JP4680419B2 - 円パターン検出装置、方法、コンピュータ実行可能なプログラム、および、そのようなプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
円パターン検出装置、方法、コンピュータ実行可能なプログラム、および、そのようなプログラムを記録した記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像認識処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年カラー複写機の機能と性能が上がったため偽造防止が大きな問題となり、有効な偽造防止方法が検討されつづけている。偽造防止方法のひとつでは、紙幣などの模様の内にあらかじめ特定パターンを入れておく。複写機において複写の際に画像を読み取るとき、スキャンされた画像を解析する。画像認識処理において、画像内に特定パターンを検出したならば、紙幣が複写されると判断して正常な像生成を禁止する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
入力機器からのデータの多くは情報量の多いカラー画像であり、また入出力機器はますます高速で高解像度になってきている。それにもかかわらず実時間内での画像認識処理が求められているため、ハードウエア構成が複雑にならざるを得ない。それゆえ、偽造防止において、高速で、高精度で、構成が簡単な画像認識手法の開発が重要な課題であった。
【0004】
本発明の目的は、画像認識を高速化した装置及び方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の円パターン検出装置は、入力画像の画像データを、入力画像濃度が参照濃度範囲内か否かに応じて2値化する2値化処理部と、2値化処理部により2値化された画像データを記憶する記憶部と、記憶部に記憶された2値化画像データの画像を、検出対象である円パターンより大きい複数のブロックに区分して、ブロック毎に円パターン候補の有無を検出する検出部と、前記複数のブロックの各々に対して、記憶部に記憶された2値化画像データの所定の画素の数をカウントするカウント部と、検出部により前記円パターン候補が検出されたブロックについて、前記円パターン候補を含む最有力のブロックを選択する選択部と、選択部により選択された最有力のブロックで検出された画像データのみ、前記円パターンを含む参照画像との類似度を、画像認識処理を行って判定する精査部とを備えている。ここで、選択部は、検出部により円パターン候補が検出されたブロック、および、前記複数のブロックの各々に対してカウント部がカウントした前記画素の数に基づいて、前記複数のブロックから、処理の対象とする複数の処理ブロックを抽出するブロック抽出部と、前記円パターンの形状に対する、前記処理ブロックに含まれる図形パターンの類似度を、前記図形パターン上の複数のサンプル点付近に前記参照濃度内の画像濃度を有する画素が存在する個数をカウントした値と、前記図形パターンの数画素外側の複数のサンプル点が前記参照濃度外の画像濃度を有する画素である個数をカウントした値とを加算して算出する処理部と、前記処理ブロックに含まれる図形パターンの縦と横の画素数の差を検査する検査部と、ブロック抽出部が抽出した前記複数の処理ブロックから、処理部が算出した前記図形パターンの類似度と、検査部が出力した縦と横の画素数の前記差とに基づいて、前記最有力のブロックを選択する対象決定部とをさらに備えており、これにより上記目的が達成される。
【0009】
選択部は、前記処理ブロックに含まれる図形パターンの縦と横の画素数の差を検査する検査部をさらに備え、対象決定部は、前記処理部が算出した前記図形パターンの類似度と、検査部が出力した縦と横の画素数の前記差とに基づいて、前記最有力のブロックを選択してもよい。
【0010】
本発明の円パターン検出方法は、入力画像の画像データを、入力画像濃度が参照濃度範囲内か否かに応じて2値化するステップと、2値化された画像データを記憶するステップと、2値化画像データの画像を、検出対象である円パターンより大きい複数のブロックに区分して、ブロック毎に円パターン候補の有無を検出するステップと、前記複数のブロックの各々に対して、2値化画像データの所定の画素の数をカウントするステップと、前記円パターン候補が検出されたブロックについて、前記円パターン候補を含む最有力のブロックを選択するステップと、選択された最有力のブロックで検出されたデータのみ、前記円パターンを含む参照画像との類似度を、画像認識処理を行って判定するステップとからなり、これにより上記目的が達成される。ここで、選択するステップは、円パターン候補が検出されたブロック、および、前記複数のブロックの各々に対してカウントした前記画素の数に基づいて、前記複数のブロックから、処理の対象とする複数の処理ブロックを抽出するステップと、前記円パターンの形状に対する、前記処理ブロックに含まれる図形パターンの類似度を、前記図形パターン上の複数のサンプル点付近に前記参照濃度内の画像濃度を有する画素が存在する個数をカウントした値と、前記図形パターンの数画素外側の複数のサンプル点が前記参照濃度外の画像濃度を有する画素である個数をカウントした値とを加算して算出するステップと、前記処理ブロックに含まれる図形パターンの縦と横の画素数の差を検査するステップと、抽出した前記複数の処理ブロックから、算出した前記図形パターンの類似度と、出力した縦と横の画素数の前記差とに基づいて、前記最有力のブロックを選択するステップとをさらに備える。
【0011】
本発明の画像から円パターンを検出するプログラムは、画像から円パターンを検出するプログラムであって、入力画像の画像データを、入力画像濃度が参照濃度範囲内か否かに応じて2値化するステップと、2値化された画像データを記憶するステップと、2値化画像データの画像を、検出対象である円パターンより大きい複数のブロックに区分して、ブロック毎に円パターン候補の有無を検出するステップと、前記複数のブロックの各々に対して、2値化画像データの所定の画素の数をカウントするステップと、前記円パターン候補が検出されたブロックについて、前記円パターン候補を含む最有力のブロックを選択するステップと、選択された最有力のブロックで検出されたデータのみ、前記円パターンを含む参照画像との類似度を、画像認識処理を行って判定するステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、これにより上記目的を達成できる。ここで、選択するステップは、円パターン候補が検出されたブロック、および、前記複数のブロックの各々に対してカウントした前記画素の数に基づいて、前記複数のブロックから、処理の対象とする複数の処理ブロックを抽出するステップと、前記円パターンの形状に対する、前記処理ブロックに含まれる図形パターンの類似度を、前記図形パターン上の複数のサンプル点付近に前記参照濃度内の画像濃度を有する画素が存在する個数をカウントした値と、前記図形パターンの数画素外側の複数のサンプル点が前記参照濃度外の画像濃度を有する画素である個数をカウントした値とを加算して算出するステップと、前記処理ブロックに含まれる図形パターンの縦と横の画素数の差を検査するステップと、抽出した前記複数の処理ブロックから、算出した前記図形パターンの類似度と、出力した縦と横の画素数の前記差とに基づいて、前記最有力のブロックを選択するステップとをさらに備える。
【0016】
本発明による記録媒体は、上述のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図面において、同じ参照記号は同一または同等のものを示す。
【0018】
この発明の実施の形態の特定パターン検出装置は、入力画像を2値化し、検出する特定パターンのサイズ以上の複数ラインについて2値化画像データをメモリに記憶する。次に、メモリに記憶された2値化画像データから特定パターン画像を検出する。この特定パターン検出装置において検出するべき特定パターンは、円パターンである。特定パターンを検出するための主走査方向の複数のブロックを用い、これらのブロックについて同時に並列に特定パターンを検出して、検出処理を高速化する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態の特定パターン検出装置の概略構成を示す。この特定パターン検出装置において、画像入力部1では、読み取られたR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の濃度が8ビット(256階調)で入力される。さらに、入力データに対して、さらに解像度変換、変倍などの前処理が行われる。次に、2値化処理部2は、入力された画像濃度があらかじめ規定された参照濃度範囲内かどうかを判断して2値化を行い、メモリ3に格納する。以下の記述では、参照濃度範囲内の画像を「黒画素」、範囲外の画像を「白画素」と定義する。メモリ3は、2値化処理部2において2値化された結果を格納するメモリであり、検出するマークサイズ以上のライン数を格納する容量を持つ。
【0020】
円パターン検出部4は、主走査方向と副走査方向にm、n画素づつずらした複数の円パターン検出ブロックを設け、複数ブロックにて円パターンを同時に検出する。具体的には、メモリ3に記憶された2値化データから、主走査方向に重複して隣接する2個分の検出ブロックの画像データを取りだし、円パターン検出部4は、これらのブロックについて同時に判断する。また、副走査方向に4回、同ブロックを繰り返し使用することにより、計24ブロックの円パターンを検出する。よって、画像は24個のブロックに区分されて、各ブロックで特定の円パターンが含まれるか否かが判断されることになる。各ブロックの大きさは、特定の円パターンよりも大きい。なお、ここでいう「円パターン」とは、正確には円パターンに近似する円状パターンを意味する。
【0021】
カウント部5は、円パターン検出部4が設けたブロックの各々を単位として、メモリ3に格納された2値化された黒画素の数をカウントし、基準カウント数からの差分値を出力する。基準カウント数とは比較対象の基準マーク(円パターン)が理想的な状態で2値化されたときの黒画素の数である。例えば、ブロック内の2値化画素の数をA、基準カウント数をBとしたとき、(A−B)を出力する。これを各ブロック毎に計算する。言うまでもなく、基準カウント数からの差分値が小さいほど、2値化された黒画素の割合は理想的なマークの割合に近くなる。
【0022】
次に、精査対象選択部6は、複数の検出結果から所定の条件に従って最有力の1つのブロックを選択する。すなわち、上述の24個の円パターン検出ブロックにて円パターンを検出したブロックのうち最有力候補を1つ選択する。ブロック数を24個から1個にまで減らす理由は、精査対象のブロック数が少ない方が、後述のパターン精査部7の処理が早くなるからである。これは、ブロックに所定のマークが存在するか否かを精査するパターン精査部7の処理は、最も時間を要する負荷の大きい処理であることに基づく。
【0023】
パターン精査部7は、精査対象選択部6により選択された最有力候補のブロックに対してのみ詳細なパターン精査を行い、規定された参照画像との類似度を判定する。この処理は、参照画像とのパターンマッチングなどにより、円パターン内部のパターンの精査を行うものであり、マークにどれだけ似ているかを出力する。最有力候補のブロックに対してのみ詳細なパターン精査を行うことにより、処理を高速化する。最後に、出力部8は、パターン精査部7の真円度、パターン精査などの判定結果を得点化して出力する。この得点によって、規定のマークかどうかの判定を行う。
【0024】
以下では、本実施形態の検出パターン検出装置の特徴である円パターン検出部4、および、精査対象選択部6について詳細に説明する。
【0025】
図2は、円パターン検出部4(図1)による円パターン検出処理を示す。1検出ブロックの検出サイズを16画素×16画素とし、主走査方向に4画素づつずらして配置した3つのブロック(BLK0、BLK1、BLK2)を用いる。3ブロックを含む16画素×24画素の領域から3ブロックについて同時に並列して円パターンを検出する。複数ブロックを同時に処理するため、処理が高速化できる。後で説明するように、この処理は16ビットの単位で行えるので、16画素×24画素の領域について、複数ブロックの重なる部分を共用するため、パターン検出処理を効率化できる。なお、この図における3つの円パターンは、ブロックの説明のために示したものであり、実際にこのように配置されているものではない。
【0026】
円パターンの検出を行う際に、主走査方向に上述の複数の検出ブロックを配置し、同時に複数の円パターンを検出するが、各検出ブロックの上下左右には、所定画素幅の画素データ保持部、画素の加算部、加算結果保持部を設け、加算結果にて円パターンの検出を判断する。具体的に説明すると、16画素×24画素の領域の上下左右の4箇所に、黒エッジを検出する黒エッジ検出部と、黒エッジ検出部の外側に白エッジ検出用の白エッジ検出部を設ける。黒エッジ検出部と白エッジ検出部とは、円パターンの直径より狭い8画素の幅を持つ。左右方向では、4つの黒エッジ検出部が、右と左にそれぞれ4画素分離れて位置される。この位置を移動して3ブロックについて検出処理ができる。また、上下方向には、上と下にそれぞれ、16画素の幅で配置される。左側の8画素、中央の8画素、及び右側の8画素が3つのブロックに対応する。黒エッジ検出部は、円の中心方向に移動しつつ黒画素の数をカウントする。黒画素のカウント数が5以上となれば、円の外周のラインを検出したとし、黒エッジ検出部は、「検出」を示すフラグをセットする。黒エッジ検出部は、円の中心方向に5画素の深さまで黒画素の加算を行い、その時点でカウント値が5以上とならなければ、検出フラグをセットせずに処理を終える。白エッジ検出部は、黒エッジ検出部の3画素の外側に位置され、円の中心方向に動く。白エッジ検出部は絶えず8画素の幅×2画素分のデータがすべて白画素であるかどうかを確認する。黒エッジ検出部の検出フラグがセットされた時点で処理を終了し、その時点の検出データがすべて白であれば検出フラグをセットする。
【0027】
円の中心方向に5画素の深さまで処理を終えた時点で、上下左右の計8箇所の検出フラグがセットされているかどうかを判断し、すべてセットされている場合、円の検出があったと判断し、その検出ブロックの総合検出フラグをセットする。この円パターンの検出動作を副走査方向に3回行い、3×3の計9ブロックの検出処理を行う。また、総合検出フラグも9ブロック分設け、副走査方向に3回の検出処理が終わるまで、検出結果を保持する。また、各ブロックの上下左右の計4個の黒検出部の検出位置を保持する保持部8も、処理を終えるまで検出結果を保持しておく。
【0028】
図3は、円パターン検出部4のハードウエア回路の概略を示す。メモリ3は、2値化処理部2による2値化の結果を格納している。上、下、左、右の検出部40,41,42,43は円パターンの検出結果と検出位置を出力する。各検出部40,41,42,43は黒検出部と白検出部を持つ。検出位置判定部44は、各ブロックの検出位置を判定する。検出結果判定部45は、各ブロックの総合検出結果を判定する。保持部46は、各ブロックの検出位置と総合検出結果を保持する。
【0029】
図4は、上検出部40を詳細に示す。16ビットのデータ保持部401は、メモリ3に格納された黒エッジ検出部の検出データを8ビット又は16ビットの単位で読みこみ、保持する。16ビットのデータのうち、ブロックBLK0に対応する7〜0ビット、ブロックBLK1に対応する11〜4ビットおよびブロックBLK2に対応する15〜7ビットの各8ビットのデータが同時に並列に処理される。各ブロックに対応して、加算部402は、データ保持部401の保持データと保持部403のデータを加算し、保持部403は、加算部402の加算結果を保持する。また、保持部403は、処理開始時は0にクリアされる。比較部404は、保持部403の保持値を参照値(ここでは5)と比べ、保持値が参照値より大きい場合に、出力(黒検出結果)をオン状態にする。この出力結果は検出結果判定部45に出力される。
【0030】
カウンタ405は、検出部の処理が開始するとカウントを開始し、処理に同期してカウントアップする。カウンタ405は処理開始時に0にクリアされる。3つの位置保持部406が、3つのブロックに対応して設けられ、各位置保持部406は、比較部404の出力がオンとなった時点のカウント値を保持する。このカウント値は、計9ブロックの処理が終了するまで保持される。
【0031】
また、16ビット、2ラインのデータ保持部407は、メモリ3に格納された白エッジ検出部の検出データについて3つの白判定部408が3つの処理ブロックに対応する白エッジを検出するために設けられる。各白判定部408は、3つの比較部404の出力がオンとなった時点の黒エッジ検出ラインの外側の2ラインの入力データのうち、ブロックBLK0に対応する7〜0ビット、ブロックBLK1に対応する11〜4ビットおよびブロックBLK2に対応する15〜7ビットの各8ビット、計16ビットの入力データがすべて白であるかどうかを判定し、判定結果を検出結果判定部45に出力する。
【0032】
下検出部41も同様の回路構成を用いる。また、上検出部40と下検出部41を兼用し、2回繰り返して使用することで1つの回路としてもよい。
【0033】
図5は、左検出部42を詳細に示す。8個の16ビットシフトレジスタ421は、黒エッジ検出部の8ビットの入力データをクロックCLKに同期して左方向にシフトする。このシフトレジスタの図に示す4ビット目(0A〜7A)、8ビット目(0B〜7B)、12ビット目(0C〜7C)の各8ビットのデータが加算部422に入力される。また、黒検出ラインの3画素外側と2画素外側の2ラインの0D〜7Dと0E〜7E、0F〜7Fと0G〜7G、0H〜7Hと0I〜7Iの各16ビットのデータがそれぞれ白判定部427に入力される。加算部422から白判定部427までの構成(保持部423、比較部424、カウンタ425、位置保持部426)は、上検出部41と同様なので詳細な説明は省く。
【0034】
右検出部43も同様の回路構成を用いるが、シフトレジスタのシフト方向が逆であり、またシフトレジスタからのデータ出力位置が左右逆となる。
【0035】
また、上検出部40と下検出部41と同様に、左検出部42と右検出部43を兼用し、2回繰り返して使用することで1つの回路としてもよい。ただし、その場合、シフトレジスタにデータを入力する前段階にデータの反転回路(LSB、MSB)を設けるなどの追加回路が必要となる。
【0036】
次に精査対象選択部6を説明する。再び図1を参照して、精査対象選択部6は、処理ブロック抽出部62と、真円度処理部64と、縦横検査部66と、対象決定部68とを有する。処理ブロック抽出部62は、円パターンの検出を行った24ブロックからまず4ブロックを抽出する。具体的には、処理ブロック抽出部62は、円パターン検出部4により円パターンの存在を検出された複数のブロックから、カウント部5の出力した差分値が小さい4ブロックを選択する。差分値が小さいブロックを選択する理由は、基準カウントからの差分値が小さいほど、類似性の高いマーク濃度といえるからである。換言すれば基準カウントからの差分値が大きいほど類似性は低いので、それらのブロックを除くためである。
【0037】
次に真円度処理部64は、処理ブロック抽出部62が抽出した4つのブロックに含まれる図形パターンが、どの程度真円に近いか、すなわち真円への類似度を定量的に判断するための点数を計算し、出力する。具体的には、真円度処理部64は、選択された4つの処理ブロックに対して、各ブロックに含まれる図形パターンの周上のサンプル点と、円周外のサンプル点をカウントすることにより、点数を計算する。
【0038】
図6は、真円度処理のイメージ図である。円パターン検出部4(図1)にて検出された上下左右の位置から中心Cと半径Rが求められる。中心Cと半径Rより、円周上の複数のサンプル点の座標(図のb点)と、円周外の複数のサンプル点の座標(図のw点)が求められる。図では、サンプル点の数はb点を24、w点を20としたが、例えば、数を増やしてb点およびw点のいすれも36個としてもよい。サンプル点は円パターン検出時における上下左右のエッジ位置に基づいて決定される。サンプル点の画素をメモリ3から読みこみ、b点が黒画素である数とw点が白画素である数をカウントする。b点およびw点を各36個としたとき、b点が全て黒画素、および、w点が全て白画素のとき、カウント結果は最高点の72点となる。
【0039】
図1を再び参照して、縦横差検査部66は、処理ブロック抽出部62が抽出した4つのブロックに対し、円パターンを検出した際の、縦方向の直径と横方向の直径の差分を計算する。差分は画素数の差として得られ、絶対値を計算して正の値として得られる。いうまでもなく、差分が小さいほど真円に近い。
【0040】
対象決定部68は、真円度処理部64および縦横差検査部66の出力結果に基づいて精査対象とすべきブロックを1つ決定する。具体的には、真円度処理部64が出力した点数から、縦横差検査部66が出力した差分を減算する。減算の結果、最も高い点数を有するブロックを精査対象として1つ選択する。
【0041】
以下、具体例に沿って説明する。図7は、精査対象選択部6(図1)が精査対象ブロックを選択する際の処理の概念図である。この処理により、当初24個のブロックは、まず4個に絞られ、その中からさらに1つが選択される。
【0042】
図7の(a)は、円パターン検出部4(図1)による円パターンの検出結果と、カウント部5(図1)による画素カウント値とを示す。円パターンの検出を示す図において、○印は円パターンが検出されたブロックに付されている。図では、8つのブロック((縦,横)=(0,1)、(0,2)、(1,1)、(1,2)、(2,4)、(2,5)、(3,4)、(3,5)のブロック)に円パターンが存在していることを表す。処理ブロック抽出部62(図1)は、円パターン検出部4が検出した8つのブロックに対し、カウント部5の計算値が小さい4ブロックを抽出する。すなわち、(縦,横)=(0,1)、(0,2)、(1,1)、(1,2)のブロックである。上述のように、差分値が小さいほど類似性の高いマーク濃度といえるからである。以後はこの4つの抽出ブロックのみが処理の対象とされる。
【0043】
図7の(b)は、真円度処理部64(図1)による真円度処理の結果出力された4つの抽出ブロック毎の点数と、縦横差検査部66(図1)が出力した差分を示す。真円度処理部64は、2値化画像に所定数のb点およびw点を設定し、b点が黒画素である数とw点が白画素である数をカウントして点数として出力している。図では、(縦,横)=(0,1)のブロックは70点、(縦,横)=(0,2)のブロックは69点である。一方、縦横差検査部66は、抽出ブロックに含まれる円状パターンの縦方向の直径と横方向の直径の差分を計算する。図では、(縦,横)=(0,1)のブロックは2、(縦,横)=(0,2)のブロックは0である。
【0044】
図7の(c)は、対象決定部68(図1)による計算結果を示す。すなわち、対象決定部68(図1)による、真円度処理部64が出力した点数から縦横差検査部66が出力した差分を減算結果を示す。差分を計算した結果、(d)に示すように、対象決定部68は最も値の大きい(縦,横)=(0,2)のブロックを精査対象のブロックとして選択する。選択されたブロックはパターン精査部7(図1)において、特定の基準マークが含まれるか否かの精査の対象とされる。
【0045】
以上、本発明の実施の形態における特定パターン検出装置の動作を説明した。
実施の形態で説明した特定パターン検出装置(図1)の処理動作は、特定パターン検出装置(図1)が、そのような処理を規定するコンピュータプログラムを読み込み、図示されない中央処理部がそのプログラムを実行することにより行われる。コンピュータプログラムは、CD−ROM、DVD等の光ディスク、フロッピーディスク、ハードディスク等の磁気記録媒体、および、メモリカード等の半導体記録媒体に記録でき、またインターネット等の電気通信回線を介して他のコンピュータに伝送され、通信相手のコンピュータのメモリ等の記録媒体に記録される。特定パターン検出装置としては、紙幣等の偽造を防止する観点から、複写機に搭載されるコンピュータのみならず、市販されている一般のコンピュータ(PC)等も含まれる。
【0046】
【発明の効果】
本発明では、2値化画像データの所定の画素の数と、複数のブロックに区分したブロックにおいて検出した特定パターンとに基づいて、特定パターンを含む最有力のブロックを選択し、そのブロックのデータにのみ詳細な画像認識処理を行う。よって、パターン検出処理を精度よく行うことができ、かつ、画像データに特定パターンが含まれているか否かの判断が高速で行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の特定パターン検出装置の概略構成を示す図である。
【図2】 円パターン検出部の処理を示す図である。
【図3】 円パターン検出部のハードウエア回路の概略を示す。
【図4】 上検出部を詳細に示す図である。
【図5】 左検出部を詳細に示す図である。
【図6】 真円度処理のイメージ図である。
【図7】 精査対象選択部が精査対象ブロックを選択する際の処理の概念図である。
【符号の説明】
3 メモリ
4 円パターン検出部
5 カウント部
6 精査対象選択部
7 パターン精査部
62 処理ブロック抽出部
64 真円度処理部
66 縦横差検査部
68 対象決定部
Claims (4)
- 入力画像の画像データを、入力画像濃度が参照濃度範囲内か否かに応じて2値化する2値化処理部と、
2値化処理部により2値化された画像データを記憶する記憶部と、
記憶部に記憶された2値化画像データの画像を、検出対象である円パターンより大きい複数のブロックに区分して、ブロック毎に円パターン候補の有無を検出する検出部と、
前記複数のブロックの各々に対して、記憶部に記憶された2値化画像データの所定の画素の数をカウントするカウント部と、
検出部により前記円パターン候補が検出されたブロックについて、前記円パターン候補を含む最有力のブロックを選択する選択部と、
選択部により選択された最有力のブロックで検出された画像データのみ、前記円パターンを含む参照画像との類似度を、画像認識処理を行って判定する精査部とを備え、
選択部は、
検出部により円パターン候補が検出されたブロック、および、前記複数のブロックの各々に対してカウント部がカウントした前記画素の数に基づいて、前記複数のブロックから、処理の対象とする複数の処理ブロックを抽出するブロック抽出部と、
前記円パターンの形状に対する、前記処理ブロックに含まれる図形パターンの類似度を、前記図形パターン上の複数のサンプル点付近に前記参照濃度内の画像濃度を有する画素が存在する個数をカウントした値と、前記図形パターンの数画素外側の複数のサンプル点が前記参照濃度外の画像濃度を有する画素である個数をカウントした値とを加算して算出する処理部と、
前記処理ブロックに含まれる図形パターンの縦と横の画素数の差を検査する検査部と、
ブロック抽出部が抽出した前記複数の処理ブロックから、処理部が算出した前記図形パターンの類似度と、検査部が出力した縦と横の画素数の前記差とに基づいて、前記最有力のブロックを選択する対象決定部と
をさらに備える円パターン検出装置。 - 入力画像の画像データを、入力画像濃度が参照濃度範囲内か否かに応じて2値化するステップと、
2値化された画像データを記憶するステップと、
2値化画像データの画像を、検出対象である円パターンより大きい複数のブロックに区分して、ブロック毎に円パターン候補の有無を検出するステップと、
前記複数のブロックの各々に対して、2値化画像データの所定の画素の数をカウントするステップと、
前記円パターン候補が検出されたブロックについて、前記円パターン候補を含む最有力のブロックを選択するステップと、
選択された最有力のブロックで検出されたデータのみ、前記円パターンを含む参照画像との類似度を、画像認識処理を行って判定するステップとからなり、
前記選択するステップは、
円パターン候補が検出されたブロック、および、前記複数のブロックの各々に対してカウントした前記画素の数に基づいて、前記複数のブロックから、処理の対象とする複数の処理ブロックを抽出するステップと、
前記円パターンの形状に対する、前記処理ブロックに含まれる図形パターンの類似度を、前記図形パターン上の複数のサンプル点付近に前記参照濃度内の画像濃度を有する画素が存在する個数をカウントした値と、さらに、前記図形パターンの数画素外側の複数のサンプル点が前記参照濃度外の画像濃度を有する画素である個数をカウントした値とを加算して算出するステップと、
前記処理ブロックに含まれる図形パターンの縦と横の画素数の差を検査するステップと、
抽出した前記複数の処理ブロックから、算出した前記図形パターンの類似度と、出力した縦と横の画素数の前記差とに基づいて、前記最有力のブロックを選択するステップと
をさらに備える
円パターン検出方法。 - 画像から円パターンを検出するプログラムであって、
入力画像の画像データを、入力画像濃度が参照濃度範囲内か否かに応じて2値化するステップと、
2値化された画像データを記憶するステップと、
2値化画像データの画像を、検出対象である円パターンより大きい複数のブロックに区分して、ブロック毎に円パターン候補の有無を検出するステップと、
前記複数のブロックの各々に対して、2値化画像データの所定の画素の数をカウントするステップと、
前記円パターン候補が検出されたブロックについて、前記円パターン候補を含む最有力のブロックを選択するステップと、
選択された最有力のブロックで検出されたデータのみ、前記円パターンを含む参照画像との類似度を、画像認識処理を行って判定するステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記選択するステップは、
円パターン候補が検出されたブロック、および、前記複数のブロックの各々に対してカウントした前記画素の数に基づいて、前記複数のブロックから、処理の対象とする複数の処理ブロックを抽出するステップと、
前記円パターンの形状に対する、前記処理ブロックに含まれる図形パターンの類似度を、前記図形パターン上の複数のサンプル点付近に前記参照濃度内の画像濃度を有する画素が存在する個数をカウントした値と、前記図形パターンの数画素外側の複数のサンプル点が前記参照濃度外の画像濃度を有する画素である個数をカウントした値とを加算して算出するステップと、
前記処理ブロックに含まれる図形パターンの縦と横の画素数の差を検査するステップと、
抽出した前記複数の処理ブロックから、算出した前記図形パターンの類似度と、出力した縦と横の画素数の前記差とに基づいて、前記最有力のブロックを選択するステップと
をさらに備えるプログラム。 - 請求項3に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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