JP4672823B2 - 音声データ選択方法、音声出力装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声データによるプログラム(例えば楽曲)を出力(例えば再生出力)することのできる音声出力装置、及び再生出力等のための音声データ選択方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば複数のプログラム(以下、プログラムとして楽曲データの例で述べていく)を再生出力可能な再生装置では、通常、ユーザーが再生させたい楽曲を選択できるようにされる。
例えばCD(COMPACT DISC)プレーヤやMD(MINI DISC)プレーヤでは、装填されているディスク内に収録されている楽曲について、ユーザーはトラックナンバを指定することで所望の楽曲を再生させることができる。
また比較的大型の表示部を備えた場合や、パーソナルコンピュータ等に接続してそのモニタ画面を利用できる場合などは、再生可能な楽曲を曲名やアイコン等で一覧表示させ、ユーザーがその一覧表示上で楽曲の選択をできるものも開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、再生装置として表示部が小さく一覧表示ができない機器の場合や、ユーザーが収録されている各楽曲のナンバ(トラックナンバ)がわからず、所望の楽曲をダイレクトに選択できない場合は、面倒な選択操作が必要になる。
即ち、ユーザーは例えば楽曲の頭出し再生操作などを行いながら1曲づつその曲頭部分などを聴いていき、目的の曲であるか否かを判断していくという煩雑かつ時間のかかる操作が必要になってしまう。
【0004】
なお据置型の再生装置では、比較的多数の操作キーを配置できるため、例えば数字キーを用意して上記のようなトラックナンバを直接入力して選曲することも可能となるが、携帯用の小型の再生装置の場合はキー数の削減という観点やスペースの制約などから数字キーを用意することは困難であり、上記のような1曲づつ聴きながら所望の曲を探していくという操作を行わざるを得ない。
また選択の容易性実現には上記のように表示部を有効利用することが通常考えられるが、小型軽量化や省電力という要望がある場合は表示部を利用する選択手法は適切とはいえない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような事情に応じたものであり、基本的には表示を利用しないで、かつ最小限の操作子を必要とするのみで、ユーザーが聴覚によって曲等の音声プログラムの内容を判別し、容易にプログラム選択を行うことができるようにすることを目的とする。
【0006】
このために、複数の再生用音声データが出力可能なソース(例えばメモリ、ディスク、チューナ等)から出力することのできる音声出力装置(例えば再生装置)において、各再生用音声データの一部を選択用音声データとする。そして少なくとも2チャンネル以上の音声出力系から、選択候補とされる複数の選択用音声データを、互いに異なる定位に音声出力させる。そして出力されている選択用音声データの中から決定操作によって指定された選択用音声データに対応する再生用音声データが選択決定され、選択決定された再生用音声データを再生される。つまりユーザーには、同時に複数の選択用音声データを異なる定位、例えば左、センター、右として聞き分けることができるようにし、その中で所望の再生用音声データを選択できるようにする。そして、異なる定位で音声出力させている選択用音声データの中で、特定の音像位置に定位されている選択用音声データが、前記選択中の選択用音声データとされるようにする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態としての再生装置について説明していく。なお説明上、再生出力されるプログラムとは1つの楽曲データで或る例とし、また選択動作の際に各プログラムに対応して出力される選択用音声データを「イヤコン」と呼ぶこととする。説明は次の順序で行ない、特に「1.再生装置の構成」「2.曲選択動作」において1つの実施の形態としての再生装置及びそれに採用されているプログラム選択方法を説明した後、「3.再生装置の構成の他の例」〜「11.他の各種変形例」までで、各種部位の変形例を述べていく。
1.再生装置の構成
2.曲選択動作
3.再生装置の構成の他の例
4.イヤコンデータの他の例
5.イヤコンをポインタデータで設定する例
6.記憶形態の他の例
7.イヤコンの出力定位例
8.選択中のイヤコンの識別例
9.選択操作/出力イヤコンの他の例
10.表示部の他の例
11.他の各種変形例
【0008】
1.再生装置の構成
図1に再生装置の構成例を示す。
この再生装置はマイクロコンピュータによって形成されたコントローラ1により全体の動作が制御される。
操作部11としてはユーザーが操作する各種の操作子(キーやダイヤル)が用意されている。例えば再生、録音、停止、サーチ、動作モード切換などのための操作子が用意される。また後述するプログラム選択(以下、曲選択ともいう)のために選択操作(選択候補や選択中の曲の切換操作)や決定操作(候補の中で選択中の曲を選択決定する操作)が可能とされる。
【0009】
コントローラ1は操作部11から入力されるユーザーの操作や、ROM2に保持している動作プログラムに応じて、各部に対して所要の制御を行うことになる。また、再生装置で実行している動作に応じて、例えば液晶パネルなどで小型に形成されている表示部10における表示動作を制御する。
【0010】
記憶部3は、例えばフラッシュメモリなどの固体メモリや、或いはハードディスクドライブ(HDD)などにより構成される。この例の場合は、記憶部3には楽曲データや、各楽曲に対応するイヤコンとしてのデータが格納されるものとしており、従ってこの再生装置は記憶部3に記憶された楽曲やイヤコンを再生出力できるものとされる。
【0011】
演算処理部4は例えばDSP(DIGITAL SIGNAL PROCESSER)により構成され、各種の信号処理を行う。例えば記憶部3へ格納する楽曲データについての圧縮や所定のエンコード処理、記憶部3から読み出した楽曲データの伸長や所定のデコード処理を行う。また、後述するイヤコン生成のための処理や、複数のイヤコンデータを同時出力する場合の各データの定位や音量(音圧レベル)調整、合成処理なども実行する。なおバッファメモリ13は、例えば複数のイヤコンデータの出力のための合成処理の際などに演算処理部4が一時的にデータを格納する部位として用いられる。
【0012】
記憶部3に格納される楽曲データは、アナログ音声入力部5又はデジタル音声入力部7から入力することができる。
アナログ音声信号が入力された場合は、アナログ音声入力部5で入力ゲイン調整や等が行われた後、A/D変換器6でデジタルデータ化され、演算処理部4に供給される。そして所定の圧縮エンコード等が行われ、記憶部3に格納(録音)される。
またデジタル音声信号が入力された場合は、そのデジタルデータがデジタル音声入力部7から演算処理部4に供給され、所定の圧縮エンコード等が行われて記憶部3に格納(録音)される。
【0013】
記憶部3から読み出された音声データは、演算処理部4でデコードされた後、D/A変換器8でアナログ音声信号(L、Rの2チャンネルステレオ)とされ、ステレオ音声出力処理部9でアナログ系の処理、例えば増幅、マスターレベル調整、イコライジング処理等がおこなわれ、再生音声信号として出力される。例えばヘッドホン、スピーカなどに供給され、ステレオ音声として再生出力される。もしくはラインアウトとして他の機器に供給されることもある。
【0014】
2.曲選択動作
このような再生装置において、ユーザーは記憶部3に楽曲を録音しておくことで、その中から再生させたい曲を選んで再生出力させることができる。例えばCDプレーヤやMDプレーヤ、その他の音源となる機器を接続してアナログ音声入力部5もしくはデジタル音声入力部7に音声信号を供給することで、記憶部3に楽曲データを格納できる。
そして、記憶部3に格納されている楽曲データについては、ユーザーはイヤコンとしての再生音声を聞きながら、操作部11での選択操作、決定操作を行うことで、再生させたい所望の曲を探し、選択決定できる。
【0015】
まず、記憶部3に格納される楽曲データ及びイヤコンデータは例えば図2のようになる。
例えば図2(a)のように複数の楽曲データM1、M2、M3・・・・が格納されるとすると、各楽曲データM1、M2、M3・・・にそれぞれ対応してイヤコンデータEM1、EM2、EM3・・・が生成され格納される。つまり記憶部3内で図2(b)のように楽曲データとイヤコンデータが対応されて管理される状態となる。
ここで、イヤコンデータEM1、EM2、EM3・・・は、図2(a)のように、対応する楽曲データM1、M2、M3・・・の一部分を抽出したデータとされている。即ち各楽曲の特徴となるような部分として、いわゆる曲のサビの部分や、主たるメロディの部分などが抽出されてイヤコンデータとされる。
【0016】
このように複数の楽曲及びイヤコンが格納されている状態で、再生させる楽曲の選択を行う場合には、再生出力可能な曲(つまり記憶部3に格納された全楽曲)のうち所定数づつが順次選択候補とされて、そのイヤコンデータがステレオ音像空間内で異なる定位にいて同時出力される。
本例では、同時再生数を3とし、つまり3つの曲のイヤコンデータを、左、センター、右という3つの定位でそれぞれ出力する。左右のステレオスピーカもしくはステレオヘッドホンで聴いているユーザーにとっては、図3に音像空間を模式的に示すように、ユーザー位置「U」に対して○で示す左、センター、右という3つの位置から異なる楽曲が聞こえてくることになる。
【0017】
さらに、3つのイヤコンのうち、1つのイヤコンを「選択中」としてユーザーに容易に認識させるために、例えばセンターに位置しているイヤコンの音声出力の音圧レベルを左右のそれに対して相対的に大きなものとする。「選択中」とは、いわゆる表示上でのカーソル位置のような意味合いであり、つまりその時点で決定操作を行うことで、選択が確定する状態にあるもののことをいっている。
図4は○の大きさを音圧レベルとして示しているが、センター定位するイヤコン音声を最も大きくすることで、ユーザーにとっては、破線の○で示すようにセンター定位の音声が左右の音声よりも近い位置で際だってはっきり聞こえることになり、例えばこの時点で決定操作を行うことで、その最もはっきり聞こえている楽曲が選択されるということを容易に認識できる。
【0018】
また、このように3つのイヤコンを同時再生すると、その時点では選択可能な候補が3つの曲しかないことになるが、もちろん記憶部3に格納されている楽曲データは3曲に限られないため、より多数の曲を選択候補とする必要がある。そこで本例では、ユーザーの選択操作に応じて、選択候補となる3つの楽曲(イヤコン)がスクロールされていくように切り換えられるとともに、選択中のイヤコンが切り換えられていくようにしている。
この選択操作に応じた出力切換を図5で説明する。
【0019】
例えば記憶部3に10曲分の楽曲データ及びイヤコンが格納されていると仮定する。
まず曲選択が開始される最初の時点では、選択状態SL1として示すように、楽曲M1、M2についてのイヤコンEM1,EM2が同時に出力される。そしてこの状態では楽曲M1についてのイヤコンEM1が選択中となるように、イヤコンEM1がセンター定位、イヤコンEM2が右定位とされるとともに、イヤコンEM1の方が音圧レベルが高いものとされる。
この状態でもしユーザーが選択中であるイヤコンEM1が所望の曲であるとして決定操作を行ったら、曲M1の選択が確定し、曲M1の再生動作に移ることになる。
【0020】
ところがイヤコンEM1が所望の曲でないときは、ユーザーは選択操作を行うことになり、するとイヤコン再生出力は選択状態SL2に移行する。即ち選択候補として楽曲M1、M2、M3についてのイヤコンEM1,EM2、EM3が同時に出力される。そしてこの状態では楽曲M2についてのイヤコンEM2が選択中となるように、イヤコンEM1が左定位、イヤコンEM2がセンター定位、イヤコンEM3が右定位とされるとともに、イヤコンEM2が他のイヤコンより音圧レベルが高いものとされる。
この状態でもしユーザーが決定操作を行ったら、曲M2(イヤコンEM2)の選択が確定し、曲M2の再生動作に移ることになる。
【0021】
また、選択状態SL2からさらにユーザーが選択操作を行なったら、イヤコン再生出力は選択状態SL3に移行する。即ち選択候補として楽曲M2、M3、M4についてのイヤコンEM2、EM3、EM4が同時に出力される。そしてこの状態ではイヤコンEM3が選択中となるように、イヤコンEM2が左定位、イヤコンEM3がセンター定位、イヤコンEM4が右定位とされるとともに、イヤコンEM3が他のイヤコンより音圧レベルが高いものとされる。
この状態でもしユーザーが決定操作を行ったら、曲M3(イヤコンEM3)の選択が確定し、曲M3の再生動作に移ることになる。
【0022】
つまり、以下同様に選択操作により図示する選択状態SL1〜SL10が切り換えられていくことで、ユーザーは各曲のイヤコンを順次選択中としていくことができ、所望の楽曲(イヤコン)が選択中となった時点で決定操作を行うことである曲の選択が確定される。
また、選択状態SL1〜SL10が切り換えられていくことに応じて選択候補、即ち出力されるイヤコンは1つづつ更新されていくことになり、ユーザーにとっては音像空間内で各曲が右から左に順次スクロールしていくように感じられることになる。
さらに選択中のイヤコンを中心として前後の曲が左右で聞こえる、つまり同時に3曲を確認できるため、所望の曲を探す操作が効率的に実行できる。
【0023】
そしてこのような選曲操作を実現するためには図5(b)に示すようにユーザーの操作のために再生装置は選択操作キーと決定操作キーを用意すればよいものとなる。
なお選択操作キーは、1つのキーとして設け、その操作に応じて選択状態SL1→SL2→SL3→・・・・SL10→SL1→・・・というように切り換えられていくようにしてもよいし、選択状態を図5(a)における上下方向に移行させることができるようにアップ/ダウンキーとして形成してもよい。
また決定操作キーは、独立したキーとして設けてもよいし、例えば再生キーを兼用してもよい。但し、後述するが、上記のような曲選択が、再生させる曲の選択以外の目的のためにも実行できるようにする場合は、再生キーとの兼用ではなく、独立したキーとして決定操作キーを設けることが好適である。
【0024】
なお、イヤコンデータは図2に示したように楽曲の一部であり演奏時間長としては短いデータである。例えば各イヤコンは10秒程度の演奏時間のデータとして設定される。このため、或る選択状態(SL1〜SL10)が、ユーザーの選択操作又は決定操作を待機していて10秒程度以上継続される場合などは、各イヤコンは繰り返し再生されることになる。
【0025】
ところで本例の再生装置では表示部10を有し、これによって楽曲の選択動作の際に補助的な表示を実行してユーザーにわかりやすい選択操作を提供できる。
例えば本例の再生装置を、図6(a)に示すような携帯用の小型の機器とし、いわゆるヘッドホンリモコンと呼ばれているようなヘッドホン30のコード上の所定位置に表示部10を備えたリモコン部20が形成されているとする。
このリモコン部20を図6(b)に示すが、例えば操作部11に相当する各種キーとして、再生/ポーズキー21、停止キー22、サーチキー23,24や、上記選択操作キーに相当するアップ/ダウンキー25、上記決定操作キーに相当するエンターキー26などが設けられる。そして表示部10となる小型の液晶モニタが配されている。
【0026】
このような小型の表示部10であっても、例えば図7のような表示を行うことでユーザーの選択操作のガイドを行うことができる。
即ちイヤコンの再生が図5の選択状態SL1とされている場合は図7(a)のように1曲目、2曲目がセンター及び右に定位されていることを示すとともに、センターを例えば点滅させて、1曲目が選択中の状態にあることを提示する。また選択状態SL2の際には図7(b)のように1曲目、2曲目、3曲目が左、センター、右に定位されていることを示すとともに、センターを点滅させて、2曲目が選択中の状態にあることを提示する。同様に選択状態SL3の際には図7(c)のような表示を行う。
このようなガイドを行うことで、ユーザーは必要に応じて表示を確認しながら、選択操作を進めることができる。
【0027】
以上のような曲選択動作を実現するためのコントローラ1の各種処理を、図8〜図11で説明する。
【0028】
まず図8でイヤコンを生成するための処理を説明する。
イヤコンは、例えば楽曲データの記録時、即ちユーザーがアナログ音声入力部5又はデジタル音声入力部7から音声信号を入力して記憶部3に格納させる際に同時に生成したり、或いは記録後の所定の時点で、記憶部3に格納されている楽曲データ(まだ対応するイヤコンが生成されていない楽曲データ)に対して処理を行ってイヤコンを生成することが考えられる。
また、演算処理部4の処理性能が高く、或る程度以上の高速処理が可能であれば、予めイヤコンを生成しておくのではなく、楽曲選択のためにイヤコンを出力する際にそのイヤコンを生成するようにしてもよい。
【0029】
ここでは、楽曲データの記憶部3への録音と同時に、又は記憶部への録音が完了した直後もしくは或る程度後の時点で、イヤコンを生成するとして述べていく。つまり、あくまで楽曲選択動作が実行される時点では、既にイヤコンが生成され記憶部3に図2に示したように格納されているものとする場合である。なお入力された楽曲データを記憶部3へ録音していく際に同時にイヤコンを生成する場合は、演算処理部4では、楽曲データの録音のための処理、即ち圧縮エンコードや記憶部3への転送処理と並行して図8の制御によって指示される処理が行われることになる。
【0030】
コントローラ1は録音のために入力された楽曲データ(もしくは記憶部3への録音を完了した楽曲データ)に対して、図8の処理を行って演算処理部4にイヤコンを生成させる。
本例では、図2に示したように楽曲内の特徴的な部分(サビなど)を抽出してイヤコンとするために、まずステップF101では、その特徴部分抽出のためのパラメータを設定する。
【0031】
特徴的な部分の抽出のためには多様な方法があるが、例えばサビなど曲の中で最も盛り上がる部分とする場合は、平均音圧や周波数スペクトルに基づく抽出方法が考えられる。即ち音圧の大きくなった部位や、高域周波数成分が多くなった部位が、曲中で最も特徴的な部分であるとする。
そこでステップF101では平均音圧と周波数スペクトル、及び必要なしきい値等をパラメータとし、ステップF102で対象となる楽曲データについて平均音圧とその時間変化、及び周波数スペクトルとその時間変化を検出していくスキャンを実行する。
【0032】
このスキャン結果により、平均音圧が或るしきい値を越えた部分がある時間以上継続したこと、及び周波数スペクトルとして或る特徴(例えば高域シフト傾向)が所定時間以上継続しことが認められたら、その部分を特徴部分として認識する。
【0033】
なお、楽曲データの入力と同時にイヤコン生成する場合は、その入力されてくる楽曲データに対してスキャンを行うことになり、また、既に記憶部3に記憶された楽曲データに対してイヤコンを生成する場合は、例えば記憶部3から一旦楽曲データを読み出してバッファメモリ13に格納しながらスキャンを行うことなどが考えられる。
【0034】
このような特徴部分が抽出できるまで、もしくはその楽曲データが終了するまで、ステップF103,F104のループでスキャンを続ける。
そして或る時点で特徴部分が抽出できたら、ステップF103からF105に進み、抽出したデータ部分、つまりステレオ音声データである楽曲データの一部を、モノラルデータに変換し、さらにステップF106で圧縮処理を行う。なお既に記憶部3に記憶された圧縮データからデータ抽出を行った場合は、ステップF106の処理は不要となる。
【0035】
モノラル変換、圧縮処理が完了したら、ステップF107で、それをイヤコンデータとして記憶部3に記憶させ、これによって1つの楽曲データに対応するイヤコンが生成されたことになる。
このようなイヤコン生成処理は、入力されてくる楽曲データ毎、もしくは記憶部3に格納されている楽曲データ毎に実行されることになる。
【0036】
ところで多様な楽曲を考えると、ステップF104でスキャン終了となっても特徴部分が抽出できないこともあり得る。そこでその様な場合はステップF101に戻ってパラメータを更新する。即ち特徴部分に相当すると判断する条件を変化させる。例えばしきい値を下げたり、音圧パラメータのみを有効とするなどして条件を変化させる。そしてステップF102から再度スキャンを開始することになる。
【0037】
以上の図8のようなイヤコン抽出処理は一例であり、他にも処理例や処理タイミングは各種考えられる。
また、イヤコン生成のための特徴部分は、ユーザーが曲中の任意の位置を指定できるようにしてもよい。
【0038】
例えばこのようにしてイヤコンが生成され、図2のような記憶状態となったら、その後はイヤコンを用いた曲選択動作が実行できる。
再生する曲の選択のためのユーザーの操作に対応する処理を図9に示す。
図9はユーザーの選択操作(例えばアップ/ダウンキー25の操作)又は決定操作(例えばエンターキー26又は再生キー21の操作)を監視する処理を示しており、コントローラ1はステップF201,F202,F203のループでこれらのユーザー操作を監視している。
そしてユーザーが選択操作を行ったらステップF204で選択出力処理、即ち図5で説明した或る選択状態でのイヤコンデータの出力制御を行う。
またユーザーが決定操作(又は再生操作)を行ったら、ステップF205に進んで再生動作を実行すべく制御を行うことになる。
【0039】
ステップF204として行われる選択出力処理は、図10に示される処理となる。
まずステップF301で、選択のための同時再生を行う曲(この場合はイヤコン)を設定する。例えば最初に選択操作が行われた時点であれば、図5の選択状態SL1を実現するために、ここではイヤコンEM1,EM2を同時再生曲(選択候補)として設定する。
また、選択状態SL1にあるときに再度ユーザーが選択操作を行って図9のステップF204に進んだ場合は、図10のステップF301で、選択状態SL2を実現するためにイヤコンEM1,EM2,EM3を同時再生曲として設定することになる。
【0040】
選択候補となる同時再生曲を設定したら、ステップF302で設定された各イヤコンが記憶部3に存在するか否かを確認する。そして選択候補とすべき楽曲のなかで対応するイヤコンが存在しないものがあれば、ステップF303でイヤコン生成処理を行う。即ち上述した図8の処理を行ってイヤコンを生成する。
【0041】
ただし上述のように楽曲データの記憶時に同時にイヤコンが生成されるのであれば、ステップF302の時点でイヤコンデータは存在するはずであるため、必ずしもこのステップF302,F303のような処理は必要ない。一方、上述したように演算処理部4の処理能力が高ければ、イヤコンは予め生成しておくものではなく選択出力時に生成するものとしてもよい。その様な場合は、選択候補が設定された後にステップF303で必要なイヤコンが生成されることになる。
【0042】
必要なイヤコンが揃ったら、ステップF304で記憶部3からイヤコンを読み出し、例えばバッファメモリ13に格納しながらステップF305で音情報成形処理を実行するように演算処理部4に対して指示する。このステップF304,F305の処理を、選択候補となった各イヤコン(例えば選択状態SL1の出力の場合は、EM1,EM2、選択状態SL5の出力の場合はEM4、EM5、EM6)に対して実行する。
【0043】
音情報成形とは次のような処理となる。
まず原曲の特徴を損なわない範囲で、イヤコンデータの定位に寄与しない高域と低域の周波数成分をカット又は減少させるフィルタリング処理が行われる。
またイヤコンデータの演奏時間が、予め設定した一定時間になるように時間軸での圧縮又はカットを行うという時間軸方向の処理が行われる。但し、予めイヤコンが一定の演奏時間のデータとして生成されている場合は必要ない。
さらに音圧に関する処理がある。これは3つ(又は2つ)のイヤコンを同時出力することに際して、合成された音声データの音圧がユーザーにとって過度の音圧レベルにならないようにするための処理であり、このため各イヤコンデータのレベルを所定レベル減衰させる処理を行う。
またピーク音圧が規格値を越えないように各イヤコンデータのリミッタ制御も行うことになる。
また、イヤコンデータ内に無音部分が生じている場合は、その部分をカットするということを行ってもよい。
【0044】
以上のような各イヤコンデータの読出及び音情報成形が行われ、同時出力するイヤコンデータが揃ったら(例えば音情報成形された2つ又は3つのイヤコンデータがバッファメモリ13に格納された状態となったら)、ステップF306からF307に進み、立体音像合成処理を行う。
立体音像合成処理とは、即ち複数のイヤコン(モノラルデータ)をステレオ音像空間内でそれぞれ異なる定位となるようにして合成する処理である。
例えば各イヤコンデータに対して所要の位相差パラメータ、レベル差パラメータを用いて合成処理を行う。
【0045】
特に本例の場合は、定位として3つのイヤコンを左、センター、右に振り分けること、及びセンター定位の音声が最も高い音圧レベルとなることを実現するための合成処理となる。従って、具体的には、まず音圧レベルに関しては、センター定位すべきイヤコンについては増加させ、左右に定位するイヤコンに関しては減衰させる。
また、定位に関しては、例えばL/R2チャンネルステレオの出力系統に対して、センター定位のイヤコンはL:R=5:5、右定位のイヤコンはL:R=2:8、左定位のイヤコンはL:R=8:2という各音量バランスを与えることで定位を確定させる。
そしてその様に処理した各イヤコンデータを合成し、L、R2チャンネルのステレオ音声出力データとする。このように合成処理により生成されたイヤコン合成データは例えばバッファメモリ13に格納する。以上の処理で、例えば図5の選択状態SL1〜SL10のうちの今回出力すべき或る1つの選択状態を実現するイヤコン合成データが生成されたことになる。
【0046】
そしてステップF308では表示部10の表示状態を、今回出力する選択状態に応じて実行させ(図7参照)、ステップF309で、イヤコン合成データをD/A変換器8、ステレオ音声出力処理部9を介して音声として出力することになる。従って、図3、図4で説明したような定位及び音量バランスで、ユーザーに対して3つ(又は選択状態SL1、SL10の場合は2つ)のイヤコン音声が同時に出力されることになる。
【0047】
その後、ユーザーが選択操作を行って図9のステップF204に進むたびに、その操作に応じて出力すべき選択状態(図5参照)に従って、図10の処理が行われ、図5で説明したように各種選択状態がユーザーに提供されていく。つまりユーザーは選択操作を繰り返すことで、所望の楽曲が選択中となっている状態を探していくことができる。
【0048】
所望の楽曲が選択中(つまり比較的大音量でのセンター定位)となった時点で、ユーザーは決定操作を行うと、処理は図9のステップF205に進み、図11に示す再生処理が行われて、その選択決定された楽曲が再生される。
即ちステップF401で、記憶部3から選択決定されたイヤコンに対応する楽曲データの読出を開始させ、ステップF402で演算処理部4でのデコード処理を開始させる。
これによって記憶部3から読み出されてくる楽曲データがD/A変換器8、ステレオ音声出力処理部9を介してステレオ音声として出力されることになる。
【0049】
このように楽曲データの再生を実行している間は、ステップF403,F404でユーザーの停止操作及び楽曲データの再生終了を監視しており、停止操作又は再生終了となったらステップF405で再生処理を停止させる。
【0050】
以上の図8〜図11のような処理により、ユーザーは或る曲を再生させたいときに、イヤコンデータを聴きながら目的の曲を探していくことができる。
そしてそのイヤコンデータは、複数のイヤコンデータが立体音像空間内で異なる定位で認識されるものとなり、従って同時に多数のイヤコンを確認できる。これによって迅速かつ簡易に目的の曲を探すことができ、また表示部が小型の(もしくは存在しない)再生装置であっても、さらには操作子の少ない再生装置であっても、選択操作性はよいものとなる。
またそのようにして選択決定された楽曲が再生出力されるようにすることで、選択決定操作が再生操作を兼ねるものとなり、再生のためのユーザーの操作はより簡単なものとなる。
【0051】
また選択時に選択操作に応じて図5の各選択状態が切り換えられていくことは、各イヤコンがスクロールして順次選択中となるようなものとユーザーに認識され、これはユーザー自身が行う選択操作による出力音声の変化をより認識しやすく、また選択操作の意味もわかりやすいものとできる。
さらに選択中の選択用音声データとしては、例えばセンターなどの特定の音像位置に定位され、かつ最も大きい音圧レベルとされるため、同時に複数のイヤコンが聞こえる状態でもユーザーは選択中のイヤコンをはっきり認識でき、各時点で決定操作の実行すべきか否かを迷うことはない。
【0052】
また本例の場合は、図7のように表示部10でも、同時再生出力されているイヤコン(楽曲データのナンバ)と、その中で選択中のイヤコン(楽曲データのナンバ)を表示し、ユーザーの選択のための補助となるようにしているため、ユーザーはこれによって選択中の楽曲ナンバを確認できるなど、便利なものとなる。
【0053】
ところでイヤコンデータについては、記憶する(もしくは記憶した)各楽曲データに対応して予め生成して保持しておくことで、曲選択時、つまり複数のイヤコンを出力する際の処理負担を軽減することができる。またこれにより演算処理部4がさほど高度な演算処理能力を備える必要がなくなり、装置コストの削減にもつながる。
一方、演算処理部4が高度な演算処理能力を備えている場合は、曲選択時(イヤコン出力時)にイヤコンを生成するようにすることで、特にそれ以前にイヤコンを生成しておくという準備は不要となり、また当然記憶部3にイヤコンデータの記憶領域も不要となる。
【0054】
3.再生装置の構成の他の例
以下、本発明としての各種の変形例を述べていく。ここではまず再生装置の構成としての例を説明する。
図12は再生装置の他の構成例を示し定る。なお図1と同一部分は同一符号を付し説明を省略する。
この構成例では、再生装置がディスクドライブ12を有するものとなり、これによってCD、MDなどのディスク、つまり楽曲データを収録するディスクの再生が可能とされるものである。
【0055】
この場合、ディスクドライブ12にディスクが装填されることに応じて、そのディスクに収録されているプログラム(楽曲)をスキャンしてイヤコンを生成し、例えばディスクのトラックナンバに対応させて記憶部3に記憶していく。
従って、ユーザーが装填したディスクに収録されている或る楽曲を再生させるために選択操作を行った場合は、記憶部3に収録されているイヤコンを用いて上述してきたような、複数イヤコンを異なる定位で同時再生する動作を行う。
そして或る選択状態で決定操作が行われた場合は、その決定されたイヤコンに対応するディスク上のトラック(楽曲データ)の再生を開始させるようにする。
【0056】
このようにすることで、いわゆる可搬性メディアで或るCDやMDというディスクに収録されている楽曲に対してユーザーは、上記例と同様に曲選択を実行できる。
【0057】
なお、この構成の場合でもアナログ音声入力部5又はデジタル音声入力部7から入力された楽曲データを記憶部3に記憶し、またそれに対応するイヤコンを生成して記憶するようにしてもよい。
またディスクドライブ12がMDに対するドライブなどであって記録機能を有するものである場合は、アナログ音声入力部5又はデジタル音声入力部7から入力された楽曲データを装填されているMDに記録するようにすることもできる。その場合は、記録する各楽曲データに対応するイヤコンを生成して記憶部3に記憶するようにすればよい。
ただしこれらの様な録音機能を設けない構成も考えられ、その場合は一点鎖線で囲った入力系の部位は不要となる。
【0058】
図13は再生装置のさらに他の構成例であり、この場合は、記憶部3を可搬型の固体メモリ91(例えばメモリーカード、メモリスティックなど)に対するメモリドライブとして構成するものである。
この場合は、アナログ音声入力部5又はデジタル音声入力部7から入力された楽曲データを記憶部3に装填されている固体メモリ91に記憶し、またそれに対応するイヤコンを生成して記憶するようにすることで、図1の構成の再生装置と同様に楽曲選択時のイヤコンを用いた再生出力(異定位同時再生)を行うことができる。つまりユーザーは上記同様の選択動作を実行して容易に所望の曲を再生させることができる。
もちろん、楽曲データが記憶された固体メモリ91が装填された際に、収録されている各楽曲データに対応するイヤコンを生成し、固体メモリ91に記憶させるようにすることも考えられる。
【0059】
また可搬性の固体メモリ91を用いることで、例えば楽曲データとイヤコンデータを予め記憶した固体メモリ91をユーザーに販売、提供するという方式も考えられる。つまり音楽メディアメーカー側が、収録する各楽曲データに応じた最適なイヤコンデータを予め生成して記憶させておく。このようにすれば再生装置側でイヤコン生成を行う必要はなくなるとともに、楽曲の特徴をよく表す最も好適な部分をイヤコンとして選択時にユーザーに提示できるようにもなる。
また、このように予め楽曲データ及びイヤコンが記憶された固体メモリ91のみを使用可能とするときは、一点鎖線で囲った入力系の部位は不要となる。
【0060】
4.イヤコンデータの他の例
ところでイヤコンデータは、楽曲データの中でサビなどの最も特徴のある部分としてきたが、からなずしもその様な部位をサーチして生成するのではなく、或る程度規則的に抽出してもよい。例えば図14は、各楽曲データの先頭部分の所定時間分を、イヤコンとする例である。
このように規則的に楽曲データ内の或る部分をイヤコンとして抽出するものとすれば、イヤコン抽出処理は非常に簡易化され、例えば処理速度の遅い演算処理部であっても選択のためのイヤコン出力時にイヤコンを生成するということも可能となる。
【0061】
もちろん楽曲データの先頭位置に限らず、例えば楽曲の開始から10秒の地点から20秒の地点までをイヤコンとするなど、楽曲データの途中の特定部分としてもよい。
【0062】
また上述したようにイヤコンをサビなどの特徴部分とする場合については、そのイヤコン部分としての演奏時間長は、一定時間としてもよいし、特徴部分の長さに応じて可変時間長としてもよい。
さらに、特徴部分とする場合や規則的に抽出する場合に限らず、イヤコンデータを高速再生音声など、通常の再生時とは異なった速度としてユーザーに聞こえるデータ(例えば時間軸方向に間引きを行ったデータ)としてもよい。
【0063】
5.イヤコンをポインタデータで設定する例
以上の説明では、イヤコンとして楽曲データの一部を抽出したデータを生成する例を述べてきたが、イヤコンとしてのデータ自体を記憶部3に保存しておく必要はなく、例えばイヤコン再生時にそのイヤコンとすべきデータ部分を指定するポインタデータ(イヤコンポインタ)を記憶するようにすることも考えられる。
例えば図15のように、記憶部3には楽曲データM1、M2・・・に対応してイヤコンポインタP1、P2・・・を記憶するようにする。
【0064】
このイヤコンポインタとは、図16に示すように、楽曲データ内の或る部分をアドレス(記憶部3内の楽曲データの記憶されたアドレス)などでイヤコンとして使用する部位を指定するものである。
例えば楽曲データM1について図16(a)に示すようにアドレスad1〜ad2の区間が特徴部分として抽出された場合は、対応するイヤコンポインタP1として図16(b)に示すようにその特徴部分のスタートアドレスをアドレスad1、エンドアドレスをアドレスad2として記憶する。
【0065】
或いは楽曲データM1の特徴部分となるアドレスad1〜ad2の区間の演奏時間が10秒であれば、図16(c)のように、対応するイヤコンポインタP1として、その特徴部分のスタートアドレスをアドレスad1と、演奏時間10秒(アドレス長又はデータ長)として記憶する。
このようにイヤコンポインタを記憶しておけば、イヤコンを出力する際には、そのイヤコンポインタに従って実際の楽曲データの一部を抽出して読み出すようにすればよく、実データとしてのイヤコンデータを保存しておく必要はない。これによって記憶部3に必要なデータ容量も削減できる。
【0066】
なお、イヤコンデータとしてのデータ長(演奏時間長)が可変とされる場合は、図16(b)又は(c)のような形態のイヤコンポインタが必要となるが、イヤコンデータのデータ長が固定とされる場合は、イヤコンポインタはスタートアドレスのみでよいものとなる。
また、図14のように楽曲データ内の特定の部分をイヤコンとする場合でも、イヤコンポインタを記憶する方式を採用できることはいうまでもない。
【0067】
楽曲データ内の特徴的な部分を抽出してイヤコンとする場合の、図16(b)又は(c)のようなイヤコンポインタの設定処理を図17に示す。
この処理においてステップF151〜F154は、図8のステップF101〜F104と同様となるため説明を省略する。
楽曲データをスキャンして特徴部分が抽出できたら、ステップF155で、その特徴部分のスタートアドレスとエンドアドレス(又はスタートアドレスと特徴部分の時間長(データ長))を検出する。
そしてステップF156として、検出したスタートアドレスとエンドアドレス(又はスタートアドレスと特徴部分の時間長(データ長))を、その楽曲データに対応させて記憶部3に記憶する。
これにより図16に示したようなイヤコンポインタを設定できる。
【0068】
またイヤコンポインタを保存する方式の場合の、曲選択の際の処理(イヤコン出力処理)は図18のようになる。
ステップF351〜F353、及びステップF358〜F360は図10のステップF301〜F303、及びステップF307〜F309と同様になる。
この場合は、同時に出力する各イヤコンの読出処理としてステップF354〜F357の処理が図10と異なるものとなる。
即ちステップF354では選択候補とされた楽曲に対応するイヤコンポインタに基づいて、その楽曲データの一部、つまりイヤコンポインタで示される部分を記憶部から読み出す。
読み出された楽曲データの一部はステレオ音声データであるので、ステップF355でモノラル音声データに変換する。
そしてステップF356で図10のステップF305と同様に音情報整形処理を行い、イヤコンデータを得ることになる。
【0069】
このようにして選択候補とされる各楽曲のイヤコンを得たら、ステップF358以降で、それらを異なる定位やそれぞれ所要の音節レベルで合成し、同時に再生出力することになる。
従って、イヤコンポインタを記憶する方式の場合でも、ユーザーの選択操作は全く同様に実現される。
【0070】
6.記憶形態の他の例
ところで、以上のような再生装置の構成やイヤコン方式の各例に応じて、記憶部3の記憶形態は多様に考えられることが理解される。
即ち図2(b)や図15に示した記憶形態の他にも、図19(a)(b)(c)のような記憶形態が考えられる。
【0071】
図19(a)は記憶部3に楽曲データのみを記憶することとし、イヤコンデータ又はイヤコンポインタを記憶しない例である。これは、イヤコンデータをイヤコンの再生の際(つまり曲選択の際)に生成する処理方式を採用した場合の記憶形態となる。
なお、図12のようにディスクドライブに装填されたディスクの楽曲データを再生対象とするとともに、イヤコンデータについてはイヤコンの再生の際に生成するものとした場合などは、記憶部3を不要とすることも可能である。
【0072】
図19(b)は、記憶部3にイヤコンデータのみを記憶する形態である。これは図12のようにディスクドライブに装填されたディスクの楽曲データを再生対象とするとともに、ディスク装填に応じて、ディスクに収録された各楽曲データに対応するイヤコンデータを生成して記憶部3に格納していく場合の記憶形態となる。
【0073】
図19(c)は、記憶部3にイヤコンポインタのみを記憶する形態である。これは図12のようにディスクドライブに装填されたディスクの楽曲データを再生対象とするとともに、ディスク装填に応じてイヤコンポインタを生成して記憶部3に格納し、イヤコン再生時にイヤコンポインタに応じてディスク上の楽曲データの一部を抽出してイヤコンデータを得るようにした場合の記憶形態となる。
【0074】
7.イヤコンの出力定位例
イヤコンの出力は3つのイヤコンデータをそれぞれ左、センター、右という各定位とすることとして説明してきたが、それ以外にも多様に考えられる。図20で他の定位例を述べていく。図20の各図において○が音像位置、Uが音像空間内でのユーザー位置を示している。
【0075】
まず図20(a)は、同じく3つのイヤコンデータを左、センター、右という各定位で同時に出力するものである。ただし、上述してきた例は図3のように音像空間内のユーザーの位置Uに対して左の音像は左前方、右の音像は右前方としていたが、この図20(a)の例は、左の音像はユーザー位置Uに対して左真横となる位置、右の音像はユーザー位置Uに対して右真横となる位置となるようにするものである。
これは、例えばL/R2チャンネルステレオの出力系統に対して、センター定位のイヤコンはL:R=5:5、右定位のイヤコンはL:R=0:10、左定位のイヤコンはL:R=10:0という各音量バランスを与えることで実現する。
このようにすることで、ユーザーにとっては左、センター、右という各音像の定位感をよりはっきり認識できるようになる。
【0076】
図20(b)は、2つのイヤコンを同時に左(ユーザー位置Uの左前方)と右(ユーザー位置Uの右前方)という各定位で出力する例である。
例えばL/R2チャンネルステレオの出力系統に対して、右定位のイヤコンはL:R=3:7、左定位のイヤコンはL:R=7:3という各音量バランスを与えることで実現する。
【0077】
例えばユーザーによっては3つのイヤコンを同時に聴くことが困難であると感じる人もいるため、その様な事情を考慮する場合は、このように同時出力数を2つとして、各音像がよりはっきり聞き取れるようにすることが考えられる。
【0078】
もちろん、L/R2チャンネルステレオの出力系統に対して、右定位のイヤコンはL:R=0:10、左定位のイヤコンはL:R=10:0という各音量バランスを与えることで2つの音像をユーザーにとって左真横と右真横に聞こえるようにしてもよい。
【0079】
図20(c)は、4つのイヤコンを、左、センター、右、後方という各定位で同時出力する例である。
このような出力を行うためには、例えばスピーカシステムとして3チャンネル、もしくは4チャンネルのものが用いられている場合は、単純に各イヤコンデータ信号を振り分けることで実現できる。また左右2チャンネルのスピーカシステムもしくはヘッドホンの場合でも、左右出力音声のタイム差(遅延処理)などによりユーザーの後方から聞こえてくるように感じさせる処理が可能であることは既に知られており、そのような手法を採ってもよい。
【0080】
図20(d)は、5つのイヤコンをユーザーが、左真横、左前方、センター、右前方、右真横にそれぞれ感じるように同時に出力する例である。
このようにより多数のイヤコンを同時に聞けるようにすることで、ユーザーの選択操作の効率化することができる。
【0081】
以上例示した以外にも、イヤコンの同時出力数や各イヤコン音像の定位関係については各種考えられる。
【0082】
なお、同時出力するイヤコンの数や定位関係は、ユーザーによって好みが分かれるものとなり、また各ユーザーの音像聞き取り能力の差異により好ましい出力状態が異なるものとなる。
例えば聴感の発達した人であれば、多数の音像の聞き分けも容易であり、従って図20(d)のようになるべく多数のイヤコンを出力することで、選択効率の向上を実現できる。
一方、各定位の音像をあまり聞き分けられない人であれば、逆に図20(d)のような出力では音像選択がしずらいものとなり、その様な人は図20(b)のように同時出力数が少ない方が好ましい。
【0083】
このようにユーザー毎に最適なイヤコン出力数や定位関係は異なるものとなるため、再生装置としてはユーザーが所望のイヤコン出力数や所望の定位関係を選択できるようにすることが望ましい。
また或る定位状態においても、その定位をユーザーが微調整(例えば左音像を若干右側にずらすなど)できるようにし、ユーザーが自分にとって最適な定位関係を作ることができるようにすると好適である。
【0084】
8.選択中のイヤコンの識別例
以上のような同時出力するイヤコン数及び定位関係だけでなく、同時出力されているイヤコンの中で現在選択中のイヤコン(その時点で決定操作を行うことで選択が確定することになるイヤコン)をユーザーに識別させるための手法も各種考えられる。
例えば上述してきた例では図5でも説明したように、選択中のイヤコンがセンター定位であってかつ音圧レベルが最大となるようにしていた。
つまり特定の定位と音量差によってユーザーに選択中の音像を識別させていた。
【0085】
このような特定定位と音量差により選択中のイヤコンを識別させる方式としての他の例を図21に示す。
図21(a)は、2つのイヤコンを左右の各定位で同時出力する場合に、例えば選択中のイヤコンを左定位とするとともに、その左定位のイヤコンの音圧レベルを右定位のイヤコンよりも大きいものとする例である。(図中、○の大きさが音圧を示すものとしている。)
これによって破線の○で示すようにユーザーにとっては左音像の方が右音像よりも近い位置ではっきりと聞き取れることになり、選択中のイヤコンを識別できる。
【0086】
また図21(b)は、例えば選択中のイヤコンだけでなく、それ以外のイヤコン間でも音量差を持たせる例である。
この場合、3つのイヤコンを左、センター、右の各定位で同時出力する場合に、例えば選択中のイヤコンを左定位とするとともに、その左定位のイヤコンの音圧レベルを最も大きいものとする。
また、例えば選択中でないセンターのイヤコンや右のイヤコンにも音量差を持たせ、例えば右のイヤコンが最も小さい音量となるようにする。
【0087】
このようにすると、破線の○で示すようにユーザーにとっては左音像の方が最も近い位置ではっきりと聞き取れることになり、選択中のイヤコンを識別できる。そしてさらに、各イヤコンがユーザーの左側から右後方に向かって並んでいるように認識されることになり、例えばこの時点で選択操作を行うと現在センター定位しているイヤコンが左定位となって選択中となること、及び2回選択操作を行うと現在右に定位しているイヤコンが左定位となって選択中となることなどが認識できる。
つまりユーザーにとっては、選択操作に応じて選択候補となる各イヤコンが右遠方から左近傍に向かって近づいてくるように感じられ、これによって選択中のイヤコンや、自分が実行すべき選択操作、決定操作を捉えやすくすることができる。
【0088】
ところで、例えば出力されている各音像を全て同等に聞こえるようにしたい場合、つまり音圧レベルとして各イヤコンに差を与えたくないような場合は、特定の定位にあるイヤコンが選択中であるとするようにしてもよい。
例えばユーザーがセンター定位のイヤコンが選択中であるとわかっていれば、特に音量差を設定しなくても、ユーザーは的確に選択操作、決定操作を行うことができる。もちろん、右定位又は左定位のものが選択中であると決めてもよい。
【0089】
一方、音量差を設定して最もよく聞こえる音像が選択中のイヤコンであるとすることは、特定定位を選択中であるとすることに比べて、より多くのユーザーにとってわかりやすいものとなる。
例えば上記のように特定の定位を選択中であるとする場合は、取扱説明書などでユーザーにそのことを伝えなければならないため、取扱説明書を読んでいなかったり使用方法の説明を受けていないユーザーにとってはわかりにくいものとなる。ところが音量差を設けて、1つのイヤコンを最も際だたせるようにすれば、ユーザーは直感的にそのイヤコンが選択中であることが認識できる。
このように音圧レベルに差を持たせて選択中のイヤコンを提示することは有効であるが、この方式を採用する場合は、必ずしも或る特定の定位を選択中とすることにこだわらなくてもよいことになる。
【0090】
例えば図22に、3つのイヤコンEM1,EM2、EM3を右、センター、左の各定位で同時出力する例を示している。このとき、この3つのイヤコンについては定位に変化がないまま、選択操作に応じて最大音圧となるイヤコンが変化されていくようにするものである。
即ち、ある時点では図22(a)のように右定位されているイヤコンEM1が最大音量とされて選択中であることが提示される。
ここでユーザーが選択操作を行うと、今度は図22(b)のように、選択候補となる3つのイヤコンEM1,EM2、EM3は変わらないが、センター定位のイヤコンEM2が最大音量とされることになって選択中となる。
さらに選択操作が行われると図22(c)のように、左定位のイヤコンEM3が最大音量とされることになって、選択中のイヤコンがEM3となる。
【0091】
このようにした場合、出力される各イヤコンの定位は変動しないうえで、選択中のイヤコンをはっきり認識できる。
ユーザーによっては、イヤコンの定位が移動されない方が選択しやすいという人もいるため、その様な要望のある場合に好適である。
【0092】
以上の各例のように選択中のイヤコンをユーザーが識別できるようにする方式としては、特定の定位のイヤコンを選択中とすること、音量差により選択中のイヤコンを提示すること、特定の定位と音量差の両方により選択中のイヤコンを提示することなど、各種の方式が考えられ、これらの各方式において、例示した以外にも多様な例が考えられる。
【0093】
また、定位や音量で識別させる以外にも、音質的な変化を与えて識別させるといった方式も可能である。
例えば選択中となるイヤコンの音声データには高域を強調するような信号処理を施し、同時出力する他のイヤコンの音声データには高域をカットするようなフィルタリングを行うようにすると、ユーザにとっては選択中のイヤコンがはっきり聞き取れ、逆に他のイヤコンはくぐもった感じに聞き取れることになるため、選択中のイヤコンを識別できる。
【0094】
また、選択中のイヤコンの提示をどのような方式で実行するとよいかは、個々のユーザーによって好みや識別の容易性が分かれることになるため、再生装置としてはユーザーが選択中のイヤコンの識別方式を選択できるようにすることが好ましい。
【0095】
9.選択操作/出力イヤコンの他の例
例えば3つのイヤコンを同時再生するとした場合、図5で説明したようにユーザーの選択操作に従ってイヤコンがスクロールしていくように選択状態(SL1〜SL10)が切り換えられていくとしたが、この選択状態の切換例も各種考えられる。
【0096】
図23は選択操作を階層的に実現する例であり、この場合、ユーザーの操作としては選択状態をページ切り換えしていく操作と、ページ内で選択中のイヤコンを切り換えていく2段階の操作が行われることになる。従って必要な操作キーは図23(b)のようにページ選択のための操作子、曲選択(選択中のイヤコンの切り換え)のための操作子、及び決定操作のための操作子となる。
【0097】
図5の例と同様に、例えば記憶部3に10曲分の楽曲データ及びイヤコンが格納されていると仮定して図23(a)の方式を説明する。
まず曲選択が開始される最初の時点では、ページ選択状態SL11として示すように、楽曲M1、M2、M3についてのイヤコンEM1,EM2,EM3が同時に出力される。
そしてこのページ選択状態SL11では、最初に選択状態SL111として示すように、楽曲M1についてのイヤコンEM1が選択中となるようする。選択中のイヤコンの識別方式としては例えば図22のように、定位位置ではなく音圧レベルのみでユーザーに認識されるようにする。即ちこの例ではページ選択状態SL11ではイヤコンEM1,EM2,EM3がそれぞれ左、センター、右と定位されるため、左定位であるイヤコンEM1の音圧レベルが最大とされる。
【0098】
ここで、ページ選択状態SL11として出力されているイヤコンEM1,EM2,EM3の中でユーザーが所望する曲があった場合は、曲選択操作を行って選択状態SL111、SL112、SL113を切り換える。例えばイヤコンEM2が所望の曲であった場合は、選択状態SL112とした時点、つまりユーザーにとってイヤコンEM2が最大音量で聞こえる状態で決定操作を行えばよい。
【0099】
一方、イヤコンEM1,EM2,EM3の中には所望の曲がない場合は、ユーザーはページ選択操作を行って、ページ選択状態SL11、SL12、SL13、SL14を切り換えていく。そして所望の曲が含まれるページ選択状態において、曲選択操作を行って所望の曲(イヤコン)が選択中となるようにし、その状態で決定操作を行う。
【0100】
即ちこのような選択操作方式によれば、ページ選択操作によって所望の曲が含まれるページを探していき、そのページとなったら曲選択操作を行って出力されている3つのイヤコンの中から所望の曲のイヤコンを選択して決定操作すればよい。このため、ぺージ選択を有効に利用することで、多数の曲が再生可能な場合に効率よく所望の曲を選択できることになる。
【0101】
続いて図24(a)にさらに他の選択操作方式の例を示す。
これは、ユーザーの選択操作に応じて選択中のイヤコンがEM1→EM2→EM3→EM4→・・・というように変化していくものであるが、各イヤコンの定位は固定される例である。
またこれも選択中のイヤコンの識別は例えば最大音量レベルのものとして提示するものとする。
【0102】
この場合、曲選択が開始される最初の時点では、選択状態SL21として示すように、楽曲M1、M2、M3についてのイヤコンEM1,EM2,EM3が左、センター、右という各定位で同時に出力される。
そしてこのページ選択状態SL21では、左定位であるイヤコンEM1の音圧レベルが最大とされ、イヤコンEM1が選択中であることがユーザーに提示される。
【0103】
ここでユーザーが選択操作を行うと、選択状態SL22とされ、この場合イヤコンEM1,EM2,EM3が左、センター、右という各定位で同時に出力されることは変わらないが、センター定位であるイヤコンEM2の音圧レベルが最大とされ、イヤコンEM2が選択中であることがユーザーに提示される。
さらにユーザーが選択操作を行うと、選択状態SL23とされ、右定位であるイヤコンEM3の音圧レベルが最大とされてイヤコンEM3が選択中であることがユーザーに提示される。
【0104】
さらにユーザーが選択操作を行うと、選択状態SL24として、今度は楽曲M4、M5、M6についてのイヤコンEM4,EM5,EM6が左、センター、右という各定位で同時に出力される。そして、左定位であるイヤコンEM4の音圧レベルが最大とされてイヤコンEM4が選択中であることがユーザーに提示される。
【0105】
このように選択状態を切り換えていきながら、ユーザーは所望の曲が選択中となるようにし、その時点で決定操作を行うことで、曲が選択決定される。
【0106】
この選択操作方式の場合は、必要な操作子は図24(b)に示すように選択操作子(例えばアップ/ダウンキー)と決定操作子となる。
そして、各イヤコンの定位は固定されることから、所望のイヤコンを探しやすいという利点も生じる。
【0107】
これらの例以外にも多様な選択操作方式例が考えられる。
またユーザーの方式設定操作(選択操作モードの設定)によって、好ましい選択操作方式が選択できるようにしてもよい。
【0108】
また、以上の例は基本的には選択操作キーの操作に応じて選択中のイヤコンが切り換えられていくものとしているが、このようなキー操作を不要とする例も考えられる。
例えばヘッドホンを使用する場合に、ヘッドホンに加速度センサや回転センサを内蔵するようにし、ユーザーの頭の向きの変化を検出する。そして例えば右を向いたときには右定位のイヤコンが選択中となるようにする。具体的には、ユーザーが正面を向いているときは図24の選択状態SL22とし、右を向いたら選択状態SL23に切り換える。またその状態からさらに右側に首を振ったら選択状態SL24に移行するなど方式とすることで、選択操作をユーザーの動作により実現できる。この場合、選択操作子を不要とすることもできる。
またさらに、ユーザーがうなずくように首を縦に振ったことを決定操作として処理を行うことも考えられる。
【0109】
また選択操作、決定操作のための操作子は、図6(b)のようなキー操作子ではなく、図25に示すようなダイヤル27としてもよい。このダイヤル27は、上方回動、下方回動、及び押圧が可能とし、上方回動をアップ方向の選択操作、下方回動をダウン方向の選択操作、押圧を決定操作とする例である。
また上方回動、下方回動はその回動角度に応じてアップもしくはダウン方向のステップ数を変動させることで、選択状態を効率よく切り換えていくことも可能となる。
【0110】
ところで、イヤコンの再生出力に関しては、 通常の演奏速度よりも高速で再生させるなどの手法も考えられる。
【0111】
10.表示部の他の例
本発明では基本的にイヤコンを聴いて曲選択をおこなうものであるため、表示部10において選択のための表示を行うこと、もしくは表示部を設けることは必ずしも必要ではない。但し、表示部10において選択のガイドとなるような表示を行うことで、ユーザーの選択操作、決定操作をわかりやすいものとすることができる。
このため、図7で説明したように例えば小型液晶パネルなどにおいてイヤコン出力状態を表示することが考えられるが、その表示内容、表示形態は、上述してきた各種選択操作方式、イヤコン同時出力数、定位関係などに応じて設定されるものであることはいうまでもない。
【0112】
また、液晶パネル等の表示素子を用いずに、例えばLEDなどの発光素子で簡易的なガイド表示を行うこともできる。
例えば図26は、図22のように選択中のイヤコンを最大音圧とするとともに、各イヤコンの定位は変更しない方式を採用する場合に好適な表示例を示している。
【0113】
この場合、ヘッドホンリモコンなどの部位に、図26に示すように左、センター、右に対応する3つのLEDによる表示部15を配する。
そして例えば図22(b)のようにセンター定位のイヤコンが選択中の場合には、図26(a)のようにセンタのLEDを発光(又は点滅)させ、左右のLEDはオフ(又は点灯)させる。
また図22(c)のように左定位のイヤコンが選択中の場合には、図26(b)のように左のLEDを発光(又は点滅)させ、センター及び右のLEDはオフ(又は点灯)させる。
このようにすることで、ユーザーは選択中のイヤコンを目でも確認できる。また、LEDを用いることで、表示部を安価でかつ小さいスペース内に設けることが可能となる。
【0114】
11.他の各種変形例
以上、実施の形態として実現できる各種の例を述べてきたが、本発明はさらに多様な変形例が考えられる。
【0115】
まず、いままでの説明では、楽曲の選択は再生を目的とするものとしてきた。しかしながら再生以外にも楽曲を選択する必要がある場合に本発明の選択方法を適用できることになる。
例えば図1のような再生装置でいえば、記憶部3に記憶させた楽曲のうちで消去したい曲を選択する場合にも、上記同様のイヤコンによる選択動作を適用できる。もちろん消去だけでなく、ある楽曲データを何らかの編集操作のために指定したい場合なども同様である。
【0116】
さらに、一般にプログラム再生と呼ばれているようにユーザーが曲順を指定してその指定順に再生を行っていくような特殊な再生動作方式が知られているが、その様なプログラム再生させる曲を順次選択していく際に、上記同様のイヤコンによる選択を行うことが可能である。
即ち本発明は、各種の目的のために或る楽曲データ等を指定したい場合の選択方式として広く適用できるものである。
【0117】
また、本発明のイヤコン選択方式で選択するデータ(再生出力するプログラム)としては、楽曲データに限られず、また記憶部3や図12のディスクドライブ12にから再生されるデータに限られるものではない。
例えば受信したラジオ放送について局別にイヤコンを生成し、その各イヤコン(つまり放送音声)を異なる定位で同時出力してユーザーが聴きたい放送局を選択できるようにすることが考えられる。
同様に有線放送などのチャンネル選択にも本発明は利用できる。
つまり本発明としての音声出力装置は、上述してきた再生装置のみならず、放送受信装置として実現するような例も考えられる。
【0118】
また、選択動作の際に複数のイヤコンを同時再生することに加えて、他の音声データを合成して出力することも考えられる。
例えば選択操作のためのガイド音声をイヤコンとは異なる定位で出力してユーザーに操作を説明するなども可能である。
【0119】
【発明の効果】
以上の説明からわかるように本発明では以下のような各種効果が得られ、これによってユーザーの使用に好適な音声出力装置、及びプログラム選択が実現できる。
【0120】
まず本発明では少なくとも2チャンネル以上の音声出力系から、選択候補とされる複数の選択用音声データを、互いに異なる定位で同時に出力させ、出力されている選択用音声データの中から決定操作によって指定された選択用音声データに対応する再生用音声データが選択決定されるようにしている。つまり、ユーザーは表示でいうアイコンのように、各再生用音声データ(楽曲等)についての選択用音声データ(イヤコン)を立体音像空間内で認識することができ、その中で所望の再生用音声データを選択できる。従って、表示部のない(もしくは小型の表示部しか持たない)音声出力装置であっても、さらには操作子の少ない音声出力装置であっても、ユーザーは容易かつ迅速に再生用音声データ選択を行うことが可能となるという効果がある。またこれにより装置の小型化や、ユーザーの使用性の向上を実現できる。
【0121】
またそのようにして選択決定された再生用音声データは再生出力(又は受信出力)させる再生用音声データとして再生出力(又は受信出力)を開始させることで、本発明の音声出力装置を再生装置や受信装置として実現する場合にユーザーの求める適切な動作を効率よく、かつユーザーの操作負担なしに進めることができる。
【0122】
同時出力する選択用音声データ、つまり各時点での選択候補については、選択操作に応じて、一部又は全部を変更していく(順送りやページ切換)ことで、同時出力数よりも多数の再生用音声データの選択が容易に実現できる。
また選択操作に応じて、その時点で決定操作が行われた場合に選択決定されることになる選択中の選択用音声データを変更していくことで、各選択用音声データの出力を、ユーザーの操作に対応したユーザーにとってわかりやすいものとできる。
【0123】
各時点で選択中の選択用音声データとしては、特定の音像位置に定位されている選択用音声データと決めることで、ユーザーが選択中であるのがどれであるかを認識できるようになる。
また、選択中の選択用音声データは、同時出力されている中で最も大きい音圧レベルとされるようにすることで、ユーザーにとって選択中の選択用音声データを非常に容易に認識でき、もって選択操作の容易性を向上させるとともに選択ミスが発生しにくいようにすることができる。
さらに、少なくとも選択候補とされて同時出力されている選択用音声データの中で選択中の選択用音声データを示す表示を実行できる表示手段を備えることで、ユーザーにとって選択中の再生用音声データが何であるか認識しやすいものとできる。
【0124】
選択用音声データについては、出力可能な各再生用音声データに対応して予め生成して保持しておくことで、再生用音声データ選択時、つまり複数の選択用音声データを出力する際の処理負担を軽減することができる。またこれにより音声出力装置がさほど高度な演算処理能力を備える必要がなくなり、装置コストの削減にもつながる。
一方、高度な演算処理能力を備えた音声出力装置では、選択用音声データは、再生用音声データ選択時に選択候補とされた際に生成され、出力されるようにすることで、特にそれ以前に選択用音声データを生成しておくという準備は不要となる。
【0125】
また各再生用音声データに対するポインタデータを設定し、再生用音声データ選択を行う際には、ポインタデータで示される再生用音声データ内の一部のデータを選択用音声データとして出力させることで、選択用音声データを予め抽出して記憶しておくなどの処理は不要となり、記憶に必要な容量も少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の再生装置のブロック図である。
【図2】実施の形態の再生装置での楽曲データ及びイヤコンデータの記憶形態の説明図である。
【図3】実施の形態の複数のイヤコン出力の際の定位の説明図である。
【図4】実施の形態の複数のイヤコンの音圧レベルの説明図である。
【図5】実施の形態の選択状態及び選択決定方式の説明図である。
【図6】実施の形態の再生装置の外観例の説明図である。
【図7】実施の形態の再生装置の表示部の表示例の説明図である。
【図8】実施の形態のイヤコン抽出処理のフローチャートである。
【図9】実施の形態の操作対応処理のフローチャートである。
【図10】実施の形態の選択出力処理のフローチャートである。
【図11】実施の形態の再生処理のフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施の形態の再生装置のブロック図である。
【図13】本発明のさらに他の実施の形態の再生装置のブロック図である。
【図14】実施の形態の楽曲データ及びイヤコンデータの記憶形態の他の例の説明図である。
【図15】実施の形態の楽曲データ及びイヤコンポインタの記憶形態の例の説明図である。
【図16】実施の形態の楽曲データ及びイヤコンポインタの記憶形態の例の説明図である。
【図17】実施の形態のイヤコンポインタ抽出処理のフローチャートである。
【図18】実施の形態のイヤコンポインタを用いた選択出力処理のフローチャートである。
【図19】実施の形態の記憶部の各種の記憶形態例の説明図である。
【図20】実施の形態のイヤコン出力に関する各種定位例の説明図である。
【図21】実施の形態のイヤコン出力に関する音圧レベル例の説明図である。
【図22】実施の形態のイヤコン出力に関する音圧レベル例の説明図である。
【図23】実施の形態の選択操作方式の他の例の説明図である。
【図24】実施の形態の選択操作方式の他の例の説明図である。
【図25】実施の形態の操作部の操作子の例の説明図である。
【図26】実施の形態の表示部の他の例の説明図である。
【符号の説明】
1 コントローラ、2 ROM、3 記憶部、4 演算処理部、5 アナログ音声入力部、6 A/D変換器、7 デジタル音声入力部、8 D/A変換器、9 ステレオ音声出力処理部、10,15 表示部、11 操作部、12 ディスクドライブ、13 バッファメモリ
Claims (15)
- 複数の再生用音声データが出力可能な音声出力装置において、特定の再生用音声データを選択する音声データ選択方法として、
各再生用音声データの一部を選択用音声データとし、
少なくとも2チャンネル以上の音声出力系から、選択候補とされる複数の選択用音声データを、互いに異なる定位に音声出力させ、
出力されている選択用音声データの中から決定操作によって指定された選択用音声データに対応する再生用音声データが選択決定され、
選択決定された再生用音声データが再生され、
異なる定位で音声出力させている選択用音声データの中で、特定の音像位置に定位されている選択用音声データが、前記選択中の選択用音声データとされる
音声データ選択方法。 - 選択操作に応じて、前記選択候補の一部又は全部を変更することを特徴とする請求項1に記載の音声データ選択方法。
- 選択操作に応じて、その時点で前記決定操作が行われた場合に選択決定されることになる選択中の選択用音声データを変更していくことを特徴とする請求項1に記載の音声データ選択方法。
- 前記選択用音声データは、出力可能な各再生用音声データに対応して予め生成して保持しておくことを特徴とする請求項1に記載の音声データ選択方法。
- 前記選択用音声データは、前記選択候補とされた際に生成され、出力されることを特徴とする請求項1に記載の音声データ選択方法。
- 上記再生用音声データは、楽曲データであることを特徴とする請求項1に記載の音声データ選択方法。
- 少なくとも2チャンネル以上の音声出力手段と、
少なくとも選択操作及び決定操作が可能な操作手段と、
複数の再生用音声データが出力可能な再生用音声データソース手段と、
出力する音声データに対する信号処理を行なって前記音声出力手段から出力させることのできる信号処理手段と、
前記各再生用音声データの一部を選択用音声データとして得ることができるとともに、再生用音声データの選択を行う際に、前記信号処理手段によって、選択候補とされる複数の選択用音声データを互いに異なる定位で前記音声出力手段から音声出力させ、その出力されている選択用音声データの中から前記決定操作によって指定された選択用音声データに対応する再生用音声データが決定されたと判別し、選択決定された再生用音声データを再生制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記決定操作がされた際に、異なる定位で音声に出力させている選択用音声データの中で、特定の音像位置に定位されている選択用音声データが選択決定されたと判別する
音声出力装置。 - 前記制御手段は、選択決定された再生用音声データが前記音声出力手段から出力されるように、前記再生用音声データソース手段及び前記信号処理手段の制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の音声出力装置。
- 前記制御手段は、前記選択操作に応じて、前記選択候補の一部又は全部を変更することを特徴とする請求項7に記載の音声出力装置。
- 前記制御手段は、前記選択操作に応じて、その時点で前記決定操作が行われた場合に選択決定されることになる選択中の選択用音声データを変更していくことを特徴とする請求項7に記載の音声出力装置。
- 前記制御手段は、出力可能な各再生用音声データに対応して予め前記選択用音声データを生成させ保持させておくことを特徴とする請求項7に記載の音声出力装置。
- 前記制御手段は、前記選択候補を設定した際に、その選択候補となる前記選択用音声データを生成させ、出力させることを特徴とする請求項7に記載の音声出力装置。
- 前記制御手段は、各再生用音声データに対するポインタデータを設定し、再生用音声データ選択を行う際には、前記ポインタデータで示される再生用音声データ内の一部のデータを前記選択用音声データとして出力させることを特徴とする請求項7に記載の音声出力装置。
- 再生用音声データ選択の際に、少なくとも、前記選択候補とされて音声出力されている選択用音声データの中で、その時点で前記決定操作により選択決定されることになる選択中の選択用音声データを示す表示を実行できる表示手段を備えたことを特徴とする請求項7に記載の音声出力装置。
- 上記再生用音声データは、楽曲データであることを特徴とする請求項7に記載の音声出力装置。
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