JP4673787B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に供給される混合気の空燃比を制御する内燃機関の空燃比制御装置に関する。
従来の空燃比制御装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この空燃比制御装置では、O2センサが活性状態のときには、O2センサにより検出した排気空燃比に基づき、内燃機関への供給燃料量を制御することによって、空燃比フィードバック制御が実行される。一方、内燃機関の始動時で、O2センサが非活性状態のときには、上記の空燃比フィードバック制御は実行されず、排気空燃比に基づくことなく供給燃料量を制御し、空燃比をオープン制御により制御する。
上記のように、この従来の空燃比制御装置では、内燃機関の始動時、排気空燃比に基づくことなく供給燃料量を制御するので、例えば使用される燃料が燃焼しにくい性状の場合には、出力が低下し、燃焼状態やドライバビリティが悪化してしまう。このような不具合を回避するために、空燃比の目標値をリッチ側に設定することが考えられる。しかし、その場合には、燃料が燃焼しやすい性状のときに、出力が過大になり、排ガス特性やドライバビリティが悪化してしまう。また、そのように排ガス特性が悪化すると、排ガスを浄化する触媒として、貴金属の量が多いものを用いなければならず、触媒の製造コストが増大してしまう。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、燃料の性状に応じて、排ガス状態パラメータを精度良く推定でき、それにより、空燃比を適切に制御することができる内燃機関の空燃比制御装置を提供することを目的とする。
特開2004−360628号公報
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、内燃機関3に供給される混合気の空燃比を制御する内燃機関の空燃比制御装置1であって、内燃機関3における混合気の燃焼状態を表す燃焼状態パラメータ(実施形態における(以下、本項において同じ)着火遅れDCADLYIG)を検出する燃焼状態パラメータ検出手段(筒内圧センサ15、筒内圧算出部21、着火遅れ算出部22、ECU2)と、内燃機関3の運転状態を表す運転状態パラメータ(エンジン回転数NE、エンジン水温TW、吸気管内圧PBA、点火時期IGLOG、燃料噴射量TOUT)を検出する運転状態パラメータ検出手段(クランク角センサ11、水温センサ12、吸気管内圧センサ13、ECU2)と、燃焼状態パラメータおよび運転状態パラメータを入力とし、内燃機関3から排出された排ガスの状態を表す排ガス状態パラメータを教師信号として構築されるニューラルネットワークNNに、検出された燃焼状態パラメータおよび運転状態パラメータを入力することによって、排ガス状態パラメータを推定排ガス状態パラメータ(第1推定空燃比AF_NN)として推定する推定排ガス状態パラメータ推定手段(第1推定空燃比算出部23、ECU2、ステップ1)と、推定された推定排ガス状態パラメータに応じて、空燃比を制御する空燃比制御手段(インジェクタ6、燃料噴射量算出部26、ECU2、ステップ3、4、24〜28)と、排ガス状態パラメータを検出排ガス状態パラメータ(検出空燃比AF_ACT)として検出する排ガス状態パラメータセンサ(LAFセンサ16)と、排ガス状態パラメータセンサの活性状態を判別するセンサ活性状態判別手段(ECU2、ステップ2)と、排ガス状態パラメータセンサが活性状態にあるときに得られた検出排ガス状態パラメータおよび推定排ガス状態パラメータに応じて、検出排ガス状態パラメータに対する推定排ガス状態パラメータのずれを補正する補正手段(外乱オブザーバ24、最終推定空燃比算出部25、ECU2、ステップ7、8、3)と、を備え、補正手段は、推定排ガス状態パラメータを補正した補正後推定排ガス状態パラメータ(最終推定空燃比AF_NNF)と推定排ガス状態パラメータとの関係を定義したモデル(式(12)、式(22))に基づき、補正後推定排ガス状態パラメータを算出する補正後推定排ガス状態パラメータ算出手段(最終推定空燃比算出部25、ECU2、ステップ3)と、排ガス状態パラメータセンサが活性状態にあるときに得られた検出排ガス状態パラメータおよび推定排ガス状態パラメータに応じ、補正後推定排ガス状態パラメータが検出排ガス状態パラメータになるように、モデルのモデルパラメータ(第1補正値K1_NNR、第2補正値C1_NNR)を同定する同定手段(外乱オブザーバ24、ECU2、ステップ7、8)と、モデルパラメータを記憶するモデルパラメータ記憶手段(EEPROM2a、最終推定空燃比算出部25)と、を有し、補正後推定排ガス状態パラメータ算出手段は、排ガス状態パラメータセンサが活性状態にないときに、記憶されたモデルパラメータを用いたモデルに基づいて補正後推定排ガス状態パラメータを算出し(ステップ3)、空燃比制御手段は、推定排ガス状態パラメータとして補正後推定排ガス状態パラメータを用いて空燃比を制御し(ステップ3、4、24〜28)、運転状態パラメータ検出手段は、運転状態パラメータとして、内燃機関3の気筒3c内における混合気の点火時期IGLOGを検出し、燃焼状態パラメータ検出手段は、気筒3c内の圧力である筒内圧を検出する筒内圧センサ15の出力DPVに基づいて筒内圧の暫定値PCYLTを算出する暫定値算出手段(ECU2、筒内圧算出部21)と、気筒3c内で燃焼が行われないときに発生する筒内圧であるモータリング圧PCYLMDLKを算出するモータリング圧算出手段(ECU2、筒内圧算出部21)と、筒内圧センサ15の経時劣化に起因する実際の筒内圧に対する暫定値PCYLTのずれを補正した最終筒内圧PCYLFと暫定値PCYLTとの関係を定義した筒内圧モデル(式(1)、式(9))に基づき、最終筒内圧PCYLFを算出する最終筒内圧算出手段(ECU2、筒内圧算出部21)と、内燃機関3の圧縮行程の開始時から、検出された点火時期IGLOGの直前までの期間である非燃焼圧縮期間において算出されたモータリング圧PCYLMDLKおよび暫定値PCYLTに応じ、最終筒内圧PCYLFがモータリング圧PCYLMDLKになるように、筒内圧モデルのモデルパラメータである筒内圧モデルパラメータ(モデルパラメータK1、C1)を同定する筒内圧モデルパラメータ同定手段(ECU2、筒内圧算出部21)と、を有し、算出された最終筒内圧PCYLFに応じて、燃焼状態パラメータを算出し、最終筒内圧算出手段は、最終筒内圧PCYLFの算出を、非燃焼圧縮期間では、当該非燃焼圧縮期間において同定された筒内圧モデルパラメータを用いた筒内圧モデルに基づいて行うとともに、今回の非燃焼圧縮期間の終了後、次回の非燃焼圧縮期間が開始されるまでの間では、今回の非燃焼圧縮期間において最終的に同定された筒内圧モデルパラメータを用いた筒内圧モデルに基づいて行うことを特徴とする。
この内燃機関の空燃比制御装置によれば、燃焼状態パラメータおよび運転状態パラメータを入力とし、排ガスの状態を表す排ガス状態パラメータを教師信号として構築されるニューラルネットワークに、検出された燃焼状態パラメータおよび運転状態パラメータを入力することによって、排ガス状態パラメータが推定排ガス状態パラメータとして推定される。また、推定した推定排ガス状態パラメータに応じて、内燃機関に供給される混合気の空燃比が制御される
内燃機関における混合気の燃焼状態および内燃機関の運転状態は、排ガスの状態との間に密接な相関関係を有するので、これらの燃焼状態および運転状態をそれぞれ表す燃焼状態パラメータおよび運転状態パラメータに応じ、排ガスの状態を表す排ガス状態パラメータを推定することによって、この推定を精度良く行うことができる。また、燃料性状と燃焼状態の間には密接な相関関係があり、燃料の性状が異なると、異なる燃焼状態が得られる。したがって、燃焼状態パラメータを入力として構築したニューラルネットワークに基づいて排ガス状態パラメータを推定することによって、燃料の性状に応じて、排ガス状態パラメータを精度良く推定することができる。さらに、そのように精度良く推定した推定排ガス状態パラメータに応じて空燃比を制御するので、空燃比を所望の排ガス特性が得られるように適切に制御でき、その結果、排ガス特性を向上させることができる。
また、ニューラルネットワークは、線形モデルを用いる場合と比較して、多入力の事象や入力と出力の関係が非線形な事象を容易にモデリングすることができるという特性を有している。本発明によれば、そのようなニューラルネットワークを用いて、燃焼状態パラメータおよび運転状態パラメータと排ガス状態パラメータとの関係をモデリングするので、始動時に特に非線形となるこれらのパラメータの関係を容易にモデリングすることができる。さらに、その入力として、排ガス状態パラメータと相関性の高い燃焼状態パラメータおよび運転状態パラメータを用いるので、モデルを単純化することができる。したがって、ニューラルネットワークを構成するユニットの数を削減することが可能になり、それにより、空燃比制御装置の演算負荷を軽減することができる。
さらに、上述した構成によれば、排ガス状態パラメータセンサの活性時に得られた検出排ガス状態パラメータおよび推定排ガス状態パラメータに応じて、検出排ガス状態パラメータに対する推定排ガス状態パラメータのずれが補正手段により補正される。これにより、例えば、内燃機関の特性の経時変化などに起因して、推定排ガス状態パラメータが実際の排ガス状態パラメータに対してずれ、ドリフトするような場合でも、活性状態にある排ガス状態パラメータセンサで検出された精度の高い検出排ガス状態パラメータに基づいて、このドリフトを適切に補正することができる。特に、請求項2に係る発明のように、ニューラルネットワークに用いられるパラメータを所定値に固定した場合には、内燃機関の特性の経時変化などに起因して、入力と出力の関係、すなわち燃焼状態パラメータおよび運転状態パラメータと排ガス状態パラメータの関係が変化しても、それに応じてニューラルネットワークの構成は変わらず、推定排ガス状態パラメータがドリフトしやすいため、本発明の上述した効果を有効に得ることができる。
さらに、前述した構成によれば、推定排ガス状態パラメータを補正した補正後推定排ガス状態パラメータと推定排ガス状態パラメータの関係を定義したモデルに基づき、この補正後推定排ガス状態パラメータが算出される。また、排ガス状態パラメータセンサの活性時に得られた検出排ガス状態パラメータおよび推定排ガス状態パラメータに応じ、補正後推定排ガス状態パラメータがこの検出排ガス状態パラメータになるように、上記のモデルのモデルパラメータが同定される。これにより、内燃機関の特性の経時変化などに起因して推定排ガス状態パラメータがドリフトした場合でも、活性状態にある排ガス状態パラメータセンサで検出された精度の高い検出排ガス状態パラメータになるように補正後推定排ガス状態パラメータを算出でき、したがって、このドリフトを適切に補正することができる。
また、モデルに基づいて補正後推定排ガス状態パラメータを算出するので、例えば、検出排ガス状態パラメータおよび推定排ガス状態パラメータに応じて算出した補正値を内燃機関の運転状態に対応させて記憶するとともに、記憶した多数の補正値のうちの今回の運転状態に対応するものを用いて推定排ガス状態パラメータを補正する場合と比較して、必要とする空燃比制御装置のメモリ容量を削減することができる。
さらに、前述した構成によれば、モデルパラメータが記憶されるとともに、排ガス状態パラメータセンサの非活性時に、記憶されたモデルパラメータを用いたモデルに基づいて補正後推定排ガス状態パラメータが算出される。したがって、排ガス状態パラメータセンサが活性状態になく、検出排ガス状態パラメータの十分な精度が得られないときに、補正された精度の高い推定排ガス状態パラメータを得ることができる。
また、前述した構成によれば、筒内圧を検出する筒内圧センサの出力に基づいて筒内圧の暫定値が算出され、気筒内で燃焼が行われないときに発生する筒内圧であるモータリング圧が算出されるとともに、筒内圧センサの経時劣化に起因する実際の筒内圧に対する暫定値のずれを補正した最終筒内圧と暫定値との関係を定義した筒内圧モデルに基づき、最終筒内圧が算出される。さらに、内燃機関の圧縮行程の開始時から、検出された点火時期の直前までの期間である非燃焼圧縮期間において算出されたモータリング圧および暫定値に応じ、最終筒内圧がモータリング圧になるように、筒内圧モデルのモデルパラメータである筒内圧モデルパラメータが同定される。また、算出された最終筒内圧に応じて、燃焼状態パラメータが算出される。さらに、最終筒内圧の算出が、非燃焼圧縮期間では、当該非燃焼圧縮期間において同定された筒内圧モデルパラメータを用いた筒内圧モデルに基づいて行われるとともに、今回の非燃焼圧縮期間の終了後、次回の非燃焼圧縮期間が開始されるまでの間では、今回の非燃焼圧縮期間において最終的に同定された筒内圧モデルパラメータを用いた筒内圧モデルに基づいて行われる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、本実施形態による空燃比制御装置1を、これを適用した内燃機関(以下「エンジン」という)3とともに概略的に示している。エンジン3は、例えば、車両に搭載された4サイクルタイプのガソリンエンジンである。
エンジン3には、クランク角センサ11(運転状態パラメータ検出手段)および水温センサ12(運転状態パラメータ検出手段)が設けられている。クランク角センサ11は、クランクシャフト3aに取り付けられたマグネットロータ11aとMREピックアップ11bで構成されており、クランクシャフト3aの回転に伴い、いずれもパルス信号であるCRK信号およびTDC信号を空燃比制御装置1のECU2に出力する。
CRK信号は、所定クランク角(例えば1゜)ごとに出力され、ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。また、TDC信号は、エンジン3のピストン3bが吸気行程のTDC位置よりも若干、手前の所定のクランク角位置にあることを表す信号であり、所定クランク角ごとに出力される。また、ECU2は、TDC信号およびCRK信号に応じて、TDC信号を基準としたクランク角度CAを算出する。本実施形態では、このエンジン回転数NEが運転状態パラメータに相当する。
水温センサ12は、例えばサーミスタなどで構成されており、エンジン水温TWを表す検出信号をECU2に出力する。このエンジン水温TWは、エンジン3のシリンダブロック(図示せず)内を循環する冷却水の温度である。本実施形態では、このエンジン水温TWが運転状態パラメータに相当する。
エンジン3の吸気管4には、上流側から順に、スロットル弁5、吸気管内圧センサ13(運転状態パラメータ検出手段)および吸気温センサ14が設けられている。このスロットル弁5の開度は、ECU2により制御され、それにより、吸入空気量が制御される。吸気管内圧センサ13は、吸気管4内の圧力(以下「吸気管内圧」という)PBAを、絶対圧として検出し、吸気温センサ14は、吸気管4内の温度(以下「吸気温」という)を検出し、それらの検出信号はECU2に出力される。本実施形態では、この吸気管内圧PBAが運転状態パラメータに相当する。
また、吸気管4のスロットル弁5よりも下流側には、インジェクタ6(空燃比制御手段)が吸気ポート(図示せず)に臨むように取り付けられている。インジェクタ6による燃料噴射量TOUTは、ECU2によって制御される。本実施形態では、この燃料噴射量TOUTが運転状態パラメータに相当する。
また、エンジン3の気筒3cには、点火プラグ7(いずれも1つのみ図示)が設けられている。点火プラグ7は、ECU2からの駆動信号により点火時期IGLOGに応じたタイミングで高電圧が加えられ、次に遮断されることによって放電し、それにより、気筒3c内で混合気の点火が行われる。なお、点火時期IGLOGは、クランク角度CAで表される。また、本実施形態では、この点火時期IGLOGが運転状態パラメータに相当する。
また、点火プラグ7には、筒内圧センサ15(燃焼状態パラメータ検出手段)が一体に取り付けられている。筒内圧センサ15は、圧電素子で構成されており、気筒3c内の圧力の変化量を表す検出信号をECU2に出力する。ECU2は、この筒内圧センサ15の出力DPVに基づき、後述するようにして気筒3c内の圧力(以下「筒内圧」という)を算出する。
エンジン3の排気管8には、触媒装置9が設けられている。この触媒装置9は、三元触媒およびNOx吸着触媒を組み合わせたものであり、エンジン3の排ガス中のNOx、COおよびHCを浄化する。
また、排気管8の触媒装置9よりも上流側には、LAFセンサ16(排ガス状態パラメータセンサ)が設けられている。このLAFセンサ16は、排ガス中の酸素濃度をリニアに検出し、その酸素濃度に比例する検出信号をECU2に出力する。ECU2は、このLAFセンサ16で検出された酸素濃度に基づいて、排ガス中の酸素濃度に対応する混合気の空燃比(以下「排気空燃比」という)を表す検出空燃比AF_ACTを算出する。なお、検出空燃比AF_ACTは当量比として算出される。また、本実施形態では、この検出空燃比AF_ACTが検出排ガス状態パラメータに相当する。
さらに、ECU2には、アクセル開度センサ17から、アクセルペダルの操作量(以下「アクセル開度」という)APを表す検出信号が出力される。
ECU2は、I/Oインターフェース、CPU、RAM、ROMおよびEEPROM2a(モデルパラメータ記憶手段)などからなるマイクロコンピュータで構成されている。また、ECU2は、前述した各種のセンサ11〜17からの検出信号に応じ、エンジン3の運転状態を判定するとともに、判定した運転状態に応じて、上記の排気空燃比を推定するとともに、燃料噴射量制御を含むエンジン制御を実行する。本実施形態では、ECU2は、燃焼状態パラメータ検出手段、運転状態パラメータ検出手段、排ガス状態パラメータ推定手段、センサ活性状態判別手段、空燃比制御手段、補正手段、補正後推定排ガス状態パラメータ算出手段、同定手段、暫定値算出手段、モータリング圧算出手段、最終筒内圧算出手段、および筒内圧モデルパラメータ同定手段に相当する。
図2に示すように、空燃比制御装置1は、筒内圧算出部21、着火遅れ算出部22、第1推定空燃比算出部23、外乱オブザーバ24、最終推定空燃比算出部25、および燃料噴射量算出部26を備えており、これらはいずれもECU2により構成されている。
筒内圧算出部21(燃焼状態パラメータ検出手段、暫定値算出手段、モータリング圧算出手段、最終筒内圧算出手段、筒内圧モデルパラメータ同定手段)は、最終筒内圧PCYLFおよびモータリング圧PCYLMDLKを算出し、着火遅れ算出部22に出力する。このモータリング圧PCYLMDLK(n)は、気筒3c内で燃焼が行われないときに発生する筒内圧であり、吸入空気量QA(n)、吸気温TA(n)、および、気筒3cの容積Vc(n)に応じ、気体の状態方程式を用いることによって算出される。この吸入空気量QA(n)は、エンジン回転数NE(n)および吸気管内圧PBA(n)に応じて算出される。また、この気筒3cの容積Vc(n)は、シリンダヘッド(図示せず)、気筒3cおよびピストン3bで囲まれた空間の容積であり、燃焼室の容積、ピストン3bの断面積、クランク角度CA、コンロッドの長さ、クランクシャフト3aのクランク長さに応じて算出される。なお、記号nは離散化した時間を表しており、記号(n)付きの各離散データは、CRK信号が発生するごとに算出またはサンプリングされたものである。この点は、以下の離散データ(時系列データ)についても同様である。以下の説明では、この記号(n)を適宜、省略する。
また、最終筒内圧PCYLFは、次のようにして算出される。すなわち、まず、筒内圧センサ15の出力DPVをチャージアンプで積分した後、その積分値を焦電補正することなどによって、筒内圧の暫定値PCYLTを算出する。次いで、算出した暫定値PCYLTを次のようにして補正することにより、最終筒内圧PCYLFを算出する。
この補正は、筒内圧センサ15の経時劣化に起因する実際の筒内圧に対する暫定値PCYLTのずれを補正するためのものであり、次のような観点に基づいて行われる。すなわち、圧縮行程の開始時から点火時期IGLOGの直前までの期間(以下「非燃焼圧縮期間」という)では、燃焼が行われないことから、モータリング圧PCYLMDLKが実際の筒内圧と等しくなる。また、この非燃焼圧縮期間では、燃焼が同様に行われない吸気行程中および排気行程中と比較して、ピストン3bによる気筒3cの容積Vcの圧縮によって筒内圧が大きく変化するので、実際の筒内圧に対する暫定値PCYLTのずれが明確に表れる。以上の理由から、上記の暫定値PCYLTの補正は、非燃焼圧縮期間において得られた暫定値PCYLTおよびモータリング圧PCYLMDLKを用いて行われる。
暫定値PCYLT(n)と同定値PCYLT_HAT(n)との関係は、次式(1)によって定義される。この同定値PCYLT_HATは、筒内圧センサ15の経時劣化に起因するずれが補正された暫定値PCYLTを表す。まず、非燃焼圧縮期間において、同式(1)のモデルパラメータK1(n)およびC1(n)のベクトルθ(n)を、次式(2)〜(8)に示す逐次型最小2乗法により同定する。なお、本実施形態では、これらのモデルパラメータK1(n)およびC1(n)が、筒内圧モデルパラメータに相当する。
Figure 0004673787
ここで、式(2)のKP(n)はゲイン係数のベクトル、ide(n)は同定誤差である。また、式(3)のθ(n)T は、θ(n)の転置行列である。また、式(2)の同定誤差ide(n)は、式(4)により算出され、式(5)のζ(n)は、その転置行列が式(6)のように表されるベクトルである。さらに、上記ゲイン係数のベクトルKP(n)は、式(7)により算出され、この式(7)のP(n)は、式(8)で定義される2次の正方行列である。また、式(8)の重みパラメータλ1 およびλ2 は、値1に設定されている。
以上の式(2)〜(8)に示すアルゴリズムによって、ベクトルθ(n)は、同定誤差ide(n)が最小になるように算出される。すなわち、同定値PCYLT_HAT(n)がモータリング圧PCYLMDLK(n)になるように、ベクトルθ(n)が同定される。なお、エンジン3の始動時には、式(2)などで用いられるベクトルの前回値θ(n−1)として、所定値が用いられる。
次いで、求めたモデルパラメータK1(n)およびC1(n)を学習するとともに、学習したK1(n)およびC1(n)に応じ、次式(9)により暫定値PCYLT(n)を補正することによって、最終筒内圧PCYLFを算出する。
Figure 0004673787
なお、今回の非燃焼圧縮期間の終了後、次回のベクトルθ(n)の同定が行われるまでの間は、今回の非燃焼圧縮期間において最終的に求めたモデルパラメータK1(n),C1(n)が、最終筒内圧PCYLFの算出に用いられる。
前述したように、非燃焼圧縮期間ではモータリング圧PCYLMDLKが実際の筒内圧と等しいのに対し、式(1)で示されるモデルのモデルパラメータK1,C1は、同定値PCYLT_HATがこのPCYLMDLK値になるように求められる。したがって、K1値,C1値は、PCYLT_HAT値が実際の筒内圧になるように求められたものといえる。したがって、式(1)のPCYLT_HAT値を最終筒内圧PCYLFに置き換えた式(9)によって、最終筒内圧PCYLFを筒内圧として精度良く算出することができる。
図3は、筒内圧センサ15が経時劣化している場合における、(a)暫定値PCYLTなどの推移の一例、(b)最終筒内圧PCYLFなどの推移の一例を示している。経時劣化により出力DPVが低下していることと、暫定値PCYLTがモデルパラメータK1,C1により補正されていないことから、同図(a)に示すように、PCYLT値は、実際の筒内圧PCYLACTよりも非常に小さくなっている。
これに対し、最終筒内圧PCYLFは、実際の筒内圧PCYLACTとほぼ一致しており、誤差がほとんどなく、その精度は非常に高い。
前記着火遅れ算出部22(燃焼状態パラメータ検出手段)は、入力された最終筒内圧PCYLFおよびモータリング圧PCYLMDLKに応じ、着火遅れDCADLYIGを算出し、第1推定空燃比算出部23に出力する。本実施形態では、この着火遅れDCADLYIGが燃焼状態パラメータに相当する。
この着火遅れDCADLYIGの算出は、例えば図4に示すようにして行われる。具体的には、最終筒内圧PCYLF(n)とモータリング圧PCYLMDLK(n)との差を、筒内圧偏差PCOMB(n)として算出するとともに、算出した筒内圧偏差PCOMB(n)を、そのときのクランク角度CAに対応させて、点火時期IGLOGから膨張行程の終了時にわたり記憶する。次いで、圧縮行程終了時のTDCタイミングで得られたモータリング圧PCYLMDLK(n)に値0.1を乗算することによって、着火判定しきい値DPCOMBを算出する。
次に、記憶した複数の筒内圧偏差PCOMBと着火判定しきい値DPCOMBを比較し、着火判定しきい値DPCOMBを上回った直後の筒内圧偏差PCOMBに対応するクランク角度CAを、混合気が実際に着火した時期(以下「実着火時期」という)IDCADLYSTとして設定する。次いで、求めた実着火時期IDCADLYSTから点火時期IGLOGを減算することによって、着火遅れDCADLYIGを算出する。
第1推定空燃比算出部23(排ガス状態パラメータ推定手段)は、入力された着火遅れDCADLYIG、エンジン水温TW、エンジン回転数NE、吸気管内圧PBA、点火時期IGLOG、および燃料噴射量TOUTに応じ、TDC信号の発生に同期して、排気空燃比を表す第1推定空燃比AF_NNを算出し、外乱オブザーバ24および最終推定空燃比算出部25に出力する。本実施形態では、この第1推定空燃比AF_NNが推定排ガス状態パラメータに相当する。
図5に示すように、第1推定空燃比算出部23は、入力層、中間層および出力層を有する3層の階層型のニューラルネットワークNNで構成されている。入力層は第1〜第6の入力ユニットSU1〜6を、中間層は第1〜第4の中間ユニットAU1〜4を、出力層は出力ユニットRUを、それぞれ有している。入力ユニットSU1〜SU6と、中間ユニットAU1〜AU4のそれぞれの間は、結合重w11〜w16、w21〜w26、w31〜w36、およびw41〜w46を介して結合されている(便宜上、結合重w11〜w46の一部の符号を省略して図示)。また、中間ユニットAU1〜AU4と出力ユニットRUの間は、結合重v1 〜v4 を介して接続されている。なお、第1〜第6の入力ユニットSU1〜6の間、および第1〜第4の中間ユニットAU1〜4の間は、結合されていない。本実施形態では、これらの結合重w11〜w46,v1 〜v4 が、ニューラルネットワークに用いられるパラメータに相当する。
以上の構成のニューラルネットワークNNでは、第1〜第6の入力ユニットSU1〜SU6に、エンジン水温TW、エンジン回転数NE、吸気管内圧PBA、点火時期IGLOG、燃料噴射量TOUT、および着火遅れDCADLYIGから成る6つの入力パラメータが、入力x1 〜x6 としてそれぞれ入力される。入力パラメータとして上記の6つのパラメータを用いるのは、これらのパラメータが排気空燃比と密接な相関関係を有するためである。特に、着火遅れDCADLYIGが用いられるのは、次の理由による。すなわち、燃料が燃えにくいほど、着火遅れDCADLYIGが大きくなるとともに、燃焼されずに排ガス中に含まれる酸素の量が増えるため、排気空燃比がリーン側に変化するという傾向があるためである。
また、入力ユニットSU1〜SU6は、上記の入力x1 〜x6 をそのまま中間ユニットAU1〜AU4に出力し、中間ユニットAU1〜AU4は、入力x1 〜x6 に応じ、次式(10)により第1〜第4の中間出力a1 〜a4 をそれぞれ算出し、出力ユニットRUに出力する。
Figure 0004673787
ここで、jは値1〜4、hj は所定のしきい値である。また、fa は出力関数であり、この出力関数fa として、例えばシグモイド関数が用いられる。同式に示すように、入力xi (i=1〜6)と結合加重jiの積の総和からしきい値hj を減算した値を、出力関数fa に代入することによって、中間出力aj が算出される。本実施形態では、このしきい値hj がニューラルネットワークに用いられるパラメータに相当する。
出力ユニットRUは、入力された中間出力a1 〜a4 に応じ、次式(11)により第1推定空燃比AF_NNを算出する。
Figure 0004673787
ここで、θは所定のしきい値、fr は出力関数であり、この出力関数fr として、出力関数fa と同様、例えばシグモイド関数が用いられる。同式に示すように、中間出力aj と結合重vj の積の総和からしきい値θを減算した値を、出力関数fr に代入することによって、第1推定空燃比AF_NNが算出される。本実施形態では、このしきい値θがニューラルネットワークに用いられるパラメータに相当する。
また、結合加重wji,vj およびしきい値hj ,θは、所定の固定値にそれぞれ設定されており、これらの固定値は、次のようにしてあらかじめ設定されている。すなわち、センサなどで検出した排ガスの酸素濃度に基づき排気空燃比を算出するとともに、算出した排気空燃比を教師信号とし、バックプロパゲーション法により学習することによって、固定値はあらかじめ設定される。
なお、以上の第1推定空燃比AF_NNの算出には、エンジン水温TWなどの6つの入力パラメータとして、いずれもむだ時間d前に得られたものが用いられる。このむだ時間dは、排ガスがLAFセンサ16に到達するまでのむだ時間に設定されている。
外乱オブザーバ24は、入力された第1推定空燃比AF_NNおよび検出空燃比AF_ACTに応じ、第1推定空燃比AF_NNを補正するための第1および第2の補正値K1_NNR,C1_NNRを算出し、最終推定空燃比算出部25に出力する。本実施形態では、この外乱オブザーバ24が、補正手段および同定手段に相当し、これらの第1および第2の補正値K1_NNR,C1_NNRが、モデルパラメータに相当する。
第1および第2の補正値K1_NNR,C1_NNRは、次のような趣旨に基づいて算出されるものである。すなわち、前述したように、第1推定空燃比AF_NNを算出するためのニューラルネットワークNNの結合加重wji,vj およびしきい値hj ,θが固定値に設定されているので、エンジン3の経時変化や入力パラメータを検出する各種のセンサの経時劣化などの外乱に起因して、入力と出力、すなわち、燃料噴射量TOUTや着火遅れDCADLYIGなどと第1推定空燃比AF_NNの関係が変化した場合には、AF_NN値が実際の排気空燃比からずれ、ドリフトするおそれがある。このため、このドリフトを補正するための第1および第2の補正値K1_NNR,C1_NNRは、LAFセンサ16が活性状態にあるときに得られた検出空燃比AF_ACTおよび第1推定空燃比AF_NNを用いて算出される。
第1推定空燃比AF_NNと同定値AF_NNHATとの関係は、次式(12)に示すように定義される。この同定値AF_NNHATは、上記のドリフトが補正された第1推定空燃比AF_NNを表す。
Figure 0004673787
なお、同式(12)の記号kは、離散化した時間を表しており、記号(k)付きの各離散データは、TDC信号が発生するごとに算出またはサンプリングされたものである。この点は、以下の離散データ(時系列データ)についても同様である。なお、以下の説明では、この記号(k)を適宜、省略する。
まず、同式(12)のモデルパラメータK1_NN(k),C1_NN(k)のベクトルθ_NN(k)を、次式(13)〜(19)に示す逐次型最小2乗法により同定する。
Figure 0004673787
ここで、式(13)のKP_NN(k)は、ゲイン係数のベクトル、e_NN(k)は同定誤差である。また、式(14)のθ_NN(k)T は、θ_NN(k)の転置行列である。また、式(13)の同定誤差e_NN(k)は、式(15)により算出され、式(16)のζ_NN(k)は、その転置行列が式(17)のように表されるベクトルである。さらに、上記ゲイン係数のベクトルKP_NN(k)は、式(18)により算出され、この式(18)のP_NN(k)は、式(19)で定義される2次の正方行列である。
以上の式(13)〜(19)に示すアルゴリズムによって、ベクトルθ_NNは、同定誤差e_NNが最小になるように、すなわち、同定値AF_NNHATが検出空燃比AF_ACTになるように、同定される。
次に、求めたモデルパラメータK1_NN(k),C1_NN(k)を用い、第1および第2の補正値K1_NNR(k),C1_NNR(k)を、次式(20)および(21)によって算出する。
K1_NNR(k)=α・K1_NN(k)+(1−α)・K1_NNR(k−1)
……(20)
C1_NNR(k)=β・C1_NN(k)+(1−β)・C1_NNR(k−1)
……(21)
ここで、αおよびβは、所定の重み係数(0<α<1、0<β<1)である。このように、第1および第2の補正値K1_NNR,C1_NNRは、モデルパラメータK1_NN,C1_NNをそれぞれ学習することによって算出される。
最終推定空燃比算出部25は、入力された第1および第2の補正値K1_NNR,C1_NNRをEEPROM2aに記憶するとともに、LAFセンサ16が活性状態にないときに、入力された第1推定空燃比AF_NNと記憶した第1および第2の補正値K1_NNR,C1_NNRを用い、最終推定空燃比AF_NNFを次式(22)によって算出し、燃料噴射量算出部26に出力する。本実施形態では、この最終推定空燃比算出部25が、補正手段、補正値記憶手段、補正後推定排ガス状態パラメータ算出手段、およびモデルパラメータ記憶手段に相当し、この最終推定空燃比AF_NNFが補正後推定排ガス状態パラメータに相当する。
AF_NNF(k)=K1_NNR(k)・AF_NN(k)+C1_NNR(k)
……(22)
前述したように、式(12)におけるモデルパラメータK1_NN,C1_NNは、同定値AF_NNHATが検出空燃比AF_ACTになるように同定されるとともに、この検出空燃比AF_ACTは、LAFセンサ16が活性状態にあるときに得られた非常に精度の高いものである。このため、モデルパラメータK1_NN,C1_NNは、同定値AF_NNHATが実際の排気空燃比になるように同定されたものといえる。したがって、式(12)におけるAF_NNHAT値、K1_NN値およびC1_NN値を、最終推定空燃比AF_NNF、K1_NN値およびC1_NN値の学習値である第1および第2の補正値K1_NNR,C1_NNRにそれぞれ置き換えた式(22)によって、外乱に起因する第1推定空燃比AF_NNのドリフトを適切に補正でき、したがって、最終推定空燃比AF_NNFを排気空燃比として精度良く算出することができる。
また、第1および第2の補正値K1_NNR,C1_NNRとして、モデルパラメータK1_NN,C1_NNをそのまま用いるのではなく、これらの学習値を用いるので、LAFセンサ16の出力に一時的に含まれるノイズの影響などを抑制しながら、最終推定空燃比AF_NNFを精度良く算出することができる。
図6は、燃えにくい性状の燃料を使用した場合の最終推定空燃比AF_NNFの推移の一例を、比較例とともに示している。同図(a)に示す比較例は、着火遅れDCADLYIGを入力パラメータとして用いずに算出した最終推定空燃比AF_NNF’の推移を示している。両例ともに、燃料が燃えにくいため、実際の排気空燃比AFAが比較的リーンになっている。これに対し、比較例では、最終推定空燃比AF_NNF’は、その算出に着火遅れDCADLYIGを用いていないため、燃料の性状の違いが反映されず、実際の排気空燃比AFAに対してリッチ側に大きくずれている。
一方、図6の(b)に示すように、空燃比制御装置1で算出した最終推定空燃比AF_NNFは、排気空燃比AFAとほぼ一致しており、誤差がほとんどなく、その精度は非常に高い。
燃料噴射量算出部26は、LAFセンサ16が活性状態にあるときには、検出空燃比AF_ACTに応じて、活性状態にないときには、入力された最終推定空燃比AF_NNFに応じて、燃料噴射量TOUTを算出する。その詳細については後述する。本実施形態では、この燃料噴射量算出部26が空燃比制御手段に相当する。
以下、ECU2により実行される最終推定空燃比AF_NNFの算出を含む燃料噴射制御処理について、図7および図8を参照しながら説明する。図7は、この制御処理のメインルーチンを示しており、本処理は、TDC信号の入力に同期して実行される。
まず、ステップ1(「S1」と図示。以下同じ)では、前述したように、式(10)および(11)によって第1推定空燃比AF_NNを算出する。次いで、活性状態フラグF_LAFOKが「1」であるか否かを判別する(ステップ2)。この活性状態フラグF_LAFOKは、例えば、LAFセンサ16の出力電圧とその中心電圧との差が所定値(例えば0.4V)よりも小さいときに、LAFセンサ16が活性状態にあるとして、「1」にセットされるものである。
この答がNOで、LAFセンサ16が活性状態にないときには、前記式(22)によって最終推定空燃比AF_NNFを算出する(ステップ3)。なお、この算出には、第1および第2の補正値K1_NNR,C1_NNRとして、EEPROM2aに記憶されているものが用いられる。次いで、算出した最終推定空燃比AF_NNFを、後述する空燃比フィードバック制御に用いる最終空燃比AFとして設定する(ステップ4)。次に、この空燃比フィードバック制御に用いるP項ゲインKP、I項ゲインKIおよびD項ゲインKDを、それぞれの第1所定値KP1、KI1およびKD1に設定する(ステップ5)とともに、TOUT算出処理を実行し(ステップ6)、本処理を終了する。このTOUT算出処理の詳細については後述する
一方、上記ステップ2の答がYESで、LAFセンサ16が活性状態にあるときには、検出空燃比AF_ACTおよびステップ1で算出した第1推定空燃比AF_NNに応じ、前記式(13)〜(19)によってモデルパラメータK1_NN,C1_NNを算出(同定)する(ステップ7)。次いで、算出したモデルパラメータK1_NN,C1_NNを用い、前記式(20)および(21)によって第1および第2の補正値K1_NNR,C1_NNRをそれぞれ算出する(ステップ8)。
次に、検出空燃比AF_ACTを最終空燃比AFとして設定し(ステップ9)、P項ゲインKP、I項ゲインKIおよびD項ゲインKDを、それぞれの第2所定値KP2、KI2およびKD2に設定する(ステップ10)とともに、上記ステップ6を実行する。これらの第2所定値KP2、KI2およびKD2は、上記の第1所定値KP1、KI1およびKD1よりも大きな値に、それぞれ設定されている。また、以上のステップ4〜6、9および10が、燃料噴射量算出部26によって行われる処理に相当する。
次に、図8を参照しながら、ステップ6におけるTOUT算出処理について説明する。まず、ステップ21では、基本燃料噴射量TIBを、エンジン回転数NEおよび吸気管内圧PBAに応じ、マップ(図示せず)を検索することなどによって算出する。次いで、総補正係数KTOTALを算出する(ステップ22)。この総補正係数KTOTALは、吸気温TAやエンジン水温TWに応じて求めた各種の補正項に応じて算出される。
次に、目標空燃比KCMDを算出する(ステップ23)。この目標空燃比KCMDは、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じマップ(図示せず)を検索することによって求めた基本値を、エンジン水温TWで補正することなどによって求められる。なお、目標空燃比KCMDは当量比として算出される。また、要求トルクPMCMDは、エンジン回転数NEおよびアクセル開度APに応じ、マップ(図示せず)を検索することによって算出される。
次いで、前記ステップ4または9で設定した最終空燃比AFとステップ23で算出した目標空燃比KCMDとの偏差E(k)を算出する(ステップ24)。次に、この偏差E(k)の積算値sig_E(k)を、その前回値sig_E(k−1)に今回の偏差E(k)を加算することによって算出する(ステップ25)とともに、偏差E(k)からその前回値E(k−1)を減算することによって、偏差の変化量dif_E(k)を算出する(ステップ26)。
次いで、算出した偏差E(k)、積算値sig_E(k)および変化量dif_E(k)と、前記ステップ5または10で設定したP項ゲインKP、I項ゲインKIおよびD項ゲインKDを用い、F/B補正係数KFBを次式(23)によって算出する(ステップ27)。
KFB=FLAFBASE−KP(k)・E(k)−KI(k)・sig_E(k)
−KD(k)・dif_E(k) ……(23)
ここで、FLAFBASEは所定の基本値である。
次に、以上のようにして算出した基本燃料噴射量TIBに、総補正係数KTOTAL、目標空燃比KCMD、およびF/B補正係数KFBを乗算することによって、燃料噴射量TOUTを算出し(ステップ28)、本処理を終了する。以上のように燃料噴射量TOUTを算出することによって、排気空燃比が目標空燃比KCMDになるように、空燃比がフィードバック制御される。
以上のように、本実施形態によれば、着火遅れDCADLYIG、エンジン水温TW、エンジン回転数NE、吸気管内圧PBA、点火時期IGLOG、および燃料噴射量TOUTを入力とし、排気空燃比を教師信号としてあらかじめ構築されたニューラルネットワークNNに、検出したこれらの入力パラメータを入力することによって、第1推定空燃比AF_NNを算出する。したがって、燃料の性状に応じて、第1推定空燃比AF_NNを排気空燃比として精度良く推定することができる。
また、着火遅れDCADLYIGや燃料噴射量TOUTなどと第1推定空燃比AF_NNの関係をニューラルネットワークNNを用いてモデリングするので、このモデリングを容易に行うことができる。さらに、ニューラルネットワークNNへの入力として、排気空燃比と相関性の高い着火遅れDCADLYIGや燃料噴射量TOUTなどを用いることによりモデルを単純化できるため、本実施形態では、ニューラルネットワークNNの中間層の中間ユニットAU1〜AU4の数を比較的少ない4つに設定しており、それにより、空燃比制御装置1の演算負荷を軽減することができる。
また、着火遅れDCADLYIGを筒内圧センサ15の出力DPVに応じて算出するので、この算出を精度良く行うことができ、したがって、推定空燃比AF_NNをより精度良く推定することができる。さらに、既存の筒内圧センサ15を用いるので、部品を新たに設ける必要もなく、その分、製造コストを抑制することができる。また、ニューラルネットワークNNに用いられる結合加重wji,vj およびしきい値hj ,θを所定の固定値に設定するので、空燃比制御装置1の演算負荷をさらに軽減することができる。
さらに、LAFセンサ16が活性状態になく(ステップ2:NO)、検出空燃比AF_ACTの十分な精度が得られないときに、最終推定空燃比AF_NNFが目標空燃比KCMDになるように空燃比をフィードバック制御する(ステップ4、24〜28)ので、空燃比を適切に制御でき、それにより、所望の排ガス特性を得ることができる。また、LAFセンサ16が活性状態にあるときには、検出空燃比AF_ACTが目標空燃比KCMDになるように空燃比をフィードバック制御する(ステップ9、24〜28)ので、同様に空燃比を適切に制御することができる。
さらに、最終推定空燃比AF_NNFを用いた空燃比フィードバック制御の際に、P項ゲインKP、I項ゲインKIおよびD項ゲインKDを、より小さな第1所定値KP1、KI1およびKD1にそれぞれ設定する(ステップ5)。したがって、空燃比の制御を安定して行うことができる。また、検出空燃比AF_ACTを用いた空燃比フィードバック制御の際に、P項ゲインKP、I項ゲインKIおよびD項ゲインKDを、より大きな第2所定値KP2、KI2およびKD2にそれぞれ設定する(ステップ10)。したがって、排気空燃比を目標空燃比KCMDに迅速にかつ安定して収束させることができる。
さらに、同定値AF_NNHATと第1推定空燃比AF_NNの関係を定義したモデル(式(12))のモデルパラメータK1_NN,C1_NNを、LAFセンサ16の活性時に得られた検出空燃比AF_ACTおよび第1推定空燃比AF_NNに応じ、AF_NNHAT値がAF_ACT値になるように同定する(ステップ7)。また、これらのK1_NN値,C1_NN値を学習することによって、第1および第2の補正値K1_NNR,C1_NNRを算出する(ステップ8)とともに、式(12)におけるAF_NNHAT値、K1_NN値およびC1_NN値を、最終推定空燃比AF_NNF、K1_NNRおよびC1_NNRにそれぞれ置き換えた式(22)によって、最終推定空燃比AF_NNFを算出する(ステップ3)。したがって、エンジン3の特性の経時変化などによる外乱に起因して、第1推定空燃比AF_NNがドリフトした場合でも、このドリフトを適切に補正でき、最終推定空燃比AF_NNFを精度良く算出することができる。
さらに、第1および第2の補正値K1_NNR,C1_NNRをEEPROM2aに記憶し、LAFセンサ16の非活性時に、すなわち、次回のエンジン3の始動時に、記憶したK1_NNR値,C1_NNR値を用いて最終推定空燃比AF_NNFを算出する。したがって、LAFセンサ16が活性状態になく、検出空燃比AF_ACTの十分な精度が得られないときに、補正された精度の高い最終推定空燃比AF_NNFを得ることができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、エンジン3における混合気の燃焼状態を表す燃焼状態パラメータとして、着火遅れDCADLYIGを用いているが、他の適当なパラメータ、例えば、1燃焼サイクルにおける筒内圧の最大値、この最大値が得られたタイミングや燃焼温度などを用いてもよい。また、ニューラルネットワークNNとして、階層型のものを用いているが、相互結合型のものを用いてもよい。
さらに、結合加重wji,vj およびしきい値hj ,θを所定の固定値に設定しているが、これらのパラメータを、例えば、LAFセンサ16の活性時に得られた検出空燃比AF_ACTを教師信号として、バックプロパゲーション法などにより随時、学習してもよい。その場合には、エンジン3の経時変化や入力パラメータを検出する各種のセンサの経時劣化などに応じて、第1推定空燃比AF_NNを精度良く推定できるので、第1推定空燃比AF_NNを補正することなく、そのまま用いて空燃比をフィードバック制御してもよく、また、外乱オブザーバ24および最終推定空燃比25を省略してもよい。
また、排ガスの状態を表す排ガス状態パラメータとして、排気空燃比を推定しているが、他の適当なパラメータ、例えば、排ガス中の酸素濃度、HC濃度、CO濃度またはNOx濃度などを推定してもよい。さらに、推定空燃比AF_NNの補正手法として、前述した手法に限らず、他の適当な手法を採用してもよいことはもちろんである。例えば、LAFセンサ16の活性時に、検出空燃比AF_ACTと第1推定空燃比AF_NNの偏差を補正値として算出し、算出した補正値をそのときのエンジン3の運転状態に対応させて記憶するとともに、記憶した複数の補正値のうちの今回の運転状態に対応するものを用いて、第1推定空燃比AF_NNを補正してもよい。
また、実施形態では、モデルパラメータK1_NN,C1_NNを同定するアルゴリズムとして、重みパラメータλ1 およびλ2 をいずれも値1に設定した逐次型最小2乗法アルゴリズムを用いているが、他の適当なアルゴリズム、例えば、λ1 =1、λ2 =λ(0<λ<1)とする漸減ゲインアルゴリズム、またはλ1 =λ、λ2 =1とする重み付き最小2乗法アルゴリズムを用いてもよい。さらに、実施形態では、第1および第2の補正値K1_NNR,C1_NNRとして、モデルパラメータK1_NN,C1_NNの学習値を用いているが、モデルパラメータK1_NN,C1_NNをそのまま用いてもよい。
また、実施形態は、本発明を車両用のガソリンエンジンに適用した例であるが、本発明は、これに限らず、他の形式のエンジン、例えば、ディーゼルエンジンや、他の用途のエンジン、例えばクランク軸を鉛直方向に配置した船外機などのような船舶推進機用エンジンに適用可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
本実施形態による空燃比制御装置を、これを適用した内燃機関とともに概略的に示す図である。 本実施形態による空燃比制御装置のブロック図である。 筒内圧センサが経時劣化している場合における、(a)暫定値PCYLTなどの推移の一例、(b)最終筒内圧PCYLFなどの推移の一例を示している。 着火遅れDCADLYIGの算出方法を説明するための図である。 第1推定空燃比算出部のニューラルネットワークを概略的に示す図である。 (a)入力として着火遅れDCADLYIGを用いずに算出した最終推定空燃比AF_NNF’の推移の一例を、(b)本実施形態による空燃比制御装置により算出した最終推定空燃比AF_NNFの推移の一例を、それぞれ示す図である。 燃料噴射制御処理を示すフローチャートである。 図7のTOUT算出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 空燃比制御装置
2 ECU(燃焼状態パラメータ検出手段、運転状態パラメータ検出手段、排ガス状態
パラメータ推定手段、センサ活性状態判別手段、空燃比制御手段、補正手
、補正後推定排ガス状態パラメータ算出手段、同定手段、暫定値算出手
段、モータリング圧算出手段、最終筒内圧算出手段、筒内圧モデルパラメ
ータ同定手段
2a EEPROM(モデルパラメータ記憶手段)
3 エンジン
3c 気筒
6 インジェクタ(空燃比制御手段)
11 クランク角センサ(運転状態パラメータ検出手段)
12 水温センサ(運転状態パラメータ検出手段)
13 吸気管内圧センサ(運転状態パラメータ検出手段)
15 筒内圧センサ(燃焼状態パラメータ検出手段)
16 LAFセンサ(排ガス状態パラメータセンサ)
21 筒内圧算出部(燃焼状態パラメータ検出手段、暫定値算出手段、モータリング圧算
出手段、最終筒内圧算出手段、筒内圧モデルパラメータ同定手段
22 着火遅れ算出部(燃焼状態パラメータ検出手段)
23 第1推定空燃比算出部(排ガス状態パラメータ推定手段)
NN ニューラルネットワーク
24 外乱オブザーバ(補正手段、同定手段)
25 最終推定空燃比算出部(補正手段、補正後推定排ガス状態パラメータ算出手段、モ
デルパラメータ記憶手段)
26 燃料噴射量算出部(空燃比制御手段)
DCADLYIG 着火遅れ(燃焼状態パラメータ)
NE エンジン回転数(運転状態パラメータ)
TW エンジン水温(運転状態パラメータ)
PBA 吸気管内圧(運転状態パラメータ)
IGLOG 点火時期(運転状態パラメータ)
TOUT 燃料噴射量(運転状態パラメータ)
AF_NN 第1推定空燃比(推定排ガス状態パラメータ)
DPV 筒内圧センサの出力
wji 結合加重(ニューラルネットワークに用いられるパラメータ)
vj 結合加重(ニューラルネットワークに用いられるパラメータ)
hj しきい値(ニューラルネットワークに用いられるパラメータ)
θ しきい値(ニューラルネットワークに用いられるパラメータ)
AF_ACT 検出空燃比(検出排ガス状態パラメータ)
K1_NNR 第1補正値(モデルパラメータ)
C1_NNR 第2補正値(モデルパラメータ)
AF_NNF 最終推定空燃比(補正後推定排ガス状態パラメータ)
PCYLT 暫定値
PCYLMDLK モータリング圧
PCYLF 最終筒内圧
K1 モデルパラメータ(筒内圧モデルパラメータ)
C1 モデルパラメータ(筒内圧モデルパラメータ)

Claims (1)

  1. 内燃機関に供給される混合気の空燃比を制御する内燃機関の空燃比制御装置であって、
    前記内燃機関における混合気の燃焼状態を表す燃焼状態パラメータを検出する燃焼状態パラメータ検出手段と、
    前記内燃機関の運転状態を表す運転状態パラメータを検出する運転状態パラメータ検出手段と、
    前記燃焼状態パラメータおよび前記運転状態パラメータを入力とし、前記内燃機関から排出された排ガスの状態を表す排ガス状態パラメータを教師信号として構築されるニューラルネットワークに、前記検出された燃焼状態パラメータおよび運転状態パラメータを入力することによって、前記排ガス状態パラメータを推定排ガス状態パラメータとして推定する排ガス状態パラメータ推定手段と、
    当該推定された推定排ガス状態パラメータに応じて、前記空燃比を制御する空燃比制御手段と、
    前記排ガス状態パラメータを検出排ガス状態パラメータとして検出する排ガス状態パラメータセンサと、
    当該排ガス状態パラメータセンサの活性状態を判別するセンサ活性状態判別手段と、
    前記排ガス状態パラメータセンサが活性状態にあるときに得られた前記検出排ガス状態パラメータおよび前記推定排ガス状態パラメータに応じて、前記検出排ガス状態パラメータに対する前記推定排ガス状態パラメータのずれを補正する補正手段と、を備え、
    当該補正手段は、
    前記推定排ガス状態パラメータを補正した補正後推定排ガス状態パラメータと前記推定排ガス状態パラメータとの関係を定義したモデルに基づき、前記補正後推定排ガス状態パラメータを算出する補正後推定排ガス状態パラメータ算出手段と、
    前記排ガス状態パラメータセンサが活性状態にあるときに得られた前記検出排ガス状態パラメータおよび前記推定排ガス状態パラメータに応じ、前記補正後推定排ガス状態パラメータが前記検出排ガス状態パラメータになるように、前記モデルのモデルパラメータを同定する同定手段と、
    前記モデルパラメータを記憶するモデルパラメータ記憶手段と、を有し、
    前記補正後推定排ガス状態パラメータ算出手段は、前記排ガス状態パラメータセンサが活性状態にないときに、前記記憶されたモデルパラメータを用いた前記モデルに基づいて前記補正後推定排ガス状態パラメータを算出し、
    前記空燃比制御手段は、前記推定排ガス状態パラメータとして前記補正後推定排ガス状態パラメータを用いて前記空燃比を制御し、
    前記運転状態パラメータ検出手段は、前記運転状態パラメータとして、前記内燃機関の気筒内における混合気の点火時期を検出し、
    前記燃焼状態パラメータ検出手段は、
    前記気筒内の圧力である筒内圧を検出する筒内圧センサの出力に基づいて筒内圧の暫定値を算出する暫定値算出手段と、
    前記気筒内で燃焼が行われないときに発生する筒内圧であるモータリング圧を算出するモータリング圧算出手段と、
    前記筒内圧センサの経時劣化に起因する実際の筒内圧に対する前記暫定値のずれを補正した最終筒内圧と前記暫定値との関係を定義した筒内圧モデルに基づき、前記最終筒内圧を算出する最終筒内圧算出手段と、
    前記内燃機関の圧縮行程の開始時から、前記検出された点火時期の直前までの期間である非燃焼圧縮期間において算出された前記モータリング圧および前記暫定値に応じ、前記最終筒内圧が前記モータリング圧になるように、前記筒内圧モデルのモデルパラメータである筒内圧モデルパラメータを同定する筒内圧モデルパラメータ同定手段と、を有し、
    前記算出された最終筒内圧に応じて、前記燃焼状態パラメータを算出し、
    前記最終筒内圧算出手段は、前記最終筒内圧の算出を、前記非燃焼圧縮期間では、当該非燃焼圧縮期間において同定された前記筒内圧モデルパラメータを用いた前記筒内圧モデルに基づいて行うとともに、今回の非燃焼圧縮期間の終了後、次回の非燃焼圧縮期間が開始されるまでの間では、今回の非燃焼圧縮期間において最終的に同定された前記筒内圧モデルパラメータを用いた前記筒内圧モデルに基づいて行うことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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