JP4673440B1 - 目的ガスの分離回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】目的ガスおよび不要ガスを含む混合ガスからPSA法により目的ガスを分離回収するにあたり、目的ガスの取得量を減少させる場合、電力原単位の増加を抑制するのに適した方法を提供する。
【解決手段】吸着剤が充填された2つの吸着塔1A,1Bを用いて行うPSA法により、酸素(目的ガス)および窒素(不要ガス)を含む混合ガスから製品酸素ガスを分離回収する方法であって、ブロア2により吸着塔に混合ガスを導入して混合ガス中の窒素を吸着剤に吸着させ、当該吸着塔から製品酸素ガスを導出して製品酸素ガスを貯留するための貯留タンク4へ送り出す吸着工程と、真空ポンプ3により吸着塔を減圧して吸着剤から窒素を脱着させ、当該吸着塔からガスを導出する脱着工程と、各吸着塔に対するガスの出入りを遮断する中断工程とを含むサイクルを各吸着塔で繰り返し行い、当該サイクルを通じて貯留タンク4から製品酸素ガスを連続的に取得する。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧力変動吸着法により、目的ガスおよび不要ガスを含む混合ガスから目的ガスを分離回収する方法に関する。
空気などの酸素(目的ガス)および窒素(不要ガス)を含む混合ガスから目的ガスとしての酸素を分離回収する方法として、圧力変動吸着法(PSA法)が知られている。PSA法により得られる酸素が富化された酸素ガスは、例えば、電炉製鋼、ゴミ焼却、製紙、水処理施設での酸素曝気などの酸素を多量に消費する分野において使用される。PSA法による酸素ガスの分離回収においては、例えば吸着剤が充填された2つの吸着塔を有するPSAガス分離装置を用いて、吸着工程と、脱着工程とを含むサイクルが各吸着塔で繰り返し行われる。吸着工程では、例えばブロアにより混合ガスを吸入し、当該混合ガスを吸着塔に導入して混合ガス中の窒素を上記吸着剤に吸着させ、当該吸着塔から酸素ガスを導出する。脱着工程では、例えば真空ポンプにより吸着塔を減圧して吸着剤から窒素を脱着させ、当該吸着塔からガスを導出する。PSA法により酸素ガスを取得する技術は、例えば特許文献1,2に記載されている。
PSA法による酸素ガスの発生量(単位時間当たりの取得量)は、例えば当該酸素ガスの最大消費量に対応するように設定される。そして、PSA法によるガス分離操作においては、酸素ガスの最大消費量に合わせて、効率化(消費電力の抑制)の観点から、当該ガス分離操作の負荷が100%にて、吸着圧力、脱着圧力、および各工程の操作時間が最適となるように操作条件が設定されている。一方、酸素ガスを利用する設備等において要求される酸素消費量は常に一定ではない。このため、酸素消費量が減少する場合には、例えばPSAガス分離装置の出口からの酸素ガスの取得量を調節して減少させることにより、酸素消費量の変動に対応させる。
しかしながら、上記のように酸素ガスの取得量を減少させると、ブロアや真空ポンプなどの回転機械の消費動力がそのままの状態で酸素発生量が絞られるので、単位酸素発生量あたりのガス分離操作に係る消費電力(電力原単位)が取得量に逆比例して増加してしまう。また、酸素ガスの取得量を減少させると吸着圧力(吸着工程における塔内の最高圧力)が上昇するので、それに伴いブロアである回転機械の消費動力が増大し、更に電力原単位が増加する場合があった。
また、上記のように酸素ガスの取得量の減少により吸着圧力が上昇すると、PSA法による操作条件が設定された適正範囲から逸脱する場合がある。その結果、単位酸素発生量あたりのガス分離操作に係る消費電力(電力原単位)の増大を招く虞があった。
特開平8−239204号公報 特開平11−292506号公報
本発明は、このような事情の下で考え出されたものであって、目的ガスおよび不要ガスを含む混合ガスからPSA法により目的ガスを分離回収するにあたり、目的ガスの取得量を減少させる場合において、単位目的ガス発生量あたりのガス分離操作に係る消費電力(電力原単位)の増加を抑制するのに適した方法を提供することを課題としている。
本発明によって提供される目的ガスの分離回収方法は、目的ガスおよび不要ガスを含む混合ガスから、上記不要ガスを選択的に吸着する吸着剤が充填された2つの吸着塔を用いて行う圧力変動吸着法により、上記目的ガスが富化された製品ガスを分離回収する方法であって、ブロアにより上記吸着塔に混合ガスを導入して当該混合ガス中の上記不要ガスを上記吸着剤に吸着させ、当該吸着塔から上記製品ガスを導出して当該製品ガスを貯留するための貯留タンクへ送り出す吸着工程と、真空ポンプにより上記吸着塔を減圧して上記吸着剤から上記不要ガスを脱着させ、当該吸着塔からガスを導出する脱着工程と、上記各吸着塔に対するガスの出入りを遮断する中断工程とを含むサイクルを上記各吸着塔で繰り返し行い、当該サイクルを通じて上記貯留タンクから上記製品ガスを連続的に取得する。
好ましくは、上記目的ガスは酸素であり、上記不要ガスは窒素である。
好ましくは、上記中断工程では、上記ブロアの運転を継続しつつ当該ブロアを経た上記混合ガスを上記ブロアに流入するように循環させる第1の操作、上記ブロアを経た上記混合ガスを大気中に放出する第2の操作、および上記ブロアの運転を停止する第3の操作のうち、いずれか1つの操作が行われる。
好ましくは、上記中断工程では、上記真空ポンプの運転を継続しつつ、当該真空ポンプにより大気を吸入する。
好ましくは、上記中断工程は、上記真空ポンプによる減圧操作の対象となる上記吸着塔から切り替わる直前に行われる。
好ましくは、上記サイクルにおける上記中断工程の継続時間Taの算出は、上記中断工程を有さない、ガス分離操作の負荷が100%のときのサイクルタイムをTb、ガス分離操作の負荷が100%のときの上記目的ガスの取得量に対する上記目的ガスの取得比率をA%とした場合に、計算式Ta=(100/A)×Tb−Tbにより行う。
本発明の酸素の分離回収方法においては、PSA法によるガス分離操作の負荷が100%のサイクル中に中断工程が挿入されており、当該中断工程において、各吸着塔に対するガスの出入りが遮断されている。中断工程においては、吸着塔のそれぞれの塔内の圧力はほぼ一定に維持されることとなり、PSA法によるガス分離操作は中断する。したがって、中断工程を挿入することによりPSA法によるガス分離操作の負荷率を低減しても、ガス分離操作の負荷が100%のときの最適化された操作条件にてPSAガス分離装置を運転することができる。その結果、単位目的ガス発生量あたりのガス分離操作に係る消費電力(電力原単位)の増加を抑制することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明の第1の実施形態に係る目的ガスの分離回収方法を実現するためのPSAガス分離装置の概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る目的ガスの分離回収方法において各吸着塔で行われる1サイクルの工程を示すタイムチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る目的ガスの分離回収方法の各工程に対応するガスの流れ図である。 本発明の第2の実施形態に係る目的ガスの分離回収方法を実現するためのPSAガス分離装置の概略構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る目的ガスの分離回収方法において各吸着塔で行われる1サイクルの工程を示すタイムチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る目的ガスの分離回収方法の各工程に対応するガスの流れ図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態として、目的ガスとしての酸素および不要ガスとしての窒素を含む混合ガスから酸素を分離回収する方法について、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る酸素の分離回収方法を実行するのに使用することができるPSAガス分離装置X1の概略構成を示している。
PSAガス分離装置X1は、吸着塔1A,1Bと、ルーツブロア2と、真空ポンプ3と、貯留タンク4と、これらを連結するラインとを備え、圧力変動吸着法(PSA法)を利用して、酸素および窒素を含む混合ガスから酸素を濃縮分離することが可能なように構成されている。
吸着塔1A,1Bのそれぞれは、両端にガス通過口1a,1bを有し、ガス通過口1a,1bの間において混合ガスに含まれる窒素を選択的に吸着するための充填剤が充填されている。当該吸着剤としては、例えば、CaA型ゼオライト、CaX型ゼオライト、およびLiX型ゼオライトが挙げられ、これらは単独で使用しても複数種を併用してもよい。
吸着塔1A,1Bのそれぞれのガス通過口1aは、分岐ライン5a,5bを介して共通のライン5に接続されている。分岐ライン5a,5bには、開状態と閉状態とに切換え可能な切換弁6a,6bが設けられている。
ルーツブロア2は、混合ガスを吸着塔1A,1Bに送出するためのものであり、ライン5に設けられている。ルーツブロア2により、後述する吸着工程における塔内の最高圧力は、例えば40〜50kPaG程度とされる。
ライン5には、バイパスライン7が接続されている。バイパスライン7は、ルーツブロア2から送出された混合ガスを再びルーツブロア2に吸入させて循環させるためのものであり、一端部がルーツブロア2の送出口の下流側に接続され、他端部がルーツブロア2の吸入口の上流側に接続されている。バイパスライン7には、切換弁8が設けられている。
ライン5にはまた、クーラ9が設けられている。クーラ9は、ルーツブロア2の送出口とバイパスライン7の上記一端部との間に設けられており、吸着塔1A,1Bに供給される前に混合ガスを冷却し、あるいはライン5とバイパスライン7との間を循環する混合ガスを冷却するためのものである。
吸着塔1A,1Bのそれぞれのガス通過口1aは、分岐ライン10a,10bを介して共通のライン10に接続されている。分岐ライン10a,10bには、切換弁11a,11bが設けられている。
真空ポンプ3は、吸着塔1A,1Bを減圧して塔内のガスをガス通過口1aを介して導出するためのものであり、ライン10に設けられている。真空ポンプ3としては、例えばルーツブロアが用いられ、脱着工程における塔内の最低圧力は−70〜−60kPaG程度とされる。
ライン10には、開放端を有する大気吸入ライン12が接続されている。大気吸入ライン12は、吸着塔1A,1Bと真空ポンプ3との間に接続されており、所定の工程において真空ポンプ3に大気を吸引させるためのものである。大気吸入ライン12には、切換弁13が設けられている。
吸着塔1A,1Bのそれぞれのガス通過口1bは、分岐ライン14a,14bを介して共通のライン14に接続されている。分岐ライン14a,14bには、切換弁15a,15bが設けられている。
吸着塔1A,1Bのそれぞれのガス通過口1b,1bはまた、分岐ライン14a,14b間に接続されたライン16を介して連通している。ライン16には、切換弁17が設けられている。
貯留タンク4は、吸着塔1A,1Bから導出されるガス(後述の製品酸素ガス)を一旦貯留するための空容器であり、ライン14に設けられている。貯留タンク4の出口には、図示しない流量調整弁が設けられている。貯留タンク4内の製品酸素ガスは当該貯留タンク4から連続的に取り出され、所定の用途に常時消費される。
上記構成のPSAガス分離装置X1においては、各切換弁の開閉状態を選択することにより、各吸着塔1A,1B内でのガスの流れ方向や圧力が調整される。各吸着塔1A,1Bにおいては、切換弁の切換え状態に応じて、例えば、吸着工程と、脱着工程と、均圧工程と、中断工程とを含むサイクルが繰り返される。
吸着工程は、塔内が所定の高圧状態にあるいずれかの吸着塔1A,1Bに混合ガスを導入して当該混合ガス中の窒素を吸着剤に吸着させ、当該吸着塔から酸素が富化された製品酸素ガス(製品ガス)を導出するための工程である。脱着工程は、例えば吸着工程を終えたいずれかの吸着塔1A,1Bを減圧して吸着剤から窒素を脱着させ、塔内のガスをオフガスとして塔外へ導出するための工程である。均圧工程は、例えば吸着工程を終えたいずれか一方の吸着塔1A,1Bと脱着工程を終えた他方の吸着塔1A,1Bとを連通させ、両吸着塔1A,1B内の圧力差により両吸着塔1A,1B間でガスの流れを生じさせる工程である。
中断工程は、製品酸素ガスの消費量が減少する場合において、PSA法によるガス分離操作の負荷が100%のサイクル中に挿入される工程である。中断工程においては、各吸着塔1A,1Bに対するガスの出入りを遮断する。
次に、本発明の第1の実施形態に係る酸素の分離回収方法について、図2および図3を参照して説明する。本実施形態に係るPSA法によるガス分離において、各吸着塔1A,1Bでは、例えば図2に示す操作時間で各工程(ステップ)が行われ、ステップ1〜10を1サイクルとして、このようなサイクルが繰り返し行われる。図3は、各ステップにおけるPSAガス分離装置X1のガス流れを模式的に表したものである。
ステップ1においては、切換弁6a,11b,15aのみが開状態とされ、吸着塔1Aについては吸着工程が行われ、吸着塔1Bについては脱着工程が行われており、図3(a)に示すガス流れ状態とされている。
具体的には、吸着塔1Aには、ルーツブロア2によりライン5および分岐ライン5aを介してガス通過口1aから混合ガスとしての空気が導入される。吸着塔1Aでは、吸着剤により窒素が選択的に吸着されて、製品酸素ガスがガス通過口1bから導出される。当該製品酸素ガスは、分岐ライン14aおよびライン14を介して貯留タンク4に送出される。貯留タンク4内の製品酸素ガスは、流量調整がなされたうえで取り出され、使用される。なお、ステップ1を含めたすべてのステップ1〜10において、貯留タンク4から製品酸素ガスが一定流量にて連続的に取得される。
吸着塔1Bは、先に脱着工程を行っており(図3(j)に示されるステップ10参照)、引き続き真空ポンプ3により塔内が減圧されて吸着剤から窒素が脱着され、塔内のガスがガス通過口1aを通じてオフガスとして塔外へ導出される。当該オフガスは、分岐ライン10b、ライン10を介して系外へ排出される。上記ステップ1は、例えば24秒間継続される。
ステップ2においては、切換弁8,11b,17のみが開状態とされ、吸着塔1Aでは減圧工程が行われ、吸着塔1Bでは脱着洗浄工程が行われており、図3(b)に示すガス流れ状態とされている。
吸着塔1Aは先に吸着工程を行っているのに対して吸着塔1Bは先に脱着工程を行っていたから、吸着塔1Aの塔内が吸着塔1Bの塔内よりも高圧となっている。そのため、吸着塔1Aから製品酸素ガスを多く含むガス(残留製品酸素ガス)がライン16を介して吸着塔1Bに導入される。一方、真空ポンプ3により、吸着塔1Bのガス通過口1aから塔内のガスが引き続き導出され、分岐ライン10b、ライン10を介して系外へ排出される。吸着塔1Aから吸着塔1Bに導入される残量製品酸素ガスは、吸着塔1B内の吸着剤を効果的に洗浄する。
また、ステップ2では、ルーツブロア2の運転は継続しており、このルーツブロア2から各吸着塔1A,1Bに通じる分岐ライン5a,5bに設けられた切換弁6a,6bが閉じていることから、吸着塔1A,1Bへの混合ガスの供給は遮断される。その一方、バイパスライン7に設けられた切換弁8は開いている。このため、ルーツブロア2から送出される混合ガスは、バイパスライン7を介して再びルーツブロア2に吸入され、ライン5とバイパスライン7との間を循環する。したがって、ルーツブロア2からの混合ガスの吐出圧力が大気圧付近から上昇することはなく、吐出側と吸入側とがほぼ同圧となっている。上記ステップ2は、例えば8秒間継続される。
ステップ3においては、切換弁8,13のみが開状態とされ、吸着塔1A,1Bについては中断工程が行われており、図3(c)に示すガス流れ状態とされている。
ステップ3では、切換弁6a,6b,11a,11b,15a,15b,17が閉状態とされており、吸着塔1A,1Bに対するガスの出入りが遮断されている。ここで、吸着塔1A内は大気圧以上である一方、吸着塔1B内は大気圧以下であり、吸着塔1Aの塔内は吸着塔1B内の塔内よりも高圧となっている。そして、吸着塔1A,1Bに充填された吸着剤たるゼオライトは吸着速度が速く、所定の圧力下で数秒程度の短時間でほぼ吸着平衡に達する。このため、吸着塔1A,1Bのそれぞれの塔内の圧力は、ほぼ一定に維持される。これにより、ステップ3においては、PSA法によるガス分離操作が中断される。
ステップ3では、ルーツブロア2の運転は継続しており、吸着塔1A,1Bへの混合ガスの供給は遮断される一方、バイパスライン7に設けられた切換弁8は開いている。このため、ステップ2と同様にして、ルーツブロア2から送出される混合ガスは、バイパスライン7を介して再びルーツブロア2に吸入され、ライン5とバイパスライン7との間を循環する。したがって、ルーツブロア2からの混合ガスの吐出圧力が大気圧付近から上昇することはなく、吐出側と吸入側とがほぼ同圧となっている。
また、ステップ3では、真空ポンプ3の運転も継続しており、この真空ポンプ3から各吸着塔1A,1Bに通じる分岐ライン10a,10bに設けられた切換弁11a,11bが閉じていることから、吸着塔1A,1Bからの塔内ガスの吸入は遮断される。その一方、大気吸入ライン12に設けられた切換弁13は開いている。これにより、真空ポンプ3は、大気吸入ライン12を通じて大気を吸入し、真空ポンプ3による吸入圧力は大気圧程度に引き上げられる。したがって、真空ポンプ3の吐出側と吸入側とがほぼ同圧となっている。上記ステップ3は、例えば17秒間継続される。
ステップ4においては、切換弁6b,11a,17のみが開状態とされ、吸着塔1A,1Bでは均圧工程が行われている。より詳細には、吸着塔1Aでは減圧工程が行われ、吸着塔1Bでは昇圧工程が行われており、図3(d)に示すガス流れ状態とされている。
先のステップ3において吸着塔1Aの塔内が吸着塔1Bの塔内よりも高圧となっていたので、ステップ4では、ステップ2に引き続き、吸着塔1Aから製品酸素ガスを多く含むガス(残留製品酸素ガス)がライン16を介して吸着塔1Bに導入される。また、吸着塔1Bにおいては、ルーツブロア2によりライン5および分岐ライン5bを介してガス通過口1aから混合ガスが導入される。
ここで、吸着塔1Bの塔内は依然として大気圧以下であるので、切換弁8を開状態にしておくと、ルーツブロア2による混合ガスの強制供給のみならず、バイパスライン7を介しての自然供給も行われる。切換弁8を開状態にするときのガス流れを、図3(d)において破線で示している。
一方、吸着塔1Aにおいては、減圧により吸着剤から脱着した窒素が、真空ポンプ3によりガス通過口1aから導出され、分岐ライン10aおよびライン10を介して系外へ排出される。上記ステップ4は、例えば4秒間継続される。
ステップ5においては、切換弁6b,11aのみが開状態とされ、吸着塔1Aでは脱着工程が行われ、吸着塔1Bでは昇圧工程が行われており、図3(e)に示すガス流れ状態とされている。
吸着塔1Aでは、真空ポンプ3による窒素の減圧脱着が引き続き行われ、塔内のガスが分岐ライン10aおよびライン10を介して系外へ排出される。
吸着塔1Bでは、ルーツブロア2によりライン5および分岐ライン5bを介してガス通過口1aから混合ガスが導入される。この際、吸着塔1Bは依然として大気圧以下であるので、切換弁8を開状態にしておくと、ルーツブロア2による強制供給のみならず、バイパスライン7を介しての自然供給も行われる。上記ステップ5は、例えば4秒間継続され、その結果、吸着塔1Bは、例えば大気圧(101kPa)まで昇圧される。一方、吸着塔1Aの脱着はこのステップ5では完了しない。
以降のステップ6〜10では、図3(f)〜(j)に示したように、ステップ1〜5において吸着塔1Aについて行った操作を吸着塔1Bについて行い、吸着塔1Bについて行った操作を吸着塔1Aについて行う。
そして、以上のステップ1〜10からなるサイクルを各吸着塔1A,1Bにおいて繰り返し行うことにより、混合ガスから窒素が有意に除去された製品酸素ガスが連続的に取得される。なお、ステップ1〜10による1サイクルの時間(サイクルタイム)は、114秒である。
本実施形態の酸素の分離回収においては、PSA法によるガス分離操作の負荷が100%のサイクル中に中断工程(ステップ3および8)が挿入されており、当該中断工程において、各吸着塔1A,1Bに対するガスの出入りが遮断されている。そして、上述したように、中断工程においては、吸着塔1A,1Bのそれぞれの塔内の圧力はほぼ一定に維持されており、PSA法によるガス分離操作は中断する。したがって、中断工程を挿入することによりPSA法によるガス分離操作の負荷率を低減する場合においても、ガス分離操作の負荷が100%のときの最適化された操作条件にてPSAガス分離装置X1を運転することができ、その結果、単位酸素発生量あたりのガス分離操作に係る消費電力(電力原単位)の増加を抑制することができる。
また、中断工程では、ルーツブロア2についてはバイパスライン7を介して混合ガスを循環させることにより、真空ポンプ3については大気吸入ライン12を介して大気を吸入することにより、それぞれ、吐出側と吸入側とがほぼ同圧(大気圧程度)となる。容量式のルーツブロアは、その特性上、吐出側と吸入側との圧力差が小さくなるにつれて消費動力が小さくなる。したがって、中断工程においては、ルーツブロア2および真空ポンプ3は、アンロード運転(無負荷運転)となっている。このことは、PSA法によるガス分離操作の負荷率を低減する場合において、単位酸素発生量あたりのガス分離操作に係る消費電力の増加をより効果的に抑制するのに資する。
上述のように、中断工程では、各吸着塔1A,1Bの塔内圧はほぼ一定に維持され、PSA法によるガス分離操作が中断する。このため、中断工程については、ガス分離操作の負荷が100%のときのサイクルに対して、いずれのタイミングで挿入しても、中断工程以外の各工程の操作条件を変更する必要はない。したがって、中断工程は、例えば吸着工程の途中に組み込むことも可能である。
本実施形態では、図3を参照すると理解できるように、中断工程に係るステップ3,8は、真空ポンプ3よる減圧操作の対象となる吸着塔が切り替わる直前に行われる。中断工程がこのようなタイミングで挿入されると、各切換弁の操作回数を実質的に減らすことができ、切換弁の制御の簡素化および耐久性の向上を図ることができる。
ガス分離操作の負荷が100%のとき(以下、適宜「100%ロード」という)の製品酸素ガスの発生量(1サイクルあたりの酸素取得量)は、最適化された操作条件のもとで一定である。ここで、中断工程を挿入することによりPSA法によるガス分離操作の負荷率を低減する場合においても、中断工程以外の操作条件を上記最適化された操作条件と同一に固定することができる。そして、中断工程を挿入した場合における1サイクルあたりの酸素取得量は、100%ロードの1サイクルあたりの酸素取得量と同一となる。
100%ロードの酸素取得量に対して、要求される酸素取得量の比率(酸素取得比率)をA%(A<100)にするとき、中断工程(上記ステップ3,8)の継続時間Ta(ステップ3の継続時間とステップ8の継続時間との合計)は、ガス分離操作の負荷が100%のときのサイクルタイムをTbとすると、Ta=(100/A)×Tb−Tbにより算出することができる。
例えば、100%ロードのサイクルタイムを80秒とし、酸素取得比率を70%とすると、上記算出式より、中断工程の継続時間Taは、(100/70)×80−80=34(秒)となる。
上記算出式は、酸素取得比率に応じて、中断工程を含むサイクルタイムが逆比例することを意味する。これは、中断工程の有無に関わらず、ガス分離操作の操作条件を一定に固定することができ、1サイクルあたりの酸素取得量が同一であることから、酸素取得量を減少させる程度に応じてサイクルタイムを延長し、トータルでの貯留タンク4に対する製品酸素ガスの流入量と流出量とを一致させることに起因する。このように、本実施形態では、中断工程の継続時間Taは、酸素取得比率のみの単一因子によって適切に決定することができる。
また、中断工程を含む1サイクルを通じて、吸着塔1A,1Bから製品酸素ガスが断続的に導出されるが、貯留タンク4がバッファタンクとして機能することにより、貯留タンク4からは酸素取得比率に応じた一定の流量で製品酸素ガスを取得することができる。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る酸素の分離回収方法を実行するのに使用することができるPSAガス分離装置X2の概略構成を示している。なお、PSAガス分離装置X2において、上記したPSAガス分離装置X1と同一または類似の部材および部分には、同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
PSAガス分離装置X2は、ルーツブロア2に代えてターボブロア2’を備える点、およびこれにともなって種々の変更が施されている点において、上記したPSAガス分離装置X1と異なる。
ターボブロア2’は、混合ガスを吸着塔1A,1Bに送出するためのものであり、ライン5に設けられている。ターボブロア2’により、吸着工程における塔内の最高圧力は、例えば30kPaG以下程度とされる。
PSAガス分離装置X2においては、上記のPSAガス分離装置X1と異なり、バイパスライン7が設けられていない。その一方、開放端を有する大気放出ライン18がライン5に接続されている。大気放出ライン18は、ターボブロア2’から送出された混合ガスの一部を大気中に放出させるためのものであり、ターボブロア2’と吸着塔1A,1Bとの間に接続されている。大気放出ライン18には、開度調整可能な切換弁19が設けられている。
本発明の第2の実施形態に係る酸素の分離回収方法について、図5および図6を参照して説明する。本実施形態に係るPSA法によるガス分離において、各吸着塔1A,1Bでは、例えば図5に示す操作時間で各工程(ステップ)が行われ、ステップ1〜10を1サイクルとして、このようなサイクルが繰り返し行われる。図6は、各ステップにおけるPSAガス分離装置X2のガス流れを模式的に表したものである。
ステップ1においては、切換弁6a,11b,15aのみが開状態とされ、吸着塔1Aについては吸着工程が行われ、吸着塔1Bについては脱着工程が行われており、図6(a)に示すガス流れ状態とされている。
吸着塔1Aには、ターボブロア2’によりライン5および分岐ライン5aを介してガス通過口1aから混合ガスとしての空気が導入される。吸着塔1Aでは、吸着剤により窒素が選択的に吸着されて、製品酸素ガスがガス通過口1bから導出される。当該製品酸素ガスは、分岐ライン14aおよびライン14を介して貯留タンク4に送出される。貯留タンク4内の製品酸素ガスは、流量調整がなされたうえで取り出され、使用される。なお、ステップ1を含めたすべてのステップ1〜10において、貯留タンク4から製品酸素ガスが一定流量にて連続的に取得される。
吸着塔1Bは、先に脱着工程を行っており(図6(j)に示されるステップ10参照)、引き続き真空ポンプ3により塔内が減圧されて吸着剤から窒素が脱着され、塔内のガスがガス通過口1aを通じてオフガスとして塔外へ導出される。当該オフガスは、分岐ライン10b、ライン10を介して系外へ排出される。上記ステップ1は、例えば24秒間継続される。
ステップ2においては、切換弁6a,11b,15a,17のみが開状態とされ、吸着塔1Aでは吸着工程が行われ、吸着塔1Bでは脱着洗浄工程が行われており、図6(b)に示すガス流れ状態とされている。
吸着塔1Aでは、ステップ1に引き続き吸着工程が行われ、ガス通過口1bから導出された製品酸素ガスが貯留タンク4に送出される。また、ステップ2では、製品酸素ガスの一部がライン16を介して吸着塔1Bに導入される。一方、真空ポンプ3により、吸着塔1Bのガス通過口1aから塔内のガスが引き続き導出され、分岐ライン10b、ライン10を介して系外へ排出される。吸着塔1Aから吸着塔1Bに導入される製品酸素ガスは、吸着塔1B内の吸着剤を効果的に洗浄する。上記ステップ2は、例えば8秒間継続される。
ステップ3においては、切換弁13,19のみが開状態とされ、吸着塔1A,1Bについては中断工程が行われており、図6(c)に示すガス流れ状態とされている。
ステップ3では、切換弁6a,6b,11a,11b,15a,15b,17が閉状態とされており、吸着塔1A,1Bに対するガスの出入りが遮断されている。ここで、吸着塔1A内は大気圧以上である一方、吸着塔1B内は大気圧以下であり、吸着塔1Aの塔内は吸着塔1B内の塔内よりも高圧となっている。そして、吸着塔1A,1Bに充填された吸着剤たるゼオライトは吸着速度が速く、所定の圧力下で数秒程度の短時間でほぼ吸着平衡に達する。このため、吸着塔1A,1Bのそれぞれの塔内の圧力は、ほぼ一定に維持される。これにより、ステップ3においては、PSA法によるガス分離操作が中断される。
ステップ3では、ターボブロア2’の運転は継続しており、吸着塔1A,1Bへの混合ガスの供給は遮断される一方、大気放出ライン18に設けられた切換弁19は開いている。ここで、切換弁19は、全開状態にされずに、開度が比較的に小さくなるように調整される。このため、ターボブロア2’から送出される混合ガスは、大気放出ライン18を介して大気中に一部(少量)が放出される。このとき、ターボブロア2’における吐出圧力は特性上もっとも高くなっている。
また、ステップ3では、真空ポンプ3の運転も継続しており、この真空ポンプ3から各吸着塔1A,1Bに通じる分岐ライン10a,10bに設けられた切換弁11a,11bが閉じていることから、吸着塔1A,1Bからの塔内ガスの吸入は遮断される。その一方、大気吸入ライン12に設けられた切換弁13は開いている。これにより、真空ポンプ3は、大気吸入ライン12を通じて大気を吸入し、真空ポンプ3による吸入圧力は大気圧程度に引き上げられる。したがって、真空ポンプ3の吐出側と吸入側とがほぼ同圧となっている。上記ステップ3は、例えば17秒間継続される。
ステップ4においては、切換弁11a,17,19のみが開状態とされ、吸着塔1A,1Bでは均圧工程が行われている。より詳細には、吸着塔1Aでは減圧工程が行われ、吸着塔1Bでは昇圧工程が行われており、図6(d)に示すガス流れ状態とされている。
先のステップ3において吸着塔1Aの塔内が吸着塔1Bの塔内よりも高圧となっていたので、ステップ4では、吸着塔1Aから製品酸素ガスを多く含むガス(残留製品酸素ガス)がライン16を介して吸着塔1Bに導入される。また、吸着塔1Aにおいては、減圧により吸着剤から脱着した窒素が、真空ポンプ3によりガス通過口1aから導出され、分岐ライン10aおよびライン10を介して系外へ排出される。
また、ステップ4では、ターボブロア2’の運転は継続しており、このターボブロア2’から各吸着塔1A,1Bに通じる分岐ライン5a,5bに設けられた切換弁6a,6bが閉じていることから、吸着塔1A,1Bへの混合ガスの供給は遮断される。その一方、大気放出ライン18に設けられた切換弁19は開いている。ここで、切換弁19は、ステップ3のときと同様に、全開状態にされずに、開度が比較的に小さくなるように調整される。このため、ターボブロア2’から送出される混合ガスは、大気放出ライン18を介して大気中に一部(少量)が放出される。このとき、ステップ3と同様に、ターボブロア2’における吐出圧力は特性上もっとも高くなっている。上記ステップ4は、例えば4秒間継続される。
ステップ5においては、切換弁6b,11aのみが開状態とされ、吸着塔1Aでは脱着工程が行われ、吸着塔1Bでは昇圧工程が行われており、図6(e)に示すガス流れ状態とされている。
吸着塔1Aでは、真空ポンプ3による窒素の減圧脱着が引き続き行われ、塔内のガスが分岐ライン10bおよびライン10を介して系外へ排出される。吸着塔1Bでは、ターボブロア2’によりライン5および分岐ライン5bを介してガス通過口1aから混合ガスが導入される。上記ステップ5は、例えば4秒間継続され、その結果、吸着塔1Bは、例えば大気圧(101kPa)まで昇圧される。一方、吸着塔1Aの脱着はこのステップ5では完了しない。
以降のステップ6〜10では、図6(f)〜(j)に示したように、ステップ1〜5において吸着塔1Aについて行った操作を吸着塔1Bについて行い、吸着塔1Bについて行った操作を吸着塔1Aについて行う。
そして、以上のステップ1〜10からなるサイクルを各吸着塔1A,1Bにおいて繰り返し行うことにより、混合ガスから窒素が有意に除去された製品酸素ガスが連続的に取得される。なお、ステップ1〜10による1サイクルの時間(サイクルタイム)は、114秒である。
本実施形態の酸素の分離回収においては、PSA法によるガス分離操作の負荷が100%のサイクル中に中断工程(ステップ3および8)が挿入されており、当該中断工程において、各吸着塔1A,1Bに対するガスの出入りが遮断されている。そして、上述したように、中断工程においては、吸着塔1A,1Bのそれぞれの塔内の圧力はほぼ一定に維持されており、PSA法によるガス分離操作は中断する。したがって、中断工程を挿入することによりPSA法によるガス分離操作の負荷率を低減する場合においても、ガス分離操作の負荷が100%のときの最適化された操作条件にてPSAガス分離装置X2を運転することができ、その結果、単位酸素発生量あたりのガス分離操作に係る消費電力(電力原単位)の増加を抑制することができる。
また、中断工程(ステップ3および8)と均圧工程(ステップ4および9)では、ターボブロア2’から送出される混合ガスの一部少量が大気放出ライン18を介して大気中に放出される。ターボブロア2’においては、ガス流量を減少させると消費動力が減少する一方、締め切り運転をした場合には、圧縮熱の発生による蓄熱の問題や、サージング現象と称される機械的振動による破損の虞が生じる。本実施形態では、このようなターボブロア2’の特性を考慮して、大気放出ライン18に設けられた切換弁19の開度を調整して、大気中に放出させるガス量を絞っている。中断工程ではまた、真空ポンプ3については大気吸入ライン12を介して大気を吸入することにより、吐出側と吸入側とがほぼ同圧(大気圧程度)となる。したがって、真空ポンプ3は、アンロード運転(無負荷運転)となっている。このような中断工程におけるターボブロア2’および真空ポンプ3の運転条件は、PSA法によるガス分離操作の負荷率を低減する場合において、単位酸素発生量あたりのガス分離操作に係る消費電力(電力原単位)の増加を適切に抑制するのに資する。
本実施形態において得られる他の利点は、第1の実施形態に係る酸素の分離回収方法について上述したのと同様であるので、その説明を省略する。
上記した第1および第2の実施形態においては、ガス分離操作における混合ガスを送出するためのブロアとして、ルーツブロア2とターボブロア2’とを挙げている。ルーツブロア2は、吸着圧力を40〜50kPaG程度の比較的高い圧力で操作する場合に好適に使用され、ターボブロア2’は、吸着圧力を30kPaG以下程度の比較的低い圧力で操作する場合に好適に使用される。そして、ルーツブロア2およびターボブロア2’の特性を考慮して、ルーツブロア2を使用する第1の実施形態では、吸着塔1A,1Bへの混合ガスの供給が遮断される、中断工程(ステップ3,8)を含むステップ(ステップ2,3,7,8)において、ルーツブロア2から送出された混合ガスを再びルーツブロア2に吸入されるように循環させており、ターボブロア2’を使用する第2の実施形態では、吸着塔1A,1Bへの混合ガスの供給が遮断される、中断工程(ステップ3,8)を含むステップ(ステップ3,4,8,9)においてターボブロア2’から送出された混合ガスの一部を大気中に放出させる。
上記第1および第2の実施形態においては、中断工程にてルーツブロア2およびターボブロア2’の運転を継続していたが、これに代えて、中断工程にてルーツブロア2やターボブロア2’の運転を停止してもよい。ただし、ルーツブロア2およびターボブロア2’は、電源のオン−オフによって回転機械の動作が迅速に追従しないので、中断工程においてルーツブロア2やターボブロア2’の運転を停止すると100%ロード時の適正な操作条件から逸脱する虞があり、かかる点を考慮する必要がある。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、PSA法により各吸着塔1A,1Bにて繰り返し行われる、複数工程からなるサイクルについては、上記実施形態に限定されず、吸着工程と脱着工程と中断工程とを含むサイクルであれば、適宜変更可能である。
また、本発明に係る目的ガスの分離回収方法は、上記実施形態のような酸素を濃縮分離する酸素PSAへの適用に限定されず、他のガス成分を目的ガスとするPSA法によるガス分離に適用してもよい。
次に、本発明の有用性を実施例および比較例により説明する。
〔実施例1〕
本実施例では、図1に示したPSAガス分離装置X1を用いて、上記第1の実施形態において説明した各工程からなる酸素の分離回収方法により、以下に示す条件下で、混合ガスとしての空気から酸素を分離回収した。
吸着塔1A,1Bとしては、直径が2,900mm、吸着剤充填高さが1,500mmの円筒型のものを用い、各吸着塔1A,1Bには、吸着剤としてLiX型ゼオライト(商品名:NSA−100,東ソー(株)製)を充填した。ルーツブロア2は吸着圧力(最高圧力)が40kPaG、真空ポンプ3は脱着圧力(最低圧力)が−67kPaGとなるようにして、100%ロードで操作時間が1サイクルを40秒×2=80秒とし、酸素取得量が100%濃度換算で792Nm3/hとなる操作条件に対し、中断工程を17×2=34秒間挿入して1サイクルを114秒とするとともに、酸素取得比率が100%ロード時の70%となるように貯留タンク4からのガス流量を絞り、図2および図3に示すステップに従ってガス分離操作を行った。
その結果、貯留タンク4から100%濃度換算で555Nm3/hの製品酸素ガスが取得でき、100%濃度換算の酸素1Nm3/hあたりの消費電力(電力原単位)は0.398kw/Nm3となった。
〔比較例1〕
本比較例では、上記実施例1に対し、中断工程を有さない100%ロードの操作条件でガス分離操作を行った結果、酸素取得量が100%濃度換算で792Nm3/hのとき、100%濃度換算の酸素1Nm3/hあたりの消費電力は0.35kw/Nm3となった。
次に、酸素取得比率が100%ロード時の70%(100%濃度換算で555Nm3/h)となるように貯留タンク4からのガス流量を絞った。その結果、100%濃度換算の酸素1Nm3/hあたりの消費電力(電力原単位)は0.50kw/Nm3となった。
〔実施例2〕
本実施例では、図4に示したPSAガス分離装置X2を用いて、上記第2の実施形態において説明した各工程からなる酸素の分離回収方法により、以下に示す条件下で、混合ガスとしての空気から酸素を分離回収した。
吸着塔1A,1Bとしては、直径が2,900mm、吸着剤充填高さが1,500mmの円筒型のものを用い、各吸着塔1A,1Bには、吸着剤としてLiX型ゼオライト(商品名:NSA−100,東ソー(株)製)を充填した。ターボブロア2’は吸着圧力(最高圧力)が20kPaG、真空ポンプ3は脱着圧力(最低圧力)が−69kPaGとなるようにして、100%ロードで操作時間が1サイクルを40秒×2=80秒とし、酸素取得量が100%濃度換算で652Nm3/hとなる操作条件に対し、中断工程を17×2=34秒間挿入して1サイクルを114秒とするとともに、酸素取得比率が100%ロード時の70%となるように貯留タンク4からのガス流量を絞り、図5および図6に示すステップに従ってガス分離操作を行った。
その結果、貯留タンク4から100%濃度換算で456Nm3/hの製品酸素ガスが取得でき、100%濃度換算の酸素1Nm3/hあたりの消費電力(電力原単位)は0.371kw/Nm3となった。
〔比較例2〕
本比較例では、上記実施例2に対し、中断工程を有さない100%ロードの操作条件でガス分離操作を行った結果、酸素取得量が100%濃度換算で652Nm3/hのとき、100%濃度換算の酸素1Nm3/hあたりの消費電力は0.35kw/Nm3となった。
次に、酸素取得比率が100%ロード時の70%(100%濃度換算で456Nm3/h)となるように貯留タンク4からのガス流量を絞った。その結果、100%濃度換算の酸素1Nm3/hあたりの消費電力(電力原単位)は0.50kw/Nm3となった。
上記の実施例1および比較例1並びに実施例2および比較例2を、それぞれ比較すると理解できるように、酸素取得比率を100%ロード時の70%に低下させる場合、中断工程を挿入する実施例1,2においては、電力原単位の増加を大幅に抑制することができた。
X1,X2 PSAガス分離装置
1A,1B 吸着塔
1a,1b ガス通過口
2 ルーツブロア(ブロア)
2’ ターボブロア(ブロア)
3 真空ポンプ
4 貯留タンク
5,10,14,16 ライン
5a,5b,10a,10b,14a,14b 分岐ライン
6a,6b,8,11a,11b,13,15a,15b,19 切換弁
7 バイパスライン
9 クーラ
12 大気吸入ライン
18 大気放出ライン

Claims (3)

  1. 目的ガスおよび不要ガスを含む混合ガスから、上記不要ガスを選択的に吸着する吸着剤が充填された2つの吸着塔を用いて行う圧力変動吸着法により、上記目的ガスが富化された製品ガスを分離回収する方法であって、
    ブロアにより上記吸着塔に混合ガスを導入して当該混合ガス中の上記不要ガスを上記吸着剤に吸着させ、当該吸着塔から上記製品ガスを導出して当該製品ガスを貯留するための貯留タンクへ送り出す吸着工程と、真空ポンプにより上記吸着塔を減圧して上記吸着剤から上記不要ガスを脱着させ、当該吸着塔からガスを導出する脱着工程と、上記各吸着塔に対するガスの出入りを遮断する中断工程とを含むサイクルを上記各吸着塔で繰り返し行い、当該サイクルを通じて上記貯留タンクから上記製品ガスを連続的に取得し、
    上記中断工程では、上記ブロアについては、当該ブロアの運転を継続しつつ当該ブロアを経た上記混合ガスを上記ブロアに流入するように循環させるか、または上記ブロアを経た上記混合ガスを大気中に放出し、上記真空ポンプについては、当該真空ポンプの運転を継続しつつ、当該真空ポンプにより大気を吸入するようにし
    上記中断工程は、吸着工程後の一方の吸着塔を減圧して生じるガスを脱着工程後の他方の吸着塔に導入して脱着洗浄を行うステップ後であって、上記一方の吸着塔をさらに減圧して生じるガスを前記他方の吸着塔に導入して昇圧を行う均圧ステップの前に挿入し、中断工程の前に脱着洗浄を受けた上記他方の吸着塔に接続されていた上記真空ポンプを中断工程の後においては上記均圧ステップで減圧を受けた上記一方の吸着塔に接続するように切り替える、目的ガスの分離回収方法。
  2. 上記目的ガスは酸素であり、上記不要ガスは窒素である、請求項1に記載の目的ガスの分離回収方法。
  3. 上記サイクルにおける上記中断工程の継続時間Taの算出は、上記中断工程を有さない、ガス分離操作の負荷が100%のときのサイクルタイムをTb、ガス分離操作の負荷が100%のときの上記目的ガスの取得量に対する上記目的ガスの取得比率をA%とした場合に、計算式Ta=(100/A)×Tb−Tbにより行う、請求項1または2に記載の目的ガスの分離回収方法。
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