JP4680480B2 - ラスタ情報を維持しながらラスタ印刷データを校正する方法及び装置 - Google Patents

ラスタ情報を維持しながらラスタ印刷データを校正する方法及び装置 Download PDF

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Description

(発明の属する技術分野)
(従来の技術)
印刷産業における品質保証の過程において、また同時に、コスト低減の圧力によって、実際の版が印刷される前に印刷機の印刷プロセスを、異なった機器でシミュレートすることが知られている。
【0001】
この異なった機器は、今日では、通常、カラープリンタである。このカラープリンタは、駆動ソフトウェア内のカラープロフィールによって適切に較正され、印刷機よりも著しく費用効果的なプリントアウトを作成することができるが、同時に、印刷機における後の印刷の本質的な特徴を有する。
【0002】
後に印刷機で制作される印刷物の具体的な特性をシミュレートする機器で印刷データを印刷した結果物は、印刷業界では校正刷りと呼ばれ、その手順は校正作業と呼ばれる。
【0003】
言い換えれば、校正刷りとは、主として四色刷り印刷物をシミュレートするため、最初の印刷物に代わるテスト印刷物を意味する。
【0004】
実際の印刷機で印刷した結果物、即ち印刷物から適切に区別するため、以下の説明では、校正刷りの用語はテスト印刷物を意味するものとして使用されるであろう。即ち、それは、後に印刷機で制作される印刷物の具体的な特性をシミュレートする機器で印刷データを印刷したものである。
【0005】
印刷産業における大部分の方法において、複製のために提供された印刷データは、印刷版を製作する前に網かけされる。
【0006】
この網掛けは、印刷物における色調値の諧調を複製するために必要である。その理由は、印刷機で印刷されるインクが諧調を有しないためである。
【0007】
この理由のため、印刷材料の特定の区域に印刷されるインクの量は、ラスタを介して制御される。
【0008】
印刷の一般的な作業シーケンスは、図5のブロック図500で表される。
【0009】
網掛けされていない印刷データ501は、ラスタイメージプロセッサ502(RIP)によって、網掛けされた印刷データ503へ投影される。網掛けされた印刷データ503は、印刷機504によって印刷され、それによって印刷物505が作成される。
【0010】
印刷機504として示される装置は、ディジタル印刷機であるか、フィルム露光機、印刷版複写機、又はディジタル印刷版露光機へ結合された印刷機であってよい。装置として重要なことは、網掛けされた印刷データ503を最終結果物である印刷物505へ変換することだけである。
【0011】
従来技術に従って印刷データを校正する方法は、3つのグループに分けることができる。
【0012】
(a)網掛けされていない印刷データを処理する方法。
【0013】
(b)網掛けされた印刷データを処理する方法。
【0014】
(c)網掛けされた印刷データを処理し、周知の網掛け除去方法によって印刷データから再びラスタを除去する方法。
【0015】
それぞれの手順からは、次のような利点と欠点が生じる。それらを、以下で詳細に説明する。
【0016】
(a)網掛けされていない印刷データを処理する方法(図6a及び図6bを参照)。
【0017】
この方法では、図6aのブロック図600で示されるように、網掛けされていない印刷データ501が校正機601へ送られ、周知のカラーマネジメントシステムによって色空間変換を施され、校正機601のために適切な方法で網掛けされ、校正機601によって出力され、それによって校正刷り602が作成される。
【0018】
網掛けされていない印刷データ501を使用する校正方法の場合、網掛け及び印刷機504における印刷の間のカラー応答を良好な品質でシミュレートすることができる。
【0019】
カラープロフィールによって適切な較正を与えられると、結果物、即ち校正刷り602は、色調に関して印刷物505と正確に一致するので、校正刷り602はカラーに正確であると言われる。これは、後続の印刷物505のカラー品質を評価するため校正刷り602が使用可能であることを意味する。
【0020】
図6bは、網掛けされていない印刷データ501に対する校正刷り602の例603を示す。この例603に従えば、網掛け前では50%の色調値である。
【0021】
この手順の欠点は、特に、校正機601で出力するため印刷データを同じように網掛けしなければならないことである。しかし、校正機601におけるこの網掛けは、印刷機504における網掛けと対応せず、最良でも印刷機504の網掛けと類似するだけである。
【0022】
これは、網掛けされていない印刷データ501の助けを借りて作成された校正刷り602が、ユーザの網掛けの品質に関する情報をユーザに提供できないことを意味する。
【0023】
そのような校正刷り602を使用しても、網掛けの間に生じる誤りを検出することはできない。
【0024】
可能な誤りとしては、例えば、カラーが過剰に印刷されるときの、個々のカラーにおける望ましくないパターン又は周知のモアレである。
【0025】
(b)網掛けされた印刷データを処理する方法(図7a及び図7bを参照)。
【0026】
網掛けされた印刷データ503を使用する校正方法では、網掛けされていない印刷データ501は、ラスタイメージプロセッサ502(RIP)によって、網掛けされた印刷データ503へ投影される。網掛けされた印刷データ503は校正機701へ送られ、校正機701によって出力され、それによって校正刷り702が作成される。この手順に従えば、校正機701での別個の網掛けは必要でない(ブロック図700を参照)。
【0027】
この手順の1つの利点は、網掛けが、後の印刷物505の上で可視表示されるように、校正刷り702の上でもユーザに可視表示される事実から明らかである。
【0028】
しかし、この手順の1つの欠点は、カラーに正確な校正刷り702を作成できない事実から分かる。
【0029】
この理由は、特に、網掛け作業の間に、全ての色調値(ルミナンス値及び/又はクロミナンス値)が、たった2つの色調値、即ち「0」パーセントのカラー塗布を有する第1の色調値、及び「100」パーセントのカラー塗布を有する第2の色調値へ縮小されるからである。
【0030】
中間調値は、もはや存在しない(網掛けの後で、50パーセントの色調値703が示される図7bを参照)。
【0031】
実行されるべき色空間変換の間に、これら2つだけのカラー値が変換されるであろう。しかしながらその結果、校正機のカラー応答へのマッチングは、もはや達成されることができない。なぜなら、この目的のためには、中間調値も必要だからである。
【0032】
(c)網掛けされた印刷データを処理し、周知の網掛け除去方法によって、再び印刷データから網掛けを除去する方法(図8のブロック図800を参照)。
【0033】
そのような方法では、網掛けされた印刷データ503は網掛け除去801を施され、それによって網掛けされていない印刷データ802が形成され、それが校正機803へ送られ、校正機803によって出力され、それによって校正刷り804が作成される。
【0034】
言い方を換えると、網掛けされていないオリジナル情報(網掛けされていない印刷データ501及び802)を回復するため、ラスタ情報が画像(網掛けされた印刷データ503)から再び計算される。従って、網掛けされていない印刷データ802を使用して、(a)で説明された手順が実行される。
【0035】
従って、(c)に従った手順は、(a)に従った手順と同じ利点及び欠点を有する。
【0036】
そのような方法は、既存の作業シーケンスで、網掛けされていない印刷データ501を取り出すことができないとき一般的に使用されるが、重大な焦点となるのは、カラー忠実度である。
【0037】
本発明は、ラスタ情報を維持しながら、網掛けされた印刷データを校正する方法及び装置を指定する場合の問題点に基づいている。本発明によって、校正刷りのカラー忠実度は、制作される印刷物と比較したとき、既に知られた方法よりも改善される。
【0038】
前記の問題点は、ラスタ情報を維持しながら、網掛けされた印刷データを校正する方法及び装置であって、独立特許クレームに従った特徴を有する方法及び装置によって解決される。
【0039】
ラスタ情報を維持しながら、網掛けされ2値の色調値を有する印刷データを校正する方法において、網掛けされた印刷データは、ラスタ情報を維持されながらフィルタ方法へ渡される。フィルタ方法によって、中間調値は、2値の色調値を使用することによって作り出される。
【0040】
2値の色調値は、例えば「0」パーセントのカラー塗布を有する色調値(第1の2値色調値)又は「100」パーセントのカラー塗布を有する色調値(第2の2値色調値)として理解されるべきである。
【0041】
対照的に、中間調値は、「0」パーセントと「100」パーセントとの間のカラー塗布を有する色調値である。
【0042】
中間調値は、色空間変換によって、色調に関して印刷物と一致する校正刷りを表す変換済み色調値及び/又は中間調値が形成されるように構成される。
【0043】
ラスタ情報を維持しながら、網掛けされ2値の色調値を有する印刷データを校正する装置は、前述した方法ステップが実行されるようにセットアップされるプロセッサを有する。
【0044】
本発明は、ディジタル印刷データから色調に関して印刷物と一致する校正刷りを作成することを可能にする。ディジタル印刷データは、後に印刷機で印刷するのに適した網掛け形式になっている。これは、印刷機を開始する前に、印刷物の色調及びラスタ情報の双方を評価する可能性をユーザに提供する。
【0045】
明らかに、本発明に従えば、網掛けされた印刷データが使用されるが、第1に高品質の色空間変換を実行することができるように中間調(中間調値)が再び作り出され、第2にラスタ情報が維持されるように、網掛けされた印刷データが変更される。
【0046】
従って、(a)、(b)、及び(c)に従った方法の欠点は避けられ、(a)、(b)、及び(c)に従った方法の実質的に全ての利点が、1つの方法で組み合わせられる。
【0047】
明らかに、ラスタ情報が網掛け除去方法によって計算されない事実、しかし例えば、周知の軟化方法又はスケーリング方法が、印刷データに含まれるラスタポイントへ適用される事実に、本発明を認めることができる。
【0048】
言い方を換えると、これは、ラスタ情報を維持しながら、網掛けされた印刷データの調に関して印刷物と一致する校正方法が指定されることを意味する。その場合、網掛けされた印刷データは軟化アルゴリズムへ渡され、軟化アルゴリズムは、網目スクリーンの幅、網目スクリーンの角度、及び網目スクリーンの網点形状を含む特性ラスタ情報を維持するが、同時に、ラスタデータに含まれる0パーセント及び100パーセントの色調値に加えて中間調値を生成する。中間調値は、校正機に含まれる周知のカラーマネジメントシステムを介して、色空間変換の実行を可能にする。その結果物は色調に関して印刷物と一致する校正刷りである。
【0049】
本発明の好ましい展開は、従属クレームから生じる。
【0050】
本発明の1つの展開に従えば、使用されるフィルタ方法は軟化方法である。
【0051】
軟化方法は、画像がアンシャープに描かれる画像処理フィルタ方法を意味する。軟化アンシャープフィルタ方法では、高コントラストのエッジは、暗区域のエッジに置かれたピクセルを明るくし、明区域のエッジに置かれたピクセルを暗くすることによって平滑化される。
【0052】
軟化方法で使用される軟化半径は、好ましくは、軟化方法が次の要件に合致するように選択される。
【0053】
− ラスタ情報を維持すること。
【0054】
色調に関して印刷物と一致する校正刷りを作成するため、中間調値を使用してカラーマネージメントを実行できるように中間調値を生成すること。
【0055】
軟化半径を選択するステップは、次のステップを含むことができる。
【0056】
(a)既定の軟化半径R=R0について、パーセンテージ区域カバレッジfの度数分布P(f)を計算する(0≦P≦1、0≦f≦100%)
(b)最大Pmax(f0)を決定する
(c)最大値Pmax(f0)からスタートしてヒストグラムの両方の側へ度数分布PがP<P’となるパーセンテージ区域カバレッジ値までサーチし、f1<f0<f2であり、かつP(f1)<P’であるような最大値f及びP(f2)<P’であるような最小値f2値を決定する。
【0057】
(d)もしf2−f1≧Δf’(0<Δf’<100%)であれば、既定の値ΔRだけ増分された軟化半径について度数分布P(f)を計算する。
【0058】
(e)f2−f1<Δf’を満たす軟化半径Rになるまで、ステップ(b)〜(d)を反復する。
【0059】
(f)軟化半径Rを出力する。
【0060】
値Δf’は、例えば20%〜30%の範囲にあることができ、好ましくは25%である。値P’は、例えば0.15〜0.25の範囲にあることができ、好ましくは0.2である。
【0061】
代替的に、本発明の更なる改善に従えば、使用されるフィルタ方法は、スケーリング方法、例えばバイキュービックスケーリング方法又はバイリニアスケーリング方法である。
【0062】
使用される2値色調値及び/又は中間調値は、ピクセルへ割り当てられるルミナンス値及び/又はクロミナンス値であることができる。
【0063】
更に、使用されるラスタ情報は、次のものであることができる。
【0064】
・網目スクリーンの解像度、及び/又は
・網目スクリーンの角度、及び/又は
・網目スクリーンの網点形状
本発明の例示的実施形態は、図面を使用して以下の本文で詳細に説明されるであろう。
【0065】
網掛けされていない印刷データ501は、ラスタイメージプロセッサ502(RIP)によって、網掛けされた印刷データ503へ投影される(図1bを参照)。
【0066】
網掛けされた印刷データ503は、印刷機504によって印刷され、それによって印刷物505が制作される。
【0067】
網掛けされた印刷データ503はラスタ情報を有する。網目スクリーンは、スクリーン網点の中心の間隔(スクリーンの解像度)、スクリーン網点の中心を通って引かれる線の水平方向に対する角度(スクリーンの角度)、及びスクリーン網点の形状(例えば、ラウンドドット、エリプス、ライン、スクエア、クロスが普通である)によって特徴づけられる。
【0068】
校正刷りを作成するため、この例示的実施形態の網掛けデータ503は、軟化方法101へ渡される。軟化方法によって、0〜100パーセントのインク塗布パーセンテージを有するカラー中間調(中間調値)が生成される。
【0069】
適切に選択されたパラメータを有する適切に選択された軟化方法101によって、非常に多くの色調値ステップを生成することができるので、カラー忠実度を確保することができる。適切な軟化方法の要件は、図2〜図4を参照して、より詳細に説明されるであろう。
【0070】
軟化方法101によって形成されたデータ102は、校正機103へ送られ、校正機103によって出力され、それによって校正刷り104が形成される。
【0071】
網掛け及び後続の軟化方法101が実行された後の50パーセントの色調値について、軟化法101が実行された結果の例が図1bに示される。
【0072】
図1bから、ラスタ情報が本質的に維持されていることが分かる。
【0073】
ラスタ情報の前述した要素の全てが、図1bで依然として認められる。
【0074】
しかし、適切な軟化方法を選択するとき、以下で詳細に説明するように、軟化の程度が、あまりに高又は低とならないように注意しなければならない。
【0075】
特に、適用される軟化方法は、次の特性に合致しなければならない。
【0076】
(I)ラスタ情報を維持すること。
【0077】
(II)中間調値に対して有効なカラーマネージメントが後で可能であるように、中間調値を生成すること。
【0078】
要件(I)に関して:
もし軟化が、ラスタ情報を画像からフィルタすれば、即ち、あまりに厳しい軟化作業が実行されれば、もはやラスタ情報の維持は保証されない。これは、軟化半径があまりに広く選択されてはならないことを意味する。
【0079】
要件(II)に関して:
軟化が過度に弱い場合、生成された中間調値は、特定のカラーマネージメントを実行するのに十分でない。その結果、校正機のカラー応答への十分なマッチングを実行することができず、従って校正刷りのカラー忠実度は達成されない。適切な軟化パラメータを計算するアルゴリズムは、図4bとの関連で、より詳細に説明されるであろう。
【0080】
図2aは、初期画像200、又は軟化を行なわない場合の初期画像ディテール、即ち20パーセントの区域カバレッジを有する純粋なラスタイメージを示す。
【0081】
図2bは、関連したヒストグラム201を示す。ヒストグラムは、横座標(x軸)の上で、区域カバレッジ値fを示す。即ち、それぞれの画像ディテールにおける区域カバレッジのパーセンテージfは、範囲(0%≦f≦100%)にある。更に、区域カバレッジfは、略図的にヒストグラムの低い端に示される。縦座標(y座標)の値Pは、それぞれの画像ディテールで横座標に示される区域カバレッジ値のパーセンテージ頻度を示す。Pは範囲(0≦P≦1)にある。
【0082】
図2bが示すように、画像ディテール200内の20パーセント区域カバレッジは、トータル区域の20パーセントが100パーセントの区域カバレッジを有し、トータル区域の80パーセントが白いまま、即ち0パーセントの区域カバレッジを有する事実によってもたらされる。
【0083】
例えば、約20パーセント区域カバレッジの周りの区域を特別に変更する有効なカラーマネージメントは、画像ディテール200の上で実行されることはできない。なぜなら、画像ディテール200において、f=20%の区域は存在せず、単にf=0%又はf=100%の区域が存在するだけだからである。しかし、これらは変更されないであろう。なぜなら、それらは紙の背景及び完全な区域カバレッジを有する区域に対応するからである。0<f<100%の中間調値fが存在しなければ、カラーマネージメント、従って色調に関して印刷物と一致する校正刷りの作成を実行することはできず、従って前記の要件(II)は満たされない。
【0084】
図3aは、図2aの画像ディテール200へガウス軟化方法を適用して得られた画像ディテール300を示す。図3bの関連したヒストグラム301から分かるように、そこには多くの中間調値が存在するが、これらの中間調値は非常に広い分布を有し、際立った最大値又は最小値は存在しない。その結果、例えば、画像ディテール300の中で20パーセントの区域カバレッジを有する区域へ特に影響するカラーマネージメントを適用すると、例えば、80パーセントのカバレッジを有する区域も、ほぼ同じように影響を受けるであろう。この場合でも、特定のカラーマネージメント、従って色調に関して印刷物と一致する校正刷りの制作は可能でなく、従って前記要件(II)は同じように満たされない。
【0085】
前記の要件(I)及び(II)の双方に対して適切な軟化アルゴリズムは、好ましくは、オリジナル画像の解像度、網目スクリーンの解像度、及び目標画像の解像度に基づいて設定されたパラメータを有する。
【0086】
以下で詳細に説明されるように、そのような適切に設定されたパラメータを有する軟化アルゴリズムによって、図2aに示される画像ディテール200からスタートして、例えば、図4aに示される色調値パーセンテージ分布のヒストグラム400が得られてよい。
【0087】
図4aに示されるヒストグラムにおいて、もし特定の限度P’の上にある度数値、及びこれらの度数値P>P’が広がる横座標(x軸)区域を考えると、区域カバレッジ値のパーセンテージ度数分布は、実質的に、狭く限定された横座標区域Δfに集中することが分かる。その場合、度数値Pは際立った最大値を形成する。
【0088】
量的に言えば、これは、例えば図4aで達成された度数分布の最大値Pmaxからスタートして、依然としてP=0.2の上にある度数が割り当てられるカラーカバレッジ値は、比較的狭く限定された横座標区域にあることを意味する。図4aに示される例示的実施形態の場合、これは、これらのカラーカバレッジ値が、横座標全体の単にΔf’=25%の区域に集中すること、即ち、ほぼf1=10%からf2=35%の区域カバレッジ横座標区間に集中することを意味する。
【0089】
図4aに示される中間調値の分布のために、それぞれの画像ディテールの特定の明度範囲又は区域カバレッジ値、即ち、例えば、前述の範囲10〜35パーセントの区域カバレッジの内側又は外側の区域カバレッジは、プロセスの中で、全て又は大多数の他の明度範囲が同時に変更されることなく、特別に影響を受けてよい。これは、校正機のカラー応答をマッチさせるため、有効なカラーマネージメントの実行を可能にし、従ってカラー忠実度が保証され、上記の要件(II)が満たされる。
【0090】
ガウス軟化方法が使用されるとき、ただ1つの変数パラメータは、軟化ウィンドウの半径である。他の相当するアルゴリズムの場合、そのようなパラメータはフィルタのウィンドウサイズである。最適の結果を達成するため、この半径、又は、このウィンドウサイズは、図4aを使用して説明されたようなヒストグラムの結果になるまで、前もって規定されたテスト部分の画像の上で、コンピュータプログラムによって変更されることができる。このようにして発見された値は、次に、画像全体を軟化するために使用される。
【0091】
軟化方法の適切な半径を決定するアルゴリズムを、以下の本文で図4bを参照して、より詳細に説明する。
【0092】
第1のステップS1で、開始値R=R0軟化方法の半径として設定される。次のステップS2で、任意に選択された画像ディテールを使用して、前述したヒストグラムが、この半径Rのために決定される。即ち、パーセンテージ区域カバレッジf(0〜100%の間)の各々の値について、それぞれの度数P(0〜1の間)が計算される。
【0093】
次のステップS3で、ステップS2で決定されたヒストグラムの中の最大値Pmax(f)が決定される。次の本文で、これは区域カバレッジ値f=f0で起こると想定される。
【0094】
次のステップS4で、最大値Pmax(f0)からスタートして、度数値PがP<0.2になる区域カバレッジ値まで、サーチがヒストグラムの両方の側へ行なわれる。言い換えれば、f0より下の最大値f1及びf0より上の最小値f2が決定され、それらの最大値及び最小値のところで、ヒストグラム内の関連する度数値が0.2より小さくなる。
【0095】
ステップS5で、決定された値f1とf2との間の差分Δfが計算される。
【0096】
ステップS6で、この差分ΔfがΔf’=25%よりも小さいかどうかチェックされる。
【0097】
もし小さければ、現在の半径値R0が出力され、この半径は画像全体を軟化するために使用される。しかし、もし小さくなければ、半径は増分ΔRだけ増加されてR=R0+ΔRとされ、この値Rについてアルゴリズムが実行される。これは、f1とf2との間の上述の間隔Δfが十分に制限されるまで、即ち、ステップS6でチェックされた条件が満たされるまで反復される。その条件が満たされると、直ちにアルゴリズムは終了し、決定された半径Rは、画像全体を軟化するために使用される。
【0098】
もちろん、特別の条件又は要件に依存して、横座標範囲Δf’=25%の代わりに、又は度数限定値P’=0.2の代わりに、Δf’及びP’の他の値が、図4bのアルゴリズムで使用される。
【0099】
1つの更なる軟化の可能性は、スケーリングアルゴリズムを使用して得られる。スケーリングアルゴリズムは、走査された印刷データ503を、印刷機504の解像度から校正機103の解像度へ、可能性としてスケーリングする必要がある間に軟化を実効化する。この例は、バイキュービックスケーリング又はバイリニアスケーリングとして知られる。これらのスケーリング方法は、結果が軟化効果と同じになるように、スケーリングされる値を補間する。スケーリング方法は、分裂構造又はアーティファクトが生成されないように、解像度のマッチングを実行しなければならない。
【0100】
非常に稀な場合には、走査された印刷データの解像度が、校正機の解像度と同じになるので、印刷データは、通常、どちらの場合でもスケーリングされなければならない。従って、ここでの明白な方針は、そのようなアルゴリズムを直ちに使用することである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の例示的実施形態における個々の方法ステップを示すブロック図(図1a)、及び例示的実施形態に従った方法によって得られた校正刷りの例を示す図(図1b)である。
【図2】 走査されたデータを表す画像ディテールのブロック図(図2a)、及び図2aの画像ディテールにおけるカラー色調値のパーセンテージ分布を表す関連のヒストグラム(図2b)である。
【図3】 パラメータが最適化されないガウス軟化方法を、図2aの画像ディテールへ適用することによって得られた画像ディテールのブロック図(図3a)、及び図3aの画像ディテールにおけるカラー色調値のパーセンテージ分布を表す関連のヒストグラム(図3b)である。
【図4a】 本発明に従って、パラメータが最適化された軟化方法を、図2aの画像ディテールへ適用することによって得られた画像ディテールにおけるカラー色調値のパーセンテージ分布を表すヒストグラムである。(図4a)
【図4b】 図4aに従って軟化方法で使用される軟化半径を計算するアルゴリズムを示す図である。
【図5】 印刷物が制作される一般的な普通の作業シーケンスを表すブロック図である。
【図6】 網掛けされていない印刷データを処理する方法の個々の方法ステップを示すブロック図(図6a)、及び図6aの方法によって得られた校正刷りの例を示す図(図6b)である。
【図7】 網掛けされた印刷データを処理する方法の個々の方法ステップを示すブロック図(図7a)、及び図7aの方法によって得られた校正刷りの例を示す図(図7b)である。
【図8】 網掛けを除去された印刷データを処理する方法の個々の方法ステップを示すブロック図である。

Claims (6)

  1. 網掛けされて2値の色調値を有する印刷データを、ラスタ情報を維持しながら校正する方法であって、
    ラスタ情報を維持して2値の色調値から中間調値を生成するための軟化半径からなる軟化ウインドウを使用することによって、網掛けされた印刷データを軟化方法でフィルタリングするに際し、
    前記軟化半径は
    軟化ウインドウのための開始値半径を設定し、
    0〜100%であるパーセンテージ区域カバレッジのための0〜1の度数を計算し、
    区域カバレッジの前記パーセンテージのための最大度数を決定し、
    前記最大度数から前記軟化ウインドウの両端までの間で、結合された度数値が既定の度数値より小さい区域カバレッジ値をサーチし、
    最小区域カバレッジ値と最大区域カバレッジ値との間の差を決定し、
    前記最小区域カバレッジ値と前記最大区域カバレッジ値との間の前記差が、区域カバレッジにおける既定の変化より小さい場合には、開始値半径を使用して前記軟化ウインドウのサイズを定義することによって計算され、
    前記2値の色調値からの中間調値は、暗区域のエッジのピクセルが明るくされ、明区域のエッジのピクセルが暗くされる高コントラストのエッジを平滑化することによって生成され、
    前記中間調値は、前記中間調値から色空間変換によって変換済み色調値及び/又は中間調値が形成されたとき、その変換済み色調値及び/又は中間調値が色調に関して印刷物と一致する校正刷りをなすものであるように構成される方法。
  2. 前記軟化方法が、
    ラスタ情報を維持すること、及び
    色調に関して印刷物と一致する校正刷りを制作するため、中間調値を使用してカラーマネージメントを実行できるように、中間調値を生成すること、
    の要件を満たすように、軟化方法で使用される軟化半径が選択される、請求項記載の方法。
  3. 前記最小の区域カバレッジ値と前記最大の区域カバレッジ値との間の前記差が、区域カバレッジにおける既定の変化を超える場合には、前記第1開始値半径より大きな第2開始値半径を設定して前記軟化方法を繰り返す工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記所定の区域カバレッジ値が20%〜30%の範囲にある、請求項に記載の方法。
  5. 前記所定の度数が0.15〜0.25の範囲にある、請求項3または4に記載の方法。
  6. 網掛けされて2値の色調値を有する印刷データを、ラスタ情報を維持しながら校正する装置であって、
    ラスタ情報を維持して2値の色調値から中間調値を生成するための軟化半径からなる軟化ウインドウを使用することによって、網掛けされた印刷データを軟化方法でフィルタリングするに際し、
    前記軟化半径は
    軟化ウインドウのための開始値半径を設定し、
    0〜100%であるパーセンテージ区域カバレッジのための0〜1の度数を計算し、
    区域カバレッジの前記パーセンテージのための最大度数を決定し、
    前記最大度数から前記軟化ウインドウの両端までの間で、結合された度数値が既定の度数値より小さい区域カバレッジ値をサーチし、
    最小区域カバレッジ値と最大区域カバレッジ値との間の差を決定し、
    前記最小区域カバレッジ値と前記最大区域カバレッジ値との間の前記差が、区域カバレッジにおける既定の変化より小さい場合には、開始値半径を使用して前記軟化ウインドウのサイズを定義することによって計算され、
    前記2値の色調値からの中間調値は、暗区域のエッジのピクセルが明るくされ、明区域のエッジのピクセルが暗くされる高コントラストのエッジを平滑化することによって生成され、
    前記中間調値は、前記中間調値から色空間変換によって変換済み色調値及び/又は中間調値が形成されたとき、その変換済み色調値及び/又は中間調値が色調に関して印刷物と一致する校正刷りをなすものであるように構成される
    という方法ステップを実行できるようにセットアップされるプロセッサを有する装置。
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