JP4675000B2 - 近接場光プローブ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は近接場光プローブの製造方法、特にコアの光透過効率の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な顕微鏡は、試料に対して非接触、非破壊で微細極小部位の観察が行え、さらに分光分析器等を接続することにより観察対象の形状、構造のみでなく、その成分等まで分析することも可能であり、各種の分野で応用が行なわれている。
しかしながら、一般的な光学顕微鏡は、光の波長より小さなものは観察することができず、その分解能には限界がある。光には回折限界があり、使用する波長程度までしか絞れないからである。
【0003】
この回折限界を越えた極微小領域での観察を可能にしたのが、例えば数十〜百nm程度の微小開口をもつプローブを用いた近接場顕微鏡である。
このプローブは、例えば光ファイバの端面略中央部に先鋭状コア部を突出させ、その先鋭状コア部表面を金属等で被覆した遮光性マスクを形成して最先端部を微小開口を設けることにより製造することが常套手段となっている。
【0004】
この近接場顕微鏡では、イルミネーション−コレクションモード、イルミネーションモード、コレクションモードなどの測定方法が一般的に用いられている。
前記イルミネーション−コレクションモードでは、例えば数十〜百nm程度の微小開口をもつプローブに光を導入すると、先端付近に開口と同程度の大きさをもつ近接場光が発生する。この近接場光の近傍に試料測定面を近づけ、その散乱光或いは発光を開口を通して集光している。
【0005】
また、前記イルミネーションモードでは、プローブにより開口を通して近接場光を試料測定面に照射し、試料表面で散乱ないし発光した被測定光を側方から集光レンズなどで集光している。
また、前記コレクションモードでは、側方から励起光を試料測定面に照射し、試料測定面に発生した近接場光をプローブにより散乱させ、開口を通して集光している。
このようなプローブを用いた近接場顕微鏡により、近接場光と試料測定面との相互作用の結果を数十〜百nm程度の空間分解能で観測することができる。
【0006】
そして、ある近接場測定を行う場合、その用途に適した顕微鏡モードを選択し、目標とする分解能を設定し、目標分解能に対して十分な検出光強度が得られるようにプローブを最適化する必要がある。
【0007】
ここで、先鋭状のコア突出部と、遮光性金属膜等のマスクで形成された開口を持つファイバプローブは、通常、光ファイバのコア先端を選択化学エッチング法や、熱して引き延ばす方法等により先鋭化し、該先鋭化ファイバに、金属膜等のマスクを蒸着した後、先端部の遮光性金属膜を選択的に除去する等して、先端開口を作成している。
そして、前記プローブの従来の形状としては、第1図(A)のようにクラッド部14からコア部12がテーパ形状に突き出た先鋭部16からなるテーパ型のもの、或いは第1図(B)のように先鋭部16に形成した1段目のテーパ形状18aの基底側にさらに連続するように、1段目のテーパ角より小さいテーパ角を有する2段目のテーパ形状18bを形成した2段テーパ型のものや、或いは第1図(C)のように先鋭部16に形成した1段目のテーパ形状18aの基底側にさらに連続するように、1段目のテーパ角より大きいテーパ角を有する2段目のテーパ形状18bを形成した2段テーパ型がある。
【0008】
このようなプローブの形状は、ファイバへの入射光の透過効率(出力光強度/入射光強度)と空間分解能に大きく影響する。
すなわち、プローブのマスクに金属を用いた場合、コア−被覆金属界面では金属による光吸収が生じ光強度が減衰し始め、特にコア断面直径が光波長程度になる部分からプローブ先端までは伝播光が遮断され光強度の減衰率が顕著に高くなる。それゆえ光透過効率を増加させるには、プローブ先端の先鋭角を大きくしてコア断面直径が光波長程度になる部分からプローブ先端までの長さを短くするのが好ましい。さらに、プローブの形状は、伝播光がコア界面を反射しながら先端へ到達する集光性を考慮すると、その側面が第2図に示すように2次曲線型に近似するほど好ましい。第1図(B)に示した従来の2段テーパ型プローブはこのような問題を考慮して、1段のテーパ型に比して2次曲線型に近似させることで伝播光の集光性を改善し、透過効率を向上させたものである。
【0009】
このような従来のテーパ型或いは2段テーパ型プローブは一般的に知られている選択化学エッチング法で例えば次の方法により製造される。
すなわち、最初に第3図(B)に示すようにSiO2/GeO2の組成からなる単一層のコア部12と、該コア部周囲を覆うクラッド部14からなるガラスファイバの端部10に、コア部が突出した先鋭部16を形成する。このために第3図(A)に示すようにガラスファイバの円形断面状端部10を、NH4F:HF:H2O=X:1:1のフッ酸緩衝溶液20(第1エッチング液)に浸漬する。そして同図(B)に示すようにクラッド端部を除去しつつコア部を選択的に先鋭化する。
【0010】
次に、前記フッ酸緩衝溶液のNH4F組成比Xを変えてクラッド部に対するコア部の溶解速度が第1エッチング液に浸漬した場合より遅い第2エッチング液を用意する。この第2エッチング液にファイバ端部を浸漬すると、コア部及びクラッド部が一部溶解することにより第3図(C)に示すように、コア部が突出した先鋭部16に、1段目のテーパ形状18aの基底側にさらに連続するように2段目のテーパ形状18bが形成される。
【0011】
このようにして2段テーパ型の先鋭部が形成される。また、このときのエッチング時間を十分に長くすることで1段のテーパ型とすることもできる。そしてこのようにして形成した先鋭部を被覆し、先鋭部頂点付近を露出させて微小開口を設けることにより従来のテーパ型或いは2段テーパ型プローブが製造される。
【0012】
一方で、光透過効率を向上するために先鋭角を大きくすると先端付近の金属膜の薄い部分から光が漏洩する影響で分解能が低下してしまう。そこで高分解能を得るためには先鋭角が小さいプローブを用いる必要があるが、1段のテーパ型プローブの形状では次の問題がある。すなわち、伝播光強度が大きく減衰する領域である、コア断面直径が光波長程度になる部分からプローブ先端までの間の距離が、先鋭角が小さい場合非常に長くなってしまうのである。したがって、1段のテーパ型プローブでは光透過効率と遮光性が極めて両立し難く、高分解能測定条件下(小さい先鋭角のプローブによる測定条件下)では極めて低い光透過効率で測定しなければならない。
【0013】
そこで、第1図(C)のように、1段目のテーパ形状18aの基底側にさらに連続するように、1段目のテーパ角より大きいテーパ角を有する2段目のテーパ形状18bを形成することで、伝播光強度が大きく減衰する領域である、コア断面直径が光波長程度になる部分からプローブ先端までの距離を、1段のテーパ型プローブに比して短くすることができ、光透過効率をある程度保持しつつ高分解能が確保できる。
このように、2段テーパ型とすることで光透過効率等を向上することができるが、3段以上の多段テーパ型が実現できればさらなる向上が図れる。
【0014】
そこで、特開平10−153604に記載の技術では多層コア及び多層クラッドからなるファイバを用いて多段テーパ型プローブを形成している。すなわち、単一の溶解液に対する溶解速度が異なる2層のコア及び2層のクラッドからなるファイバの先端を該溶解液に浸漬することで、1段目のテーパ形状の基底側にさらに連続するように、2段目、3段目のテーパ形状を有する3段テーパ型プローブを形成している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにコア或いはクラッドを多層とするファイバは一般的でなく特別に製造する必要があり、また実際に製造する場合汎用されている単層コアのファイバに比してコスト的に高価である。また、コア及びクラッドに不純物をドープする必要があるので、ファイバ自身が蛍光等を発し、光測定に大きな障害となる。しかし、単層コアでは従来2段テーパ型までしか製造することができなかったので、透過効率及び分解能の点でさらに改善の余地があった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的はコアの光透過効率を向上する近接場光プローブ及びその製造方法を提供することにある。
【0016】
前記目的を達成するために本発明にかかる近接場光プローブは、
単一層からなるコア部と、該コア部周囲を覆うクラッド部からなるファイバの端部にコア部が突出した先鋭部と、
該先鋭部を被覆した被覆部と、
該先鋭部頂点付近において前記被覆部からコア部が露出した、近接場光を発生させる微小開口部からなる近接場光プローブにおいて、
前記先鋭部が、該先鋭部先端に形成した1段目のテーパ形状の基底側にさらに連続するようにテーパ角の異なる2段目及び3段目以降のテーパ形状を有する、3段以上の多段テーパ型の先鋭部であることを特徴とする。
【0017】
また、前記プローブにおいて、1段目のテーパ形状から2段目、3段目以降のテーパ形状のテーパ角を順次小さくすることでコアの光透過効率を向上することができる。
【0018】
また、前記プローブにおいて、1段目のテーパ形状のテーパ角が2段目のテーパ形状のテーパ角より小さくすることで高分解能測定条件下でコアの光透過効率を向上することができる。
【0019】
また、前記目的を達成するために本発明にかかる近接場光プローブの製造方法は、
単一層からなるコア部と、該コア部周囲を覆うクラッド部からなるファイバの端部をエッチング液に浸漬し、該コア部を突出させて先鋭部を形成する先鋭部形成工程と、
該先鋭部を被覆する被覆工程と、
該先鋭部頂点付近の被覆を除去し、コア部を露出させて近接場光を発生させる微小開口部を設ける開口部形成工程からなる近接場光プローブの製造方法において、
前記先鋭部形成工程が、前記ファイバの端部を前記コア部のクラッド部に対する溶解速度比が異なる複数のエッチング液に順次浸漬することにより、前記先鋭部に形成した1段目のテーパ形状の基底側にさらに連続するようにテーパ角の異なる2段目及び3段目以降のテーパ形状を順次形成して3段以上の多段テーパ型の先鋭部を形成する工程であることを特徴とする。
【0020】
また、前記先鋭部形成工程を、
前記ファイバの端部を第1エッチング液に浸漬して1段目のテーパ形状を形成する第1工程と、
前記ファイバの端部を前記クラッド部に対するコア部の溶解速度が第1エッチング液に浸漬した場合より遅い第2エッチング液に浸漬して1段目のテーパ形状の基低側にさらに連続するように2段目のテーパ形状を形成する第2工程と、
前記ファイバの端部をエッチング液に浸漬する間実質的にコア部のみがエッチングされる第3エッチング液に浸漬して1段目及び2段目のテーパ形状からなる先鋭部の側面側を、1段目のテーパ形状のテーパ角が2段目のテーパ形状のテーパ角より大きくなるように一部除去する第3工程と、
前記ファイバの端部を第2エッチング液に浸漬して2段目のテーパ形状の基底側にさらに連続するように3段目のテーパ形状を形成する第4工程からなる工程とすることで、1段目のテーパ形状からテーパ角が順次小さくなるように2段目、3段目のテーパ形状を形成してコアの光透過効率を向上することができる。
【0021】
また、前記先鋭部形成工程を、
前記プローブの先端を第1エッチング液に浸漬して1段目のテーパ形状を形成する第1工程と、
前記ファイバの端部を前記クラッド部に対するコア部の溶解速度が第1エッチング液より遅い第2エッチング液に浸漬して1段目のテーパ形状の基底側にさらに連続するように2段目のテーパ形状を形成する第2工程と、
前記ファイバの端部をエッチング液に浸漬する間実質的にコア部のみがエッチングされる第3エッチング液に浸漬して1段目及び2段目のテーパ形状からなる先鋭部の側面側を、1段目のテーパ形状のテーパ角が2段目のテーパ形状のテーパ角より小さくなるように一部除去する第3工程と、
前記ファイバの端部を第2エッチング液に浸漬して2段目のテーパ形状の基底側にさらに連続するように3段目のテーパ形状を形成する第4工程からなる工程とすることで、高分解能測定条件下でコアの光透過効率を向上することができる。
【課題を解決するための手段】
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、工程順に本発明の好適な実施形態について説明する。
第1工程
最初に第4図(B)に示すようにSiO2/GeO2の組成からなる単一層のコア部112と、該コア部周囲を覆うクラッド部114からなるガラスファイバの端部110に、コア部が突出した先鋭部116を形成する。まず、第4図(A)に示すようにガラスファイバの円形断面状端部110を、NH4F:HF:H2O=X:1:1のフッ酸緩衝溶液120(第1エッチング液)に浸漬し、同図(B)に示すようにクラッド端部を除去しつつコア部を選択的に先鋭化する。例えば、円形断面状端部110の直径が125μmのガラスファイバ端部をNH4F:HF:H2O=1.8:1:1の第1エッチング液に90分間浸漬すると、ファイバ先端の一部が溶解して直径が30μm程度まで縮小し、その中心部にはテーパ形状118aからなる、コア部が突出した先鋭部116が形成される。
【0023】
第2工程
次に、前記フッ酸緩衝溶液のNH4F組成比Xを変えてクラッド部に対するコア部の溶解速度が第1エッチング液に浸漬した場合より遅い第2エッチング液を用意する。この第2エッチング液にファイバ端部を浸漬すると、コア部及びクラッド部が一部溶解することにより第4図(C)に示すように、コア部が突出した先鋭部116に、1段目のテーパ形状118aの基底側にさらに連続するように2段目のテーパ形状118bが形成される。第2エッチング液の組成をこのような条件とすることで2段目のテーパ形状118bのテーパ角が1段目のテーパ形状118aのテーパ角より小さくなるように制御できる。
【0024】
第3工程
次に、第5図に示すように、第2工程で作成した2段テーパ型の先鋭部116の側面側を一部除去する。フッ酸緩衝溶液の組成を、前記のようにNH4F:HF:H2O=X:1:1ではなく他の適当な組成とすることでファイバ端部110を浸漬する間実質的にコア部のみがエッチングされる条件の溶液(第3エッチング液)を用意する。この第3エッチング液に第2工程で作成した2段テーパ型の先鋭部116を有するファイバ端部110を浸漬して、先鋭部の側面側を一部除去する。
【0025】
ここで、コアの光透過効率を向上させるために先鋭部116側面を2次曲線状に近似させるべく1段目のテーパ形状からテーパ角が順次小さくなるように2段目、3段目のテーパ形状を形成する場合(透過率タイプ)には、第3エッチング液の組成や浸漬時間等を調整することで、第5図(A)に示すように2段目のテーパ形状118bのテーパ角が1段目のテーパ形状118aのテーパ角より小さい状態でファイバ端部を第3エッチング液から取り出し先鋭部側面側の除去を停止する。
例えば、前記に例示した条件で1段目のテーパ形状118aを形成したファイバ端部110を、第2工程でNH4F:HF:H2O=10:1:1の第2エッチング液に5分間浸漬することで500nm程度突出した2段テーパ型の先鋭部116を形成させた後、NH4F:HF:H2O=1.8:1:5の第3エッチング液に20秒間浸漬すると、2段目のテーパ形状のテーパ角が1段目のテーパ形状のテーパ角より小さい状態で先鋭部側面側の一部を除去することができる。また、この先鋭部側面側を除去する過程は、電子顕微鏡等で監視しながら制御することも可能である。
【0026】
また、高分解能時に光透過効率を保持するために先鋭部において1段目のテーパ形状のテーパ角が2段目より小さくなるようにする場合(分解能タイプ)には、第3エッチング液の組成や浸漬時間等を調整することで、第5図(B)に示すように1段目のテーパ形状118aのテーパ角が2段目のテーパ形状118bのテーパ角より小さい状態でファイバ端部110を第3エッチング液から取り出し先鋭部側面側の除去を停止する。
例えば、前記に例示した条件で1段目のテーパ形状118aを形成したファイバ端部110を、第2工程でNH4F:HF:H2O=10:1:1の第2エッチング液に10分間浸漬することで1000nm程度突出した2段テーパ型の先鋭部116を形成させた後、NH4F:HF:H2O=1.8:1:5の第3エッチング液に1分間浸漬すると、1段目のテーパ形状のテーパ角が2段目のテーパ形状のテーパ角より小さい状態で先鋭部側面側の一部を除去することができる。。
【0027】
第4工程
次に、第6図に示すように第3工程で作成した2段テーパ型の先鋭部を有するファイバ端部を第2エッチング液に浸漬して2段目のテーパ形状の基底側にさらに連続するように3段目のテーパ形状を形成する。
【0028】
これにより、第3工程において図5(A)に示したような、コアの光透過効率を向上させるために先鋭部側面を2次曲線状に近似させるように2段目のテーパ形状118bのテーパ角が1段目のテーパ形状118aのテーパ角より小さい形状に作成した透過率タイプでは、図6(A)に示すように2段目のテーパ形状118bのテーパ角よりさらにテーパ角が小さい3段目のテーパ形状118cが形成される。
例えば、前記に例示した条件で2段テーパ型の先鋭部を作成した場合では、ファイバ端部110を、第2エッチング液中に15分間浸漬することで透過率タイプの3段テーパ型プローブが製造される。
【0029】
また、第3工程において図5(B)に示した、高分解能測定時に光透過効率を保持するように2段目のテーパ形状118bのテーパ角が1段目のテーパ形状118aのテーパ角より大きい形状に作成した分解能タイプでは、図6(B)に示すように2段目のテーパ形状118bのテーパ角よりテーパ角が小さい3段目のテーパ形状118cが作成される。
例えば、前記に例示した条件で2段テーパ型の先鋭部を作成した場合では、ファイバ端部110を、第2エッチング液中に15分間浸漬することで分解能タイプの3段テーパ型先鋭部116が製造される。
【0030】
このようにして形成された3段テーパ型先鋭部表面を金属等で、真空蒸着等公知の手段により被覆した後、例えば先鋭部の頂点を平面に押し付けて頂点付近の被覆を除去しコアを露出させる等の手段で光波長より小さい微小開口を作成することにより、3段テーパ型プローブが製造される。
【0031】
本発明の製造方法により製造された3段テーパ型プローブのSEM写真を第7図に示す。第7図(A)では透過率タイプ、第7図(B)では分解能タイプの3段テーパ型プローブが形成されていることがわかる。
【0032】
また、上記の製造過程に加えて、さらに適当な組成のエッチング液を用いてファイバ端部を順次エッチングすることにより3段以上の多段型プローブを得ることも可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかる近接場光プローブ及びその製造方法によれば、単一層のコアを有するファイバを用いて3段以上のテーパ型プローブを製造できるので、汎用されているファイバを用いて光透過効率が向上したプローブを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の近接場プローブの概略説明図である。
【図2】プローブ側面が2次曲線と仮定した場合の近接場プローブの概略説明図である。
【図3】従来の近接場プローブの製造過程の概略説明図である。
【図4】本発明の製造方法の第1、2工程の概略説明図である。
【図5】本発明の製造方法の第3工程の概略説明図である。
【図6】本発明の製造方法の第4工程の概略説明図である。
【図7】本発明の製造方法により製造された近接場プローブのSEM写真である。
【符号の説明】
10、110…ファイバ端部
12、112…コア部
14、114…クラッド部
16、116…先鋭部
18a、118a…1段目テーパ形状
18b、118b…2段目テーパ形状
118c…3段目テーパ形状
20…エッチング液
Claims (3)
- 単一層からなるコア部と、該コア部周囲を覆うクラッド部からなるファイバの端部をエッチング液中に浸漬し、該コア部を突出させて先鋭部を形成する先鋭部形成工程と、
該先鋭部を被覆する被覆工程と、
該先鋭部頂点付近の被覆を除去し、コア部を露出させて近接場光を発生させる微小開口部を設ける開口部形成工程からなる近接場光プローブの製造方法において、
前記先鋭部形成工程が、
前記ファイバの端部を第1エッチング液に浸漬して1段目のテーパ形状を形成する第1工程と、
前記ファイバの端部を前記クラッド部に対するコア部の溶解速度が第1エッチング液に浸漬した場合より遅い第2エッチング液に浸漬して1段目のテーパ形状の基底側にさらに連続するように2段目のテーパ形状を形成する第2工程と、
前記ファイバの端部をエッチング液に浸漬する間実質的にコア部のみがエッチングされる第3エッチング液に浸漬して1段目及び2段目のテーパ形状からなる先鋭部の側面側を一部除去する第3工程と、
前記ファイバの端部を第2エッチング液に浸漬して2段目のテーパ形状の基底側にさらに連続するように3段目のテーパ形状を形成する第4工程を含み、
3段以上の多段テーパ型の先鋭部を形成する工程であることを特徴とする近接場光プローブの製造方法。 - 請求項1記載の方法において、前記先鋭部形成工程の第3工程が、
前記ファイバの端部をエッチング液に浸漬する間実質的にコア部のみがエッチングされる第3エッチング液に浸漬して1段目及び2段目のテーパ形状からなる先鋭部の側面側を、1段目のテーパ形状のテーパ角が2段目のテーパ形状のテーパ角より大きくなるように一部除去するものであり、
1段目のテーパ形状からテーパ角が順次小さくなるように2段目、3段目のテーパ形状を形成してコアの光透過効率を向上することを特徴とする近接場光プローブの製造方法。 - 請求項1記載の方法において、前記先鋭部形成工程の第3工程が、
前記ファイバの端部をエッチング液に浸漬する間実質的にコア部のみがエッチングされる第3エッチング液に浸漬して1段目及び2段目のテーパ形状からなる先鋭部の側面側を、1段目のテーパ形状のテーパ角が2段目のテーパ形状のテーパ角より小さくなるように一部除去するものであり、
高分解能測定条件下でコアの光透過効率を向上することを特徴とする近接場光プローブの製造方法。
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