JPS6023042Y2 - 圧延材の捻れ湾曲防止矯正誘導案内装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、等遊山形鋼、不等辺山形鋼、サイドリングな
どの山形状の断面形状を持つ条鋼類などの圧延材（以下
単に圧延材と言う）の捻れ防止矯正誘導案内装置に係る
ものである。

まず、この種圧延材の圧延処理に際しての従来からの問
題点を指適すると、−６次の通りである。

Ａ この種圧延材の持つ特有の山形状断面特性により、
ロール延出直後の圧延材は一般的にロール巻き付き、曲
がりや捻れが生じ易い特易な圧延材を持つので、技術的
困難性に併せて精度の確保が常に不安定な圧延になって
いた。

Ｂ 特にサイドリング（自動車の高圧タイヤに用いるリ
ムリングの片外側補助リング）のように不等辺山形形状
に加えて不均等凹凸内薄の複雑断面形状を併せ持つ圧延
材は、上記の曲がり、捻れが特に大きく多発生する。

Ｃ上記の如く、山形断面形状の圧延材は、圧延作業性が
悪＜、ミスロールの頻発による歩留、生産性の低下、製
品精度の低下は避は得なかったものであり、圧延技術の
技法向上をもってしてもなお限界に近いものである。

Ｄ 山形断面の圧延材をロールで延伸するとき、断面特
性から圧延材の上面側と下面側における圧延線速度の差
、温度差また、材表面と内部の温度差、応力差、ロール
スラスト不安定、冷却速度変化などの諸事均衡悪条件が
発生する。

これら不均衡因子による影響により、圧延材に及ぼす湾
曲、捻れの発生はほとんど避は難いものであった。

ついで、従来の公知技術の説明をする。

従来からの誘導案内装置は、ローラーを使用しない当接
面摩擦ガイド（フリクションガイド）が慣用されている
。

このものは圧延材の断面形状とほぼ相似の僅かに太き目
の誘導大型を持ち、圧延材のロール延出直後の先端受入
れと、ロール巻付きや先端捻れを防止しようとするため
成る程度の長さを有している。

このガイド長さを長大にする程、捻れや湾曲の防止に効
果があるが、反面摩擦摺動面が増大して圧延材に疵を与
え品質を低下させる重大な要因となるので、捻れ湾曲防
止効果を犠牲にしても摺動長さを短くして摺動疵を防止
しなければならない不合理なガイドであった。

また、山形断面を持つ条鋼の特異な圧延性（捻れ湾曲の
多発性）を持つ圧延材を、従来フリクションガイドで誘
導案内するとき、上記不合理性と捻れ矯正が至難である
ため、捻れ湾曲の防止や疵の防止効果をほとんど期待で
きなかったものである。

さらに、従来からのフリクションガイドは、ロール延出
直後に捻れ湾曲を始めようとする圧延材先端を、そのま
ま受は入れたままで誘導案内するものがほとんどであっ
た。

圧延材が大きな捻れ湾曲性を持って圧延延出されてきて
もそれ戒りに受は入れるのみで、その捻れ湾曲性を任意
に矯正して真直精度を保持したり、また疵を防止するた
めの調整手段は全く不可能であった。

案内面の摩耗が進むにつれ、圧延材の捻れ湾曲、疵が増
大して品質低下となるので、稼動交換時間が短く、稼動
率、生産性が極端に悪かったものである。

本案は、上述のような問題を解決したもので以下図面を
参照しなから１実施例の詳細と作用効果を説明する。

ガイドボックス１のロールＲ□９ Ｒ２側に、デリベリ
−レジピングガイド２が格納されて、その先端力釦−ル
カリバー内に接触する如く人込み設置されて、ガイドカ
バー３、カバーボルト４にて固定される。

ロール延出圧延材はロールに巻き付くことなくレジピン
グガイド２の内面に受入され誘導案内される。

ガイドボックス１に一体になっている左右のローラーホ
ルダー３１．３２、ローラーブラケット５の内側上部に
パスラインＰから上方位置をもってテーパー斜面Ｔを持
つバランスローラー６．６′を左右に対称対向して、−
線上に配置され、上偏心ローラーピン９，９′によりベ
アリング１５を内装して、左右それぞれ片持ちに軸支さ
れる。

パスラインＰの下方位置には、頂点円周７′を持つ支点
ローラー７カ釦−ラーホルダ−３１，３２の内幅中心に
配置されて下偏心ローラーピン１１にて、テーパーロー
ラーベアリング２０を内装して右ホルダー３２から貫通
軸支される。

左ホルダー３１内にエキセンピース２４を軸端にキー３
５で固定されて、左右対称に支点ローラー７の偏心機構
が構成される。

上下のローラーピン９．９’、１１は、それぞれ軸端に
軸一体にウオームホイール３３．３４が形成されて、こ
れに噛み合う上下ウオーム８，１０により減速回転と廻
り止めの作用をなす。

上方の片持ち状態になっているバランスローラー６．６
′は左右それぞれ単独に上ウオーム８を回動させると、
偏心量ｅによってパスラインＰからの上方距離１１，１
゜が任意に変化させることができる。

同様に下方の支点ローラー７も、下ウオーム１０を回動
させて偏心量ｅによってパスラインＰから下方の距離１
３を任意に変化させることができる。

第４図に示すように上記のパスラインＰからの上下距離
１□、１゜、１３をそれぞれ任意に変位させることによ
り、圧延材の抱含量の適正設定と抱合中心のパスライン
会心精度と、更に圧延材捻れ湾曲の延出方向性を自在に
変化矯正して真直に正しく誘導することが可能になる三
ローラー天びん均衡式、誘導案内装置である。

パスラインＰを中心として上下のバランスローラー６．
６′と支点ローラー７が対向する面間は、第４図に示す
ように山形状の空間が形成されて、山形状の圧延材に適
合させた上下抱合状態を構成する。

すなわち、第４図は圧延材が三ローラ一方式による天び
ん式傾動調節機構の左バランスローラー６′によって押
し上げられた状態を示す。

向う側の圧延ロールから延出された圧延材が右捻れ方向
性を持っているので、左側を押し下げて左捻れの方向性
を与えて、捻れ角の矯正をしながら均衡をとり合い、圧
延材の真直精度を保持する様子を示したものである。

圧延ロールから延出された圧延材はレシービングガイド
２によって、ロールに巻き付くことなく受は入れられて
、バランスローラー６．６′と支点ローラー７の山形対
向面間に誘導される。

（ローラーへ導入後のデリベリ−レシービングガイド２
の内面には強制された摩擦は生じない。

）上下ローラー間に抱合された圧延材は、山形断面の凹
部中心を下方支点ローラー７の頂点円周７′にて支承し
て、上方左右のバランスローラー６．６′を片側ずつ単
独に上下作動させることにより、抱合圧延材の断面方向
を天びん式に左右交互に傾動させて、圧延材が捻れよう
とする角度を容易正確に調節矯正することができる。

また、下方の支点ローラー７の上下変位作動を併用する
ことにより、延出圧延材の捻れ湾曲の不定方向性を調節
矯正して常に真直精度を良好に保って誘導することがで
きる。

さらに、天びん式傾動調整の操作性は前記説明の偏心調
節機構によりウオーム８，１０をワンタッチで軽く回動
操作するだけで微量無段調整が可能となるものである。

以上の説明のように山形断面の持つ極めて不安定な圧延
特性に対応して用いられる本考案の機能によって、捻れ
湾曲の方向性を自在に矯正しながら常に正しい延出走行
姿勢を保って安定した真直誘導が可能となった山形条鋼
類の三ローラー均衡式誘導案内装置となっている。

なお、本考案におけるローラーブラケット５は分離取付
方式としたものが採用されている。

図中、１２はボルト、１３はベアリング抑えプレート、
１４，２１はダストシール、１６はスナップリング、１
７．２２はスラストワッシャー、１８．２３はスラスト
リング、１９．２８はシム、２５はエキセンピンワッシ
ャー、２６は皿バネワッシャー、２７はエキセンピンナ
ツト、３０はロールブラケットボルトをそれぞれ示す。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の１実施例を示すもので、第１図は左側面図
、第２図は１部を切欠いた要部拡大正面図、第３図、第
４図は作用を説明する略図的正面図である。 ６．６・・・・・・片持型バランスローラー、７・・・
・・・支点ローラー、７′・・・・・・頂点円周、９，
９′・・・・・・上偏心ローラーヒン、１１・・・・・
・下偏心ローラーピン、３３．３４・・・・・・ウオー
ムホイール、８，１０・・・・・・ウオーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガイドボックス一体ローラーホルダーの上方内側面に、
   テーパー状の片持型バランスローラー６．６′を、左右
   に振分けて対向並置して、偏心量ｅを一体に備えた上偏
   心ローラーピン９，９′にて、左右それぞれ片持ちに軸
   支すると共に上記ローラーホルダーの下方内部に、山形
   状の支点ローラー７を挿入して、偏心量ｅを一体に備え
   た下偏心ローラーピン１１にて軸支せしめ、上記上方下
   方の各偏心量ｅを一体に備えた偏心ローラーピン９，９
   ’、１１の軸端には、ウオームホイール３３．３４が軸
   一体造りに形成され、かつ、これにウオーム８，１０が
   噛合い、それぞれ独立した３組のウオームギヤー付き偏
   心ピンにてローラーを軸装し、上方の右側ローラーと上
   方の左側ローラーのそれぞれ単独のローラーと下方ロー
   ラーの３０−ラーで構成することを特徴とする圧延材の
   捻れ湾曲防止矯正誘導案内装置。