JP4675525B2 - 洗髪用化粧料 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、洗髪時、染めた髪の色落ちを防ぐ弱酸性の洗髪用化粧料を提供するものである。
【０００２】
【従来の技術】
現在、女性の約８割が髪を染める状況である。しかし、この人々のほとんどが、洗髪すると染めた髪の色が落ちるという悩みを抱えており、色落ちしない洗髪化粧品が求められている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち本発明の目的は、染めた髪の色落ちを防止する洗髪用化粧料を提供することを課題とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記事項に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、一般式（１）で表示されるアルキルエーテル硫酸塩、一般式（２）で表示されるアルキルエーテルカルボン酸塩、一般式（３）で表示されるα−オレフィンスルホン酸塩、一般式（４）で表示されるアミノプロピオン酸系両性界面活性剤及び一般式（５）で表示されるイミダゾリン系両性界面活性剤から選ばれる１種又は２種以上の成分と、一般式（６）で表現されるアルキルピロリドンの組み合わせで、ｐＨが３〜６に調節されることを特徴とする洗髪用化粧料を提供する。
【０００５】
【化１】

【０００６】
【化２】

【０００７】
【化３】

【０００８】
【化４】

【０００９】
【化５】

【００１０】
【化６】

【００１１】
本発明におけるアルキルエーテル硫酸塩は、特に限定されないが、エチレンオキシド付加モル数が、その陰イオン界面活性剤１モル当たり、１〜１５モル、好ましくは３〜１０モルで、Ｍは、ナトリウム塩、カリウム塩等である。好ましくは、ポリオキシエチレンアルキル（１２，１３）エーテル硫酸ナトリウム（３Ｅ．Ｏ．）である。
【００１２】
本発明におけるアルキルエーテルカルボン酸塩は、特に限定されないが、エチレンオキシド付加モル数が、その陰イオン界面活性剤１モル当たり、１〜１５モル、好ましくは３〜１０モルで、Ｍは、ナトリウム塩、カリウム塩等である。好ましくは、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム（３Ｅ．Ｏ．）である。
【００１３】
本発明におけるα−オレフィンスルホン酸塩は、特に限定されないが、Ｒは、メチル基が好ましく、Ｍは、ナトリウム塩、カリウム塩等である。好ましくは、テトラデセンスルホン酸ナトリウムである。
【００１４】
配合量は、特に限定されていないが、好ましくはアルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩及びα−オレフィンスルホン酸塩から選ばれた成分の総量が３〜６０重量％である。３重量％以下では効果が発揮されない場合があり、６０重量％以上ではゲル化する場合がある。
【００１５】
本発明におけるアミノプロピオン酸系両性界面活性剤は、特に限定されないが、Ｒは、脂肪酸残基でラウリン酸やヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等である。Ｍは、ナトリウム塩、カリウム塩等である。特に好ましくは、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムである。
【００１６】
本発明におけるイミダゾリン系両性界面活性剤は、特に限定されないが、Ｒは、脂肪酸残基でヤシ油脂肪酸やパーム核油脂肪酸等である。Ｍは、ナトリウム塩、カリウム塩等である。特に好ましくは、Ｎ−ラウロイル−Ｎ´−カルボキシメチル−Ｎ´−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムである。
【００１７】
配合量は、特に限定されていないが、好ましくはアミノプロピオン酸系両性界面活性剤及びイミダゾリン系両性界面活性剤から選ばれた成分の総量が３〜２５重量％である。３重量％以下では効果が発揮されない場合があり、２５重量％以上ではゲル化する場合がある。
【００１８】
本発明におけるアルキルピロリドンは、特に限定されないが、Ｒは、例えばＣ８やＣ１２で、Ｎ−オクチル−２−ピロリドンやＮ−ドデシル−２−ピロリドンである。特に好ましくは、Ｎ−ドデシル−２−ピロリドンである。又、配合量は、特に限定されていないが、０．１〜１０重量％である。０．１重量％以下では効果が発揮されない場合があり、１０重量％以上では効果の増強がない。
【００１９】
本発明におけるｐＨは３〜６である。ｐＨ調整する場合、例えば、有機カルボン酸やリン酸、又はそれらの塩でも調整できる。有機カルボン酸には、例えば脂肪族カルボン酸や芳香族カルボン酸が含有される。その具体例として、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸等が挙げられる。ｐＨは３より低いと髪自体に負担がかかり、６より高いと洗髪時の染毛の色落ちを防ぐことが出来なくなる。
【００２０】
本発明には、従来から使用されている増粘剤、パール化剤、アマイド、油性成分、防腐剤、紫外線吸収剤、粉体、香料等本発明の目的を損なわない範囲で任意に組み合わせて使用しても良い。
【００２１】
【発明の効果】
本発明は前記界面活性剤及びアルキルピロリドンを含有し、ｐＨを３〜６にすることにより、洗髪時の染毛の色落ちを防止できる。
【００２２】
【実験例】
次に色落ちの評価方法について説明する。
【００２３】
（染毛の調製）ヤクの毛を重さ１．５ｇ、長さ１０ｃｍに束ね、自社のヘヤダイにて４０℃、３０分間染めた後、自社のシャンプーにて２回洗浄する。これをタオルドライした後、ドライヤーで充分乾燥したものを試験に使用した。
【００２４】
（色落ち試験）表１では、各界面活性剤の有効成分が１重量％になるように溶液を調製する。ｐＨは、クエン酸及びクエン酸ナトリウムで３．０、３．５、４．０、４．５、５．０、５．５、６．０に調整する。この溶液５０ｍＬに、上記の染毛したヤクの毛１束ずつを入れ、３５℃で１０分間放置した後常温に放冷し、溶出した染料の濃淡を目視により判定する。
【００２５】
表２では、各成分を混合し、精製水で希釈して全量を１００％とする。泡立ちはこの溶液２ｍＬで洗髪して評価する。色落ちは、この溶液をさらに精製水で５％に希釈したもの５０ｍＬに、上記の染毛したヤクの毛１束ずつを入れ、３５℃で１０分間放置した後常温に放冷し、溶出した染料の濃淡を目視により判定する。
【００２６】
評価基準は、以下の通りである。

【００２７】
実験結果を表１、２に示す。表１では、色落ちのみを評価した。
【００２８】
表１、２に示した記号は、以下の通りである。
Ａ：ポリオキシエチレンアルキル（１２，１３）エーテル硫酸ナトリウム（３Ｅ．Ｏ．）
Ｂ−１：ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム（３Ｅ．Ｏ．）
Ｂ−２：ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム（３Ｅ．Ｏ．）
Ｃ：テトラデセンスルホン酸ナトリウム
Ｄ：β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム
Ｅ：Ｎ−ラウロイル−Ｎ´−カルボキシメチル−Ｎ´−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム
Ｆ−１：Ｎ−オクチル−２−ピロリドン
Ｆ−２：Ｎ−ドデシル−２−ピロリドン
Ｇ：ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム
Ｈ：ラウロイルメチルアラニンナトリウム
Ｉ：ミリスチン酸カリウム
Ｊ：ラウリルリン酸ナトリウム
Ｋ：ラウリル硫酸ナトリウム
Ｌ：ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン
Ｍ：ステアリルジヒドロキシベタイン
Ｎ：ヤシ油脂肪酸エチルエステルスルホン酸ナトリウム
Ｏ：ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム
【００２９】
【表１】

【００３０】
【表２】

【００３１】
表１で調製した本発明品は、洗髪しても染毛の色落ちが少なく、さらに表２については、泡立ちも良かった。
【００３２】
【実施例】
本発明を実施例で詳しく説明するが、本発明は、実施例のみに限定されない。
【００３３】

【００３４】

【００３５】

【００３６】

【００３７】

【００３８】
実施例１〜５は、いずれも洗髪しても染毛の色落ちが改善された。

Claims (3)

1. アルキルピロリドンを含有し、かつ、下記（１）又は（２）のいずれかであることを特徴とする洗髪用化粧料。
   （１）ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩を含有し、かつｐＨが５〜５．５
   （２）ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びアミノプロピオン酸系両性界面活性剤を含有し、かつｐＨが５〜６
2. ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の含有量が３〜６０重量％、アミノプロピオン酸系両性界面活性剤の含有量が３〜２５重量％及びアルキルピロリドンの含有量が０．１〜１０重量％であることを特徴とする請求項１記載の洗髪用化粧料。
3. ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩がポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸ナトリウム（３Ｅ．Ｏ．）、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩がポリオキシエチレンアルキル（１２，１３）エーテル硫酸ナトリウム（３Ｅ.Ｏ．）、アミノプロピオン酸系両性界面活性剤がβ−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項１又は２記載の洗髪用化粧料。