JP4682189B2 - アレーアンテナ装置、指向性制御方法および指向性制御プログラム - Google Patents

アレーアンテナ装置、指向性制御方法および指向性制御プログラム Download PDF

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  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Aerials With Secondary Devices (AREA)

Description

【技術分野】
【0001】
この発明は、無給電素子に設けた可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることで指向性制御を行うアレーアンテナ装置、指向性制御方法および指向性制御プログラムに関する。ただし本発明の利用は上述のアレーアンテナ装置、指向性制御方法および指向性制御プログラムに限らない。
【背景技術】
【0002】
近年、指向性の制御が可能なアンテナとして、アレーアンテナ装置が提供されている。アレーアンテナ装置は、複数のポールからなるアンテナ装置であり、送信アンテナとしても受信アンテナとしても利用可能である。このようなアレーアンテナ装置の中でもアンテナ部に電波を送受信する放射素子からなる給電素子である1本のダイポール・アンテナと、複数個の非励振素子からなる無給電素子とを組み合わせた比較的簡単な構造からなる電子制御導波器アレーアンテナを取り入れた構成がある。このようなアレーアンテナの機能面の特徴としては、無給電素子に取り付けられた可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変えることで、指向性を変化させることができる(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
アレーアンテナ装置は、実現される指向性によりオムニパターン(同心円状)、適応制御パターン、セクタパターンの3つのパターンに分けられる。オムニパターンは、全方向の送受利得が同一となる、いわゆる無指向性パターンの実現を目的とするアレーアンテナ装置である。適応制御パターンは、所望の電波が強く、もしくは所望の電波が弱くなるようビーム方向(他の方向と比較して送受利得が大きい方向)やヌル方向(ほとんど送受利得が得られない方向)を適応的に操作する指向性パターンの実現を目的とするアレーアンテナ装置である。セクタパターンは、任意の方向の送受信利得が高くなるような指向性のパターンの実現を目的とするアレーアンテナ装置である。特許文献1は、セクタパターンのアレーアンテナ装置であり、各無給電素子の可変リアクタンス素子のリアクタンス値を適切に選択することにより、送受信利得が高くなるような指向性のパターンを実現でき、指向性制御が行える。
[0004]
特許文献1 特開2001−24431号公報
[発明の開示]
[発明が解決しようとする課題]
[0005]
しかしながら、上記特許文献1に開示されたセクタパターンのアレーアンテナ装置では、リアクタンス値の決定方法や、所望する指向性を有するように制御する方法に関する技術が開示されていない。したがって、ユーザがアレーアンテナ装置に特定の角度θの方向に指向性をもたせたいとき、各無給電素子のリアクタンス値をどのように設定すればよいのかわからないという問題が一例として挙げられる。
[0006]
ここで、実際に角度θの方向に指向性をもたせるために必要なリアクタンス値の組み合わせは複数存在するため、リアクタンス値の設定により所望の指向性が得られたとしても、ユーザは、どの組み合わせが最適であるかを判断することができないという問題が一例として挙げられる。
[課題を解決するための手段]
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかるアレーアンテナ装置は、給電素子と、複数の無給電素子と、当該複数の無給電素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを有するアレーアンテナ装置において、前記アレーアンテナ装置の前記複数の無給電素子の位置を回転させ、電波を送信あるいは受信する角度を変更させる角度制御手段と、前記角度制御手段によって変更させた各角度毎に複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を設定するリアクタンス値設定手段と、前記各角度において前記リアクタンス値設定手段によって設定されたリアクタンス値毎に前記給電素子の利得を検出する利得検出手段と、前記各角度毎の前記リアクタンス値と、前記利得とに基づいて、全角度における指向特性に影響する複数のパラメータを抽出するパラメータ抽出手段と、前記パラメータ抽出手段によって抽出されたパラメータを用いた所定の演算により、前記各角度毎の所定の評価値を算出する評価値算出手段と、前記各角度毎に前記評価値算出手段により算出される評価値が最も高くなる利得が検出された際のリアクタンス値の設定を記録する記録手段と、を備え、前記リアクタンス値設定手段は、任意の角度で電波を送信あるいは受信する際に、当該角度におけるリアクタンス値を前記記録手段から読み出し、設定するものであり、前記評価値算出手段は、前記パラメータ抽出手段により抽出された前記各角度毎の利得と、半幅値と、指向性利得差、のそれぞれに対し、所望する指向性パターンに対応した係数を用い前記所定の演算を行い前記評価値を算出することを特徴とする。
【0008】
また、請求項5の発明にかかる指向性制御方法は、給電素子と、複数の無給電素子と、当該複数の無給電素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを有するアレーアンテナ装置の指向性を制御する指向性制御方法において、前記アレーアンテナ装置の前記複数の無給電素子の位置を回転させ、電波を送信あるいは受信する角度を変更させる角度制御工程と、前記角度制御工程によって変更させた各角度毎に複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を設定する第1のリアクタンス値設定工程と、前記各角度において前記第1のリアクタンス値設定工程によって設定されたリアクタンス値毎に前記給電素子の利得を検出する利得検出工程と、前記各角度毎の前記リアクタンス値と、前記利得とに基づいて、全角度における指向特性に影響する複数のパラメータを抽出するパラメータ抽出工程と、前記パラメータ抽出工程によって抽出されたパラメータを用いた所定の演算により、前記各角度毎の所定の評価値を算出する評価値算出工程と、前記各角度毎に前記評価値算出手段により算出される評価値が最も高くなる利得が検出された際のリアクタンス値の設定を記録手段に記録する記録工程と、任意の角度で電波を送信あるいは受信する際に、当該角度におけるリアクタンス値を前記記録手段から読み出し、設定する第2のリアクタンス値設定工程と、を含み、前記評価値算出工程は、前記パラメータ抽出工程により抽出された前記各角度毎の利得と、半幅値と、指向性利得差、のそれぞれに対し、所望する指向性パターンに対応した係数を用い前記所定の演算を行い前記評価値を算出することを特徴とする。
【0009】
また、請求項6の発明にかかる指向性制御プログラムは、請求項5に記載の方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
[0010]
[図1]図1は、この発明のアレーアンテナ装置の実施の形態を説明するブロック図である。
[図2]図2は、アレーアンテナ装置の指向性制御に用いる情報の処理内容を説明するフローチャートである。
[図3]図3は、この発明の実施例1にかかるアレーアンテナ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
[図4]図4は、アレーアンテナを示す斜視図である。
[図5]図5は、アレーアンテナを示す上面図である。
[図6]図6は、給電素子と無給電素子の構成を示す図である。
[図7]図7は、受信測定系のハードウェア構成の一例を示す図である。
[図8]図8は、あるリアクタンス値の設定における指向性を示すパターン図である。
[図9]図9は、リアクタンス値テーブル作成動作を示すフローチャートである。
[図10]図10は、可変リアクタンス素子のリアクタンス値と測定値の一例を示す図表である。
[図11]図11は、特定角度における測定値および評価値Eの算出結果例を示す図表である。
【図12】図12は、リアクタンス値テーブルの一例を示す図表である。
【図13】図13は、アレーアンテナ装置利用時のディスプレイ表示例を示す図である。
【図14】図14は、送信測定系のハードウェア構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0011】
10,100 アレーアンテナ装置
11 角度制御部
12,101 アレーアンテナ
13 可変リアクタンス素子
14 リアクタンス値設定部
15 利得検出部
16 パラメータ抽出部
17 評価値算出部
18 表示部
19 記憶部
102 CPU
103 ROM
104 RAM
105 HDD
106 HD
107 測定I/F
108 受信測定系
109 送信測定系
110 出力I/F
111 ディスプレイ
112 入力I/F
113 キーボード
114 送受信部
115 バス
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるアレーアンテナ装置、指向性制御方法および指向性制御プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態)
図1は、この発明のアレーアンテナ装置の実施の形態を説明するブロック図である。アレーアンテナ装置10は、アレーアンテナ12を備えている。アレーアンテナ12は、例えば一つの給電素子12aと、複数の無給電素子(非励振素子)12bとにより構成されている。このアレーアンテナ12は、角度制御部11により電波の受信角度(あるいは送信角度)を全方向(360°)回転させ、変更することができる。
【0014】
複数の無給電素子12bにはそれぞれ可変リアクタンス素子13が接続されている。リアクタンス値設定部14は、複数の可変リアクタンス素子13それぞれに設定できるリアクタンス値のすべての組み合わせを設定できる。
【0015】
利得検出部15は、角度制御部11により変更された角度において給電素子12aの利得を検出する。パラメータ抽出部16は、複数の可変リアクタンス素子13にそれぞれ設定できるリアクタンス値のすべての組み合わせのうち各組み合わせ毎に360°の指向性を示すパターンを作成し、このパターンから、利得が最大となる角度と、最大利得と、半幅値と、指向性利得差の4つ値をパラメータとして抽出する。
【0016】
抽出されたパラメータは、評価値算出部17における評価値の算出に用いられる。評価値算出部17は、上記の4つのパラメータのうち、ある角度(利得が最大となる角度)における評価値を算出する。この算出には、残り3つのパラメータ(最大利得、半幅値(半幅角)、指向性利得差)を所定の式を用いて算出する。算出に用いる3つのパラメータ(最大利得、半幅値、指向性利得差)に対しては、評価値算出時の重み付けとして所定の係数を用いることができる。また、ある角度において最大利得角度となるリアクタンス値の組み合わせは複数ある。このため、評価値算出部17は、評価値の算出結果から、各角度毎に、評価値が最大値となる最良評価値を抽出する。
【0017】
パラメータ抽出部16によって抽出された上記4つのパラメータ(利得が最大となる角度、最大利得、半幅値、指向性利得差)に関する情報と、このときの複数の可変リアクタンス素子13のリアクタンス値と、評価値算出部17によって算出された評価値は、表示部18および記憶部19に出力される。記憶部19は、複数のリアクタンス値と、上記4つのパラメータ(利得が最大となる角度、最大利得、半幅値、指向性利得差)と、評価値とをテーブル形式で記憶する。
【0018】
表示部18は、記憶部19に記憶されている複数のリアクタンス値と、上記4つのパラメータ(利得が最大となる角度、最大利得、半幅値、指向性利得差)と、評価値とを一覧表示する。表示内容としては、利得が最大となる角度(あるひとつの角度)を基準にして複数のリアクタンス値と、最大利得と、半幅値と、指向性利得差と、評価値と、を表示する。
【0019】
記憶部19に記憶されている記憶内容は、アレーアンテナ12の全角度それぞれに対応したリアクタンス値の組み合わせと、パラメータと、評価値とからなる。したがって、アレーアンテナ12の角度毎にリアクタンス値の組み合わせと、パラメータと、評価値とを読み出し、表示部18等に表示することができる。
【0020】
上記構成により、アレーアンテナ12のリアクタンス値を変更したときの指向性に関する情報を設定することができる。そして、記憶部19に記憶されている内容を読み出すことにより、アレーアンテナ12を用いて所望する指向性に最適なリアクタンス値を設定することができるようになる。なお、アレーアンテナ12に対する指向性の制御は、電波の受信時および送信時のいずれに対しても同様に適用することができる。
【0021】
図2は、アレーアンテナ装置の指向性制御に用いる情報の処理内容を説明するフローチャートである。以下の説明では、電波を受信して処理を行う構成について記載してある。はじめに、角度制御部11により電波の到来角度を変更する(ステップS10)。ここでは、アレーアンテナ12の角度を全方向のうちある角度に設定する。例えば、0°〜359°の範囲を所定角度ずつ設定する。
【0022】
次に、リアクタンス値設定部14により、リアクタンス値を変更する(ステップS11)。ここでは、設定した角度において複数の可変リアクタンス素子13に対するリアクタンス値の組み合わせを設定する。
【0023】
次に、利得検出部15は、設定されたリアクタンス値に基づいて電波を受信したときの利得を検出する(ステップS12)。次に、パラメータ抽出部16は、アレーアンテナ12の指向性の評価に影響するパラメータを抽出する(ステップS13)。ここでは、角度制御部11により設定された角度毎の複数のリアクタンス値と、利得と、半幅値と、指向性利得差を検出する。
[0024]
次に、評価値算出部17により、設定された角度毎の評価値を算出する(ステップS14)。この評価値は、上述したように、各角度における利得と、半幅値と、指向性利得差と、これらに掛け合わせる係数とを用い算出する。その後、評価値算出部17は、最良の評価値を抽出する(ステップS15)。ここでは、ステップS14によって求められた評価値の算出結果から、各角度毎に、評価値が最大値となる最良評価値を抽出する。
[0025]
上記の処理によって得られたパラメータと評価値は、記憶部19に記憶され(ステップS16)、処理を終了する。記憶部19には、角度毎の複数のリアクタンス値の組み合わせが記憶される。そして、このリアクタンス値の組み合わせ毎に、利得と、半幅値と、指向性利得差と、評価値と、最良評価値がテーブル形式で記憶される。
[0026]
以上の一連の処理によって、アレーアンテナ12の全方向の角度に対するパラメータと、評価値とを求めることができる。パラメータおよび評価値は、アレーアンテナ12に指向性を持たせた受信時あるいは送信時に記憶部19から読み出し、複数の可変リアクタンス素子13に対するリアクタンス値の設定を行う指向性制御時に用いられる。
[0027]
上記実施の形態によれば、アレーアンテナ12の全方向における測定結果と、ユーザが設定した係数を用いて各角度毎の評価値を算出することができる。この評価値を用いることにより、所望する角度方向に指向性を持たせたいときの設定を容易にできるようになる。ユーザがアレーアンテナ装置に特定の角度θの方向に指向性をもたせたいとき、各無給電素子のリアクタンス値を最適な値に設定できるようになる。
[実施例1]
[0028]
(ハードウェア構成)
図3は、この発明の実施例1にかかるアレーアンテナ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3において、アレーアンテナ装置100は、アレーアンテナ101と、CPU102と、ROM103と、RAM104と、HDD(ハードディスクドライブ)105と、HD(ハードディスク)106と、測定I/F107と、受信測定系108と、送信測定系109と、出力I/F110と、ディスプレイ111と、入力I/F112と、キーボード113と、送受信部114とを備える。また、各構成部101〜114は、バス115によってそれぞれ接続されている。実施例1では、受信測定系108を用い、受信指向性制御を行うアレーアンテナ装置100について述べる。
【0029】
アレーアンテナ101は、無線信号の受信を行う。CPU102は、アレーアンテナ装置100全体の制御を司る。ROM103は、指向性制御のための演算プログラムなどのプログラムを記憶している。RAM104は、CPU102のワークエリアとして使用される。HDD105は、CPUの命令にしたがってHD106に対するデータのリード/ライトを制御する。HD106には、指向性制御のために作成したリアクタンス値テーブルが保存される。
【0030】
測定I/F107には、受信測定系108と、送信測定系109が接続され、指向性制御テーブルを作成するためのアレーアンテナ101の特性を測定する。受信測定系108と、送信測定系109に関する詳細な構成については後述する。出力I/F110には、ディスプレイ111が接続され、各機能部から送られてきた表示情報を、ディスプレイ111を用いて表示させる。入力I/F112には、キーボード113が接続され、キーボード113から入力されたユーザの指示情報をCPU102へ送る。送受信部114は、アレーアンテナ101によって受信した無線信号をディスプレイ111等に表示させるため、復号化等の処理を行う。なお、アレーアンテナ101と、HD106に保存するリアクタンス値テーブルに関しては後で詳しく述べる。
【0031】
(アレーアンテナの構成)
図4は、アレーアンテナを示す斜視図、図5はアレーアンテナを示す上面図である。アレーアンテナ101は、誘電体基板400上に給電素子Aと、4本の無給電素子B1〜B4とを備えた構成になっている。給電素子Aと無給電素子B1〜B4とは、給電素子Aを中心とし、扱う電波の波長fの1/4の長さ(f/4)を半径とした円上に等間隔の角度で配置するのが一般的である。本発明にかかるアレーアンテナ装置100では無給電素子を4本用いるため、図5に示すように無給電素子B1〜B4を90°間隔で配置する。
【0032】
図6は、給電素子と無給電素子の構成を示す図である。給電素子Aは、アンテナ部となる放射素子600と、送信用アンテナとして用いる場合の入力インピーダンスとなる抵抗601と、送受信部からの送信信号に応じた高周波エネルギーを出力する交流電源602が接続されている。また、給電素子Aは、交流電源602から接地されている。このような給電素子Aによって受信した無線信号は、送受信部114へ送られる。
【0033】
無給電素子B1〜B4には、非励振素子603に可変リアクタンス素子(素子1〜素子4)の一方が接続され、この可変リアクタンス素子(素子1〜素子4)の他方は接地されている。可変リアクタンス素子(素子1〜素子4)のリアクタンス値は、CPU102からの制御により個々に−10Ω〜−90Ωの値に変化させることが可能である。実際に可変リアクタンス素子としては、可変ダイオード等が用いられる。なお図6には素子1、3のみ図示してある。
【0034】
(受信測定系のハードウェア構成)
図7は、受信測定系のハードウェア構成の一例を示す図である。この実施例1にかかる受信測定系108は、電波暗室700内に、回転台701に備えられたアレーアンテナ101aと、送信アンテナ702と、送信アンテナ702に接続された信号発生機703と、回転台701に接続された回転台制御装置704と、アレーアンテナ101aに接続されたアンテナ制御装置705と、受信信号測定装置706とから構成される。この測定用のアレーアンテナ101aは、アレーアンテナ101と同一の構成である。
【0035】
受信測定系108は、まず信号発生機703によって発生させた一定出力の信号を、送信アンテナ702から無線信号として送信する。この無線信号は、測定用のアレーアンテナ101aによって受信される。受信した無線信号は、受信信号測定装置706において、無線信号の出力を表す利得として測定されるという仕組みになっている。このとき、アレーアンテナ101aは、回転台制御装置704によって、任意の角度に回転制御が、アンテナ制御装置705によって、無給電素子B1〜B4の可変リアクタンス素子(素子1〜素子4)のリアクタンス値を、それぞれ制御できるようになっている(この実施例1で述べる「利得」とは、受信信号測定装置706における相対的な値である)。
【0036】
図8は、あるリアクタンス値の設定における指向性を示すパターン図である。例えば、アンテナ制御装置705によって、アレーアンテナ101aの素子1〜素子4のリアクタンス値をすべて−10Ωに設定した後、回転台制御装置704によって、アレーアンテナ101aを0°〜359°の1°刻みで回転させながら各角度における利得を受信信号測定装置706によって測定することで、図8に示すような、あるリアクタンス値の設定におけるアレーアンテナ101aの360°の指向性を表すパターン図800を作成することができる。
【0037】
図中のパターン線810が、当該角度におけるアレーアンテナ101aの利得を表している。ここで述べる角度とは、例えば、送信アンテナ702をアレーアンテナ101aの正面に配したとき、送信アンテナ702の延長線上に無給電素子B1が位置する状態を0°とするなど、ユーザによって定められた基準による相対的な角度を表している。
【0038】
(指向性制御方法について)
次に、以上述べたアレーアンテナ装置100により行われる指向性制御方法について説明する。本発明にかかる指向性制御方法は、受信測定系108(図3参照)での測定結果から4つのパラメータを抽出し、0°〜359°の角度においてユーザの用途に合わせた指向性をもたせるためのリアクタンス値テーブルを作成することで実現される。
【0039】
従来技術で述べたようにアレーアンテナ101の指向性は、無給電素子B1〜B4の素子1〜素子4のリアクタンス値によって変化する。よって、本発明では、まず素子1〜素子4を−10Ω〜−90Ωの間で取りうるリアクタンス値のすべての組み合わせで設定を行い、各組み合わせ毎に360°の指向性を示すパターン図を作成する(図8参照)。
【0040】
次に、各組み合わせにおける指向性を表すパターン図から、「利得が最大となる角度」、「最大利得」、「半幅角」、「指向性利得差」の4つ値をパラメータとして抽出する。この4つパラメータを図8のパターン図800を用いて説明する。「利得が最大となる角度」は、測定したパターン図800においてパターン線810の示す利得が最大になる角度であり、図示の例では角度801に相当する。「最大利得」は角度801における利得(図中の802部分)を示す。
【0041】
「半幅角」は、最大利得802の半分の利得を示す、角度803aと角度803bのなす角804を示す。「指向性利得差」は、利得が最大となる角度801の180°反対の角度805における利得806と、最大利得802との差を示す。このとき、最大利得802との比較対象は、図示したような利得が最大となる角度の反対角における利得であってもよいし、図中の角度807のような、パターン線810において最も利得の少ない一般的にNull(ヌル)と呼ばれる角度における利得でもよい。
【0042】
指向性制御方法の説明に戻り、次に、抽出した4つのパラメータから、「利得が最大となる角度」つまり指向角度を基準に整理を行う。このとき同一の指向角度におけるパラメータが複数存在することがある。そこで、残りの3つのパラメータを下記の(1)式に当てはめ、同一の指向角度における評価値Eを算出する。
【0043】
評価値E=α×(利得)+β×(半幅角)+γ×(指向性利得差) …(1)
【0044】
各パラメータの係数α,β,γは、ユーザによって以下に述べるような基準によって用途合わせ、設定される。利得の係数αは、評価値Eの基本となり、利得の大きさが用途の一因となっている場合、最も重視される項目であり、通常、正の値を設定する。半幅角の係数βは、狭い角度だけ高利得となる狭指向性を求めるか、幅広い角度において高利得となる広指向性を求めるかによって値が変わる。狭指向性を求める場合は、負の値、広指向性を求める場合は、正の値を設定する。指向性利得差の係数γは、指向性の強さを重視するか否かによって値を変化させる。例えば、図8に示したパターン図800のように利得が最大となる角の反対角における利得を、指向性利得差を測定する対象として選択している場合は、ユーザの所望する指向角度が反対の角度と比較し、どれだけ強い指向性を有しているかを示す。よって、所望する角度に強い指向性をもたせたい場合は、正の大きな値に、指向性の強さに重要性がない場合は、正の小さな値に設定する。
【0045】
指向性制御方法の説明に戻り、(1)式によって算出された評価値Eが最も高いものがユーザの求める指向性を実現することから、同一指向角度における評価値Eが最も高いパラメータを有する素子1〜素子4のリアクタンス値の組み合わせを0°〜359°の間を順に1°刻みで抽出する。この処理によって、リアクタンス値テーブルが作成される。リアクタンス値テーブルは、HD106に保存される。ユーザは、キーボード113から、指向性をもたせたい所望角度を入力するとCPU102は、HDD105を制御し、HD106のリアクタンス値テーブルから、ユーザの入力した所望角度に最も近い指向角度における素子1〜素子4のリアクタンス値を読み出し、アレーアンテナ101の素子1〜素子4のリアクタンス値に反映させる。こうして本発明にかかる指向性制御方法が実現される。
【0046】
図9は、リアクタンス値テーブル作成動作を示すフローチャートである。図を用いて、受信測定系108(図7参照)における測定からリアクタンス値テーブル作成までの動作を説明する。なお、この実施例では、アレーアンテナ101aの測定角度は、0°〜359°まで1°刻みに行うため、リアクタンス値テーブルは、360個の項目からなる。しかしこれは一例であり、測定角度を何度刻みにするかは、ユーザによって設定可能であり、回転台701(図7参照)の性能に依存して、詳細に設定できる。この測定角度の刻み幅が細かくなれば指向特性の精度も向上する。なお、アレーアンテナ101aの形状が点対称なので、60°〜120°、120°〜180°、180°〜240°、240°〜360°をそれぞれ0°〜60°の結果で代用することもできる。フローチャートに戻り、まず、アレーアンテナ101aのリアクタンス値を初期値に設定する(ステップS901)。ここでは、アンテナ制御装置705を用い、初期値として無給電素子B1〜B4それぞれの素子1〜素子4のリアクタンス値をすべて−10Ωに設定する。
【0047】
次に、アレーアンテナ101aと、送信アンテナ702との角度θを初期値に設定する(ステップS902)。先程述べたように、角度θは、あらかじめユーザが指定した基準点を0°とし、その基準点からの相対角度であり、回転台制御装置704によって制御する。例えば、送信アンテナ702の中心からアレーアンテナ101aへの直線上に、アレーアンテナ101aの無給電素子B1,B3と、給電素子Aとが位置する状態を基準点0°とし、時計回りに基準点からの相対角度を測定してもよい。
【0048】
リアクタンス値と角度θの設定が終了すると、次に送信アンテナ702からの無線信号に対しての受信測定を行い、測定結果とリアクタンス値を保存する(ステップS903)。送信アンテナ702からの無線信号の出力は信号発生機703によって一定レベルを保つように管理されており、アレーアンテナ101aの受信した無線信号の利得は、受信信号測定装置706によって測定される。角度θにおける測定結果は、素子1〜素子4のリアクタンス値とともに、HD106(図3参照)に保存される。
【0049】
角度θにおける受信測定が終了したら、次に、現在のアレーアンテナ101aの角度θ≧360°であるか否かの判断を行う(ステップS904)。この処理は、角度θとして、0°〜359°の間を1°刻みで受信測定を行うためである。よって、最初にステップS904に処理が行われる際、角度θは、初期値0°に設定されていることから(ステップS904:No)、次に角度θ=θ+1°と設定する(ステップS905)。つまり、角度θを「設定角度+1°」に設定し直し、新しい角度θとしてステップS903からの処理を再度行う。この処理により、リアクタンス値は同一のまま、アレーアンテナ101aの角度θを0°〜359°で、1°刻みずつ変化させた場合の各角度θにおける受信測定を行うことで、図8に示したような360°の指向性のパターンを作成することができる。
【0050】
角度θ≧360°となり角度θ=359°までの受信測定を終了させると(ステップS904:Yes)、次にリアクタンス値設定終了か否かの判断を行う(ステップS906)。リアクタンス値の設定は、素子1〜素子4の各リアクタンス値を、−10Ω〜−90Ωの間で−10Ω刻みに変化させる。よって、リアクタンス値の設定は、全部で6561通りの組み合わせがあり、いまだ設定していない組み合わせがある場合は(ステップS906:No)、リアクタンス値の設定変更を行い(ステップS907)、ステップS902の処理に戻り、再度処理を行うことで、リアクタンス値のすべての組み合わせにおいて、角度θの0°〜359°の受信測定を行う。
【0051】
図10は、可変リアクタンス素子のリアクタンス値と測定値の一例を示す図表である。ステップS901〜ステップS907の処理による測定結果は指向性のパターンから抽出した値であり、HD106において、図表1000のように保存されている。素子1〜素子4のリアクタンス値[Ω]の組み合わせ毎に、利得最大角度[°]と利得[dB]と、半幅角[°]と、指向性利得差[dB]を保存している。
【0052】
利得最大角度とは、つまり、0°〜359°を、1°刻みで受信測定した結果、最も利得が大きかったアレーアンテナ101aの角度θを意味する。また、利得と、半幅値と、指向性利得差は、それぞれ利得最大角度を基準とした値である。なお、図表1000中の「omni direction」とは、利得最大角度が存在しない無指向性の状態を表す。よって、「omni direction」の場合は、半幅角が存在せず、指向性利得差は、0dBという値になる。
【0053】
図9のステップS906に戻り、すべてのリアクタンス値設定が終了したら(ステップS906:Yes)、次にユーザ設定値を受信したか否かの判断を行う(ステップS908)。ユーザ設定とは、式(1)おける各パラメータの係数α,β,γのユーザによる設定値である。このユーザ設定は、キーボード113によって入力されることで行われ、入力された値がCPU102に受信されることで(ステップS908:Yes)、評価値Eを算出するための準備として、まず角度θを初期値に設定する(ステップS909)。初期値とは、ステップS902同様θ=0°である。
【0054】
また、ステップS908において、ユーザ設定が受信されなかった場合(ステップS908:No)、つまりユーザからの入力が行われなかった場合は、ユーザ設定値を標準値に設定してから(ステップS910)、角度θを初期値に設定する(ステップS909)。標準値とは、あらかじめ定めてある値で、ユーザによって設定することもできる。よって、利用頻度の多い設定値や、実施経験から最適な値を設定してもよい。
【0055】
図11は、特定角度における測定値および評価値Eの算出結果例を示す図表である。図中の図表1100は、図10で説明した最大利得角度が90°の場合の各測定値と、評価値の算出結果例である。このように、ある特定の角度θが最大利得角度となるリアクタンス値の組み合わせは、複数あり、評価値の算出結果から、最大値となる最良評価値1101を抽出しなければならない。以下、述べるステップS911〜ステップS918は、角度θにおける最大評価値を抽出し、評価値として保存するための処理である。
【0056】
図9に戻り、最良評価値Ex=−∞に設定する(ステップS911)。次に、角度θにおける測定結果とユーザ設定値から評価値Eを算出する(ステップS912)。評価値Eの算出時には、HD106に保存してある図表1000(図10参照)の値を読み出して行う。最初にステップS912の処理を行う際の角度θは、初期値の0°であるため、まず、最大利得角度が0°である時の測定結果を順次読み出し、算出する。次に算出した評価値E>最良評価値Exか否かの判断を行う(ステップS913)。
【0057】
評価値Eが最良評価値Exよりも大きければ(ステップS913:Yes)、最良評価値Ex=評価値Eと設定する(ステップS914)。評価値Eが最良評価値Exと等しい、もしくは小さければ(ステップS913:No)最良評価値Exは、変更せず、次に、すべての評価値Eを算出したか否かの判断を行う(ステップS915)。これは、図11に示したような角度θが最大利得角度となった測定結果が複数存在した場合、これらの測定結果すべての評価値Eを算出したかの判断である。
【0058】
角度θにおける評価値Eの算出が残っている場合(ステップS915:No)、次に測定結果の評価値Eを行うため、ステップS912の処理に戻る。このようにして、評価値Eと最良評価値Exとを比較し、算出終了時に最も値の大きい評価値Eが最良評価値Exとして設定される。角度θにおける評価値Eの算出がすべて終了したら(ステップS915:Yes)、次に角度θ≧360°であるか否かの判断を行う(ステップS916)。
【0059】
角度θが359°以下であれば(ステップS916:No)、角度θと、最良評価値Exリアクタンス値をリアクタンス値テーブルに保存する(ステップS917)。最良評価値Exリアクタンス値とは、最良評価値Exの指向性を実現した際の素子1〜素子4のリアクタンス値を意味する。保存が終了したら、次に角度θをθ=θ+1°と設定する(ステップS918)。つまり、角度θの値を「設定角度+1°」に設定し直し、ステップS911からの処理を再度、行う。角度θが360°になるまで(ステップS916:Yes)、処理を繰り返し行うことで、0°〜359°の1°刻みの各角度における最良評価値Exにおける、リアクタンス値テーブルが完成する。
【0060】
図12は、リアクタンス値テーブルの一例を示す図表である。図表1200は、図9で説明した処理によって作成されたリアクタンス値テーブルの例であり、指向方向角度[°]に指向性を有し、なおかつユーザの所望する指向性パターンを実現させるときの素子1〜素子4のリアクタンス値が、あわせて保存されている。
【0061】
また、図13は、アレーアンテナ装置利用時のディスプレイ表示例を示す図である。表示面1300は、指向性パターン表示部1301と、リアクタンス値設定表示部1302と、ユーザ設定部1304とから構成される。まず、ユーザが入力したユーザ設定値1305からリアクタンス値テーブルを作成する。さらにユーザが指向性をもたせたい所望角度を入力することで、所望角度に最も近い指向方向角度と、指向方向角度に対応した素子1〜素子4のリアクタンス値をHD106(図3参照)から読み出し、そのときの各測定値1206を表示させる。このようにして、アレーアンテナ装置100は、ユーザの所望する角度に指向性を制御できるアンテナ装置として利用される。
【実施例2】
【0062】
図14は、送信測定系のハードウェア構成の一例を示す図である。実施例2では、図3に示した送信測定系109を用い、アレーアンテナ101によって無線信号の送信を行うための、送信指向性制御を行うアレーアンテナ装置100について述べる。また、送受信部114は、キーボード113から入力した情報等の送信情報を無線信号としてアレーアンテナ101から送信させるため、符号化等の処理を行う。
【0063】
送信測定系109は、電波暗室700内に備えられた回転台701の上に取り付けられた測定用のアレーアンテナ101aと、受信アンテナ1400とからなる。アレーアンテナ101aには、アンテナ制御装置705と、信号発生機703とが接続されている。また、回転台701には、回転台制御装置704が接続されており、受信アンテナ1400には、受信信号測定装置706が接続されている。
【0064】
測定を行う際には、信号発生機703から発生される一定レベルの出力の信号により、アレーアンテナ101aから無線信号が送信される。このときアンテナ制御装置705によってアレーアンテナ101aの4つの可変リアクタンス素子(素子1〜素子4)のリアクタンス値の値が−10Ω〜−90Ωの間で10Ω刻みに制御できるようになっている。また、アレーアンテナ101aは、回転台701によって360°回転が可能であり、回転角度は、回転台制御装置704によって1°刻みで制御できるようになっている。しかしこれは一例であり、測定角度を何度刻みにするかは、ユーザによって設定可能であり、回転台701(図7参照)の性能に依存して、詳細に設定できる。この測定角度の刻み幅が細かくなれば指向特性の精度も向上する。なお、アレーアンテナ101aの形状が点対称なので、60°〜120°、120°〜180°、180°〜240°、240°〜360°をそれぞれ0°〜60°の結果で代用することもできる。
【0065】
以上述べたような、送信測定系109を用いることで、実施例2では、0°〜359°の角度θにおける送信利得、つまり角度θにおける受信信号測定装置706を測定する。実施例1と同様に測定結果を角度θとともに保存し、ユーザがユーザ設定値を入力することで、図9に示したフローチャートと同様の処理により、リアクタンス値テーブルが作成される。
【0066】
このリアクタンス値テーブルは、0°〜359°の1°刻みの角度θごとに、可変リアクタンス素子(素子1〜素子4)のリアクタンス値が保存されている。ある角度θ方向に指向性をもたせたいときは、θにおけるリアクタンス値をHD106から読み出し、アレーアンテナ101を設定する。こうすることで、ユーザの所望する角度θにおける最も理想的な指向性を有した送信用のアレーアンテナ装置を実現することができる。
【0067】
以上、実施例1および実施例2で説明したように、アレーアンテナ装置、指向性制御方法および指向性制御プログラムによれば、測定結果とユーザ設定値から求めた評価値を用いてユーザが所望する指向性を設定し、用いることができる。
【0068】
なお、本実施の形態で説明した指向性制御方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。

Claims (6)

  1. 給電素子と、複数の無給電素子と、当該複数の無給電素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを有するアレーアンテナ装置において、
    前記アレーアンテナ装置の前記複数の無給電素子の位置を回転させ、電波を送信あるいは受信する角度を変更させる角度制御手段と、
    前記角度制御手段によって変更させた各角度毎に複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を設定するリアクタンス値設定手段と、
    前記各角度において前記リアクタンス値設定手段によって設定されたリアクタンス値毎に前記給電素子の利得を検出する利得検出手段と、
    前記各角度毎の前記リアクタンス値と、前記利得とに基づいて、全角度における指向特性に影響する複数のパラメータを抽出するパラメータ抽出手段と、
    前記パラメータ抽出手段によって抽出されたパラメータを用いた所定の演算により、前記各角度毎の所定の評価値を算出する評価値算出手段と、
    前記各角度毎に前記評価値算出手段により算出される評価値が最も高くなる利得が検出された際のリアクタンス値の設定を記録する記録手段と、を備え、
    前記リアクタンス値設定手段は、任意の角度で電波を送信あるいは受信する際に、当該角度におけるリアクタンス値を前記記録手段から読み出し、設定するものであり、
    前記評価値算出手段は、前記パラメータ抽出手段により抽出された前記各角度毎の利得と、半幅値と、指向性利得差、のそれぞれに対し、所望する指向性パターンに対応した係数を用い前記所定の演算を行い前記評価値を算出することを特徴とするアレーアンテナ装置。
  2. 前記パラメータ抽出手段は、前記各角度毎の利得と、半幅値と、指向性利得差を抽出し、
    前記評価値算出手段は、前記パラメータ抽出手段により抽出された前記各角度毎の利得と、半幅値と、指向性利得差に基づいて前記評価値を算出することを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ装置。
  3. 前記記憶手段は、前記各角度毎の複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値と、前記各角度毎の利得と、半幅値と、指向性利得差とを記憶することを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ装置。
  4. 前記記憶手段に記憶された前記各角度における複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値と、前記利得と、前記半幅値と、前記指向性利得差に関する情報と、を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のアレーアンテナ装置。
  5. 給電素子と、複数の無給電素子と、当該複数の無給電素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを有するアレーアンテナ装置の指向性を制御する指向性制御方法において、
    前記アレーアンテナ装置の前記複数の無給電素子の位置を回転させ、電波を送信あるいは受信する角度を変更させる角度制御工程と、
    前記角度制御工程によって変更させた各角度毎に複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を設定する第1のリアクタンス値設定工程と、
    前記各角度において前記第1のリアクタンス値設定工程によって設定されたリアクタンス値毎に前記給電素子の利得を検出する利得検出工程と、
    前記各角度毎の前記リアクタンス値と、前記利得とに基づいて、全角度における指向特性に影響する複数のパラメータを抽出するパラメータ抽出工程と、
    前記パラメータ抽出工程によって抽出されたパラメータを用いた所定の演算により、前記各角度毎の所定の評価値を算出する評価値算出工程と、
    前記各角度毎に前記評価値算出手段により算出される評価値が最も高くなる利得が検出された際のリアクタンス値の設定を記録手段に記録する記録工程と、
    任意の角度で電波を送信あるいは受信する際に、当該角度におけるリアクタンス値を前記記録手段から読み出し、設定する第2のリアクタンス値設定工程と、
    を含み、
    前記評価値算出工程は、前記パラメータ抽出工程により抽出された前記各角度毎の利得と、半幅値と、指向性利得差、のそれぞれに対し、所望する指向性パターンに対応した係数を用い前記所定の演算を行い前記評価値を算出することを特徴とする指向性制御方法。
  6. 請求項5に記載の方法をコンピュータに実行させることを特徴とする指向性制御プログラム。
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