JP3905666B2 - 入口ローラガイド装置 - Google Patents

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    • B21B39/14Guiding, positioning or aligning work
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はチャンネル等の形鋼を圧延する圧延ローに圧延材を誘導するために設ける入口ローラガイド装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、チャンネルの圧延加工においては、圧延材の捩れやロール疵あるいは左右フランジの高さの違いが最終製品の品質に大きな影響を与えることが知られている。これらの現象の発生原因は、圧延ローに進入した圧延材の幅がロールの開口部の幅よりも広いこと、及び孔型圧延での変形挙動を把握することが難しいために、チャンネルの成形自体の難しさに起因していることは周知の通りである。このため、従来からチャンネル材の圧延には、圧延材の幅がロール開口部の幅よりも広くなっているために、フリクションガイドの幅を狭めて、圧延材を強制的に整形しながら孔形に誘導して圧延を行っていた。
【0003】
また、先行技術として、実公昭53−32110号公報には、圧延ロールのカリバー幅よりも幅の広い粗形圧延材の内側に設けたセンタリングローラと、この圧延材の外側に設けた立形の入口ガイドローラとによってこの圧延材を圧延ロールの孔型に正確にセンタリングして案内する圧延機用入口ガイドの提案が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、フリクションガイドだけで圧延材を絞り込み整形すると、強制的に整形しながら誘導されるために最終製品にすり疵が発生する。これに対し、フリクションガイドを圧延材との間に数mmの遊隙を設けて圧延材を誘導することによりすり疵の発生を防止しようとすると、こんどはカリバーへの噛込み性が悪くなる他、圧延材の捩れが生じ易くなる問題がある。
【0005】
さらに、フリクションガイドの位置調整をすることにより左右の圧延材の幅を調整することは可能であるが、上下方向の高さ調整ができないため、圧延ロールへの上下方向の進入角度の調整ができず、圧延材の正確な誘導案内を困難にしている問題がある。
【0006】
また、上記提案は、センタリングローラと入口ガイドローラとを用いて圧延ロールへ粗鋼材を送り込むのであるが、圧延ロールの孔型から離れた位置にあるこれらのローラから直接的に孔型へ粗鋼材を送り込むものであるため誘導案内の高精度化には限度があり、上記したような粗鋼材の捩れや疵の発生を完全に防止することは困難になっている。
【0007】
そこで本発明の目的は、入口ローラガイド装置により誘導案内される圧延材に、捩れや疵を発生しにくくすることによりチャンネル材等の最終製品の品質を向上させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の入口ローラガイド装置は、圧延材の進入路の入口側にエントリーガイドと上ガイドとの組合わせたものを配置し、これに続いてサイドローラ、ガイドローラ、先端チップを順次配置することにより、捩れやロール疵を生じることなしに圧延材を圧延ローの孔型へ誘導可能としてある。
【0009】
ここで圧延材とは、圧延ローを通すことによりチャンネル材やアングル材になる形鋼素材を指しており、予めこれらの加工材用として好適な断面に形成されているものをいう。
【0010】
また、エントリーガイドは圧延材の進入路の入口において、進入して来る圧延材に対して左右方向へのおよその位置調整を行う手段をいう。このエントリーガイドは、入口幅を広くし、出口幅が狭くなるように両側に壁面を形成するように設けてある。これに対し上ガイドは、進入路上におけるエントリーガイドと同じ位置の上方に設けられているもので、上下方向のおよその位置調整を行う手段をいう。
【0011】
次にサイドローラは、上記のエントリーガイドと上ガイドの下流側に1対の立軸を介して設けられているもので、それぞれ上部が細径のテーパ状のローラからなるものをいう。サイドローラを通過する圧延材は、左右方向の整形をしながらセンタリングされて次のガイドローラへ送出される。なお、各サイドローラを軸支する立軸はエキセンシャフトであり、外からピニオンを回動させることにより微調整可能とする微調整手段を備えている。
【0012】
ガイドローラは、サイドローラの下流側にて1対の水平軸にそれぞれ軸支されて上下に対向配置してなる1対のローラからなるもので、圧延材の上下方向の最終的な位置調整(レベリング)を行うものである。このガイドローラを通過することにより圧延材の圧延ロールの噛み込みをスムーズにして、ミスロールを防ぐ働きをするものである。なお、1対の横軸もそれぞれエキセンシャフトからなり、同様に外から歯車を回動することにより独立に微調整する微調整手段を備えている。
【0013】
先端チップは、圧延材の進入路の出口に設けられて、ガイドローラ装置から送出された圧延材を圧延ローの孔型に誘導するためのもので、特に圧延材の先端部等サイドローラ及びガイドローラで十分な位置調整が行えなかった場合に、圧延材を補助的に誘導案内して左右の振れ防止を行う機能を有するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は要部の側面の状態を示し、図2は同じく平面の状態を示している。図1に示すように、本発明に係る入口ローラガイド装置Gは、上下1対の圧延ロールR,Rの入口に接近した位置に圧延素材を誘導案内可能に設置されている。入口ローラガイド装置Gは、左右1対のボックス部材1a,1bからなるガイドボックス1に各種のガイド手段を装着したものによって構成されている。ボックス部材1a,1bは、下部に位置するベース部同士を固定するボルト2及び上部に位置する後述のアーム部同士を固定するボルト3を介して一体に結合されることによりガイドボックス1を構成している。
【0015】
ガイドボックス1における圧延材の進入路の入口(図面左端部)には、エントリーガイド4がボルト固定により設けてある。エントリーガイド4は底板部とこの底板部の両側部を立ち上げてなる側板部とからなり、各側板部は、前部が中心部に近づくように配置してなる傾斜状に設けられている。したがって進入して来た圧延材は、これらの側板部によって左右方向へのおよその位置調整が可能である。
【0016】
エントリーガイド4の上部には、上ガイド5がボルト固定により設けてある。上ガイド5は、進入路に進入して来た圧延材を誘導し、圧延材の浮上を防止して後述のガイドローラの直前間で誘導することにより上下方向へのおよその位置調整を可能に構成されている。
【0017】
圧延材の進入路におけるエントリーガイド4及び上ガイド5の下流側(図面右方)には、上部細径に形成されたテーパローラからなるサイドローラ6,6が設けてある。各サイドローラ6は、それぞれエキセンシャフトからなる立軸7,7に回転自在に軸支されており、これらの立軸の変位を介して微調整する微調整手段A1を備えている。
【0018】
サイドローラ6の微調整手段A1は、立軸7の上部に設けてあるねじ歯車8を回動させて軸心を偏位させることによりサイドローラの位置調整を可能としてある。ねじ歯車8の回動は、ガイドボックス2上に水平に設けられた回転軸9と一体回転するピニオン10,10を回転させることにより行われる。なお、各ピニオン10,10は、ともに回転軸9に固定されているねじ歯車からなり、これらのねじ歯車は互いにねじれ角を逆にしたものとしてある。したがって、回転軸9の一方方向への回転に対して各立軸7,7は互いに逆方向へ回ることによりそれぞれ接近し、あるいは離れるように変位可能としてある。
【0019】
回転軸9は、ガイドボックス2の上部にボルト固定された軸受部材11,11によって軸支されており、両端部がガイドボックスの両サイドからわずかに突出しており、微調整のためのハンドルによる回動可能としてある。
【0020】
続いて圧延材の進入路におけるサイドローラ6,6の下流側(図面右方)には、上下1対のガイドローラ12,12が設けてある。各ガイドローラ12は、それぞれエキセンシャフトからなる水平軸13,13に回転自在に軸支されており、独立的に微調整する微調整手段A2を備えている。各水平軸13は、ガイドボックス2の前部(図面右側部)に対向突設された1対の取付板14,14を介して水平に支持されている。
【0021】
ガイドローラ12の微調整手段A2は、上下の各ローラを独立的に微調整可能としてはあるが、その他はサイドローラ6の微調整手段A1と同様の機構によって微調整が行われる。すなわち、ガイドローラの微調整手段A2は、各水平軸13,13の一端部(図面手前側)に取り付けられたねじ歯車15,15と、手前側に位置する取付板14に垂直に設けられた回転軸16,16とそれぞれ一体回転するねじ歯車からなるピニオン17,17を備えている。各ピニオン17はそれぞれ回転軸16,16と一体回転可能にそれぞれ軸受部材18,18に取り付けられている。
【0022】
圧延材の進入路におけるガイドローラ12,12の下流側には、1対の先端チップ19,19が設けてある。各先端チップ19はそれぞれ各取付板14,14の内側部にボルト固定により取り付けてある。先端チップ19は上部が水平で、先端部にわずかな垂直部を残して、この垂直部に続く下側部を圧延ロールRの外周の曲率とほぼ一致する逆円弧状に形成した板状体からなる。
【0023】
次に例としてチャンネル材を圧延する場合における動作について説明する。 初めに圧延ロールR,Rが互いに圧延材を引き込み可能な方向に回転している状態において、ガイドローラ装置の入口(図面左方)から圧延材を進入させる。なお,圧延材はチャンネル材のW形の粗形鋼材としての所定の寸法になっているものとする。
【0024】
こうして進入路に沿って進入して来た圧延材は、エントリーガイド4によって左右方向の大まかな位置調整が行われるとともに、上ガイド5によって上下方向の大まかな位置調整が行われる。
【0025】
さらに、ガイドローラ装置内へ進入して来たW形断面の圧延材は、左右方向から押し込まれた状態で両側を整形されながら進行してサイドローラ6,6間に誘導される。圧延材は、上部が小径のテーパローラからなるサイドローラ6,6間を通過することにより左右方向のセンタリング及び整形が行われる。
【0026】
さらに圧延材が進行してガイドローラ12,12に達すると、サイドローラ6,6を通過する際にやや浮上していた圧延材は、上に位置するガイドローラによって上下ローラに噛み込むまで下方向に押し込んで送り出される。ここで上下のガイドローラ12,12によって上下方向のレベリングが行われる。この圧延材は上下のガイドローラに噛み込まれた後は、これらの上下ローラによって誘導され、特に上のガイドローラによって圧延材の「浮き」やすり疵を生じることなく効果的に誘導可能である。
【0027】
上記の孔型に誘導された圧延材は、サイドローラ6,6によって両側を整形されて圧延ロールのカリバーの幅よりも狭くなっており、かつ上に位置するガイドローラ12によって浮き上がりが規制されているため、孔型へ無理なく進入可能となる。なお,圧延材はガイドローラ12,12間を通過後は、補助的に先端チップ19で横方向の振れを防止しながら誘導案内が行われる。これによって圧延ロールのカリバーよりも幅の広い圧延材を無理なく誘導可能となる。
【0028】
なお、上記例ではチャンネル材を圧延する場合について説明してあるが、アングル材の圧延製造についても同様に適用可能である。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、圧延材の進入路に沿ってサイドローラやガイドローラ等を順次有機的に配設することにより、圧延材を絞り込みながら圧延ロールの孔型へ誘導して圧延するため、捩れやすり疵を生じることがなくなり、最終製品の精度及び品質を向上させることが可能になる。
【0030】
また、サイドローラやガイドローラの位置調整が容易な構成を採用することにより、圧延ローへの圧延材進入角度の上下方向の調整が容易となるため、常に最良の状態での圧延材の誘導案内が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の要部の側面図である。
【図2】 同、平面図である。
【符号の説明】
4 エントリーガイド
5 上ガイド
6 サイドローラ
7 立軸
12 ガイドローラ
13 水平軸
19 先端チップ
A1,A2 微調整手段
R 圧延ロール

Claims (2)

  1. チャンネル材又はアングル材製造用の圧延機の入口に設置し、上記チャンネル材又は上記アングル材の素材である圧延材を圧延ロールの孔型に誘導する入口ローラガイド装置において、
    上記圧延材の進入路の入口で当該圧延材の左右方向のおよその位置調整を行うエントリーガイドと、
    上記エントリーガイドと抱き合わせ状態に設けてあり、上記圧延材の上下方向のおよその位置調整を行う上ガイドと、
    上記進入路における上記エントリーガイド及び上記上ガイドの下流側にて1対の立軸に軸支され、上記圧延材の左右方向のセンタリング及びこの圧延材の幅を上記圧延ロールのカリバー幅より狭くする整形を行うサイドローラと、
    上記進入路における上記サイドローラの下流側にて1対の水平軸に軸支され、上記圧延材の上下方向のレベリングを行うガイドローラと、
    上記ガイドローラから送出された上記圧延材の左右の振れを防止して、この圧延材を上記孔型に誘導する先端チップとを、それぞれこの順序で配設してある
    ことを特徴とする入口ローラガイド装置。
  2. 請求項1において、上記サイドローラは、それぞれ上部が細径のテーパ状のローラからなることを特徴とする入口ローラガイド装置。
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