JP4678953B2 - 化粧品調合物 - Google Patents

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は化粧品の分野に属しまた水溶性の特定的なβ−グルカンおよびキトサンの相乗的混合物を含有する、特に皮膚および毛髪をトリートメントするための調合物、そしてまた化粧品物質を製造するためにこの混合物を使用することに関する。
【0002】
(先行技術)
加齢によってもたらされる皺の発生は、例えばエラスチンおよびコラーゲンのようにエラスターゼに関与するいろいろな巨大分子の劣化によって誘発される。例えば乾癬またはUV紅斑のような炎症性の多くの皮膚疾患は、その原因が上部皮膚領域における例えばエラスターゼのようなセリンプロテアーゼの濃度増加に関連づけられることができる[R.Voegeliら、Cosm.Toil.111,51(1996)]。
【0003】
皮膚中の皺の発生には、通常、生理学的活性原理にはよらず、化粧品薬剤によって妨げられる。いわゆる『老化防止製品』の多くは水または水性の活性剤を同伴するリポソームを含有し、これは皮膚の脂肪層を通って表皮に達し、そこで徐々に溶解しまた連続的に水を放出することにより皮膚の退縮を埋め合わせそして皮膚の水分含有率を調整する。しかしながら、この効果は原因への対抗策ではなく、いわゆる『修復効果』を有するにすぎず、これは短期間にわたって続くだけである。皮膚老化用薬剤として特定の多糖類を使用することもまた先行技術から知られている。従って、米国特許第5,223,491号明細書では、酵母菌サッカロミセス・セレビシエから抽出されたカルボキシメチル化β−1,3グルカンを局所的に適用するのに使用することが示唆されている。しかしながら、このグルカンは水に不溶であるから、困難なしに処方されることはできない。ヨーロッパ特許EP−B1 0500718明細書(ドンジス)では、皮膚に再び活力を与えることが知られている、酵母の細胞壁から得られる水溶性のβ−(1,3)グルカンがさらに使用される。最後に、WO 98/40082明細書(ヘンケル)には、皮膚をトリートメントするための活性剤として水溶性β−(1,3)グルカンを使用することが提案されている。しかし、シゾピハランまたはクレスチン、つまり真菌からの抽出物であるのが好ましいこれらのグルカンもまた十分効果的であることは実際には示されていない。
【0004】
従って、本発明の課題は、活力化を改善することにより皮膚のトリートメントの分野で傑出した新規な化粧品薬剤を利用可能にすることである。特に、皮膚の老化、皺の発生および皮膚の粗さが改善されるべきである。
【0005】
(発明の記載)
本発明の目的は、
(a)β−(1,6)結合を実質的に含まない水溶性β−(1,3)グルカンおよび
(b)キトサン
を含有する化粧品調合物である。驚くべきことに、キトサンを添加すると、特定のβ−(1,3)グルカンの皮膚の活力化特性が相乗的に増大するが、逆に特定のβ−(1,3)グルカンはキトサンの皮膜形成特性を決定的に改善する。このようにして、皮膚および毛髪のトリートメントのための薬剤のみならず、特別な性能特性を有する日光防護剤もまた製造することができる。
【0006】
(水溶性β−(1,3)グルカン)
グルカンという用語はグルコースをベースとするホモ多糖類を意味する。立体結合に関係して、β−(1,3)、β−(1,4)およびβ−(1,6)グルカンには差異がある。β−(1,3)グルカンは通常、螺旋構造を示すが、(1,4)結合を有するグルカンは一般に線状構造を有する。本発明のβ−グルカンは(1,3)構造を有する。つまり好ましくない(1,6)結合を実質的に含まない。このようなβ−(1,3)グルカンは、側鎖が専ら(1,3)結合を示す場合に使用されるのが好ましい。特に、薬剤は、サッカロミセス、特にサッカロミセス・セレビシエに属する酵母をベースとして得られるグルカンを含有する。この種のグルカンは既知の方法に従って工業的な量で入手できる。国際特許出願WO 95/30022明細書(Biotec−Mackzymal)には、例えば、このような物質を製造する方法が記載されており、その場合、β−(1,3)およびβ−(1,6)結合を有するグルカンが、β−(1,6)結合のほとんどすべてがゆるめられるようにβ−(1,6)グルカナーゼと接触される。これらのグルカンを製造するのに、トリコデルマ・ハルジアナムをベースとするグルカナーゼを使用するのが好ましい。これらの薬剤中に含まれるグルカンの製造および入手性に関しては、上記の刊行物に言及されている。
【0007】
(キトサン)
キトサンは生体高分子であり、またハイドロコロイドの群に属する。化学的見地から、キトサンは分子量が異なる部分的に脱アセチル化されたキチンであり、また以下の理想化されたモノマー単位を有する。
Figure 0004678953
【0008】
生物学的pH値の範囲内でマイナスに荷電している多くのハイドロコロイドとは対照的に、キトサンはこれらの条件下で陽イオン生体高分子である。プラスに荷電したキトサンは反対に荷電した表面と相互作用する可能性があり、従って、化粧品ヘアケア剤およびボディーケア剤中でそしてまた医薬品製剤中で使用される(Ullmann′s Encyclopedia of Industrial Chemistry,第5版,A6巻,Weinheim, Verlag Chemie,1986,p.231〜332を参照)。これらの主題の要約は、例えば、B.Gessleinら,HAPPI 27,57(1990)中、O.Skaugrud,Drug Cosm.Ind.148,24(1991)中そしてE.Onsoyenら,
Figure 0004678953
中で公にされている。キトサンの製造に際して、キチン、望ましくは安価な原料として大量に入手できる甲殻動物の外殻残留物が出発物質として使用される。そのため、ハックマンらによって最初に述べられた方法を用いることにより、キチンは塩基の添加によってまず脱プロトンされ、無機酸の添加によって脱ミネラルされ、そして強塩基の添加によって最後に脱アセチルされ、これによって分子量が広い範囲に分布されることができる。対応する方法は例えば、Makromol.Chem.177,3589(1976)またはフランス特許出願FR−A1 2701266明細書から知られる。ドイツ特許出願DE−A1 4442987明細書およびDE−A1 19537001明細書(ヘンケル)中に記載され、また10000〜2500000、50000〜500000、望ましくは800000〜1200000ダルトンの平均分子量5000mPasより小さいブルックフィールド粘度(グリコール酸中1重量%)、80〜88%の範囲の脱アセチル化度および灰分含有率0.3重量%未満を有するような種類が使用されるのが好ましい。典型的な陽イオン生体高分子としてのキトサンに加えて、例えばドイツ特許DE−C2 3713099明細書(ロレアル)中そしてまたドイツ特許出願DE−A1 19604180明細書(ヘンケル)中に記載されているように、例えばカルボキシル化、スクシリニル化またはアルコキシル化の生成物のような陰イオン、非イオンでそれぞれ誘導されたキトサンもまた本発明に従って問題になる。
【0009】
本発明の好ましい態様では、調合物は
(a) 0.01〜25重量%、望ましくは0.5〜20重量%そして特に1〜5重量%の、β−(1,6)結合を実質的に含まない水溶性β−(1,3)グルカン、および
(b) 0.01〜5重量%、望ましくは0.5〜3重量%そして特に1〜2重量%のキトサン
を含有するが、ただし使用される量は、水そしておそらくは他の補助物質および追加の物質とともに合計で100重量%になる。
【0010】
(工業的応用)
キトサンを添加すると、グルカンの皮膚の活力化特性および皮膜形成特性が相乗的に増大する結果になる。本発明の別な目的は、化粧品調合物、特に皮膚および毛髪のためのケア剤および清浄剤、そしてまた日光防護剤を製造するために、
(a) β−(1,6)結合を実質的に含まない水溶性β−(1,3)グルカンおよび
(b) キトサン
を含有する混合物を使用することに関する。
【0011】
例えば、ヘアシャンプー、ヘアローション、気泡入浴剤、日光防護剤、フェースケアおよびボディーケア用のローションまたはクリーム、ベビーケア製品、メーキャップ化粧品、ゲルまたは軟膏などのような本発明の調合物は、追加の補助物質または追加物質として穏和な界面活性剤、オイルボディー、乳化剤、超肥満過脂剤、真珠光沢ワックス、コンシステンシー剤、増粘剤、ポリマー、シリコン化合物、脂肪、ロウ、安定化剤、生物活性物質、脱臭剤、ふけ防止剤、皮膜形成剤、膨潤剤、紫外線防護因子、酸化防止剤、無機着色顔料、ハイドロトロープ、保存剤、虫よけ剤、自動日焼剤、可溶化剤、芳香油、着色剤などをさらに含有してよい。
【0012】
穏和な、つまり特に皮膜への親和性のある界面活性剤の典型的な例は、脂肪族アルコールポリグリコールエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート、モノ−および/またはジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α−オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、および/またはタンパク質脂肪酸縮合物であり、この縮合物は小麦タンパク質をベースとするのが好ましい。
【0013】
オイルボディーとしては、例えば、6〜18個、望ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪族アルコールをベースとするゲルベット(Guerbet)アルコール、C6〜C22の線状脂肪酸のC6〜C22の線状脂肪族アルコールとのエステル、C6〜C13の分枝状カルボン酸のC6〜C22の線状脂肪族アルコールとのエステル、例えば、ミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘネートエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネートおよびエルシルエルケートを使用することができる。加えて、C6〜C22の線状脂肪酸の分枝状アルコールとのエステル、特に2−エチルヘキサノール、ヒドロキシカルボン酸のC6〜C22の線状または分枝状脂肪族アルコールとのエステル、特にジオクチルマレエート、線状および/または分枝状脂肪酸の多価アルコール(例えばプロピレングリコール、二量体ジオールまたは三量体トリオールのような)および/またはGuerbetアルコールとのエステル、C6〜C10の脂肪酸をベースとするトリグリセリド、C6〜C18の脂肪酸をベースとするモノ−/ジ−/トリグリセリド、C6〜C22の脂肪族アルコールおよび/またはGuerbetアルコールの芳香族カルボン酸特に安息香酸とのエステル、1〜22個の炭素原子を有する線状または分枝状アルコールあるいは2〜10個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシル基を有する多価アルコールとのC2〜C12のジカルボン酸のエステル、植物油、分枝した1級アルコール、置換されたシクロヘキサン、C6〜C22の線状および分枝状脂肪族アルコールカーボネート、Guerbetカーボネート、C6〜C22の線状および/または分枝状アルコール(例えばFinsolv(登録商標)TN)との安息香酸のエステル、各々のアルキル基中に6〜22個の炭素原子がある線状または分枝状の、対称または非対称のジアルキルエーテル、エポキシド化脂肪酸エステルの多価アルコールとの開環生成物、シリコーン油および/または例えば、スクアラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサンのような脂肪族炭化水素またはナフテン系炭化水素を使用することができる。
【0014】
乳化剤として、例えば、以下の群の少なくとも1つに属する非イオン界面活性剤が使用されてよい。
(1)8〜22個の炭素原子を有する線状脂肪族アルコール、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、およびアルキル基中に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへのエチレンオキサイド2〜30モルおよび/またはプロピレンオキサイド0〜5モルの付加生成物、
(2)エチレンオキサイド1〜30モルおよびグリセロールの付加生成物のC12/18脂肪酸モノ−およびジエステル、
(3)6〜22個の炭素原子を有する飽和および不飽和脂肪酸のグリセロールモノ−およびジエステルならびにソルビタンモノ−およびジエステルそしてこれらのエチレンオキサイド付加生成物、
(4)アルキル基中に8〜22個の炭素原子を有するアルキルモノ−およびオリゴグリコシドならびにエトキシル化類縁体、
(5)エチレンオキサイド15〜60モルのヒマシ油および/または硬化ヒマシ油への付加生成物、
(6)多価アルコールおよび、例えばポリグリセロールポリリシノレエート、ポリグリセロールポリ−12−ヒドロキシステアレートまたはポリグリセロールジメレートイソステアレートのようなポリグリセロールエステル、そしてまたこれらの物質の種類のいくつかに属する化合物の混合物、
(7)エチレンオキサイド2〜15モルのヒマシ油および/または硬化ヒマシ油への付加生成物、
(8)線状、分枝状、不飽和または飽和C6/22脂肪酸、リシノール酸および12−ヒドロキシステアリン酸と、グリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリスライト、ジペンタエリスライト、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)そしてまたポリグルコシド(例えばセルロース)とをベースとする部分エステル、
(9)モノ−、ジ−およびトリアルキルホスフェートそしてまたモノ−、ジ−および/またはトリ−PEGアルキルホスフェートならびにこれらの塩、
(10)羊毛脂アルコール、
(11)ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマーまたは対応する誘導体、
(12)DE 1165574 PSに従うペンタエリスライト、脂肪酸、クエン酸および脂肪族アルコールの混合エステルおよび/または6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコースおよび多価アルコール、望ましくはグリセロールまたはポリグリセロールの混合エステル、
(13)ポリアルキレングリコール、そしてまた
(14)グリセロールカーボネート。
【0015】
脂肪族アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、グリセロールモノ−およびジエステルそしてまた脂肪酸のソルビタンモノ−およびジエステルへの、またはヒマシ油へのエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドの付加生成物が、市販で入手できる既知の生成物である。これらは、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド物質と、ともに付加反応が行われる基質との量比に対応する平均アルコキシル化度を有する同族体の混合物である。化粧品調合物用の可逆的加脂剤として、グリセロールへのエチレンオキサイドの付加生成物のC12/18脂肪酸モノ−およびジエステルがDE 2024051 PS明細書から知られる。
【0016】
8/18アルキルモノ−およびオリゴグリコシド、これらの製造および使用は先行技術から知られている。これらの製造は、グルコースまたはオリゴ多糖類の8〜18個の炭素原子を有する1級アルコールとの反応によって特に実施されることができる。グリコシド残基に関しては、環状の糖基が脂肪族アルコールへのグリコシド結合であるモノグリコシドおよびオリゴマー化度が望ましくは約8までであるオリゴマーグリコシドの双方が好適である。この場合、オリゴマー化度は、工業的品質を有するこのような製品にとって普通である同族体の分布に基づく統計的平均値である。
【0017】
乳化剤として双性イオン界面活性剤もまた使用することができる。双性イオン界面活性剤という用語は少なくとも1つの4級アンモニウム基と少なくとも1つのカルボキシレート基および1つのスルホネート基を分子中に有する界面活性化合物を意味する。特に好適な双性イオン界面活性剤は、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、および2−アルキル−3−カルボキシルメチル−ヒドロキシエチルイミダゾリンであってアルキルまたはアシル基中に8〜12個の炭素原子をそれぞれの場合に有するもの、そしてまたココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシルメチルグリシネートのようないわゆるベタインである。特に好ましいのは、CTFAの用語でココアミドプロピルベタインとして知られる脂肪酸アミド誘導体である。やはり好適な乳化剤は両性界面活性剤である。両性界面活剤は、分子内のC8/18アルキルまたはアシル基に加えて遊離のアミノ基と少なくとも1つの−COOHまたは−SO3H基を少なくとも有しまた内部塩を生成することができるような界面活性化合物である。好適な両性界面活性剤の例は、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸であってアルキル基中に約8〜18個の炭素原子をそれぞれの場合に有するものである。特に好ましい両性界面活性剤はN−ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12/18アシルサルコシンである。両性界面活性剤に加えて、4級乳化剤もまた使用することができ、そのうちエステルカット(esterquat)の種類のエステル塩、望ましくはメチル4級化ジ−脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩が殊に好ましい。
【0018】
加脂剤としては、例えばラノリンおよびレシチンそしてまたポリエトキシル化またはアシル化ラノリンまたはレシチン誘導体、多価アルコール脂肪酸エステル、モノグリセリドおよび脂肪酸アルカノールアミドのような物質が使用されることができ、この場合、最後に挙げたものは泡沫安定剤として同時に働く。
【0019】
真珠光沢ロウの例として、以下を挙げるねばならない。
アルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、特にココ脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;6〜22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールとの多価のおそらくはヒドロキシ置換されたカルボン酸のエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;例えば脂肪族アルコール、脂肪族ケトン、脂肪族アルデヒド、脂肪族エーテルおよび脂肪族カーボネートであって炭素原子の合計数が少なくとも24であるもの特にラウロンおよびジステアリルエーテルのような脂肪物質;ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘニン酸のような脂肪酸、12〜22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドの12〜22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールとのおよび/または2〜15個の炭素原子と2〜10個のヒドロキシル基を有する多価アルコールとの開環生成物そしてまたこれらの混合物。
【0020】
コンシステンシー付与剤としては、12〜22個、望ましくは16〜18個の炭素原子を有する脂肪族アルコールまたはヒドロキシ脂肪族アルコール、そして追加的に部分グリセリド、脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸を使用するのが好ましい。これらの物質とアルキルオリゴグルコシドおよび/または鎖長の等しい脂肪酸−N−メチルグルカミドおよび/またはポリグリセロール−ポリ−12−ヒドロキシステアレートとの組み合わせ。
【0021】
好適な増粘剤は例えば、エアロシルのタイプのもの(親水性の珪酸)、多糖類、特にキサンタンガム、グアーガム、寒天、アルギネートおよびチロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、そしてまた脂肪酸の分子量がより大きいポリエチレングリコールモノ−およびジエステル、ポリアクリレート(例えば、グッドリッチ社のCarbopol(登録商標)またはシグマのSynthalenes(登録商標))、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、界面活性剤例えばエトキシル化脂肪酸グリセリド、例えばペンタエリスライトまたはトリメチロールプロパンのような多価アルコールとの脂肪酸エステル、同族体オリゴグルコシドまたはアルキルグルコシドの狭い分布を有する脂肪族アルコールエトキシレートそしてまた塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムのような電解質である。
【0022】
好適な陽イオンポリマーの例は、例えばアマコール社のPolymer JR 400(登録商標)の名称で入手できる4級化ヒドロキシエチルセルロースのような陽イオンセルロース誘導体、陽イオン澱粉、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドのコポリマー、例えばLuviquat(登録商標)(BASF)のような4級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、ポリグリコールとアミンとの縮合生成物、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン
Figure 0004678953
のような4級化コラーゲンポリペプチド、4級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、例えば、アミドメチコンのような陽イオンシリコーンポリマー、アジピン酸とヒドロキシプロピルジエチレントリアミン(Cartaretine(登録商標)/サンド)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロライド(Merquat(登録商標)550/Chemviron)、例えばFR 2252840 A明細書に記載のようなポリアミンポリアミドそしてまたこれの架橋された水溶性ポリマー、例えば4級化キトサンのような陽イオンキチン誘導体、例えばジブロモブタンのようなジハロゲンアルキルの例えばビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパンのようなビスジアルキルアミンとの縮合生成物、例えばセラニーズ社のJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C−17、Jaguar(登録商標)C−16のような陽イオングアー−ガム、例えばミラノール社のMirapol(登録商標)A−15、Mirapol(登録商標)AD−1、Mirapol(登録商標)AZ−1のような4級化アンモニウム塩ポリマーである。
【0023】
陰イオン、双性イオン、両性イオンおよび非イオンポリマーの例として以下を使用することができる:ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/マレイン酸無水物コポリマーおよびそのエステル、非架橋のおよび多価アルコールで架橋されたポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/第3−ブチルアミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマーそしてまたおそらくは誘導されたセルロースエーテルおよびシリコーン。
【0024】
好適なシリコーン化合物は例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーンそしてまた、室温で液状および樹脂状態にあることができるアミノ、脂肪酸、アルコール、ポリエーテル、エポキシ、フッ素、グリコシドおよび/またはアルキル変性された珪素化合物である。さらに、平均鎖長がジメチルシロキサン単位200〜300のジメチコンと水素化珪酸塩との混合物であるシメチコンが好適である。好適な揮発性シリコーンに関する詳細な概観もまたToddら、Cosm.Toil.91,27(1976)中にやはり見いだすことができる。
【0025】
典型的な脂肪の例はグリセリドであり、またロウは、いろいろあるうち、例えばキャンデリラロウ、カルナバロウ、木蝋、エスパルトグラスロウ、コルクロウ、グァルマロウ、米籾油ロウ、サトウキビロウ、オウリカリー(ouricury)ロウ、モンタンロウ、蜜蝋、シェラックロウ、スペルマセティ、ラノリン(羊毛脂)、ビュルツェル脂肪、セレシン、オゾケライト(テレストリアルワックス)、ペトロラタム、パラフィンロウ、微晶ロウ;例えばモタネスターロウ、サソットロウ、水素化ジョジョバロウのような化学的に変性されたロウ(硬いロウ)のような天然ロウ、そしてまた例えばポリアルキレンロウおよびポリエチレングリコールロウのような合成ロウを使用することができる。
【0026】
安定剤としては、例えばマグネシウム、アルミニウムおよび/または亜鉛のステアレートまたはリシノレートのような脂肪酸の金属塩を使用することができる。
【0027】
生物活性物質とは、例えばトコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、デゾキシリボ核酸、レトノール、ビスアボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、シュードセラミド、精油、植物抽出物およびビタミン複合体と理解すべきである。
【0028】
デオ(deo)活性剤としては、アルミニウムクロロハイドレートのような発汗防止剤が問題となる。この薬剤は、空気中で容易に融解する無色で吸湿性の結晶の形をとり、また塩化アルミニウムの水溶液を蒸発することにより得られる。アルミニウムクロロハイドレートは発汗防止および脱臭調合物を製造するのに使用され、またタンパク質および/または多糖類の沈殿による汗腺の部分的閉塞によっておそらくその作用を行う[J.Soc.Cosm.Chem.24,281(1973)参照]。フランクフルト/FRGのヘキスト社のLocron(登録商標)の下で例えばアルミニウムクロロハイドレートが市場にでており、これは式[Al2(OH)5Cl]・2.5H2Oに相当し、またこれの使用が特に好ましい(J.Pharm.Pharmacol.26,531(1975)参照)。クロロハイドレートに加えてアルミニウムヒドロキシラクテートおよび酸アルミニウム/ジルコニウム塩もまた使用できる。別なデオ活性剤としてエステラーゼ阻害剤を添加することができる。これはトリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレートおよび特にトリエチルシトレート(Hydagen(登録商標)CAT,ヘンケル社ヂュッセルドルフ/FRG)のようなトリアルキルシトレートであるのが好ましい。これらの物質は酵素活性を阻害し、そしてこれによって臭いの発生が減少する。この際、クエン酸エステルの分解によって遊離の酸がおそらく遊離され、この酸が皮膚のpH値を著しく低下することにより酵素が阻害される。さらに、エステラーゼ阻害剤として使用することができる物質は、例えばラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スティグマステロールおよびシトステロールサルフェートまたはホスフェートのようなステロールサルフェートまたはホスフェート、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸およびマロン酸ジエチルエステルのようなジカルボン酸およびそのエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸または酒石酸ジエチルエステルのようなヒドロキシカルボン酸およびそのエステルである。細菌フローラに影響を及ぼしまた汗を分解するバクテリアを殺しあるいはその増殖を阻害する抗菌活性物質もまたピン調合物中に含まれることができる。これの例はキトサン、フェノキシエタノールおよびクロロヘキシジングルコネートである。5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェン−オキシ)−フェノールもまた特に良好な効果を有することが示されており、またこの製品はスイスのバーゼルのチバ−ガイギ社によってIrgassen(登録商標)の商品名で販売されている。
【0029】
ふけ防止剤としては、クリマゾール、オクトピロックスおよび亜鉛ピレチオンを使用することができる。使用できる皮膜形成剤は例えば、キトサン、微結晶キトサン、4級キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、アクリル酸のポリマー、セルロースの4級誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸またはその塩そして類似の化合物である。水性相のための膨潤剤として、モンモリロナイト、粘土鉱物物質、ペムレンそしてまたアルキル変性されたCarbopolタイプのもの(Goodrich)を使用することができる。好適な別なポリマーまたは膨潤剤はCosm.Toil.108,95(1993)中のR.Lochheadによる概観中に見いだすことができる。
【0030】
紫外線防護因子は例えば、室温で液状または結晶状であり、また紫外線を吸収し、そして長波長を有する放射線の形で、例えば熱の形で受容したエネルギーを放出することができる有機物質(光線防護濾光剤)である。UVB濾光剤は油または水の中に溶解可能である。油溶性物質の例として以下を挙げることができる。
・ 3−ベンジリデンカンファー、3−ベンジリデンノルカンファーおよびこれらの誘導体、例えばEP−B1 0693471明細書中に記載の3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、
・ 4−アミノ安息香酸誘導体、望ましくは4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシルエステル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−オクチルエステルおよび4−(ジメチルアミノ)安息香酸アミルエステル、
・ シナモン酸のエステル、望ましくは4−メトキシシナモン酸2−エチルヘキシルエステル、4−メトキシシナモン酸プロピルエステル、4−メトキシシナモン酸イソアミルエステル、2−シアノ−3,3−フェニルシナモン酸2−エチルヘキシルエステル(オクトクリレン)、
・ サリチル酸のエステル、望ましくはサリチル酸2−エチルヘキシルエステル、サリチル酸4−イソプロピルベンジルエステル、サリチル酸ホモメンチルエステル、
・ ベンゾフェノンの誘導体、望ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4′−メチルベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
・ ベンザルマロン酸のエステル、望ましくは4−メトキシベンズマロン酸2−エチルヘキシルエステル、
・ 例えばEP A1 0818450明細書中に記載のごとき2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2′−エチル−1′−ヘキシロキシ)−1,3,5−トリアジンのようなトリアジン誘導体、
・ 例えば1−(4−第3−ブチルフェニル)−3−(4′−メトキシ−フェニル)−プロパン−1,3−ジオンのようなプロパン−1,3−ジオン、
・ EP−B1 06945521明細書中に記載のようなケトトリシクロ(5,2,1,0)−デカン誘導体。
水溶性物質として以下を挙げることができる。
・ 2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ならびにアルカリ、アルカリ土類、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムおよびグルカンモニウム塩、
・ ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、望ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびその塩、
・ 例えば4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)−ベンゼンスルホン酸および2−メチル−5−(2−オキソ−ボルニリデン)スルホン酸およびその塩。
【0031】
典型的なUV−A濾光剤として、例えば1−(4′−第3−ブチルフェニル)−3−(4′−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−第3ブチル−4′−メトキシジベンゾイル−メタン(Parsol 1789)または1−フェニル−3−(4′−イソプロピルフェニル−プロパン−1,3−ジオンのようなベンゾイルメタンの誘導体が特に問題になる。UV−AおよびUV−B濾光剤もまたもちろん混合物で使用されることができる。この場合、オクトクリレンまたはカンファー誘導体とブチルメトキシジベンゾイルメタンとの組み合わせが特に光感受性である。
【0032】
上記の可溶性物質に加えて、不溶性の光防護顔料つまり微細に分散した金属酸化物または塩もまた本目的に使用されることができる。好適な金属酸化物の例は特に酸化亜鉛および二酸化チタン、そしてさらに鉄、ジルコニウム、珪素、マンガン、アルミニウムおよびセリウムの別な酸化物、そしてまたこれらの混合物である。塩として珪酸塩(タルク)、硫酸バリウムまたはステアリン酸亜鉛が使用できる。酸化物および塩はスキンケア乳濁液および皮膚保護乳濁液そしてメーキャップ化粧品のための顔料の形で使用される。粒子は100nmより小さい、望ましくは5〜50nmそして特に15〜30nmの平均直径を有すべきである。粒子は球形を有してよいが、楕円形状を有するかさもなくば球形とは異なる形状を有する粒子もまた使用されることができる。日光防護剤中にはいわゆるミクロまたはナノ顔料を使用するのが好ましい。微粉化された酸化亜鉛を使用するのが好ましい。好適な別な紫外線防護因子は、
Figure 0004678953
か1996中のP.Finkelによる概観中に見いだすことができる。
【0033】
主要な日光防護物質に加えて、紫外線が皮膚を透過するときに開始される光化学反応鎖を妨げる酸化防止剤型の第2の日光防護物質もまた使用される。このようなものの典型的な例はアミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびその誘導体、D,L−カモシン、D−カモシン、L−カモシンおよびこれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロチン(例えばα−カロチン、β−カロチン、リコピン)およびその誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポニン酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポニン酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびこれらのグリコシル、n−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグルセリルエステル)そしてまたこれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびこれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、リピド、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよびこれらの塩)そしてまた極めて小さい適応投与量(例えばPモル〜マイクロモル/kg)のスルホキミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタ−、チオニンスルホキシミン)、別な(金属)キレート化剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)フミン酸、没食子酸、没食子エキス、ビリルビン、ビフィベルディン、EDTA,EGTAおよびこれらの誘導体、不飽和脂肪酸および誘導体(例えばγ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびこれらの誘導体、ビタミンCおよびその誘導体(例えばアスコルビルパルミテート、Mg−アスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロールおよびその誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンAおよびその誘導体(ビタミンAパルミテート)そしてまたベンゾエ樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログァジャック樹脂、ノルヒドロキシグァジャレット酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびこれらの誘導体、マンノースおよびその誘導体、スーパーオキサイドジスムターゼ、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO,ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えばセレン−メチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(スチルベンオキサイド、トランス−スチルベンオキサイド)、そして以上述べた活性物質の本発明に従って好適な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)である。
【0034】
流動特性をさらに改善するために、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、または多価アルコールのようなハイドロトロープをさらに使用することができる。この場合使用するのが好ましい多価アルコールは2〜15個の炭素原子と少なくとも2個のヒドロキシ基を有する。多価アルコールは追加的な官能基、特にアミノ基をさらに含むことができ、あるいは窒素によって変性されることができる。典型的な例は、
・ グリセロール、
・ 例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールそしてまた平均分子量が100〜1000ダルトンであるポリエチレングリコール、
・ 例えばジグリセロール含有率が40〜50重量%である工業用品質のジグリセロール混合物のような自己縮合度が1.5〜10である工業用品質のオリゴグリセロール混合物、
・ 特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリットおよびジペンタエリスリットのようなメチロール化合物、
・ 例えばメチルグルコシドおよびブチルグルコシドのような特にアルキル残基中に1〜8個の炭素原子を有する低級アルキルグルコシド、
・ 例えばソルビトールまたはマンニットのような5〜12個の炭素原子を有する糖アルコール、
・ 例えばグルコースまたはサッカロースのような5〜12個の炭素原子を有する糖、
・ 例えばグルカミンのようなアミノ糖、
・ ジエタノールアミンまたは2−アミノ−1,3−プロパンジオールのようなジアルコールアミン
である。
【0035】
保存剤として、例えばフェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸そしてまた、化粧品規制のA部およびB部の第6に記載のようなものが別な部類の物質である。虫よけ剤としてはN,N−ジエチル−m−トルアミド、1,2−ペンタンジオールまたは虫よけ剤3535が問題となり、自動日焼剤としてジヒドロキシアセトンが好適である。
【0036】
香油としては天然および合成の芳香物質の混合物を挙げねばならない。天然の芳香物質は花(ユリ、ラベンダー、ばら、ジャスミン、ネルロリ(nerloli)、イラン−イラン)、茎および葉身(ゼラニウム、パチューリ、プティグラン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウェイ、ビャクシン)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(マシス、アンジェリカ、セロリー、カルダモン、コスタス、アヤメ、カルマス)、木部(ストーンパイン、サンデル、グァヤック、杉、ローズウッド)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉および小枝(スプルス、モミ、マツ、トレプセッド(traipsed))、樹脂およびバルサン(ガルバヌム、エレミ、ベンゾエ、ミルラ、乳香、オポパナックス)の抽出物である。例えば麝香およびカストリウムのような動物性原料もまた可能である。典型的な合成的芳香化合物はエステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素の種類の生成物である。エステルの種類の芳香化合物は例えばベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p−第3−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホーメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネートおよびベンジルサリチレートである。ベンジルエチルエーテルは例えば、エーテル、アルデヒド例えば8〜18個の炭素原子を有する線状アルカネート、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアル(lilial)およびブルジェオナール(bourgeonal)、ケトン例えばイオノン、α−イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトン、アルコールアネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゼラニオール、リナノール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオール、主としてテルペンおよびバルサンが属する炭化水素に属する。しかしながら、一緒になって良い匂いのする異なる種類の芳香物質の混合物が好ましい。香気化合物としてしばしば使用される低揮発性のエーテラール油、例えばセージ油、カモミール油、カーネーション油、メリッサ油、ミント油、シナモンの葉の油、ライムフラワー油、ビャクシンの実の油、ベティバー油、オリバン油、ガルバヌム油、ラボラヌム油およびラバンディン油も香油として好適である。ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアル、リラル、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシナモンアルデヒド、ゼラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサンブレンフォルテ(boisambrene forte)、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデリス、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタル、ラバンジン油、マスカテラーセージ油、β−ダマスコン、ゼラニウム油ブルボン、シクロヘキシルサリチレート、ベルトフィックスクール(vertofix coeur)、イソ−E−スーパー、フィクソリドNP、エヴェミル、イライデインガンマ、フェニル酢酸、ゼラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキサイド、ロミレート、イロチルおよびフロラメートを単独でまたは混合物で使用するのが好ましい。
【0037】
着色剤として、例えば、WeinheimのVerlag Chemieによって1984年に刊行された″Farbstoffkommission der Deutschen Forshungsgemeinschaft″の81〜106ページの文献
Figure 0004678953
(cosmetic dyes)中に記載の物質のような、化粧品用に好適でまた認可された物質を使用することができる。これらの染料は全混合物に基づき0.001〜0.1重量%の濃度で一般に使用される。
【0038】
菌阻害性物質の典型例は、2,4,4′−トリクロロ−2′−ヒドロキシジフェニルエーテル、クロロヘキシジン(1,6−ジ−(4−クロロフェニル−ビグアニド−ヘキサン))またはTCC(3,4,4′−トリクロロカルバニリド)のようにグラム陽性菌に対する特異作用のある保存剤である。多くの匂い物質およびエーテラール油もまた抗菌特性を有する。典型例は活性剤オイゲノール、メントールおよびカーネーション中のチモール、ミントおよびタイム油である。興味ある天然デオ物質は、ライムフラワー油中に存在し谷間のユリの香りのするテルペンアルコールファメゾール(3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエン−1−オール)である。グリセロールモノラウレートもまた静菌剤として使用されてきた。別な細菌阻害剤の含有率は通常、調合物の含有する固形物に基づき約0.1〜2重量%である。
【0039】
補助および追加の薬剤の累積含有率は薬剤基準で1〜50、望ましくは5〜40重量%であることができる。薬剤の製造は低温度または高温度の普通の方法によって実施されることができる。作業は相反転温度法に従って実施されるのが好ましい。
【0040】
実施例
年齢35〜50歳の女性のプロバンド15人からなる被験者集団を28日の期間にわたって異なるグルカンおよび/またはキトサンに毎日暴露した。プロバンド達は就寝前に皮膚クリームを毎日使用した。皮膚の選定した箇所つまり幅が2cmそして長さが5cmで、上方に左右の境界がある細長い部分のプロフィル測定によって参加する各人の皮膚の皺の数、深さおよび長さを7日間隔で測定した。この部分は、鼻の付け根から水平線をひくとき、これからそして右目に対してそれぞれ2cm、4cmのところにあり、離れておりまたそれぞれの場合に生まれる両方の点が270°の角度で各々の場合2cm延びている。暴露開始の前日の皮膚の皺の深さ、数および長さの無次元の積を基準(=100%)にとり、以降のすべての測定をこれに準拠した。同時に、プロバンドの皮膚の粗さを0=『変化なし』から3=『著しく改善』までの指標で評価した。結果を表1に要約した。実施例1および2は本発明に従うものであり、実施例V1からV3は比較のためのものである。
Figure 0004678953

Claims (13)

  1. (a)主鎖としてβ−(1,3)結合鎖を有し、β−(1,3)側鎖を含有し、β−(1,6)結合鎖を実質的に含まない分枝水溶性β−(1,3)グルカンおよび
    (b)キトサン
    を含有する化粧品調合物。
  2. サッカロミセス科に属する酵母をベースとして得られるグルカンを含有する、請求項1に記載の調合物。
  3. 実質的にすべてのβ−(1,6)結合が解かれるように、β−(1,3)およびβ−(1,6)結合を有するグルカンをβ−(1,6)グルカナーゼと接触することにより得られるグルカンを含有する、請求項1または2に記載の調合物。
  4. トリコデルマ・ハルジアナムをベースとするグルカナーゼによって予め処理されているグルカンを使用する、請求項3に記載の調合物。
  5. 50000〜500000ダルトンの範囲の分子量を有するキトサンを含有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の調合物。
  6. 800000〜1200000ダルトンの範囲の分子量を有するキトサンを含有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の調合物。
  7. カルボキシル化キトサンを含有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の調合物。
  8. スクシニル化キトサンを含有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の調合物。
  9. a)主鎖としてβ−(1,3)結合鎖を有し、β−(1,3)側鎖を含有し、β−(1,6)結合鎖を実質的に含まない0.01〜25重量%の分枝水溶性β−(1,3)グルカンおよび
    (b)0.01〜5重量%のキトサン
    を含有するが、ただし、上記の量が水によって100重量%まで増補される、請求項1から5のいずれか1項に記載の調合物。
  10. (a)主鎖としてβ−(1,3)結合鎖を有し、β−(1,3)側鎖を含有し、β−(1,6)結合鎖を実質的に含まない0.01〜25重量%の分枝水溶性β−(1,3)グルカンおよび
    (b)0.01〜5重量%のキトサン
    を含有するが、ただし、上記の量が水、他の補助剤および追加的な薬剤によって100%重量%まで増補される、請求項9に記載の調合物。
  11. (a)主鎖としてβ−(1,3)結合鎖を有し、β−(1,3)側鎖を含有し、β−(1,6)結合鎖を実質的に含まない分枝水溶性β−(1,3)グルカンおよび
    (b)キトサン
    を含有する、の皮膚の老化及び粗さを改善するための化粧品調合物の使用。
  12. (a)主鎖としてβ−(1,3)結合鎖を有し、β−(1,3)側鎖を含有し、β−(1,6)結合鎖を実質的に含まない分枝水溶性β−(1,3)グルカンおよび
    (b)キトサン
    を含有する、皮膚の老化及び粗さを改善するための化粧品調合物。
  13. (a)主鎖としてβ−(1,3)結合鎖を有し、β−(1,3)側鎖を含有し、β−(1,6)結合鎖を実質的に含まない分枝水溶性β−(1,3)グルカンと、(b)キトサンとを組み合わせる工程を含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の化粧品調合物の製造方法。
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