JP2003004623A - 近接場光プローブ及びその製造方法 - Google Patents

近接場光プローブ及びその製造方法

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勉 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、コアの光透過効率を向上する近接
場光プローブ及びその製造方法を提供することを目的と
する。 【解決手段】 ファイバの端部110をコア部112の
クラッド部114に対する溶解速度比が異なる複数のエ
ッチング液に順次浸漬することにより、先鋭部116に
形成した1段目のテーパ形状118aの基底側にさらに
連続するようにテーパ角の異なる2段目及び3段目のテ
ーパ形状118b、118cを順次形成して3段あるい
はそれ以上の多段テーパ型の先鋭部を形成した近接場光
プローブ及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は近接場光プローブの
製造方法、特にコアの光透過効率の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な顕微鏡は、試料に対して非接
触、非破壊で微細極小部位の観察が行え、さらに分光分
析器等を接続することにより観察対象の形状、構造のみ
でなく、その成分等まで分析することも可能であり、各
種の分野で応用が行なわれている。しかしながら、一般
的な光学顕微鏡は、光の波長より小さなものは観察する
ことができず、その分解能には限界がある。光には回折
限界があり、使用する波長程度までしか絞れないからで
ある。
【0003】この回折限界を越えた極微小領域での観察
を可能にしたのが、例えば数十〜百nm程度の微小開口
をもつプローブを用いた近接場顕微鏡である。このプロ
ーブは、例えば光ファイバの端面略中央部に先鋭状コア
部を突出させ、その先鋭状コア部表面を金属等で被覆し
た遮光性マスクを形成して最先端部を微小開口を設ける
ことにより製造することが常套手段となっている。
【0004】この近接場顕微鏡では、イルミネーション
−コレクションモード、イルミネーションモード、コレ
クションモードなどの測定方法が一般的に用いられてい
る。前記イルミネーション−コレクションモードでは、
例えば数十〜百nm程度の微小開口をもつプローブに光
を導入すると、先端付近に開口と同程度の大きさをもつ
近接場光が発生する。この近接場光の近傍に試料測定面
を近づけ、その散乱光或いは発光を開口を通して集光し
ている。
【0005】また、前記イルミネーションモードでは、
プローブにより開口を通して近接場光を試料測定面に照
射し、試料表面で散乱ないし発光した被測定光を側方か
ら集光レンズなどで集光している。また、前記コレクシ
ョンモードでは、側方から励起光を試料測定面に照射
し、試料測定面に発生した近接場光をプローブにより散
乱させ、開口を通して集光している。このようなプロー
ブを用いた近接場顕微鏡により、近接場光と試料測定面
との相互作用の結果を数十〜百nm程度の空間分解能で
観測することができる。
【0006】そして、ある近接場測定を行う場合、その
用途に適した顕微鏡モードを選択し、目標とする分解能
を設定し、目標分解能に対して十分な検出光強度が得ら
れるようにプローブを最適化する必要がある。
【0007】ここで、先鋭状のコア突出部と、遮光性金
属膜等のマスクで形成された開口を持つファイバプロー
ブは、通常、光ファイバのコア先端を選択化学エッチン
グ法や、熱して引き延ばす方法等により先鋭化し、該先
鋭化ファイバに、金属膜等のマスクを蒸着した後、先端
部の遮光性金属膜を選択的に除去する等して、先端開口
を作成している。そして、前記プローブの従来の形状と
しては、第1図(A)のようにクラッド部14からコア
部12がテーパ形状に突き出た先鋭部16からなるテー
パ型のもの、或いは第1図(B)のように先鋭部16に
形成した1段目のテーパ形状18aの基底側にさらに連
続するように、1段目のテーパ角より小さいテーパ角を
有する2段目のテーパ形状18bを形成した2段テーパ
型のものや、或いは第1図(C)のように先鋭部16に
形成した1段目のテーパ形状18aの基底側にさらに連
続するように、1段目のテーパ角より大きいテーパ角を
有する2段目のテーパ形状18bを形成した2段テーパ
型がある。
【0008】このようなプローブの形状は、ファイバへ
の入射光の透過効率(出力光強度/入射光強度)と空間
分解能に大きく影響する。すなわち、プローブのマスク
に金属を用いた場合、コア−被覆金属界面では金属によ
る光吸収が生じ光強度が減衰し始め、特にコア断面直径
が光波長程度になる部分からプローブ先端までは伝播光
が遮断され光強度の減衰率が顕著に高くなる。それゆえ
光透過効率を増加させるには、プローブ先端の先鋭角を
大きくしてコア断面直径が光波長程度になる部分からプ
ローブ先端までの長さを短くするのが好ましい。さら
に、プローブの形状は、伝播光がコア界面を反射しなが
ら先端へ到達する集光性を考慮すると、その側面が第2
図に示すように2次曲線型に近似するほど好ましい。第
1図(B)に示した従来の2段テーパ型プローブはこの
ような問題を考慮して、1段のテーパ型に比して2次曲
線型に近似させることで伝播光の集光性を改善し、透過
効率を向上させたものである。
【0009】このような従来のテーパ型或いは2段テー
パ型プローブは一般的に知られている選択化学エッチン
グ法で例えば次の方法により製造される。すなわち、最
初に第3図(B)に示すようにSiO/GeOの組
成からなる単一層のコア部12と、該コア部周囲を覆う
クラッド部14からなるガラスファイバの端部10に、
コア部が突出した先鋭部16を形成する。このために第
3図(A)に示すようにガラスファイバの円形断面状端
部10を、NHF:HF:HO=X:1:1のフッ
酸緩衝溶液20(第1エッチング液)に浸漬する。そし
て同図(B)に示すようにクラッド端部を除去しつつコ
ア部を選択的に先鋭化する。
【0010】次に、前記フッ酸緩衝溶液のNHF組成
比Xを変えてクラッド部に対するコア部の溶解速度が第
1エッチング液に浸漬した場合より遅い第2エッチング
液を用意する。この第2エッチング液にファイバ端部を
浸漬すると、コア部及びクラッド部が一部溶解すること
により第3図(C)に示すように、コア部が突出した先
鋭部16に、1段目のテーパ形状18aの基底側にさら
に連続するように2段目のテーパ形状18bが形成され
る。
【0011】このようにして2段テーパ型の先鋭部が形
成される。また、このときのエッチング時間を十分に長
くすることで1段のテーパ型とすることもできる。そし
てこのようにして形成した先鋭部を被覆し、先鋭部頂点
付近を露出させて微小開口を設けることにより従来のテ
ーパ型或いは2段テーパ型プローブが製造される。
【0012】一方で、光透過効率を向上するために先鋭
角を大きくすると先端付近の金属膜の薄い部分から光が
漏洩する影響で分解能が低下してしまう。そこで高分解
能を得るためには先鋭角が小さいプローブを用いる必要
があるが、1段のテーパ型プローブの形状では次の問題
がある。すなわち、伝播光強度が大きく減衰する領域で
ある、コア断面直径が光波長程度になる部分からプロー
ブ先端までの間の距離が、先鋭角が小さい場合非常に長
くなってしまうのである。したがって、1段のテーパ型
プローブでは光透過効率と遮光性が極めて両立し難く、
高分解能測定条件下(小さい先鋭角のプローブによる測
定条件下)では極めて低い光透過効率で測定しなければ
ならない。
【0013】そこで、第1図(C)のように、1段目の
テーパ形状18aの基底側にさらに連続するように、1
段目のテーパ角より大きいテーパ角を有する2段目のテ
ーパ形状18bを形成することで、伝播光強度が大きく
減衰する領域である、コア断面直径が光波長程度になる
部分からプローブ先端までの距離を、1段のテーパ型プ
ローブに比して短くすることができ、光透過効率をある
程度保持しつつ高分解能が確保できる。このように、2
段テーパ型とすることで光透過効率等を向上することが
できるが、3段以上の多段テーパ型が実現できればさら
なる向上が図れる。
【0014】そこで、特開平10−153604に記載
の技術では多層コア及び多層クラッドからなるファイバ
を用いて多段テーパ型プローブを形成している。すなわ
ち、単一の溶解液に対する溶解速度が異なる2層のコア
及び2層のクラッドからなるファイバの先端を該溶解液
に浸漬することで、1段目のテーパ形状の基底側にさら
に連続するように、2段目、3段目のテーパ形状を有す
る3段テーパ型プローブを形成している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにコア或いはクラッドを多層とするファイバは一般的
でなく特別に製造する必要があり、また実際に製造する
場合汎用されている単層コアのファイバに比してコスト
的に高価である。また、コア及びクラッドに不純物をド
ープする必要があるので、ファイバ自身が蛍光等を発
し、光測定に大きな障害となる。しかし、単層コアでは
従来2段テーパ型までしか製造することができなかった
ので、透過効率及び分解能の点でさらに改善の余地があ
った。本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたもの
であり、その目的はコアの光透過効率を向上する近接場
光プローブ及びその製造方法を提供することにある。
【0016】前記目的を達成するために本発明にかかる
近接場光プローブは、単一層からなるコア部と、該コア
部周囲を覆うクラッド部からなるファイバの端部にコア
部が突出した先鋭部と、該先鋭部を被覆した被覆部と、
該先鋭部頂点付近において前記被覆部からコア部が露出
した、近接場光を発生させる微小開口部からなる近接場
光プローブにおいて、前記先鋭部が、該先鋭部先端に形
成した1段目のテーパ形状の基底側にさらに連続するよ
うにテーパ角の異なる2段目及び3段目以降のテーパ形
状を有する、3段以上の多段テーパ型の先鋭部であるこ
とを特徴とする。
【0017】また、前記プローブにおいて、1段目のテ
ーパ形状から2段目、3段目以降のテーパ形状のテーパ
角を順次小さくすることでコアの光透過効率を向上する
ことができる。
【0018】また、前記プローブにおいて、1段目のテ
ーパ形状のテーパ角が2段目のテーパ形状のテーパ角よ
り小さくすることで高分解能測定条件下でコアの光透過
効率を向上することができる。
【0019】また、前記目的を達成するために本発明に
かかる近接場光プローブの製造方法は、単一層からなる
コア部と、該コア部周囲を覆うクラッド部からなるファ
イバの端部をエッチング液に浸漬し、該コア部を突出さ
せて先鋭部を形成する先鋭部形成工程と、該先鋭部を被
覆する被覆工程と、該先鋭部頂点付近の被覆を除去し、
コア部を露出させて近接場光を発生させる微小開口部を
設ける開口部形成工程からなる近接場光プローブの製造
方法において、前記先鋭部形成工程が、前記ファイバの
端部を前記コア部のクラッド部に対する溶解速度比が異
なる複数のエッチング液に順次浸漬することにより、前
記先鋭部に形成した1段目のテーパ形状の基底側にさら
に連続するようにテーパ角の異なる2段目及び3段目以
降のテーパ形状を順次形成して3段以上の多段テーパ型
の先鋭部を形成する工程であることを特徴とする。
【0020】また、前記先鋭部形成工程を、前記ファイ
バの端部を第1エッチング液に浸漬して1段目のテーパ
形状を形成する第1工程と、前記ファイバの端部を前記
クラッド部に対するコア部の溶解速度が第1エッチング
液に浸漬した場合より遅い第2エッチング液に浸漬して
1段目のテーパ形状の基低側にさらに連続するように2
段目のテーパ形状を形成する第2工程と、前記ファイバ
の端部をエッチング液に浸漬する間実質的にコア部のみ
がエッチングされる第3エッチング液に浸漬して1段目
及び2段目のテーパ形状からなる先鋭部の側面側を、1
段目のテーパ形状のテーパ角が2段目のテーパ形状のテ
ーパ角より大きくなるように一部除去する第3工程と、
前記ファイバの端部を第2エッチング液に浸漬して2段
目のテーパ形状の基底側にさらに連続するように3段目
のテーパ形状を形成する第4工程からなる工程とするこ
とで、1段目のテーパ形状からテーパ角が順次小さくな
るように2段目、3段目のテーパ形状を形成してコアの
光透過効率を向上することができる。
【0021】また、前記先鋭部形成工程を、前記プロー
ブの先端を第1エッチング液に浸漬して1段目のテーパ
形状を形成する第1工程と、前記ファイバの端部を前記
クラッド部に対するコア部の溶解速度が第1エッチング
液より遅い第2エッチング液に浸漬して1段目のテーパ
形状の基底側にさらに連続するように2段目のテーパ形
状を形成する第2工程と、前記ファイバの端部をエッチ
ング液に浸漬する間実質的にコア部のみがエッチングさ
れる第3エッチング液に浸漬して1段目及び2段目のテ
ーパ形状からなる先鋭部の側面側を、1段目のテーパ形
状のテーパ角が2段目のテーパ形状のテーパ角より小さ
くなるように一部除去する第3工程と、前記ファイバの
端部を第2エッチング液に浸漬して2段目のテーパ形状
の基底側にさらに連続するように3段目のテーパ形状を
形成する第4工程からなる工程とすることで、高分解能
測定条件下でコアの光透過効率を向上することができ
る。
【課題を解決するための手段】
【0022】
【発明の実施の形態】以下、工程順に本発明の好適な実
施形態について説明する。第1工程 最初に第4図(B)に示すようにSiO/GeO
組成からなる単一層のコア部112と、該コア部周囲を
覆うクラッド部114からなるガラスファイバの端部1
10に、コア部が突出した先鋭部116を形成する。ま
ず、第4図(A)に示すようにガラスファイバの円形断
面状端部110を、NHF:HF:H O=X:1:
1のフッ酸緩衝溶液120(第1エッチング液)に浸漬
し、同図(B)に示すようにクラッド端部を除去しつつ
コア部を選択的に先鋭化する。例えば、円形断面状端部
110の直径が125μmのガラスファイバ端部をNH
F:HF:HO=1.8:1:1の第1エッチング
液に90分間浸漬すると、ファイバ先端の一部が溶解し
て直径が30μm程度まで縮小し、その中心部にはテー
パ形状118aからなる、コア部が突出した先鋭部11
6が形成される。
【0023】第2工程 次に、前記フッ酸緩衝溶液のNHF組成比Xを変えて
クラッド部に対するコア部の溶解速度が第1エッチング
液に浸漬した場合より遅い第2エッチング液を用意す
る。この第2エッチング液にファイバ端部を浸漬する
と、コア部及びクラッド部が一部溶解することにより第
4図(C)に示すように、コア部が突出した先鋭部11
6に、1段目のテーパ形状118aの基底側にさらに連
続するように2段目のテーパ形状118bが形成され
る。第2エッチング液の組成をこのような条件とするこ
とで2段目のテーパ形状118bのテーパ角が1段目の
テーパ形状118aのテーパ角より小さくなるように制
御できる。
【0024】第3工程 次に、第5図に示すように、第2工程で作成した2段テ
ーパ型の先鋭部116の側面側を一部除去する。フッ酸
緩衝溶液の組成を、前記のようにNHF:HF:H
O=X:1:1ではなく他の適当な組成とすることでフ
ァイバ端部110を浸漬する間実質的にコア部のみがエ
ッチングされる条件の溶液(第3エッチング液)を用意
する。この第3エッチング液に第2工程で作成した2段
テーパ型の先鋭部116を有するファイバ端部110を
浸漬して、先鋭部の側面側を一部除去する。
【0025】ここで、コアの光透過効率を向上させるた
めに先鋭部116側面を2次曲線状に近似させるべく1
段目のテーパ形状からテーパ角が順次小さくなるように
2段目、3段目のテーパ形状を形成する場合(透過率タ
イプ)には、第3エッチング液の組成や浸漬時間等を調
整することで、第5図(A)に示すように2段目のテー
パ形状118bのテーパ角が1段目のテーパ形状118
aのテーパ角より小さい状態でファイバ端部を第3エッ
チング液から取り出し先鋭部側面側の除去を停止する。
例えば、前記に例示した条件で1段目のテーパ形状11
8aを形成したファイバ端部110を、第2工程でNH
F:HF:HO=10:1:1の第2エッチング液
に5分間浸漬することで500nm程度突出した2段テ
ーパ型の先鋭部116を形成させた後、NHF:H
F:HO=1.8:1:5の第3エッチング液に20
秒間浸漬すると、2段目のテーパ形状のテーパ角が1段
目のテーパ形状のテーパ角より小さい状態で先鋭部側面
側の一部を除去することができる。また、この先鋭部側
面側を除去する過程は、電子顕微鏡等で監視しながら制
御することも可能である。
【0026】また、高分解能時に光透過効率を保持する
ために先鋭部において1段目のテーパ形状のテーパ角が
2段目より小さくなるようにする場合(分解能タイプ)
には、第3エッチング液の組成や浸漬時間等を調整する
ことで、第5図(B)に示すように1段目のテーパ形状
118aのテーパ角が2段目のテーパ形状118bのテ
ーパ角より小さい状態でファイバ端部110を第3エッ
チング液から取り出し先鋭部側面側の除去を停止する。
例えば、前記に例示した条件で1段目のテーパ形状11
8aを形成したファイバ端部110を、第2工程でNH
F:HF:HO=10:1:1の第2エッチング液
に10分間浸漬することで1000nm程度突出した2
段テーパ型の先鋭部116を形成させた後、NHF:
HF:HO=1.8:1:5の第3エッチング液に1
分間浸漬すると、1段目のテーパ形状のテーパ角が2段
目のテーパ形状のテーパ角より小さい状態で先鋭部側面
側の一部を除去することができる。。
【0027】第4工程 次に、第6図に示すように第3工程で作成した2段テー
パ型の先鋭部を有するファイバ端部を第2エッチング液
に浸漬して2段目のテーパ形状の基底側にさらに連続す
るように3段目のテーパ形状を形成する。
【0028】これにより、第3工程において図5(A)
に示したような、コアの光透過効率を向上させるために
先鋭部側面を2次曲線状に近似させるように2段目のテ
ーパ形状118bのテーパ角が1段目のテーパ形状11
8aのテーパ角より小さい形状に作成した透過率タイプ
では、図6(A)に示すように2段目のテーパ形状11
8bのテーパ角よりさらにテーパ角が小さい3段目のテ
ーパ形状118cが形成される。例えば、前記に例示し
た条件で2段テーパ型の先鋭部を作成した場合では、フ
ァイバ端部110を、第2エッチング液中に15分間浸
漬することで透過率タイプの3段テーパ型プローブが製
造される。
【0029】また、第3工程において図5(B)に示し
た、高分解能測定時に光透過効率を保持するように2段
目のテーパ形状118bのテーパ角が1段目のテーパ形
状118aのテーパ角より大きい形状に作成した分解能
タイプでは、図6(B)に示すように2段目のテーパ形
状118bのテーパ角よりテーパ角が小さい3段目のテ
ーパ形状118cが作成される。例えば、前記に例示し
た条件で2段テーパ型の先鋭部を作成した場合では、フ
ァイバ端部110を、第2エッチング液中に15分間浸
漬することで分解能タイプの3段テーパ型先鋭部116
が製造される。
【0030】このようにして形成された3段テーパ型先
鋭部表面を金属等で、真空蒸着等公知の手段により被覆
した後、例えば先鋭部の頂点を平面に押し付けて頂点付
近の被覆を除去しコアを露出させる等の手段で光波長よ
り小さい微小開口を作成することにより、3段テーパ型
プローブが製造される。
【0031】本発明の製造方法により製造された3段テ
ーパ型プローブのSEM写真を第7図に示す。第7図
(A)では透過率タイプ、第7図(B)では分解能タイ
プの3段テーパ型プローブが形成されていることがわか
る。
【0032】また、上記の製造過程に加えて、さらに適
当な組成のエッチング液を用いてファイバ端部を順次エ
ッチングすることにより3段以上の多段型プローブを得
ることも可能である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる近接
場光プローブ及びその製造方法によれば、単一層のコア
を有するファイバを用いて3段以上のテーパ型プローブ
を製造できるので、汎用されているファイバを用いて光
透過効率が向上したプローブを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の近接場プローブの概略説明図である。
【図2】プローブ側面が2次曲線と仮定した場合の近接
場プローブの概略説明図である。
【図3】従来の近接場プローブの製造過程の概略説明図
である。
【図4】本発明の製造方法の第1、2工程の概略説明図
である。
【図5】本発明の製造方法の第3工程の概略説明図であ
る。
【図6】本発明の製造方法の第4工程の概略説明図であ
る。
【図7】本発明の製造方法により製造された近接場プロ
ーブのSEM写真である。
【符号の説明】
10、110…ファイバ端部 12、112…コア部 14、114…クラッド部 16、116…先鋭部 18a、118a…1段目テーパ形状 18b、118b…2段目テーパ形状 118c…3段目テーパ形状 20…エッチング液

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一層からなるコア部と、該コア部周囲
    を覆うクラッド部からなるファイバの端部にコア部が突
    出した先鋭部と、 該先鋭部を被覆した被覆部と、 該先鋭部頂点付近において前記被覆部からコア部が露出
    した、近接場光を発生させる微小開口部からなる近接場
    光プローブにおいて、 前記先鋭部が、該先鋭部先端に形成した1段目のテーパ
    形状の基底側にさらに連続するようにテーパ角の異なる
    2段目及び3段目以降のテーパ形状を有する、3段以上
    の多段テーパ型の先鋭部であることを特徴とする近接場
    光プローブ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプローブにおいて、1段
    目のテーパ形状から2段目、3段目以降のテーパ形状の
    テーパ角が順次小さくなることを特徴とする近接場光プ
    ローブ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のプローブにおいて、1段
    目のテーパ形状のテーパ角が2段目のテーパ形状のテー
    パ角より小さいことを特徴とする近接場光プローブ。
  4. 【請求項4】 単一層からなるコア部と、該コア部周囲
    を覆うクラッド部からなるファイバの端部をエッチング
    液に浸漬し、該コア部を突出させて先鋭部を形成する先
    鋭部形成工程と、 該先鋭部を被覆する被覆工程と、 該先鋭部頂点付近の被覆を除去し、コア部を露出させて
    近接場光を発生させる微小開口部を設ける開口部形成工
    程からなる近接場光プローブの製造方法において、 前記先鋭部形成工程が、前記ファイバの端部を前記コア
    部のクラッド部に対する溶解速度比が異なる複数のエッ
    チング液に順次浸漬することにより、前記先鋭部に形成
    した1段目のテーパ形状の基底側にさらに連続するよう
    にテーパ角の異なる2段目及び3段目以降のテーパ形状
    を順次形成して3段以上の多段テーパ型の先鋭部を形成
    する工程であることを特徴とする近接場光プローブの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の方法において、前記先鋭
    部形成工程が、 前記ファイバの端部を第1エッチング液に浸漬して1段
    目のテーパ形状を形成する第1工程と、 前記ファイバの端部を前記クラッド部に対するコア部の
    溶解速度が第1エッチング液に浸漬した場合より遅い第
    2エッチング液に浸漬して1段目のテーパ形状の基底側
    にさらに連続するように2段目のテーパ形状を形成する
    第2工程と、 前記ファイバの端部をエッチング液に浸漬する間実質的
    にコア部のみがエッチングされる第3エッチング液に浸
    漬して1段目及び2段目のテーパ形状からなる先鋭部の
    側面側を、1段目のテーパ形状のテーパ角が2段目のテ
    ーパ形状のテーパ角より大きくなるように一部除去する
    第3工程と、 前記ファイバの端部を第2エッチング液に浸漬して2段
    目のテーパ形状の基底側にさらに連続するように3段目
    のテーパ形状を形成する第4工程からなり、1段目のテ
    ーパ形状からテーパ角が順次小さくなるように2段目、
    3段目のテーパ形状を形成してコアの光透過効率を向上
    することを特徴とする近接場光プローブの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の方法において、前記先鋭
    部形成工程が、 前記プローブの先端を第1エッチング液に浸漬して1段
    目のテーパ形状を形成する第1工程と、 前記ファイバの端部を前記クラッド部に対するコア部の
    溶解速度が第1エッチング液より遅い第2エッチング液
    に浸漬して1段目のテーパ形状の基底側にさらに連続す
    るように2段目のテーパ形状を形成する第2工程と、 前記ファイバの端部をエッチング液に浸漬する間実質的
    にコア部のみがエッチングされる第3エッチング液に浸
    漬して1段目及び2段目のテーパ形状からなる先鋭部の
    側面側を、1段目のテーパ形状のテーパ角が2段目のテ
    ーパ形状のテーパ角より小さくなるように一部除去する
    第3工程と、 前記ファイバの端部を第2エッチング液に浸漬して2段
    目のテーパ形状の基底側にさらに連続するように3段目
    のテーパ形状を形成する第4工程からなる、高分解能測
    定条件下でコアの光透過効率を向上することを特徴とす
    る近接場光プローブの製造方法。
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