JP4206605B2 - 画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像内における円形パターンを検出するための画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー複写機の機能と性能が向上し、紙幣等の偽造も可能になりつつある。そのため、有効な偽造防止方法が検討され続けている。偽造防止方法の1つに、紙幣などの模様内に特定パターンを入れておき、スキャンされた画像を解析し、画像内において特定パターンを検出したならば、正常な像生成を禁止する方法がある。
【0003】
特定パターンを検出する1つの方法として、円形パターンを検出する方法がある。例えば、特開平11−108631号公報においては、円形パターンを検出するために、円形領域内の特定画素をカウントする方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の特開平11−108631号公報では、円形領域内の特定画素をカウントしていたので、矩形領域内の特定画素をカウントする場合と比べて、複雑であるという問題があった。また、近年では、走査を行う入力デバイスや画像データを印字プリントとして出力する出力デバイスとして、例えば高解像度データなどの情報量の大きい画像データを高速に処理可能なものが普及しつつあり、これら入出力デバイスと共働して、実時間内での特定パターンの検出することが要望されている。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、円形パターンを高速かつ高精度に検出する画像処理装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、円形パターンを高速かつ高精度に検出する画像処理方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、円形パターンを高速かつ高精度に検出する画像処理プログラムを記録する記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る画像処理装置は、画像内における円形パターンを検出する画像処理装置であって、画像を2値化する2値化手段と、n角形(ここで、n角形は、8角形または16角形である)内の2値化された所定値を有する画素をカウントするカウント手段と、カウント手段によりカウントされた上記の所定値を有する画素のカウント数で検出対象であるか否かを判断する判断手段とを有することを特徴とするものである。また、所定値を有する画素は、所定値が1のオン画素であり、または所定値が0のオフ画素である。
【0007】
本発明に係る画像処理方法は、画像内における円形パターンを検出する画像処理方法であって、画像を2値化し、n角形(ここで、n角形は、8角形または16角形である)内の2値化された所定値を有する画素をカウントし、上記の所定値を有する画素のカウント数で検出対象であるか否かを判断することを特徴とするものである。また、所定値を有する画素は、所定値が1のオン画素であり、または所定値が0のオフ画素である。
【0008】
本発明に係る画像処理プログラムを記録した記録媒体は、画像を2値化する手順と、n角形(ここで、n角形は、8角形または16角形である)内の2値化された所定値を有する画素をカウントする手順と、上記の所定値を有する画素のカウント数で検出対象であるか否かを判断する手順とをコンピュータに実行させるための画像内における円形パターンを検出する画像処理プログラムを記録したことを特徴とするものである。また、所定値を有する画素は、所定値が1のオン画素であり、または所定値が0のオフ画素である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に本実施形態の画像処理装置(以下、「システム」という。)の概略構成図を示す。図1に示すように、システムは中央演算処理装置(以下、CPUという)を備え、システム全体を制御する制御装置1を中心として構成される。この制御装置1には、画像、文字等の表示や、操作のための表示等を行うディスプレイ2と、各種入力、指示操作等を行うためのキーボード3およびマウス4が備えられる。記録媒体として、フレキシブルディスク5a、ハードディスク6、CD−ROM9aが用いられ、フレキシブルディスク装置5b、CD−ROM装置9bおよびハードディスク装置6が備えられる。さらに、文字や画像データ等を印刷するプリンタ7と、画像データを取り込むためのスキャナ8と、音声出力のためのスピーカ10と、音声入力のためのマイクロホン11とが接続される。
【0010】
図2に本システムの制御系のブロック図を示す。CPU201には、データバス220を介して、本システムを制御するプログラムが格納されているROM203と、CPU201が制御のために実行するプログラムやデータを一時的に格納するRAM204とが接続される。また、CPU201にデータバス220を介して接続される回路には、画像あるいは文字等の表示のためディスプレイ12を制御する表示制御回路205と、キーボード3からの入力を転送制御するキーボード御回路206と、マウス4からの入力を転送制御するマウス制御回路207と、フレキシブルディスク装置18bを制御するフレキシブルディスク装置制御回路208と、ハードディスク装置を制御するハードディスク装置制御回路209と、プリンタ22への出力を制御するプリンタ制御回路210と、スキャナ24を制御するスキャナ制御回路211と、CD−ROM装置9bを制御するCD−ROM装置制御回路212と、スピーカ10を制御するスピーカ制御回路213と、マイクロホン11を制御するマイクロホン制御回路214とがある。さらに、CPU201には、システムを動作させるために必要な基準クロックを発生させるためのクロック202が接続され、また、各種拡張ボードを接続するための拡張スロット215がデータバス220を介して接続される。
【0011】
なお、このシステムでは、画像認識のプログラムをROM203に格納する。しかし、本プログラムの一部または全部をフレキシブルディスク5a、ハードディスク6、CD−ROM9aなどの情報記録媒体に格納しておき、必要に応じて情報記録媒体よりプログラムをRAM204に読み出し、これを実行させてもよい。また、記録媒体は、光磁気ディスク(MO)等の他の情報記録媒体でもよい。また、画像データ入力装置としてスキャナ8を用いているが、スチルビデオカメラやデジタルカメラ等の他のデータ入力装置であってもよい。また、拡張スロット215にネットワーク用ボードを接続して、ネットワークを介してプログラムや画像データを受け取ることもできる。
【0012】
図3は、本システムにおいてCPU201が実行するメインルーチンを示すフローチャートである。本システムが処理する入力画像データは、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色がそれぞれ8ビット(256階調)の濃度値を有するデータである。この画像データは図2に示されているようなさまざまな入力手段によって入力された画像データである。この画像データは、必要に応じて、解像度変換、変倍等の前処理が行われる。ステップS701において、検出したい円形パターン(マーク)の色に応じて画素をラベリングする2値化処理が行われる。この2値化処理とは、画像データを構成する各画素の円形パターン(マーク)の色についての濃度値が、予め設定された「参照濃度範囲」に含まれるならば、該参照濃度範囲内の濃度値を有する画素を1の値を有するオン画素に設定し、含まれないならば0の値を有するオフ画素に設定することである。次に、ステップS702において、円形パターン候補の位置の検出が行われる。以下のステップは、検出された円形パターン候補が真に検出したい円形パターンか否か検査するために行われる。ステップS703において、検出された円形パターン候補の縦・横の大きさ、縦横比の検査をする。次に、ステップS704において、円形パターン候補の円周上の複数点と円周外の複数点の所定値を有する画素の有無の検査をする(以下、所定値を有する画素、つまりオン画素またはオフ画素を特定画素と呼ぶ)。次に、ステップS705において、2値化された円形パターン候補の特定画素をカウントし、そのカウント数を、参照値のカウント数と比較する濃度検査を行う。ステップS705については、後に詳細に記載する。次にステップS706において、回転を考慮に入れて、検出したい円形パターンと検出された円形パターン候補の周方向および径方向のパターンマッチングを行う。次に、ステップS707において、ステップS703〜ステップS706において行われた検査によって円形パターン候補が検出したい円形パターンと適合しているか否か計算する。
【0013】
次に、濃度検査(図3、S705)における特定画素のカウント方法について説明する。円形パターンの特定画素は、n角形(n≧8)でカウントされる。まず、8角形内の特定画素をカウントする方法について図4を参照して説明する。図4では、検出窓は16画素×16画素である。検出窓内にある円形パターンは、所定の色で2値化されると、図4の右図のようになる。図5は、円形パターンの特定画素を8角形内でカウントするための上から1/3部分の走査方法を説明する図である。(A)1ライン目において、左端から5画素離れた位置から走査が始まり、右端から5画素離れた位置で走査が終わる。2ライン目から6ライン目までは、1ライン走査するごとに、走査する範囲が左右に1ラインずつ増える。つまり、2ライン目は、左端から4画素離れた位置から走査が始まり、右端から4画素離れた位置で走査が終わる。(B)7ライン目から10ライン目において、左端から右端まで走査する。(C)11ライン目から16ライン目においては、1ライン走査するごとに、走査する範囲が左右に1ラインずつ減る。つまり11ライン目は、左端から右端まで走査し、12ライン目は、左端から1画素離れた位置から走査が始まり、右端から1画素離れた位置で走査が終わる。最後に16ライン目は、左端から5画素離れた位置から走査が始まり、右端から5画素離れた位置で走査が終わる。
【0014】
次に、16角形内の特定画素をカウントする方法について図6を参照して説明する。この図6では、検出窓は、20画素×20画素である。検出窓内にある円形パターンは、所定の色で2値化されると、図6の右図のようになる。図7は、円形パターンの特定画素を16角形内でカウントするための上半分の走査方法を説明する図である。▲1▼1ライン目において、左端から8画素離れた位置から走査が始まり、右端から8画素離れた位置で走査が終わる。1ライン目から3ライン目においては、1ライン走査するごとに走査範囲が左右に2画素ずつ増える。▲2▼4ライン目においては、走査範囲が左右に1画素ずつ増える。▲3▼5ライン目から9ライン目においては、1ラインおきに走査範囲が左右に1画素ずつ増える。▲4▼10ライン目においては、左端から右端まで走査する。これで上半分の走査が終わる。下半分は、上半分と対称になるように走査範囲が減る。
【0015】
次に、濃度検査について説明する。ここでは、例として8角形内の特定画素をカウントして濃度検査を行う。図8は、8角形内における特定画素をカウントする方法を説明する図である。図9は、濃度検査のフローチャートである。図10、図11、図12は、それぞれA部分、B部分、C部分の特定画素をカウントする画像処理のフローチャートである。A部分、B部分、C部分は、それぞれ図8において示されている領域である。まず、A部分の特定画素をカウントする(S901)。次に、B部分の特定画素をカウントする(S902)。次に、C部分の特定画素をカウントする(S903)。これらのA部分の特定画素のカウント、B部分の特定画素のカウント、C部分の特定画素のカウント、それぞれについて後に詳細に説明する。次に、ステップS901〜ステップS903においてカウントされた特定画素を合計して、8角形内の特定画素の総合計を求める(S904)。次に、ステップS904によって得られた8角形内の特定画素の総カウント数が、検出したい円形パターンのカウント数と比較してどの程度近いかによって得点を算出する(S905)。以上で、濃度検査が終了し、図3のフローチャートに戻る。
【0016】
これから、図10のフローチャートを用いてA部分のカウント(図9、S901)について説明する。まず、ステップS1001〜ステップS1005において、初期設定を行う。具体的には、カウント数Aを0にセットする(S1001)。次に、mを5にセットする(S1002)。次に、nを5にセットする(S1003)。次に、yをyMinにセットする(S1004)。次に、xをxMin+mにセットする(S1005)。これで初期設定が終了する。
【0017】
次に、(x,y)が特定画素であるか否か判断される(S1006)。(x,y)が特定画素であるならば、
カウント数A=カウント数A+1
とする(S1007)。次に、右隣の座標について調べるために、
x=x+1
とする(S1008)。次に、
x>xMax−m
つまり、(x,y)が右端を越えているか否か判断される(S1009)。右端を越えていないならば、ステップS1006に戻る。右端を越えているならば、
m=m−1
とし(S1010)、
y=y+1
とする(S1011)。次に、
y>yMin+n
つまり、(x,y)がA部分から外れているか否か判断される(S1012)。(x,y)がA部分から外れていないならば、ステップS1005に戻る。A部分から外れているならば、A部分のカウントは終了し、図9のフローチャートに戻る。
【0018】
次に、図11のフローチャートを用いてB部分のカウント(図9、S902)について説明する。まず、ステップS1101〜ステップS1104において、初期設定を行う。具体的には、カウント数Bを0にセットする(S1101)。次に、nを5にセットする(S1102)。次に、yをyMin+nにセットする(S1103)。次に、xをxMinにセットする(S1004)。これで初期設定が終了する。
【0019】
次に、(x,y)が特定画素であるか否か判断される(S1105)。(x,y)が特定画素であるならば、
カウント数B=カウント数B+1
とする(S1106)。次に、右隣の座標について調べるために、
x=x+1
とする(S1107)。次に、
x>xMax
つまり、(x,y)が右端を越えているか否か判断される(S1108)。右端を越えていないならば、ステップS1105に戻る。右端を越えているならば、
y=y+1
とする(S1109)。次に、
y>yMin−n
つまり、(x,y)がB部分から外れているか否か判断される(S1110)。(x,y)がB部分から外れていないならば、ステップS1104に戻る。B部分から外れているならば、B部分のカウントは終了し、図9のフローチャートに戻る。
【0020】
次に、図12のフローチャートを用いてC部分のカウント(図9、S903)について説明する。まず、ステップS1201〜ステップS1204において、初期設定を行う。具体的には、カウント数Cを0にセットする(S1201)。次に、nを5にセットする(S1202)。次に、lを5にセットする(S1203)。次に、yをyMax−n+1にセットする(S1204)。次に、xをxMin+lにセットする(S1005)。これで初期設定が終了する。
【0021】
次に、(x,y)が特定画素であるか否か判断される(S1206)。(x,y)が特定画素であるならば、
カウント数C=カウント数C+1
とする(S1207)。次に、右隣の座標について調べるために、
x=x+1
とする(S1208)。次に、
x>xMax−l
つまり、(x,y)が右端を越えているか否か判断される(S1209)。右端を越えていないならば、ステップS1206に戻る。右端を越えているならば、
l=l+1
とし(S1210)、
y=y+1
とする(S1211)。次に、
y>yMax
つまり、(x,y)がC部分から外れているか否か判断される(S1212)。(x,y)がC部分から外れていないならば、ステップS1205に戻る。C部分から外れているならば、C部分のカウントは終了し、図9のフローチャートに戻る。
【0022】
なお、特定画素は、オン画素であっても、オフ画素であってもよい。さらに、図7において説明されているように、16角形内の上半分の特定画素をカウントし、上半分と下半分が、上半分と下半分の中心に対して対称であるような16角形内で特定画素をカウントすることもできる。8角形または16角形に限定されるわけではなく、例えば32角形などの他の多角形であってもよい。また、さらに、この実施の形態において、A部分のカウント、B部分のカウント、C部分のカウントの順番で、8角形内の特定画素をカウントしているが、この順番は特に限定されるわけではなく、その他の順番で特定画素をカウントしてもよい。
【0023】
したがって、この実施の形態に係る画像処理方法は、矩形内全領域の特定画素をカウントする場合と比べて、n(n≧8)角形内の特定画素だけをカウントする場合は、参照画素が減るために処理時間が短縮でき、さらに、例えば矩形と円形との面積誤差22%に対して、8角形と円形との面積誤差はわずかに4%であるために、精度が高い。また、円形領域内の特定画素をカウントする場合と比べて、n(n≧8)角形内の特定画素だけをカウントする場合は、単純に処理できる。
【0024】
【発明の効果】
円形領域内の特定画素をカウントするよりも、n(n≧8)角形内の特定画素をカウントする方が単純に処理できるので、画像内における円形パターンを高速かつ高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像処理装置の構成の概略を示す図である。
【図2】 画像処理装置の制御装置を中心としたブロック図である。
【図3】 画像処理装置におけるメインルーチンのフローチャートである。
【図4】 8角形内の特定画素をカウントする方法を説明する図である。
【図5】 8角形内の特定画素のカウント範囲を説明する図である。
【図6】 16角形内の特定画素をカウントする方法を説明する図である。
【図7】 16角形内の特定画素のカウント範囲を説明する図である。
【図8】 8角形内の特定画素をカウントする方法を説明する図である。
【図9】 濃度検査のフローチャートである。
【図10】 図8のA部分の特定画素をカウントする画像処理のフローチャートである。
【図11】 図8のB部分の特定画素をカウントする画像処理のフローチャートである。
【図12】 図8のC部分の特定画素をカウントする画像処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 制御装置、 5b フレキシブルディスク、 6 ハードディスク、7 プリンタ、 8 スキャナ、 9b CD−ROM、 20 検出窓、 22 部分画像領域 201 CPU、 203 ROM、 204 RAM。
Claims (9)
- 画像内における円形パターンを検出する画像処理装置において、
画像を2値化する2値化手段と、
8角形または16角形の内の2値化された所定値を有する画素をカウントするカウント手段と、
カウント手段によりカウントされた上記の所定値を有する画素のカウント数で検出対象であるか否かを判断する判断手段と
を有することを特徴とする画像処置装置。 - 2値画像において、上記の所定値を有する画素は、所定値が1のオン画素である請求項1に記載の画像処置装置。
- 2値画像において、上記の所定値を有する画素は、所定値が0のオフ画素である請求項1に記載の画像処理装置。
- 画像内における円形パターンを検出する画像処理方法において、
画像を2値化し、
8角形または16角形の内の2値化された所定値を有する画素をカウントし、
上記の所定値を有する画素のカウント数で検出対象であるか否かを判断する
ことを特徴とする画像処理方法。 - 2値画像において、上記の所定値を有する画素は、所定値が1のオン画素である請求項4に記載の画像処理方法。
- 2値画像において、上記の所定値を有する画素は、所定値が0のオフ画素である請求項4に記載の画像処理方法。
- 画像内における円形パターンを検出する画像処理プログラムであって、画像を2値化する手順と、8角形または16角形の内の2値化された所定値を有する画素をカウントする手順と、上記の所定値を有する画素のカウント数で検出対象であるか否かを判断する手順とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 2値画像において、上記の所定値を有する画素は、所定値が1のオン画素である請求項7に記載の記録媒体。
- 2値画像において、上記の所定値を有する画素は、所定値が0のオフ画素である請求項7に記載の記録媒体。
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