JP2017132934A - コンベア用潤滑剤濃縮組成物及びコンベアの潤滑性向上方法 - Google Patents

コンベア用潤滑剤濃縮組成物及びコンベアの潤滑性向上方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂製コンベアに対しても、ステンレス等の金属製コンベアに対しても少ない使用量で効果的に潤滑性を付与できるコンベア用潤滑剤濃縮組成物を提供する。【解決手段】(A)成分として、下記一般式(1)で表される陰イオン界面活性剤及び/又は下記一般式(2)で表される両性界面活性剤を2〜10質量%、(B)成分としてグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールから選択される少なくとも1種以上のポリオールを20〜60質量%、(C)成分として炭化水素基の炭素数が9〜18の脂肪族アルコールに酸化アルキレンを付加して生成されるノニオン界面活性剤を1〜10質量%、(D)成分として水を組成物全体として100質量%となるように含有することを特徴とするコンベア用潤滑剤濃縮組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、コンベア用潤滑剤濃縮組成物及びコンベアの潤滑性向上方法に関する。更に詳細には、プラスチック製、紙製、金属製、ガラス製及びセラミック製等の容器を、ベルトコンベア等のコンベア上を搬送しながら、容器に飲用水、お茶、コーヒー、紅茶、乳飲料、炭酸飲料、ビール、酒類、調味料、加工食品等を充填、包装する工程において、容器とコンベアとの間の摩擦を低減させ、容器の転倒等を防止するために用いられるコンベア用潤滑剤濃縮組成物及びその組成物を用いたコンベアの潤滑性向上方法に関する。
飲用水、清涼飲料、牛乳、ジュース、酒類、ドリンク剤等の容器には、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック製容器、紙製容器、金属製容器、ガラス製容器、セラミック製容器等が使用されるが、飲料製造工場におけるこれら容器への充填や包装工程において、連続的に大量の容器を移動搬送するために一般的にコンベアが使用されている。このような工場においては、コンベアを連続運転させ、容器等の被搬送物を高速搬送することが一般的であるが、このとき容器同士あるいは容器とコンベアとの接触面に発生する摩擦により、容器の変形や容器の転倒等が起こる場合があり、こうした障害を防ぐために潤滑剤をコンベア上等に塗布あるいは噴霧して、容器等の被搬送物とコンベアとの間の摩擦係数を下げることが一般的である。
従来のコンベア用潤滑剤としては、界面活性剤の水溶液を用いることが一般的であった。例えば、特定構造の脂肪族アルキルアミン類型界面活性剤を含有し、かつ該潤滑剤溶液がpH5〜8である水性コンベヤーベルト潤滑剤溶液(特許文献1)、リン酸エステル型アニオン界面活性剤と第4級アンモニウム塩型界面活性剤とを特定の比率で配合した殺菌性コンベア潤滑剤(特許文献2)等が知られている。また、ソルビトール、マンニトール、DL−ピロリドンカルボン酸、ポリエチレングリコールから選択される1種以上の化合物100質量部に対して、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル型非イオン界面活性剤を1〜200質量部含有し、且つアニオン界面活性剤が5質量部未満である潤滑剤組成物(特許文献3)、シリコーン油、ポリアルファオレフィン、流動パラフィンから選ばれる少なくとも1種の油性物質1質量部に対し、HLBが16以上である非イオン性乳化剤を0.05〜0.5質量部、ポリオールを0.0125〜900質量部含有する水中油型乳化物よりなる潤滑剤組成物(特許文献4)が知られている。
特公平7−35516 特許第3126338号 特許第5421596号 特開2014−156521
しかしながら、特許文献1及び2に記載されているコンベア用潤滑剤は、潤滑性を保つためにはコンベアに対して潤滑剤水溶液を連続供給するか、潤滑剤水溶液の供給停止時間が3分未満で間欠供給する必要があるため、大量の潤滑剤水溶液が必要となり、希釈に用いる水コスト及び排水処理コストが高くなるという問題があった。一方、特許文献3に記載の潤滑剤組成物は、少ない使用量で比較的長時間の潤滑性を維持することができるため使用水コストを削減できるが、樹脂製のベルトコンベアに対してのみ良好な潤滑性を示すものであり、ステンレス製のベルトコンベアやキャンフィードチェーンと呼ばれる搬送コンベアに対しては潤滑性が不足しており、さらにコンベアの磨耗により黒色の汚れが生じる問題もあるため使用できなかった。そのため別途当該設備に有効な従来の水溶性ベルトコンベア用潤滑剤を使用する必要があり、使用薬剤が2剤に増えることで管理が煩雑になる問題があった。また特許文献4に記載の潤滑剤組成物についても同様に樹脂製ベルトコンベアに対してのみ有効であるため使用薬剤数が増える問題があり、さらに金属缶飲料の充填工程においては口部がベルトコンベアに直接接触する場合があるために油性物質が残留する懸念があった。
本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、1剤で希釈濃度に応じて樹脂コンベアに対しては潤滑剤及び使用水量を削減した使用方法が可能であり、ステンレス製ベルトコンベア等の金属製コンベアにおいては従来の水溶性ベルトコンベア潤滑剤と同様に使用できるコンベア用潤滑剤濃縮組成物及びその組成物を用いたコンベアの潤滑性向上方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者等が鋭意検討した結果、(A)特定の陰イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤と(B)ポリオール、(C)脂肪族アルコールに酸化アルキレンを付加して生成されるノニオン界面活性剤、(D)水を組成物全体として100質量%となるように含有するコンベア用潤滑剤濃縮組成物が、驚くべきことに希釈濃度に応じて1剤で、樹脂コンベアに対しては潤滑剤及び使用水量を削減した使用方法での潤滑性に優れ、またステンレス製ベルトコンベア等においては従来の水溶性ベルトコンベア潤滑剤と同様の使用方法での潤滑性に優れ、その際にコンベアの磨耗による粉塵汚れや黒色汚れの発生が少ないことを発見し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(1)(A)成分として、下記一般式(1)で表される陰イオン界面活性剤及び/又は下記一般式(2)で表される両性界面活性剤を2〜10質量%、
Figure 2017132934
(式中、Rは酸素原子、窒素原子を有してもよい炭素数6〜18の炭化水素基であり、nは酸化エチレンの平均付加モル数で2〜7の数であり、mは1又は2であり、Mは水素、アルカリ金属、アミン類、NHの何れかである。)
Figure 2017132934
(式中、Rは炭素数8〜18の炭化水素基であり、pは1又は2であり、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アミン類、NHの何れかである。)
(B)成分としてグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールから選択される少なくとも1種以上のポリオールを20〜60質量%、
(C)成分として炭化水素基の炭素数が9〜18の脂肪族アルコールに酸化アルキレンを付加して生成されるノニオン界面活性剤を1〜10質量%、
(D)成分として水を組成物全体として100質量%となるように含有することを特徴とするコンベア用潤滑剤濃縮組成物、
(2)さらに、(E)成分としてカチオン界面活性剤及び/又はグリシン系両性界面活性剤を1〜5質量%含有する上記(1)のコンベア用潤滑剤濃縮組成物、
(3)さらに、(F)成分として2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンから選択される1種以上の防腐剤を0.2〜2質量%含有する上記(1)又は(2)のコンベア用潤滑剤濃縮組成物、
(4)さらに、(G)成分としてキレート剤を0.4〜20質量%含有する上記(1)〜(3)の何れかのコンベア用潤滑剤濃縮組成物、
(5)上記(1)〜(4)の何れかのコンベア用潤滑剤濃縮組成物の(A)成分の濃度を0.04〜1質量%とした処理液を、被搬送物を搬送するコンベア上及び/又は被搬送物上に、処理液供給工程時間:処理液非供給停止工程時間=1:10〜1:360となるように間欠的に供給することを特徴とするコンベアの潤滑性向上方法、
(6)コンベアが樹脂製コンベアである上記(5)のコンベアの潤滑性向上方法、
(7)上記(1)〜(4)の何れかのコンベア用潤滑剤濃縮組成物の(A)成分の濃度を0.005〜0.1質量%とした処理液を、被搬送物を搬送するコンベアに連続的に供給することを特徴とする潤滑性向上方法、
(8)上記(1)〜(4)の何れかのコンベア用潤滑剤濃縮組成物の(A)成分の濃度を0.005〜0.1質量%とした処理液を、被搬送物を搬送するコンベアに、処理液供給工程時間:処理液非供給停止工程時間=10:1〜1:4となるように間欠的に供給することを特徴とするコンベアの潤滑性向上方法、
を要旨とするものである。
本発明のコンベア用潤滑剤濃縮組成物は、コンベアの種類の違いに応じ、希釈濃度や供給方法を選択することで、樹脂コンベアに対しては潤滑剤及び使用水量を削減した使用方法での潤滑性付与効果に優れている。またステンレス製コンベア等においては従来の水溶性ベルトコンベア潤滑剤と同様の使用方法での潤滑性付与効果に優れ、その際にコンベアの磨耗による粉塵汚れや黒色汚れの発生の虞も少ない等の効果を奏する。また本発明方法によれば、樹脂製コンベアに対しても、ステンレス等の金属製コンベアに対しても少ない使用量で効果的に潤滑性を付与することができる。
本発明のコンベア用潤滑剤濃縮組成物において、(A)成分として用いる一般式(1)で表される陰イオン界面活性剤としては、一般式(1)式におけるRが、炭素数6〜18の炭化水素基である化合物である。このような炭化水素基としては、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、デカン酸モノエタノールアミド基、ドデカン酸モノエタノールアミド基、テトラデカン酸モノエタノールアミド基、ヘキサデカン酸モノエタノールアミド基等が挙げられる。なかでも潤滑性に優れることからドデシル基、イソトリデシル基、オクタデシル基、オクタデセニル基が好ましく、ドデシル基、オクタデセニル基がより好ましい。一般式(1)において、nは酸化エチレンの平均付加モル数で、酸化エチレン(EO)の平均付加モル数:nは2〜7の数であるが、潤滑性に優れることから2〜4であることが好ましい。酸化エチレンの平均付加モル数:nが2未満であると貯蔵安定性が低下し、7を超えると潤滑性が低下するため好ましくない。また一般式(1)中のmは1又は2であるが、合成上困難であるためmが1と2の構造の混合物で良い。一般式(1)におけるmが1である化合物は、潤滑性に優れることから好ましい。mが3であると潤滑性及び水溶性が著しく低下するため好ましくない。一般式(1)中のMは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アミン類、NHである。アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、アルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウムが挙げられる。アミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)イソプロパノールアミン、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、アミノメチルプロパノール、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミンが挙げられ、これらは単独でも組み合わせても良い。このうち潤滑性に優れることからナトリウム、カリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンが好ましく、さらに貯蔵安定性に優れることからモノエタノールアミン、トリエタノールアミンがより好ましい。一般式(1)で表される陰イオン界面活性剤は、炭素数6〜18の炭化水素基:R、オキシエチレン基の重合度:n、M等の異なる化合物の混合物として用いることもできる。一般式(1)で表される陰イオン界面活性剤としては、より具体的にはポリオキシエチレン(EO4モル)C6〜10アルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(EO2モル)ラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(EO4モル)ラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(EO3モル)トリデシルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(EO6モル)トリデシルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(EO2モル)ステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(EO3モル)ステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(EO4モル)オレイルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(EO7モル)オレイルエーテルリン酸、からなる群から選択される化合物のナトリウム塩、カリウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
(A)成分として用いる一般式(2)で表される両性界面活性剤としては、一般式(2)におけるRが炭素数8〜18の炭化水素基である化合物である。このような炭化水素基としては、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、ヤシアルキル基等が挙げられる。なかでも潤滑性に優れることからドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オクタデセニル基、ヤシアルキル基が好ましい。一般式(2)におけるMは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アミン類、NHであり、アルカリ金属としてはナトリウム及びカリウム、アルカリ土類金属としてはマグネシウム及びカルシウム、アミン類としてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンが挙げられる。このうち潤滑性に優れることからナトリウム、カリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミンが好ましい。一般式(2)で表される両性界面活性剤は、炭素数8〜18の炭化水素基:R、M等の異なる化合物の混合物として用いることもできる。一般式(2)で表される陰イオン界面活性剤としては、より具体的にはラウラミノプロピオン酸ナトリウム塩、コカミノプロピオン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
(A)成分としては、上記一般式(1)で表される陰イオン界面活性剤のみを用いても、一般式(2)で表される両性界面活性剤のみを用いてもよく、両者を混合して用いても良い。(A)成分の配合量は本発明コンベア用潤滑剤濃縮組成物中、2〜10質量%であるが、2〜6質量%であることがより好ましく、特に3〜5質量%であることが好ましい。2質量%未満であるとステンレス製コンベアの潤滑性が低下する虞があり、10質量%を超えて配合すると樹脂製コンベアでの潤滑性が低下するため好ましくない。
本発明のコンベア用潤滑剤濃縮組成物における(B)成分はグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、からなる群から選択される1種以上のポリオールである。これらは単独でも混合して用いても良い。ポリエチレングリコールの重合度は4〜20モルが好ましく、4〜16モルがより好ましく、特に4〜8モルが好ましい。ポリエチレングリコールの重合度が4モル未満または20モルを超えると潤滑性が低下する虞があるため好ましくない。(B)成分としては潤滑性に優れることからグリセリン、ポリエチレングリコールを用いることが好ましく、特に経済性の点からグリセリンを用いることが好ましい。(B)成分の配合量は、コンベア用潤滑剤濃縮組成物中、20〜60質量%であるが、30〜50質量%であることがより好ましく、特に30〜40質量%であることが好ましい。20質量%未満であると樹脂コンベアでの潤滑性が低下する虞があり、60質量%を超えて配合しても樹脂コンベアでの潤滑性能が飽和するため経済的に好ましくなく、また組成物の貯蔵安定性が低下するため好ましくない。
本発明のベルトコンベア用潤滑剤濃縮組成物における(C)成分としては、炭素数が9〜18の脂肪族アルコールに酸化アルキレンを付加して生成されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル型のノニオン界面活性剤が用いられる。(C)成分に使用できる脂肪族アルコールにおける炭化水素基としては、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、オクタデセニル基が挙げられ、これらは単独でも組み合わせても良い。これらのうち潤滑性とステンレスコンベアの濡れ性に優れることから、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オクタデセニル基が好ましく、特に飲料混合性に優れることからノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基が好ましい。(C)成分は、上記の脂肪族アルコールに酸化アルキレンを付加することによって得られる。酸化アルキレンとしては、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレンが挙げられ、経済性の点で酸化エチレン、酸化プロピレンが好ましい。重合形態としては単独重合体、共重合体どちらでも良く、単独重合体としては酸化エチレンの単独重合体が好ましい。共重合形態としては酸化エチレンと酸化プロピレンとのランダム共重合体、ブロック共重合体、ランダム/ブロック共重合体等いずれでも良い。(C)成分のノニオン界面活性剤は、ポリオキシアルキレン基が、酸化アルキレンの平均付加モル数が6〜20であるものが好ましく、酸化アルキレンの平均付加モル数が6〜15がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。酸化アルキレンの平均付加モル数が6未満であると組成物の貯蔵安定性が低下する虞があるため好ましくなく、20を超えるとステンレス製コンベアの潤滑性が低下する虞があるため好ましくない。(C)成分の非イオン界面活性剤は、ポリオキシアルキレン基に占める酸化エチレンの割合が50〜100モル%であることが好ましく、60〜100モル%がより好ましい。ポリオキシアルキレン基における酸化エチレンの割合が50モル%未満になると、組成物の貯蔵安定性が低下する虞があり好ましくない。(C)成分の配合量は、コンベア用潤滑剤濃縮組成物中、1〜10質量%であるが、2〜6質量%であることが好ましく、3〜5質量%であることがより好ましい。1質量%未満であると樹脂コンベアでの潤滑性が低下する虞があり、さらに潤滑剤濃縮組成物の飲料に対する混合性が低下する虞があるため、充填機、ボトルキャップ巻締機、および缶蓋シーマー等でこぼれ落ちた飲料と潤滑剤が機器内部や搬送コンベア上で混合された際に異物を生じ環境を汚染する虞がある。一方、10質量%を超えて配合しても樹脂コンベアでの潤滑性能が飽和するため経済的に好ましくなく、またステンレスコンベアの潤滑性が低下する虞があるため好ましくない。
本発明のベルトコンベア用潤滑剤組成物において、(D)成分の水は特に限定されず、水道水、工業用水、再生水、イオン交換水、RO水、蒸留水、軟水等が挙げられるが、経済性の点で水道水または工業用水が好ましい。
本発明のコンベア用潤滑剤濃縮組成物には、さらに(E)成分としてカチオン界面活性剤及び/又はグリシン系両性界面活性剤を配合することが好ましい。カチオン界面活性剤としては、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム塩、ジオクチルジメチルアンモニウム塩、デシルイソノニルジメチルアンモニウム塩、ジデシルメチルポリオキシエチレンアンモニウム塩、アルキルベンジルイミダゾリウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウム塩、アルキルジメチルメチルベンジルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム、トリアルキルアミン塩、アルキルトリアミン塩、ポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、1,4−ビス(3,3’−(1デシルピリジニウム)メチルオキシ)ブタンジブロマイド等が挙げられる。グリシン系両性界面活性剤としては、ナトリウムラウリルジアミノエチルグリシン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩酸アルキルポリアミノエチルグリシン等が挙げられる。これらのうち飲料混合性に優れることから塩化ベンザルコニウム、ジオクチルジメチルアンモニウム塩が好ましい。これらは単独で用いても、組み合わせて用いても良い。(E)成分の配合量は、コンベア用潤滑剤濃縮組成物中、1〜5質量%であることが好ましく、1〜4質量%であることがより好ましく、1.5〜3質量%であることが特に好ましい。1質量%未満であると除菌性が低下する虞があり、5質量%を超えて配合すると飲料混合性が低下する虞があり、充填機、ボトルキャップ巻締機、および缶蓋シーマー等でこぼれ落ちた飲料と潤滑剤が機器内部や搬送コンベア上で混合された際に異物を生じ環境を汚染する虞があるため好ましくない。
本発明のコンベア用潤滑剤濃縮組成物には、さらに(F)成分として、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンから選択される1種以上の防腐剤を配合することが好ましい。(F)成分の配合量は0.2〜2質量%であることが好ましく、0.5〜1.5質量%であることがより好ましい。0.2質量%未満であるとカチオン界面活性剤の抵抗性菌に対する除菌性が低下する虞があり、2質量%を超えて配合した場合、貯蔵安定性が低下する虞があるため好ましくない。
本発明のコンベア用潤滑剤濃縮組成物には、さらに(G)成分としてキレート剤を配合することができる。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミノ五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、β-アラニン二酢酸(ADA)、セリン二酢酸(SDA)、グリシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸や、グルコール酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸や、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン塩が挙げられる。キレート剤はコンベア用潤滑剤濃縮組成物中に、0.4〜20質量%配合することが好ましく、5〜18質量%配合することがより好ましく、8〜16質量%配合することが特に好ましい。
本発明のコンベア用潤滑剤濃縮組成物は、本発明の効果が損なわない範囲で、コンベア用潤滑剤濃縮組成物の製剤形態に応じ、その他成分として当該技術分野で通常使用される成分を更に含有していてもよい。このような成分としては、例えば、金属腐食抑制剤、pH調整剤、粘稠剤等が挙げられる。
金属腐食抑制剤としては、短鎖のジカルボン酸やトリカルボン酸などのポリカルボン酸、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールおよびメルカプトベンゾチアゾールなどのトリアゾール、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸などのようなホスホン酸等が挙げられる。
pH調整剤として用いる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられ、好ましくはモノエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンが挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。また、pH調整剤として用いる酸としては、塩酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、安息香酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グルコン酸、エチレンジアミン四酢酸、ホスホノブタントリカルボン酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、キュメンスルホン酸などが挙げられるが、好ましくは、酢酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、キュメンスルホン酸が挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても良い。
粘稠剤としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸等の高分子ポリカルボン酸のアルカリ中和塩が挙げられる。
本発明のコンベア用潤滑剤濃縮組成物は、原液又は水で希釈した希釈液をコンベア上及び/又はコンベア上の被搬送品に供給することでコンベアと被搬送品との間の摩擦係数を低下させ、コンベアの潤滑性を向上することができる。供給方法としては、(A)成分濃度が0.04〜1質量%の高濃度処理液を連続供給又は間欠供給して処理する方法、(A)成分濃度が0.005〜0.1質量%の低濃度処理液を連続供給又は間欠供給して処理する方法が挙げられる。供給手段としては、滴下、塗布、スプレーによる噴霧等が挙げられるが、比較的少量を無駄なく広範囲に均一に供給できるスプレー噴霧が好ましい。噴霧の形状はスプレーノズルチップの種類によって変わるが、用途に応じて使い分ければよく、公知のものであればいずれも使用することはできるが、中でも、ホロコーンタイプ(例えば、ユニジェットホロコーンスプレーチップTX−VS1、スプレーイング・システムス・ジャパン株式会社製が挙げられる)、フルコーンタイプ(例えば、ユニジェットフルコーンスプレーチップTG−SS0.3、スプレーイング・システムス・ジャパン株式会社製が挙げられる)、フラットスプレータイプ(例えば、ビージェットスプレーチップHB1/8VV−SS650033、ビージェットスプレーチップHB1/8VV−SS650017、共にスプレーイング・システムス・ジャパン株式会社製が挙げられる)、広角スプレー、微細スプレー等の使用が好ましい。
高濃度処理液により処理する場合、高濃度処理液を樹脂製又はSUS製のチューブを通して滴下、塗布等により10mL〜100mL/分の流量で、連続供給又は間欠供給する方法、スプレーにより10mL〜100mL/分の流量で、連続供給又は間欠供給する方法等が挙げられる。高濃度処理液を供給する場合、使用する薬剤量の無駄の少ない間欠供給が好ましく、特に処理液を均一に供給できるスプレーによる間欠供給が好ましい。高濃度処理液を間欠供給又はスプレーによる間欠供給する場合、処理液を供給する供給工程時間と、処理液の供給を停止する供給停止工程時間とが、処理液の供給工程時間:処理液の供給停止工程時間=1:10〜1:360となるように、処理液の供給工程と供給停止工程とを連続的に繰り返し行う長時間間欠供給方法が好ましい。スプレーにより処理液を10mL〜100mL/分で間欠供給する場合、供給時間は5秒〜180秒間が好ましい。間欠供給において、供給停止時にも潤滑性が保たれる理由は、一度供給した処理液がコンベアベルト上に残存しているためである。また高濃度処理液の間欠供給により処理する方法は、樹脂製コンベアに適している。
一方、低濃度処理液により処理する場合、低濃度処理液を滴下、塗布、スプレー噴霧等により10mL〜150mL/分の流量で、連続供給又は間欠供給する方法が挙げられるが、処理液を均一に供給できるスプレーによる供給が好ましい。低濃度処理液の間欠供給又はスプレーによる間欠供給の場合、処理液を供給する供給工程時間と、供給停止工程時間とが、処理液供給工程時間:処理液供給停止工程時間=10:1〜1:4となるように供給工程と供給停止工程とを連続的に繰り返し行うことが好ましい。低濃度処理液を10mL〜150mL/分でスプレーにより間欠供給する場合、供給時間は20秒〜120秒間が好ましい。低濃度処理液の連続供給により処理する方法は、金属製及び樹脂製コンベアのどちらでも使用可能であるが、特に潤滑性が要求されるステンレス製コンベアや飲料充填機、キャッパー、シーマー、キャンフィードチェーン等の金属製コンベアの処理に適している。樹脂製コンベアは低濃度処理液を間欠的に供給して処理しても十分に潤滑性を高めることができるため、使用する処理液の無駄の少ない間欠供給が好ましい。
被搬送品の形状、構造、材質等は特に規定されないが、飲料物用の容器が好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製、ポリエチレン製、ポリプロピレン製、ポリスチレン製、ポリアミド製、ポリカーボネート製等のプラスチック製容器;紙パック等の紙製容器(ワックス仕上げや樹脂コーティングを含む);鉄製、アルミニウム製、錫製、銅製、亜鉛製、あるいはこれらの複合材料等からなる金属製容器;ガラス製容器;セラミックス製容器等が挙げられる。これらの容器の中でも、本発明の効果が顕著に表れることから、鉄製またはアルミ製容器が好ましい。
以下、本発明を実施例により、具体的に説明する。なお、以下の実施例等において「%」は特に記載が無い限り質量%を示す。
試験に使用した化合物を下記に記す。なお、括弧内のCに続く数はアルキル基又はアルケニル基の炭素数を、EOは酸化エチレン、POは酸化プロピレンの略であり、その後の数字はそれぞれEO、POの平均付加モル数を表す。尚、表中における実施例および比較例の配合の数値は純分の質量%を表す。
(A)成分:陰イオン界面活性剤
A−1:ポリオキシエチレン(EO4モル)アルキル(C6〜10混合)エーテルリン酸エステル(東邦化学工業社製「フォスファノールRA−600」)
A−2:ポリオキシエチレン(EO2モル)アルキル(C12)エーテルリン酸エステル(東邦化学工業社製「フォスファノールML−220」)
A−3:ポリオキシエチレン(EO4モル)アルキル(C12)エーテルリン酸エステル(東邦化学工業社製「フォスファノールML−240」)
A−4:ポリオキシエチレン(EO7モル)アルキル(不飽和C18)エーテルリン酸エステルナトリウム塩(東邦化学工業社製「フォスファノールRD−720N」)
(A)成分:両性界面活性剤
A−5:アルキル(C12)アミノプロピオン酸ナトリウム(ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、三洋化成工業社製「レボンAPL」)
A−6:アルキル(C12〜C18混合)アミノプロピオン酸ナトリウム(コカミノプロピオン酸ナトリウム、三洋化成工業社製「レボンAPL−D」)
(A)成分の比較成分
A′−1:ポリオキシエチレン(EO1モル)アルキル(C4)エーテルリン酸エステル(東邦化学工業社製「フォスファノールBH−650」)
A′−2:アルキル(C12)エーテルリン酸エステル(東邦化学工業社製「フォスファノールML−200」)
A′−3:ポリオキシエチレン(EO10モル)アルキル(C13)エーテルリン酸エステル(東邦化学工業社製、「フォスファノールRS−710」)
(B)成分:ポリオール
B−1:グリセリン
B−2:プロピレングリコール
B−3:平均分子量200のポリエチレングリコール(EO4モル付加物)
(C)成分:ノニオン界面活性剤
C−1:ドデシルアルコール(C12)のEO9モル付加物
C−2:オクタデセニルアルコール(C18)のEO9モル付加物
C−3:合成アルコール(C9〜11混合)のEO7モル付加物
C−4:ドデシルアルコール(C12)のEO5モル、PO3モル付加物
C−5:ドデシルアルコール(C12)のEO12モル、PO3モル付加物
(C)成分の比較品
C′−1:2−エチルヘキシルアルコール(C8)のEO6モル付加物
C′−2:ドコサノール(C22)のEO30モル付加物
C′−3:ポリオキシエチレン(EO20モル)ソルビタンモノラウレート
(D)成分:水
D−1:東京都荒川区の水道水(pH=7.6、総アルカリ度(炭酸カルシウム換算として)40.5mg/L、ドイツ硬度8.1°DH(そのうち、カルシウム硬度6.3°DH、マグネシウム硬度2.1°DH)、塩化物イオン21.9mg/L、ナトリウム及びその化合物13mg/L、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素1.1mg/L、フッ素及びその化合物0.09mg/L、ホウ素及びその化合物0.04mg/L、総トリハロメタン0.014mg/L、残留塩素0.4mg/L、有機物(全有機炭素量)0.5mg/L)
(E)成分:カチオン界面活性剤
E−1:ココイルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(ライオン社製「リポカードCB−50」)
E−2:ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド(LONZA社製「バーダックLF−80」)
E−3:ジデシルジメチルアンモニウムクロライド
E−4:N,N−ジデシル−N−メチル−ポリオキシエチル−アンモニウムプロピオネート(LONZA社製「バーダップ26」)
(E)成分:グリシン系両性界面活性剤
E−5:ナトリウムドデシルアミノエチルグリシン(三洋化成工業社製「レボンS」)
E−6:アルキル(C12〜C14混合)ジアミノエチルグリシンクロライド(三洋化成工業社製「レボンT−2」)
(F)成分:防腐剤
F−1:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(ソージャパン社製「アクティサイドM20」)
F−2:1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(ソージャパン社製「アクティサイドB20(N)」)
(G)成分:キレート剤
G−1:エチレンジアミン四酢酸
G−2:エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム塩
(H)その他成分:中和剤
H−1:モノエタノールアミン
H−2:トリエタノールアミン
実施例1〜43、比較例1〜13
東京都荒川区の水道水を用い、表1〜6に示す配合で潤滑剤組成物を調製した。
上記の潤滑剤組成物を使用して下記の試験を行った。結果を表1〜6に示す。
※1 樹脂製コンベア潤滑性試験
以下に示す間欠噴霧供給法により樹脂製ベルトコンベアとボトルの間の動摩擦係数を測定し、潤滑剤組成物の潤滑性を評価した。
試験方法:
潤滑剤組成物を水道水で5質量%に希釈し、ベルトコンベアスピード30m/分、長さ1.5mの樹脂製コンベア上に、フルコーンスプレーノズル(ユニジェットフルコーンスプレーチップTG−SS0.3、スプレーイング・システムス・ジャパン株式会社製)を介して50mL/分の供給速度で20秒間噴霧した後、350mL容積のアルミ缶をベルトコンベア上に置き、噴霧終了直後の摩擦係数(付着直後)と、噴霧終了30分後の乾燥時の摩擦係数(乾燥後)を測定した。なお、摩擦係数は、容器と荷重測定器を連結させ、コンベア稼動中の引張り荷重値を測定し、以下の計算式より算出したものである。
摩擦係数(μ)=引張り荷重(g)/容器重量(g)
潤滑性評価基準:
○:摩擦係数(μ)=0.08以上0.11未満(滑りが良好)。
△:摩擦係数(μ)=0.11以上0.13未満(問題なく滑る)。
×:摩擦係数(μ)=0.13以上(滑りが悪い)又は0.08未満(滑りすぎる)。
とし、○、△を実用性のあるものとして判定した。
※2 ステンレス製コンベア潤滑性試験
以下の試験方法によりステンレス製ベルトコンベアとボトルの間の動摩擦係数を測定し、潤滑剤組成物の潤滑性を評価した。
試験方法:
潤滑剤組成物を水道水で0.5質量%に希釈し、ベルトコンベアスピード30m/分、長さ1.5mのステンレス製コンベア上に、内径6mmの樹脂製チューブを介して100mL/分の供給速度で5分間連続供給した。5分後、供給を続けながら350mL容積のアルミ缶をベルトコンベア上に置き、摩擦係数を測定した。なお、摩擦係数は、容器と荷重測定器を連結させ、コンベア稼動中の引張り荷重値を測定し、以下の計算式より算出したものである。
摩擦係数(μ)=引張り荷重(g)/容器重量(g)
潤滑性評価基準:
○:摩擦係数(μ)=0.13以上0.16未満(滑りが良好)。
△:摩擦係数(μ)=0.16以上0.20未満(問題なく滑る)。
×:摩擦係数(μ)=0.20以上(滑りが悪い)。
とし、○、△を実用性のあるものとして判定した。
※3 ステンレス製コンベア汚れ防止性試験
試験方法:
潤滑剤組成物を水道水で0.5質量%に希釈し、ベルトコンベアスピード30m/分、長さ1.5mのステンレス製コンベア上に、内径6mmの樹脂製チューブを介して100mL/分の供給速度で30分間連続供給した後、コンベア表面の状態を目視で評価した。
汚れ防止性評価基準:
○:汚れの付着が見られない。
×:表面に黒色汚れが付着している。
とし、○を実用性のあるものとして判定した。
※4 飲料混合性試験
試験方法:
潤滑剤組成物を水道水で0.5質量%に希釈した水溶液50mLと市販のビール50mLを100mL容ガラス製サンプル瓶中で混合し室温で5時間静置した後、混合液の外観及びサンプル瓶の底の状態を目視評価した。
飲料混合性評価基準:
○:混合液が透明で沈殿物がない。
△:混合液に濁りが見られるが沈殿物が無い。
×:沈殿物が見られる。
とし、○、△を実用性のあるものとして判定した。
※5 貯蔵安定性試験
潤滑剤組成物について、以下の方法で安定性試験を行い、評価した。
試験方法:
調製した潤滑剤組成物100gを透明ガラス瓶に入れ、40℃で1ヶ月静置した後に外観を観察した。
安定性評価基準:
○:透明である。
×:濁りまたは沈殿が生じている。
とし、○を実用性のあるものとして判定した。
※6 除菌性試験
潤滑剤組成物の除菌性を以下の方法で試験し、評価した。
試験方法:
緑膿菌(供試菌株:NBRC13736)を、滅菌したSCD培地を用いて37℃で24時間培養し、10の9乗レベルcfu/mLの菌液とした。潤滑剤組成物を純水で0.5質量%に希釈した水溶液10mLに対して菌液100μLを添加し25℃で15分接触した後、この1mLを分取して滅菌したSCDLP寒天培地で混釈培養し、生菌数を確認して下記の基準で評価した。
評価基準:
○:供試菌のLog reductionが6以上の菌数減少。
△:供試菌のLog reductionが4以上、6未満の菌数減少。
×:供試菌のLog reductionが4未満の菌数減少。
とし、○、△を実用性のあるものとして判定した。
※ 7カチオン界面活性剤抵抗性菌に対する除菌性試験
潤滑剤組成物のカチオン界面活性剤抵抗性菌に対する除菌性を以下の方法で試験し、評価した。
試験方法:
SCD寒天培地で培養した供試カチオン界面活性剤抵抗性菌株を滅菌した生理食塩水に懸濁し、10の8乗レベルcfu/mLの菌液とした。潤滑剤組成物を純水で0.5質量%に希釈した水溶液30mLに対して菌液300μLを添加し25℃にて7日間接触させた後、この1mLをSCD寒天培地で混釈培養し生菌数を確認して下記の基準で評価した。
供試菌株:
食品工場で採取し、分離同定したカチオン界面活性剤抵抗性菌株であるSerratia marcescensを用いた。
○:供試菌のLog reductionが6以上の菌数減少
△:供試菌のLog reductionが4以上、6未満の菌数減少
×:供試菌のLog reductionが4未満の菌数減少
とし、○、△を実用性のあるものとして判定した。
Figure 2017132934
Figure 2017132934
Figure 2017132934
Figure 2017132934
Figure 2017132934
Figure 2017132934

Claims (8)

  1. (A)成分として、下記一般式(1)で表される陰イオン界面活性剤及び/又は下記一般式(2)で表される両性界面活性剤を2〜10質量%、
    Figure 2017132934
    (式中、Rは酸素原子、窒素原子を有してもよい炭素数6〜18の炭化水素基であり、nは酸化エチレンの平均付加モル数で2〜7の数であり、mは1又は2であり、Mは水素、アルカリ金属、アミン類、NHの何れかである。)
    Figure 2017132934
    (式中、Rは炭素数8〜18の炭化水素基であり、pは1又は2であり、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アミン類、NHの何れかである。)
    (B)成分としてグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールから選択される少なくとも1種以上のポリオールを20〜60質量%、
    (C)成分として炭化水素基の炭素数が9〜18の脂肪族アルコールに酸化アルキレンを付加して生成されるノニオン界面活性剤を1〜10質量%、
    (D)成分として水を組成物全体として100質量%となるように含有することを特徴とするコンベア用潤滑剤濃縮組成物。
  2. さらに、(E)成分としてカチオン界面活性剤及び/又はグリシン系両性界面活性剤を1〜5質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のコンベア用潤滑剤濃縮組成物。
  3. さらに、(F)成分として2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンから選択される1種以上の防腐剤を0.2〜2質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のコンベア用潤滑剤濃縮組成物。
  4. さらに、(G)成分としてキレート剤を0.4〜20質量%含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のコンベア用潤滑剤濃縮組成物。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のコンベア用潤滑剤濃縮組成物の(A)成分の濃度を0.04〜1質量%とした処理液を、被搬送物を搬送するコンベア上及び/又は被搬送物上に、処理液供給工程時間:処理液供給停止工程時間=1:10〜1:360となるように間欠的に供給することを特徴とするコンベアの潤滑性向上方法。
  6. コンベアが樹脂製コンベアである請求項5記載のコンベアの潤滑性向上方法。
  7. 請求項1〜4の何れかに記載のコンベア用潤滑剤濃縮組成物の(A)成分の濃度を0.005〜0.1質量%とした処理液を、被搬送物を搬送するコンベアに連続的に供給することを特徴とする潤滑性向上方法。
  8. 請求項1〜4の何れかに記載のコンベア用潤滑剤濃縮組成物の(A)成分の濃度を0.005〜0.1質量%とした処理液を、被搬送物を搬送するコンベアに、処理液供給工程時間:処理液供給停止工程時間=10:1〜1:4となるように間欠的に供給することを特徴とするコンベアの潤滑性向上方法。
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