JP4676647B2 - アクチュエータ用制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータ用制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ベッドにおいて各部を電動アクチュエータにより変位可能にしたベッドシステムが知られている。そのようなベッドシステムにおいて、定速制御機能と自動停止機能とを設けるためには、それぞれに対応して回転検出用センサと位置検出用センサとを必要とする。また、それら回転検出や位置検出に例えばサーボモータにおいてホールICを用いたものがある。
【0003】
上記したようなホールICをセンサとして用いるものにあって定速度制御を行う場合には、ホールICによる回転検出信号から回転速度を算出し、その算出値から目標とする回転速度との偏差を求め、その偏差に応じてフィードバック制御を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記構造のようにモータにホールICなどの回転センサを設けた場合には、回転センサが一般的に高価であるためモータが高騰化し、またその制御回路も複雑化する。そのため、アクチュエータで速度制御を行うべく回転センサを設けたモータを用いた場合には、アクチュエータが高騰化し、かつその制御回路も複雑化するという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決して、アクチュエータの定速度制御を安価に実現するために、本発明に於いては、電動アクチュエータを目標速度で駆動するべく、前記アクチュエータの変位に連動するポテンショメータを設けて、前記ポテンショメータの検出電圧の変化が前記アクチュエータの目標速度に対応した基準変化に対してずれた場合には、該ずれに応じて前記アクチュエータに対する駆動制御出力値を増減するアクチュエータ用制御装置であって、前記目標速度に対応した前記駆動制御出力値と前記アクチュエータの電流値との関係をマップ化した特性マップと、前記ずれと前記ずれに応じた前記駆動制御出力値の補正値との関係をマップ化した補正マップとを設け、前記アクチュエータに対する駆動制御出力値の増減量を前記補正マップにより求めると共に、前記補正マップにより補正した駆動制御出力値にて前記アクチュエータを駆動した際に前記ずれが生じた場合には、前記補正マップにおける前記駆動制御出力値の補正値を前記ずれに応じて補正することにより前記補正マップを書き換え、その書き換えられた新たな補正マップに基づいて次回からの制御を行い、前記補正マップによる制御結果の適否を判別し、当該制御結果が誤っている場合には前記特性マップによる制御に切り換えるものとした。
【0006】
これによれば、本来位置センサとして用いられるポテンショメータを用いて、定速度制御を行うことができる。
【0007】
また、前記目標速度に対応した前記駆動制御出力値と前記アクチュエータの電流値との関係をマップ化した特性マップを設け、前記駆動制御出力値にて前記アクチュエータを駆動した際の前記アクチュエータの電流検出値が前記特性マップにおける対応する値に対して偏差が生じた場合には、前記特性マップにおける前記駆動制御出力値を前記偏差に応じて補正することにより前記特性マップを書き換え、その書き換えられた新たな特性マップに基づいて次回からの制御を行うことによれば、経年変化により初期特性が変化した場合であっても、その偏差に応じて補正するように特性マップを書き換えることから、容易に対応可能である。
【0008】
また、前記書き換えられた新たな補正マップに基づいて次回からの制御を行うことによれば、基本となるマップを書き換えることなく、補正マップのみを書き換えることから、何らかの原因により補正マップの書き換えが誤った場合にはその補正マップを使用せずに、基本となるマップのみを用いるようにすることができる。
【0009】
また、前記アクチュエータの速度とトルクとの特性変化から前記駆動制御出力値と前記アクチュエータの電流値との関係をマップ化した出力-電流マップを設け、前記目標速度に対応した前記駆動制御出力値と前記アクチュエータの電流値との関係をマップ化した特性マップを設け、前記目標速度で駆動している間の負荷変動を前記アクチュエータの電流値の変化により検出し、前記検出された前記電流値に対応して前記特性マップから求められた駆動制御出力値により前記アクチュエータを制御することによれば、負荷変動が生じても常に定速度制御を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面に示された具体例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明が適用されたベッドシステムにおける任意の1部位に対する位置調整用電動アクチュエータの要部概略制御回路図である。図に示されるように、制御ユニット1には、上昇・下降用操作スイッチSW1・SW2と、モータ2と、モータ2に連動するポテンショメータ3とが接続されている。
【0012】
制御ユニット1内には、モータ2の駆動を制御するためのCPU1aが設けられている。上記各スイッチSW1・SW2からの操作信号がCPU1aの各入力端子I1・I2に入力し、それら各信号応じて対称部位を上昇/下降させるための各制御信号がCPU1aの各出力端子O1・O2から出力される。それら各出力端子O1・O2にはそれぞれトランジスタQ1・Q2が接続され、各トランジスタQ1・Q2により各リレーRY1・RY2がオン/オフし、各リレーRY1・RY2の状態に応じてモータ2が正逆転するようになっている。
【0013】
また、CPU1aには各センサ端子S1・S2・S3が設けられており、その端子S1によりポテンショメータ3に電圧が印加され、その印加電圧を端子S2により検出すると共に、ポテンショメータ電圧を端子S3により検出するようになっている。
【0014】
次に、本アクチュエータによるモータ駆動制御要領について以下に示す。上記ポテンショメータ3により検出されたポテンショ電圧Vpのアクチュエータ定速度動作時における変化が図2の実線に示されるようになる場合には、そのポテンショ電圧変化率はΔV/Δtとなる。本発明によれば、検出されたポテンショ電圧変化率ΔVp/Δtと本来の定速度動作時の変化率ΔV/Δtとの偏差(速度偏差)に応じて、駆動出力(駆動デューティ比)の補正を行う。
【0015】
図3に示されるように、ポテンショメータ3による上記速度偏差に応じて駆動デューティ比比補正値ΔDmを求める補正マップを設定しておくことにより、ポテンショメータ3を用いたアクチュエータによる定速度制御を行うことができる。図では、目標速度から遅れた場合の速度偏差を正として、速度偏差がΔSP1〜ΔSP2の間では駆動デューティ比比補正値をΔDm1とし、速度偏差がΔSP2以上では駆動デューティ比補正値をΔDm2としている。また、速度偏差がΔSP1〜−ΔSP3の間では駆動デューティ比補正値を0とし、速度偏差が−ΔSP3〜−ΔSP4の間では駆動デューティ比補正値を−ΔDm3とし、速度偏差が−ΔSP4以下では駆動デューティ比補正値を−ΔDm4としている。
【0016】
なお、駆動デューティ比補正値を0とする範囲を、図3では速度偏差の0を挟んで負側と正側との所定の範囲にしたが、それに限るものではなく、速度偏差の0から負側または正側のいずれか一方にオフセットさせるようにしても良い。特に、速度偏差の0から正側のみにした場合には、速度が足りない時の方が寄り付きに時間がかかるという現象を補うことができる。
【0017】
このようにすることにより、本来位置センサとして用いられるポテンショメータ3を用いて、定速度制御を行うことができる。
【0018】
また、自動位置停止機能としては、ポテンショ電圧Vpの検出値が規程の電圧(予め位置に対するポテンショ電圧Vpを求めておく)に達したら、出力端子O1・O2からの制御信号出力をオフにすることによりその位置に停止させることができる。なお、本装置の主電源投入直後にあっては、そのタイミングで端子S1によりポテンショメータ3に電圧が印加されるようにすることにより、その時の位置を即座に検出可能であり、したがって、従来例で述べたような停止位置を記憶しておくための不揮発性メモリなどを必要としない。
【0019】
このように、ポテンショメータ3をセンサとして用いることから、他の光学式や磁気式などのセンサよりは低価格であり、かつポテンショメータ3のみで回転センサ及び位置センサを用いたものと略同等の性能を確保できる。
【0020】
次に、本発明による第2の例を以下に示す。この第2の例にあっては、定速度制御を、モータ回転速度を直接検出せずに、駆動デューティ比−モータ電流特性を用いて行うものに適用される。なお、図1の想像線に示されるようにモータ電流を検出するための電流センサ4を設け、図4に示されるように駆動デューティ比Dmとモータ電流Imとの間の特性をマップ化した特性マップを設けておく。
【0021】
図4の特性マップを用いることにより、例えば、ある目標速度を実現し得る駆動デューティ比Dm1で制御を行った場合に、この駆動デューティ比Dm1で出力した場合のモータ電流Imが特性マップ値Im1よりも大きい(Im2)場合には目標速度に対して低下していると判断できる。そして、駆動デューティ比Dmを増大させる(Dm2)ことにより、定速度制御を行うことができる。また、逆の場合も同様に制御することができる。
【0022】
しかしながら、アクチュエータの初期電圧のばらつきや、アクチュエータの温度上昇による電流変化や、アクチュエータの経年変化による電流のばらつきなどがあると、電流により出力電圧が決まることから、定速度制御の精度に影響がある。また、アクチュエータを繰り返し作動させた場合、モータ電流検出値と実アクチュエータ速度との関係が、アクチュエータ機構部のフリクションの変化(温度や摩耗による)により初期状態から変化する。
【0023】
それに対して、上記図示例のようにポテンショメータ3を用いて、速度偏差をポテンショ電圧Vpの変化率から検出し、その速度偏差に応じて駆動デューティ比補正値ΔDmを求めることにより、簡易的な速度補正を行って、繰り返し作動時の定速度制御精度の低下を防止することができる。しかしながら、上記したような動作時に行う補正処理だけでは、スイッチ操作の度に補正処理を行うようになった場合に、応答性が悪化するという虞がある。
【0024】
それに対して、第2の例にあっては、補正データにより特性マップを更新するようにしており、図5のフロー図を参照して、その制御要領について以下に示す。まず、第1ステップST1ではいずれかの操作スイッチSW1・SW2が操作されている(オン)か否かを判別し、操作されている場合には第2ステップST2に進む。なお、第1ステップST1で各操作スイッチSW1・SW2が操作されていないと判別された場合には本ルーチンを終了し、停止処理を行う。
【0025】
第2ステップST2では、スイッチ操作が行われていることの確認のため例えば10ms経過したか否かを判別する。この10msが経過するまでは第1ステップST1に戻ってスイッチ操作が行われているか否かを判別し、連続して10ms以上スイッチ操作が行われていたら第3ステップST3に進む。
【0026】
第3ステップST3では、今回のスイッチ操作が初回のものか否かを判別し、初回のものである場合には第4ステップST4に進み、そこで、駆動デューティ比の初期値を出力する。第3ステップST3で初回のスイッチ操作でないと判別された場合または上記第4ステップST4の次には、第5ステップST5〜第10ステップST10までの一連の処理を行う。
【0027】
第5ステップST5ではモータ電流Imを検出し、第6ステップST6では、上記検出されたモータ電流Imに基づき図4の特性マップから基本となる駆動デューティ比Dmを算出する。第7ステップST7では、上記基本駆動デューティ比Dmにより駆動した状態での速度偏差を算出し、かつその速度偏差に基づき前記したように図3の補正マップから駆動デューティ比補正値ΔDmを求める。
【0028】
次の第8ステップST8では、上記駆動デューティ比補正値ΔDmにより駆動デューティ比Dmを補正(Dm±ΔDm)し、第9ステップST9でその補正された駆動デューティ比(Dm±ΔDm)に基づきモータ2を駆動する。そして、第10ステップST10では、上記第5ステップST5で検出されたモータ電流Imに対して補正された駆動デューティ比(Dm±ΔDm)を新たな駆動デューティ比(Dm=Dm±ΔDm)として、図4の特性マップを更新する。このようにして更新されることにより、図6に想像線で示した図4の特性マップによる初期特性が例えば図6の実線に示されるようになる。
【0029】
上記特性マップの更新値を記憶する所にはEEPROMやフラッシュROMなどの不揮発性メモリを用いることにより、上記学習結果を電源オフ時でも記憶しておくことができる。これにより、経年変化などで初期の特性マップをそのまま使用することが好ましくない場合に、初期の特性マップを補正に応じて更新し、次回からはその更新された特性マップを使用することができ、その都度補正処理を行う必要が無くなるため、応答性が向上し得る。
【0030】
次に、本発明による第3の例を以下に示す。この第3の例にあっては、上記第2の例における第1ステップST1〜第9ステップST9までの制御を同一とするものであり、その説明を省略する。そして、図5の第10ステップST10に対応する図7に示される補正フローにより、第2の例の第10ステップST10で行った駆動デューティ比−モータ電流特性の特性マップの更新を行う代わりに、図3に示した駆動デューティ比補正値ΔDmを求める補正マップの更新を行う。
【0031】
すなわち、第8ステップST8で求めた補正駆動デューティ比(Dm+ΔDm)でモータ2を駆動した場合における目標速度との偏差に基づいて図3の補正マップを補正する。図7に示されるように、第10aステップST10aでは、前回の制御サイクル時に補正を実施(第7ステップST7で補正値ΔDmを算出)したか否かを確認し、補正を実施していない場合には本補正制御フローを行わず、補正を実施していた場合には第10bステップST10bに進む。
【0032】
第10bステップST10bでは、今回の制御サイクルにおける第7ステップST7で算出した補正値ΔDmの補正対象エリアが前回と同一エリアであるか否かを判別し、同一エリアでは無い場合には本補正制御フローを行わない。この場合の同一エリアとは、図8に示される速度偏差に対する分割エリア(A・B・C・D及びE・F・G・H)のことである。なお、図では速度偏差の正側及び負側にそれぞれ4分割した分割エリアを設けているが、単なる一例である。そして、同一エリアである場合には第10cステップST10cに進む。
【0033】
第10cステップST10cでは、対象となるエリアx(A〜H)の補正値ΔDm(x)に補正量K(x)を加算して、新たな補正値ΔDm(x)を求める。なお、負側の速度偏差に対してはK(x)を負の値とする。また、K(x)の値は、各エリア別に異なる値に設定されていて良い。
【0034】
例えばエリアAに対して補正を行う場合には、その新たな補正値ΔDm(A)がΔDm(A)+K(A)となる。なお、図示例の場合にはエリアAにおける初期の補正値ΔDmは0であることから、図8(a)に示されるように、新たな補正値ΔDm(A)はK(A)となる。さらに、他のエリア(例えばB・C・D)についても同様に新たな補正値ΔDm(x)を設定した場合には、例えば図8(b)に示されるようになる。
【0035】
このようにすることにより、基本となる特性マップ(図4)は変更せず、その基本特性マップに対して補正する補正マップ(図3)を更新して、目標速度に対する速度制御を行うことから、基本となる特性マップ(図4)を初期設定のまま残しておくことができる。したがって、補正マップ(図3)が書き換えられていく過程で誤学習してしまったような場合には、その補正された駆動デューティ比による制御結果の適否を目標速度に対する偏差の大きさなどで判別することができ、その場合には基本となる特性マップ(図4)のみを用いた制御に切り換えることにより、誤学習された補正を行った制御を回避することができ、誤ったままの制御を続行してしまうことを防止できる。
【0036】
次に、本発明の第4の例を以下に示す。この第4の例にあっては、ポテンショメータ3を用いた場合の定速度制御におけるフィードバック制御を行うものである。この場合には、ポテンショメータ3からは回転センサによるパルス信号に相当する出力が無いため、モータ2の回転を直接検出するフィードバック制御を行うことができない。
【0037】
まず、定速度制御を行う要領について図9を参照して以下に示す。この定速度制御にあっては、負荷が変化することによる速度−トルク特性の変化を速度制御のパラメータとして使用する。図において横軸にモータ2のトルクを示し、縦軸にモータ2の角速度を示す。
【0038】
負荷の速度−トルク特性が図のTL1で示されるような場合に目標速度ω1に対する定速度制御を行う際にはポイントP1に基づき制御することになる。この時、負荷の変動により速度−トルク特性が図のTL2に示されるように変化した場合には、ポイントP1を通るモータの速度−トルク特性が図のTM1に示される場合には、上記ポイントP1がTL1とTM1との交点である平衡点P1’に移る。この平衡点P1’にあっては角速度がω2になる。
【0039】
新たな負荷の速度−トルク特性TL2に対して角速度を目標角速度ω1にするためには、変動した負荷の速度−トルク特性TL2とモータの速度−トルク特性との交点である平衡点P1’が図に示されるポイントP2になるようにTM2になるように変えることになる。これにより、ポイントP1がポイントP2になり、このモータの速度−トルク特性の変更は、速度可変要素であるモータ電圧を操作することにより可能である。このようにして定速度制御を行うことができる。
【0040】
それに対して、トルク(負荷)の変化はモータ電流が変化したことと同じなため、本第3の例における制御にあってはモータ電流Imを使用する。その制御要領について図10のフロー図を参照して以下に示す。
【0041】
まず、第11ステップST11では、いずれかの操作スイッチSW1・SW2が操作されている(オン)か否かを判別し、操作されている場合には第12ステップST12に進み、そこでモータ電流Imを検出し、第13ステップST13に進む。第13ステップST13では、起動時に行うソフトスタート制御が終了したか否かを判別する。
【0042】
ソフトスタート制御処理が終了していない場合には第13ステップST13から第14ステップST14に進み、そこでソフトスタート処理を行う。このソフトスタート処理にあっては、例えば定速度制御おける目標速度に達するまでの速度上昇を緩やかにして起動時のショックを防止するように、駆動デューティ比の増加率を低く設定するものであって良い。第14ステップST14の次の第15ステップST15では、上記駆動デューティ比に基づいてPWM制御によるモータ駆動制御を行い、第11ステップST11に戻る。
【0043】
ソフトスタート処理が終了したら第16ステップST16に進む。第16ステップST16では、図11に示されるような出力−モータ電流マップから、上記検出されたモータ電流Imに応じた出力として駆動デューティ比Dmを求める。この出力−モータ電流マップは、上記図9に基づいて作成される。例えば図9における各ポイントP1・P2に対応するモータ電流及び駆動デューティ比を求め、同様にして他のポイントP3、…Pnに対応する各モータ電流及び駆動デューティ比を求めて、図11に示されるような出力(駆動デューティ比)−モータ電流マップを作成することができる。
【0044】
上記第16ステップST16の次には第15ステップST15に進む。この時の第15ステップST15では、第16ステップST16において図11の出力−モータ電流マップから求めた駆動デューティ比Dmに基づいてPWM制御によるモータ駆動制御を行い、第11ステップST11に戻る。これを一定時間(処理サイクル時間)毎に行うことにより、上記したように目標速度に対する定速度制御を行うことができる。
【0045】
なお、第11ステップST11で各操作スイッチSW1・SW2が操作されていないと判別された場合には第17ステップST17に進む。第17ステップST17では、定速度制御中であるか否かを判別し、定速度制御中でない場合には第11ステップST11に戻る。定速度制御中である場合には第18ステップST18に進み、そこでソフトストップ処理を行う。このソフトストップ処理にあっては、上記ソフトスタート処理と同様に、例えば停止するまでの速度低下を緩やかにして停止時のショックを防止するように、駆動デューティ比の減少率を低く設定するものであって良い。
【0046】
このようにすることにより、高価な回転センサを用いることなく、安価なポテンショメータを用いて、回転センサによる回転パルス信号を用いて回転速度を直接検出することによるフィードバック制御を行う場合と同様の定速度制御を行うことができる。
【0047】
【発明の効果】
このように本発明によれば、本来位置センサとして用いられるポテンショメータを用いて定速度制御を行うことができ、一般にポテンショメータは安価であることから、アクチュエータの定速度制御を安価な構成で実現し得る。また、目標速度に対応した駆動制御出力値とアクチュエータの電流値との関係をマップ化した特性マップを設け、その特性マップでは定速度制御において速度偏差が生じるようになったら補正すると共にその補正に基づいて特性マップを書き換え、その書き換えられた新たな特性マップに基づいて次回からの制御を行うことによれば、経年変化により初期特性が変化した場合であっても、容易に対応可能である。
【0048】
また、定速度制御における速度のずれに応じた駆動制御出力値の補正値をマップ化した補正マップを設け、ずれが生じた場合には補正マップにおける駆動制御出力値の補正値をずれに応じて補正すると共に補正マップを書き換え、その書き換えられた新たな補正マップに基づいて次回からの制御を行うことによれば、基本となるマップを書き換えることなく、補正マップのみを書き換えることから、何らかの原因により補正マップの書き換えが誤った場合にはその補正マップを使用せずに、基本となる特性マップのみを用いるようにすることができる。
【0049】
また、目標速度に対応した駆動制御出力値とアクチュエータの電流値との関係をマップ化した特性マップを設け、目標速度で駆動している間の負荷変動をアクチュエータの電流値の変化により検出し、その検出値に対応して特性マップから求められた駆動制御出力値によりアクチュエータを制御することによれば、負荷変動が生じても常に定速度制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたベッドシステムにおける任意の1部位に対する位置調整用電動アクチュエータの要部概略制御回路図。
【図2】定速度制御におけるポテンショ電圧の時間変化を示す図。
【図3】速度偏差に応じた駆動デューティ補正値を示す図。
【図4】駆動デューティ比とモータ電流との関係を示す図。
【図5】第2の例における制御フローを示す図。
【図6】駆動デューティ比の補正要領を示す説明図。
【図7】補正マップを補正するための制御フローを示す図。
【図8】(a)は図7に基づく駆動デューティ比補正値の書き換え要領を示す図3に対応する図であり、(b)はさらに補正を行った場合を示す図。
【図9】第4の例における定速度制御要領を示す説明図。
【図10】第4の例における制御フローを示す図。
【図11】出力(駆動デューティ比)−モータ電流マップを示す図。
【符号の説明】
1 制御ユニット1
1a CPU
2 モータ
3 ポテンショメータ

Claims (3)

  1. 電動アクチュエータを目標速度で駆動するべく、前記アクチュエータの変位に連動するポテンショメータを設けて、前記ポテンショメータの検出電圧の変化が前記アクチュエータの目標速度に対応した基準変化に対してずれた場合には、該ずれに応じて前記アクチュエータに対する駆動制御出力値を増減するアクチュエータ用制御装置であって、
    前記目標速度に対応した前記駆動制御出力値と前記アクチュエータの電流値との関係をマップ化した特性マップと、前記ずれと前記ずれに応じた前記駆動制御出力値の補正値との関係をマップ化した補正マップとを設け、
    前記アクチュエータに対する駆動制御出力値の増減量を前記補正マップにより求めると共に、前記補正マップにより補正した駆動制御出力値にて前記アクチュエータを駆動した際に前記ずれが生じた場合には、前記補正マップにおける前記駆動制御出力値の補正値を前記ずれに応じて補正することにより前記補正マップを書き換え、その書き換えられた新たな補正マップに基づいて次回からの制御を行い、
    前記補正マップによる制御結果の適否を判別し、当該制御結果が誤っている場合には前記特性マップによる制御に切り換えることを特徴とするアクチュエータ用制御装置。
  2. 記駆動制御出力値にて前記アクチュエータを駆動した際の前記アクチュエータの電流検出値が前記特性マップにおける対応する値に対して偏差が生じた場合には、前記特性マップにおける前記駆動制御出力値を前記偏差に応じて補正することにより前記特性マップを書き換え、その書き換えられた新たな特性マップに基づいて次回からの制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ用制御装置。
  3. 前記アクチュエータの速度とトルクとの特性変化から前記駆動制御出力値と前記アクチュエータの電流値との関係をマップ化した出力-電流マップを設け、
    前記目標速度で駆動している間の負荷変動を前記アクチュエータの電流値の変化により検出し、前記検出された前記電流値に対応して前記出力-電流マップから求められた駆動制御出力値により前記アクチュエータを制御することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ用制御装置。
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