応性希釈剤としては、比較的低粘度である1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンイオール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能以上のモノマー及びオリゴマー並びに単官能モノマー、例えばN−ビニルピロリドン、エチルアクリレート、プロピルアクリレート等のアクリル酸エステル類、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ノニルフェニルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、及びそのカプロラクトン変成物などの誘導体、スチレン、α―メチルスチレン、アクリル酸等及びそれらの混合物、などを使用する事ができる。
本発明において、活性エネルギー線が紫外線である場合には、光増感剤(ラジカル重合開始剤)を添加する必要があり、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタールなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、などのアセトフェノン類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4,4−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類及びアゾ化合物などがある。これらは単独または2種以上の混合物として使用でき、さらにはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン;2−ジメチルアミンのエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸誘導体等の光開始助剤などと組み合わせて使用することができる。有機過酸化物や光重合開始剤の使用量は、前記樹脂組成物の重合性成分100重量部に対して0.5〜20重量部、好ましくは1〜15重量部である。
本発明の微粒子硬化樹脂層からなる第一層目(2a)に配合する無機もしくは有機微粒子としては、活性エネルギー線硬化樹脂中で良好な透明性を保持する微粒子であれば任意に使用することができる。例えば、無機微粒子として一般的には、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどからなる微粒子が用いられ、その中で防眩性や解像性、ハードコート性等の点よりシリカ粒子、特に合成シリカ粒子が好ましい。
また有機微粒子としては、粒子内部に適度な架橋構造を有しており、活性エネルギー線硬化樹脂やモノマー、溶剤等による膨潤がない硬質な微粒子を用いることができる。例えば、粒子内部架橋タイプのスチレン系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、アクリル系樹脂、ジビニルベンゼン樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、ベンゾクアナミン樹脂、その他反応性ミクロゲル等を使用することができる。透明微粒子の配合量は、活性エネルギー線硬化型樹脂100重量部あたり0.5〜20重量部、好ましくは1〜15重量部である。
第一層目(2a)及び第二層目(2b)を塗布する際に使用する有機溶媒としては、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン系のケトン系;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル系;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル系;ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、スチレンなどのタール系(芳香族炭化水素);メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩化炭化水素系;N,N―ジメチルホルムアルデヒド、ヘキサン等が使用できる。
混練の方法には特に制限はなく、また、各成分の添加順序などは適宜設定することができる。
第一層目(2a)及び第二層目(2a)を塗布するための塗布方式にはスライドコーティング、カーテンコーティング、スロットコーティング等、各種多層塗布方式の中から任意に選ぶことができるが、開放部分が少ない為、溶剤の揮発による塗液物性の変化が起こりにくく、塗膜形成精度も高いためエクストルージョン型ダイコーターを用いることが好ましい。
エクストルージョン型ダイコーターのマニホールドからリップまでのスリットの長さは10〜100mmとすることが好ましい。
エクストルージョン型ダイコーターの2つのスリットより塗布液を吐出させて積層し、背面を支持された支持体に塗布する場合は、支持体表面とダイコーターのリップとの間隔を、ウエット膜厚の合計の1.1〜1.9倍とするのが好ましく、1.3〜1.8倍が更に好ましい。1.1倍より小さい場合、リップと支持体表面の間の接液部に形成されるビードと呼ばれる液だまりが大きくなりすぎ、塗布液全てがウェブに持ち去られずダイコーター壁面に沿って流れ落ちることがある。1.9倍より大きい場合、ビードの液量は不足となり安定して存在することができず塗布性が悪化する。また、エクストルージョン型ダイコーターの2つのスリットのうち、支持体進行方向の上流側に位置するスリットより微粒子含有硬化樹脂層を、下流側に位置するスリットより保護層塗布液を吐出させて塗布を行えば良い。
本発明では、第一層目(2a)と第二層目(2b)の明瞭な界面が存在しない状態で一体化していることを特徴としている。このようにするためには、第一層目(2a)と第二層目(2b)を硬化させずに順次塗布または同時多層塗布し、その後活性エネルギー線照射によって同時に硬化させることが好ましい。
第一層目(2a)を塗布硬化後、第二層目(2b)を塗布硬化すると、第一層目(2a)と第二層目(2b)の密着力が弱く第二層目(2b)が剥離してしまう。また、第一層目(2a)を塗布後、スチールウールで軽く擦っても傷がつかない程度まで硬化させた後、第二層目(2b)を塗布硬化する方法があるが、この方法により製造しても、十分な密着力は得られない。
本発明の第一層目(2a)、第二層目(2b)を硬化するのに用いる活性エネルギー線源として紫外線を使用する場合は、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の有電極ランプやその他の各種無電極ランプを光源として利用でき、フィラーを含む場合や厚膜の硬化にはメタルハライドランプが一般的に使用される。また電子線を利用して硬化する場合には、コックロフトワルト型、バンデクラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線が使用できる。
また、本発明の防眩性積層体は、さらに機能層を積層することができる。
機能層としては反射防止層などの光学層や導電層、防汚層などがあげられる。これらの層は、微粒子含有硬化樹脂層の上、基材の下、あるいは微粒子含有硬化樹脂層積層と基材の間のいずれでも構わない。
微粒子含有硬化樹脂層の上に積層する際、機能層との密着性をあげるため、予め防眩性積層体をアルカリ処理することが好ましい。なお、本発明のような構成にしておくことでアルカリ処理を行った後でも、耐久性、密着性、防眩性が損なわれなくなるものである。
また、本発明では、基材と微粒子含有硬化樹脂層の間に下地層を設けてもよい。例えば、下地層として具体的には、上記したような活性エネルギー線硬化型樹脂の層や微粒子含有硬化樹脂層の粒子の沈殿を防ぐ粒子沈殿防止層などがあげられる。
さらに本発明の防眩性積層体は、各種表示媒体の表面に設けることで表示媒体に防眩機能を持たせることができる。
次に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例により限定されるものではない。
参考例
アクリル系モノマーPET30(日本化薬製)100重量部と、平均粒径2.5μmのシリカ(富士シリシア社製サイリシア430)10重量部と、光増感剤としてイルガキュア184(チバガイギー製)5重量部を、トルエン中に混合溶解し微粒子含有硬化樹脂層(2)の第一層目(2a)の樹脂液とした。アクリル系樹脂(日本化薬製PET−30)100重量部と、光増感剤としてイルガキュア184(チバガイギー製)5重量部を、トルエン中に混合溶解し微粒子含有硬化樹脂層(2)の第二層目(2b)の樹脂液とした。
次に基材(1)として厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムの片面に、第一層目樹脂液を塗布し溶剤分を蒸発させて厚さ5.5μmの塗布層を形成した後、塗布層側より積算光量100mJの紫外線で半硬化させた。その上に、第二層目樹脂層を塗布し溶剤分を蒸発させて厚さ0.2μmの塗布層を形成し、塗布層側より積算光量300mJの紫外線で硬化処理することにより防眩性積層体を作製した。得られた防眩性積層体の鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、Haze、界面の状態を評価した。
更に、得られた防眩性積層体を次の様なアルカリ処理を行った。防眩性積層体を50℃−2mol/lの水酸化カリウム溶液に2分間浸け、0.1mol/lの硫酸に浸けて中和し、純水にて洗浄し、70℃のオーブンにて15分間乾燥させた。アルカリ処理を行った防眩性積層体の微粒子含有硬化樹脂層(2)に蒸着法を用いて酸化チタン(光学膜厚=50nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=50nm)/酸化チタン(光学膜厚=110nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=150nm)を成膜し、反射防止機能を付与した防眩性積層体を得た。得られた防眩性積層体の耐久性を評価した。
<実施例
基材(1)として厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムの片面に、エクストルージョン型ダイコーターを用い、微粒子含有硬化樹脂層(2)の第一層目(2a)と微粒子含有硬化樹脂層(2)の第二層目(2b)を順次塗布し溶剤分を蒸発させて2層合計で厚さ約6μmの塗布層を形成した後、塗布層側より積算光量300mJの紫外線で硬化処理することにより防眩性積層体を作製した。得られた防眩性積層体の鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、Haze、界面の状態を評価した。
更に、得られた防眩性積層体を参考例と同様のアルカリ処理を行った。アルカリ処理を行った防眩性積層体の微粒子含有硬化樹脂層(2)表面に蒸着法を用いて酸化チタン(光学膜厚=50nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=50nm)/酸化チタン(光学膜厚=110nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=150nm)を成膜し、反射防止機能を付与した防眩性積層体を得た。得られた防眩性積層体の耐久性を評価した。
<比較例1>
基材(1)として厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムの片面に、参考例の第一層目(2a)と同じ樹脂液を塗布し溶剤分を蒸発させて厚さ約6μmの塗布層を形成した後、塗布層側より積算光量300mJの紫外線で硬化処理することにより微粒子含有硬化樹脂層を得、防眩性積層体を作製した。得られた防眩性積層体の鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、Haze、界面の状態を評価した。
更に、得られた防眩性積層体を参考例と同様のアルカリ処理を行った。アルカリ処理を行った防眩性積層体の微粒子含有樹脂層表面に蒸着法を用いて酸化チタン(光学膜厚=50nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=50nm)/酸化チタン(光学膜厚=110nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=150nm)を成膜し、反射防止機能を付与した防眩性積層体を得た。得られた該フィルムの耐久性を評価した。
<比較例2>
基材(1)として厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムの片面に、参考例の第一層目(2a)と同じ樹脂液を塗布し溶剤分を蒸発させて厚さ約6μmの塗布層を形成した後、酸素濃度1%雰囲気下にて塗布層側より積算光量300mJの紫外線で硬化処理することにより微粒子含有硬化樹脂層を得、防眩性積層体を作製した。得られた防眩性積層体の鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、Haze、界面の状態を評価した。
更に、得られた防眩性積層体を参考例と同様のアルカリ処理を行った。アルカリ処理を行った該フィルムの微粒子含有硬化樹脂層表面に蒸着法を用いて酸化チタン(光学膜厚=50nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=50nm)/酸化チタン(光学膜厚=110nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=150nm)を成膜し、反射防止機能を付与した防眩性積層体を得た。得られた防眩性積層体の耐久性を評価した。
<比較例3>
基材(1)として厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムの片面に、参考例の第一層目(2a)と同じ樹脂液を塗布し溶剤分を蒸発させて厚さ約6μmの塗布層を形成した後、酸素濃度1%雰囲気下にて塗布層側より積算光量300mJの紫外線で硬化処理することにより微粒子含有硬化樹脂層を形成し、その上に、参考例の第二層目樹脂層の形成と同様の方法で第二層目を形成し防眩性積層体を作製した。得られた防眩性積層体の鉛筆硬度、密着性、耐擦傷性、Haze、界面の状態を評価した。
更に、得られた防眩性積層体を参考例と同様のアルカリ処理を行った。アルカリ処理を行った該フィルムの微粒子含有硬化樹脂層表面に蒸着法を用いて酸化チタン(光学膜厚=50nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=50nm)/酸化チタン(光学膜厚=110nm)/酸化ケイ素(光学膜厚=150nm)を成膜し、反射防止機能を付与した防眩性積層体を得た。得られた防眩性積層体の耐久性を評価した。
[評価方法]
上記の実施例、参考例、比較例の評価は以下の方法で行った。
(Haze)
直読ヘイズコンピュータ(スガ試験機社製)によって測定した。
(被膜密着度)
硬化被膜層表面にカッターによって1mm×1mmのクロスハッチ(升目)を100個入れ、その上にセロハンテープ(ニチバン社製)を貼り付けた後、該セロハンテープを剥がしたときに硬化被膜がフィルム基材(1)から剥がれた升目の数を計測することで評価した。
(鉛筆硬度)
異なる硬度の鉛筆を用いて、500g荷重下での傷の有無を判定した。
(擦傷性)
#0000のスチールウールにより、ハードコート膜の表面を250gの荷重をかけながら10回摩擦し、傷の本数を目視に観察した。
(界面の状態)
走査型電子顕微鏡(日立製作所製)を用いて観察した。
(耐久性)
1)耐光性−紫外線カーボンアーク(スガ試験機株式会社製 紫外線ロングライフフェードメータFAL−5)を用いて360時間紫外線を暴露した後、その後、密着性及び外観を目視によって評価した。
2)耐湿熱性−温度60℃、湿度95%に1000時間保存した後、温度25℃及び湿度65%の環境に24時間放置した後、密着性及び外観を目視にて評価した。
これらの評価方法に基づく評価結果を表1、表2に示す。
Figure 0004683038
Figure 0004683038
[評価結果]
参考例の防眩性積層体では、アルカリ処理によるフィラー欠落は見られず、耐アルカリ性の向上が確認された。ただ、反射防止膜を形成しての耐久性試験において若干剥離が生じた。
実施例の防眩性積層体では、アルカリ処理によるフィラー欠落は見られず、耐アルカリ性の向上が確認された。また反射防止膜を形成しての耐久性試験においても十分な性能が見られ、機能層との密着力も十分に得られているものと思われる。
大気雰囲気下で微粒子を含む硬化樹脂層(参考例の第一層目と同じ層)のみを形成した比較例1の防眩性積層体ででは、アルカリ処理によりフィラーが欠落し外観変化を生じた。
微粒子を含む硬化樹脂層を形成し、酸素濃度1%雰囲気下にて硬化させた比較例2では、耐久性試験において反射防止膜の剥離が生じた。
また、第一層目を完全に硬化させた後に第二層目を硬化した比較例3では第一層目と第二層目の界面において一部はじきを生じ、アルカリ処理によりフィラーが欠落し外観変化を生じた。
実施例1で得られた防眩性積層体の層構成を表す断面図である。 エクストルージョン型ダイコーターの2つのスリットより吐出させて積層し、背面を支持された支持体上に塗布する方式を模式的に示す説明図である。 本発明の微粒子含有硬化樹脂層の第一層目と第二層目の界面付近を示した断面図である。
符号の説明
1 透明基材
2 微粒子含有硬化樹脂層
2a 微粒子を含む硬化樹脂からなる第一層目
2b クリア硬化樹脂からなる第二層目
2c 界面付近の相溶している部分
3 微粒子
4 エクストルージョン型ダイ
5 微粒子含有硬化樹脂液
6 クリア硬化樹脂液
7 マニホールド
8 バックアップロール

Claims (2)

  1. 透明基材上に、第一層目と第二層目を順に設けてなる微粒子含有硬化樹脂層、機能層を順に備えてなる防眩性積層体の製造方法であって、
    透明基材上に、微粒子含有硬化樹脂層の膜厚を0.5〜10μmの範囲内とし、少なくとも微粒子を含む硬化樹脂からなる第一層目と、微粒子を含まないクリア硬化樹脂からなる第二層目を硬化させずに順次塗布又は同時多層塗布する工程と、
    活性エネルギー線を照射し該第一層目と該第二層目を同時に硬化させ、界面が明瞭に存在しない状態で一体化し、且つ、前記微粒子含有硬化樹脂層中に含まれる粒子が、前記微粒子含有硬化樹脂層表面から0.1μm以上離れて存在している、前記微粒子含有硬化樹脂層を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする防眩性積層体の製造方法。
  2. 前記活性エネルギー線照射工程が大気雰囲気下でおこなわれることを特徴とする請求項1記載の防眩性積層体の製造方法。
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