JP5228692B2 - アンテナ自動設計装置、自動設計方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、効率的なタグアンテナを容易に設計できるアンテナ自動設計装置、自動設計方法及びプログラムに関する。
現在RFIDタグや非接触型ICカードなどの無線通信を用いたICタグの使用が活発化している。またそのタグアンテナの設計についても、さまざまな提案がなされている。
特許文献1には、電力を安定して得ることができると共に、十分な通信距離を確保できるタグアンテナを設計する手法として、ICタグに読み書きを行なうリーダライタ(RW)から送信される電波に共振すると共にタグアンテナが接続されるタグLSIの入力部とインピーダンス整合が取れるようにアンテナを設計することが開示されている。
また特許文献2では、周波数を決めた後にタグアンテナの電気的特性を算出することによりタグアンテナの設計時間を短縮する設計手法が開示されている。
更に特許文献3には、全方位的な無指向性を向上させかつインピーダンスマッチングの容易なICタグアンテナの形状が開示されている。
また特許文献4には、アンテナの解析領域を細かい要素に分割して、各要素に変数を定義してこの変数を変化させて最適化を行うことにより、アンテナの設計を容易にする手法が開示されている。
特開2005−45339号公報 特開2005−33500号公報 特開2005−244283号公報 特開2003−332814号公報
ICタグのタグアンテナの設計には、電磁界シミュレータの活用が有効である。しかしながら汎用の電磁界シミュレータは、高機能である分、操作方法が複雑で習得するのに時間がかかる。
またICタグのタグLSIのインピーダンスは、一般に数10Ω−j数100Ω(jは虚数単位)であり、このようなインピーダンスと整合させるタグアンテナを設計する必要がある。
しかしながら、汎用の電磁界シミュレータは、複素数形式の基準インピーダンスとの整合性を評価する機能を備えていない場合が多い。
また、タグアンテナをモデル化する場合、設計者はアンテナの寸法をモデル化画面で入力するのだが、その作業は画面上にあるタグアンテナの形状を決めているドットを移動させるものであり、アンテナの形状が複雑になればなるほど、入力作業が煩雑になり時間もかかる。
更には、ICタグ設計で重要となる性能は、通信距離と帯域及び放射パターンであるが、汎用の電磁界シミュレータでは、通信距離について計算し、それを表示することはできない。そこで設計者は、汎用電磁界シミュレータによって得た利得、インピーダンスの計算値を元に、別途通信距離を算出する必要がある。
また、最適な性能が得られるICタグを設計するためには、ICタグの性能に影響があるパラメータを変化させながら最適値が得られる場合を探す必要がある。このためには、何度も上で述べたモデル作成、整合、通信距離評価と言ったプロセスを繰り返す必要があり多大な時間と労力を要するといった問題がある。
上記問題点を鑑み、本発明は、特別な知識や経験を有しなくても容易に、効率的なタグアンテナを設計できるアンテナ自動設計装置、自動設計方法及びプログラムを提供することを課題とする。
本発明によるアンテナ自動設計装置は、ICタグのタグアンテナを設計するアンテナ自動設計装置であって、上記課題を解決するために、本発明によるアンテナ自動設計装置は、モデル記憶部、及び設計入力部を備える。
モデル記憶部は、設計するタグアンテナの雛形となるモデルを記憶する。
設計入力部は、設計者の指示に基づいて前記モデル記憶部からモデルを読み出し、当該読み出したモデルを画面表示すると共に、当該モデルの形状の変更を長さの情報で入力させる入力画面を画面表示する。
また本発明によるアンテナ自動設計方法は、ICタグのタグアンテナを設計するアンテナ自動設計方法であって、設計を行なうタグアンテナの形状を画面表示し、前記設計を行なうタグアンテナの形状の変更を、長さの情報で入力させる入力画面を画面表示することを特徴とする。
また本発明によるプログラムは、情報処理装置で実行されるプログラムであって、設計を行なうICタグのタグアンテナの形状を画面表示し、前記設計を行なうタグアンテナの形状の変更を、長さの情報で入力させる入力画面を画面表示することを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする。
開示のシステムによれば、タグアンテナの設計モデルの雛形を用意し、設計者は変更したい箇所の長さの情報を入力するだけでモデルを作成することが出来る。したがって従来は入力画面で座標を入力しながらモデルを作成する場合に比べ、格段にモデル作成の効率化が図れる。
またタグLSIの条件を指定してタグアンテナとタグLSIの整合を計算する機能を備えるので、整合状態を定量的に評価できる。
更にはタグLSI及びリーダライタ(RW)の特性を指定して通信距離を計算する機能を備えるので従来のように電磁界シミュレータでの解析結果を元に別途表計算ソフトなどを使って通信距離を計算する場合に比べ、格段に設計の効率化が図れる。
また与えられた条件で最適化されたタグアンテナを設計し結果を表示することが出来る。
更にアンテナの形状を規定する複数の長さを最適化処理で求めることが出来る。
以下に図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。
なお以下の説明では、本実施形態のアンテナ自動設計装置でUHF帯及び2.45GHz帯のRFIDタグのタグアンテナを設計する場合を例としてあげているが、本実施形態のアンテナ自動設計装置で設計できるタグアンテナは、このようなものに限定されるもの
ではなく、他の周波数帯のRFIDタグのタグアンテナや非接触型ICカード等のRFID以外のIDタグのタグアンテナの設計も行なうことが出来る。
図1は、本実施形態におけるアンテナ自動設計装置の構成例を示す図である。
同図においてアンテナ自動設計装置1は、モデル記憶部11、設計入力部12、整合状態計算部13、通信距離特性計算部14及びアンテナ最適化計算部15を備えている。
モデル記憶部11は、アンテナ自動設計装置1でタグアンテナを設計を行う際の雛形となるモデルや設計を終えたモデルを記憶している。このモデルの情報は、タグアンテナの形状を規定するドットの座標の情報と、タグアンテナの電気的特性よりなる。なおこのモデル記憶部11に記憶されるモデルの情報は、従来の設計装置によって設計されたタグアンテナのデータと基本的には同じなので、他の設計装置による設計データをこのモデル記憶部11にコピーして、本実施形態のアンテナ自動設計装置11によるタグアンテナ設計の雛形として用いることも出来る。
設計入力部12は、タグアンテナ設計時に、表示部にモデル記憶部11から読み出したモデルを表示し、設計者に形状を規定する部分の長さの情報を入力変更させて設計を行なわせる。設計者が、設計入力部12によって表示されたタグアンテナの形状から、変更を加えたい部分の長さを指定入力する。この入力された長さに基づいて、設計入力部12は、タグアンテナの形状を規定するドットの座標を変更して新規形状のモデルを生成する。また設計されたタグアンテナを解析して、タグアンテナのインピーダンス(アドミッタンス)や利得等を求める。
このようにタグアンテナの形状変更を設計者に長さの情報として入力させることにより、本実施形態のアンテナ自動設計装置1では、容易にタグアンテナの形状を変更して設計を行なうことが出来る。
整合状態計算部13は、タグLSIのインピーダンスと、設計入力部12により設計したタグアンテナの整合状態を計算して画面上に表示する。
通信距離特性計算部14は、設計入力部12により設計したタグアンテナの通信距離の周波数特性や指向性分布を計算して表示する。
アンテナ最適化計算部15は、設計入力部12によりタグアンテナを設計する際、特定部分の長さの最適化値を計算して表示するものである。
図2は、設計入力部12がモデル記憶部11からモデルを読み出して画面表示したときの表示画面例である。
同図は、折り返しダイポールアンテナに並列インダクタンスパターンを付加したタグアンテナを設計するためのモデルを読み出した例を示している。
図2に示すように、表示されているタグアンテナは、L1、s1〜s3、w1〜w4の8つの長さの情報で形状が規定されている。そして設計者が、各長さの入力ボックス21から所望の長さを入力すると、それに伴って表示画面20に表示されているタグアンテナの形状が変わる。
従来行なわれていたタグアンテナの設計では、電磁界シミュレータ画面上で形状を規定している複数のドットの3次元座標を変更して形状の設計を行なっていた。そのため特定部分の大きさを変える等の処理に、熟練者でも数分〜十数分かかっていた。それに対して本実施形態におけるアンテナ自動設計装置1では、変更したい長さを入力ボックス21から入力するだけで、一瞬の内にタグアンテナの形状を変更できる。
なおこの図2の設計画面からは、タグアンテナの電気的特性も入力ボックス22から入力することにより設定変更することが出来る。またタグアンテナを貼り付ける物質(誘電体)の大きさや電気的特性、対象とする周波数も入力ボックス23、24から入力することにより設定することが出来る。
タグアンテナは常に何らかの管理対象に貼り付けて使用する。貼り付けることでアンテナの特性は変化するため、貼り付け対象までモデル化することが必要である。したがって貼り付け前のタグアンテナ単体での特性を評価する場合は、貼り付ける誘電体をモデル化する必要はない。
設計者は入力ボックス21、22、23、24に必要な寸法及び材料特性を入力し、ポインティングデバイスを操作して、画面右下にあるモデル作成ボタン25を画面上で押下することで、電磁界シミュレータで解析可能なモデルが作成される。そして全ての入力が終わり設計が完成した後、設計者は不図示の保存ボタンを押すと設計されたタグアンテナのデータはモデル記憶部11に記憶される。なおこの保存したモデルを別の設計時に雛形として用いてもよいことはいうまでもない。
上述した処理で作成されるタグアンテナのモデル例を図3に示す。
これを従来の汎用電磁界シミュレータで0からモデル化しようとすれば、形状を規定する各ドットの3次元座標を全て入力する必要があり、熟練者でも10分程度は要する。しかしながら本実施形態の画像記録装置1を用いれば、熟練者でなくても数秒から数10秒で図3のようなモデルを作成できるため大幅な効率化が可能となる。
なお図3の折り返しダイポールアンテナに並列インダクタンスパターンを付加したタグアンテナ概略の動作原理については、特開2006−295879号公報に類似のタグアンテナの動作についての詳細が示されている。
また図1では、雛形として折り返しダイポールアンテナに並列インダクタンスパターンを付加したタグアンテナを用いたがモデル記憶部11には他の構成、例えば全長が半波長以下のダイポールに並列インダクタンスパターンを付加したタイプやパッチアンテナ型等の他のタイプのタグアンテナの雛形が用意されており、これらを用いてタグアンテナのモデル設計を行なっても良いことはいうまでもない。
また図1の画面に「解析」ボタンを設けてこれを画面上で押下することで作成されたモデルの特性をシミュレーションできるようにしても良い。更に「結果表示」ボタンを設けて解析結果を表示できるようにしても良い。またこれらのボタンをまとめて「モデル作成・解析」ボタンとしても良い。
なお解析手法としては従来用いられている、実績のある電磁界解析手法であれば良く特に制限はない。例えばモーメント法、FDTD法、有限要素法などが考えられる。
次に整合状態計算部13による処理を説明する。
図4は整合状態計算部13による表示入力画面である。
同図の表示入力画面には、左側にタグLSIのインピーダンス及び測定周波数を入力する入力ボックス31があり、設計者がこの入力ボックスから整合性を計算するタグLSIの入力インピーダンスを入力すると、設計入力部11で設計したタグアンテナとの整合性が計算され、計算結果が表示部分32に矩形グラフとして表示される。同図では、SパラメータのS11(入力反射係数)を縦軸に周波数を横軸にとった矩形グラフとして表しており、測定周波数953MHz近辺でS11が最小となっており、ほぼ整合性が取れていることが分かる。
ここでタグLSIとタグアンテナとが整合性がとれる条件について説明する。
タグLSIのインピーダンスZc
c =Rc +jXc ・・・(1)
とする。なお式(1)の下付き添え字のcはチップ(chip)の頭文字である。またjは虚数単位を示している。
式(1)において一般的なタグLSIのインピーダンスはRc は
c =数10Ω、Xc =−数100Ω・・・(2)
となる。
通常のアンテナは、50Ωや75Ωあるいは300Ωに整合するように設計されることが多い。しかしながらタグLSIの場合、その実数成分が上記したいずれにも該当しないのみならず、虚数成分Xcも0ではない。
またタグアンテナのインピーダンスZa
a =Ra +jXa ・・・(3)
と定義する。式(3)の添え字のaはアンテナの頭文字である。
タグアンテナのインピーダンスがタグLSIのインピーダンスと整合するためには以下の関係が成立する必要がある。
c =Za *・・・(4)
式(4)においてZa *は、Za の複素共役を意味する。
従ってタグアンテナとタグLSIの整合条件は以下のように書き表される。
c =Ra ,Xc =−Xa ・・・(5)
ここで図5に示すように、タグLSIの等価回路は、抵抗(Rcp)と抵抗(Rcp)に並列に接続されたキャパシタ(Ccp)、タグアンテナは抵抗(Rap)と抵抗(Rap)に平行に接続されたインダクタ(Lap)と考えることが出来る。なお図5で添え字のpは並列回路であることを表わしている。
図5のような並列回路を表わすにはインピーダンスによる表記よりアドミッタンスによる表記のほうが分かりやすいため、式(1)および式(3)をアドミッタンスに変換する。まずタグLSIのアドミッタンスは以下のようになる。
この式(6)でGcpはタグLSIの並列コンダクタンスを表わし、BcpはタグLSIの並
列サセプタンスを表わす。
タグキャパシタンス成分Cのアドミッタンスはj・Cで表わされる(・は角周波数を表わす)ので、式(5)と図6よりRcpとCcpは以下のようになる。
次にタグアンテナのアドミッタンスについて考える。
インダクタンス成分Lのアドミッタンスは1/(j・L)で表わされるので、タグLSIの場合と同様にして、RapとLapは以下のように表わされる。
ここでGapはタグアンテナの並列コンダクタンスを、またBapはタグアンテナの並列サセプタンスを表わす。
式(7)および式(8)に式(5)の整合条件を当てはめると、
となる。
ここで式(9)が成立するならば、Bap =−Bcpとなり、またYa=Yc*となる。
すなわちタグアンテナの並列抵抗成分RapをタグLSIの並列抵抗成分Rcpと等しくなるようすると同時に、タグアンテナの並列インダクタンス成分LapでタグLSIの並列キャパシタンス成分Ccpを打ち消すことで整合が取れることが分かる。
タグLSIのアドミッタンスの虚数部はCcp・ωなので周波数とともに変化する。すなわち周波数ごとに異なるインピーダンスとなる。
通常の電磁界シミュレータでは、このような複素数基準インピーダンスの整合状態を表示することができない。設計者がスミスチャート上にインピーダンスをプロットして概略の整合状態を知ることはできるが、定量的に評価するためにはスミスチャートで表すより図4のように矩形グラフで表示した方が分かりやすい。
なお本実施形態におけるアンテナ自動設計装置では、整合状態計算部13による計算結果を図4のようなグラフ表示だけでなく図6のようなスミスチャートによって表示ししても良い。
図6では周波数800MHzから1200MHzまでの計算結果をスミスチャート上に示して表示している。
次に通信距離特性計算部14による処理を説明する。
図7は、通信距離特性計算部14によって表示される、設計したタグアンテナのモデルの通信距離の周波数特性を示す図である。
図7において、設計者が入力ボックス41から計算する周波数の範囲、タグLSIの電気特性、リーダライタ(RW)の出力電力及び利得を入力すると、設計したタグアンテナの各周波数における通信距離が計算され、表示画面42に縦軸に通信予想距離、横軸に周波数をとったグラフが表示される。図7の場合には、周波数が870MHz近辺が最も通信距離が長いことが分かる。
図8は、通信距離特性計算部14によって表示される、特定周波数における通信距離の指向性分布を示す図である。
設計者は画面左側の入力ボックス51からタグLSIの電気的特性及びリーダライタ(RW)の特性を指定すると、表示画面52に設計したタグアンテナのモデルの指向性分布を示す図が画面に表示される。
従来からある汎用の電磁界シミュレータでは、この通信距離特性計算部14のような機能はないので、設計者は電磁界主ミレータによる計算結果を用いて、表計算ツールなどで別途加工して通信距離を算出する必要があった。それに対して本実施形態のアンテナ自動設計装置1は、通信距離特性計算部14による設計したタグアンテナに対して、通信距離や指向性の計算結果をそのまま求めることが出来るので、通信距離評価に要する時間を大幅に短縮できる。
なお通信距離は以下の式(10)を元に計算する。
式(10)において、
λ:波長、Pt,Gt:リーダライタ(RW)の出力電力、アンテナ利得、q:整合係数、Pth:タグLSIの最小動作電力、Ga:タグアンテナの利得
式(10)で、タグLSIとタグアンテナの整合係数qは以下のような式(11)で表わされる。
式(11)において、
Rc、Xc:タグLSIの抵抗、リアクタンスZc=Rc+jXc
Ra、Xa:タグアンテナの抵抗、リアクタンスZa=Ra+jXa
なお式(10)、(11)で求まる通信距離はリーダライタ(RW)のアンテナの偏波特性が直線偏波の場合である。リーダライタ(RW)のアンテナが円偏波を放射する場合は、式(1)で得られた計算結果を√2で割れば通信距離が求まる。
次にアンテナ最適化部15の動作処理について説明する。
図9にアンテナ最適化部15によって最適化設計を行うアンテナの例を示す。
同図のアンテナは、長さが半波長以下のダイポールアンテナに並列にインダクタンスパターンを付加したものである。なおアンテナ最適化部15で最適化可能なタグアンテナは、全長半波長以下のダイポールに並列インダクタンスパターンを付加したものであれば、図8に示す形状に限定されない。また図9のタグアンテナの詳細な動作原理については、特開2006−295879号公報に開示がある。
一般にアンテナの性能(通信距離)は、アンテナの占有体積で決定されるが、通常タグアンテナの寸法(図9のL1やL2)は、貼り付け対象の大きさにより決定される場合が多いため、設計者が自由に決めることはできない場合が多い。またタグアンテナの通信距離は、タグLSIとの整合状態により決まるので、図9の長さS2を変化させてタグアンテナのインピーダンスを変化させれば通信距離も変化する。
図10に長さL1を固定してS2を変化させた場合のシミュレーション結果を示す。
同図(a)はL1が73mm、Ycが1−j4mS、同図(b)はL1が73mm、Ycが2−j4mS、同図(c)はL1が150mm、Ycが1−j4mS、同図(d)はL1が150mm、Ycが2−j4mSのとき横軸にS2の値を取って、縦軸に整合係数にタグアンテナゲインを掛けた値(q×Ga:通信距離に比例)、整合係数(q)及びタグアンテナのサセプタンスとタグLSIのサセプタンスの差(|Bc+Ba|)の3つの変数を表わしたものである。
なお図10において固定したパラメータ値は、L2=7mm、W1=2mm、W2=1mm、S3=5mm、及びS4=5mmである。
図10(a)、(b)に示すL1=73mmの場合については、q、q×Gaが最大となるS2の値と|Bc+Ba|が最小となるS2の値は25mmと同じである。従ってこれらの場合はBc+Baが最小となる場合すなわちBc=―BaとなるようなS2の値を求めればよい。
一方図10(c)、(d)に示すL=150mmの場合、qとq×Gaが最大となるS2の値は等しいが、図10(c)のようにqが最大になるS2の値と|Bc+Ba|が最小となるS2の値は同じではない場合があることが分かる。
以上よりタグの外形寸法が決まれば、S2の値のみを変化させることでタグアンテナの通信距離を最適化できることが分かる。
このS2の最適価値を求めるには、タグアンテナの長さが受信電波の波長に比して短い場合は、タグアンテナのサセプタンスとタグLSIのサセプタンスの和が0になるS2を求めるアルゴリズムが使用できる。一方アンテナの長さが受信電波の半波長(この場合約15.7cm)に近い場合は整合係数qが最大になる(S11が最小になる)ようなS2の値を求めるアルゴリズムが使用できる。
なお全長が半波長に近い場合や半波長に比べ十分短い場合も、qが最小になるようなアルゴリズムを用いても良いが、一般に最小値探索アルゴリズムと非線形一次方程式の解法アルゴリズムでは、後者のほうが短い時間で解に到達できる。従って、アンテナ最適化計算部15では、タグアンテナの長さが受信電波の波長に比して短い場合は、タグアンテナのサセプタンスとタグLSIのサセプタンスの和が0になるS2を求めるアルゴリズムを、またアンテナの長さが受信電波の半波長に近い場合は整合係数が最小になるようなS2の値を求めるアルゴリズムが使用するよう、アンテナの全長に応じて異なるアルゴリズムを使い分けることで、より効率の良い最適化設計が可能になる。
一次元最小値問題のアルゴリズムとしては、黄金分割法、ブレントの方法などが考えられる。さらに精度を上げるためには3次関数を用いる以下のような手法が使用できる。
ステップ1
横軸をS2、縦軸をS11(真値)としてS2=P1、S2=P2、S2=P3、S2=P4の4点を取り、この4点を通る3次関数を近似する。なおP1は設定可能なS2の最小値、P2は最大値。P2及びP3は以下のような式で表わされる。
P2=P1+1/3(P4−P1)
P3=P1+2/3(P4−P1)
P1からP4までS2の大きさを変化させた例を図11に示す。
ステップ2
ステップ1で近似した3次関数で、導関数が0となる点(極小点)P5を求める。
ステップ3
P1〜P4の中でS11の値が最も大きい点とP5を入れ替える。
ステップ4
ステップ4で入れ替えた新たなP1〜P4の組で、ステップ1〜3の処理を収束するまで繰り返す。そして3時間数の極小点が一定の値に収束したならば、その値をS2の値とする。
S2の最小値・最大値の値(P1,P4)は製造できる最小パターン間隔から決定される。
また一次方程式の解法アルゴリズムとしては、よく知られたニュートン法や、二分法などを用いればよい。
図12にアンテナ最適化計算部15による最適化処理実施画面例を示す。
図12(a)に示すようなモデル作成画面で、タグアンテナモデルのS2以外の寸法を指定した後、図12(b)に示すような画面で、タグLSIの特性値を入力し、計算実行ボタン61を画面上で押下することで、図11に示すアルゴリズムが自動実行され最適なS2の値が算出される。
図12(b)では、10回上記ステップ1〜3の処理を繰り返したときにS2の値は25.2mmに収束し、入力された条件において最適化されたS2の値として25.2mmが求まっている。
図13は、本実施形態におけるアンテナ自動設計装置1によってタグアンテナを設計する際のアンテナ自動設計装置1の動作を示すフローチャートである。
同図において処理が開始されると、まずステップS1として設計入力部12は設計者に設計するタグアンテナの種類から雛形を選択させる。すると設計入力部12は、対応する雛形をモデル記憶部11から読み出し、ステップS2として図9のようなタグアンテナの形状を長さで入力させる画面を表示する。なお雛形を使わずに一からタグアンテナを設計する場合には、この雛形となるモデルの読み出しは行なわない。
そしてステップS3として設計者にステップS2で表示した画面上から、設計するタグアンテナの形状を規定する寸法(長さ)、及び導電率等のタグアンテナやタグアンテナを貼り付ける誘電体の電気的特性を入力させる。
そして次にステップS4として、設計するタグアンテナの対象周波数をステップS2で表示した表示画面上から入力させる。
次にステップS5として、このステップS3、S4の入力内容から新たなモデルを生成し、これを保存するのなら(ステップS6、Y)、ステップS8として新規に作成されたモデルをモデル記憶部11に保存し、保存しないのならステップS8をスキップする。
次にステップS8として、上記処理により作成されたタグアンテナのモデルに対して解析を行なうかどうかを設計者に選択させる。
その結果、解析を行なうことを設計者が選択し、そのことを通知する入力をアンテナ自動設計装置1に対して行ったならば(ステップS8、Y)、次にステップS9において、解析の内容が通信距離の解析か、整合性の解析かを設計者に選択させる。
ステップS9において、設計者が通信の解析を選択し、そのことを通知する入力をアンテナ自動設計装置1に対して行ったならば(ステップS9、通信距離)、アンテナ自動設計装置1は、通信距離特性計算部14を起動し、通信距離特性計算部14は、ステップS10として図7のような表示画面を表示し、設計者に入力ボックス41からタグLSIのインピーダンス等の特性情報を入力させ、またステップS11としてリーダライタ(RW)の特性情報を入力させる。
通信距離特性計算部14は、ステップS12において、タグアンテナモデルの特性とステップS10、S11で入力されたタグLSIとリーダライタの特性から通信距離を計算し、ステップS13として通信距離−周波数特性を画面上に表示する。
通信距離−周波数特性が画面に表示されている状態で、設計者が表示内容の切換えを選択し、そのことを通知する入力をアンテナ自動設計装置1に対して行ったならば(ステップS14、Y)、ステップS15として通信距離特性計算部14は、表示内容を図7のような通信距離−周波数特性から図8のような通信距離の指向性分布を示す表示に切り換えた後処理をステップS23に移す。また設計者が表示を切り換えないことを通知する入力をアンテナ自動設計装置1に対して行ったならば、(ステップS14、N)、ステップS15はスキップして、そのまま処理をステップS23に移す。
ステップS9において、設計者が整合性の解析を選択したのならば(ステップS9、整合性)、アンテナ自動設計装置1は、整合状態計算部13を起動し、整合状態計算部13は、ステップS16として図4のような表示画面を表示し、設計者に入力ボックス31からタグLSIのインピーダンス等の特性情報を入力させる。
そして整合状態計算部13は、ステップS17において、タグアンテナモデルの特性とステップS16で入力されたタグLSIの特性からS11を計算し、ステップS18とし
て図4もしくは図6のような整合性特性を表示する。
そしてこの整合性特性を見て、設計者がタグLSIの条件を変更して再度解析を行ないたいと思い、そのことを通知する入力をアンテナ自動設計装置1に対して行ったならば(ステップS19、Y)、処理をステップS16に戻し、設計者がタグアンテナの条件を変更、若しくは処理を終了したいと思ったならば、処理をステップS23に移す。
ステップS8において、設計者が解析処理を行わないと判断し、そのことを通知する入力をアンテナ自動設計装置1に対して行ったならば、アンテナ自動設計装置1は、ステップS20に設計者にタグアンテナの最適化処理を行なうかどうかを選択させる。
ステップS8において、設計者が最適化処理を行なうことを選択し、そのことを通知する入力をアンテナ自動設計装置1に対して行ったならば(ステップS20、Y)、ステップS21として、アンテナ自動設計装置1は、アンテナ最適化計算部15を起動し、アンテナ最適化計算部15はステップS21として図12のような画面を表示して、設計者にタグLSIの特性を入力させる。
そしてアンテナ最適化計算部15は、ステップS22として後述する最適化処理を行ない、処理をステップS23に移す。
また、ステップS20において、設計者がタグアンテナの最適化処理を行なわないことを選択し、そのことを通知する入力をアンテナ自動設計装置1に対して行ったならば(ステップS20、N)、処理をステップS23に移す。
ステップS23では、アンテナ自動設計装置1は、設計者にタグアンテナの設計処理を終了するかどうかを選択させ、設計者が処理を終了しないことを選択し、そのことを通知する入力をアンテナ自動設計装置1に対して行ったならば(ステップS23、N)、処理をステップS1に戻す。またステップS23において、設計者が処理を終了することを選択し、そのことを通知する入力をアンテナ自動設計装置1に対して行ったならば(ステップS23、Y)、本処理を終了する。
図14は、図13のステップS22の最適化処理の詳細を示すフローチャートである。
同図の処理に入るとまず、ステップ31として整合状態計算部13は、タグアンテナの長さL1に対してαL1<λかどうかを判断する。なおここでαは任意の定数であり事前に予備解析を行なって求めておく。またλはタグアンテナが受信する受信電波の波長である。
なおαの値はタグアンテナを貼り付ける誘電体の実効誘電率εr に依存するのでαを、
と定義すれば、定数aは実効誘電率εrに依存しない値になる。
ステップS31において、整合状態計算部13がαL1<λでないと判断したならば(ステップS31、N)、ステップS32として一次元最小問題を解きS11が最小となるS2の大きさを求める。
またステップS31において、整合状態計算部13がαL1<λと判断したならば(ステップS31、Y)、ステップS33としてグアンテナのサセプタンスとタグLSIのサ
セプタンスの和が最小となるように、言い換えると|Bc+Ba|が最小、すなわちBc−Ba=0となるS2の大きさを求める。
ステップS32若しくはS33において、最適化されたS2の大きさが求まると、ステップS34として整合状態計算部13はこの結果を保存するか否かを選択させる。
そして、設計者が保存を選択し、そのことを通知する操作指示をアンテナ自動設計装置1に対して行なうと(ステップS34、Y)、整合状態計算部13は、ステップS35において最適化されたタグアンテナの形状、利得、整合性、通信距離を保存し、処理をステップS23に受け渡す。またステップS34において、設計者が保存を選択しなかった場合には、そのままステップS23に処理を受け渡す。
次にタグアンテナの形状を決める複数の値を最適化する場合について説明する。
図15は、複数の値を最適化して自動設計が可能なタグアンテナの第1の例を示す図である。
図15は、折り返しダイポールアンテナにループインダクタンスを並列に接続した形状のタグアンテナである。
図10乃至図12を用いて説明した最適化方法では、長さS2を変化させて通信距離を重視して最適な長さS2を求める場合を例として示した。
本実施形態におけるアンテナ自動設計装置1では、上述したアンテナの形状を決める長さの値を1つのみ最適化するのではなく、複数の値に対して最適化処理を実施することが出来る。
またこの最適化処理において、通信距離を重視した最適化の他に、周波数帯域重視で最適化することを選択することが出来る。
図10乃至図12で示した1変数の最適化で設計できるタグアンテナは、非共振のタグアンテナに限定され、またタグアンテナのサセプタンスを決定する長さS2をアンテナ最適化計算部15による計算結果から決定していた。
それに対して複数の値を最適化する場合には、その値として、図14においてタグアンテナの共振特性を決める長さL1、タグアンテナのサセプタンスを決める長さS2、タグアンテナのコンダクタンスを決める長さW1及び長さW3をアンテナ最適化計算部15による最適化処理によって決定する。なおタグアンテナのコンダクタンスについては、長さW1とW3の比で決定されるので、どちらか一方を固定値として他方の値を最適化するようにしても良い。またアンテナ最適化計算部15による最適化処理では、変数が複数となるので可変計量法(準ニュートン法)等の最適化手法を用いて、最も性能の良い値を算出する。
なお他のタグアンテナの形状を決定する値は、電気的特性より製造上の条件から決定される。
図16は、複数の値を最適化して自動設計が可能なタグアンテナの第2の例を示す図である。
第2の例のタグアンテナも、折り返しダイポールアンテナにループインダクタンスを並列に接続した形状のものである。ただしこのタグアンテナでは、全長を短くするために折り返しダイポール部を折り曲げた形状となっている。このタグアンテナの動作原理については特願2006−548596号に開示がある。
このタグアンテナの設計を行う場合、同図において長さL1、S2、W1及びW2をア
ンテナ最適化計算部15によって最適化した値を求める。長さL1を調整することで共振周波数を調整する。また長さS2を調整することによりタグアンテナとタグLSIとの整合(コンダクタンス)を調整する。また長さW1及びW3若しくはそのどちらか一方を調整することによりタグアンテナとタグLSIとの整合性(サセプタンス)を調整する。これらをパラメータとして同時に変化させて最適化を行う。
図17は、複数の値を最適化して自動設計が可能なタグアンテナの第3の例を示す図である。
第3の例のタグアンテナは、金属や液体に貼り付けても動作するタグアンテナである。このタグアンテナは、誘電体の一方の面に上の図に示すような給電パターンおよびパッチを設置し、他方の面にGNDパターンを設置する。このようなタグアンテナの動作原理については、特開2008−67342号に開示がある。
この図17のようなタグアンテナを設計するに当たっては、アンテナ最適化計算部15によって、長さS6、S1もしくはS2、及びS4の最適化値を求める。
長さS6を調整することでアンテナの共振周波数を調整することが出来る。L1+2×S6の電気長が半波長に等しいとき、アンテナは共振し、最も高い利得が得られる。
長さS2もしくはS1を調整することで、アンテナとタグLSIの整合を調整する。すなわち長さS2を調整することで、アンテナのサセプタンスタンスが変化する。S2が大きくなるにつれ、ループパタンの面積が大きくなるため、インダクタンスLは大きくなる。サセプタンスはインダクタンスに反比例するので、サセプタンスは小さくなる。また長さS1の電気長は、半波長よりも短く設定されている。長さS1を大きくしていくとアドミッタンスはスミスチャート上を時計回りに回転し、アンテナサセプタンスは小さくなる。タグLSIのサセプタンスとタグアンテナサセプタンスの大きさが等しく、符号が逆になるように長さS2の値を調節することによりタグアンテナとタグLSIとの整合性を調節することが出来る。
また長さS4を調整することで、アンテナとタグLSIの整合を調整する。すなわち長さS4を調整することで、アンテナのコンダクタンスが変化する。タグLSIのコンダクタンスとタグアンテナのコンダクタンスが等しくなるようにS4を調整すれば良い。
また上述したようにタグアンテナの形状を決定する複数の長さの値を最適化して設計を行う場合、本実施形態におけるアンテナ自動設計装置1では、設計者は距離重視の最適化を行うか、あるいは帯域重視の最適化を行うかを選択することが出来る。
距離重視で設計する場合、図18(a)に示すように周波数を変化させた場合のタグアンテナのインピーダンス(またはアドミッタンス)の軌跡はスミスチャート上で一回転する。このとき回転部分の頂点が仕様周波数に一致し、かつタグLSIのインピーダンスの複素共役と一致するように設計すればよい。
また帯域重視の設計を行う場合、図18(b)に示すようにアンテナインピーダンス(またはアドミッタンス)の軌跡はスミスチャート上で一回転する。このとき回転部分の頂点が仕様周波数に一致しかつタグLSIインピーダンスの複素共役よりも少しスミスチャートの内側に入るようにする。言い換えればインピーダンス軌跡の一回転する部分がタグLSIインピーダンスの複素共役を囲むようにする。
図18(a)の距離重視の場合のスミスチャートと図18(b)の帯域重視の場合のスミスチャートを比較すると、図18(b)の帯域重視の場合、動作周波数でのタグアンテナのインピーダンスは、スミスチャート上では、図18(a)の距離重視の場合に比べ内
側に入っていることが分かる。これはアンテナのコンダクタンスが大きい(並列抵抗が小さい)ことを意味している。
従って帯域重視で設計するときには、タグアンテナのサセプタンスはタグLSIのサセプタンスと大きさが同じで符号が逆向きになるようにし、アンテナコンダクタンスはタグLSIのコンダクタンスよりも大きくなるようにする。コンダクタンスをどの程度大きくするかについては、必要とされる帯域により異なる。
図19(a)は図18(a)の距離重視の場合のスミスチャートを、図19(b)は図18(b)の帯域重視の場合のスミスチャートを拡大した図である。
アンテナの利得を一定とすれば、アンテナのインピーダンスとタグLSIのインピーダンスが完全に整合している場合、通信距離は最大となる。
アンテナおよびタグLSIのアドミダンスをそれぞれYa=Ga+jBa、Yc=Gc+jBcとすると、タグアンテナとタグLSIが完全に整合した場合、Ga=GcかつBa=−Bcとなる。
ここでBa(タグアンテナのサセプタンス)=Bc(タグLSIのサセプタンス)とした状態で、Ga(タグアンテナのコンダクタンス)をGc(タグLSIのコンダクタンス)よりも大きくしていくと、図19(a)に示すように、アドミタンスチャート上において、周波数を変化させた場合のタグアンテナの軌跡が作る円の内側に使用する周波数でのアドミタンスが入る。
一方図19(b)の軌跡の長さは図19(a)と殆ど変わらずに、各周波数におけるアドミタンスは、ピーク位置では目標とするアドミタンスから離れるものの、全体的には目標とするアドミタンスに近づく。また使用周波数では目標とするアドミタンスから離れる。Gaは抵抗Ra(放射抵抗+損失抵抗)の逆数である(Ga=1/Ra)からGaが大きいということは抵抗Raは小さくなることを意味する。いいかえると抵抗Ra(=1/Ga)を整合最適の場合よりも若干小さく(経験値としては×0.8くらい)したほうが全体的には整合が良くなるため、帯域が広くなる。
よって帯域重視で最適化を行う場合には、距離重視の場合より抵抗Ra(=1/Ga)の値を若干小さくして(経験値としては×0.8くらい)、最適化する各タグアンテナの長さの値を求める。
図20(a)は、タグアンテナを規定する複数の長さを最適化する場合の解析する周波数の範囲の入力を行う画面例である。
本実施形態におけるアンテナ自動設計装置1では、モデル選択ボタン71を押下して設計するタグアンテナのモデルを選択するとそのタグアンテナのモデルが各長さと共に表示画面72上に表示される。この状態から、アンテナ最適化計算部15で最適化した長さを求める前に、解析する最大周波数/最小周波数及び周波数刻み入力欄73から設計者に入力させる。そうすると解析する周波数が周波数出力欄74から表示される。
同図では解析する周波数範囲が800MHzから1000MHzまで範囲を10MHz刻みで変化させて最適化処理を行うよう設定されている。
このような状態において、画面上の確定ボタン75を押下すると図20(b)に画面が切り替わる。
図20(b)は、上記したタグアンテナを規定する複数の長さを距離重視で最適化する場合の設定画面の例である。
同図の画面上が表示されると、設計者はまず入力欄81からLSIインピーダンス等のタグLSIの特性や、RWアンテナの出力電力等のRWアンテナの特性を入力する。そして次に画面上の距離重視/帯域重視の選択を行うボタンでどちらか一方を選択後、計算実行ボタン83を押下する。
するとアンテナ最適化計算部15は、可変計量法(variable metric methods)や共役勾配法(conjugate gradient method)等の多変数の最適化手法を用いてタグアンテナの形状を規定する複数の長さの値を求める。そしてこの最適化の過程は、表示画面84上にグラフとして、また表85に数値として設計者に表示する。
設計者は、この最適化処理で求められた各長さの値が適当であると判断したならば、画面上の確定ボタン86を押下することにより設計処理を完了する。
次に、アンテナ最適化計算部15が可変計量法等を用いて複数のパラメータに対して最適化した値を同時に求める場合を説明する。
図21は、タグアンテナを規定する複数の長さを同時に最適化して求める場合のアンテナ自動設計装置1の動作処理を示すフローチャートである。
なお同図の処理は、設計入力部11及びアンテナ最適化計算部15による動作のみを示しており、他の整合状態計算部13及び通信距離特性計算部14の動作については、図13のフロー中で説明したものと基本的に同じなので、ここでは説明を省略する。
図21において処理が開始されると、まずステップS41として設計入力部11は、モデル記憶部11から設計するタグアンテナの雛形となるモデルを読み込む。
次にステップS42として、設計者が図20(b)の画面から入力した設定が距離重視になっているか帯域重視になっているかを判断する。その結果帯域重視に設定がなっていたならば(ステップS42、N)、ステップS43としてタグLSIのコンダクタンスGcに対して1/Gcの値を実際の値よりも若干小さく(ここでは×0.8とする)する。またステップS42において、設定が距離重視となっていたら(ステップS42、Y)、ステップS43の処理はスキップして1/Gcの値はそのままにする。
次にアンテナ最適化計算部15は、ステップS42、S43で設定したGcの値を用いて、可変計量法等の多変数に対する最適化手法を用いてタグアンテナの形状を形成する長さの値を最適化し、ステップS44として最適化の結果得られたタグアンテナの形状を規定する各寸法、利得、整合性及び通信距離をメモリに保存後、処理を終了する。
このように本実施形態におけるアンテナ自動設計装置1では、複数の値に対しても最適化処理を行って値を求めることが出来る。
次に1つのパラメータに対して最適化処理を行うための二分法、ニュートン法、ブレンド法等の全て若しくはその一部を組み合わせてタグアンテナの形状を規定する複数の値を求める場合について説明する。
この場合、タグアンテナの共振を決める長さ、タグアンテナのサセプタンスを決める長さ、及びタグアンテナのコンダクタンスを決める長さを順に1つずつ、二分法、ニュートン法、ブレンド法等を用いた最適化処理で決めてゆく。
図22及び図23は、1つのパラメータに対する最適化処理を複数回行って、タグアンテナの形状を規定する複数の値を求める場合のアンテナ自動設計装置1の動作処理を示すフローチャートである。
なお図22及び図23の処理も、設計入力部11及びアンテナ最適化計算部15による
動作のみを示しており、他の整合状態計算部13及び通信距離特性計算部14の動作については、図13のフロー中で説明したものと基本的に同じなので、ここでは説明を省略する。
なお以下の説明では、一例として、図15の折り返しダイポールアンテナにループインダクタンスを並列に接続した形状のタグアンテナを設計することを前提に説明する。
同図において処理が開始されると、まずステップS51として、設計入力部11は、モデル記憶部11からデータを読み込み折り返しダイポール部分のみをモデル化する。
次にステップS52として、アンテナ最適化計算部15は、モデルの初期値として長さL1に与えられている値を用いて、アンテナインピーダンスを計算する。
そしてアンテナ最適化計算部15は、ステップS53として、得られたアンテナインピーダンスの虚数部が0であるかどうかを判定し、0でないならば(ステップS53、N)、ステップS54として二分法、ニュートン法または黄金分割法によってインピーダンスの虚数部が0になるような長さL1の値を求める。またステップS53においてアンテナインピーダンスの値が0であったなら(ステップS53、Y)、長さL1の値はその値で問題がないので、ステップS54はスキップする。
この長さL1の値は仮の値であり、後述するステップS58〜S67のループ処理の収束を早めるために仮設定されるもので、最終的な長さL1の値は、ステップS58〜S67のループ処理内で決定される。
折り返しダイポール部の長さL1の値が決まったので、設計入力部11は、次にステップS55としてモデルにインダクタンス部を付加する。
次にアンテナ最適化計算部15は、設計者による設定値が通信距離重視で最適化を行う設定か、あるいは帯域重視で最適化を行う設定かを調べ、通信距離重視の場合(ステップS56、Y)、タグLSIのコンダクタンスの値Gcはそのままの値にし、帯域重視の場合には、タグLSIのコンダクタンスの値1/Gcを1/Gc=1未満の定数(経験値では0.8)×1/Gcとする。
次にアンテナ最適化計算部15は、繰り返し回数のカウンタNを0に初期化する。そして次にステップS58としてカウンタNを1インクリメントする。
そして次にアンテナ最適化計算部15は、ステップS59として、タグアンテナのアドミタンスを計算する。その結果、タグアンテナのサセプタンスBaとタグLSIのサセプタンスBcの関係がBa=−Bcであったなら(ステップS60、Y)、タグアンテナのインダクタンス部の長さS2はそのままの値にし、グアンテナのサセプタンスBaとタグLSIのサセプタンスBcの関係がBa=−Bcでなかったなら(ステップS60、N)、ステップS61としてアンテナ最適化計算部15は、二分法、ニュートン法または黄金分割法を用いてBa=−Bcとなるように長さS2の値を調節する。
次にステップS62として、アンテナ最適化計算部15は、アンテナのコンダクタンスの値GaとタグLSIのコンダクタンスの値Gcの関係がGa=Gcであるかどうかを判定し、その結果Ga=Gcであるならば(ステップS62、Y)、タグアンテナのインダクタンス部の長さW1及び/またはW3はそのままの値とし、Ga=Gcでないのならば(ステップS62、N)、ステップS63としてアンテナ最適化計算部15は、二分法、ニュートン法または黄金分割法を用いてGa=Gcとなるように長さW1及び/またはW3の値を調節する。
次にステップS64として、アンテナ最適化計算部15は、ステップS63までに最適化して求めた長さL1、S2及び初期値の値を用いてタグアンテナのインピーダンスとV
SWR(Voltage Standing Wave Ratio)若しくはS11(入力反射係数)を算出する。
そしてアンテナ最適化計算部15は、ステップS65として、ステップS64で求めたVSWRまたはS11が規定値以下かどうかを判定する。その結果規定値を超えていなければ(ステップS65、Y)、処理をステップS68に進める。
またステップS65においてVSWRまたはS11が規定値以下である場合には(ステップS65、N)、ステップS66にてS11が最小になるように長さL1の値を最適化する。
そしてアンテナ最適化計算部15は、ステップS67としてカウンタNの値を調べ、カウンタNの値が規定値N0に達していなければ、ステップS58に処理を戻し、以降カウンタNの値が規定値N0に達するまでステップS58〜S67の処理を繰り返す。そしてカウンタNの値が規定値N0に達したならば(ステップS67、Y)、処理をステップS68に進める。
ステップS68では、ステップS67までの処理で最適化された長さL1、S2、及びW1または/及びW3の値を他の長さの値と共にメモリに保存後、本処理を終了する。
このように本実施形態におけるアンテナ自動設計装置1では、タグアンテナの形状を規定する複数の長さの値を最適化処理によって求めることが出来る。
図24は、本実施形態のアンテナ自動設計装置1をPC等の情報処理装置で実現した場合のシステム環境図である。
図24の情報処理装置は、CPU91、RAM等の主記憶装置92、ハードディスク等の補助記憶装置93、ディスプレイ、キーボード、ポインティングデバイス等の入出力装置(I/O)94、モデム等のネットワーク接続装置95、及びディスク、磁気テープなどの可搬記憶媒体から記憶内容を読み出す媒体読み取り装置96を有し、これらが互いにバス98により接続される構成を備えている。そして各構成要素は、バス98を介して互いにデータのやり取りを行う。
CPU91は、補助記憶装置93上のプログラムやネットワーク接続装置95を介してインストールしたプログラムを、主記憶装置92をワークメモリとして実行することにより、図1に示したアンテナ自動設計装置1の構成要素の機能を実現し、また図13、図14、図21、図22及び図23に示したフローチャートの処理を実現する。
図14の情報処理装置では、媒体読み取り装置97により磁気テープ、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO等の記憶媒体98に記憶されているプログラム、データを読み出し、これを外部インタフェース96を介して本実施形態における携帯端末にロードする。そしてこのプログラムやデータを携帯端末で実行したり用いたりすることにより、上述したフローチャート処理をソフトウエア的に実現する。
また、図14の情報処理装置では、CD−ROM等の記憶媒体97を用いてアプリケーションソフトの交換が行われる場合がある。よって、本発明は、アンテナ自動設計装置、アンテナ自動設計方法及びプログラムに限らず、コンピュータにより使用されたときに、上述した本発明の実施形態の機能をコンピュータに行なわせるためのコンピュータ読み出し可能な記憶媒体97として構成することもできる。
この場合、「記憶媒体」には、例えば図15に示されるように、CD−ROM、フレキシブルディスク(あるいはMO、DVD、メモリーカード、リムーバブルハードディスク等であってもよい)等の媒体駆動装置107に脱着可能な可搬記憶媒体106や、ネット
ワーク回線103経由で送信される外部の装置(サーバ等)内の記憶部(データベース等)102、あるいは情報処理装置101の本体104内のメモリ(RAM又はハードディスク等)105等が含まれる。可搬記憶媒体106や記憶部(データベース等)102に記憶されているプログラムは、本体104内のメモリ(RAM又はハードディスク等)105にロードされて、実行される。
また、既に説明したCD−ROMやDVD−ROM等の記憶媒体には、上記に例として挙げたものの他にも、例えば、Blu−ray Disc(登録商標)やAOD(Advanced Optical Disc)などの青色レーザーを用いた次世代光ディスク記憶媒体、赤色レーザーを用いるHD−DVD9、青紫色レーザーを用いるBlue Laser DVD、ホログラムなど、今後開発される種々の大容量記憶媒体を用いて本発明を実施することも可能である。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
ICタグのタグアンテナを設計するアンテナ自動設計装置であって
設計するタグアンテナの雛形となるモデルを記憶するモデル記憶部と、
設計者の指示に基づいて前記モデル記憶部からモデルを読み出し、当該読み出したモデルを画面表示すると共に、当該モデルの形状の変更を長さの情報で入力させる入力画面を画面表示する設計入力部と、
を備えることを特徴とするアンテナ自動設計装置。
(付記2)
ICタグのタグアンテナを設計するアンテナ自動設計方法であって
設計を行なうタグアンテナの形状を画面表示し、
前記設計を行なうタグアンテナの形状の変更を、長さの情報で入力させる入力画面を画面表示する
ことを特徴とするアンテナ自動設計方法。
(付記3)
情報処理装置で実行されるプログラムであって、
設計を行なうICタグのタグアンテナの形状を画面表示し、
前記設計を行なうタグアンテナの形状の変更を、長さの情報で入力させる入力画面を画面表示する
ことを前記情報処理装置に実行させるプログラム。
(付記4)
前記長さの情報で入力させる入力画面から入力された長さの情報に基づいて、前記設計を行なうタグアンテナの形状の画面表示を変更することを前記情報処理装置に実行させる特徴とする付記3に記載のプログラム。
(付記5)
設計者の指示に基づいて前記モデル記憶部からモデルを読み出し、当該読み出したモデルを画面表示することを前記情報処理装置に実行させる特徴とする付記3に記載のプログラム。
(付記6)
ICタグのタグLSIのインピーダンスを入力させ、
前記タグLISのインピーダンスを用いて、前記設計を行なうタグアンテナと前記タグLISの整合特性を計算し、
当該整合特性を表示することを前記情報処理装置に実行させる特徴とする付記3に記載のプログラム。
(付記7)
ICタグのタグLSIのインピーダンスを入力させ、
前記ICタグに読み書きを行なうリーダライタの特性を入力させ、
前記タグLISのインピーダンス及び前記リーダライタの特性を用いて、前記設計を行なうタグアンテナの通信距離を求め、
当該通信距離を表示することを前記情報処理装置に実行させる特徴とする付記3に記載のプログラム。
(付記8)
前記通信距離の表示は、通信距離−周波数特性の表示であることを特徴とする付記7に記載のプログラム。
(付記9)
前記通信距離の表示は、通信距離の指向性分布の表示であることを特徴とする付記7に記載のプログラム。
(付記10)
受信全波の波長λに対する前記設計を行なうタグアンテナの長さL1に応じてアンテナの最適化の方法を変更することを前記情報処理装置に実行させる付記3に記載のプログラム。
(付記11)
定数αに対し前記波長λと前記タグアンテナの長さL1との関係が、αL1<λのとき第1のアルゴリズムを用い、αL1<λでないとき第2のアルゴリズムを用いて前記アンテナの最適化を行なうことを前記情報処理装置に実行させる付記9に記載のプログラム。(付記12)
前記設計するタグアンテナを貼り付ける物体の特性を入力する入力画面をも表示することを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする付記3に記載のプログラム。
(付記13)
前記設計するタグアンテナの電気的特性を入力する入力画面をも表示することを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする付記3に記載のプログラム。
(付記14)
前記設計するタグアンテナの形状及び電気的特性、前記設計するタグアンテナを貼り付ける物体の特性を考慮して当該設計するタグアンテナの特性を求めることを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする付記3に記載のプログラム。
(付記15)
前記タグアンテナの形状を規定する複数の長さの値を最適化処理によって求めることを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする付記3に記載のプログラム。
(付記16)
前記複数の長さの値は、前記タグアンテナの共振を決める長さの値、前記タグアンテナのサセプタンスを決める長さの値、及び前記タグアンテナのコンダクタンスを決める長さの値の少なくとも1つを含むことを特徴とする付記15に記載のプログラム。
(付記17)
設計者の指示に基づいて、前記最適化処理を距離重視で行うか若しくは帯域重視で行うかを選択することを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする付記15に記載のプログラム。
(付記18)
前記帯域を重視して前記最適化処理を行う場合、タグLSIのコンダクタンスを前記距離重視の場合のときの1倍未満に設定することを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする付記17に記載のプログラム。
(付記19)
可変計量法を用いて前記最適化処理を行うことを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする付記15に記載のプログラム。
(付記20)
二分法、ニュートン法、ブレンド法の少なくとも1つを用いて前記最適化処理を行うことを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする付記15に記載のプログラム。
本実施形態におけるアンテナ自動設計装置の構成例を示す図である。 設計入力部による表示画面例である。 作成されるタグアンテナのモデル例を示す図である。 整合状態計算部による表示入力画面である。 タグLSIの等価回路を示す図である。 整合状態計算部による計算結果をスミスチャート上に表して表示した例を示す図である。 通信距離特性計算部によって表示される、設計したタグアンテナのモデルの通信距離の周波数特性を示す図である。 通信距離特性計算部によって表示される、特定周波数における通信距離の指向性分布を示す図である。 アンテナ最適化部によって最適化設計を行うアンテナの例を示す図である。 長さL1を固定してS2を変化させた場合のシミュレーション結果を示す図である。 タグアンテナのS2をP1からP4までS2の大きさを変化させた例を示すである。 アンテナ最適化計算部による最適化処理実施画面例を示す図である。 タグアンテナを設計する際のアンテナ自動設計装置の動作を示すフローチャートである。 最適化処理の動作を示すフローチャートである。 複数の値を最適化して自動設計が可能なタグアンテナの第1の例を示す図である。 複数の値を最適化して自動設計が可能なタグアンテナの第2の例を示す図である。 複数の値を最適化して自動設計が可能なタグアンテナの第3の例を示す図である。 (a)は距離重視で、(b)は帯域重視で設計する場合に周波数を変化させた場合のスミスチャート上でのタグアンテナのインピーダンスの軌跡を示す図である。 図18を拡大した図である。 タグアンテナを規定する複数の長さを最適化する場合のアンテナ最適化計算部による最適化処理実施画面例を示す図である。 タグアンテナを規定する複数の長さを同時に最適化して求める場合のアンテナ自動設計装置の動作処理を示すフローチャートである。 1つのパラメータに対する最適化処理を複数回行って、タグアンテナの形状を規定する複数の値を求める場合の動作処理を示すフローチャート(その1)である。 1つのパラメータに対する最適化処理を複数回行って、タグアンテナの形状を規定する複数の値を求める場合の動作処理を示すフローチャート(その2)である。 アンテナ自動設計装置のシステム環境図である。 記憶媒体の例を示す図である。
符号の説明
1 アンテナ自動設計装置
11 モデル記憶部
12 設計入力部
13 整合状態計算部
14 通信距離特性計算部
15 アンテナ最適化計算部
20、32、42、52 表示画面
21、31、41、51 入力ボックス
91 CPU
92 主記憶装置
93 補助記憶装置
94 入出力装置
95 ネットワーク接続装置
96 媒体読み取り装置
97 記憶媒体
98 バス

Claims (8)

  1. ICタグのタグアンテナを設計するアンテナ自動設計装置であって
    設計するタグアンテナの雛形となるモデルを記憶するモデル記憶部と、
    設計者の指示に基づいて前記モデル記憶部からモデルを読出し、当該読み出したモデルを画面表示すると共に、当該モデルの形状の変更を長さの情報で入力させる入力画面を画面表示する設計入力部と、
    前記設計入力部による前記長さの情報の入力により形状変更された前記モデルの整合特性を決める長さの最適値を通信距離を重視するか或は帯域を重視するかに従って最適化アルゴリズムを用いて計算し、前記帯域を重視する場合には前記モデルのインピーダンスに含まれる抵抗の値に1より小さい定数を乗算して前記計算を実行する最適化処理部と
    を備えることを特徴とするアンテナ自動設計装置。
  2. 情報処理装置が実行するアンテナ自動設計方法であって
    設計を行なうタグアンテナの雛型となるモデルをモデル記憶部に記憶し、
    設計者の指示に基づいて前記モデル記憶部からモデルを読出し、当該読み出したモデルを画面表示し、前記モデルの形状の変更を、長さの情報で入力させる入力画面を画面表示し、
    前記長さの入力により形状変更された前記モデルの整合特性を決める長さの最適値を通信距離を重視するか或は帯域を重視するかに従って最適化アルゴリズムを用いて計算し、前記帯域を重視する場合には前記モデルのインピーダンスに含まれる抵抗の値に1より小さい定数を乗算して前記計算を実行する
    ことを特徴とするアンテナ自動設計方法。
  3. 情報処理装置で実行されるプログラムであって、
    設計を行なうタグアンテナの雛型となるモデルをモデル記憶部に記憶し、
    設計者の指示に基づいて前記モデル記憶部からモデルを読出し、当該読み出したモデルを画面表示し、前記モデルの形状の変更を、長さの情報で入力させる入力画面を画面表示し、
    前記長さの入力により形状変更された前記モデルの整合特性を決める長さの最適値を通信距離を重視するか或は帯域を重視するかに従って最適化アルゴリズムを用いて計算し、前記帯域を重視する場合には前記モデルのインピーダンスに含まれる抵抗の値に1より小さい定数を乗算して前記計算を実行する
    ことを前記情報処理装置に実行させるプログラム。
  4. 前記長さの情報で入力させる入力画面から入力された長さの情報に基づいて、前記設計を行なうタグアンテナの形状の画面表示を変更することを前記情報処理装置に実行させる特徴とする請求項3に記載のプログラム。
  5. ICタグのタグLSIのインピーダンスを入力させ、
    前記タグLSIのインピーダンスを用いて、前記設計を行なうタグアンテナと前記タグLSIの整合特性を計算し、
    当該整合特性を表示することを前記情報処理装置に実行させる特徴とする請求項3に記載のプログラム。
  6. ICタグのタグLSIのインピーダンスを入力させ、
    前記ICタグに読み書きを行なうリーダライタの特性を入力させ、
    前記タグLSIのインピーダンス及び前記リーダライタの特性を用いて、前記設計を行なうタグアンテナの通信距離を求め、
    当該通信距離を表示することを前記情報処理装置に実行させる特徴とする請求項3に記載のプログラム。
  7. 前記複数の長さの値は、前記タグアンテナの共振を決める長さの値、前記タグアンテナのサセプタンスを決める長さの値、及び前記タグアンテナのコンダクタンスを決める長さの値の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項に記載のプログラム。
  8. 設計者の指示に基づいて、前記最適化処理を距離重視で行うか若しくは帯域重視で行うかを選択することを前記情報処理装置に実行させることを特徴とする請求項に記載のプログラム。
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