JPH09508153A - 潤滑用組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 水で希釈したときにコンベヤトラックを潤滑するのに用いる、印刷に対して適合性のある潤滑用組成物を形成する高いｐＨ値の濃厚剤において、これが７ないし11のｐＨを有し、そして下記の各成分、すなわち（ａ）（i）一般式（I）〔但しこの式においてR₁はC₈ないしC₁₈の飽和又は不飽和のアルキル基（このようなアルキル基の混合物を含む）であり、ｎは１から12までの整数であって好ましくはｎは２であり、そしてM₁とM₂とは異なっていても同一であってもよいがそれぞれ独立に水素又は第１族の金属、典型的にはナトリウム又はカリウムを表わし、但し基R₁のアルキル連鎖長さの分布は各成分（ａ）及び（ｂ）が溶液の中に留まるようなものであることを条件とする〕のアルキルアミンジカルボキシレート化合物及び／又は（ii）一般式（II）〔但しこの式においてR₁は上に定義したC₈ないしC₁₈のアルキル基であり、R₂は水素又は-(CH₂)_m-OHでｍが２から12までの整数であるものであり、そしてY₁とY₂とは異なっていても同一であってもよいがそれぞれ独立に、-CH₂OH、-COO^-M₃ ⁺及び-CH₂COO^-M₃ ⁺より選ばれ、その際M₃は水素又は第１族の金属、典型的にはナトリウム又はカリウムである〕の化合物、（ｂ）一般式（III）〔但しこの式においてR₃はC₇ないしC₂₀の飽和又は不飽和のアルキル基である〕の環状イミダゾリン化合物、及び（ｃ）C₁₂ないしC₁₈の飽和又は不飽和のアルキルスルホネートアニオン性界面活性剤、及び（ｄ）場合により上記７ないし11の範囲内のｐＨを与えるためのｐＨ低下剤、の各成分を含む、上記高いｐＨ値の濃厚剤。

Description

【発明の詳細な説明】 潤滑用組成物発明の分野 本発明は潤滑用組成物に関し、そしてより特別には飲料類のためのボトル、缶 及び類似の容器、及び包装物を瓶詰めプラントの１つのステーションから別のス テーションへ搬送する搬送路を潤滑するのに用いる潤滑用組成物に関する。発明の背景 飲料類はガラス瓶、プラスチックボトル、プラスチック容器、缶又はワックス 被覆したボール紙容器のような種々の容器に入れて販売される。これらの容器は プラントの中で多くのステーションを通して搬送され、そこでそれらに所望の飲 料を充填し、それら容器は、容器がガラス瓶であるときは、通常、ステンレス鋼 の搬送路によって、或いはまた容器がガラス瓶でないときはアセタール樹脂（デ ルリンの名称で販売されている）のようなプラスチックの搬送路によって１つの ステーションから別のステーションへ搬送される。このような搬送路は以下にお いて「コンベヤトラック」と呼ぶことにする。 それら容器に瓶詰めプラントの充填ステーションにおいて種々の飲料を充填し ているときは、それらはその充填ステーションの下で成る固定位置に留まってい るが、コンベヤトラックはそれら容器の下で前進運動を続けている。加えて、も し１個の容器が倒れたり又は移動を阻害されたときはそれら容器の移動する通路 の閉塞が起こる。このような場合に、コンベヤトラックを適正に潤滑してこのト ラックの上の容器が一時的に前進するのを阻止されたときでもこのトラックが動 き続けることができるようにするのが重要である。 充填過程の円滑な運転を確実にするためには、コンベヤトラックが適正に潤滑 され、かつクリーニングされるのを確実にすることが必要である。コンベヤトラ ックが適正に潤滑されていないときはそれら容器はそのプラントの任意のステー ションに達したときに容易に倒れたり、移動を停止しそこなうことがある。これ は充填過程の効率的な操作の重大な崩壊をまねくことがある。 コンベヤトラックを潤滑し、かつクリーニングするために一般的に用いられて いる潤滑用組成物は一般に次の３つの主要な型のものである： （i） 脂肪酸類に基づく組成物、 （ii） 脂肪アミン類に基づく組成物、及び （iii） 燐酸エステル類に基づく組成物。 種々の脂肪酸の水溶液は、それらを、例えばエチレンジアミン４酢酸（ＥＤＴ Ａ）のような錯化剤を採用することにより安定化しなければ、硬水域において使 用するのに不適当である。 本発明者等が脂肪酸類又はアミン類に基づく、或いは燐酸エステル類に基づく 組成物を用いて遭遇したもう１つの問題は、これらの公知の調合物が容器、中で も飲料工業において用いられる鋼鉄製及びアルミニウム製の缶の表面に標識する のに用いた着色顔料に対して非常に攻撃的であるということである。本発明者等 は、これら公知の潤滑用組成物が容器の表面に印刷された印刷物を浸出させる著 しい傾向を有することを見出した。 米国特許第3,574,100号は、（ａ）オレイルアルコールエトキシレートの燐酸 エステル及び（ｂ）水溶性の両性化合物の水溶液を含むコンベヤトラックの潤滑 用組成物を記述している。 本発明者等は、充填プラントを通して作業を受けている種々の容器の上の印刷 物の着色の褪色を生じないという利点を有する、コンベヤトラックを潤滑するの に用いるための新規な潤滑用組成物を作り出した。本発明の潤滑用組成物は、硬 水の地域においても使用できる。発明の要約 本発明のアスペクトの１つによれば、水で希釈したときにコンベヤトラック用 の潤滑剤として使用するための、印刷に対して適合性のある潤滑用組成物を形成 するような高いｐＨ値の濃厚剤が提供され、このものは下記の各成分、すなわち （ａ）（i）下記一般式（I） 〔この式においてR₁はC₈ないしC₁₈の飽和又は不飽和のアルキル基（このよう なアルキル基の混合物を含む）であり、ｎは１から12までの整数であって好まし くはｎは２であり、そしてM₁とM₂とは異なっていても同一であってもよいがそれ ぞれ独立に水素又は第１族の金属、典型的にはナトリウム又はカリウムを表わし 、但し基R₁のアルキル連鎖長さの分布は各成分（ａ）及び（ｂ）が溶液の中に留 まるようなものであることを条件とする〕のアルキルアミンジカルボキシレート 化合物、及び／又は （ii）下記一般式（II）、すなわち 〔この式においてR₁は上に定義したC₈ないしC₁₈のアルキル基であり、R₂は水 素又は-(CH₂)_m-OHでｍが２から12までの整数であるも のであり、そしてY₁とY₂とは異なっていても同一であってもよいがそれぞれ独立 に、-CH₂OH、 M₃は水素又は第１族の金属、典型的にはナトリウム又はカリウムである〕の化合 物、 （ｂ）下記一般式（III）、すなわち 〔この式においてR₃はC₇ないしC₂₀の飽和又は不飽和のアルキル基である〕 の環状イミダゾリン化合物、 （ｃ）C₁₂ないしC₁₈の飽和又は不飽和のアルキルスルホネートアニオン性界面 活性剤、及び （ｄ）場合により上記７ないし 11の範囲内のｐＨを与えるためのｐＨ低下剤 の各成分を含む。発明の好ましい具体例の説明 成分（ａ）の基R₁においてアルキル連鎖の長さの分布は、その生成物が安定で あって各成分（ａ）及び（ｂ）が溶液から析出しないようなものでなければなら ない。これは例えば、基R₁のアルキル連鎖が主と してC₁₂アルキル基であるならば、すなわちココナツ酸から得られるアルキル基 の混合物又は不飽和C₁₈アルキル基（すなわちオレイル）と上記主としてC₁₂アル キルとの混合物であるならば達成される。 すなわち、もし成分（ａ）が式（I）のアルキルアミンジカルボキシレートで ある場合にはこれは好ましくはココ−アミンジプロピオネートの塩であるか、又 は上記ココ−アミン塩とオレイル−アミンジプロピオネートの塩との混合物であ る。これらの塩類は典型的にはモノナトリウム塩である。 これらのアルキルアミンジカルボキシレート化合物は当業界においてしばしば アルキルベタイン化合物と呼ばれ、そして本発明の各アスペクトを記述する限り において互換されることを意図するものである。 本発明の濃厚剤の特に好ましい具体例の１つにおいて、成分（ａ）は上記オレ イル−アミンジプロピオネート塩とココ−アミンジプロピオネート塩との、好ま しくはオレイル−アミンジプロピオネート：ココ−アミンジプロピオネートの１ ：２の重量比の混合物を含む。 そのココ−アミンジプロピオネート塩はココナツ酸から導かれるものであり、 この酸はC₈からC₁₈まで変化する連鎖長さを有し、C₁₀、C₁₂及びC₁₄を主体とする 長鎖状脂肪酸の混合物である。 成分（ａ）が式（II）の化合物である場合には、れは好ましくは上記式におい てR₁がオレイル基又は上に定義したココ−基であり、R₂が-CH₂CH₂OH基であり、 そしてY₁とY₂とが上に定義したとおりである化合物である。特に好ましい式（II ）の化合物は下記式 の化合物である。 一般式（I）及び一般式（II）の化合物は市販において入手できる。例えば、 上に述べたオレイルアミンジプロピオネート及びココ−アミンジプロピオネート の各塩は、英国マンチェスターのLakeland Labora-tories Ltdよりオレイルベタ イン−Lakeland ODA−（オレイルアミンジプロピオネートのモノナトリウム塩） 及びコカベタイン−Lakeland AMA−（コカアミンジプロピオネートのモノナトリ ウム塩）として市販されている。これらの物質は30％有効濃度の溶液として販売 されている。 一般式（II）の化合物はRhone Poulenc社から入手することができ、そして商 品名MIRANOLのもとに販売されている。これらの物質は37−45％の有効濃度の溶 液として市販されている。 典型的には成分（ａ）は濃厚剤の全重量について0.4から18重量％までの有効 量で用いられる。より好ましくは、本発明の濃厚剤を形成させるのに用いられる 成分（ａ）の有効量は3.8から13重量％までの範囲である。これらの範囲は成分 （ａ）が一般式（I）のアルキルアミンジカルボキシレートであるか又は一般式 （II）の化合物であるかにかかわらず適用される。 成分（ｂ）は上に定義した一般式（III）の環状イミダゾリン化合物である。 これらの化合物においてR₃は好ましくは飽和又は不飽和のC₇ないしC₁₈のアルキ ル基であり、より好ましくは不飽和のC₁₇アルキル基である。 典型的にはこの環状イミダゾリン化合物は濃厚剤の全重量について0.35から14 重量％の有効量で用いられる。より好ましくは濃厚物を形成させるのに用いられ るその環状イミダゾリン化合物の有効量は、濃厚剤の全重量について３から10重 量％までの範囲である。 一般式（III）の各物質も市販で入手できる。例えば、R₃が不飽和のC₁₇アルキ ル基であるこの型のイミダゾリン化合物はLakeland Laboratories LtdよりImida zoline 18OHとして供給される。この物質は典型的には65-71％有効濃度で平均有 効濃度が 68％の液体として市販されている。 成分（ｃ）はアルキルスルホネートアニオン性界面活性剤であり、そしてこれ は好ましくはオレイルスルホネートアニオン性界面活性剤である。この一般的な 型の界面活性剤は市販で入手できる物質である。例えば、上にあげたオレイルス ルホネートアニオン性界面活性剤はHoechst AGよりHostapur OSとして販売され ており、そして40％有効濃度の溶液として市販されている。 典型的にはアルキルスルホネートアニオン性界面活性剤は濃厚剤の全重量につ いて0.2から５重量％までの有効量でその濃厚剤の中に存在している。好ましい 組成物においてこのアルキルスルホネートアニオン性界面活性剤の有効量は、濃 厚剤の全重量について0.2から１重量％までの範囲である。 成分（ａ）及び（ｂ）は本発明の組成物の中で所望の潤滑性を与えるために用 いられる。好ましくは成分（ａ）の成分（ｂ）に対する有効重量比は0.9-1.4： １である。 アルキルスルホネート界面活性剤−成分（ｃ）−は本発明の組成物の中にヒド ロトロープとして含まれており、すなわちこのものはその調合物を安定化させる ように作用し、それにより、特に濃厚剤が水で希釈されたときに作り出される希 釈溶液の相分離を防ぐ。こ のアルキルスルホネート界面活性剤は潤滑過程においていかなる活性的役割も持 たず、また瓶詰めプラントを通して搬送される容器の上に用いられる印刷インキ から顔料が浸出されるのを防止するいかなる機能をも持たないようである。 本発明者等は、本発明の濃厚剤の中に更に他の成分を包含させることが可能で あることを見出した。本発明者等は、濃厚剤の全重量について２重量％までの、 それぞれエトキシル化の５から20単位までを有する線状又は分岐鎖状のアルコキ シル化アルコール又はアルコキシル化フェノールである非イオン性界面活性剤（ ｄ）を本発明の濃厚剤の中に取り入れた場合に、得られる潤滑用組成物の取り扱 いこぼれ汚し特性が改善されることを見出した。この界面活性剤は、この組成物 の潤滑性、安定性、或いは容器の印刷された表面の顔料を保護するのになんらの 役割をも分担しないようである。 好ましいそのような非イオン性界面活性剤は、iso-C₁₃-C₁₅アルコールであり 、これはエトキシル化の12単位を有する。これらの界面活性剤は市販において入 手でき、例えばこの型の物質の１つはBASFAGよりLutensol TOI29として市販され ており、そしてこれは88％有効濃度であると言われている。 この型の非イオン性界面活性剤を本発明の濃厚剤の 中に成分（ｄ）として取り入れるときはこれは通常、その濃厚剤の全重量につい て0.5から10重量％まで、好ましくは１から５重量％までの有効量で存在する。 本発明の濃厚剤は典型的には、環状イミダゾリン化合物〔成分（ｂ）〕を水と イソプロパノールとの混合物の中に溶解させることによって作られる。この溶液 をそのイミダゾリン化合物が溶解してしまうまで撹拌し、その上で成分（ａ）を 次に投入する。 成分（ａ）がオレイルアミンジカルボキシレートとココ−アミンジカルボキシ レートとの混合物を含む場合にはその操作は、そのオレイルアミンジカルボキシ レートを最初に導入し、そしてその溶液を、粘稠なスラリーが得られるまで温和 に撹拌して約60℃の温度に加熱する（通常、約１／２時間）ことよりなる。 最後に、そのオレイルスルホネート界面活性剤〔成分（ｃ）〕をその調合物に 加える。 この調合物のｐＨは要求される性質に依存して７から11まで変化させることが できる。本発明者等は、濃厚剤について比較的低いｐＨ値において0.15-0.16の 抵抗係数とともに良好な潤滑性が実現されることを観測した。しかしながら比較 的良好な対顔料適合性は高いｐＨ値において観測される。約９ないし11のｐＨ値 が最適の対顔料適合性のために好まし い。 必要の場合はその調合物のｐＨを低下させるために適当な酸が加えられる。本 発明者等は、酢酸のような単純な酸の添加は不安定な生成物を生ずることを見出 した。本発明者等は、ヒドロトロープ性を有する酸類が適当であることを見出し た。このようなヒドロトロープ性の酸の例は、カプリル酸及びネオデカン酸であ る。ネオデカン酸が好ましく、驚くべきことにその得られる生成物は硬水に対し て安定に留まる。カプリル酸の使用は硬水に対して安定でない生成物をもたらす 。 本発明のもう１つのアスペクトによれば、コンベヤトラック用の潤滑剤として 使用するための潤滑用組成物が提供される、この潤滑用組成物は上に定義した濃 厚剤を、80.00から99.99容積部までの水で希釈して含む。より典型的には本発明 の濃厚剤は99.0から99.9容積部の水で希釈される。 本発明の組成物は通常、濃厚剤として販売され、そしてコンベヤトラック用潤 滑剤として使用するために希釈される。 その調合物の典型的な使用濃度は水中で調製して0.1から１容積％までであろ う。濃厚剤の厳密な濃度は、コンベヤトラックの速度、このトラックにより搬送 される包装物又は容器の型、コンベヤトラックの上 の全荷重及びこぼれによって引き起こされる汚れの量のような種々の因子に左右 される。 潤滑用組成物の希釈は通常、中央分配装置において行われ、そしてその希釈さ れた潤滑用組成物は次いで使用位置のところの各スプレーノズルへポンプ給送さ れる。非常にわずかな潤滑剤しか必要でないコンペヤトラックの若干の領域が存 在する。典型的にはこれらは充填装置の前及び滅菌装置の前の領域である。これ らの領域においてはしばしば２次希釈が用いられる。潤滑剤は充填装置のところ においてその最高の使用濃度であるのが適当である。 潤滑用溶液は典型的にはトラックのそれぞれの長さの出発点のところに設けら れたファンジェットノズルからコンベヤの上へスプレーされる。特別に長時間の 運転のためにはそのトラックの長さに沿って２次スプレージェットを配置するこ ともできる。 汚れが重大である部分では潤滑剤をトラックの上へ連続的にスプレーする必要 があるであろう。しかしながら殆どの場合には適用率を変えるためにタイマーが 採用される。典型的にはオン及びオフの時間は10秒と90秒との間である。オフ時 間は必ずしもオン時間と等しくはない。プラント全体についてタイマーの設定時 間が変化することも可能である。 若干の適用例においては最終的な水洗用ジェットは ボトル／缶を充填するトラックの末端に配置されている。これが箱詰め及び送り 出しに先立って残存潤滑剤をその包装物から洗浄する。 過剰の潤滑剤はトラックから床の上または適当なドリップトレーの上に落ちる ことを許される。どちらの場合もこれは最後には排水溝または水処理系へ進入す る。 上に述べたように、本発明者等は、本発明の潤滑用組成物が缶の印刷と適合性 があり、すなわちそれらは上記潤滑用組成物によって潤滑されているコンベヤト ラックにより搬送される種々の容器の表面から印刷を急速に浸出しないと言う特 別な利点を有することを見出した。更に、本発明の潤滑用組成物はまた硬水地域 においてもなんら明らかなマイナスの作用を受けることなく使用することができ る。 本発明を以下の諸例によって説明する。例１ 水で希釈したときにコンベヤトラック用潤滑剤として使用するのに適した濃厚 剤を次のようにして下記の表にあげた各成分から調剤した。 表において、Imidazoline 18OHは一般式（III）においてR₃が不飽和のC₁₇アル キル基であって、65-71％の有効濃度の液体としてLakeland Labo-ratories Ltd より供給される化合物である。 Lakeland ODAはオレイルアミンジプロピオネート（モノナトリウム塩）、すな わち一般式（I）の化合物であって30％の有効濃度の溶液としてLakeland Labora tories Ltdより販売されている。 Lakeland AMAはココ−アミンジプロピオネート（モノナトリウム塩）、すなわ ち一般式（I）の化合物であって30％の有効濃度の溶液としてLakeland Laborato ries Ltdより販売されている。 Hostapur OSはオレイルスルホネートアニオン性界面活性剤すなわち成分（ｃ ）であり、40％の有効含有量の物質としてHoechst AGより市販されている。 Imidazoline 18OH〔成分（ｃ）〕をイソプロピルアルコールと軟水との混合物 に加えた。得られた溶液をそのイミダゾリン化合物が完全に溶解するまで撹拌し た。 次にLakeland ODA〔成分（ａ）：オレイルアミンジプロピオネート〕をその溶 液に加えて60℃までの温和な加熱とともに30分間までにわたり撹拌した。この混 合過程の間中その混合容器は揮発性物質の損失を防ぐために密封した。得られた 生成物は粘稠なスラリーであった。 このスラリーにLakeland AMA〔成分（ａ）：ココ−アミンジプロピオネート〕 を加えてその混合物が室温に冷却されてしまうまで撹拌した。この段階において その混合物は透明な溶液であった。 最後にこの溶液にHostapur OS〔成分（ｂ）：アニオン性界面活性剤〕を加え た。 得られた調合物は10と11との間のｐＨ値を有していた。この生成物は硬水の中 に１％まで希釈したときに安定であり、そして印刷したアルミニウム缶の表面に 用いられた印刷インクの褪色を起こさないことが見出され、すなわちこの調合物 はアルミニウム缶の上の印刷と適合性である。 上の表に示した生成調合物はコンベヤトラック用の潤滑剤として使用するため に典型的には水で希釈され る。典型的な使用濃度は0.1から１容積％までである。例２ 例１に記述した操作に従い、下記の表にあげた各成分から別な水性濃厚剤調合 物を作った。 Miranol C2MSFを除いて各成分は例１に記述したそれらと同じである。Miranol C2MSFは一般式（II）の下記の構造の化合物 であり、そしてこれはRhone Poulencより溶液として供給され、39％有効濃度の ものであると言われている。 見られるように、この調合物はLakeland AMA物質（すなわちココ−アミンジプ ロピオネート）が上にあ げたMiranol C2MSF物質で置き換えられたことを除いて例１に記述したものと同 様である。得られた調合物の諸性質は例１の調合物のそれと非常に類似していた 。例３ 本発明の種々の潤滑用組成物のインキとの適合性並びにそれらの種々のｐＨ水 準における潤滑性を評価するためにいくつかの試験を行なった。 試験用組成物の潤滑性は移動しているコンベヤの上面に静止荷重セルを載せた 装置を用いて測定した。或る動的荷重をこの荷重セルの上流に置き、そしてこの 動的荷重の上流に静止荷重を置く。潤滑性または抵抗係数（drag coefficient） μを試験するためにこのコンベヤの上に４ｋｇのガラス瓶を載せて動的荷重を代 表させ、一方静止荷重は10個の600ｇのガラス瓶よりなっていた。抵抗係数は下 記式 に基づいて算出した。アルミニウム缶については動的荷重は3.6ｋｇの荷重を与 えるいくつかの缶で置き換え、そして静止荷重は10個のアルミニウム／鋼鉄の缶 よりなっていた。抵抗係数は上記式に従い計算した。 潤滑用組成物の持続性も評価した。持続性は、コン ベヤにその観測時間の間中、水を継続的に供給しながらこのコンベヤへの潤滑剤 の適用を停止させた後で抵抗係数が0.25へ上昇するまでに要した時間として測定 した。抵抗係数及び持続性の両者は潤滑剤の有効性の尺度である。良好な潤滑剤 は低い抵抗係数、高い持続性の評価値を有し、そして急速に平衡潤滑性に達する 。 本発明の種々の潤滑剤のアルミニウム製又は鋼鉄製の缶に印刷するのに用いた インキとの印刷適合性を試験するために下記のインキ適合性試験を行なった。 これは、１個の飲料缶が滅菌装置の中で経験するであろう条件をシミュレート すると信じられる攻撃的試験法である。詳細には、いくつかの試験用ストリップ を主として赤いインキで印刷された飲料用アルミニウム缶から切り取った。各ス トリップは約20mm×80mmの寸法を有していた。各ストリップの潤滑剤との接触は 、それらストリップを65℃において潤滑剤溶液の中に置くことによって達成され た。更に、これらの溶液を予想される最高使用濃度の約10倍の濃度にした。この 型の調合物については本発明者等はその最高使用濃度が約0.5重量％であること を予想し、従って各試験溶液は軟水（〈10ppm炭酸カルシウム）の中で5.0重量％ にした。接触時間は１時間と24時間との間とし、この時間の間中その温度を65℃ に 保った。この時間の最後にそのストリップを溶液から取り出してそのインキに優 しいことが知られている照合用調剤に対して定性的に比較した。任意の単位を、 印刷色素の攻撃的な除去の度合いを反映させるために指定した。より低い単位の 値は、もしあっても温和な顔料の除去を示し、一方、より高い単位の値は攻撃的 な顔料の除去を示す。対照用の標準はスコア１が優しい作用を示し、一方、スコ ア４が潤滑剤による許容できない攻撃的な作用を表わすことを定める。 例１の各調合物を試験し、そして組成物番号D853、D854、D855及びD856として 表示した。各組成物における違いは、そのｐＨが下記第１表にあげた水準に調節 されたと言うことだけである。 上記の表から、受容できる印刷適合性がD856及びD855の調合物を用いて達成さ れたことが明らかである。第１表からは、約9.5及び約10.2のｐＨが調合物とし て大いに優れていることが明らかであるけれども、ｐＨ7.2のD854の調合物は印 刷適合性の受容の最外縁にあることが理解される。当業者によって理解されるよ うに、潤滑性能の評価は摩擦係数、持続性及びμの平衡値への到達時間に左右さ れる。第１表から、ｐＨが低下するにつれて潤滑性能が低下することを見ること ができる。抵抗係数は選んだ種々のｐＨ値について合理的に合致しており、ｐＨ 9.5においてわずかに上昇することが認められるが、ｐＨが9.5以上に上昇すると 低いｐＨに相当する水準へ戻る。しかしながら、摩擦係数を測定する際にｐＨ9. 5におけるこのわずかな上昇はその組成物を用いての特別な操作によるものかも しれず、そしてそのｐＨ9.5における潤滑性についてのなんらかの特別な事情を 示すものと解釈すべきでないと言うことが考えられる。しかしながら持続性及び μについての平衡値に到達する時間の各値を考慮すると、第１表はｐＨの上昇と ともに上記の潤滑性が上昇することを示しているが、より高いｐＨの組成物がな お良好な潤滑剤を構成することは明らかである。例４ 本発明の潤滑用組成物の印刷適合性を更に評価するために印刷適合性を試験す る第２の技術を試みた。この変更した方法は例３において定義した方法を修飾し て印刷適合性を評価するより定量的なやり方を提供することを必要とした。これ は前の方法において用いた同じ飲料用アルミニウム缶を用い、それらを水で満た し、そしてそれらを 10倍の使用濃度の潤滑剤の中に完全に置くことによって達 成された。過剰の潤滑剤はその紙から排除されることが許され、次いで注意深く その熱い缶の周りに巻きつけた。この缶を45分間の接触時間にわたり、絶縁され た箱の中に置くことによって65℃の温度に維持した。この吸取紙を次に空気乾燥 させ、そして対照調合物に対して定性的に比較した。前の試験方法と同様に、そ の潤滑剤の印刷顔料を除去する攻撃的性質を同様な態様で評価した。 この試験の、摩擦係数の測定をも含む結果を試み、そして下記の第２表にまと めた。 上記第２表から、9.5と10.5とのｐＨ値を有する本発明の好ましい組成物は非 常に高い持続性と非常に受容できる摩擦係数とを有して受容可能なインキ適合性 を有することが明らかである。第１及び第２表の結果から、本発明の組成物に従 う好適な潤滑剤を、この試験技術に従うインキ適合性を与えるように好ましくは ９から11までのｐＨ値とともに提供できることが明らかである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ Ｃ１０Ｍ 135:10 145:36） Ｃ１０Ｎ 40:00 (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ)，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，Ｃ Ｎ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ， ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，Ｍ Ｘ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ (72)発明者 グリスデール、クレア イギリス国 ダブリュディー２ ４エフデ ィー ワトフォード ローデス ウエイ アクシス １ ディヴァーシィ テクノロ ジー 【要約の続き】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．水で希釈したときにコンベヤトラックを潤滑するのに用いる、印刷に適合性 のある潤滑用組成物を形成する高いｐＨ値の濃厚剤において、これが７ないし11 のｐＨを有し、そして下記の各成分、すなわち （ａ）（i）下記一般式（I） 〔この式においてR₁はC₈ないしC₁₈の飽和又は不飽和のアルキル基（このよう なアルキル基の混合物を含む）であり、ｎは１から12までの整数であって好まし くはｎは２であり、そしてM₁とM₂とは異なっていても同一であってもよいがそれ ぞれ独立に水素又は第１族の金属、典型的にはナトリウム又はカリウムを表わし 、但し基R₁のアルキル連鎖長さの分布は各成分（ａ）及び（ｂ）が溶液の中に留 まるようなものであることを条件とする〕のアルキルアミンジカルボキシレート 化合物、及び／又は （ii）下記一般式（II）、すなわち 〔この式においてR₁は上に定義したC₈ないしC₁₈のアルキル基であり、R₂は水 素又は-(CH₂)_m-OHでｍが２から12までの整数であるものであり、そしてY₁とY₂と は異なっていても同一であってもよいがそれぞれ独立に、-CH₂OH、-COO^-M₃ ⁺及び -CH₂COO^-M₃ ⁺より選ばれ、その際M₃は水素又は第１族の金属、典型的にはナトリ ウム又はカリウムである〕の化合物、 （ｂ）下記一般式（III）、すなわち 〔この式においてR₃はC₇ないしC₂₀の飽和又は不飽和のアルキル基である〕 の環状イミダゾリン化合物、 （ｃ）C₁₂ないしC₁₈の飽和又は不飽和のアルキルスルホネートアニオン性界面 活性剤、及び （ｄ）場合により上記７ないし 11の範囲内のｐＨを与えるためのｐＨ低下剤 の各成分を含む、上記濃厚剤。 ２．成分（ａ）がココ−アミンジプロピオネートの塩、または上記ココ−アミン ジプロピオネート塩とオレイ ルアミンジプロピオネートの塩との混合物を含む、請求の範囲１に従う濃厚剤。 ３．成分（ａ）がオレイルアミンジプロピオネートとココ−アミンジプロピオネ ートとの各モノナトリウム塩の、好ましくはオレイルアミンジプロピオネート： ココアミンジプロピオネートの重量比で１：２の混合物を含む、請求の範囲１又 は２に従う濃厚剤。 ４．成分（ａ）が、一般式（II）においてR₁がオレイル基であるか又はココ基で あり、R₂が-CH₂CH₂OH基であって、Y₁とY₂とが請求の範囲１において定義したと おりである化合物を含む、先行の各請求の範囲のいずれか１つに従う濃厚剤。 ５．成分（ａ）が下記式、すなわち の化合物を含む、請求の範囲４に従う濃厚剤。 ６．成分（ａ）を濃厚剤の全重量について0.4から18重量％まで、好ましくは濃 厚剤の全重量について3.8から13重量％までの有効量で用いる、先行の各請求の 範囲のいずれか１つに従う濃厚剤。 ７．成分（ｂ）が、一般式（III）においてR₃が飽和又は不飽和のC₇ないしC₁₈の アルキル基、好ましくは不飽和のC₁₇アルキル基である環状イミダゾ リン化合物を含む、先行の各請求の範囲のいずれか１つに従う濃厚剤。 ８．環状イミダゾリン化合物（ｂ）を濃厚剤の全重量について0.35から14重量％ まで、好ましくは濃厚剤の全重量について３から10重量％までの有効量で用いる 、先行の各請求の範囲のいずれか１つに従う濃厚剤。 ９．アルキルスルホネートアニオン性界面活性剤がオレイルスルホネートアニオ ン性界面活性剤である、先行の各請求の範囲のいずれか１つに従う濃厚剤。 １０．アルキルスルホネートアニオン性スルホネート界面活性剤が濃厚剤の全重 量について0.2から５重量％まで、好ましくは濃厚剤の全重量について0.2から１ 重量％までの有効量で存在している、先行の各請求の範囲のいずれか１つに従う 濃厚剤。 １１．濃厚剤中の成分（ａ）の成分（ｂ）に対する重量比が0.9-1.4:１である、 先行の各請求の範囲のいずれか１つに従う濃厚剤。 １２．更に、それぞれ５から20までのエトキシル化単位を有する線状又は分岐鎖 状のアルコキシル化アルコール又はアルコキシル化フェノールである非イオン性 界面活性剤を含むもう１つの成分（ｄ）を含む、先行の各請求の範囲のいずれか １つに従う濃厚剤。 １３．成分（ｄ）がエトキシル化の12単位を有する iso-C₁₃ないしC₁₅のアルコールを含む、請求の範囲１２に従う濃厚剤。 １４．成分（ｄ）が濃厚剤の全重量について0.5から10重量％まで、好ましくは １から５重量％までの有効量で存在している、請求の範囲１２又は１３に従う濃 厚剤。 １５．９から11まで、そして最も好ましくは10から11までのｐＨ値を有する、先 行の各請求の範囲のいずれか１つに従う濃厚剤。 １６．前記のｐＨ低下剤がヒドロトロープ性の酸である、先行の各請求の範囲の いずれか１つに従う濃厚剤。 １７．上記ヒドロトロープ性の酸がカプリル酸とネオデカン酸とよりなる群から 選ばれる、先行の各請求の範囲のいずれか１つに従う濃厚剤。 １８．80.00から99.99容積部の水で希釈される、先行の各請求の範囲のいずれか １つに特許請求された濃厚剤を含む、コンベヤトラックのための潤滑用組成物。 １９．濃厚剤を99.0から99.9容積部の水で希釈する、請求の範囲１８に従う潤滑 用組成物。