JP4678813B2 - コンベアベルト用殺菌性潤滑剤及びコンベアベルトの殺菌潤滑方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコンベアベルト用殺菌性潤滑剤及びコンベアベルトの殺菌潤滑方法に関する。アルコール飲料、清涼飲料、果実ジュース、野菜ジュース、牛乳等の容器詰め工程では、これらを充填密封するビン、缶、プラスチック等の容器の移送にコンベアベルトが使用される。かかるコンベアベルトには一般に、その表面と容器との間の動摩擦力を低下させて容器の円滑な移送を促すと共に雑菌汚染を防止するため、コンベアベルト用殺菌性潤滑剤が使用される。容器詰め工程の一層の高速化及び無菌化、更には維持・管理の省力化(メンテナンスフリー)が図られる近年においては、コンベアベルト用殺菌性潤滑剤に対しても、このような高速化及び無菌化、更には省力化に対応できる高性能のコンベアベルト用殺菌性潤滑剤の出現が要請されるのはいうまでもない。本発明はかかる要請に応えるコンベアベルト用殺菌性潤滑剤及びコンベアベルトの殺菌潤滑方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンベアベルト用殺菌性潤滑剤として、1)両性界面活性剤や第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤とN−高級アルキルグリシンや高級アルキルアミンとを併用した例(特公昭49−17993)、2)カチオン性界面活性剤と高級脂肪酸石鹸とを併用した例(特開平1−96294)、3)第四級アンモニウム型カチオン性界面活性剤とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルとを併用した例(特開平2−97592)、4)イミダゾリニウムベタインを用いた例(特開平9−310087)、5)グリシン誘導体とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルとを併用した例(特開平11−80773)等が提案されている。ところが、これら従来のコンベアベルト用殺菌性潤滑剤には、容器詰め工程の一層の高速化及び無菌化が図られる近年において、潤滑性を充足しようとすると殺菌性が不足し、逆に殺菌性を充足しようとすると潤滑性が不足して、潤滑性及び殺菌性を同時に充足できないという問題があり、なかには希釈水の硬度成分によりスカムが発生し、該スカムによってコンベアベルト用殺菌性潤滑剤希釈液の供給ノズルが詰まったり、コンベアベルトが汚染されるため、容器詰工程の維持・管理に手間がかかり、省力化に逆行するものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、容器詰め工程の一層の高速化及び無菌化、更には省力化が図られる近年において、これらに対応する高度の潤滑性及び殺菌性を同時に充足し、しかもスカムの発生を抑えることができるコンベアベルト用殺菌性潤滑剤及びコンベアベルトの殺菌潤滑方法を提供する処にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、コンベアベルト用殺菌性潤滑剤として、特定のイミダゾリン化合物の塩を用いることが正しく好適であることを見出した。
【0005】
すなわち本発明は、下記の式1で示されるイミダゾリン化合物のリンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩及びオルトリン酸塩から選ばれる一つ又は二つ以上から成ることを特徴とするコンベアベルト用殺菌性潤滑剤に係る。また本発明は、かかるコンベアベルト用殺菌性潤滑剤を濃度0.01〜1重量%の水性液となし、該水性液をコンベアベルト1m2当たり3〜300mlの割合となるようコンベアベルトに供給することを特徴とするコンベアベルトの殺菌潤滑方法に係る。
【0006】
【式1】
【0007】
式1において、
R1:炭素数11〜17の脂肪族炭化水素基
A:2−ヒドロキシエチル基又は2−アミノエチル基
【0008】
本発明に係るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤には、1)式1で示されるイミダゾリン化合物の有機酸塩として、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、2)式1で示されるイミダゾリン化合物の無機酸塩としてオルトリン酸塩、3)前記1)と2)との混合物が含まれる。そして式1で示されるイミダゾリン化合物の有機酸塩や無機酸塩には1分子の式1で示されるイミダゾリン化合物と1/n分子〜1分子のn価の有機酸や無機酸とから形成されたものが含まれる。
【0009】
式1で示されるイミダゾリン化合物において、式1中のR1としては、1)ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、イソヘプチル基、イソヘプタデシル基等の炭素数11〜17の飽和脂肪族炭化水素基、2)ウンデセニル基、ペンタデセニル基、ヘプタデセニル基等の炭素数11〜17の不飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。なかでもトリデシル基、イソヘプタデシル基、ヘプタデセニル基が好ましい。
【0010】
式1で示されるイミダゾリン化合物において、式1中のAは、2−ヒドロキシエチル基又は2−アミノエチル基である。
【0011】
以上説明した式1で示されるイミダゾリン化合物をより具体的に例示すると、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ペンタデセニル−2−イミダゾリン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イソヘプタデシル−2−イミダゾリン、1−(2−アミノエチル)−2−トリデシル−2−イミダゾリン、1−(2−アミノエチル)−2−ヘプタデセニル−2−イミダゾリン、1−(2−アミノエチル)−2−イソヘプタデシル−2−イミダゾリン等が挙げられる。これらのイミダゾリン化合物それ自体は、公知の方法で合成できる。例えば、脂肪酸1モルとジエチレントリアミンやアミノエチルエタノールアミン等のポリアミン化合物1モルとを脱水・環形成反応させることにより合成できる。
【0012】
本発明に用いる式1で示されるイミダゾリン化合物の有機酸塩は、以上説明したような式1で示されるイミダゾリン化合物と有機酸とから形成される。かかる有機酸は、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸である。式1で示されるイミダゾリン化合物のかかる有機酸塩は、式1で示されるイミダゾリン化合物と有機酸との塩形成反応により得られる。かかる塩形成反応において、式1で示されるイミダゾリン化合物1分子に対するn価の有機酸の使用割合は、1/n分子〜1分子である。例えば、n価の有機酸が3価のクエン酸の場合、式1で示されるイミダゾリン化合物1分子に対してクエン酸1/3分子〜1分子の割合で使用する。
【0013】
本発明に用いる式1で示されるイミダゾリン化合物の無機酸塩は、以上説明したような式1で示されるイミダゾリン化合物と無機酸とから形成される。かかる無機酸は、オルトリン酸である。式1で示されるイミダゾリン化合物のかかる無機酸塩は、式1で示されるイミダゾリン化合物と無機酸との塩形成反応により得られる。かかる塩形成反応において、式1で示されるイミダゾリン化合物1分子に対するn価の無機酸の使用割合は、1/n分子〜1分子である。例えば、n価の有機酸が3価のオルトリン酸の場合、式1で示されるイミダゾリン化合物1分子に対してオルトリン酸1/3分子〜1分子の割合で使用する。
【0014】
本発明に係るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤を用いてコンベアベルトを殺菌潤滑する場合、本発明に係るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤を水で0.01〜1重量%の水性液となし、好ましくは0.03〜0.3重量%の水性液となし、かかる水性液をコンベアベルトに供給する。水性液のコンベアベルトに対する供給量は、コンベアベルト1m2当たり3〜300mlの割合となるようにするが、5〜100mlの割合となるようにするのが好ましい。供給方法としては公知の方法が適用できる。例えば、コンベアベルト用殺菌性潤滑剤を水希釈するミキシングタンクに定量ポンプを接続し、該定量ポンプに供給管を接続して、該供給管の先端にコンベアベルトを臨むノズルを取付け、ミキシングタンク内の水性液を定量ポンプ→供給管→ノズルの経路でコンベアベルト上にスプレーする。
【0015】
本発明に係るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤の水性液は、公知の殺菌剤である次亜塩素酸塩の水溶液に対して安定であるため、これを併用することにより、殺菌性を更に高めることができる。この場合、次亜塩素酸塩の使用量は、コンベアベルト用殺菌性潤滑剤100重量部当たり0.1〜40重量部の割合となるようにする。双方を併用する場合にその方法としては、1)コンベアベルト用殺菌性潤滑剤の水性液と次亜塩素酸の水溶液との混合液をコンベアベルトに供給する方法、2)コンベアベルト用殺菌性潤滑剤の水性液と次亜塩素酸の水溶液とを別々にコンベアベルトに供給する方法が挙げられる。
【0016】
本発明に係るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤をコンベアベルトに供給するに際しては、各種の軟水化剤、消泡剤、安定化剤等を適宜使用できるが、これらの使用量は可及的に少量とするのが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤の実施形態としては、次の1)〜16)が挙げられる。
1)1−(2−アミノエチル)−2−ヘプタデセニル−2−イミダゾリン1モルに対しクエン酸1モルの割合で用いて得られる、イミダゾリン化合物のクエン酸塩から成るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤。
【0018】
2)1−(2−アミノエチル)−2−ヘプタデセニル−2−イミダゾリン1モルに対しリンゴ酸0.8モルの割合で用いて得られる、イミダゾリン化合物のリンゴ酸塩から成るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤。
【0019】
3)1−(2−アミノエチル)−2−ヘプタデセニル−2−イミダゾリン1モルに対し酒石酸0.9モルの割合で用いて得られる、イミダゾリン化合物の酒石酸塩から成るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤。
【0020】
4)1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ヘプタデセニル−2−イミダゾリン1モルに対しクエン酸0.7モルの割合で用いて得られる、イミダゾリン化合物のクエン酸塩から成るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤。
【0021】
5)1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ヘプタデセニル−2−イミダゾリン1モルに対しリンゴ酸0.8モルの割合で用いて得られる、イミダゾリン化合物のリンゴ酸塩から成るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤。
【0022】
6)1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ヘプタデセニル−2−イミダゾリン1モルに対し酒石酸0.9モルの割合で用いて得られる、イミダゾリン化合物の酒石酸塩から成るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤。
【0023】
7)1−(2−アミノエチル)−2−イソヘプタデシル−2−イミダゾリン1モルに対しリンゴ酸0.8モルの割合で用いて得られる、イミダゾリン化合物のリンゴ酸塩から成るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤。
【0024】
8)1−(2−アミノエチル)−2−イソヘプタデシル−2−イミダゾリン1モルに対し酒石酸0.9モルの割合で用いて得られる、イミダゾリン化合物の酒石酸塩から成るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤。
【0025】
9)1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イソヘプタデシル−2−イミダゾリン1モルに対しクエン酸0.7モルの割合で用いて得られる、イミダゾリン化合物のクエン酸塩から成るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤。
【0026】
10)1−(2−アミノエチル)−2−トリデシル−2−イミダゾリン1モルに対しクエン酸0.9モルの割合で用いて得られる、イミダゾリン化合物のクエン酸塩から成るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤。
【0027】
11)1−(2−アミノエチル)−2−トリデシル−2−イミダゾリン1モルに対し酒石酸0.9モルの割合で用いて得られる、イミダゾリン化合物の酒石酸塩から成るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤。
【0028】
12)1−(2−ヒドロキシエチル)−2−トリデシル−2−イミダゾリン1モルに対しリンゴ酸0.8モルの割合で用いて得られる、イミダゾリン化合物のリンゴ酸塩から成るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤。
【0029】
13)1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ヘプタデセニル−2−イミダゾリン1モルに対しオルトリン酸0.5モルの割合で用いて得られる、イミダゾリン化合物のオルトリン酸塩から成るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤。
【0030】
14)1−(2−アミノエチル)−2−イソヘプタデシル−2−イミダゾリン1モルに対しオルトリン酸0.8モルの割合で用いて得られる、イミダゾリン化合物のオルトリン酸塩から成るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤。
【0031】
15)1−(2−アミノエチル)−2−トリデシル−2−イミダゾリン1モルに対しオルトリン酸1モルの割合で用いて得られる、イミダゾリン化合物のオルトリン酸塩から成るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤。
【0032】
16)1−(2−ヒドロキシエチル)−2−トリデシル−2−イミダゾリン1モルに対しオルトリン酸0.5モルの割合で用いて得られる、イミダゾリン化合物のオルトリン酸塩から成るコンベアベルト用殺菌性潤滑剤。
【0033】
また本発明に係るコンベアベルトの殺菌潤滑方法の実施形態としては、次の17)が挙げられる。
17)前記1)〜16)のうちでいずれかのコンベアベルト用殺菌性潤滑剤を0.03〜0.3重量%の水性液となし、該水性液をベルトコンベア1m2当たり5〜100mlの割合となるよう供給するコンベアベルトの殺菌潤滑方法。
【0034】
以下、本発明の構成および効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、%は重量%を意味する。
【0035】
【実施例】
試験区分1(イミダゾリン化合物の合成)
・イミダゾリン化合物(A−1)の合成
オレイン酸282g(1モル)及びジエチレントリアミン103g(1.0モル)をフラスコに仕込み、180℃に保持して、生成する水を窒素気流により留去しながら6時間反応を行ない、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、1−(2−アミノエチル)−2−ヘプタデセニル−2−イミダゾリン(A−1)であった。
【0036】
・イミダゾリン化合物(A−2〜A−25及びR−1)の合成
イミダゾリン化合物(A−1)と同様にして、イミダゾリン化合物(A−2〜A−25及びR−1)を得た。以上で合成した各イミダゾリン化合物の内容を表1にまとめて示した。
【0037】
試験区分2(コンベアベルト用殺菌性潤滑剤の水性原液の調製)
・コンベアベルト用殺菌性潤滑剤(実施例1)の水性原液の調製
クエン酸3.8g(0.02モル)及び水43.2gをフラスコに仕込み、クエン酸水溶液とした。そこへ試験区分1で合成したイミダゾリン化合物(A−1)7.0g(0.02モル)を撹拌しながら注入し、コンベアベルト用殺菌性潤滑剤(実施例1)の20%水性原液を得た。
【0038】
・コンベアベルト用殺菌性潤滑剤(実施例又は参考例2〜25及び比較例1)の水性原液の調製
コンベアベルト用殺菌性潤滑剤(実施例1)の水性原液の調製と同様にして、コンベアベルト用殺菌性潤滑剤(実施例又は参考例2〜25及び比較例1)の20%水性原液を調製した。調製した各水性原液における各例のコンベアベルト用殺菌性潤滑剤の内容を表1にまとめて示した。
【0039】
【表1】
【0040】
・コンベアベルト用殺菌性潤滑剤(比較例2)の水性原液の調製
水80gに2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン20gを撹拌しながら投入し、均一に溶解してコンベアベルト用殺菌性潤滑剤(比較例2)の20%水性原液を得た。
【0041】
・コンベアベルト用殺菌性潤滑剤(比較例3)の水性原液の調製
水80gに2−ヘプタデセニル−N−メチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムクロライド20gを撹拌しながら投入し、均一に溶解してコンベアベルト用殺菌性潤滑剤(比較例3)の20%水性原液を得た。
【0042】
・コンベアベルト用殺菌性潤滑剤(比較例4)の水性原液の調製
オレイン酸ジエタノールアミン塩20gを水75gとエタノール5gとの混合液に撹拌しながら投入し、均一に溶解してコンベアベルト用殺菌性潤滑剤(比較例4)の20%水性原液を得た。
【0043】
・コンベアベルト用殺菌性潤滑剤(比較例5)の水性原液の調製
オレイン酸ジエタノールアミン塩10gとドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド10gとを水75gとエタノール5gとの混合液に撹拌しながら投入し、均一に溶解してコンベアベルト用殺菌性潤滑剤(比較例5)の20%水性原液を得た。
【0044】
・コンベアベルト用殺菌性潤滑剤(比較例6)の水性原液の調製
ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテルリン酸ジエタノールアミン塩10gとドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド10gとを水75gとエタノール5gとの混合液に撹拌しながら投入し、均一に溶解してコンベアベルト用殺菌性潤滑剤(比較例6)の20%水性原液を得た。
【0045】
・コンベアベルト用殺菌性潤滑剤(比較例7)の水性原液の調製
水80gにN−オクタデセニル−1,3−プロピレンジアミン酢酸塩20gを撹拌しながら投入し、均一に溶解してコンベアベルト用殺菌性潤滑剤(比較例7)の20%水性原液を得た。
【0046】
試験区分3(コンベアベルト用殺菌性潤滑剤の評価)
・潤滑性の評価
図1に示す試験機を用いて評価を行った。図示した試験機は、モータ1でチェーン2を介し回転する駆動スプロケット3と遊動スプロケット4との間に無端のコンベアベルト5が装着されており、コンベアベルト5に載置されたボトル6に巻き付けられているワイヤー7の基端部がプーリ8を介し、荷重計9へと接続されていて、コンベアベルト5の左縁部において容器10に充填されているコンベアベルト用殺菌性潤滑剤の水性液が供給され、またコンベアベルト5の右縁部において洗浄水が供給されるようになっているものである。コンベアベルト用殺菌性潤滑剤の水性液及び洗浄水を供給しつつコンベアベルト5を右回転させると、コンベアベルト5に載置されているボトル6に荷重が加わるので、該荷重をワイヤー7を介し荷重計9で測定する。荷重の測定は下記条件下において運転開始から2分毎に10分間行い、その平均値を求めて下記基準で評価した。結果を表2にまとめて示した。
・・条件
コンベアベルトのスピード:30m/分
コンベアベルト用殺菌性潤滑剤の水性液の供給:試験区分2で調製した各コンベアベルト用殺菌性潤滑剤の水性原液を更に水希釈して表2に記載の水性液濃度のものとなし、この水性液をコンベアベルト1m2当たり表2に記載の供給量となるよう供給した。
洗浄水の供給:3L/分
ボトル:633mlのビールビン4本
・・評価基準
◎:平均値が400g未満
○:平均値が400g以上、800g未満
×:平均値が800g以上
【0047】
・耐スカム性の評価
潤滑性の評価に使用した図1の試験機を用いて、下記条件下に延べ120時間運転した後、コンベアベルトの汚れを目視により観察し、下記基準で評価した。結果を表2にまとめて示した。
・・条件
コンベアベルトのスピード:30m/分
コンベアベルト用殺菌性潤滑剤の水性液の供給:試験区分2で調製した各コンベアベルト用殺菌性潤滑剤の水性原液を更に、1)カルシウムイオン濃度100ppmの硬水、2)カルシウムイオン濃度300ppmの硬水の2種類の硬水で希釈して表2に記載の水性液濃度のものとなし、この水性液をコンベアベルト1m2当たり表2に記載の供給量となるよう供給した。
洗浄水の供給:なし
ボトル:633mlのビールビン4本
・・評価基準
◎:希釈水のカルシウムイオン濃度が100ppm及び300ppmのいずれの場合においてもコンベアベルトに汚れが認められない
○:希釈水のカルシウムイオン濃度が100ppmの場合にはコンベアベルトに汚れは認められないが、300ppmの場合にはコンベアベルトに僅かに汚れが認められる。
×:希釈水のカルシウムイオン濃度が100ppm及び300ppmのいずれの場合においても汚れが認められる。
【0048】
・殺菌性の評価
殺菌性の評価は、厚生省編纂衛生検査指針「消毒薬検査指針」に準拠して行なった。使用菌は大腸菌で、菌液は標準寒天培地に37℃で48時間培養したコロニーを滅菌蒸留水10mlに1白金耳懸濁分散させて調製した。試験区分2で調製したコンベアベルト用殺菌性潤滑剤の水性原液を水で所定濃度の水溶液とし、これに上記で調製した菌液を5分間作用させ、作用液1白金耳を普通ブイヨン培地に移植し、37℃で48時間培養した後、菌の生育の有無を観察し、下記基準で評価した。結果を表2にまとめて示した。
・・評価基準
◎:コンベアベルト用殺菌性潤滑剤の濃度が0.05%未満で菌の生育を認めない
○:コンベアベルト用殺菌性潤滑剤の濃度が0.05%以上0.1%未満で菌の生育を認めない
×:コンベアベルト用殺菌性潤滑剤の濃度が0.1%以上で菌の生育を認める
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、容器詰め工程の一層の高速化及び無菌化更には省力化が図られる近年において、これらに対応する高度の潤滑性及び殺菌性を同時に充足し、しかもスカムの発生を抑えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明において用いた試験機を略示する正面図。
【符号の説明】
1・・モータ、5・・コンベアベルト、9・・荷重計
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