JP4279454B2 - 飲料品に適合可能な抗微生物性コンベアー滑剤 - Google Patents

Description

【０００１】
発明の背景
１．発明の分野
本発明は滑剤、特に抗微生物性滑剤、そして最も特別には飲料品容器のためのコンベアーシステムに利用する抗微生物性滑剤に関連する。この滑剤は飲料品に適合可能であり、そしてその滑剤はこぼれた飲料と接触したときの固形物質の沈着の削減を発揮しうる。
【０００２】
２．技術の背景
ほとんどの飲料品の商業的流通において、飲料品は様々なサイズの容器に詰められており、かかる容器はカートン、カン、ボトル、テトラパック包装、ワックス処理カートンパック及びその他の容器形態にある。ほとんどの包装作業において、容器は通常は直立した状態で（容器の開口部を鉛直に上又は下に向けて）搬送システムに沿って移動され、そしてステーション間を通され、そこで様々な作業が行われる（例えば、充填、キャップ締め、ラベル付け、シーリング、等）。これらの容器は、その数多くの可能な形式及び構造に加え、様々なタイプの材料、例えば金属、ガラス、セラミックス、紙、処理紙、ワックス処理紙、複合品、層状構造品及びポリマー材料（例えば、特にポリオレフィン類、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン及びそれらのブレンド、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンフタレート及びそのブレンド、ポリアミド、ポリカーボネート、等）を含んで成りうる。
【０００３】
飲料品用の容器を運搬するのに利用される搬送システムにおける抗微生物性滑剤についての必須又は所望される多種多様な要件がある。このような必須条件は、その材料がこのシステムのために許容されるレベルの滑性を供すること及びこの滑剤が許容される抗微生物活性を発揮することにある。また、この滑剤が慣用のポンプ操作及び／又は飲料品コンベアー滑性化業界において汎用されている塗布装置（例えば、スプレー、ローラーコーティング、ウェットベッドコーティング、等）により塗布可能となる粘度を有すること、並びにこの滑剤が飲料品適合可能であり、従ってあやまってコンベアーシステム上にこぼれた飲料と接触したときに固形沈着物を形成しないことが所望される。この最後の要件は極めて重要であることがあり、なぜならコンベアー上での沈着物の形成はシステムの滑性を変えてしまうことがあり、その結果洗浄し易くするために設備の運転中止を要することがあるからである。沈着は特定の飲料及び使用する滑剤に依存して、飲料と滑剤との組合せから多種多様な化学的工程で生じうる。沈着のかなり一般的な形態の一つは物質、特に２種類の材料内の異なるイオン性物質間での相互作用に由来するミセルの形成により生ずる。
【０００４】
様々なタイプの滑剤が飲料品搬送産業において利用され、様々な度合いの成功が収められている。より一般的なタイプの滑剤は脂肪酸滑剤であり（その酸自体又はアミン塩及び／又はそのエステル誘導体）、その一部は米国特許第５，３９１，３０８号に記載されている。この分野に利用されている別のタイプの滑剤は、米国特許第４，５２１，３２１号、及び１９９４年７月１８日出願の英国特許出願９４／１４４４２．５号を基礎とするＰＣＴ公開番号ＷＯ９６／０２６１６（ＰＣＴ／ＧＢ９５／０１６４１）に示されている有機リン酸エステルである。
【０００５】
米国特許第５，３９１，３０８号はアルキル又は線形エステル以外のリン酸エステルを開示する（例えば、その第６欄、第１１〜２０行に記載の、アルキル又は線形リン酸エステルとの組合せで用いられているアルキルアリールリン酸エステル）。この特許の滑剤システムは滑剤として水性系長鎖脂肪酸組成物のpH９．０〜１０．５での利用をも要し、コンベアーシステム上で搬送されるポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）製ボトルにおける応力亀裂を回避するための特殊な混合成分が伴っている。芳香族ポリアルキルエステルが（アルキルエステルと共に）エステルの組合せの一部として特に開示され、それは
「応力亀裂を著しく抑制し、それ故水性濃縮滑剤における「応力亀裂抑制剤及び乳化剤として機能する。」（第３欄、第４８〜５２行）とされている。
【０００６】
この文献は脂肪酸滑剤に注目し、そしてその明細書は脂肪酸滑剤中でのけん化剤としての水酸化カリウムの利用がＰ．Ｅ．Ｔ（ポリエチレンテレフタレート）ボトルの応力亀裂に寄与し、且つ促進することが見い出された、と指摘している。アルキルリン酸エステル及び芳香族リン酸エステルのブレンドが脂肪酸滑剤と組合さって応力亀裂を抑制することが示されている。
【０００７】
ＰＣＴ公開番号ＷＯ９６／０２６１６には有機アルキルリン酸エステル、芳香族殺生物性第四級アンモニウム化合物、及びpHを５〜１０にするのに足りる塩基を含んで成る濃縮滑剤が記載されている。
【０００８】
米国特許第４，５２１，３２１号には部分的に中和した一リン酸脂肪族（例えば、飽和又は部分不飽和線形アルキル）の希薄な水性系を含んで成るコンベアーシステムのための滑剤が記載されている。相乗物、例えば長鎖脂肪アルコール、脂肪酸誘導化アミンオキシド又は尿素の利用は滑剤の特性を向上する。
【０００９】
米国特許第５，０６２，９７９号には水性の透明溶液を形成する実質的に石けんを含まない組成物を含んで成るコンベアーシステム用滑剤が記載されている。これらの滑剤はアルキルベンゼンスルホネート、アルコキシル化脂肪族アルコールを有する部分リン酸エステル及び脂肪族カルボン酸を含んで成るpH６〜８の組成物を含んで成る。典型的な添加剤、例えば可溶化剤、溶媒、発泡抑制剤及び消毒剤も入っていてよい。脂肪族カルボン酸はＣ₆ −Ｃ₁₂脂肪酸である。
【００１０】
発明の概要
本発明の滑性組成物、特に容器に入った飲料のための飲料品搬送システムに利用するためにデザインされたものは少なくとも下記の成分を含んで成る：
ａ）アルキルアルコキシル化（例えばエトキシル化又はプロポキシル化、好ましくはエトキシル化）リン酸エステル、
ｂ）アリール（例えば芳香族、例えばフェノール）アルコキシル化（例えばエトキシル化又はプロポキシル化）リン酸エステル、
ｃ）芳香族又は線形第四級アンモニウム抗微生物剤、
及び
ｄ）液体担体、例えば水。
【００１１】
高度な有用性を有する特に所望される任意の剤にはキレート化剤（例えばアミノ酢酸キレート化剤、例えばエチレンジアミン四酢酸、ＥＤＴＡ）、洗浄剤（例えば、非イオン性界面活性剤）及びpH調整剤、例えば水酸化カリウム又はナトリウムが挙げられる。
【００１２】
発明の詳細な説明
本発明に係る滑性組成物は少なくとも下記の成分を含んで成る：
ａ）アルキルアルコキシル化（例えばエトキシル化又はプロポキシル化、好ましくはエトキシル化）リン酸エステル、
ｂ）フェノールアルコキシル化（例えば、エトキシル化又はプロポキシル化）リン酸エステル、
ｃ）芳香族又は線形第四級アンモニウム抗微生物剤、及び
ｄ）液体担体、例えば水。
【００１３】
当該滑性組成物は通常濃縮物として供与され、それは適当な液体（例えば、通常は水）で４００倍の希釈率にまで希釈され、滑性組成物の使用溶液にされる。このような組成物は滑剤利用溶液として、そして特に飲料品の容器のための搬送システムのための滑剤利用溶液としての数多くの有益な特性を供与できる。各成分及びこの滑性組成物で期待される様々なタイプの特性を以下に説明する。「滑性組成物」は濃縮滑剤及びこの濃縮物の適当なうすめ液、通常は水による希釈により形成される滑剤利用溶液の双方を包含するのに利用される用語である。
【００１４】
アルキルアルコキシル化（例えばエトキシル化又はプロポキシル化、好ましくはエトキシル化）リン酸エステルは次の一般構造式を有する：
Ｒ¹ −Ｏ−（〔ＣＨ₂ 〕_m −Ｏ）_n −ＰＯ₃ Ｘ₂
（式中、Ｒ¹ はアルキル基（例えば１〜２０個の炭素原子、好ましくは８〜１２個の炭素原子の線形、枝分れ又は環式アルキル基）を含んで成り、
ｍは２又は３であり、
ｎはｍが３のとき３〜８、そしてｍが２のとき３〜１０であり、そして
Ｘは水素、アルカノールアミン及び／又はアルカリ金属である）。
【００１５】
Ｒ¹ のアルキル基はその物理特性、特にその溶解度（例えば可溶化性基又はpH調整基の付加）及びイオン特性に関する物理特性に様々なささいな変化を供するよう様々に置換されていてよい。リン酸エステルがエトキシル化リン酸エステル構造を含んで成るとき、その他の代表的な式は次の通りである：
Ｒ¹ −Ｏ−（〔ＣＨ₂ 〕₂ −Ｏ）_n −ＰＯ₃ Ｘ₂
（式中、Ｒ¹ はアルキル基（例えば１〜２０個の炭素原子、好ましくは８〜１２個、又は１０〜１２個の炭素原子の線形、枝分れ又は環式アルキル基である）を含んで成り、
ｎは３〜８又は３〜１０であり、好ましくは４〜６であり、約５の重量平均値となっており、そして
Ｘは水素、アルカノールアミン及び／又はアルカリ金属である）。
【００１６】
芳香族（例えば、アリール、フェノール、ナフトール、等）アルコキシル化（例えば、エトキシル化又はプロポキシル化）リン酸エステルは下記の一般式を有する：
Ｒ² Ｒ³ Ｃ₆ Ｈ₃ −Ｏ−｛Ｒ⁴ Ｏ｝_n −ＰＯ₃ Ｘ₂
（式中、Ｒ² 及びＲ³ は独立して水素及びアルキル基（例えば、１〜２０個の炭素原子、好ましくは８〜１２個の炭素原子の線形、枝分れ又は環式アルキル基であり）から成る群から選ばれてよく、
Ｒ⁴ は−ＣＨ₂ ＣＨ₂ −及び−ＣＨ₂ ＣＨ₂ ＣＨ₂ −（エチレン及びプロピレン）から選ばれ、そして
ｎ及びＸは前述の通りである）。
【００１７】
ここでも、Ｒ² 及びＲ³ のアルキル基はその物理特性、特にその溶解度（例えば可溶化性基又はpH調整基の付加）及びイオン特性に関する物理特性に様々なささいな変化を供するよう様々に置換されていてよい。ここでは、Ｒ² 及びＲ³ が水素であるのが好ましい。
【００１８】
芳香族及び／又は線形第四級アンモニウム抗微生物剤は抗微生物業界において一般に知られている物質とする。この化合物のクラスは一般に次式により表される：
Ｒ⁵ Ｒ⁶ Ｒ⁷ Ｒ⁸ Ｎ⁺ Ｘ^-
（式中、Ｒ⁵ ，Ｒ⁶ ，Ｒ⁷ 及びＲ⁸ はアリール（例えばフェニル、フリル、等）、アルキルアレン（例えばベンジル）、水素及びアルキル基から成る群より選ばれ、但しそのうちの二つ以下が水素であってよく、そしてそのうちの二つ以下がアリール及び／又はアルキルアレンであってよいものとする。Ｒ⁵ ，Ｒ⁶ ，Ｒ⁷ 及びＲ⁸ のうちの１又は複数のいずれかのものがアリール又はアルキルアレンである場合、この化合物は当業界において芳香族第四級アンモニウム化合物と称されている。Ｒ⁵ ，Ｒ⁶ ，Ｒ⁷ 及びＲ⁸ のうちで４個超の炭素原子を有するのはそのうちの二つ以下であるのが好ましく、８〜１８個の炭素原子が長め鎖のアルキル基にとって好ましい。Ｒ⁵ ，Ｒ⁶ ，Ｒ⁷ 及びＲ⁸ の四つ全てが１〜４個の炭素原子、好ましくは８〜１８個の炭素原子を有することができ、そしてこれらの基の中の炭素原子の数の独立の変動及びこれらの化合物内のこれらの基の分布が許容される。
【００１９】
当該組成物は塩基性化合物、例えばアルカリ金属水酸化物又はアンモニウム塩をpHの調整のために含むのが好ましい。この組成物は好ましくは８．５未満のpHを有し、より好ましくはそれは８．０未満のpHを有し、そしてより好ましくはそれは４．５〜８．０、又は６．０〜８．０のpHを有する。約６．０〜約８．５の範囲内でのpHレベルの調整は本発明の組成物に別の固有な利益を供することが認められた。この組成物の抗微生物活性はpH６．０〜８．５のこの組成物のpHレベルが酸性飲料（ほとんどの商業的飲料品及びジュースはそうである）と接触して下がったときに有意に高まる傾向にある。この滑剤のpHより低いpHを有する飲料に対する曝露による活性の高まりは、その抗微生物活性を、例えば飲料がこぼれることによる微生物の増殖のための栄養が供されたときのように最も活性が必要とされるまで維持せしめる。飲料品の存在は滑剤のpHを下げがちであるため、この抗微生物剤の活性はより一層維持され、そしてかかる活性化により一層効率良く利用される。
【００２０】
本発明の滑性組成物は
ａ）アルキルアルコキシル化（例えば、エトキシル化又はプロポキシル化、好ましくはエトキシル化）リン酸エステル、
ｂ）芳香族（例えばフェノール）アルコキシル化（例えばエトキシル化又はプロポキシル化）リン酸エステル、
ｃ）芳香族又は線形第四級アンモニウム抗微生物剤の任意の組合せを有することで新規であるが（液体担体を有する又は有さずに）、幅広い範囲の組成物と比べ向上した又は高められた性能を供するようなこれらの組合せの範囲及び比率がある。例えば、この滑性組成物中の陰イオン、対、陽イオン物質の相対比率（即ち、重量を基準に総第四級アンモニウム微生物剤と比較してのリン酸エステル（陰イオン性）の総量の相対比）は、この滑性組成物が飲料と接触したときに起こる沈降、沈殿、くもり及び沈着の程度に影響を及ぼす。陰イオン、対、陽イオンの比率が高いほど、この組成物はより一層沈着しにくくなる。陰イオン、対、陽イオンの比は少なくとも１．５であるのが好ましく、通常は２．０〜１０．０の範囲内とし、より好ましくは２．０〜８．０の範囲内とする。前述の通り、この滑剤が曝露されがちな飲料の量が多いほど、陰イオン、対、陽イオンの比が高いほど好ましい。この濃縮組成物内の物質の比率は７〜３０重量％の陰イオン物質及び１〜５重量の陽イオン物質として記載してもよい。このような比率は約３０：１〜１．２８：１の比といった陰イオン物質、対、陽イオン物質の最大の範囲を可能にする。何らかのことわりのない限り、本実施例に記載の比率は全て重量％で示す。図４はこのような相互作用効果の一部を示す。
【００２１】
当該組成物の安定性及び滑性特性に有意且つ有害な影響を及ぼすことのない追加の成分が本発明の組成物の中に入っていてもよい。親水性及び疎水性物質の双方に対する親和力を有する物質であるカップリング剤が当該組成物の中に含まれうる。カップリング剤はヒドロトロープとも呼ばれ、それは様々な弱溶性の有機化合物の水性溶解度を高める特性を有する化学品である。このような化合物は往々にして単一の分子内に親水性及び疎水性官能基の双方を有することで双方の環境に対する親和力を発揮し、そして液体洗浄製剤に一般に利用される。
【００２２】
本発明のその他の性質は本発明の滑剤が容器材料及びコンベアー材料に関して幅広い有用性を有する傾向にある点にある。特定の容器組成品及びコンベアー支持材料に利用されるよう滑性組成物を特別にデザインすることは当業界で通常に実施されてきている。コンベアー上の支持材料は布帛、金属、プラスチック、これらの材料の複合品及び混合物を含んで成りうる。滑剤は好ましくは様々なこれらの表層と適合可能であろう。同様に、ボトル組成品は金属、ガラス、紙、処理紙、コーティング紙、ラミネート、セラミックス、ポリマー及び複合品を含んで成ってよく、そしてこの滑性組成物は好ましくはこのような材料の全ての所定の適合能を有するであろう。所定の材料で性能品質にある程度の変動がありうるが、本発明の滑剤は数多くの滑性組成物よりも広い範囲で様々な材料の許容性能を発揮しがちである。
【００２３】
高度な有用性を有する考えられる任意の剤にはキレート化剤（例えばＥＤＴＡ）、非イオン洗浄剤、及びアルカリ化剤、例えば水酸化カリウム、ナトリウム又はアルカノールアミンが挙げられる。本発明の実施において利用するのに好適なキレート化剤はアミン型酢酸である。このようなキレート化剤には一般に米国特許第４，８７３，１８３号に記載の全てのポリ（アミン型）キレート化剤が挙げられる。その他のキレート化剤、例えばニトリロ三酢酸、グルコヘプタノエートのアルカリ金属塩、及び有機置換化リン酸、並びにその均等物も本発明の実施において有用である。このようなキレート化剤は好ましくはこの濃縮滑性組成物の０．０５〜２５重量％、好ましくは０．０５〜１５重量％で存在する。
【００２４】
合成滑剤環境において、本発明は第四級アンモニウム抗微生物剤、そして特に線形第四級化合物が線形及びフェノールリン酸エステルとの組合せにおいて滑剤として働く。関連文献の少なくとも一つ（例えばＰＣＴ ＧＢ９５／０１６４１、第１７頁、第１２〜１８行）は第四級アンモニウム化合物とアルキル（線形）リン酸エステルとの組合せが滑性に影響を及ぼさないことを特に示している。本発明の第四級アンモニウム抗微生物剤の組合せ及びエステルの組合せが滑性を事実上高める（摩擦係数を低める）という発見は、一定の化学的分類の化合物における予期できない結果の主張の基礎を担う。
【００２５】
【表１】

【００２６】
実施例１
下記に示す２種類の製剤を調製した。第一製剤は混合リン酸エステル、ＥＤＴＡ、ＮａＯＨ及び線形第四級アンモニウム抗微生物剤を含む。第二製剤は線形第四級アンモニウム抗微生物剤を除き、同一である。
【００２７】
各製剤の０．１％の使用溶液を軟水において調製した。この溶液をショートトラックコンベアー上に散布し、そのコンベアーはステンレススチールコンベアーが１００rpm で回転する際にガラスボトルが定常に保たれるように設定した。前進力（ｄｒａｇ）をロードセルで測定し、それは前進力及び負荷を基準にＣＯＦ（動的）をプロットするコンピューターに接続されている。その結果を図１に示す。それは摩擦係数（ＣＯＦ）、対、リン酸エステルと線形第四級アンモニウム及びリン酸エステルのみについての時間を示すグラフである。
【００２８】
【表２】

【００２９】
所見
製剤に線形第四級アンモニウムを含ませると、リン酸エステルのブレンドのみを含む滑剤よりも滑性を向上させる。
【００３０】
実施例２
下記に示す２種類の製剤を調製した。第一製剤は混合リン酸エステル、ＥＤＴＡ、ＮａＯＨ、非イオン性界面活性剤及び線形第四級アンモニウム抗微生物剤を含む。第二製剤は線形第四級アンモニウム抗微生物剤をベンジル第四級アンモニウムに代えてある。
【００３１】
各製剤の０．１％の使用溶液を軟水において調製した。この溶液をショートトラックコンベアー上に散布し、そのコンベアーはステンレススチールコンベアーが１００rpm で回転する際にガラスボトルが定常に保たれるように設定した。前進力をロードセルで測定し、それは前進力及び負荷を基準にＣＯＦ（動的）をプロットするコンピューターに接続されている。その結果を図２に示す。それはＣＯＦ、対、線形第四級又はベンジルアンモニウムのいずれかとのリン酸エステルについての時間を対比を示す。
【００３２】
【表３】

【００３３】
所見
この線形第四級物質はベンジル第四級物質と比べて製剤の滑性を向上させる。
【００３４】
実施例３
下記に示す２種類の製剤を調製した。第一製剤はブレンドされたアルキル及びアリールリン酸エステルを含み、そして第二製剤はアルキルリン酸エステルだけを含む。双方の製剤はＥＤＴＡ、非イオン性界面活性剤、ＮａＯＨ及び線形第四級アンモニウムを含む。
【００３５】
濃縮物の粘度をＢｒｏｏｋｆｉｅｌｄ粘度計モデルＲＶＴで５１，７８及び１１６°Ｆ（スピンドル＃３、１００rpm 、係数＝１０）にて三重測定した。結果は以下の通りである。
【００３６】
【表４】

【００３７】
所見
製剤中でのフェノールリン酸エステルとアルカリリン酸エステルとのブレンドは試験した温度全てにおいて粘度を下げ、そして得られる低い粘度は温度非依存性のようであった。この特性は慣用のコンベアー装置に対する塗布のし易さを担う。
【００３８】
実施例４
アルキルリン酸エステル及び線形第四級アンモニウムを含む製剤を様々な非イオン及び陰イオン助剤により調製し、滑剤に対する影響を検討した。フェノールリン酸エステルを含むコントロール、高めのレベルのアルキルリン酸エステルを含むコントロール、及び助剤抜きのコントロールを比較の目的のために調製した。組成は以下に示す。
【００３９】
各製剤の０．１％の使用溶液を軟水において調製した。この溶液をショートトラックコンベアー上に散布し、そのコンベアーはステンレススチールコンベアーが１００rpm で回転する際にガラスボトルが定常に保たれるように設定した。前進力をロードセルで測定し、それは前進力及び負荷を基準にＣＯＦをプロットするコンピューターに接続されている。各サンプルを２回以上実験し、平均ＣＯＦを計算した。その結果を以下の表Ａに示す。
【００４０】
【表５】

【００４１】
所見
フェノール及びアルキルリン酸エステルはコントロールよりも滑性を高め、その他の助剤はいずれもこの利点を供さなかった。
【００４２】
実施例５
本実施例は飲料と相互作用せず、沈殿物を形成しないリン酸エステル及び第四級アンモニウムの比を検討する。軟水中の４０％のリン酸エステルを１０％の活性線形第四級アンモニウム水溶液及びコーラ飲料と様々なレベルで組合せた。翌日、サンプルを透明度について観察した。サンプルを透明、くもり及び分離にランク分けした。（経時的に、くもったサンプルは全て沈殿物を形成した。）
【００４３】
結果
図４に示す三重プロット参照。
【００４４】
所見
飲料の量が高いレベルでは、透明度を保つために陰イオン、対、陽イオン界面活性剤の高い比率が必要であった。この比は非常に低レベルの飲料での約１．５：１から、５０％の飲料での２．５：１、そして非常に高レベルの飲料での１６：１に至る。
【００４５】
【表６】

【００４６】
【表７】

【００４７】
【表８】

【図面の簡単な説明】
【図１】 リン酸エステルのみ、対、第四級アンモニウム殺生物剤と混合したリン酸エステルについての摩擦係数（動的）についてのデーターのグラフ。
【図２】 線形第四級アンモニウム殺生物剤又は芳香族第四級アンモニウム殺生物剤のいずれかを含むリン酸エステル滑性組成物の摩擦係数についてのデーターのグラフ。
【図３】 様々なカップラー（例えばヒドロトープ）を有する様々な組成物と比較した本発明の滑性組成物についての摩擦係数（動的）についてのデーターのグラフ。
【図４】 本発明の実施における陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び飲料の変動効果の三角グラフ。

Claims (5)

1. ａ）アルキルアルコキシル化リン酸エステル
   ｂ）アリールアルコキシル化リン酸エステル
   ｃ）線形第四級アンモニウム抗微生物剤、及び
   ｄ）水、
   を含んで成る抗微生物性リン酸エステルコンベアー滑剤。
2. 前記アルキルアルコキシル化リン酸エステル及び前記アリールアルコキシル化リン酸エステルが前記第四級アンモニウム抗微生物剤に対し１．５：１〜１０．０：１の重量比で入っている、請求項１記載の滑剤。
3. 前記アルキルアルコキシル化リン酸エステル及び前記アリールアルコキシル化リン酸エステルの総重量が線形第四級アンモニウム抗微生物剤である前記第四級アンモニウム抗微生物剤に対し２．０：１〜１０．０：１の重量比である、請求項１記載の滑剤。
4. 容器を搬送するのに利用されるコンベアーを滑性にする方法であって、コンベアーの搬送面にリン酸エステル抗微生物滑性組成物を塗布し、それから当該コンベアー上で容器を移動させることを含んで成り、ここで前記組成物は
   ａ）アルキルアルコキシル化リン酸エステル、
   ｂ）アリールアルコキシル化リン酸エステル、
   ｃ）線形第四級アンモニウム抗微生物剤及び
   ｄ）水
   を含んで成る、方法。
5. 前記アルキルリン酸エステル及び前記アリールリン酸エステルの総重量が線形第四級アンモニウム抗微生物剤である前記線形第四級アンモニウム抗微生物剤に対し２．０：１〜１０．０：１の重量比である、請求項４記載の方法。

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