JP4329279B2 - 特定パターン検出装置、方法、コンピュータ実行可能なプログラム、および、そのようなプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

特定パターン検出装置、方法、コンピュータ実行可能なプログラム、および、そのようなプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像認識処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年カラー複写機の機能と性能が上がったため偽造防止が大きな問題となり、有効な偽造防止方法が検討されつづけている。偽造防止方法のひとつでは、紙幣などの模様の内にあらかじめ特定パターンを入れておく。複写機において複写の際に画像を読み取るとき、スキャンされた画像を解析する。画像認識処理において、画像内に特定パターンを検出したならば、紙幣が複写されると判断して正常な像生成を禁止する。
【0003】
以下、特定パターンを円パターンとして具体的に説明する。円パターンを検出する特定パターン検出装置は、スキャンされ読み取られた画像を2値化し、メモリへ格納する。そして2値化画像内の画素に順次着目し、各着目画素の周辺3画素×3画素の領域に黒画素(ラベリング画素)が存在するか否かを判定する。判定の結果、ラベリング画素が存在すればその着目画素はON画素、存在しなければOFF画素として2値化画像データとは別にメモリに格納する。この処理を全ての画素について行う。各画素がON画素かOFF画素かの情報は判定フラグと呼ばれる。一方、特定パターン検出装置は、メモリに格納された2値化画像データを用いて、円パターンに近似する図形が存在するか否かも判定する。そして円パターンの存在が認められた箇所に対して、判定フラグのON画素の個数をカウントし、その円パターンがどの程度真円に近いかを示す真円度を判定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の特定パターン検出装置は、各画素ごとに判定フラグを保持するために、2値化画像データのメモリ容量と同容量のメモリ容量が必要である。よってメモリ容量を浪費してしまう。
【0005】
本発明の目的は、使用するメモリ容量を抑え、かつ、精度のよい画像認識を実現することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のパターン検出装置は、入力画像の画像データを2値化する2値化処理部と、2値化処理部により2値化された画像データを記憶する第1の記憶部と、2値化処理部により2値化された画像データにおいて、隣接する複数の画素を特定し、該複数の画素の周辺の範囲内に所定の画素が存在するか否かを示し、当該隣接する複数の画素に対して設定されるフラグを生成するフラグ生成部と、フラグ生成部が生成した前記フラグを記憶する第2の記憶部と、第1の記憶部に記憶された2値化画像データの画像を主走査方向及び副走査方向に重複して隣接する複数のブロックに区分して、ブロック毎に中心方向に向けた黒エッジ検出、および、白エッジ検出を行うことにより特定パターンに近似するパターンを検出する検出部と、前記検出部により検出された前記円パターン上の画素及び当該画素の周囲の画素に対応する、第2の記憶部に記憶され、前記隣接する複数の画素に対して設定された前記フラグを検出することにより、検出部により検出された前記パターンと前記特定パターンとの類似度を判定する判定処理部と、判定処理部により判定された前記類似度にしたがって、検出部により検出された前記パターンに対して詳細な画像認識処理を行うパターンマッチング部とを備えており、これにより上記目的が達成される。
【0007】
前記隣接する複数の画素により規定される範囲は、前記複数の画素と、その周辺の画素を含む範囲であってもよい。
【0008】
前記所定の画素は、黒画素であってもよい。
【0009】
判定処理部は、前記特定パターンの形状に基づいて、検出された円パターンから複数の画素を抽出し、当該抽出された各画素に隣接して存在する黒画素の個数をカウントして前記類似度を算出してもよい。
【0010】
判定処理部は、さらに、前記特定パターンの形状に基づいて、検出された円パターンの数画素外側に存在する複数の外部画素を抽出し、各外部画素の近傍に存在する白画素の個数をカウントして前記類似度を算出してもよい。
【0011】
本発明のパターン検出方法は、入力画像の画像データを2値化するステップと、2値化された画像データを記憶する第1の記憶ステップと、2値化された画像データにおいて、隣接する複数の画素を特定し、該複数の画素の周辺の範囲内に所定の画素が存在するか否かを示し、当該隣接する複数の画素に対して設定されるフラグを生成するステップと、前記フラグを記憶する第2の記憶ステップと、第1の記憶ステップにより記憶された2値化画像データの画像を主走査方向及び副走査方向に重複して隣接する複数のブロックに区分して、ブロック毎に中心方向に向けた黒エッジ検出、および、白エッジ検出を行うことにより特定パターンに近似するパターンを検出するステップと、前記検出部により検出された前記円パターン上の画素及び当該画素の周囲の画素に対応する、第2の記憶ステップにより記憶され、前記隣接する複数の画素に対して設定された前記フラグを検出することにより、検出された前記パターンと前記特定パターンと類似度を判定するステップと、判定された前記類似度にしたがって、検出された前記パターンに対して詳細な画像認識処理を行うステップと、を有し、これにより上記目的が達成される。
【0012】
本発明の画像からパターンを検出するコンピュータにより実行されるプログラムは、2値化処理部に、入力画像の画像データを2値化させるステップと、第1の記憶部に、2値化された画像データを記憶させる第1の記憶ステップと、フラグ生成部に、2値化された画像データにおいて、隣接する複数の画素を特定し、該複数の画素の周辺の範囲内に所定の画素が存在するか否かを示し、当該隣接する複数の画素に対して設定されるフラグを生成させるステップと、第2の記憶部に、前記フラグを記憶させる第2の記憶ステップと、検出部に、第1の記憶ステップにより記憶された2値化画像データの画像を主走査方向及び副走査方向に重複して隣接する複数のブロックに区分して、ブロック毎に中心方向に向けた黒エッジ検出、および、白エッジ検出を行うことにより特定パターンに近似するパターンを検出させるステップと、判定処理部に、前記検出部により検出された前記円パターン上の画素及び当該画素の周囲の画素に対応する、第2の記憶ステップにより記憶され、前記隣接する複数の画素に対して設定された前記フラグを検出することにより、検出された前記パターンと前記特定パターンと類似度を判定させるステップと、パターンマッチング部に、判定された類似度にしたがって、検出された前記パターンに対して詳細な画像認識処理を行わせるステップと、を実行させ、これにより上記目的を達成できる。
【0013】
前記隣接する複数の画素により規定される範囲は、前記複数の画素と、その周辺の画素を含む範囲であってもよい。
【0014】
前記所定の画素は、黒画素である、請求項8に記載の特定パターンを検出してもよい。
【0015】
判定させる前記ステップは、判定処理部に、前記特定パターンの形状に基づいて、検出された円パターンから複数の画素を抽出し、当該抽出された各画素に隣接して存在する黒画素の個数をカウントして前記類似度を算出させステップを含んでもよい。
【0016】
判定させる前記ステップは、さらに、判定処理部に、前記特定パターンの形状に基づいて、検出された円パターンの数画素外側に存在する複数の外部画素を抽出し、各外部画素の近傍に存在する白画素の個数をカウントして前記類似度を算出させステップを含んでもよい。
【0017】
本発明による記録媒体は、上述のコンピュータにより実行されるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図面において、同じ参照記号は同一または同等のものを示す。
【0019】
この発明の実施の形態の特定パターン検出装置は、入力画像を2値化し、検出する特定パターンのサイズ以上の複数ラインについて2値化画像データをメモリに記憶する。次に、メモリに記憶された2値化画像データから特定パターン画像を検出する。本明細書では、特定パターンは円パターンとする。特定パターン検出装置は、円パターンに近い形状を検出した上で、さらにその形状がどの程度真円に近いかも判断する。その判断には、より低解像度の画像に基づいて生成した真円判定フラグを利用する。真円判定フラグのデータ量が少なくてすむので、メモリ容量を低減でき、さらに精度よく円パターンの検出が可能となる。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態の特定パターン検出装置の概略構成を示す。この特定パターン検出装置において、画像入力部1では、読み取られたR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の濃度が8ビット(256階調)で入力される。さらに、入力データに対して、さらに解像度変換、変倍などの前処理が行われる。次に、2値化処理部2は、入力された画像濃度があらかじめ規定された参照濃度範囲内かどうかを判断して2値化を行い、メモリ4aに格納する。2値化画像の画像データは、同時に、後述の真円判定フラグ生成部3にも送られる。以下の記述では、参照濃度範囲内の画像を「黒画素」、範囲外の画像を「白画素」と定義する。図2の(a)は、2値化された画像の一部を示す図である。斜線を付した画素が黒画素であり、それ以外の画素は白画素である。なお2値化に際しては画像をより低解像度に変換してもよい。再び図1を参照して、メモリ4aは、2値化処理部2において2値化された結果を格納するメモリであり、検出するマークサイズ以上のライン数を格納する容量を持つ。
【0021】
真円判定フラグ生成部3は、2値化処理部2が2値化した画像(図2の(a))をより低解像度にした画像に基づいて真円判定フラグを生成する。ただし、新たに低解像度画像を生成するのではない。真円判定フラグ生成部3は、2値化画像内の複数の画素、例えば4画素に対して1つの真円判定フラグを生成する。以下説明するように、これは2値化画像の縦および横の解像度をそれぞれ1/2にした画像に基づいて真円判定フラグを生成することに相当する。従来は2値化画像の1画素に対して1つの真円判定フラグを生成していたことから、真円判定フラグの格納に必要なデータ量は1/4に低減できる。具体的な手順は以下のとおりである。まず、2値化された4つの画素(以下、集合画素という)に着目する。本明細書では、全体で1つの正方形をなす4つの画素とする。そして真円判定フラグ生成部3は、集合画素を構成する4画素を含む周辺の4画素×4画素の範囲の中に、黒画素が存在するか否かを判定する。存在する場合には、真円判定フラグには1が与えられ、存在しない場合には0が与えられる。なお、集合画素を構成する4画素を含む4画素×4画素の範囲としたのは、集合画素だけに着目した場合と比較して、検出のずれがあった場合にも対応できるからである。
【0022】
図3は、真円判定フラグ生成部3の構成を示すブロック図である。真円判定フラグ生成部3は、真円判定フラグメモリ4b(後述)へのアクセスするための制御信号を生成するメモリ制御部32と、パラレル/シリアル変換(P/S変換)を行う4つのP/S変換部33と、集合画素の周辺の4画素×4画素の範囲の中に、黒画素が存在するか否かを判定する真円フラグ生成部34と、シリアル/パラレル変換(S/P変換)を行うS/P変換部35とを含む。メモリ制御部32は、2値化処理部2(図1)から2値化画像データを受け取る。そしてメモリ制御部32は、例えば、集合画素の周辺の4画素×4画素を、1画素×4画素のまとまりにわけ、順にP/S変換部1、2、3、4に振り分ける。2値化画像データはワード単位またはバイト単位で送信されてくるため、P/S変換部33の各々はそれらの画像データをシリアルデータに変換する。真円フラグ生成部34は、シリアル2値化データのデータ値に基づいてその画素が黒画素か否かを判断して、真円判定フラグの値(1または0)を出力する。S/P変換部35は、逆に、真円フラグ生成部34から出力されたシリアルデータとしての真円判定フラグを、ワード単位またはバイト単位のデータに変換し、メモリ制御部32に出力する。メモリ制御部32は、格納すべきアドレスと真円判定フラグデータを真円判定フラグメモリ4bに出力する。
【0023】
図2を参照して具体例で説明する。図2には、画素の位置を特定するための便宜のため、画素の縦軸方向にはaから始まるアルファベットが、横軸方向には0から始まる数字が記載されている。縦軸a、横軸0の位置の画素は、画素a0などと表現する。(a)において、集合画素を画素c2、c3、d2、d3とすると、集合画素の周辺の4画素×4画素の範囲は、画素b1、b4、e4、e1を頂点とする正方形内の16画素となる。この中には黒画素は存在しないので、真円判定フラグ生成部3は、その集合画素に対応する真円判定フラグに0を付す。このフラグは、図2の(b)における画素b1の値とされる。別の例として、集合画素を画素e4、e5、f4、f5とすると、集合画素の周辺の4画素×4画素の範囲は、画素d3、d6、g6、g3を頂点とする正方形内の16画素となる。この中には黒画素g5、f6が存在するので、真円判定フラグ生成部3は、それらの集合画素に対応する真円判定フラグに1を付す。このフラグは、図2の(b)における画素b1、c2の値とされる。斜線を付した画素が真円判定フラグが1の画素である。これらの処理を、2値化画像内の各集合画素に対して行う。図2の(a)では、2値化画像内の集合画素を実線で囲んで示している。図2の(b)には、これらの各集合画素に対して真円判定フラグを生成した結果を示す。
【0024】
これまでの説明から明らかなように、集合画素は4つの画素の集合であり、集合画素1つに対して真円判定フラグが1つ生成されるので、真円判定フラグのデータ量は、2値化画像データの1/4になる。真円判定フラグ生成部3は、生成した真円判定フラグを真円判定フラグメモリ4bに出力する。
【0025】
再び図1を参照して、真円判定フラグメモリ4bは、真円判定フラグを格納するメモリである。上述のように真円判定フラグのデータ量は、2値化画像データのデータ量の1/4であるから、真円判定フラグメモリ4bの容量はメモリ4aと同じである必要はない。すなわち1/4で足りる。なお、真円判定フラグメモリ4bに格納されている真円判定フラグを画像としてとらえると、その解像度は2値化メモリ4aに格納されている2値化画像の解像度の半分となる。図には、例として2値化メモリ4aに格納されている2値化画像が100dpi、真円判定フラグメモリ4bに格納されている2値化画像が50dpiであることを示している。なお、2値化メモリ4aと真円判定フラグメモリ4bとは別の構成要素として示されているが、これらの2つは、例えば単一のランダムアクセスメモリ(RAM)に独立して設けられた記憶部であってもよい。
【0026】
円パターン検出部5は、主走査方向と副走査方向にm、n画素づつずらした複数の円パターン検出ブロックを設け、複数ブロックにて円パターンを同時に検出する。具体的には、メモリ4aに記憶された2値化データから、主走査方向に重複して隣接する3個分の検出ブロックの画像データを取り出し、円パターン検出部5は、これらのブロックについて同時に判断する。また、副走査方向に3回、同ブロックを繰り返し使用することにより、計9ブロックの円パターンを検出する。所定サイズの円状パターンを検出すると、円パターン検出部5は、その上下左右の位置から円の中心と半径を計算する。これらは後の真円度判定処理部6における真円度判定で用いられる。
【0027】
図4は、円パターン検出部5(図1)による円パターン検出処理を示す。1検出ブロックの検出サイズを16画素×16画素とし、主走査方向に4画素づつずらして配置した3つのブロック(BLK0、BLK1、BLK2)を用いる。3ブロックを含む16画素×24画素の領域から3ブロックについて同時に並列して円パターンを検出する。複数ブロックを同時に処理するため、処理が高速化できる。後で説明するように、この処理は16ビットの単位で行えるので、16画素×24画素の領域について、複数ブロックの重なる部分を共用するため、パターン検出処理を効率化できる。なお、この図における3つの円パターンは、ブロックの説明のために示したものであり、実際にこのように配置されているものではない。
【0028】
円パターンの検出を行う際に、主走査方向に上述の複数の検出ブロックを配置し、同時に複数の円パターンを検出するが、各検出ブロックの上下左右には、所定画素幅の画素データ保持部、画素の加算部、加算結果保持部を設け、加算結果にて円パターンの検出を判断する。具体的に説明すると、16画素×24画素の領域の上下左右の4箇所に、黒エッジを検出する黒エッジ検出部と、黒エッジ検出部の外側に白エッジ検出用の白エッジ検出部を設ける。黒エッジ検出部と白エッジ検出部とは、円パターンの直径より狭い8画素の幅を持つ。左右方向では、4つの黒エッジ検出部が、右と左にそれぞれ4画素分離れて位置される。この位置を移動して3ブロックについて検出処理ができる。また、上下方向には、上と下にそれぞれ、16画素の幅で配置される。左側の8画素、中央の8画素、及び右側の8画素が3つのブロックに対応する。黒エッジ検出部は、円の中心方向に移動しつつ黒画素の数をカウントする。黒画素のカウント数が5以上となれば、円の外周のラインを検出したとし、黒エッジ検出部は、「検出」を示すフラグをセットする。黒エッジ検出部は、円の中心方向に5画素の深さまで黒画素の加算を行い、その時点でカウント値が5以上とならなければ、検出フラグをセットせずに処理を終える。白エッジ検出部は、黒エッジ検出部の3画素の外側に位置され、円の中心方向に動く。白エッジ検出部は絶えず8画素の幅×2画素分のデータがすべて白画素であるかどうかを確認する。黒エッジ検出部の検出フラグがセットされた時点で処理を終了し、その時点の検出データがすべて白であれば検出フラグをセットする。
【0029】
円の中心方向に5画素の深さまで処理を終えた時点で、上下左右の計8箇所の検出フラグがセットされているかどうかを判断し、すべてセットされている場合、円の検出があったと判断し、その検出ブロックの総合検出フラグをセットする。この円パターンの検出動作を副走査方向に3回行い、3×3の計9ブロックの検出処理を行う。また、総合検出フラグも9ブロック分設け、副走査方向に3回の検出処理が終わるまで、検出結果を保持する。また、各ブロックの上下左右の計4個の黒検出部の検出位置を保持する保持部8も、処理を終えるまで検出結果を保持しておく。
【0030】
図5は、円パターン検出部5のハードウエア回路の概略を示す。メモリ4aは、2値化処理部2による2値化の結果を格納している。上、下、左、右の検出部40,41,42,43は円パターンの検出結果と検出位置を出力する。各検出部40,41,42,43は黒検出部と白検出部を持つ。検出位置判定部44は、各ブロックの検出位置を判定する。検出結果判定部45は、各ブロックの総合検出結果を判定する。保持部46は、各ブロックの検出位置と総合検出結果を保持する。
【0031】
図6は、上検出部40の構成を詳細に示す。16ビットのデータ保持部401は、メモリ4aに格納された黒エッジ検出部の検出データを8ビット又は16ビットの単位で読みこみ、保持する。16ビットのデータのうち、ブロックBLK0に対応する7〜0ビット、ブロックBLK1に対応する11〜4ビットおよびブロックBLK2に対応する15〜7ビットの各8ビットのデータが同時に並列に処理される。各ブロックに対応して、加算部402は、データ保持部401の保持データと保持部403のデータを加算し、保持部403は、加算部402の加算結果を保持する。また、保持部403は、処理開始時は0にクリアされる。比較部404は、保持部403の保持値を参照値(ここでは5)と比べ、保持値が参照値より大きい場合に、出力(黒検出結果)をオン状態にする。この出力結果は検出結果判定部45に出力される。
【0032】
カウンタ405は、検出部の処理が開始するとカウントを開始し、処理に同期してカウントアップする。カウンタ405は処理開始時に0にクリアされる。3つの位置保持部406が、3つのブロックに対応して設けられ、各位置保持部406は、比較部404の出力がオンとなった時点のカウント値を保持する。このカウント値は、計9ブロックの処理が終了するまで保持される。
【0033】
また、16ビット、2ラインのデータ保持部407は、メモリ4aに格納された白エッジ検出部の検出データについて3つの白判定部408が3つの処理ブロックに対応する白エッジを検出するために設けられる。各白判定部408は、3つの比較部404の出力がオンとなった時点の黒エッジ検出ラインの外側の2ラインの入力データのうち、ブロックBLK0に対応する7〜0ビット、ブロックBLK1に対応する11〜4ビットおよびブロックBLK2に対応する15〜7ビットの各8ビット、計16ビットの入力データがすべて白であるかどうかを判定し、判定結果を検出結果判定部45に出力する。
【0034】
下検出部41も同様の回路構成を用いる。また、上検出部40と下検出部41を兼用し、2回繰り返して使用することで1つの回路としてもよい。
【0035】
図7は、左検出部42の構成を詳細に示す。8個の16ビットシフトレジスタ421は、黒エッジ検出部の8ビットの入力データをクロックCLKに同期して左方向にシフトする。このシフトレジスタの図に示す4ビット目(0A〜7A)、8ビット目(0B〜7B)、12ビット目(0C〜7C)の各8ビットのデータが加算部422に入力される。また、黒検出ラインの3画素外側と2画素外側の2ラインの0D〜7Dと0E〜7E、0F〜7Fと0G〜7G、0H〜7Hと0I〜7Iの各16ビットのデータがそれぞれ白判定部427に入力される。加算部422から白判定部427までの構成(保持部423、比較部424、カウンタ425、位置保持部426)は、上検出部41と同様なので詳細な説明は省く。
【0036】
右検出部43も同様の回路構成を用いるが、シフトレジスタのシフト方向が逆であり、またシフトレジスタからのデータ出力位置が左右逆となる。
【0037】
また、上検出部40と下検出部41と同様に、左検出部42と右検出部43を兼用し、2回繰り返して使用することで1つの回路としてもよい。ただし、その場合、シフトレジスタにデータを入力する前段階にデータの反転回路(LSB、MSB)を設けるなどの追加回路が必要となる。
【0038】
以上のように構成された円パターン検出部5(図1)により、円パターンが検出される。その結果を受けて、真円度判定処理部6(図1)は、検出された円パターンがどの程度真円に近いか、すなわち検出された円パターンと真円とが近似する程度を判定する。この判定処理では、円周上のサンプル点と、円周外のサンプル点をより詳細にチェックすることにより、より真円度の高いものを選択する。例えば、3ブロックに対して所定の基準に基づいて真円度のチェックを行う。
【0039】
図8は、真円度処理のイメージ図である。円パターン検出部5(図1)によって計算された円の中心Cと半径Rにより、真円度判定処理部6(図1)は、円周上の複数のサンプル点(図のb点)と、円周外の複数のサンプル点(図のw点)を抽出してそれらの座標を求める。この例ではサンプル点の数はb点を24、w点を20としたが、例えば、数を増やしてb点およびw点のいすれも36個としてもよい。数を増やすことにより精度を向上できる。サンプル点は円パターン検出時における上下左右のエッジ位置に基づいて決定される。サンプル点の画素(真円判定フラグ)をメモリ4bから読みこみ、b点が黒画素である数とw点が白画素である数をカウントする。このとき、円検出の誤差または計算誤差があった場合でも対応できるように、演算で求められた座標を中心に周囲数画素(例えば、3画素×3画素)の範囲内に黒画素が存在するかどうかを判定する。b点およびw点を各36個としたとき、b点が全て黒画素、および、w点が全て白画素のとき、カウント結果は最高点の72点となる。このカウント値が最も大きいブロックを最有力のブロックと判定する。得点の高いブロック内の円パターンから順に適当な数だけ、後のパターンマッチングを行えばよい。なお、本実施の形態では円パターン検出部5(図1)が円の中心Cと半径Rとを求めるとしたが、これは真円度判定処理部6(図1)が求めてもよい。
【0040】
パターンマッチング部7(図1)は、真円度判定処理部6(図1)により求められた得点の高いブロックの円形パターンを特定パターンと比較し、その類似度を判定する。パターンマッチングによる判定は周知のパターンマッチングアルゴリズムでよいので、その説明は省略する。
【0041】
最後に、検出結果判定部8は、パターンマッチング部7の類似度に基づいて、判定結果を得点化して出力する。この得点によって、規定のマークかどうかの判定を行う。
【0042】
以上、本発明の実施の形態における特定パターン検出装置を説明した。実施の形態で説明した特定パターン検出装置(図1)の処理動作は、特定パターン検出装置(図1)が、そのような処理を規定するコンピュータプログラムを読み込み、図示されない中央処理部がそのプログラムを実行することにより行われる。コンピュータプログラムは、CD−ROM、DVD等の光ディスク、フロッピーディスク、ハードディスク等の磁気記録媒体、および、メモリカード等の半導体記録媒体に記録でき、またインターネット等の電気通信回線を介して他のコンピュータに伝送され、通信相手のコンピュータのメモリ等の記録媒体に記録される。特定パターン検出装置としては、紙幣等の偽造を防止する観点から、複写機に搭載されるコンピュータのみならず、市販されている一般のコンピュータ(PC)等も含まれる。
【0043】
【発明の効果】
メモリを浪費することなく、かつ、精度のよいパターン検出処理を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の特定パターン検出装置の概略構成を示す図である。
【図2】 (a)は、2値化された画像の一部を示す図である。(b)は、生成された真円判定フラグを示す図である。
【図3】 真円判定フラグ生成部の構成を示すブロック図である。
【図4】 円パターン検出部による円パターン検出処理を示す図である。
【図5】 円パターン検出部のハードウエア回路の概略を示す図である。
【図6】 上検出部の構成を詳細に示す図である。
【図7】 左検出部の構成を詳細に示す図である。
【図8】 真円度処理のイメージ図である。
【符号の説明】
1 画像入力部
2 2値化処理部
3 真円判定フラグ生成部
4a メモリ
4b 真円判定フラグメモリ
5 円パターン検出部
6 真円度判定処理部
7 パターンマッチング部
8 検出結果判定部

Claims (12)

  1. 入力画像の画像データを2値化する2値化処理部と、
    2値化処理部により2値化された画像データを記憶する第1の記憶部と、
    2値化処理部により2値化された画像データにおいて、隣接する所定数の2値化画素からなる集合であって当該集合が該2値化された画像データが示す2値化画像における所定形状の領域と一致するように複数の該2値化画素から成る集合画素を特定し、該集合画素の周辺の範囲内に所定の画素が存在するか否かを判定し、該存否の判定の結果を示すフラグを集合画素と対応付けて生成するフラグ生成部と、
    フラグ生成部が生成した前記フラグを記憶する第2の記憶部と、
    第1の記憶部に記憶された2値化画像データの画像を主走査方向及び副走査方向に重複して隣接する複数のブロックに区分して、ブロック毎に中心方向に向けた黒エッジ検出、および、白エッジ検出を行うことにより特定パターンに近似する円パターンを検出する検出部と、
    前記検出部により検出された前記円パターン上の前記2値化画像データの2値化画素及び当該2値化画素の周囲の2値化画素の少なくともいずれか一方を含む前記集合画素に対応付けられて生成され、第2の記憶部に記憶され、前記集合画素に対して設定された前記フラグを検出することにより、検出部により検出された前記円パターンと前記特定パターンとの類似度を判定する判定処理部と、
    判定処理部により判定された前記類似度にしたがって、検出部により検出された前記円パターンに対して詳細な画像認識処理を行うパターンマッチング部とを備えた円パターン検出装置。
  2. 前記隣接する複数の画素により規定される範囲は、前記複数の画素と、その周辺の画素を含む範囲である、請求項1に記載の特定パターン検出装置。
  3. 前記所定の画素は、黒画素である、請求項2に記載の円パターン検出装置。
  4. 判定処理部は、前記特定パターンの形状に基づいて、検出された円パターンから複数の画素を抽出し、当該抽出された各画素に隣接して存在する黒画素の個数をカウントして前記類似度を算出する、請求項1に記載された円パターン検出装置。
  5. 判定処理部は、さらに、前記特定パターンの形状に基づいて、検出された円パターンの数画素外側に存在する複数の外部画素を抽出し、各外部画素の近傍に存在する白画素の個数をカウントして前記類似度を算出する、請求項4に記載の円パターン検出装置。
  6. 入力画像の画像データを2値化するステップと、
    2値化された画像データを記憶する第1の記憶ステップと、
    2値化された画像データにおいて、隣接する所定数の2値化画素からなる集合であって当該集合が該2値化された画像データが示す2値化画像における所定形状の領域と一致するように複数の該2値化画素から成る集合画素を特定し、該集合画素の周辺の範囲内に所定の画素が存在するか否かを判定し、該存否の判定の結果を示すフラグを集合画素と対応付けて生成するステップと、
    前記フラグを記憶する第2の記憶ステップと、
    第1の記憶ステップにより記憶された2値化画像データの画像を主走査方向及び副走査方向に重複して隣接する複数のブロックに区分して、ブロック毎に中心方向に向けた黒エッジ検出、および、白エッジ検出を行うことにより特定パターンに近似する円パターンを検出するステップと、
    前記検出部により検出された前記円パターン上の前記2値化画像データの2値化画素及び当該2値化画素の周囲の2値化画素の少なくともいずれか一方を含む前記集合画素に対応付けられて生成され、第2の記憶ステップにより記憶され、前記集合画素に対して設定された前記フラグを検出することにより、検出部により検出された前記円パターンと前記特定パターンとの類似度を判定するステップと、
    判定された前記類似度にしたがって、検出された前記円パターンに対して詳細な画像認識処理を行うステップと、を有する円パターン検出方法。
  7. 画像から特定パターンを検出するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
    2値化処理部に、入力画像の画像データを2値化させるステップと、
    第1の記憶部に、2値化された画像データを記憶させる第1の記憶ステップと、
    フラグ生成部に、2値化された画像データにおいて、隣接する所定数の2値化画素からなる集合であって当該集合が該2値化された画像データが示す2値化画像における所定形状の領域と一致するように複数の該2値化画素から成る集合画素を特定し、該集合画素の周辺の範囲内に所定の画素が存在するか否かを判定し、該存否の判定の結果を示すフラグを集合画素と対応付けて生成させるステップと、
    第2の記憶部に、前記フラグを記憶させる第2の記憶ステップと、
    検出部に、第1の記憶ステップにより記憶された2値化画像データの画像を主走査方向及び副走査方向に重複して隣接する複数のブロックに区分して、ブロック毎に中心方向に向けた黒エッジ検出、および、白エッジ検出を行うことにより特定パターンに近似する円パターンを検出させるステップと、
    判定処理部に、前記検出部により検出された前記円パターン上の前記2値化画像データの2値化画素及び当該2値化画素の周囲の2値化画素の少なくともいずれか一方を含む前記集合画素に対応付けられて生成され、第2の記憶ステップにより記憶され、前記集合画素に対して設定された前記フラグを検出することにより、検出部により検出された前記円パターンと前記特定パターンとの類似度を判定させるステップと、
    パターンマッチング部に、判定された類似度にしたがって、検出された前記円パターンに対して詳細な画像認識処理を行わせるステップと、を実行させる、円パターンを検出するコンピュータにより実行されるプログラム。
  8. 前記隣接する複数の画素により規定される範囲は、前記複数の画素と、その周辺の画素を含む範囲である、請求項7に記載の特定パターンを検出するコンピュータにより実行されるプログラム。
  9. 前記所定の画素は、黒画素である、請求項8に記載の特定パターンを検出するコンピュータにより実行されるプログラム。
  10. 判定させる前記ステップは、判定処理部に、前記特定パターンの形状に基づいて、検出された円パターンから複数の画素を抽出し、当該抽出された各画素に隣接して存在する黒画素の個数をカウントして前記類似度を算出させるステップを含む、請求項7に記載の特定パターンを検出するコンピュータにより実行されるプログラム。
  11. 判定させる前記ステップは、さらに、判定処理部に、前記特定パターンの形状に基づいて、検出された円パターンの数画素外側に存在する複数の外部画素を抽出し、各外部画素の近傍に存在する白画素の個数をカウントして前記類似度を算出させるステップを含む、請求項10に記載の特定パターンを検出するコンピュータにより実行されるプログラム。
  12. 請求項7〜11のいずれかに記載のコンピュータにより実行されるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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