JPH0874636A - 空燃比制御装置 - Google Patents
空燃比制御装置Info
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- JPH0874636A JPH0874636A JP6216169A JP21616994A JPH0874636A JP H0874636 A JPH0874636 A JP H0874636A JP 6216169 A JP6216169 A JP 6216169A JP 21616994 A JP21616994 A JP 21616994A JP H0874636 A JPH0874636 A JP H0874636A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/02—Circuit arrangements for generating control signals
- F02D41/14—Introducing closed-loop corrections
- F02D41/1401—Introducing closed-loop corrections characterised by the control or regulation method
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
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- F02D41/02—Circuit arrangements for generating control signals
- F02D41/14—Introducing closed-loop corrections
- F02D41/1401—Introducing closed-loop corrections characterised by the control or regulation method
- F02D2041/1413—Controller structures or design
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- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 空燃比制御のおける構造設計、アルゴリズム
の複雑性、高度化のためのデータ決定における手続の困
難さを解消して、より高精度な制御を行なう。 【構成】 内燃エンジン11の各種状態量を検出するセ
ンサ群12と、センサ群12の各出力値をニューラルネ
ットワークの入力項となるように変換する変換手段13
と、内燃エンジンにおける一つの状態量である空燃比
を、変換手段13で得られるニューラルネットワークの
各入力項を内部状態量とする非線形関数f nnで表し、こ
のfnnを内部状態量で偏微分して得られる関数FNNの各
係数をニューラルネットワークの出力から推定するニュ
ーラルネットワークを用いた微分係数同定手段14と、
空燃比が目標空燃比となるように、微分係数同定手段1
4で得られたパラメータを用いて、燃料噴射量または吸
入空気量を算出する制御量算出手段15とを備える。
の複雑性、高度化のためのデータ決定における手続の困
難さを解消して、より高精度な制御を行なう。 【構成】 内燃エンジン11の各種状態量を検出するセ
ンサ群12と、センサ群12の各出力値をニューラルネ
ットワークの入力項となるように変換する変換手段13
と、内燃エンジンにおける一つの状態量である空燃比
を、変換手段13で得られるニューラルネットワークの
各入力項を内部状態量とする非線形関数f nnで表し、こ
のfnnを内部状態量で偏微分して得られる関数FNNの各
係数をニューラルネットワークの出力から推定するニュ
ーラルネットワークを用いた微分係数同定手段14と、
空燃比が目標空燃比となるように、微分係数同定手段1
4で得られたパラメータを用いて、燃料噴射量または吸
入空気量を算出する制御量算出手段15とを備える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃エンジンの燃料噴
射制御方式のガソリンエンジンに係り、特にニューラル
ネットワークを応用してエンジンの空燃比を制御するた
めの装置に関する。
射制御方式のガソリンエンジンに係り、特にニューラル
ネットワークを応用してエンジンの空燃比を制御するた
めの装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の空燃比制御は、O2 センサによる
フィードバック付きのPID制御が一般に行なわれてお
り、アイドル時などの定常運転域で特に成果を納めてい
る。図14は従来のこの種の空燃比制御装置の構成を示
している。図14において、101は吸気管、102は
燃料室、103はO2 センサ、104はPI制御部であ
る。吸気管101から燃料室102に送られる空気量G
aは、スロットル開度θによって決まる。燃焼後の排気
中のO2 濃度がO2 センサ103によって計測され、そ
の値と目標空燃比とからPI制御部104により適切な
燃料量Gf が計算され、燃焼室102に供給される。
フィードバック付きのPID制御が一般に行なわれてお
り、アイドル時などの定常運転域で特に成果を納めてい
る。図14は従来のこの種の空燃比制御装置の構成を示
している。図14において、101は吸気管、102は
燃料室、103はO2 センサ、104はPI制御部であ
る。吸気管101から燃料室102に送られる空気量G
aは、スロットル開度θによって決まる。燃焼後の排気
中のO2 濃度がO2 センサ103によって計測され、そ
の値と目標空燃比とからPI制御部104により適切な
燃料量Gf が計算され、燃焼室102に供給される。
【0003】上記従来の空燃比制御でも、加減速などの
過渡状態において、燃料の増量補正、原料補正をしてい
るが、噴射した燃料が吸気管壁面や吸気バルブなどに付
着またはそこから蒸発してくる燃料があるため、加減速
時などの過渡状態においては、空燃比を正確に目標値に
制御することはできない。図15はスロットルオープン
の加速時(a)およびスロットルクローズの減速時
(b)に空燃比(A/F)が大きく乱れることを示して
いる。
過渡状態において、燃料の増量補正、原料補正をしてい
るが、噴射した燃料が吸気管壁面や吸気バルブなどに付
着またはそこから蒸発してくる燃料があるため、加減速
時などの過渡状態においては、空燃比を正確に目標値に
制御することはできない。図15はスロットルオープン
の加速時(a)およびスロットルクローズの減速時
(b)に空燃比(A/F)が大きく乱れることを示して
いる。
【0004】一方、この付着燃料に着目して、加減速時
の空燃比補正を、噴射燃料がバルブや壁面へ付着する付
着率とそこから蒸発する蒸発時定数を定義することで、
モデル化して行なう手法が提案されている。
の空燃比補正を、噴射燃料がバルブや壁面へ付着する付
着率とそこから蒸発する蒸発時定数を定義することで、
モデル化して行なう手法が提案されている。
【0005】図16はこのモデル化手法の一例である
が、燃料の壁面付着に着目した吸気管燃料搬送モデルを
表したものである。図16において、Gf は吸気管に噴
射される燃料噴射量を示し、Xは壁面への燃料付着率、
Mf は吸気管内面などに付着している燃料量の総量で液
膜量、τは液膜量Mf から蒸発する燃料の蒸発時定数、
<<Gfeは実際に燃料が気筒に流入する気筒流入燃料量
>>である。このモデルは以下の式で表現される。
が、燃料の壁面付着に着目した吸気管燃料搬送モデルを
表したものである。図16において、Gf は吸気管に噴
射される燃料噴射量を示し、Xは壁面への燃料付着率、
Mf は吸気管内面などに付着している燃料量の総量で液
膜量、τは液膜量Mf から蒸発する燃料の蒸発時定数、
<<Gfeは実際に燃料が気筒に流入する気筒流入燃料量
>>である。このモデルは以下の式で表現される。
【0006】
【数1】
【0007】ところが、蒸発時定数、付着率は吸気マニ
ホールドを通過する空気量、吸気管温度、燃料の質、個
別ばらつきなど多くの雑多な要素の影響で決まるため、
これらのパラメータを求めることは非常に困難であり、
手法としては、たとえば燃料入力のステップ応答を各運
転条件下で求めてパラメータのマトリックスデータ群を
作成するなどの処理をしなければならない。また、モデ
ル化したものと実際のエンジンとのマッチングのため、
シミュレーション応答と実際のエンジン応答の誤差を最
小化するなどの処理を行なう必要もある。すなわち、こ
のモデルを実用化して、目標とする空燃比にエンジンを
制御するためには、多大の時間と制御上の味付けが必要
である。
ホールドを通過する空気量、吸気管温度、燃料の質、個
別ばらつきなど多くの雑多な要素の影響で決まるため、
これらのパラメータを求めることは非常に困難であり、
手法としては、たとえば燃料入力のステップ応答を各運
転条件下で求めてパラメータのマトリックスデータ群を
作成するなどの処理をしなければならない。また、モデ
ル化したものと実際のエンジンとのマッチングのため、
シミュレーション応答と実際のエンジン応答の誤差を最
小化するなどの処理を行なう必要もある。すなわち、こ
のモデルを実用化して、目標とする空燃比にエンジンを
制御するためには、多大の時間と制御上の味付けが必要
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように上記従来の
空燃比制御では、PID制御もしくは燃料の壁面付着モ
デルを用いた制御を使うにせよ、空燃比に影響を与える
機関の構造、パラメータをまず決めなければならない。
また、そのパラメータのデータはあらかじめ実験、シミ
ュレーション等により決定し、運転条件等によりデータ
を持ち換える必要性がある。また、空燃比制御を高精度
に行なうためには、実験、シミュレーションを繰り返
し、データ量も多くせざるを得ない等、種々の問題があ
った。また、燃料壁面付着以外に空燃比が変動する要因
は、 吸入空気量またはO2 センサ検出時期と燃料噴射時期
との関係で決まる遅れ、 吸入空気信号の電気的処理による遅れ、 スロットル変化検出の遅れ、 加速判定遅れによる制御遅れ、 インジェクタの機械的開弁遅れおよび燃料の流体遅
れ、 燃料噴射タイミングずれと吸気弁開閉タイミングとの
関係で決まる遅れ、 その他熱的な応答遅れに起因する制御誤差、などがあ
り、構造が複雑でモデル化するのは容易ではなく、多数
のデータマップを持つ必要があった。
空燃比制御では、PID制御もしくは燃料の壁面付着モ
デルを用いた制御を使うにせよ、空燃比に影響を与える
機関の構造、パラメータをまず決めなければならない。
また、そのパラメータのデータはあらかじめ実験、シミ
ュレーション等により決定し、運転条件等によりデータ
を持ち換える必要性がある。また、空燃比制御を高精度
に行なうためには、実験、シミュレーションを繰り返
し、データ量も多くせざるを得ない等、種々の問題があ
った。また、燃料壁面付着以外に空燃比が変動する要因
は、 吸入空気量またはO2 センサ検出時期と燃料噴射時期
との関係で決まる遅れ、 吸入空気信号の電気的処理による遅れ、 スロットル変化検出の遅れ、 加速判定遅れによる制御遅れ、 インジェクタの機械的開弁遅れおよび燃料の流体遅
れ、 燃料噴射タイミングずれと吸気弁開閉タイミングとの
関係で決まる遅れ、 その他熱的な応答遅れに起因する制御誤差、などがあ
り、構造が複雑でモデル化するのは容易ではなく、多数
のデータマップを持つ必要があった。
【0009】本発明は、このような従来の問題を解決す
るものであり、空燃比制御における構造設計、アルゴリ
ズムの複雑性、空燃比制御の高精度化のためのデータ決
定における手続きの困難さを解消し、より高精度な制御
を可能とした空燃比制御装置を提供することを目的とす
る。
るものであり、空燃比制御における構造設計、アルゴリ
ズムの複雑性、空燃比制御の高精度化のためのデータ決
定における手続きの困難さを解消し、より高精度な制御
を可能とした空燃比制御装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、空燃比に関わる内燃エンジンの非線形構
造を階層型ニューラルネットワークで予め学習させ、こ
の学習させたニューラルネットワークを用いて燃料噴射
量を制御することで、過渡時の燃料量を補正し、目標空
燃比を得るようにしたものである。
成するために、空燃比に関わる内燃エンジンの非線形構
造を階層型ニューラルネットワークで予め学習させ、こ
の学習させたニューラルネットワークを用いて燃料噴射
量を制御することで、過渡時の燃料量を補正し、目標空
燃比を得るようにしたものである。
【0011】
【作用】したがって、本発明によれば、内燃エンジンメ
カニズムのパラメータを具体的に選定する作業、選定パ
ラメータへの影響要因の把握、個別パラメータの実験デ
ータ取得などの作業を行なうことなく、エンジンモデル
をニューラルネットワークの出力値を用いた偏微分方程
式で記述し、制御に利用することにより、比較的簡単な
手法で空燃比制御を高精度に行なうことができる。
カニズムのパラメータを具体的に選定する作業、選定パ
ラメータへの影響要因の把握、個別パラメータの実験デ
ータ取得などの作業を行なうことなく、エンジンモデル
をニューラルネットワークの出力値を用いた偏微分方程
式で記述し、制御に利用することにより、比較的簡単な
手法で空燃比制御を高精度に行なうことができる。
【0012】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例における空燃比
制御装置の構成を示す。図1において、11は内燃式の
エンジン、12はエンジン11の各種状態量を検出する
センサ群、13はセンサ群12の各出力値をニューラル
ネットワークの入力項となるように変換する変換手段、
14はエンジン11における一つの状態量である空燃比
を、変換手段13で得られるニューラルネットワークの
入力項を内部状態量とする非線形関数Fnnで表し、この
Fnnを内部状態量で偏微分して得られる関数FNNの各係
数をニューラルネットワークの出力から推定するニュー
ラルネットワークを用いた微分係数同定手段、15は空
燃比が目標空燃比となるように、微分係数同定手段14
により得られるパラメータを用いて、燃料噴射量または
吸入空気量を算出する制御算出手段である。
制御装置の構成を示す。図1において、11は内燃式の
エンジン、12はエンジン11の各種状態量を検出する
センサ群、13はセンサ群12の各出力値をニューラル
ネットワークの入力項となるように変換する変換手段、
14はエンジン11における一つの状態量である空燃比
を、変換手段13で得られるニューラルネットワークの
入力項を内部状態量とする非線形関数Fnnで表し、この
Fnnを内部状態量で偏微分して得られる関数FNNの各係
数をニューラルネットワークの出力から推定するニュー
ラルネットワークを用いた微分係数同定手段、15は空
燃比が目標空燃比となるように、微分係数同定手段14
により得られるパラメータを用いて、燃料噴射量または
吸入空気量を算出する制御算出手段である。
【0013】次に、上記第1の実施例の動作について説
明する。センサ群12でエンジン11の各種状態量を検
出し、変換手段13で、センサ群12の出力値を微分係
数同定手段14のニューラルネットワークの入力項とな
るように、一部のセンサ群出力に対し、センサ出力の差
分値または少なくとも一つ以上前のサンプル値に変換す
る。次いで微分係数同定手段14で、エンジン11にお
ける一つの状態量である空燃比を、変換手段13で得ら
れるニューラルネットワークの各入力項を内部状態量と
する非線形関数fnnと考え、このfnnを内部状態量で偏
微分して得られる関数FNNの各係数をニューラルネット
ワークの出力から推定し、推定された各係数を用いて、
制御量算出手段15により、空燃比が目標空燃比となる
ように燃料噴射量または吸入空気量を算出し、空燃比制
御を行なう。制御量算出手段15は、制御量算出式をエ
ンジン回転ステップごとに離散化したシステムとして表
現し、回転ステップごとに制御量算出を行なう。
明する。センサ群12でエンジン11の各種状態量を検
出し、変換手段13で、センサ群12の出力値を微分係
数同定手段14のニューラルネットワークの入力項とな
るように、一部のセンサ群出力に対し、センサ出力の差
分値または少なくとも一つ以上前のサンプル値に変換す
る。次いで微分係数同定手段14で、エンジン11にお
ける一つの状態量である空燃比を、変換手段13で得ら
れるニューラルネットワークの各入力項を内部状態量と
する非線形関数fnnと考え、このfnnを内部状態量で偏
微分して得られる関数FNNの各係数をニューラルネット
ワークの出力から推定し、推定された各係数を用いて、
制御量算出手段15により、空燃比が目標空燃比となる
ように燃料噴射量または吸入空気量を算出し、空燃比制
御を行なう。制御量算出手段15は、制御量算出式をエ
ンジン回転ステップごとに離散化したシステムとして表
現し、回転ステップごとに制御量算出を行なう。
【0014】図2は本発明の第2の実施例における空燃
比制御装置の構成を示す。図2において、21は内燃式
のエンジン、22はエンジン21の各種状態量を検出す
るセンサ群、23はセンサ群22の各出力値をニューラ
ルネットワークの入力項となるように変換する変換手
段、24はエンジン21における一つの状態量である空
燃比を、変換手段23で得られるニューラルネットワー
クの入力項を内部状態量とする非線形関数fnnで表し、
このfnnを内部状態量で偏微分して得られる関数FNNの
各係数をニューラルネットワークの出力から推定するニ
ューラルネットワークを用いた微分係数同定手段、25
は空燃比が目標空燃比となるように、微分係数同定手段
24により得られるパラメータを用いて、燃料噴射量ま
たは吸入空気量の制御補正量を算出する制御補正量算出
手段、26は空燃比設定のために予め設定されたデータ
群、27はセンサ群22の各出力値と予め設定されたデ
ータ群26とから、基本となる燃料噴射量または吸入空
気量を算出する演算手段、28は演算手段27の結果を
制御補正量算出手段25の結果により補正する加算器
(空燃比補正手段)である。
比制御装置の構成を示す。図2において、21は内燃式
のエンジン、22はエンジン21の各種状態量を検出す
るセンサ群、23はセンサ群22の各出力値をニューラ
ルネットワークの入力項となるように変換する変換手
段、24はエンジン21における一つの状態量である空
燃比を、変換手段23で得られるニューラルネットワー
クの入力項を内部状態量とする非線形関数fnnで表し、
このfnnを内部状態量で偏微分して得られる関数FNNの
各係数をニューラルネットワークの出力から推定するニ
ューラルネットワークを用いた微分係数同定手段、25
は空燃比が目標空燃比となるように、微分係数同定手段
24により得られるパラメータを用いて、燃料噴射量ま
たは吸入空気量の制御補正量を算出する制御補正量算出
手段、26は空燃比設定のために予め設定されたデータ
群、27はセンサ群22の各出力値と予め設定されたデ
ータ群26とから、基本となる燃料噴射量または吸入空
気量を算出する演算手段、28は演算手段27の結果を
制御補正量算出手段25の結果により補正する加算器
(空燃比補正手段)である。
【0015】次に、上記第2の実施例の動作について説
明する。センサ群22でエンジン21の各種状態量を検
出し、演算手段27によりセンサ群22の各出力値と予
め設定されたデータ群26とから基本となる燃料噴射量
または吸入空気量を演算する。しかし、過渡時や外乱印
加時などは、実空燃比が目標空燃比とはならない。そこ
で、変換手段23によりセンサ群22の出力値を、微分
係数同定手段24のニューラルネットワークの入力項と
なるように、一部のセンサ群出力に対し、センサ出力の
差分値または少なくとも一つ以上前のサンプル値に変換
する。次いで微分係数同定手段24によりエンジン21
における一つの状態量である空燃比を、変換手段23で
得られるニューラルネットワークの各入力項を内部状態
量とする非線形関数fnnと考え、このfnnを内部状態量
で偏微分して得られる関数FNNの各係数をニューラルネ
ットワークの出力から推定し、推定された各係数を用い
て、制御補正量算出手段25が実空燃比が目標空燃比と
なるような燃料噴射量または吸入空気量の補正量を算出
し、この補正量を基に加算器28が、演算手段27によ
り演算された燃料噴射量または吸入空気量を補正し、空
燃比制御を行なう。制御補正量算出手段25は、制御補
正量算出式をエンジン回転ステップごとに離散化したシ
ステムとして表現し、回転ステップごとに制御補正量算
出を行なう。
明する。センサ群22でエンジン21の各種状態量を検
出し、演算手段27によりセンサ群22の各出力値と予
め設定されたデータ群26とから基本となる燃料噴射量
または吸入空気量を演算する。しかし、過渡時や外乱印
加時などは、実空燃比が目標空燃比とはならない。そこ
で、変換手段23によりセンサ群22の出力値を、微分
係数同定手段24のニューラルネットワークの入力項と
なるように、一部のセンサ群出力に対し、センサ出力の
差分値または少なくとも一つ以上前のサンプル値に変換
する。次いで微分係数同定手段24によりエンジン21
における一つの状態量である空燃比を、変換手段23で
得られるニューラルネットワークの各入力項を内部状態
量とする非線形関数fnnと考え、このfnnを内部状態量
で偏微分して得られる関数FNNの各係数をニューラルネ
ットワークの出力から推定し、推定された各係数を用い
て、制御補正量算出手段25が実空燃比が目標空燃比と
なるような燃料噴射量または吸入空気量の補正量を算出
し、この補正量を基に加算器28が、演算手段27によ
り演算された燃料噴射量または吸入空気量を補正し、空
燃比制御を行なう。制御補正量算出手段25は、制御補
正量算出式をエンジン回転ステップごとに離散化したシ
ステムとして表現し、回転ステップごとに制御補正量算
出を行なう。
【0016】図3は本発明の第3の実施例における空燃
比制御装置の構成を示す。本実施例は、上記第2の実施
例に運転状態検知手段を加えたものである。図3におい
て、31は内燃式のエンジン、32はエンジン31の各
種状態量を検出するセンサ群、33はセンサ群32の各
出力値をニューラルネットワークの入力項となるように
変換する変換手段、34はエンジン31における一つの
状態量である空燃比を、変換手段33で得られるニュー
ラルネットワークの入力項を内部状態量とする非線形関
数fnnで表し、このfnnを内部状態量で偏微分して得ら
れる関数FNNの各係数をニューラルネットワークの出力
から推定するニューラルネットワークを用いた微分係数
同定手段、35は空燃比が目標空燃比となるように、微
分係数同定手段34により得られるパラメータを用い
て、燃料噴射量または吸入空気量の制御補正量を算出す
る制御補正量算出手段、36は空燃比設定のために予め
設定されたデータ群、37はセンサ群32の各出力値と
予め設定されたデータ群36とから、基本となる燃料噴
射量または吸入空気量を算出する演算手段、38は演算
手段37の結果を制御補正量算出手段35の結果により
補正する加算器(空燃比補正手段)、39はエンジン3
1が所定の運転状態にあるかどうかをセンサ群32の各
出力値から判断するとともに、所定の運転状態にあると
判断されたときに制御補正量算出手段35の結果を加算
器38に出力する運転状態検知手段である。
比制御装置の構成を示す。本実施例は、上記第2の実施
例に運転状態検知手段を加えたものである。図3におい
て、31は内燃式のエンジン、32はエンジン31の各
種状態量を検出するセンサ群、33はセンサ群32の各
出力値をニューラルネットワークの入力項となるように
変換する変換手段、34はエンジン31における一つの
状態量である空燃比を、変換手段33で得られるニュー
ラルネットワークの入力項を内部状態量とする非線形関
数fnnで表し、このfnnを内部状態量で偏微分して得ら
れる関数FNNの各係数をニューラルネットワークの出力
から推定するニューラルネットワークを用いた微分係数
同定手段、35は空燃比が目標空燃比となるように、微
分係数同定手段34により得られるパラメータを用い
て、燃料噴射量または吸入空気量の制御補正量を算出す
る制御補正量算出手段、36は空燃比設定のために予め
設定されたデータ群、37はセンサ群32の各出力値と
予め設定されたデータ群36とから、基本となる燃料噴
射量または吸入空気量を算出する演算手段、38は演算
手段37の結果を制御補正量算出手段35の結果により
補正する加算器(空燃比補正手段)、39はエンジン3
1が所定の運転状態にあるかどうかをセンサ群32の各
出力値から判断するとともに、所定の運転状態にあると
判断されたときに制御補正量算出手段35の結果を加算
器38に出力する運転状態検知手段である。
【0017】次に、上記第3の実施例の動作について説
明する。センサ群32でエンジン31の各種状態量を検
出し、演算手段37によりセンサ群32の各出力値と予
め設定されたデータ群36とから基本となる燃料噴射量
または吸入空気量を演算する。しかし、過渡時や外乱印
加時などは、実空燃比が目標空燃比とはならない。そこ
で、変換手段33によりセンサ群32の出力値を、微分
係数同定手段34のニューラルネットワークの入力項と
なるように、一部のセンサ群出力に対し、センサ出力の
差分値または少なくとも一つ以上前のサンプル値に変換
する。次いで微分係数同定手段34により、エンジン3
1における一つの状態量である空燃比を、変換手段33
で得られるニューラルネットワークの各入力項を内部状
態量とする非線形関数fnnと考え、このfnnを内部状態
量で偏微分して得られる関数FNNの各係数をニューラル
ネットワークの出力から推定し、推定された各係数を用
いて、制御補正量算出手段35により、実空燃比が目標
空燃比となるような燃料噴射量または吸入空気量の補正
量を算出する。一方、運転状態検知手段39は、センサ
群32の各出力値を用い、エンジン31が所定の運転状
態にあるかどうかを判断し、所定の運転状態にあると判
断したときに、制御補正量算出手段35で算出された補
正量を加算器38に送り、この補正量を基に加算器38
が、演算手段27により演算された燃料噴射量または吸
入空気量を補正し、空燃比制御を行なう。制御補正量算
出手段35は、制御補正量算出式をエンジン回転ステッ
プごとに離散化したシステムとして表現し、回転ステッ
プごとに制御補正量算出を行なう。
明する。センサ群32でエンジン31の各種状態量を検
出し、演算手段37によりセンサ群32の各出力値と予
め設定されたデータ群36とから基本となる燃料噴射量
または吸入空気量を演算する。しかし、過渡時や外乱印
加時などは、実空燃比が目標空燃比とはならない。そこ
で、変換手段33によりセンサ群32の出力値を、微分
係数同定手段34のニューラルネットワークの入力項と
なるように、一部のセンサ群出力に対し、センサ出力の
差分値または少なくとも一つ以上前のサンプル値に変換
する。次いで微分係数同定手段34により、エンジン3
1における一つの状態量である空燃比を、変換手段33
で得られるニューラルネットワークの各入力項を内部状
態量とする非線形関数fnnと考え、このfnnを内部状態
量で偏微分して得られる関数FNNの各係数をニューラル
ネットワークの出力から推定し、推定された各係数を用
いて、制御補正量算出手段35により、実空燃比が目標
空燃比となるような燃料噴射量または吸入空気量の補正
量を算出する。一方、運転状態検知手段39は、センサ
群32の各出力値を用い、エンジン31が所定の運転状
態にあるかどうかを判断し、所定の運転状態にあると判
断したときに、制御補正量算出手段35で算出された補
正量を加算器38に送り、この補正量を基に加算器38
が、演算手段27により演算された燃料噴射量または吸
入空気量を補正し、空燃比制御を行なう。制御補正量算
出手段35は、制御補正量算出式をエンジン回転ステッ
プごとに離散化したシステムとして表現し、回転ステッ
プごとに制御補正量算出を行なう。
【0018】次に、上記実施例の具体例について説明す
る。図4は上記実施例の具体例におけるエンジンの概略
構成を示すものである。図4において、41は燃焼室、
42は吸気管、43は排気管、44は吸気管42の中に
設けられたスロットルバルブ、45はスロットルバルブ
44の開閉を制御するスロットル開閉ステッピングモー
タ、46はスロットルバルブ44の開度を検出するスロ
ットル開度検出センサ、47は吸気管42の内圧を検出
する管内圧センサ、48は吸気管42に燃料を噴射する
インジェクタ、49は燃焼室41内のガスに点火する点
火プラグ、50は排気管43内のO2 濃度をリニアに検
出する空燃比センサとしてのリニアエアフローセンサ
(以下LAFセンサと略す。)である。これらのうち、
スロットル開度検出センサ46、管内圧センサ47、L
AFセンサ50は、上記実施例におけるセンサ群12、
22、32の一部を構成する。また空燃比センサとして
のLAFセンサ50は、例えば三元触媒の前後に複数個
設けてもよい。
る。図4は上記実施例の具体例におけるエンジンの概略
構成を示すものである。図4において、41は燃焼室、
42は吸気管、43は排気管、44は吸気管42の中に
設けられたスロットルバルブ、45はスロットルバルブ
44の開閉を制御するスロットル開閉ステッピングモー
タ、46はスロットルバルブ44の開度を検出するスロ
ットル開度検出センサ、47は吸気管42の内圧を検出
する管内圧センサ、48は吸気管42に燃料を噴射する
インジェクタ、49は燃焼室41内のガスに点火する点
火プラグ、50は排気管43内のO2 濃度をリニアに検
出する空燃比センサとしてのリニアエアフローセンサ
(以下LAFセンサと略す。)である。これらのうち、
スロットル開度検出センサ46、管内圧センサ47、L
AFセンサ50は、上記実施例におけるセンサ群12、
22、32の一部を構成する。また空燃比センサとして
のLAFセンサ50は、例えば三元触媒の前後に複数個
設けてもよい。
【0019】図5は上記実施例の具体例で使用した空燃
比制御装置の概略ブロック図であり、ニューラルネット
ワークを用いた極指定法制御システムに空燃比を検出す
るためのLAFセンサを組み合わせた構成としている。
制御は学習後のニューラルネットワークを入力パラメー
タで偏微分することで線形近似モデルを導き、極指定法
によって最適なフィードバック係数を決定する。まずそ
の構造を説明する。図5において、51はスロットル角
度θに対して吸気管内に入ってくる空気量Gaを与える
吸気管である。52はエンジンの燃焼室で、空気量Ga
と燃料量Gf が混合されて燃焼するところである。53
は排気中のO2 濃度を計測するLAFセンサ、54はセ
ンサ群からのエンジン運転状態パラメータとLAFセン
サ値から偏微分方程式の微分係数群を求めるニューラル
ネットワークであり、上記実施例における変換手段1
3、23、33および微分係数同定手段14、24、3
4が含まれる。55はニューラルネットワーク54で求
めた微分係数群と目標空燃比から適切な燃料量Gf を計
算する制御ユニットであり、上記実施例における制御量
算出手段15、制御補正量算出手段25、35、演算手
段27、37が含まれる。
比制御装置の概略ブロック図であり、ニューラルネット
ワークを用いた極指定法制御システムに空燃比を検出す
るためのLAFセンサを組み合わせた構成としている。
制御は学習後のニューラルネットワークを入力パラメー
タで偏微分することで線形近似モデルを導き、極指定法
によって最適なフィードバック係数を決定する。まずそ
の構造を説明する。図5において、51はスロットル角
度θに対して吸気管内に入ってくる空気量Gaを与える
吸気管である。52はエンジンの燃焼室で、空気量Ga
と燃料量Gf が混合されて燃焼するところである。53
は排気中のO2 濃度を計測するLAFセンサ、54はセ
ンサ群からのエンジン運転状態パラメータとLAFセン
サ値から偏微分方程式の微分係数群を求めるニューラル
ネットワークであり、上記実施例における変換手段1
3、23、33および微分係数同定手段14、24、3
4が含まれる。55はニューラルネットワーク54で求
めた微分係数群と目標空燃比から適切な燃料量Gf を計
算する制御ユニットであり、上記実施例における制御量
算出手段15、制御補正量算出手段25、35、演算手
段27、37が含まれる。
【0020】次に、図5の動作について説明する。図5
において、51および52、53については従来の構成
と同様であるので、詳細の説明は省略する。吸気管51
から入力される空気量Ga は、スロットル開度検出セン
サ46、管内圧センサ47および図示されないクランク
角センサからのエンジン回転数などの信号とあらかじめ
決められたパラメータによって演算されて決まる量であ
る。この空気量Ga と制御ユニット55からより供給さ
れる燃料量Gf が混合されて燃焼室52内で燃焼し、L
AFセンサ53でモニタされたO2 濃度が空燃比として
ニューラルネットワーク54に入力される。ニューラル
ネットワーク54では、k−1ステップ時の空燃比であ
るLAFセンサ値(A/Fk-1 )に対して後に述べる演
算を行ない、第1の実施例における燃料噴射量Gf また
は第2、第3の実施例における燃料噴射補正量△Gfkを
求める。
において、51および52、53については従来の構成
と同様であるので、詳細の説明は省略する。吸気管51
から入力される空気量Ga は、スロットル開度検出セン
サ46、管内圧センサ47および図示されないクランク
角センサからのエンジン回転数などの信号とあらかじめ
決められたパラメータによって演算されて決まる量であ
る。この空気量Ga と制御ユニット55からより供給さ
れる燃料量Gf が混合されて燃焼室52内で燃焼し、L
AFセンサ53でモニタされたO2 濃度が空燃比として
ニューラルネットワーク54に入力される。ニューラル
ネットワーク54では、k−1ステップ時の空燃比であ
るLAFセンサ値(A/Fk-1 )に対して後に述べる演
算を行ない、第1の実施例における燃料噴射量Gf また
は第2、第3の実施例における燃料噴射補正量△Gfkを
求める。
【0021】燃料噴射補正量△Gfkを求める上記第2ま
たは第3の実施例の場合は、制御ユニット55では、従
来手法による目標空燃比A/Fにするための燃料量Gfk
を計算するとともに、ニューラルネットワークによる噴
射補正量△Gfkを足し合わせた量(Gfk+△Gfk)を燃
料噴射量Gf として出力する。また、運転状態検知手段
39により、定常時(アイドル時など)には、従来の空
燃比制御とし、過渡時には何らかの判定基準を設けて、
その補正量としての△Gfkを有効にすることで、大きな
変更、制御上の不安の少ない制御を導入することができ
る。ただし、ニューラルネットワークの十分な学習がで
きていることが保証される場合、または常にニューラル
ネットワークパラメータ群を補正しながら(オンライン
学習と呼ぶ)制御を行なう場合は、すべての運転条件下
で使用することも可能である。
たは第3の実施例の場合は、制御ユニット55では、従
来手法による目標空燃比A/Fにするための燃料量Gfk
を計算するとともに、ニューラルネットワークによる噴
射補正量△Gfkを足し合わせた量(Gfk+△Gfk)を燃
料噴射量Gf として出力する。また、運転状態検知手段
39により、定常時(アイドル時など)には、従来の空
燃比制御とし、過渡時には何らかの判定基準を設けて、
その補正量としての△Gfkを有効にすることで、大きな
変更、制御上の不安の少ない制御を導入することができ
る。ただし、ニューラルネットワークの十分な学習がで
きていることが保証される場合、または常にニューラル
ネットワークパラメータ群を補正しながら(オンライン
学習と呼ぶ)制御を行なう場合は、すべての運転条件下
で使用することも可能である。
【0022】次にニューラルネットワーク54における
の学習方法について説明する。図6はニューラルネット
ワークの構造を示している。図に示すように、ニューラ
ルネットワークの構造は入力層素子数6、中間層素子数
20、出力層素子数1とし、出力は空燃比を表すA/F
値とした。入力に用いた信号は、燃料噴射量Gfk,G
fk-1,空燃比A/Fk-1 ,吸気管内圧Pbk-1,エンジン
回転数nek-1,スロットル開度θk-1 とした。ここで、
出力のステップkに対して入力が1ステップ前のものを
用いているのは、エンジンが構造的に1次遅れに近似で
きると考えているからで、2次以上の場合は2ステップ
以上前のデータを入力項として用いる。
の学習方法について説明する。図6はニューラルネット
ワークの構造を示している。図に示すように、ニューラ
ルネットワークの構造は入力層素子数6、中間層素子数
20、出力層素子数1とし、出力は空燃比を表すA/F
値とした。入力に用いた信号は、燃料噴射量Gfk,G
fk-1,空燃比A/Fk-1 ,吸気管内圧Pbk-1,エンジン
回転数nek-1,スロットル開度θk-1 とした。ここで、
出力のステップkに対して入力が1ステップ前のものを
用いているのは、エンジンが構造的に1次遅れに近似で
きると考えているからで、2次以上の場合は2ステップ
以上前のデータを入力項として用いる。
【0023】また、吸気管内圧Pbk-1,エンジン回転数
nek-1,スロットル開度θk-1 は、エンジン運転条件を
示すものであるため、学習時の条件として利用するが、
学習後のニューラルネットワークにとっては外乱扱いと
し、制御の入力には用いない。
nek-1,スロットル開度θk-1 は、エンジン運転条件を
示すものであるため、学習時の条件として利用するが、
学習後のニューラルネットワークにとっては外乱扱いと
し、制御の入力には用いない。
【0024】図6のニューラルネットワークを図7のシ
ステム構成でエンジンのさまざまな運転点での学習を行
なう。学習の手法は、バックプロパゲーション学習法と
し、エンジンの一つの状態量であるA/F(教師信号)
に対してニューラルネットワークの出力であるA/Fと
の差異を低下させるように行なう。このとき、エンジン
の運転点、学習誤差許容値設定についてはさまざまな手
法があるが、ここでは学習ポイントは、10ポイント程
度、学習回数は500万回とし、誤差は0.001程度
までの学習とした。この学習推移誤差曲線を図8に、ま
た学習後のニューラルネットワークの構造を図9に示
す。
ステム構成でエンジンのさまざまな運転点での学習を行
なう。学習の手法は、バックプロパゲーション学習法と
し、エンジンの一つの状態量であるA/F(教師信号)
に対してニューラルネットワークの出力であるA/Fと
の差異を低下させるように行なう。このとき、エンジン
の運転点、学習誤差許容値設定についてはさまざまな手
法があるが、ここでは学習ポイントは、10ポイント程
度、学習回数は500万回とし、誤差は0.001程度
までの学習とした。この学習推移誤差曲線を図8に、ま
た学習後のニューラルネットワークの構造を図9に示
す。
【0025】このように、様々な運転条件に対して学習
した結果できる図9のニューラルネットワークは、空燃
比A/Fの観点で見るとエンジンモデルそのものとなっ
ている。
した結果できる図9のニューラルネットワークは、空燃
比A/Fの観点で見るとエンジンモデルそのものとなっ
ている。
【0026】次に、この学習したニューラルネットワー
クを制御に利用する方法について説明する。学習して求
めた図9のニューラルネットワークは、一種の非線形関
数f nnと考えることができる。すなわち、 A/Fk =fnn(Gfk,Gfk-1,A/Ff-1 ,Pbk-1,
nek-1,θk-1) ここで、Pbk-1,nek-1,θk-1 は、外乱扱いとし、こ
の関数fnnを全微分すると、
クを制御に利用する方法について説明する。学習して求
めた図9のニューラルネットワークは、一種の非線形関
数f nnと考えることができる。すなわち、 A/Fk =fnn(Gfk,Gfk-1,A/Ff-1 ,Pbk-1,
nek-1,θk-1) ここで、Pbk-1,nek-1,θk-1 は、外乱扱いとし、こ
の関数fnnを全微分すると、
【0027】
【数2】 となる。これをブロック線図化すると図10のようにな
る。
る。
【0028】さらに、このブロック線図を状態方程式表
現にすると、
現にすると、
【0029】
【数3】 となる。これを、行列式で表現すると、 Xk =PXk-1 +QΔGfk A/FK =CXK ここで、
【0030】
【数4】 とした。この成分を、
【0031】
【数5】 とする。
【0032】上式で表されるシステムにフィードバック
行列fを用いた図11のような制御系を構築することを
考える。
行列fを用いた図11のような制御系を構築することを
考える。
【0033】フィードバック行列 を決定する手法とし
て様々な方法があるが、本実施例では極指定法を用い
る。即ち、固有方程式|λI−(p+qf)|=0の特
性根が複素平面上左半平面の任意の位置となるように、
フィードバック行列fを決定する。
て様々な方法があるが、本実施例では極指定法を用い
る。即ち、固有方程式|λI−(p+qf)|=0の特
性根が複素平面上左半平面の任意の位置となるように、
フィードバック行列fを決定する。
【0034】このようにして決めたf=[f1 f2
f3]に対して△Gfkを求め、最終制御値Gfkを決め
る。
f3]に対して△Gfkを求め、最終制御値Gfkを決め
る。
【0035】
【数6】
【0036】この制御量△Gfkは、運転点の変化による
エンジン応答の非線形性に対応するために、本実施例で
は回転同期で求め、制御を実行する。
エンジン応答の非線形性に対応するために、本実施例で
は回転同期で求め、制御を実行する。
【0037】このようにして、従来のように具体的な変
数とそのデータマトリックスまたは現代制御理論に基づ
くステップ応答等の実験によるパラメータ行列データ決
定のための実験、シミュレーションなどを行なうことな
しに、簡単な構造のニューラルネットワークを利用する
ことと、ニューラルネットワークのパラメータを用いた
区間線形近似による非線形ダイナミック空燃比制御によ
り、高精度な空燃比制御が実現できる。
数とそのデータマトリックスまたは現代制御理論に基づ
くステップ応答等の実験によるパラメータ行列データ決
定のための実験、シミュレーションなどを行なうことな
しに、簡単な構造のニューラルネットワークを利用する
ことと、ニューラルネットワークのパラメータを用いた
区間線形近似による非線形ダイナミック空燃比制御によ
り、高精度な空燃比制御が実現できる。
【0038】図12に学習後のニューラルネットワーク
によるA/F値の挙動(エンジン同定結果)を示し、図
13に実エンジンにおける空燃比制御結果を示す。図1
2では、LAFセンサ出力値とニューラルネットワーク
の出力値としてのA/Fがよく一致しており、十分学習
すなわちエンジンシステムの同定ができていることがわ
かる。また、図13に示すように、本実施例によればス
ロットル開閉時の空燃比の乱れをよく吸収していること
がわかる。
によるA/F値の挙動(エンジン同定結果)を示し、図
13に実エンジンにおける空燃比制御結果を示す。図1
2では、LAFセンサ出力値とニューラルネットワーク
の出力値としてのA/Fがよく一致しており、十分学習
すなわちエンジンシステムの同定ができていることがわ
かる。また、図13に示すように、本実施例によればス
ロットル開閉時の空燃比の乱れをよく吸収していること
がわかる。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明は、空燃比に関わ
るエンジンの非線形構造を階層型ニューラルネットワー
クで予め学習させ、この学習させたニューラルネットワ
ークを用いて燃料噴射量を制御することで、過渡時の燃
料量を補正し、目標空燃比とするようにしたので、エン
ジンのパラメータの特定、詳細動作応答などを実験等で
求め、制御式として記述するなどの手数を掛けることな
しに、比較的簡単な手法で、空燃比制御を高精度に行な
うことができるという効果を有する。
るエンジンの非線形構造を階層型ニューラルネットワー
クで予め学習させ、この学習させたニューラルネットワ
ークを用いて燃料噴射量を制御することで、過渡時の燃
料量を補正し、目標空燃比とするようにしたので、エン
ジンのパラメータの特定、詳細動作応答などを実験等で
求め、制御式として記述するなどの手数を掛けることな
しに、比較的簡単な手法で、空燃比制御を高精度に行な
うことができるという効果を有する。
【図1】本発明の第1の実施例における空燃比制御装置
の概念を示すブロック図
の概念を示すブロック図
【図2】本発明の第2の実施例における空燃比制御装置
の概念を示すブロック図
の概念を示すブロック図
【図3】本発明の第3の実施例における空燃比制御装置
の概念を示すブロック図
の概念を示すブロック図
【図4】本発明の実施例における具体例を示すエンジン
部分の概略構成図
部分の概略構成図
【図5】具体例における制御部分の概略ブロック図
【図6】具体例におけるニューラルネットワークの構成
を示す模式図
を示す模式図
【図7】具体例におけるニューラルネットワークの学習
方法を示すブロック図
方法を示すブロック図
【図8】具体例におけるニューラルネットワークの学習
推移曲線を示す特性図
推移曲線を示す特性図
【図9】具体例におけるニューラルネットワークの学習
後の構成を示す模式図
後の構成を示す模式図
【図10】具体例におけるニューラルネットワークの全
微分型モデルのブロック線図
微分型モデルのブロック線図
【図11】具体例におけるニューラルネットワークの閉
ループ系のブロック線図
ループ系のブロック線図
【図12】(a)具体例における同定結果を示すスロッ
トルバルブ開時の特性図 (b)具体例における同定結果を示すスロットルバルブ
閉時の特性図
トルバルブ開時の特性図 (b)具体例における同定結果を示すスロットルバルブ
閉時の特性図
【図13】(a)具体例における極指定法制御結果を示
すスロットルバルブ開時の特性図 (b)具体例における極指定法制御結果を示すスロット
ルバルブ閉時の特性図
すスロットルバルブ開時の特性図 (b)具体例における極指定法制御結果を示すスロット
ルバルブ閉時の特性図
【図14】従来の空燃比制御装置における構成を示すブ
ロック図
ロック図
【図15】(a)従来の空燃比制御装置におけるPID
制御結果を示すスロットルバルブ開時の特性図 (b)従来の空燃比制御装置におけるPID制御結果を
示すスロットルバルブ閉時の特性図
制御結果を示すスロットルバルブ開時の特性図 (b)従来の空燃比制御装置におけるPID制御結果を
示すスロットルバルブ閉時の特性図
【図16】従来の吸気内燃料付着モデルを示す模式図
11、21、31 内燃式のエンジン 12、22、32 センサ群 13、23、33 変換手段 14、24、34 微分係数同定手段(N.N) 15 制御量算出手段 25、35 制御補正量算出手段 26、36 データ群 27、37 演算手段 28、38 加算器(空燃比補正手段) 39 運転状態検知手段
Claims (10)
- 【請求項1】 内燃エンジンの各種状態量を検出するセ
ンサ群と、前記センサ群の各出力値をニューラルネット
ワークの入力項となるように変換する変換手段と、内燃
エンジンにおける一つの状態量である空燃比を、前記変
換手段で得られるニューラルネットワークの各入力項を
内部状態量とする非線形関数fnnで表し、このfnnを前
記内部状態量で偏微分して得られる関数FNNの各係数を
前記ニューラルネットワークの出力から推定する微分係
数同定手段と、前記空燃比が目標空燃比となるように、
前記微分係数同定手段により得られるパラメータを用い
て、燃料噴射量または吸入空気量を算出する制御量算出
手段とを備えた空燃比制御装置。 - 【請求項2】 制御量算出手段が、制御量算出式をエン
ジン回転ステップごとに離散化したシステムとして表現
し、回転ステップごとに制御量算出を行なうことを特徴
とする請求項1記載の空燃比制御装置。 - 【請求項3】 内燃エンジンの各種状態量を検出するセ
ンサ群と、前記センサ群の各出力値および予め設定され
たデータ群から燃料噴射量または吸入空気量を演算する
演算手段と、前記センサ群の各出力値をニューラルネッ
トワークの入力項となるように変換する変換手段と、内
燃エンジンにおける一つの状態量である空燃比を、前記
変換手段で得られるニューラルネットワークの各入力項
を内部状態量とする非線形関数fnnで表し、このfnnを
前記内部状態量で偏微分して得られる関数FNNの各係数
を前記ニューラルネットワークの出力から推定する微分
係数同定手段と、前記空燃比が目標空燃比となるよう
に、前記微分係数同定手段により得られるパラメータを
用いて、燃料噴射量または吸入空気量の制御補正量を算
出する制御補正量算出手段と、前記演算手段の出力を前
記制御補正量算出手段の出力で補正する空燃比補正手段
とを備えた空燃比制御装置。 - 【請求項4】 エンジンが所定の運転状態に有るかどう
かを検知する運転状態検知手段を有し、所定の運転状態
にあると検知されたときに、制御補正量算出手段により
燃料噴射量の補正または吸入空気量の補正を行なうこと
を特徴とする請求項3記載の空燃比制御装置。 - 【請求項5】 制御補正量算出手段が、制御補正量算出
式をエンジン回転ステップごとに離散化したシステムと
して表現し、回転ステップごとに制御補正量算出を行な
うことを特徴とする請求項3または4記載の空燃比制御
装置。 - 【請求項6】 センサ群が、少なくとも一つ以上の空燃
比センサを有することを特徴とする請求項1または3ま
たは4記載の空燃比制御装置。 - 【請求項7】 変換手段が、ニューラルネットワークの
入力項として、一部のセンサ群出力に対し、センサ出力
の差分値または少なくとも一つ以上前のサンプル値に変
換することを特徴とする請求項1または3または4記載
の空燃比制御装置。 - 【請求項8】 微分係数同定手段で用いられるニューラ
ルネットワークの入力項は、kステップ時の燃料噴射
量、k−1ステップ時の燃料噴射量、k−1ステップ時
の空燃比、k−1ステップ時の吸気管内圧、k−1ステ
ップ時のエンジン回転数、k−1ステップ時のスロット
ル開度とすることを特徴とする請求項1または3または
4記載の空燃比制御装置。 - 【請求項9】 微分係数同定手段が、入力項である吸気
管内圧、エンジン回転数、スロットル開度を外乱として
扱い、非線形関数fnnを偏微分する内部状態量を、kス
テップ時の燃料噴射量、k−1ステップ時の燃料噴射
量、k−1ステップ時の空燃比とすることを特徴とする
請求項1または3または4記載の空燃比制御装置。 - 【請求項10】 制御補正量算出手段が、ニューラルネ
ットワークの出力から推定された各偏微分係数を用い、
極指定法で制御サイクル毎に制御ゲインを決定すること
を特徴とする請求項3または4記載の空燃比制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06216169A JP3081115B2 (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 空燃比制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06216169A JP3081115B2 (ja) | 1994-09-09 | 1994-09-09 | 空燃比制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0874636A true JPH0874636A (ja) | 1996-03-19 |
JP3081115B2 JP3081115B2 (ja) | 2000-08-28 |
Family
ID=16684372
Family Applications (1)
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