JP4676126B2 - ロール曲げ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平板材をロール曲げ加工するロール曲げ装置に関し、一対のロール間から繰り出した平板材を前方に配置する当たり部材によってロール状に曲げる技術である。
【0002】
【従来の技術】
図12、図13は、従来のロール曲げ装置を示す。図12に示すように、このロール曲げ装置は、いわゆるピンチ型3本ロールであって、略同径の上ロール100と下ロール200とからなる一対のロール前方に当たり部材としてこれら上下ロール100,200よりも小径の加工ロール300を配置したものである。下ロール200は、両端に伸縮自在の支持軸400が連結されており、ハンドル500を回すことによって下ロール200が昇降されて上ロール100との間隔が調節される。これによって、ロール曲げ加工する平板材wの板厚に合せて上ロール100と下ロール200との間隔調節ができる。前方の加工ロール300は、両端に傾斜自在の支持軸600が連結されており、ハンドル700を回すことによって前後されて上ロール100および下ロール200との間隔が調節される。これによって、平板材wの曲げ曲率調節ができる。また、上ロール100は、回動軸の一端がモータMと連結されて、このモータMの駆動によって回動駆動される。
【0003】
そして、上ロール100と下ロール200との間に平板材wを挿入して上ロール100を回動駆動させ前方へ繰り出させると、前方の加工ロール300によって平板材wがロール状に曲げられて行く。このようにして、平板材wから所望の曲率半径を有した円筒体を製造することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ロール曲げ装置では、ロール曲げを行うために平板材wに対する上
下ロール100,200と前方の加工ロール300との曲げ作用点間に一定間隔を確保させているので、図13に示すように平板材wの曲げ始め(図13(a))と曲げ終わり(図13(b))では曲げ作用が働き難く、ストレート部(w1,w2)が形成されてしまい、平板材wの始端部分w1と終端部分w2とをきれいにロール曲げできなかった。そのため、得られた円筒体の接合部分はストレート部(w1,w2)が現われるため、きれいな円形になり難くかった。特に、小径の円筒体を製造する場合は、上記ストレート部(w1,w2)の占める割合が増すため、真円状の小径円筒体を得るのは難しかった。なお、きれいな円形にするには、上記ストレート部(w1,w2)の2次加工が必要となり、そうすれば工数やコスト面で不利となる。
【0005】
一方、上記ストレート部(w1,w2)をなるべく無くすため、加工ロール300を大幅に小径にし、加工ロール300と上下ロール100,200間との間隔を狭めることが考えられる。しかしながら、この場合は加工ロール300が細長くなってしまうため、繰り出される平板材wの押圧力によって加工ロール300の中央部に撓みが生じ、平板材wに対する曲げ作用が働かなくなる。これは、加工ロール300は、両端部を支持棒600にて支持され、中央部の支持力に乏しいからである。そのため、平板材wの幅方向中央部にはほとんど曲げ作用が働かなくなる結果、平板材wのロール曲げが確実に行われないという不具合が発生してしまう。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、平板材の始端部分および終端部分にストレート部を生じさせることなく、きれいなロール曲げ加工を可能とするロール曲げ装置を実現するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るロール曲げ装置は、
一対のロールの前方に当たり部材を配置させ、一対のロール間から平板材を繰り出すと共に、この繰り出した平板材を上記当たり部材に当接させてロール状に曲げ加工するロール曲げ装置において、
上記当たり部材は、先端部上面が傾斜面となって先細り状に形成されたダイにて構成し、このダイには、ダイ上面からその一部が突出され、且つ回動可能に取付けられたガイドローラを設けたものとし、
上記一対のロール間から繰り出した平板材が上記ダイ上面から突出させたガイドローラに当接されてこのガイドローラとの接触面側がロール曲げ加工で得られる円筒体の外表面となるように、上記ダイの先端部を上記一対のロール間に挿入配置させ、
上記一対のロールのうち上記ダイのガイドローラが対向しない側のロールは、他方のロールよりも小径とし、
上記一対のロールのうち上記ダイのガイドローラが対向しない側のロールを回動可能に収容させた断面略C字状の抱込み型体を配置させ、且つ上記ダイをこの抱込み型体の開放部前方側端縁に設け、
上記一対のロールのうち上記ダイのガイドローラが対向しない側のロールには、平板材の曲げ加工時に生じる撓みを抑制させるバックアップ体を配置させたものである。
【0008】
また、本発明に係るロール曲げ装置は、
一対のロールの前方に当たり部材を配置させ、一対のロール間から平板材を繰り出すと共に、この繰り出した平板材を上記当たり部材に当接させてロール状に曲げ加工するロール曲げ装置において、
上記当たり部材は、ダイに回動可能に取付けられたガイドローラにて構成し、該ガイドローラをダイ上面からその一部が突出されるように設けたものとし、
上記一対のロール間から繰り出した平板材が上記ダイ上面から突出させたガイドローラに当接されてこのガイドローラとの接触面側がロール曲げ加工で得られる円筒体の外表面となるように上記ダイを上記一対のロール間に配置させ、
上記一対のロールの後方には、平板材を該一対のロール間から繰り出す前に該平板材の始端部分をロール曲げ方向に仮曲げするための端曲げ機構が配置され、
上記端曲げ機構は、平板材が一対のロール間に投入配置されると該平板材の始端を上記一対のロール間に挟持させた状態で該平板材をロール曲げ方向に押込むように構成し、
上記端曲げ機構は、平板材の始端部分をロール曲げ方向に押込む押込み部材と、平板材の始端を上記一対のロール間に挟持させた状態で該押込み部材を上記ロール曲げ方向に移動可能とした駆動手段とを備え、
上記端曲げ機構は、上記一対のロールのうち上記ダイのガイドローラが対向しない側のロールを回動可能に収容させた断面略C字状の抱込み型体を有し、該抱込み型体の開放部前方側端縁に上記ダイが設けられると共に開放部後方側端縁には上記押込み部材が設けられ、上記駆動手段によって該抱込み型体の姿勢を前後に回動可能に構成したもの
である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。
(参考例1)
図1〜図3は、参考例1によるロール曲げ装置を説明する図面である。図1に示すように、参考例1のロール曲げ装置は、上ロール1と下ロール2とからなる一対のロールと、この上下ロール1,2の前方に配置した当たり部材としてのダイ3とを備える。
【0010】
上記の上ロール1は、回動軸の一端がモータMと連結されており、このモータMの駆動によって回動駆動される。また、上記の下ロール2は、上ロール1よりも小径とし、且つ両端に伸縮自在の支持軸4が連結されて上ロール1の下部に支持される。支持軸4には、本ロール曲げ装置の所定箇所に設置させたハンドル5と接続されている。そして、このハンドル5を回すと両端の支持軸4が同期して伸縮され、これによって下ロール2が昇降されて上ロール1との間隔が調節される。この間隔調節によって、ロール曲げ加工する平板材wの板厚に合せて上ロール1と下ロール2との間隔設定ができる。
【0011】
上記ダイ3は、後端部の3箇所に支持棒6a,6b,6cが接続されて上記上下ロール1,2間の前方に配置されるように支持されている。そして、ダイ3は、この先端部3A側を上下ロール1,2間に挿入するように配置される。この配置状態ではダイ先端部3Aの頂点は、下ロール2の頂部接線よりも下方に配置される。これによって、上下ロール1,2間から繰り出されてきた平板材wをダイ3の上部側へ確実に案内させることができる。また、下ロール2は、上ロール1よりも小径であるから、ダイ先端部3Aを上下ロール1,2間に奥深く挿入させることができる。
【0012】
ダイ後端部の支持棒6a,6b,6cは、ダイ3の両端(6a,6c)のみならず真ん中(6b)にも接続されているので、上下ロール1,2間から繰り出された平板材wを曲げ加工しているときに平板材wの押圧力によってダイ3中央部が撓むのを防いでいる。また、支持棒6a,6b,6cは、本ロール曲げ装置の所定箇所に設置させたハンドル7と接続されている。そして、このハンドル7を回すと支持棒6a,6b,6cを介してダイ3が前後し、上下ロール1,2との間隔調節ができる。この間隔調節によって、平板材wの曲げ曲率を設定することができる。
【0013】
図2に示すように、上記ダイ3は、先端部3Aが先細りのクサビ状に形成されて取替え可能なスクレーパとし、また、ダイ上面3aが傾斜面となるように形成されている。ダイ上面3aには、複数のガイドローラ30が回動可能に取付けられている。これらガイドローラ30は、すべて軸31によって連結されて一体形成されているが、1つずつバラバラのガイドローラ30としてもよい。また、ガイドロール30の各ローラ部分の両側面には、リング状のサイドベアリングRを介在させている。
【0014】
そして、ダイ上面3aには上記ガイドローラ30を回動可能に取付けるための溝部32が設けられている。この溝部32は、ローラ用溝321と軸用溝322とからなっており、ローラ用溝321は、上記ガイドローラ30のローラ部分と接触しない大きさに設けられ、軸用溝322は、上記ガイドローラ30の軸31が円滑に回動されるような溝形状とされている。そして、この溝部32に上記ガイドローラ30を圧入して取付けられる。この取付け状態では、ガイドローラ30の一部がダイ上面3aから突出されるように上記軸用溝322の深さが設定される。従って、この突出されたローラ部分が上下ロール1,2から繰り出されてくる平板材wに当接されて曲げ作用力を付与することとなる。また、ガイドロール30の各ローラ部分の両側面にリング状のサイドベアリングRを介在させることによって、ローラ用溝321内でのローラ部分の横ずれや、回動の支障となることを防止している。さらに、上述のように上記ダイ3は、上記上下ロール1,2間において先端部3Aを奥深く挿入配置できるので、ダイ3に取付けたガイドローラ30を上下ロール1,2間にかなり接近させることができる。
【0015】
次に、図3に沿って上記構成のロール曲げ装置による平板材wのロール曲げ加工の動作を説明する。
図3(a)に示すように、ダイ先端部3Aの頂点が下ロール2の頂部接線よりも下方に配置されているから、上下ロール1,2間から平板材wが繰り出されると、平板材wはガイドロール30の在るダイ3の上部側に確実に案内されて行く。しかも、ダイ3の先端部3Aは、上下ロール1,2間に奥深く挿入されていることから、上下ロール1,2間から平板材wが繰り出され始めた途端に、平板材wの始端w10が傾斜面となった先端部3Aのダイ上面3aに当たる。すると、ダイ上面3aによって平板材wの繰り出される押圧力がそのまま平板材wの始端部分w1に対する曲げ作用力として付与される。従って、この始端部分w1も傾斜面となったダイ上面3aによって曲げられ、従来のように平板材wの始端部分w1がストレート部となってしまうこともない。なお、傾斜面とするダイ上面3aの傾斜角度は、ロール曲げする平板材wの材質にもよるが、平板材wの始端w10が当たったとき上下ロール1,2による平板材wの繰り出しを止めてしまうことなく円滑に行われ、且つ平板材wの始端部分w1の曲げが確実に行われる角度に設定される。
【0016】
引続いて平板材wが上下ロール1,2間から繰り出されて行くと、平板材wがダイ3のガイドローラ30に当たる。このとき、ガイドローラ30は、ダイ上面3aから突出されているので、図3(b)に示すように、平板材wはローラ30と接触することによりダイ上面3aから引き離される。すると、今度はこのガイドローラ30によって平板材wの繰り出される押圧力がそのまま平板材wに対する曲げ作用力として付与される。
【0017】
また、ガイドローラ30は、ダイ3に回動可能に取付けられているので、平板材wの繰り出し移動に従ってガイドローラ30が回動される。これによって、平板材wが擦り付けられることなく滑らかに送られて行くので、平板材w表面に擦りキズが付けられることもない。このガイドローラ30との接触面側がロール曲げ加工で得られる円筒体の外表面となるが、円筒体表面もきれいな状態のままで仕上げることができる。
【0018】
さらに、ダイ3を上下ロール1,2間に奥深く挿入できるので、従来の加工ロール(図12の符号300)と比して上記ガイドローラ30を上下ロール1,2間にかなり接近させることができる。従って、平板材wの繰り出し始めの早い時点でこのガイドローラ30によって平板材wのロール曲げが行われ、平板材wでのダイ上面3aとの接触範囲を少なくできるから、平板材wの始端部分w1においてもダイ上面3aとの接触によって生じ得る擦りキズがほとんど付かない。
【0019】
そして、図3(c)に示すように、上記ガイドローラ30を上下ロール1,2間にかなり接近されていることから、平板材wの繰り出し終了間際となるまで上記ガイドローラ30による曲げ作用が平板材wに付与され続ける。従って、平板材wの終端部分w2においてもストレート部が残ることを大幅に抑えることができる。
このようにして平板材wを上下ロール1,2間から繰り出して上記ダイ3を当接させることで、所定長さの矩形の平板材wから円筒体(図示せず)が製造される。
【0020】
以上のように、上記参考例1によるロール曲げ装置によれば、平板材wの始端部分w1はダイ上面3aとの接触によってロール曲げすることができる。また、平板材wの繰り出し終了間際までダイ上面3aのガイドローラ30による曲げ作用を付与し続けることによって平板材wの終端部分w2にストレート部が残ることを大幅に抑えることができる。従って、平板材wの始端部分w1および終端部分w2におけるストレート部をほとんど生じさせることなく、きれいなロール曲げ加工を行うことができる。よって、特に、小径のきれいな円筒体を製造するのに非常に有利である。
【0021】
また、ガイドローラ30は、ダイ3に回動可能に取付けられているので、曲げ時には平板材w表面に擦りキズが付けられることもなく、ロール曲げ後の円筒体表面もきれいな状態に仕上げることができる。
【0022】
また、ダイ先端部3Aを取替え可能なスクレーパとするので、取替え用のスクレーパとして種々の形状のものを揃えておくことで、例えば異なる材質ごとに平板材wの始端部分w1の曲り具合を確認しながら最適なダイ先端部形状(傾斜角度や、平面形状か曲面形状か等)を選択することができ、且つダイ先端部3Aが平板材wの始端部分w1による衝撃等、何らかの事情にて破損したときは他のスクレーパに取替えて素早く装置稼動でき、よって、装置の調整時間やダイ3のコスト面(ダイ破損時に部分取り替えで済む等)等の点で有利である。
【0023】
(実施の形態1)
図4、図5は、本発明の実施の形態1によるロール曲げ装置を説明する図面である。図4に示すように、実施の形態1のロール曲げ装置は、上記参考例1のものにおいて、下ロール2を回動可能に収容させた抱込み型体8を設けたものである。この抱込み型体8は、一部切欠いた断面略C字状の筒状に形成されている。そして、この抱込み型体8は、下ロール2の支持棒に取付けられるか、あるいは装置本体等に直接取付けられ、この抱込み型体8自体は回動しないように固定されている。そして、上記参考例1で示したダイ3を、この抱込み型体8の開放部前方側端縁に取付け固定させている。また、上記抱込み型体8の下部中央部にはバックアップ体9を配置させている。このバックアップ体9は、抱込み型体8の下部中央部に設けられた切欠窓82を通して下ロール2を直接支承している(図5(b)を参照。)。なお、その他の構成は、図4、図5で図示していない部分も含め図1に示す参考例1と同様である。
【0024】
そして、図5(a)に示すように、上記抱込み型体8における内周面には、すべり軸受81が設置されており、このすべり軸受81を収容する下ロール2との間に介在させている。これによって、下ロール2の回動抵抗が緩和され、下ロール2が抱込み型体8内で良好に回動できるようにしている。なお、すべり軸受81は、抱込み型体8の内周面に部分的に設けるようにしてもよい。
【0025】
また、抱込み型体8の下部中央部には、図5(b)に示すように、切欠窓82が設けられており、この切欠窓82を通して下ロール2を上記バックアップ体9によって支承させている。そして、上記バックアップ体9は、伸縮自在の軸棒93に保持器90を取付け、この保持器90に一対のバックアップロール91,92を回動可能に並設させて、この一対のバックアップロール91,92によって下ロール2を下から支承するようにしている。なお、図示しないハンドル等によって上記軸棒93を伸縮させ、保持器90を介して一対のバックアップロール91,92が昇降され、下ロール2の支承具合を調節できるようにしている。
【0026】
以上の構成を備えるロール曲げ装置による平板材wのロール曲げ加工の動作は、上記参考例1による場合と同様である(図3参照)。従って、この実施の形態1のロール曲げ装置によっても、平板材wの始端部分w1および終端部分w2にストレート部をほとんど生じさせることなく、きれいなロール曲げ加工を行うことができる。
【0027】
加えて、ダイ3が回動しないように固定された上記抱込み型体8に取付け固定されているため、平板材wがダイ3に接触したときダイ3に作用する負荷は、上記抱込み型体8によって支持されるので、ダイ3の下ロール2に対する姿勢が安定される。また、このとき、ダイ3に作用する負荷の反作用として下ロール2に作用する負荷は、上記抱込み型体8や上記バックアップ体9によって支持されるので、平板材wを撓ませることなく真直ぐの状態で上下ロール1,2間からダイ3に繰り出させることができる。特に、下ロール2が小径になるほど、下ロール2への負荷に対する対抗力が両端に比して中央部が弱くなる傾向になるが、図4の例では、バックアップ体9は、下ロール2の中央部に配置させているから、下ロール2の対抗力補強に非常に有効である。従って、このものでは、小径の円筒体を製造する上では、中央部が膨らんだ太鼓型となることなく全長にわたって直径の等しい非常にきれいな円筒体に仕上げるのに非常に有利である。
【0028】
(変形例)
図6、図7は、変形例によるロール曲げ装置を説明する図面である。なお、図6は、上ローラ1を取除いた状態での下ローラ2Xおよびダイ3Xを現している。図6に示すように、変形例のロール曲げ装置は、上記参考例1のものにおいて、下ロールを複数の切欠溝21を設けた段付き状下ロール2Xとし、また、ダイは、先端部3Bを複数の凸部33から構成したクシ型状ダイ3Xとし、そして、このクシ型状ダイ3Xの凸部33を段付き状下ロール2Xの切欠溝21に挿入配置させたものである。
【0029】
すなわち、上記段付き状下ロール2Xは、ロール外周面を全周にわたって切欠いた切欠溝21と、切欠かれていないロール部22とが長手方向に交互に配置された構成となるものである。一方、上記クシ型状ダイ3Xの先端部3Bは、凸部33と凹部34とが長手方向に交互に配置された構成とし、各凹部34の形成場所に対応してガイドローラ30が配置されるようにしたものである。なお、その他の構成は、図6、図7で図示していない部分も含め図1に示す参考例1と同様である。
【0030】
従って、このものは、図7に示すように、クシ型状ダイ3Xを上下ロール1,2X間に配置させるとき、このクシ型状ダイ3Xの凸部33を段付き状下ロール2Xの切欠溝21に挿入させることによってクシ型状ダイ3Xの先端部3Bを上下ロール1,2X間により奥深く挿入することができる。その結果、上記ダイ3に取付けたガイドローラ30を上下ロール1,2X間により接近させることができる。
【0031】
よって、このロール曲げ装置による平板材wのロール曲げ加工動作では、上記実施の形態1のものと比し、平板材wの始端部分w1が上下ロール1,2X間の繰り出し始めの極わずかな範囲だけダイ先端部3Bの凸部33上面と当たる程度である。このとき当該始端部分w1の曲げが行われる。これ以降は、上記実施の形態1と同じくガイドロール30によってロール曲げが行われるが、平板材wの終端部分w2では繰り出しが終了する間際まで上記ガイドローラ30によるロール曲げが行われることとなる。
【0032】
このようにして、上記変形例のものも、平板材wの始端部分w1および終端部分w2にストレート部をほとんど生じさせることなく、きれいなロール曲げ加工を行うことができる。加えて、平板材wは、始端部分w1の極わずかな範囲しかダイ上面によって曲げ作用が負荷されないから、この始端部分w1に擦りキズを付けることもほとんどない。従って、ロール曲げ後の円筒体表面は、全周にわたって非常にきれいな状態に仕上げることができる。
【0033】
なお、下ロール2Xの切欠溝21の深さやダイ3Xの凸部3の突出長さ等を調整し、ダイ先端部3Bを上下ロール1,2X間により奥深く挿入させ、ガイドロール30を上下ロール1,2X間にさらなる接近を可能としてもよい。そうすると、平板材wが上下ロール1,2X間から繰り出され始めた途端に上記ガイドローラ30に当たり、平板材wの繰り出しが終了するまで上記ガイドローラ30によるロール曲げが行われることとなり、平板材wの始端部分w1も終端部分w2もガイドローラ30のみに当接されて曲げ作用を負荷するので、この始端部分w1、終端部分w2に擦りキズを付けることも一切なく、従って、ロール曲げ後の円筒体表面は、全周にわたって非常にきれいな状態に仕上げることができる。
【0034】
(参考例2)
図8〜図10は、参考例2によるロール曲げ装置を説明する図面である。図8に示すように、参考例2のロール曲げ装置は、上記参考例1のものにおいて、平板材wを上下ロール1,2間から繰り出す前に平板材wの始端部分w1をロール曲げ方向に予め仮曲げするための端曲げ機構800を設けたものである。
【0035】
この端曲げ機構800は、平板材wの始端部分w1をロール曲げ方向に押込む端曲げロール(押込み部材)810と、平板材wの始端w10を上下ロール1,2間に挟持させた状態で上記端曲げロール810を上記ロール曲げ方向に移動可能とした駆動軸(駆動手段)820とを備える。
【0036】
上記端曲げロール810は、平板材wの幅以上の長さを有し、上下のロール1,2と平行に配置されている。上記駆動軸820は、この端曲げロール810の両端部を回動可能に支持し、端曲げロール810が回動されるようにしている。そして、この駆動軸820には、本ロール曲げ装置の所定箇所に設置させたハンドル830と接続されており、ハンドル830を回すと駆動軸820が伸縮され、これによって端曲げロール810が昇降される。また、ハンドル830には、図示しないロック機構が設けられており、このロック機構でハンドル830を回動不能にロックして駆動軸820を所定長さに保持させることができる。これによって、先端の端曲げロール810を所定の高さ位置に保持させることができる。例えば、平板材wのロール曲げ時には、端曲げロール810の頂部の高さを下ロール2の頂部の高さと一致させ、平板材wが水平状態で上下のロール1,2間に投入されるようにすることができる。なお、その他の構成は、図8に図示しない部分も含め図1に示す参考例1と同様である。
【0037】
次に、上記端曲げ機構800を有したロール曲げ装置の動作を図9、図10を参照して説明する。まず、図9(a)に示すように、下ロール2の頂部と略同じ高さに配置された端曲げロール810に当てがって平板材wを上下ロール1,2間に投入する。このとき、端曲げロール810が平板材wの投入に従って回動されるので、平板材wを上下ロール1,2間に円滑に投入させることができる。
【0038】
そして、平板材wの始端w10が上下ロール1,2間に挟持されると、図9(b)に示すように、この挟持状態でハンドル830を回して駆動軸820を駆動させ端曲げロール810を所定高さまで上昇させる。すると、平板材wの始端w10が上下ロール1,2間に挟持固定されているから端曲げロール810によって平板材wの始端部分w1にはロール曲げ方向の曲げ作用が付与される。これによって、平板材wの始端部分w1がロール曲げ方向に仮曲げされる。この平板材wを押し曲げる際には端曲げロール810が平板材w表面に沿って回動し擦り付けることがない。従って、上記平板材wの始端部分w1における仮曲げ時に平板材w表面に擦りキズが付くこともなく、きれいな表面状態を保つことができる。
【0039】
この仮曲げが完了すると、図9(c)に示すように、ハンドル830を回して駆動軸820を駆動させて端曲げロール810を降下させ、平板材wの始端部分w1への曲げ作用を解放する。このとき、端曲げロール810の頂部の高さが下ロール2の頂部の高さと略一致するところでハンドル830を回動不能にロックしておく。従って、端曲げロール810が平板材wの投入を邪魔することがない。
【0040】
次に、図10(a)に示すように、上ロール1を駆動させ上下ロール1,2間から始端部分w1が仮曲げされた平板材wを繰り出させる。この平板材wは、始端部分w1が上記端曲げ機構800によって予めロール曲げ方向に仮曲げされているので、平板材wの始端部分w1がダイ先端部の上面3aまたはガイドローラ30に円滑に導入されて本曲げ(ロール曲げ)される。従って、平板材wの始端部分w1にはストレート部を生じさせることなく、きれいなロール曲げ加工を確実に行うことができる。
【0041】
そして、図10(b)に示すように、端曲げロールw1の頂部の高さを下ロール2の頂部の高さと略一致するように保持させているので、上下ロール1,2間から平板材wの繰り出しが略完了するまで上記端曲げロール810が平板材wの投入に従って回動されて平板材wを投入側でガイドする。これによって、平板材wを安定した姿勢で上下ロール1,2間に投入されるので、上下ロール1,2間からの平板材wの繰り出し姿勢を安定させることができる。従って、ダイ3によるロール曲げを平板材wの略全長にわたって精度よく行える。
【0042】
そして、図10(c)に示すように、平板材wの繰り出し終了間際では、平板材wの終端w20が上下ロール1,2間に挟持された状態でダイ3のガイドローラ30による曲げ作用が平板材wの終端部分w2に付与されるので、この終端部分w2においてもストレート部が残ることなく確実にロール曲げされる。
【0043】
このように、とりわけストレート部の残りやすい平板材wの始端部分w1を予め仮曲げすることによって、小径の円筒体であっても、始端部分w1および終端部分w2にストレート部を残すことなく、全周にわたって非常に真円度の高い円筒体をより確実に得ることができる。
【0044】
(実施の形態2)
図11は、本発明の実施の形態2によるロール曲げ装置を説明する図面である。
図11に示すように、実施の形態2のロール曲げ装置は、上記参考例2のものと同じく、上記参考例1のものにおいて平板材wの端曲げ機構800aを設けたものである。
【0045】
この端曲げ機構800aは、一部切欠いた断面略C字状の筒状に形成され、下ロール2を回動可能に収容させた抱込み型体808を設け、この抱込み型体808の開放部後方側端縁808xには端曲げロール810aが回動可能に収容され、開放部前方側端縁808yにはダイ3が取付け固定されている。
【0046】
また、この抱込み型体808には、下方に傾斜配置された連結部材821が取付けられ、この連結部材821の円弧状の下端部にはギヤ821gが形成され、このギヤ821gには歯車822が歯合されている。これによって、上記歯車822を図示しないハンドル等で回動させると、連結部材821が揺動されて抱込み型体808の姿勢を下ロール2に対して前後に回動させることができる。
【0047】
また、上記抱込み型体808の内周面や抱込み型体808の開放部後方側端縁808xの内周面には、すべり軸受部材881、811が収容され、下ロール2や端曲げロール810aの回動抵抗を緩和させ、これらが良好に回動されるように嵌入されている。なお、上記連結部材821を傾斜配置することで、上下ロール1,2の高さ位置が高くならないように制限できる。その他の構成は、図示しない部分も含め図1に示す参考例1と同様である。
【0048】
以上の構成を有したロール曲げ装置は、ハンドル等で歯車822を回動させ、抱込み型体808の姿勢を下ロール2に対して後方に回動させることで開放部後方側端縁808xに取り付けた端曲げロール810aが上昇される。これによって、上記参考例2のものと同様に平板材wの始端部分w1に対する仮曲げが行える(図13を参照)。
【0049】
次に、ハンドル等で歯車822を上記と逆方向に回動させ、抱込み型体808の姿勢を下ロール2に対して前方に回動させると上記端曲げロール810aが降下されると同時に抱込み型体808の開放部前方側端縁808yに取り付けたダイ3が上昇される。これによって、端曲げロール810aによる平板材wの始端部分w1への曲げ作用が解放されると共に、ダイ3の上下ロール1,2間における位置設定ができる。このときも図示しないハンドル等をロック機構によってロックしておけば、抱込み型体808が回動不能となって固定されるので、ロール曲げ時に平板材wからダイ3に荷重が加わってもダイ3の姿勢を安定して保持させることができる。
【0050】
また、このダイ3の位置設定された状態で、端曲げロール810aの頂部高さが下ロール2の頂部高さと略一致されるように設定しておけば、上記参考例2のものと同様、上記端曲げロール810aが平板材wの投入に従って回動されて平板材wを投入側でガイドし、上下ロール1,2間からの平板材wの繰り出し姿勢を安定させることができる(図10を参照)。従って、この実施の形態2のものでも、上記参考例2と同様に、始端部分w1および終端部分w2にストレート部を残すことなく、全周にわたって真円度の高い円筒体をより確実に得ることができる。
【0051】
また、この実施の形態2のものでは、抱込み型体808によって端曲げロール810aとダイ3とを連結させ、端曲げロール810aの押上げ動作と共にダイ3の位置設定動作の駆動を連結部材821と歯車822とからなる駆動手段によって共通化できる。従って、端曲げ機構800aを設けたロール曲げ装置の構造を簡易化できる。
【0052】
(その他の実施形態)
本発明のロール曲げ装置は、上記実施の形態1,2に限らず本発明の範囲内で種々の設計変更を施すことが可能である。
例えば、上記ダイ3を3分割以上とし、各分割ダイ3に調節機構としてハンドルの操作と連動する支持棒をそれぞれ設け、各分割ダイ3を独立に前後調節できるようにしてもよい。これによって、例えば、ロール曲げ負荷の対抗力が弱くなる傾向の真ん中の分割ダイ3を両端の分割ダイ3よりも上下ロール1,2間に若干接近させるようにし、平板材wの全幅に均一な曲げ作用を付与することで、得られる円筒体が真ん中付近の膨らんだ太鼓型となることを一層確実に防ぎ、全長にわたって等しい直径の円筒体とすることができる。従って、このものでは、特に、長い円筒体を製造するのに有利であり、また、細長い小径円筒体を製造するのに有利となる。
【0053】
また、例えば、ダイ先端部の上面を曲面状に突出させることで、上下ロール1,2間から繰り出され始めた平板材wの始端部分w1を曲面状突出部によって曲げ作用を付与し平板材wの始端部分w1をより確実にロール曲げできるようにしたり、また、ダイ先端部下面を下ロール2の外周面形状に整合した曲面状に凹ませることで、ダイ先端部を下ロール2に沿わせて上下ロール1,2間により奥深く挿入配置できるようにする等、上記ダイ3の形態を種々変更するものでもよい。
【0054】
また、ダイ3は、平板材wの当接する上面3aにおいて耐摩耗を向上させるために超鋼材を溶射するか、摩擦の低減のためにテフロン(登録商標)等のコーティングを施すか、あるいは金属製とした場合に先端部3Aを焼入れし硬度を上げる等、これら単独もしくは組合せて性能向上のための処理を施すようにしてもよい。
【0055】
また、上記ダイ3に取付けたガイドローラ30は、ローラベアリング等で形成できるものであるが、ガイドローラとして1本の長尺な小径ロールをダイ上面3aに嵌め込み、この小径ロールとダイ3との間にすべり軸受部材を介在させて、小径ロールを回動可能に取付けるようにしてもよい(例えば、図11に示す端曲げロール810aを抱込み型体808に対しすべり軸受811を介して取付けたような形態であって、この場合、端曲げロール810aを上記小径ロールとみなし、抱込み型体808を上記ダイ3とみなす。)。これによって、ガイドローラ30は、構成が簡単となり低コストに得られ、且つダイ3への組付けも簡易に行える。
【0056】
また、上記実施の形態2において、押込み部材として回動自在な端曲げロール810,810aとするが、これに代えて、硬い芯材にウレタン等の柔軟性部材を被覆形成させた回動しない押込み部材としてもよい。これによっても、端曲げ時には内部の硬い芯材が平板材wの始端部分w1に対して十分な曲げ作用を付与でき、また、外表面の柔軟性部材によって平板材w表面を傷付けることも防止できる。
さらに、上記実施の形態2において、ダイ先端部3Aを傾斜面3aを有した先細りに出っ張らせるようにするが、このような先端部3Aを設けないようにしてもよい。これは、上記ダイ先端部3Aを設けなくても、端曲げロール810(810a)によって平板材wの始端部分w1を予めロール曲げできるようにしているからである。
【0057】
その他に、上下ロールは、上ロール1と下ロール2との上下配置とするが、横配置としてもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るロール曲げ装置によれば、当たり部材は、先端部上面が傾斜面となって先細り状に形成されたダイにて構成し、このダイには、ダイ上面からその一部が突出され、且つ回動可能に取付けられた複数のガイドローラを設けたものとし、一対のロール間から繰り出した平板材が上記ダイ上面から突出させたガイドローラに当接されるように、上記ダイの先端部を上記一対のロール間に挿入配置させたことから、一対のロール間から繰り出され始めた平板材は、ダイ先端部の上面と当接されて曲げ作用が付与されるので、平板材の始端部分にストレート部が生じることなくロール曲げすることができる。そして、平板材がダイ上面のガイドローラと当接された後はこのガイドローラにより平板材に曲げ作用が付与され、ロール曲げされる。このとき、ガイドローラは、ダイの上面に回動可能に取付けられているので、平板材表面に擦りキズが付けられることもない。また、上記ダイを一対のロール間に奥深く挿入しダイ上面のガイドローラを一対のロール間にかなり接近させているので、平板材の繰り出し終了間際となるまで上記ガイドローラによる曲げ作用が平板材に付与され続ける。
【0059】
従って、平板材の始端部分および終端部分におけるストレート部をほとんど生じさせることなく、きれいなロール曲げ加工を行うことができる。特に、小径のきれいな円筒体を製造するのに非常に有利である。また、ガイドローラは、ダイの上面に回動可能に取付けられているので、ロール曲げ時には擦りキズが平板材表面に付けられることもなく、ロール曲げ後の円筒体表面もきれいな状態に仕上げることができる。
【0060】
また、本発明に係るロール曲げ装置によれば、一対のロールのうちダイのガイドローラが対向しない側のロールを回動可能に収容させた断面略C字状の抱込み型体を配置させ、且つ上記ダイをこの抱込み型体の開放部前方側端縁に設けたものによると、上記効果に加えて、平板材がダイに接触したときダイに作用する負荷は、上記抱込み型体によって支持されるので、ダイの一対のロールに対する姿勢が安定される。従って、このものでは、小径の円筒体を製造する上では、非常にきれいな円筒体に仕上げることができる。
【0061】
また、本発明に係るロール曲げ装置によれば、上記一対のロールのうち上記ダイのガイドローラが対向しない側のロールには、平板材の曲げ加工時に生じる撓みを抑制させるバックアップ体を配置させたものによると、ロール曲げ時、上記ダイのガイドローラが対向しない側のロールにおいて負荷の対抗力が弱くなる傾向の真ん中付近を上記バックアップ体で支承させ、平板材の全幅に均一な支持作用を付与することで、得られる円筒体が真ん中付近の膨らんだ太鼓型となることを防ぎ、全長にわたって等しい直径の円筒体とすることができる。従って、このものでも、特に、長い円筒体を製造するのに有利であり、また、細長い小径円筒体を製造するのに有利となる。
【0062】
また、本発明に係るロール曲げ装置によれば、当たり部材は、ダイに回動可能に取付けられたガイドローラにて構成し、該ガイドローラをダイ上面からその一部が突出されるように設けたものとし、上記一対のロール間から繰り出した平板材が上記ダイ上面から突出させたガイドローラに当接されるように上記ダイを上記一対のロール間に配置させ、上記一対のロールの後方には、平板材を該一対のロール間から繰り出す前に該平板材の始端部分をロール曲げ方向に仮曲げするための端曲げ機構が配置され、上記端曲げ機構は、平板材が一対のロール間に投入配置されると該平板材の始端を上記一対のロール間に挟持させた状態で該平板材をロール曲げ方向に押込むように構成したので、一対のロール間に投入配置された平板材の始端部分を予めロール曲げ方向に仮曲げできる。予め平板材の始端部分を仮曲げすることによって一対のロール間から繰り出される平板材の始端部分が上記ガイドローラに円滑に導入され、確実にロール曲げされる。従って、平板材の始端部分にはストレート部を生じさせることなく、きれいなロール曲げ加工を確実に行うことができる。その結果、小径の円筒体であっても、始端部分および終端部分にストレート部を残すことなく、全周にわたって非常に真円度の高い円筒体をより確実に得ることができる。
【0063】
また、本発明に係るロール曲げ装置によれば、上記端曲げ機構は、平板材の始端部分をロール曲げ方向に押込む押込み部材と、平板材の始端を上記一対のロール間に挟持させた状態で該押込み部材を上記ロール曲げ方向に移動可能とした駆動手段とを備えたので、平板材の始端を上記一対のロール間に挟持させた状態で駆動手段によって押込み部材を進動させて平板材の始端部分をロール曲げ方向に押込ませると、平板材の始端が一対のロール間に固定されているから該押込み部材によって平板材の始端部分にロール曲げ方向の曲げ作用が付与される。これによって、平板材の始端部分をロール曲げ方向に仮曲げすることができる。この仮曲げが完了すると、駆動手段によって押込み部材を退動させておくことで、該平板材を一対のロール間から繰り出させる際に、上記端曲げ機構が平板材の投入を邪魔することもない。
【0064】
また、本発明に係るロール曲げ装置によれば、上記端曲げ機構は、上記一対のロールのうち上記ダイのガイドローラが対向しない側のロールを回動可能に収容させた断面略C字状の抱込み型体を有し、該抱込み型体の開放部前方側端縁に上記ダイが設けられると共に開放部後方側端縁には上記押込み部材が設けられ、上記駆動手段によって該抱込み型体の姿勢を前後に回動可能に構成したので、駆動手段によって抱込み型体の姿勢を後方に回動させることで上記押込み部材が進動される。これによって、上記平板材の始端部分に対する仮曲げが行える。次に、駆動手段によって抱込み型体の姿勢を前方に回動させると上記押込み部材が退動されると同時に該抱込み型体の開放部前方側端縁に設けたダイが進動される。これによって、ダイの一対のロールに対する位置設定もできる。
このように、抱込み型体によって押込み部材とダイとを連結させ、押込み部材の押上げ動作と共にダイの位置設定動作の駆動を上記端曲げ機構の駆動手段によって共通化できる。従って、端曲げ機構を設けたロール曲げ装置の構造を簡易化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1によるロール曲げ装置の要部を示す斜視図である。
【図2】ダイ(当たり部材)を示した斜視図である。
【図3】参考例1によるロール曲げ装置のロール曲げ加工の動作を説明するための模式図である。
【図4】実施の形態1によるロール曲げ装置の要部を示す斜視図である。
【図5】実施の形態1によるロール曲げ装置の要部を示す側面図である。
【図6】変形例によるロール曲げ装置の要部を示す平面図である。
【図7】変形例によるロール曲げ装置の要部を示す側面図である。
【図8】参考例2によるロール曲げ装置の要部を示す側面図である。
【図9】平板材の始端部分の仮曲げ動作を説明するための模式図である。
【図10】変形例2によるロール曲げ装置のロール曲げ加工の動作を説明するための模式図である。
【図11】実施の形態2によるロール曲げ装置の要部を示す側面図である。
【図12】従来のロール曲げ装置の要部を示す側面図である。
【図13】従来のロール曲げ装置によるロール曲げ加工状態を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 上ロール
2 下ロール
3 ダイ(当たり部材)
3a ダイ上面
3A ダイの先端部
8 抱込み型体
9 バックアップ体
21 段付き状下ロールの切欠溝
33 クシ型状ダイの凸部
30 ガイドローラ
800,800a 端曲げ機構
808 抱込み型体
808x 開放部後方側端縁
808y 開放部前方側端縁
810,810a 端曲げロール(押込み部材)
820,820a 駆動軸(駆動手段)
821 連結部材
822 歯車
w 平板材
w1 平板材の始端部分
w2 平板材の終端部分
w10 平板材の始端
w20 平板材の終端
Claims (2)
- 一対のロールの前方に当たり部材を配置させ、一対のロール間から平板材を繰り出すと共に、この繰り出した平板材を上記当たり部材に当接させてロール状に曲げ加工するロール曲げ装置において、
上記当たり部材は、先端部上面が傾斜面となって先細り状に形成されたダイにて構成し、このダイには、ダイ上面からその一部が突出され、且つ回動可能に取付けられたガイドローラを設けたものとし、
上記一対のロール間から繰り出した平板材が上記ダイ上面から突出させたガイドローラに当接されてこのガイドローラとの接触面側がロール曲げ加工で得られる円筒体の外表面となるように、上記ダイの先端部を上記一対のロール間に挿入配置させ、
上記一対のロールのうち上記ダイのガイドローラが対向しない側のロールは、他方のロールよりも小径とし、
上記一対のロールのうち上記ダイのガイドローラが対向しない側のロールを回動可能に収容させた断面略C字状の抱込み型体を配置させ、且つ上記ダイをこの抱込み型体の開放部前方側端縁に設け、
上記一対のロールのうち上記ダイのガイドローラが対向しない側のロールには、平板材の曲げ加工時に生じる撓みを抑制させるバックアップ体を配置させたロール曲げ装置。 - 一対のロールの前方に当たり部材を配置させ、一対のロール間から平板材を繰り出すと共に、この繰り出した平板材を上記当たり部材に当接させてロール状に曲げ加工するロール曲げ装置において、
上記当たり部材は、ダイに回動可能に取付けられたガイドローラにて構成し、該ガイドローラをダイ上面からその一部が突出されるように設けたものとし、
上記一対のロール間から繰り出した平板材が上記ダイ上面から突出させたガイドローラに当接されてこのガイドローラとの接触面側がロール曲げ加工で得られる円筒体の外表面となるように上記ダイを上記一対のロール間に配置させ、
上記一対のロールの後方には、平板材を該一対のロール間から繰り出す前に該平板材の始端部分をロール曲げ方向に仮曲げするための端曲げ機構が配置され、
上記端曲げ機構は、平板材が一対のロール間に投入配置されると該平板材の始端を上記一対のロール間に挟持させた状態で該平板材をロール曲げ方向に押込むように構成し、
上記端曲げ機構は、平板材の始端部分をロール曲げ方向に押込む押込み部材と、平板材の始端を上記一対のロール間に挟持させた状態で該押込み部材を上記ロール曲げ方向に移動可能とした駆動手段とを備え、
上記端曲げ機構は、上記一対のロールのうち上記ダイのガイドローラが対向しない側のロールを回動可能に収容させた断面略C字状の抱込み型体を有し、該抱込み型体の開放部前方側端縁に上記ダイが設けられると共に開放部後方側端縁には上記押込み部材が設けられ、上記駆動手段によって該抱込み型体の姿勢を前後に回動可能に構成したロール曲げ装置。
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