JP4682190B2 - アレーアンテナ装置、指向性制御方法、指向性制御プログラムおよび指向性制御プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

アレーアンテナ装置、指向性制御方法、指向性制御プログラムおよび指向性制御プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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    • H01Q9/30Resonant antennas with feed to end of elongated active element, e.g. unipole
    • H01Q9/32Vertical arrangement of element

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Aerials With Secondary Devices (AREA)

Description

【技術分野】
【0001】
この発明は、給電素子と、複数の無給電素子とからなるアレーアンテナの無給電素子に設けた可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることで指向性制御を行うアレーアンテナ装置、指向性制御方法、指向性制御プログラムおよび指向性制御プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、指向性の制御が可能なアンテナとして、アレーアンテナ装置が提供されている。アレーアンテナ装置は、送信アンテナとしても受信アンテナとしても利用可能であり、電波を送受信する放射素子からなる給電素子である1本のダイポール・アンテナと、複数の非励振素子からなる無給電素子とを組み合わせた比較的簡単な構造で実現されている。また、機能面での特徴としては、無給電素子に取り付けられた可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変えることで、指向性を変化させることができる。この指向性は、あらかじめ計算値的に求めることができず、実際に無線信号の送受信を行うことではじめてその指向特性(360°の指向性パターン)がわかる。
【0003】
従来、このようなアレーアンテナ装置の指向性制御方法としては、複数の無給電素子にそれぞれ取り付けられた可変リアクタンス素子のリアクタンス値のとりうる全ての組み合わせを順次設定し、それぞれの組み合わせ時のアレーアンテナ装置の受信利得を測定する。この作業を全方向で行うことで指向特性を導いていた。しかし、この制御方法では、相当回数の測定を行わなくてはならない。例えば、可変リアクタンス素子が−10Ω〜10Ωの間を1Ω刻みの値をとり、無給電素子が6本備えられたアレーアンテナ装置の場合、パラメータの数の6乗、つまり216回測定しなければならない。また、指向特性を測定するためには、この作業を360°で行わなければならない。よって0°〜359°を1°刻みとしたときの測定回数は、216回×360回必要となる。
【0004】
そこで測定回数を減らすための対策として、受信信号の到来角度などのユーザの所望する角度に関して、各リアクタンス値を初期値に設定して受信利得の測定を行い、つぎに各リアクタンス値を微小量値変化させ、受信利得の測定を行う。このリアクタンス値の微小量変化による測定利得の勾配を測定し、最急勾配法を用いてリアクタンス値の更新を行う。この処理を所定回数繰り返すことで、所望の方向における受信利得が最大となるリアクタンス値を導き出すことができるようなリアクタンス値の指向性制御方法が開示されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
[0005]
特許文献1 特開2004−23239号公報
発明の開示
発明が解決しようとする課題
[0006]
しかしながら、特許文献1で開示されているのは、ユーザの所望の方向における受信利得を最大にするためのリアクタンス値の演算方法である。この演算方法では、所望する方向以外の方向に対しての指向特性への配慮がないため、例えば、ユーザの所望の方向以外にも高利得となる指向特性であっても、所望する方向が最も高利得であれば最適な指向特性となる。これにより、受信信号以外に、他の方向から妨害電波等が送信されてきた場合には、高利得で受信することとなる問題点が一例として挙げられる。このような、リアクタンス値の演算方法は、指向特性の観点から鑑みて適切ではない。
課題を解決するための手段
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に記載のアレーアンテナ装置は、給電素子と、当該給電素子を中心として周方向に所定角度毎に配置された複数の無給電素子と、当該複数の無給電素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを有するアレーアンテナ装置において、送信もしくは受信方向を基準とした各方向の指向特性に関する設定情報を受け付ける受付手段と、複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値をそれぞれ設定する設定手段と、前記設定手段によって設定されたリアクタンス値を、前記無給電素子の周方向に隣接する他の無給電素子に接続された前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値としてシフトさせるリアクタンス値シフト手段と、前記リアクタンス値シフト手段によりシフトされたリアクタンス値における前記給電素子の利得を測定する測定手段と、前記受付手段によって受け付けた指向特性に関する設定情報と、複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値の設定を前記リアクタンス値シフト手段による各シフトにおける前記給電素子の利得とに基づいて、前記指向特性を構成するための前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値として算出する算出手段と、を備え、前記受付手段が受け付ける指向特性に関する設定情報は、前記測定手段によって測定した測定結果を、前記到来波の到来方向を基準として、前記シフト毎に得られた利得変化に対する重み付けを付与するための係数であり、前記算出手段は、前記係数を前記複数のリアクタンス値の算出に用いることを特徴とする。
【0008】
また、請求項7に記載のアレーアンテナ装置は、給電素子と、当該給電素子を中心として周方向に所定角度毎に配置された複数の無給電素子と、当該複数の無給電素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを有するアレーアンテナ装置において、送信もしくは受信方向を基準とした各方向の指向特性に関する設定情報を受け付ける受付手段と、前記可変リアクタンス素子に設定したリアクタンス値を、前記無給電素子の周方向に隣接する他の無給電素子に接続された前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値としてシフトさせるリアクタンス値シフト手段と、前記リアクタンス値シフト手段によりシフトされたリアクタンス値における前記給電素子の利得を測定する測定手段と、前記受付手段によって受け付けた指向特性に関する設定情報と、複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値の設定を前記リアクタンス値シフト手段による各シフトにおける前記給電素子の利得とに基づいて、前記指向特性を構成するための前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値として算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記指向特性を構成するためのリアクタンス値を各可変リアクタンス素子に設定する設定手段と、を備え、前記受付手段が受け付ける指向特性に関する設定情報は、前記測定手段によって測定した測定結果を、前記到来波の到来方向を基準として、前記シフト毎に得られた利得変化に対する重み付けを付与するための係数であり、前記算出手段は、前記係数を前記複数のリアクタンス値の算出に用いることを特徴とする。
【0009】
また、請求項8に記載の指向性制御方法は、給電素子と、当該給電素子を中心として周方向に所定角度毎に配置された複数の無給電素子と、当該複数の無給電素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを有するアレーアンテナ装置の指向性制御方法において、送信もしくは受信方向を基準とした各方向の指向特性に関する設定情報を受け付ける受付工程と、複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値をそれぞれ設定する設定工程と、前記設定工程によって設定されたリアクタンス値を、前記無給電素子の周方向に隣接する他の無給電素子に接続された前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値としてシフトさせるリアクタンス値シフト工程と、前記リアクタンス値シフト工程によりシフトされたリアクタンス値における前記給電素子の利得を測定する測定工程と、前記受付工程によって受け付けられた前記指向特性に関する設定情報と、複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値の設定を前記リアクタンス値シフト工程による各シフトにおける前記給電素子の利得とに基づいて、前記指向特性を構成するための前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を算出する算出工程と、を含み、前記受付工程が受け付ける指向特性に関する設定情報は、前記測定工程によって測定した測定結果を、前記到来波の到来方向を基準として、前記シフト毎に得られた利得変化に対する重み付けを付与するための係数であり、前記算出工程は、前記係数を前記複数のリアクタンス値の算出に用いることを特徴とする。
【0010】
また、請求項10に記載の指向性制御方法は、給電素子と、当該給電素子を中心として周方向に所定角度毎に配置された複数の無給電素子と、当該複数の無給電素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを有するアレーアンテナ装置の指向性制御方法において、送信もしくは受信方向を基準とした各方向の指向特性に関する設定情報を受け付ける受付工程と、前記可変リアクタンス素子に設定したリアクタンス値を、前記無給電素子の周方向に隣接する他の無給電素子に接続された前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値としてシフトさせるリアクタンス値シフト工程と、前記リアクタンス値シフト工程によりシフトされたリアクタンス値における前記給電素子の利得を測定する測定工程と、前記受付工程によって受け付けた指向特性に関する設定情報と、複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値の設定を前記リアクタンス値シフト工程による各シフトにおける前記給電素子の利得とに基づいて、前記指向特性を構成するための前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値として算出する算出工程と、前記算出工程により算出された前記指向特性を構成するためのリアクタンス値を各可変リアクタンス素子に設定する設定工程と、を含み、前記受付工程が受け付ける指向特性に関する設定情報は、前記測定工程によって測定した測定結果を、前記到来波の到来方向を基準として、前記シフト毎に得られた利得変化に対する重み付けを付与するための係数であり、前記算出工程は、前記係数を前記複数のリアクタンス値の算出に用いることを特徴とする。
【0011】
また、請求項11に記載の指向性制御プログラムは、請求項8〜10のいずれか一つに記載の指向性制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項12に記載のコンピュータに読み取り可能な記録媒体は、請求項11に記載の指向性制御プログラムを記録したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、この発明のアレーアンテナ装置の実施の形態を説明するブロック図である。
【図2】図2は、この発明のアレーアンテナ装置の実施の形態の制御内容を説明するフローチャートである。
【図3】図3は、この発明の実施例にかかるアレーアンテナ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図4は、アレーアンテナの構成を示す斜視図である。
【図5】図5は、アレーアンテナの構成を示す上面図である。
【図6】図6は、給電素子と無給電素子の構成を示す図である。
【図7】図7は、受信測定系のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図8】図8は、送信測定系のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図9】図9は、アレーアンテナの受信利得測定を示す図である。
【図10】図10は、素子1〜素子6のリアクタンス値を1回シフトした際の受信利得測定を示す図である。
【図11】図11は、素子1〜素子6のリアクタンス値のシフトが終了した際の測定利得方向を示す図である。
【図12−1】図12ー1は、実施例1におけるアレーアンテナ装置の動作の概略を示すフローチャートである。
【図12−2】図12−2は、実施例1におけるアレーアンテナ装置の動作の概略を示すフローチャートである。
【図13】図13は、リアクタンス値テーブル生成処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、到来波方向θ=0°における、実施例1の指向制御方法による指向特性と、従来の指向制御方法による指向特性を比較して示した図である。
【図15】図15は、到来波方向θ=60°における、実施例1の指向制御方法による指向特性と、従来の指向制御方法による指向特性を比較して示した図である。
【図16】図16は、到来波方向θ=120°における、実施例1の指向制御方法による指向特性と、従来の指向制御方法による指向特性を比較して示した図である。
【図17】図17は、実施例2におけるアレーアンテナ装置の動作の概略を示すフローチャートである。
【図18】図18は、適応制御の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0016】
10,100 アレーアンテナ装置
12,101 アレーアンテナ
12a 給電素子
12b 無給電素子
13 可変リアクタンス素子
14 設定部
15 リアクタンス値シフト部
16 測定部
17 受付部
18 算出部
19 角度制御部
20 格納部
102 CPU
103 ROM
104 RAM
105 HDD
106 HD
107 測定I/F
108 受信測定系
109 送信測定系
110 出力I/F
111 ディスプレイ
112 入力I/F
113 キーボード
114 送受信部
115 バス
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるアレーアンテナ装置、指向性制御方法、指向性制御プログラムおよび指向性制御プログラムを記録した記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、この発明のアレーアンテナ装置の実施の形態を説明するブロック図である。アレーアンテナ装置10は、アレーアンテナ12を備えている。アレーアンテナ12は、例えば一つの給電素子12aと、複数の無給電素子12bとにより構成されている。複数の無給電素子12bにはそれぞれ可変リアクタンス素子13が接続されている。設定部14は、複数の可変リアクタンス素子13それぞれにリアクタンス値を設定する。複数の可変リアクタンス素子13それぞれにリアクタンス値を設定することにより、アレーアンテナ12は、所定の指向特性をもたせることができる。
【0019】
リアクタンス値シフト部15は、設定部14によって設定されたリアクタンス値を、無給電素子の周方向に隣接する他の無給電素子のリアクタンス値としてシフトさせて再設定する。測定部16は、給電素子12aの利得を測定する。この際、測定部16は、設定部14により設定されたリアクタンス値、およびリアクタンス値シフト部15によりシフトされたリアクタンス値、のそれぞれにおける送信または受信の利得を測定することになる。
【0020】
受付部17は、指向特性に関する設定情報を受け付ける。具体的には、測定部16によって測定した測定結果に対して、アレーアンテナ12に対する到来波の到来方向を基準として、シフト毎に得られた利得変化に対する重み付けを付与するための係数の入力(後述する方向性重みベクトル)を受け付ける。
【0021】
算出部18は、受付部17により受け付けた指向特性に関する設定情報と、測定部16による測定結果とに基づき、所定の演算を行い、指向特性に対応して複数の無給電素子12bの各リアクタンス値を算出する。
【0022】
角度制御部19は、給電素子12aを中心として配置された複数の無給電素子12b(アレーアンテナ12)を回転させて無線信号の到来角度(到来波の角度)を変化させる。算出部18は、この角度制御部19によりアレーアンテナ12を周方向の所定の角度範囲で回転させた各角度毎に、指向特性に対応したリアクタンス値を算出する。算出部18によって算出されたリアクタンス値は、格納部20に格納され、アンテナ制御時に読み出して用いることができる。この格納部20には、各角度毎の複数の無給電素子12bのリアクタンス値が、が関連付けて格納される。
【0023】
なお、アレーアンテナ12を回転させるに限らず、アレーアンテナ12に対して到来波の到来方向が変わる構成としてもよい。また、角度制御部19は、アレーアンテナ12を周方向に1回転させてもよいが、所定の角度範囲で回転させることで代用できる。この角度範囲は、無給電素子12bの数(周方向の配置角度間隔)によって決定できる。上記のように、無給電素子12bの数が6つの場合、回転させる角度範囲は、全周(360°)を6等分した60°となる。
【0024】
これにより、セクタパターンのアレーアンテナ12を構成することができ、任意の方向に所望する指向性を有した指向特性を実現できる。これに限らず、適応制御パターンのアレーアンテナ12に適用することもできる。適応制御パターンでは、到来波の到来方向が未知であり、この到来波の電波が強く、もしくは所望の電波が弱くなるようビーム方向やヌル方向を実現できるようにアレーアンテナ12を適応的に操作する。この適応制御パターンにおいても、図1同様の構成を用いることができる。なお、適応制御パターンの場合、図1に示した角度制御部19および格納部20を省いた構成によって実現することができる。
【0025】
図2は、この発明のアレーアンテナ装置の実施の形態の制御内容を説明するフローチャートである。はじめに、受付部17により、指向特性に関する設定情報を受け付ける(ステップS21)。具体的には複数の可変リアクタンス素子13のリアクタンス値の係数として用いる方向性重みベクトルである。方向性重みベクトルの詳細については後述するが、実際の到来波の利得と、複数の可変リアクタンス素子13のリアクタンス値をシフトさせた擬似的な多方向からの到来波の利得とを測定した時に、測定値の方向の違いによってその重みを決定するために用いる。
【0026】
つぎに、到来波の到来方向を設定する(ステップS22)。ここで、アレーアンテナ12に対する到来波の到来方向を基準となる0°とする。つぎに、各リアクタンス値の初期値を設定する(ステップS23)。ここでは、複数の可変リアクタンス素子13に対してそれぞれリアクタンス値を設定する。
【0027】
このように複数の可変リアクタンス素子13にそれぞれリアクタンス値を設定した状態で、指向特性に対応したリアクタンス値を算出するための処理を行う。この算出は、方向性重みベクトルや、評価値をパラメータとする最急勾配法を用いて行うことができる。
【0028】
まず、各リアクタンス値を微少変化させて利得への影響を測定する(ステップS24)。具体的には、測定部16が給電素子12aの利得を測定する。そして、リアクタンス値シフト部15によるシフトが終了したか否かを判断する(ステップS25)。シフトが終了していなければ(ステップS25:No)、複数の可変リアクタンス値をシフトさせ(ステップS26)、シフトした状態でステップS24による測定を再度実行することを繰り返す。
【0029】
上記のシフトは、無給電素子12bにそれぞれ対応する可変リアクタンス素子13に設定されていたリアクタンス値を変更させることであり、無給電素子12bの周方向に隣接する他のリアクタンス値に変更することを意味している。このシフトにより、アレーアンテナ12を回転させずに到来波を擬似的に回転させた状態でステップS24による測定が行えるようになる。また、シフトは無給電素子12bの個数に対応する回数(実際には無給電素子12bの個数−1)だけ行えばよく、アレーアンテナ12の給電素子12aを中心として周囲に配置されている複数の無給電素子12bにそれぞれ対応した複数の方向(到来方向)での利得の測定を行うことができる。
【0030】
ステップS25によるシフトが終了すれば(ステップS25:Yes)、算出部18は、指向特性に適したリアクタンス値を算出する(ステップS27)。そして、算出された複数のリアクタンス値を格納部20に格納する(ステップS28)。
【0031】
以上により、アレーアンテナ12に対する一つの到来波の到来方向に適した複数のリアクタンス値が算出でき、格納部20に格納されることになる。これにより、利得を大きくとれるリアクタンス値を得ることができる。以上の処理は、到来波の方向が基準方向(0°)とし、アレーアンテナ12をある角度に位置させて行った処理である。
【0032】
この後、アンテナの各角度毎に関連付けた情報を取得していく。全ての到来波の到来方向に対する測定が終了したか判断し(ステップS29)、終了していなければ(ステップS29:No)、角度制御部19によって到来波の到来方向を変更させ(アレーアンテナ12を実際に所定角度ずつ角度変更させ)(ステップS30)、ステップS23以降の処理を繰り返す。全ての到来波の到来方向に関する測定が終了すると(ステップS29:Yes)、上記一連の処理を終了する。
【0033】
アレーアンテナ12の測定角度は、0°〜359°まで1°刻みに行う場合には、リアクタンス値テーブルは、360個の項目からなる。しかしこれは一例であり、測定角度を何度刻みにするかはユーザによって設定すればよい。この測定角度の刻み幅が細かくなれば指向特性の精度も向上する。なお、アレーアンテナ12の形状が点対称なので、60°〜120°、120°〜180°、180°〜240°、240°〜360°の測定結果をそれぞれ0°〜60°の結果を用いて代用することもできる。
【0034】
以上説明した実施の形態によれば、リアクタンス値をシフトさせることにより擬似的に到来方向を変更して利得の測定を行えるため、所望した指向特性に適したより正確なリアクタンス値の設定が行えるようになる。
【実施例1】
【0035】
以下、本発明によって実現可能なアレーアンテナ装置の例として実施例1では、セクタパターンのアレーアンテナ装置について説明する。セクタパターンでは、任意の方向に指向性を向けた指向特性を実現する。
【0036】
(ハードウェア構成)
図3は、この発明の実施例にかかるアレーアンテナ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3において、アレーアンテナ装置100は、アレーアンテナ101と、CPU102と、ROM103と、RAM104と、HDD(ハードディスクドライブ)105と、HD(ハードディスク)106と、測定I/F107と、受信測定系108と、送信測定系109と、出力I/F110と、ディスプレイ111と、入力I/F112と、キーボード113と、送受信部114とを備える。また、各構成部101〜114は、バス115によってそれぞれ接続されている。
【0037】
アレーアンテナ101は、無線信号の受信を行う(アレーアンテナ101の詳細な構成については、後に詳しく述べる)。CPU102は、アレーアンテナ100装置全体の制御を司る。ROM103は、指向性制御のための演算プログラムなどのプログラムを記憶している。RAM104は、CPU102のワークエリアとして使用される。HDD105は、CPU102の命令にしたがってHD106に対するデータのリード/ライトを制御する。HD106には、指向性制御のために作成したリアクタンス値テーブル(後に詳しく述べる)が保存される。
【0038】
測定I/F107には、受信測定系108と、送信測定系109が接続され、指向性制御テーブルを作成するためのアレーアンテナ101の特性を測定する。受信測定系108と、送信測定系109に関する詳細な構成については後述する。出力I/F110には、ディスプレイ111が接続され、各機能部から送られてきた表示情報を、ディスプレイ111を用いて表示させる。入力I/F112には、キーボード113が接続され、キーボード113から入力されたユーザの指示情報をCPU102へ送る。送受信部114は、アレーアンテナ101によって受信した無線信号に対する復号化等の処理を行う。
【0039】
図4は、アレーアンテナの構成を示す斜視図である。また、図5は、アレーアンテナの構成を示す上面図である。アレーアンテナ101は、誘電体基板400上に給電素子Aと、6本の無給電素子B1〜B6とを備えた構成になっている。給電素子Aと無給電素子B1〜B6との配置間隔は、給電素子Aを中心とし、扱う電波の波長fの1/4の長さ(f/4)を半径とした円上に等間隔の角度で配置したものであるが、これに限定されるものではない。本発明にかかるアレーアンテナ装置100では無給電素子を6本用いており、図5に示すように無給電素子B1〜B6を60°間隔で配置する。
【0040】
図6は、給電素子と無給電素子の構成を示す図である。給電素子Aは、アンテナ部となる放射素子600と、送信用アンテナとして用いる場合の入力インピーダンスとなる抵抗601と、送受信部114(図3参照)からの送信信号に応じた高周波エネルギーを出力する交流電源602が接続されている。また、給電素子Aは、交流電源602から接地されている。このような給電素子Aによって受信した無線信号は、送受信部114へ送られる。
【0041】
無給電素子B1〜B6には、非励振素子603に可変リアクタンス素子(以下、「素子1〜素子6」という。)が接続され、素子1〜素子6から接地されている。素子1〜素子6のリアクタンス値は、CPU102からの制御により個々に変化させることが可能である。実際に可変リアクタンス素子としては、可変ダイオード等が用いられる。
【0042】
図7は、受信測定系のハードウェア構成の一例を示す図である。電波暗室700内に備えられた受信測定系108は、測定用アレーアンテナ701と、回転台702と、送信用アンテナ703とからなる。回転台702の上に取り付けられた測定用アレーアンテナ701には、アンテナ制御装置704と、受信信号測定装置705とが接続されており、回転台702には、回転台制御装置706が接続されている。また、送信用アンテナ703には、信号発生機707が接続されている。
【0043】
受信利得を測定する際に受信測定系108は、まず信号発生機707によって発生させた一定出力の信号を、送信用アンテナ703から無線信号として送信する。この無線信号は、測定用アレーアンテナ701よって受信される。受信した無線信号は、受信信号測定装置705において、無線信号の出力を表す利得として測定されるという仕組みになっている。このとき、測定用アレーアンテナ701は、回転台制御装置706によって回転台702を回転させることで、任意の角度に回転制御ができるようになっている。また、測定用アレーアンテナ701は、アンテナ制御装置704によって、無給電素子B1〜B6のリアクタンス素子(素子1〜素子6)のリアクタンス値を、それぞれ制御できるようになっている。
【0044】
図8は、送信測定系のハードウェア構成の一例を示す図である。電波暗室700内に備えられた送信測定系109は、測定用アレーアンテナ701と、回転台702と、受信用アンテナ800とからなる。回転台702の上に取り付けられた測定用アレーアンテナ701には、アンテナ制御装置704と、信号発生機707とが接続されており、回転台702には、回転台制御装置706が接続されている。また、受信用アンテナ800には、受信信号測定装置705が接続されている。
【0045】
送信利得の測定を行う際に送信測定系109は、信号発生機707から発生される一定レベルの出力の信号により、測定用アレーアンテナ701から無線信号が送信される。このときアンテナ制御装置704によって測定用アレーアンテナ701の6つの可変リアクタンス素子(素子1〜素子6)のリアクタンス値を制御できるようになっている。また、測定用アレーアンテナ701は、回転台702によって360°回転が可能であり、回転角度は、回転台制御装置706によって制御できるようになっている。測定用アレーアンテナ701は、無線信号を送信したい方向に受信用アンテナ800が位置するように回転台702を制御する。このときの受信信号測定装置705によって受信用アンテナ800における受信利得を測定する。この受信利得が測定用アレーアンテナ701の送信利得として記録される。
【0046】
以上説明したような受信測定系108および送信測定系109において測定した受信利得もしくは送信利得の結果を基に所定の演算を行う。これにより、ユーザの所望する最適な指向特性を実現させるためにアレーアンテナ101の素子1〜素子6のリアクタンス値を決定し、素子1〜素子6のリアクタンス値をリアクタンス値テーブルとしてHD106に記録する。そして、アレーアンテナ装置100の利用時には、リアクタンス値テーブルから所望方向におけるリアクタンス値を読み出すことで、直ちに理想的な指向特性を実現することができる。
【0047】
なお、この実施例では、測定用アレーアンテナ701の測定角度は、0°〜359°まで1°刻みに行うため、リアクタンス値テーブルは、360個の項目からなる。しかしこれは、あくまでも一例であり、測定角度を何度刻みにするかは、ユーザによって設定可能であり、回転台702(図7参照)の性能に依存して、詳細に設定できる。この測定角度の刻み幅が細かくなれば指向特性の精度も向上する。さらに、測定する際の角度範囲も360°に限らず、例えば0°〜60°の範囲の結果を他の角度範囲(60°〜120°,120°〜180°,180°〜240°,240°〜360°の結果として用いることもでき、測定範囲内での理想的な指向特性を実現することができる。
【0048】
また、図3に示したハードウェア構成においてアレーアンテナ101を用いて、一定の出力の無線信号を発生させる外部の無線信号発生機(送信利得を測定する場合は、外部の受信機)を用いてもよいが、電波暗室700(図7,8参照)を用いることでより正確な測定値を得ることができる。
【0049】
以下に説明するのは、アレーアンテナ装置100を受信アンテナとして用いる際の処理である。したがって、受信利得の測定を行う際は、受信測定系108における測定結果を用いる。しかし、以下の処理における受信利得の測定をそのまま送信利得の測定に置き換えれば、送信測定系109での測定結果を用いることで、そのままアレーアンテナ装置100を送信アンテナとして用いる際の処理に適用できる。
【0050】
(受信利得の測定方法について)
図9は、アレーアンテナの受信利得測定を示す図である。例えば、図9に示すような方向から到来波900(受信したい無線信号)が送られてくる場合、図7において説明したように、送信用アンテナ703は固定されているため、回転台702により測定用アレーアンテナ701を図9に示すような位置関係となるよう回転させる。
【0051】
図10は、素子1〜素子6のリアクタンス値を1回シフトした際の受信利得測定を示す図である。測定用アレーアンテナ701の位置関係は、そのままの状態に留め、無電給素子B1〜B6の可変リアクタンス素子(素子1〜素子6)のリアクタンス値を時計回りに1素子分シフトさせる。つまり、素子1を素子2のリアクタンス値へ、素子2を素子3のリアクタンス値へとずらす作業を行う。すると、結果的に図10に示すように測定用アレーアンテナ701によって到来波901を測定する作業は、測定用アレーアンテナ701の位置を1素子分(60°)回転させて測定を行ったことと同じ状態を得ることができる。
【0052】
図11は、素子1〜素子6のリアクタンス値のシフトが終了した際の測定利得方向を示す図である。図10のようなシフトを1周分行いシフトが終了し、素子1〜素子6のリアクタンス値が図9の状態に戻ると、図11に示したように実際に到来波900を受信する方向に加えて、等角度の間隔をあけた5つの方向において、到来波900と同じ出力の無線信号が送信されてくることになる。この時の無線信号を擬似的な到来波901として、受信利得を測定することができる。したがって、素子1〜素子6のリアクタンス値のシフトが終了した際には、測定用アレーアンテナ701は、回転制御を行わずに到来波900と5つの擬似的な到来波901の測定を行ったことになる。なお、測定方向の角度の間隔=360/無給電素子数となる。
【0053】
(最急勾配法について)
最急勾配法とは、現在の値から最も評価の良くなる方向へ値を変化させる方法である。リアクタンス値を初期値から微小変化させ、微小変化後のリアクタンス値における受信利得を測定し、微小変化における受信利得の変化(勾配)を演算する。つぎに、初期値+勾配×収束定数をリアクタンス値の初期値として、同様に初期値から微小変化させ、微小変化後のリアクタンス値における受信利得を測定し、微小変化における受信利得の変化(勾配)を演算する。このとき、受信利得の比較を行い、受信利得値の大きい方をリアクタンス値として更新する。この作業を所定の回数繰り返すことで、最終的に受信利得が最も大きくなるリアクタンス値を求めることができる。
【0054】
この実施例1(および後述する実施例2)では、従来方法における測定方向である到来波900の測定に加え、5つの擬似的な到来波901の方向に関しても測定を行い、同様に微小変化における勾配を求める。さらに、本実施例では、計6方向の勾配演算結果に方向性重みベクトル(後で詳しく述べる)という新たな値を掛け合わせ、演算作業を所定回数繰り返して行う。これにより、最終的に更新されたリアクタンス値は、6方向に指向性を考慮した指向特性を有する。
【0055】
(方向性重みベクトルについて)
方向性重みベクトルとは、本発明にかかる指向性制御方法に用いる独自のベクトル値である。図9〜図11を用いて説明したように、受信測定系108では、実際の受信信号の到来方向の受信利得と、素子1〜素子6のリアクタンス値をシフトさせた擬似的な多方向からの受信信号の到来方向の受信利得とが測定される。これらの測定値の方向の違いによってその重みを決定する、”方向性重みベクトル”を掛け合わせることで、受信利得をどれだけ評価値として取り入れるかを変化させることができる。
【0056】
例えば、ユーザの所望する方向に受信利得が大きくなるように設定することが重要であるか、バックローブ(所望の方向と反対側の利得)を抑えることが重要なのか、または、サイドローブ(所望の方向の両脇部分に位置する方向の利得)を考慮に入れるか等のユーザの希望を、方向性重みベクトルによって設定できる。その設定が反映された指向特性を実現することができる。
【0057】
具体的に、方向性重みベクトルは、下記の(1)式で表す。式中のkは、無給電素子の数を表し、その数はベクトルの要素数となる。実施例1の場合、無給電素子は、6本であるため、方向性重みベクトルEのベクトル要素数は、6つとなる。
【0058】
方向性重みベクトルE=μ[E1,E2,…,Ek−1,Ek] …(1)
μ:収束定数(最急勾配法の繰り返し回数との兼ね合いから適宜定める)
【0059】
ベクトル要素数が6の本実施例の場合、(1)式の各ベクトル要素は、以下のような意味をもつ。
・ベクトル第1要素E1:到来波の方向に対して正面方向(0°)の重み
・ベクトル第2要素E2:到来波の方向に対して60°反時計回りの重み
・ベクトル第3要素E3:到来波の方向に対して120°反時計回りの重み
・ベクトル第4要素E4:到来波の方向に対して反対方向(180°)重み
・ベクトル第5要素E5:到来波の方向に対して240°反時計回りの重み
・ベクトル第6要素E6:到来波の方向に対して300°反時計回りの重み
【0060】
したがって、到来波に対して正面方向の受信利得を大きくしたい場合は、ベクトル第1要素を大きく設定し、到来波に対して反対方向の受信利得を抑えたい場合は、ベクトル第4要素を小さく設定すればよい。一般的に、セクタパターンのアレーアンテナ装置の場合、下記の(2)式のように方向性重みベクトルの要素E1〜要素Ekを設定すれば、妥当な値となる。
【0061】
方向性重みベクトルE=μ[cos(0×360/k),cos(1×360/k),cos(2×360/k),…,cos{(k−1)×360/k}] …(2)
【0062】
また、方向性重みベクトルEの各要素は、受信利得を大きくしたい方向は、「1」に、利得を排除したい方向は、「−1」、あまり考慮する必要がない方向は、「0」と単純に設定を行うだけでもよい。また、特定の方向の方向性重みベクトルEの要素を「0」とした場合、その方向に関しては、結局「0」が掛け合わされるため、図9〜図11において述べたような素子1〜素子6のリアクタンス値のシフトとによる擬似的な到来波901の測定を行う必要がない。
【0063】
(セクタパターンの指向性制御方法について)
図12−1および図12−2は、実施例1におけるアレーアンテナ装置の動作の概略を示すフローチャートである。図12−1は、リアクタンス値テーブルの作成処理内容を示すフローチャートであり、図12−2は、到来波の到来方向に応じたリアクタンス値の設定内容を示すフローチャートである。上述した、受信利得の測定方法と、最急勾配法と、方向性重みベクトルとを用いて、リアクタンス値テーブルを生成し、受信用アンテナとしてアレーアンテナ装置100を利用するまでの動作を説明する。
【0064】
図12−1に示す処理内容については、まず、所望する指向特性情報を設定する(ステップS1211)。所望する指向特性情報とは、方向性重みベクトルの値を指し、例えば、ユーザがキーボード113(図3参照)を用いて方向性重みベクトルを入力する。CPU102は、この指向特性情報の設定により、リアクタンス値テーブルの生成を行い(ステップS1212)、処理を終了する。リアクタンス値テーブルの生成処理に関しては、後で詳しく述べる。
【0065】
図12−2に示す処理内容については、図12−1によってリアクタンス値テーブルを生成した後に行われる。アレーアンテナ装置100を利用する状態となり、到来波の到来方向θの情報が入力されたか否かの判断を行う(ステップS1221)。例えば、到来波の到来方向は、一般的な方向推定技術を用いて得ることができる。CPU102は、到来方向θの情報が入力されると(ステップS1221:Yes)、リアクタンス値テーブルから、受信した方向θのリアクタンス値の読み出しを行う(ステップS1222)。リアクタンス値テーブルは、方向θと、素子1〜素子6のリアクタンス値が対となってHD106に記録されている。到来方向θの情報が入力されていなければ(ステップS1221:No)、ステップS1221の処理の待機状態となる。
【0066】
最後にリアクタンス値テーブルから読み出されたアレーアンテナ101の素子1〜素子6のリアクタンス値を設定し(ステップS1223)、処理を終了する。CPU102は、HD106から読み出した素子1〜素子6のリアクタンス値をアレーアンテナ101の素子1〜素子6のリアクタンス値として設定を行う。これにより、アレーアンテナ装置100は、到来波を最も理想的な指向特性によって受信する。
【0067】
図13は、リアクタンス値テーブル生成処理を示すフローチャートである。まず、到来方向θ=0[°]に設定する(ステップS1301)。つぎに、リアクタンス値を初期値に設定する(ステップS1302)。このとき、素子1〜素子6の初期値を設定し、下記の(3)式で表す。1回目の処理なので、ここではn=0となる。
【0068】
V(n)=[V1(n),…,Vm(n),…,V6(n)] …(3)
V(n):ステップをn回繰り返した時の素子1〜素子6のリアクタンス値
Vm(n):ステップをn回繰り返した時の素子mのリアクタンス値
n:最急勾配法によるリアクタンス値の更新処理の回数
m:素子数(1〜6の値をとる)
【0069】
フローチャートに戻り、測定用アレーアンテナ701(図7参照)のリアクタンス値がV(n)に設定された時の受信利得を測定する(ステップS1303)。このとき測定値は、下記の(4)式のように表される。
【0070】
P0k(n)=P[V1(n),V2(n),…,Vm−1(n),Vm(n)]…(4)
P0(n):リアクタンス値がV(n)に設定された時の受信利得
k:シフト回数(1〜6)ただし、最初の測定時を1回目とする
【0071】
つぎに、各リアクタンス値を微小変化させた時の受信利得を測定し(ステップS1304)、測定値から各リアクタンス値の微小変化による勾配を演算する(ステップS1305)。まず、素子1のリアクタンス値を微小変化させ、受信利得を測定する。このとき測定値は、下記の(5)式のように表される。勾配は、下記(6)式に表すように、リアクタンス値を微小変化させた前後の受信利得の積を微小変化で割ることで求められる。
【0072】
P11 (n)=P{V1(n)+ΔV1,V2,…,V5(n),V6(n)}…(5)
dP1(n)/dV1={P11(n)−P0k(n)}/ΔV1…(6)
【0073】
つぎに、素子2に関しても同様にリアクタンス値を微小変化させ受信利得を測定後、勾配を演算する。この処理を一般化して表したのが下記(7),(8)式である。(7)式は、受信利得の測定値を表し、(8)式は勾配を表す。
【0074】
Pmk(n)=P{Vk(n),…,Vm(n)+ΔVm,Vk−1}…(7)
dPk(n)/dVm={Pmk(n)−P0k(n)}/ΔVm…(8)
Pmk(n):素子1〜素子6のリアクタンス値のシフトをk回行われた時、素子mのリアクタンス値を微小変化させた時の受信利得
dPk(n)/dVm:Pmk(n)の時の勾配
【0075】
素子6までステップS1304およびステップS1305の処理が終了すると素子1〜素子6のリアクタンス値をk回シフトした時の評価値が下記(9)式のように表される。
【0076】
【数1】
Figure 0004682190
【0077】
つぎに、素子数分シフト終了か否かの判断を行う(ステップS1306)。この処理は、kの値が1〜5の値であればリアクタンス値のシフトが終了していないと判断し(ステップS1306:No)、素子1〜素子6のリアクタンス値をシフトし(ステップS1307)、ステップS1303からの作業を行う。当然kの値は設定値+1となる。
【0078】
図13に戻り、ステップS1306において素子数分シフト終了と判断すれば(ステップS1306:Yes)、図11に示すように全6方向(到来波900×1+擬似的な到来波901×5)からの無線信号に関して勾配の演算を終了したことになり、つぎに、方向性重みベクトルによる評価値の算出を行う(ステップS1308)。シフト回数毎に求められた評価値は、下記(10)式のようにまとめられる。
【0079】
【数2】
Figure 0004682190
【0080】
R(n)は、素子1〜素子6の方向別の受信利得の増加率を表す。よって、下記の(11)式のように、R(n)にユーザがあらかじめ設定した方向性重みベクトルEを掛け合わすことで、指向特性へのユーザの考慮を反映した評価値Rとなる。
【0081】
評価値R=E×R(n)…(11)
【0082】
つぎに、最急勾配法でリアクタンス値を更新する(ステップS1309)。この最急勾配法では、下記の式(12)を用いる。最初にこのステップの処理を行う際は、ステップS1308によって算出された評価値Rにおける素子1〜素子6のリアクタンス値を最適なリアクタンス値であると設定する。そして、2回目以降の処理では、下記の式(12)により、設定されているリアクタンス値の評価値Rを、直前のステップS1308によって算出された更新量でリアクタンス値が更新されていく。
【0083】
V(n+1)=V(n)+E×R…(12)
【0084】
つぎに、所定の回数ステップを繰り返したか否かの判断を行う(ステップS1310)、所定の回数(各式中のn)は、ユーザの任意であり、経験的に最適な回数を設定すればよい。所定の回数ステップを繰り返していない場合(ステップS1310:No)、ステップS1303に戻り、同様の処理を行う。
【0085】
所定の回数ステップを終了した場合(ステップS1310:Yes)、所定の回数ステップを終了した時点で設定されている値が最も評価値のよいリアクタンス値であることから、到来方向θとリアクタンス値をリアクタンス値テーブルに記録する(ステップS1311)。つぎに、到来方向θ≧360か否かの判断を行う(ステップS1312)。到来方向θの設定が360°未満であれば(ステップS1312:No)、到来方向θ=θ+1に設定し、(ステップS1313)、ステップS1302に戻り、新しく設定された到来方向θにおけるリアクタンス値の設定処理(ステップS1302〜ステップS1311)を行う。
【0086】
以上の処理をステップS1312において到来方向θ≧360になるまで行う(ステップS1312:Yes)ことで、360°全方向1°刻みにおいてユーザの所望する指向特性を実現するためのリアクタンス値を記録したリアクタンス値テーブルを生成することができる。
【0087】
図14は、到来波方向θ=0°における、実施例1の指向性制御方法による指向特性と、従来の指向性制御方法による指向特性を比較して示した図、図15は、到来波方向θ=60°における、実施例1の指向性制御方法による指向特性と、従来の指向性制御方法による指向特性を比較して示した図、図16は、到来波方向θ=120°における、実施例1の指向性制御方法による指向特性と、従来の指向性制御方法による指向特性を比較して示した図である。
【0088】
図14〜図16において、太矢印で示したのは、到来波方向である。また、画面(1400,1500および1600)の左半分に示したのは、特許文献1で開示された指向性制御方法によって実現された指向特性(1401,1501および1601)である。画面(1400,1500および1600)の右半分に示したのは、実施例1の指向性制御方法によって実現された指向特性(1402,1502および1602)である。
【0089】
図14〜図16から明らかなように、従来法による指向性制御演算によって実現された指向特性は、到来波の到来方向における受信利得が最も高利得ではあるが、図15の指向特性1501のように、到来波の到来方向とほぼ同利得の指向性を有した方向も存在する。これでは、多方向からの無線信号も到来波の無線信号同様に受信してしまう。また、図14および、図16に示した指向特性1401および、指向特性1601に至っては、全方向が同様の指向性を示しており、ほぼ無指向性の状態となっている。
【0090】
以上のように、実施例1にかかる指向性制御方法では、重み値を考慮している。図14〜図16の指向特性1402、指向特性1502、指向特性1602に示したように、ユーザが受信利得を大きくしたい方向(無線信号の到来方向)と、受信利得を小さくしたい方向とを反映させた指向特性を実現することができる。
【0091】
なお、この実施例1では、アレーアンテナ101の測定角度は、0°〜359°まで1°刻みに行うため、リアクタンス値テーブルは、360個の項目からなる。上述したが、測定する際の角度範囲も360°に限らず、例えば0°〜60°の範囲の結果を他の角度範囲(60°〜120°,120°〜180°,180°〜240°,240°〜360°の結果として用いることもできる。
【0092】
以上説明した実施例1によれば、リアクタンス値をシフトさせることにより擬似的に到来方向を変更して多方向の利得測定が行え、さらに、方向性重みベクトルを用いることにより、ユーザが所望している方向以外に関する利得も最急勾配法の評価値として取り入れることができる。したがって、ユーザが所望する指向特性により適したリアクタンス値の算出が行えるとともに、リアクタンス値の算出にかかる処理手順(ステップ数)を削減でき、簡単に算出できるようになる。
【実施例2】
【0093】
つぎに、実施例2では、適応制御パターンのアレーアンテナ装置について説明する。適応制御パターンでは、所望の電波が強く、もしくは所望の電波が弱くなるようビーム方向(他の方向と比較して送受利得が大きい方向)やヌル方向(ほとんど送受利得が得られない方向)を適応的に操作するものである。
【0094】
実施例2におけるハードウェア構成は、図3に示した実施例1のハードウェア構成をそのまま用いることができるが、リアクタンス値テーブルを作成する必要がないため、HDD105およびHD106を除いた構成でもよい。図1に示した構成においては、角度制御部19と、格納部20の構成が不要である。実施例2は、方向性重みベクトルの設定と、到来方向が不明な到来波に対して所望の指向特性が実現できるようなリアクタンス値の設定とを行う構成である。
【0095】
ただし、適応制御パターンのアレーアンテナ装置として利用する場合は、到来波が他の方向からの妨害信号やノイズよりも高出力であるという条件が必要である。到来波よりも高出力の無線信号を受信した場合、その無線信号を到来波と誤認して指向特性を形成してしまうためである。
【0096】
(適応制御パターンの指向性制御方法について)
図17は、実施例2におけるアレーアンテナ装置の動作の概略を示すフローチャートである。まず、所望する指向特性情報を設定したか判断を行う(ステップS1701)。所望する指向特性情報とは、方向性重みベクトルの値を指す。例えば、ユーザがキーボード113(図3参照)等から、方向性重みベクトルを入力する。CPU102は、この指向特性情報を受け付けたと判断すると(ステップS1701:Yes)、リアクタンス値の演算を行う(ステップS1702)。ユーザの所望する指向特性情報を受け付けていなければ(ステップS1701:No)、そのままステップS1701の処理に戻り、待機状態となる。
【0097】
そして、ステップS1702において演算したアレーアンテナ101の素子1〜素子6のリアクタンス値を設定し(ステップS1703)、動作を終了する。CPU102は、演算した素子1〜素子6のリアクタンス値をアレーアンテナ101の素子1〜素子6のリアクタンス値として設定する。これにより、アレーアンテナ装置100は、適応制御パターンの指向特性を実現することができる。
【0098】
図18は、適応制御の処理内容を示すフローチャートである。まず。リアクタンス値を初期値に設定する(ステップS1801)。つぎに、受信利得を測定する(ステップS1802)。つぎに、各リアクタンス値を微小変化させた時の受信利得を測定し(ステップS1803)、側定値から各リアクタンス値の微小変化による勾配を演算する(ステップS1804)。素子1〜素子6のリアクタンス値をそれぞれ、微小変化させた時の測定値から勾配を演算する。
【0099】
つぎに、素子数分のシフトが終了したか否かの判断を行う(ステップS1805)。素子数分とは素子1〜素子6までの一周分を意味するが、最初の素子1〜素子6のリアクタンス値の設定状態を1回目とするため、実際のシフト回数は、5回となる。素子数分のシフトが終了していなければ(ステップS1805:No)、素子1〜素子6のリアクタンス値をシフトさせ(ステップS1806)、リアクタンス値がシフトした状態でステップS1802へ戻り処理を行う。
【0100】
素子数分のシフトが終了してれば(ステップS1805:Yes)、図11に示すように、全6方向(到来波900×1+擬似的な到来波901×5)からの無線信号に関して勾配の演算を終了したことになり、つぎに、方向性重みベクトルによる評価値の算出を行う(ステップS1807)。このステップで行う評価値の算出は、セクタパターンのリアクタンス値テーブル生成時の(10)式と、図17のステップS1701入力された指向特性情報つまり、方向性重みベクトルとを掛け合わせた値となる。
【0101】
つぎに、最急勾配法でリアクタンス値を更新する(ステップS1808)。この最急勾配法では、上記の(12)式を用いる。最初にこのステップの処理を行う際は、ステップS1807によって算出された評価値における素子1〜素子6のリアクタンス値を最適なリアクタンス値であると設定する。そして、2回目以降の処理では、上記の(12)式により、設定されているリアクタンス値の評価値を、直前のステップS1308(図13参照)によって算出された更新量でリアクタンス値を更新していく。
【0102】
つぎに、所定の回数ステップを繰り返したか否かの判断を行う(ステップS1809)、所定の回数(各式中のn)は、ユーザの任意であり、経験的に最適な回数を設定すればよい。所定の回数ステップを繰り返していない場合(ステップS1809:No)、ステップS1802に戻り、同様の処理を行う。所定の回数ステップを繰り返したと判断すると(ステップS1809:Yes)、ステップ終了時の素子1〜素子6のリアクタンス値の設定値が最適な値となり、処理を終了する。
【0103】
以上、述べたような処理により、実施例2では、適応制御パターンのアレーアンテナ装置を実現することができる。
【0104】
なお、実施例1および実施例2におけるリアクタンス値は、実際の処理の中では可変リアクタンス素子の印加電圧値として置き換えて考えることが可能である。したがって、上記「リアクタンス値」は、全て「可変リアクタンス素子の印加電圧値」と置き換えても良い。
【0105】
以上説明したアレーアンテナ装置、指向性制御方法、指向性制御プログラムおよび指向性制御プログラムを記録した記録媒体によれば、複数方向の利得を考慮した指向特性を必要最低限の測定で効果的な演算を行って実現することができる。
【0106】
なお、本実施の形態で説明した指向性制御方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。

Claims (12)

  1. 給電素子と、当該給電素子を中心として周方向に所定角度毎に配置された複数の無給電素子と、当該複数の無給電素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを有するアレーアンテナ装置において、
    送信もしくは受信方向を基準とした各方向の指向特性に関する設定情報を受け付ける受付手段と、
    複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値をそれぞれ設定する設定手段と、
    前記設定手段によって設定されたリアクタンス値を、前記無給電素子の周方向に隣接する他の無給電素子に接続された前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値としてシフトさせるリアクタンス値シフト手段と、
    前記リアクタンス値シフト手段によりシフトされたリアクタンス値における前記給電素子の利得を測定する測定手段と、
    前記受付手段によって受け付けた指向特性に関する設定情報と、複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値の設定を前記リアクタンス値シフト手段による各シフトにおける前記給電素子の利得とに基づいて、前記指向特性を構成するための前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値として算出する算出手段と、
    を備え
    前記受付手段が受け付ける指向特性に関する設定情報は、前記測定手段によって測定した測定結果を、到来波の到来方向を基準として、前記シフト毎に得られた利得変化に対する重み付けを付与するための係数であり、
    前記算出手段は、前記係数を前記複数のリアクタンス値の算出に用いることを特徴とするアレーアンテナ装置。
  2. 前記給電素子を中心として前記複数の無給電素子を基準の角度位置から回転させて前記到来波の到来方向を変化させる角度制御手段を備え、
    前記算出手段は、前記角度制御手段により装置あるいは前記到来波の到来方向を、当該装置の周方向に前記無給電素子の数に対応した角度範囲で回転させた時、所定の角度毎に複数の前記リアクタンス値を算出することを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ装置。
  3. 前記算出手段は、前記リアクタンス値をシフトさせる毎に、複数のリアクタンス値を微小変化させ、当該リアクタンス値を微少変化させた前後それぞれにおいて前記測定手段によって測定された前記利得に基づき、前記複数のリアクタンス値を算出することを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ装置。
  4. 前記算出手段により算出した複数の前記リアクタンス値を格納する格納手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナ装置。
  5. 前記設定手段は、前記到来波の到来方向の情報の入力に基づいて、前記格納手段から当該所定の指向性を得るための複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値をそれぞれ読み出して設定することを特徴とする請求項4に記載のアレーアンテナ装置。
  6. 前記到来波の到来方向毎に、前記算出手段によって算出された前記指向特性に対応した複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を格納する格納手段を備え、
    前記設定手段は、前記到来波の到来方向の情報の入力に応じて、前記格納手段に格納されている複数のリアクタンス値をそれぞれ前記可変リアクタンス素子に設定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のアレーアンテナ装置。
  7. 給電素子と、当該給電素子を中心として周方向に所定角度毎に配置された複数の無給電素子と、当該複数の無給電素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを有するアレーアンテナ装置において、
    送信もしくは受信方向を基準とした各方向の指向特性に関する設定情報を受け付ける受付手段と、
    前記可変リアクタンス素子に設定したリアクタンス値を、前記無給電素子の周方向に隣接する他の無給電素子に接続された前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値としてシフトさせるリアクタンス値シフト手段と、
    前記リアクタンス値シフト手段によりシフトされたリアクタンス値における前記給電素子の利得を測定する測定手段と、
    前記受付手段によって受け付けた指向特性に関する設定情報と、複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値の設定を前記リアクタンス値シフト手段による各シフトにおける前記給電素子の利得とに基づいて、前記指向特性を構成するための前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値として算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された前記指向特性を構成するためのリアクタンス値を各可変リアクタンス素子に設定する設定手段と、
    を備え、
    前記受付手段が受け付ける指向特性に関する設定情報は、前記測定手段によって測定した測定結果を、到来波の到来方向を基準として、前記シフト毎に得られた利得変化に対する重み付けを付与するための係数であり、
    前記算出手段は、前記係数を前記複数のリアクタンス値の算出に用いることを特徴とするアレーアンテナ装置。
  8. 給電素子と、当該給電素子を中心として周方向に所定角度毎に配置された複数の無給電素子と、当該複数の無給電素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを有するアレーアンテナ装置の指向性制御方法において、
    送信もしくは受信方向を基準とした各方向の指向特性に関する設定情報を受け付ける受付工程と、
    複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値をそれぞれ設定する設定工程と、
    前記設定工程によって設定されたリアクタンス値を、前記無給電素子の周方向に隣接する他の無給電素子に接続された前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値としてシフトさせるリアクタンス値シフト工程と、
    前記リアクタンス値シフト工程によりシフトされたリアクタンス値における前記給電素子の利得を測定する測定工程と、
    前記受付工程によって受け付けられた前記指向特性に関する設定情報と、複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値の設定を前記リアクタンス値シフト工程による各シフトにおける前記給電素子の利得とに基づいて、前記指向特性を構成するための前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を算出する算出工程と、
    を含み、
    前記受付工程が受け付ける指向特性に関する設定情報は、前記測定工程によって測定した測定結果を、前記到来波の到来方向を基準として、前記シフト毎に得られた利得変化に対する重み付けを付与するための係数であり、
    前記算出工程は、前記係数を前記複数のリアクタンス値の算出に用いることを特徴とする指向性制御方法。
  9. 前記アレーアンテナ装置は、到来波の到来方向毎に、前記算出工程によって算出された前記指向特性に対応した複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を格納手段に格納する格納工程を含み、
    前記設定工程では、前記到来波の到来方向の情報の入力に応じて、前記格納手段に格納されている複数のリアクタンス値をそれぞれ前記可変リアクタンス素子に設定することを特徴とする請求項8に記載の指向性制御方法。
  10. 給電素子と、当該給電素子を中心として周方向に所定角度毎に配置された複数の無給電素子と、当該複数の無給電素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを有するアレーアンテナ装置の指向性制御方法において、
    送信もしくは受信方向を基準とした各方向の指向特性に関する設定情報を受け付ける受付工程と、
    前記可変リアクタンス素子に設定したリアクタンス値を、前記無給電素子の周方向に隣接する他の無給電素子に接続された前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値としてシフトさせるリアクタンス値シフト工程と、
    前記リアクタンス値シフト工程によりシフトされたリアクタンス値における前記給電素子の利得を測定する測定工程と、
    前記受付工程によって受け付けた指向特性に関する設定情報と、複数の前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値の設定を前記リアクタンス値シフト工程による各シフトにおける前記給電素子の利得とに基づいて、前記指向特性を構成するための前記可変リアクタンス素子のリアクタンス値として算出する算出工程と、
    前記算出工程により算出された前記指向特性を構成するためのリアクタンス値を各可変リアクタンス素子に設定する設定工程と、
    を含み、
    前記受付工程が受け付ける指向特性に関する設定情報は、前記測定工程によって測定した測定結果を、前記到来波の到来方向を基準として、前記シフト毎に得られた利得変化に対する重み付けを付与するための係数であり、
    前記算出工程は、前記係数を前記複数のリアクタンス値の算出に用いることを特徴とする指向性制御方法。
  11. 請求項8〜10のいずれか一つに記載の指向性制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする指向性制御プログラム。
  12. 請求項11に記載の指向性制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。
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