JP4672189B2 - 配線基板または半導体回路の製造方法 - Google Patents

配線基板または半導体回路の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラインドビアやトレンチを有する配線基板または半導体回路の製造方法に関し、ブラインドビアやトレンチの穴埋めを良好に行うことができる、配線基板または半導体回路の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の小型化により、使用される配線基板の配線の高密度化が急速に進められている。このため、ビルドアップ基板と呼ばれる形態の基板が大量に生産されるようになってきた。これは、コアとなる多層配線基板の表面に樹脂層(絶縁層)と配線層を交互に積み上げて形成していくものであり、配線層の形成にあたっては、電気銅めっきが用いられている。また、配線層間の導通はブラインドビアを形成してその内部に銅めっきを行うことによって行われる。
【0003】
従来は、ブラインドビア用の穴の壁面に無電解銅めっきと電気銅めっきの技術を適用して配線層としての銅層を形成すると共に、ブラインドビアを形成していたが、この方法では、ブラインドビアの内壁面にだけ銅層が形成されているため、ブラインドビアの内部は凹部となっている。そのため、ブラインドビア上にブラインドビアを重ねて形成することができないため、配線パターンの設計の自由度が損なわれるという問題が出てきた。そこで、ブラインドビアを重ねて形成することが可能となるよう、ブラインドビア内を銅めっきで埋めてしまうフィルドビアと呼ばれる構造が注目されるようになった。
【0004】
また,半導体回路の製造に関しては、電気伝導度の高い銅を配線材料として使用するため、ダマシンプロセスが使用されるようになってきた。これは、シリコン基板表面に作ったビアやトレンチ(幅0.5μm以下,深さ2μm以下)を電気銅めっきにより埋め込み、その後、ケミカルメカニカルポリッシングで表面の銅めっき層と、ビアやトレンチ間隙のシリコン層を研磨して除去することで、配線回路を形成するものである。このプロセスでも、上記のフィルドビアと同様の電気銅めっきが使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このフィルドビア構造とするため、またはダマシンプロセスを行うために、穴埋めめっきを電気銅めっきにより行う場合には、めっき条件の管理が困難という問題があった。穴埋めめっきでは、めっきの析出速度が穴の内部において、穴の上端部よりも大きくならなければならないが、しばしば、穴の内部と上端部の析出速度が同程度となり、結果的にビア穴をめっきで埋め込めなくなる現象が現れる。適切に穴埋めめっきが行われるためには、使用される電気銅めっき液中の添加剤成分である促進剤と抑制剤がバランスよく働くことが必要であるため、これらの促進剤と抑制剤の作用を定量的に測定し、適切に管理することが必要である。
【0006】
しかし、従来はその手法がなかった。添加剤の作用を測定する方法としては、Cyclic Voltammetric Stripping 法(CVS法)と呼ばれるものが一般的であり、これは、円形の平板回転電極を用いて、添加剤の作用を電気化学的信号として解析するものである。しかし、この方法では、フィルドビアの穴埋めめっきにおいて特に重要なブラインドビアの穴の内部と上端部における添加剤成分バランスの情報を得ることは不可能であった。
穴埋めめっきが確実に行われないと、ブラインドビアの銅めっき内部に空隙が生ずることになり、配線基板の製造工程や使用時に熱が加わった場合、空隙内の銅めっき液起因の成分が膨張して破裂し、配線パターンに損傷を与え、配線基板としての信頼性が低下する恐れがあった。また、ブラインドビアを重ねた場合には、上記空隙が上側のブラインドビアの底部となるため、上側のブラインドビアの形状が損なわれ、配線基板としての信頼性が低下する恐れがあった。
【0007】
また、配線層となる銅層も、安定した厚さで形成することが求められていた。
これは、安定した電気的特性を得るためであり、また銅めっき後にエッチングを行う場合に、エッチングを良好に行い、優れたパターン形状を得るためであった。
そのため、電気銅めっきを安定して行い、銅層を安定した厚さとし、穴埋めめっきを確実に行うことができ、従って信頼性の高い配線基板を製造することが可能な製造方法が求められていた。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、ブラインドビアを有する配線基板またはトレンチを有する半導体回路の製造方法において、電気銅めっきを安定して行い、銅めっき層を一定の厚さとし、ブラインドビアまたはトレンチの穴埋めを良好に行うことができ、従って信頼性に優れる配線基板または半導体回路を製造することが可能な配線基板または半導体回路の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するものであり、第1の発明は、配線層となる銅層を、電気銅めっきにより形成する配線基板の製造方法において、2mm以下の間隔で絶縁材料を隔てて隣接する電極を備える試験片を用いて電気化学的にモニターした結果により、電気銅めっき液の制御を行いながら前記電気銅めっきを行うことを特徴とする配線基板の製造方法である。
【0010】
ここで、電気化学的なモニターの手法、即ち電気化学信号を測定する手法として、電極間の電位差、電流値、電流密度、それらの時間的変化があげられる。また他に、電極の一方や両方に微小交流信号を印加した時の、位相や振幅の変化、電気二重層容量、交流インピーダンス波形があげられる。
また電気銅めっき液の制御の手法としては、電気銅めっき液中への促進剤あるいは抑制剤の補給量の変更による濃度制御、活性炭フィルターによる電気めっき液の循環、ダミー電解により過剰の成分を除去した後、一方の成分を補充して濃度調整を行うことなどがあげられる。
【0011】
2の発明は、ブラインドビアホールを銅で充填するために、電気銅めっきにより穴埋めする工程を備える配線基板の製造方法において、2mm以下の間隔で絶縁材料を隔てて隣接する電極を備える試験片を用いて電気化学的にモニターした結果により、少なくとも銅(II)塩、酸または電気伝導塩、促進剤及び抑制剤を含む電気銅めっき液の制御を行いながら前記電気銅めっきを行うことを特徴とする配線基板の製造方法である。
【0012】
ここで、電気銅めっき液の制御としては、上述同様に、電気銅めっき液中への促進剤あるいは抑制剤の補給量の変更による濃度制御、活性炭フィルターによる電気めっき液の循環、ダミー電解により過剰の成分を除去した後、一方の成分を補充して濃度調整を行うことがあるが、中でも有効な方法として、促進剤あるいは抑制剤の濃度制御がある。いずれか一方の濃度制御で効果があるが、両方の制御を行うとさらに効果が高い。即ち、促進剤と抑制剤のバランスを制御することである。
【0013】
また、第1の発明または第2の発明において、電極間には絶縁材料が存在するが、絶縁材料上には電気めっきがされないため、電気的短絡はすぐには生じない。電極上に大量の銅が析出し、やがて接近して短絡が生ずることはある得るが、少なくとも一度の電気銅めっき工程で生ずることは考えにくい。また、短時間の電気銅めっき工程で電気的短絡が生じてしまうような異常に近接したような状態で電極を形成しないことはもちろんである。
さらに、試験片を取り出して、電極上に析出した銅を、剥離することによって、試験片の再生が可能である。剥離を容易とするためには、電極の材料を白金、金、ステンレスまたは炭素とすることが好ましい。溶解剥離が可能だからである。
【0014】
そして、第3の発明は、第1の発明または第2の発明の配線基板の製造方法において、前記試験片が、絶縁材料に径が2mm以下、深さ2mm以下で、かつアスペクト比が5以下である複数の穴があけられ、穴底部と穴上面近傍に電極を備え、穴底部の電極同士及び穴上面近傍の電極同士は電気的に導通され、かつ、穴底部の電極と穴上面近傍の電極は電気的に絶縁されており、穴底部の電極の前記絶縁材料に接しない面には、絶縁層が形成されていることを特徴としている。
【0015】
このような手段において、形成される穴が大きすぎると、電気銅めっき液の穴内への出入りが自由になりすぎ、穴の底部の電気銅めっき液のモニターを適切に行っているとはいえなくなってしまう。
また、形成される穴が深すぎると電極相互の間隔が広くなりすぎ、電極反応の影響を検出しにくくなってしまう。
また、アスペクト比が高すぎると、これは、穴が深すぎることと同義であり、電極反応の影響を検出しにくくなる。または、穴が小さすぎる場合には穴底の電極面積が小さくなりすぎ、やはり、電極反応の影響を検出しにくくなる。
【0016】
そのため、モニターが穴の深さを、径が2mm以下、深さ2mm以下で、かつアスペクト比が5以下であるとしたものである。
この方法では、二つの電極を用いて、一方の電極で起こる反応の生成物を他方で検出している。そのため、二つの電極の間隔が開きすぎていると、他方の電極反応の影響を検出できなくなるため、好ましくない。
【0017】
さらに第4の発明は、第1の発明または第2の発明の配線基板の製造方法において、前記試験片が、絶縁材料の一方の面上に2mm以下の間隔で隣接する電極を備え、かつ、各電極の表面積が1cm2未満であることを特徴としている。
【0018】
このような手段において、電極の表面積が小さいと、電流密度の電極面内でのばらつきを抑制することができ、電気化学的モニターを精度よく行うことができ、短時間で安定した電気化学信号を得ることができて好ましい。そのような理由から、各電極の表面積を1cm2未満としている。
【0019】
第5の発明は、配線層となる銅層を、電気銅めっきにより形成する半導体回路の製造方法において、2mm以下の間隔で絶縁材料を隔てて隣接する電極を備える試験片を用いて電気化学的にモニターした結果により、電気銅めっき液の制御を行いながら前記電気銅めっきを行うことを特徴とする半導体回路の製造方法である。
【0020】
ここで、電気化学的なモニターの手法、即ち電気化学信号を測定する手法として、電極間の電位差、電流値、電流密度、それらの時間的変化があげられる。また他に、電極の一方や両方に微小交流信号を印加した時の、位相や振幅の変化、電気二重層容量、交流インピーダンス波形があげられる。
また電気銅めっき液の制御の手法としては、電気銅めっき液中への促進剤あるいは抑制剤の補給量の変更による濃度制御、活性炭フィルターによる電気めっき液の循環、ダミー電解により過剰の成分を除去した後、一方の成分を補充して濃度調整を行うことなどがあげられる。
【0021】
第6の発明は、トレンチを銅で充填するために、電気銅めっきにより穴埋めする工程を備える半導体回路の製造方法において、2mm以下の間隔で絶縁材料を隔てて隣接する電極を備える試験片を用いて電気化学的にモニターした結果により、少なくとも銅(II)塩、酸または電気伝導塩、促進剤及び抑制剤を含む電気銅めっき液の制御を行いながら前記電気銅めっきを行うことを特徴とする半導体回路の製造方法である。
【0022】
ここで、電気銅めっき液の制御としては、上述同様に、電気銅めっき液中への促進剤あるいは抑制剤の補給量の変更による濃度制御、活性炭フィルターによる電気めっき液の循環、ダミー電解により過剰の成分を除去した後、一方の成分を補充して濃度調整を行うことがあるが、中でも有効な方法として、促進剤あるいは抑制剤の濃度制御がある。いずれか一方の濃度制御で効果があるが、両方の制御を行うとさらに効果が高い。即ち、促進剤と抑制剤のバランスを制御することである。
【0023】
また、第5の発明または第6の発明において、電極間には絶縁材料が存在するが、絶縁材料上には電気めっきがされないため、電気的短絡はすぐには生じない。電極上に大量の銅が析出し、やがて接近して短絡が生ずることはある得るが、少なくとも一度の電気銅めっき工程で生ずることは考えにくい。また、短時間の電気銅めっき工程で電気的短絡が生じてしまうような異常に近接したような状態で電極を形成しないことはもちろんである。
さらに、試験片を取り出して、電極上に析出した銅を、剥離することによって、試験片の再生が可能である。剥離を容易とするためには、電極の材料を白金、金、ステンレスまたは炭素とすることが好ましい。溶解剥離が可能だからである。
【0024】
そして、第7の発明は、第5の発明または第6の発明の半導体回路の製造方法において、前記試験片が、絶縁材料に径が2mm以下、深さ2mm以下で、かつアスペクト比が5以下である複数の穴があけられ、穴底部と穴上面近傍に電極を備え、穴底部の電極同士及び穴上面近傍の電極同士は電気的に導通され、かつ、穴底部の電極と穴上面近傍の電極は電気的に絶縁されており、穴底部の電極の前記絶縁材料に接しない面には絶縁層が形成されていることを特徴としている。
【0025】
このような手段において、形成される穴が大きすぎると、電気銅めっき液の穴内への出入りが自由になりすぎ、穴の底部の電気銅めっき液のモニターを適切に行っているとはいえなくなってしまう。
また、形成される穴が深すぎると電極相互の間隔が広くなりすぎ、電極反応の影響を検出しにくくなってしまう。
また、アスペクト比が高すぎると、これは、穴が深すぎることと同義であり、電極反応の影響を検出しにくくなる。または、穴が小さすぎる場合には穴底の電極面積が小さくなりすぎ、やはり、電極反応の影響を検出しにくくなる。
【0026】
そのため、モニターが穴の深さを、径が2mm以下、深さ2mm以下で、かつアスペクト比が5以下であるとしたものである。
この方法では、二つの電極を用いて、一方の電極で起こる反応の生成物を他方で検出している。そのため、二つの電極の間隔が開きすぎていると、他方の電極反応の影響を検出できなくなるため、好ましくない。
【0027】
さらに、第8の発明は、第5の発明または第6の発明の半導体回路の製造方法において、前記試験片が、絶縁材料の一方の面上に2mm以下の間隔で隣接する電極を備え、かつ、各電極の表面積が1cm2未満であることを特徴としている。
【0028】
このような手段において、電極の表面積が小さいと、電流密度の電極面内でのばらつきを抑制することができ、電気化学的モニターを精度よく行うことができ、短時間で安定した電気化学信号を得ることができて好ましい。そのような理由から、各電極の表面積を1cm2未満としている。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に説明する。
本発明では、試験片を用いて、電気化学的なモニターを行うことにより、電気銅めっきの管理方法を精度よく行えるようにする。これにより、安定した銅の析出を可能とし、また完全な銅の埋め込みを容易にする。
絶縁材料からなるブラインドビアホールの穴底部と穴上面近傍に電極を形成した構造、あるいは、同一平面上に形成した二つの電極を有する構造の試験片を用い、両電極における電気化学信号を測定することにより、電気銅めっき液の状態を正しくモニターすることが可能となる。これを、そして、電気銅めっき液を所定の状態に制御することにより、安定した銅の析出を可能とし、またブラインドビアまたはトレンチ電気銅めっきの埋め込み性を良好な状態に維持することができる。
【0030】
フィルドビア用又はトレンチ充填用の電気銅めっき液では、析出速度を大きくする効果を有する促進成分がめっき反応の過程で生成するが、この成分がビア穴の内部で滞留して蓄積し、一方、ビア穴の外部では液流により除去されるために、穴内で選択的な促進効果を示すようになるものと解釈されている。この効果をモニターするため、ビア穴をあけて、その穴内部、即ち底部と、穴外部、即ち穴近傍の絶縁材料上面に電極を形成した試験片を用意し、電気銅めっき液中に浸せきし、穴内部と外部の電気化学的情報を得るものである。トレンチについても同様である。
【0031】
また、本発明において使用する試験片は、径2mm以下、深さ2mm以下、アスペクト比が5以下の複数の穴が絶縁材料にあけられ、穴底部と穴上面近傍に電極が形成されており、穴底部の電極同士及び穴上面近傍の電極同士は電気的に導通され、かつ、穴底部の電極と穴上面近傍の電極は電気的に絶縁され、穴底部の電極の、前記絶縁材料に接しない面には絶縁層が形成された構造となっているという構造上の特徴を有する。この例としては、図1に示すような形状が挙げられる。ここで、1は絶縁材料で、2は絶縁材料にあけられたビア穴である。3は、絶縁材料の両面に形成された電極であり、4は、電極の表面を部分的に被覆しているレジストである。両面の電極からは外部の測定回路に連結するための端子が引き出される。1つの試験片中にビア穴を多数形成することにより、電気化学信号を大きくすることができる。
【0032】
また、他の実施形態の試験片としては、絶縁材料の同一平面上に、2mm以下の間隔を隔てて隣接して形成された電極を有し、電極同士が絶縁された構造となっており、かつ、各電極の表面積が1cm2未満である。この場合は、穴の内部に促進成分が蓄積した影響を直接モニターするものではないが、一方の電極上における銅析出反応時に生成した促進成分を他方の電極で電気化学的に検出することができるため、穴を設けた試験片と同様に、添加剤の作用を定量的に測定することができる。ただし、この場合には、試験片の表面に液流を形成させ、銅析出反応を行わしめる電極が、他方よりも上流に位置していることが必要である。さらに、試験片の表面の液流は層流となっていることが望ましい。この試験片の例としては、図2のような形状が挙げられる。ここで、5は、液流に対して上流に設けられた電極、6は下流に設けられた電極である。7は、絶縁材料、8はレジストである。
【0033】
これらの試験片に付ける電極の材質は、白金、金、ステンレス、銅、炭素など電気銅めっき液中で化学溶解されないものが好ましい。白金、金、ステンレス、炭素の場合は、モニター用試験片として使用した後、銅を溶解剥離して再利用でき、好ましい。材質を銅とする場合は、銅箔などの入手しやすい既存材料を加工して使用できる。
試験片を構成する絶縁材料の材質としては、エポキシ、ポリイミド、テフロン(登録商標)、アクリルなどの樹脂材料、または、アルミナ、ジルコニア、シリカなどのセラミックスが使用できる。
【0034】
この試験片の加工法は特に定めないが、ビア穴を有する構造を形成する最も簡単な方法は、板状の絶縁材料の両面に、金属箔をラミネートして接合させ、片面の金属箔と絶縁材料を貫くように穴をあけて反対側の金属箔を残し、穴の開口部とその周辺を残してその他の部分をレジストで覆うものである。金属膜の形成方法としては、金属箔のラミネート以外に無電解めっき、スパッタリング、蒸着などの方法も取ることができるが、その場合は、加工の手順が異なる。穴をあける方法としては、レーザによる方法、化学的エッチングによる方法がある。穴の形状は、円形である必要はなく、溝状、正方形状、長方形状でもよい。このような場合のアスペクト比は、穴の最も短い幅と深さの数値によって規定される。
【0035】
また、同一平面上に2つの電極を隣接させた構造の試験片は、作成方法がより簡単である。これは、絶縁材料をはさんで2つの電極を隣接させ、外部配線に引き出すための端子を全体を絶縁樹脂でモールドした後に、電極表面が露出するように研磨する。または、絶縁材料上に、導電性材料の薄膜を張り付け、それをエッチングすることにより電極を形成することもできる。露出する必要のない部分は、レジストをコーティングして絶縁することが好ましい。
【0036】
このような構造の試験片を用いて電気化学的モニターを行うが、これは、いくつかの手法をとることができる。一つは、試験片を電気銅めっき液に浸せきし、同じ液中に設けたアノードとの間で一方の電極に電流を流して銅を析出させた状態で、他方の電極における電気化学信号を測定するものである。ここで電気化学信号としては、液中に設けた参照電極との間の電位、または、この参照電極との間に定電位を印加した時の電流密度、およびそれらの数値の時間による変化が挙げられる。
【0037】
また、ビア穴を形成した試験片を用いた場合では、電気化学的モニターとしては上記と同様に、試験片を電気銅めっき液に浸せきし、同じ液中に設けたアノードとの間で穴底の電極に定電圧を印加して銅を析出させた状態において、流れる電流密度を測定し、その値を、穴口近傍の電極とアノードとの間に同じ定電圧を印加した時の電流密度の値と比較する方法をとることもできる。
これらのモニターは、連続的に行う必要はなく、例えば、単位時間当たりに一定時間の割合で周期的に行うこともできる。参照電極としては、銀/塩化銀電極が最も一般的に使用できるが、銅金属を電極として使用することもできる。電流または、電位の設定および測定には、ポテンシオガルバノスタットと呼ばれる装置が使用できる。
【0038】
本発明において使用される電気銅めっき液は、銅(II)塩、酸または電気伝導塩、促進剤、抑制剤を含む組成のものである。銅(II)塩は、主として硫酸銅が使用され、濃度は銅金属として、2〜100g/Lが適当である。酸または電気伝導塩としては、硫酸または硫酸塩が用いられ、濃度は、1〜300g/Lが適当である。硫酸銅および、硫酸を使用した場合には、塩素を1〜500mg/L添加することが好ましい。これは、塩酸または、塩化ナトリウムとして添加される。
【0039】
促進剤としては、ビス(3−スルフォプロピル)ジスルフィド(以下「SPS」と略称する)が主として使用でき、濃度は0.01〜50mg/Lが適当である。ただし、適当な濃度は、抑制剤などの成分濃度により、この範囲内で変動する。この他の促進剤としては、2硫化ビススルフォ二ナトリウム、2硫化ビス(2−スルフォエチル)二ナトリウム、2硫化テトラメチルチウラム、2硫化テトラエチルチウラムなどが使用できる。
【0040】
抑制剤としては、ポリエーテル化合物が使用でき、好ましくは、ポリエチレングリコール(以下「PEG」と略称する)(分子量 200〜10000)、または、PEGとポリプロピレングリコールの共重合体(分子量400〜10000)が適当である。濃度は10mg/Lを越え、1000mg/L以下が適当である。また、この電気銅めっき液には、上記の成分以外に、主にめっき表面の光沢度等の要求に応じて、他の添加剤として、ヤヌスグリーンB、第3アルキルアミンとポリエピクロルヒドリンからなる第4アンモニウム塩付加物、ポリアルキルエチレンイミン、アミド化合物なども使用される。
【0041】
本発明は、上記のような銅(II)塩、酸または電気伝導塩、促進剤、抑制剤を含む組成の電気銅めっき液に対して適用した場合に、促進剤と抑制剤の両方を制御でき、大きな効果を得ることができるものであるが、電気銅めっき液の成分、濃度は、むしろ当該使用者がブラインドビアホールのフィルドビア用または、ダマシンプロセス用として使用する条件として設定すべきものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0042】
本発明における試験片を用いて、電気化学的モニターを行うことにより、電気銅めっき液中の添加剤のバランスが明確に測定される。そして、モニターによって得られた数値を、予め求めておいた標準の範囲になるように制御することで、フィルドビア電気銅めっきの埋め込み性を良好な状態に維持することができる。この制御の方法としては、電気銅めっき液中への促進剤と抑制剤の補給量の変更、活性炭フィルターによる液循環や、ダミー電解により過剰の成分を除去した後、一方の成分を補充して濃度調整を行うことなどがある。
【0043】
(実施例1)
図1の形状の試験片を作製した。電極材料は銅であり、絶縁材料はポリイミドである。銅膜の厚さは表、裏面とも12μm、ポリイミドの厚さは50μmとした。UV−YAGレーザを用いて、100μm径のビア穴を196個あけた。穴のピッチは、300μmとした。これらの穴の周辺に幅20μmのランドを設けた。このランドが電極である。それらが全てつながるように線幅20μmの回路をエッチングで形成した。そして、ランドが形成された面を表面とし、表面の穴の部分4.5mm角を残しソルダーレジストで被覆した。穴底部の電極の前記絶縁材料に接しない面、即ち裏面にも絶縁層として、ソルダーレジストで被覆した。
【0044】
表面の回路から引き出した端子、および裏面の銅層から引き出した端子は外部回路に接続した。
この試験片を用いて、電気銅めっき液のモニターを行った。図3は、モニター用の実験装置の模式図である。アノード11としては銅電極、参照電極10としては銀/塩化銀電極を使用した。計測器としては、ポテンシオガルバノスタット13を2台、図のように結線して用いた。すなわち、1台は、試験片9の穴底部である電極につながり(以下PGS−1と記す)、他方は試験片9の表面部である電極につながっている(以下PGS−2と記す)。また、攪拌子14は、永久磁石の棒を樹脂コーティングしたもので、マグネチックスターラ15は、台の中に永久磁石を内蔵し、それをモータで回転させる装置である。マグネチックスターラ15の台の上に溶液などを入れた容器を置き、その中に攪拌子15を入れておき、モータの回転により、溶液中の攪拌子14を回転して溶液を攪拌した。
【0045】
電気銅めっき液13の組成は次の通りである。
硫酸銅 150g/L
硫酸 180g/L
塩素 50mg/L
PEG(分子量 7500) 400mg/L
SPS 0.5、2、5、20mg/L
ヤヌスグリ−ンB 10mg/L
【0046】
PGS−1では、1A/dm2の電流密度となるよう定電流電解で穴内に銅を析出させた。PGS−2では、1分あたり2秒の割合で、1A/dm2の電流を流し、示す電位の時間的変化を測定した。上述のように、SPSの量は、0.5mg/L、2mg/L、5mg/L、20mg/Lのものをそれぞれ用意し、同じ測定を行った。この測定結果を図4に示す。このように、PGS−2の電位は、徐々に正の方向にシフトする傾向が見られたが、SPSの濃度が高いほど電位は正方向であり、しかも、正方向にシフトする速度が速い。これは、銅の析出反応で生じた促進成分が、穴内に蓄積されたため、銅の析出反応がより正の電位で起こるようになったことを示している。
【0047】
このめっき液を用いて、穴径50μm、深さ30μmのブラインドビアホールを有するビルドアップ基板に対し,無電解銅めっきで導電化処理をしたもの、および、穴径0.2μm,深さ0.8μmのブラインドビアホールを有するシリコン基板に対し、銅スパッタでシード層(0.02μm)を設けたものに上記のSPS濃度の異なる液を用いてそれぞれ電気銅めっきを施した。ビルドアップ基板に対しては電流密度は2A/dm2とし、めっき時間は、40分であった。シリコン基板に対しては電流密度は1A/dm2とし、めっき時間は、3分であった。
【0048】
この結果、ビルドアップ基板,シリコン基板のいずれにおいても、SPS濃度が2および5mg/Lの場合には、ビア内は完全に銅めっきで充填されていた。一方、SPSが0.5mg/L,20mg/Lの場合は、ビア内にボイド,または、シーム(縦長の線状ボイド)が存在しており、完全に充填されていない状態であった。このことは、本発明における試験片を用いたモニター法を用いた時、電位の値とフィルドビアの埋め込み性によい相関が見られることを示すものである。
【0049】
また、SPSが20mg/Lを添加された液に、10cm2のステンレス板と白金板を入れ、ステンレス板をカソード,白金板をアノードとして、電流密度2A/dm2でダミー電解を行った。電解を1時間行った後、前記の方法で、液の状態をモニターした。その結果、PGS−2の電位の正方向へのシフト値の図4との照合から、液中のSPS濃度は2〜3mg/Lとなっていることがわかった。そこで、このめっき液を用いて、再び穴径50μm、深さ30μmのブラインドビアホールを有するビルドアップ基板に対し、無電解銅めっきで導電化処理をしたものに、電流密度は2A/dm2とし、めっき時間は、40分で処理した。この結果、ビア内は完全に銅めっきで充填されていた。
このように、電気化学的モニターと、その結果によって電気銅めっき液の制御を行うことによって、フィルドビアの埋め込み性を良好に維持管理することが可能であることが確かめられた。
【0050】
(実施例2)
図2の形状の試験片を用い、実施例1と同様の試験を行った。すなわち、一方をPGS−1、他方をPGS−2につないで電位を測定した。試験片は、5と6の電極間の間隙が500μmで、両方の電極の表面積は、いずれも0.1cm2とした。電極の材質は、白金である。めっき液中で、試験片表面に対し平行な液流を作るため、ポンプを用意し、試験片の電極の下側より、電極5から電極6の方向に液を0.5m/sの流速で噴出させた。
【0051】
5の電極には、液中に設けた銅アノードとの間に、1A/dm2の電流密度となるように電流を流し、6の電極には、液中に設けた参照電極(Ag/AgCl)との間に+0.6Vの定電位を印加して、電極6と銅アノード間の電流値を測定し、3分後に安定したため、その時の値を計測した。
図5に、液中のSPS濃度と計測した電流値との関係を示す。このように、SPS濃度と、6の電極での電流の測定値はよい相関を示し、本モニター法が液中の添加剤の状態を適正に把握しうる手段であることを示している。
なお、めっき液中の添加剤濃度と、ブラインドビアホールの埋め込み性に関しては、実施例1と同様の結果であった。
【0052】
(実施例3)
図2の形状の試験片を用い、実施例2と同様の試験を行った。試験片,めっき液中の液流については同一である。めっき液中のSPS濃度は、2mg/Lとし、PEG濃度を10,100,400,1000mg/Lに変化させた。
5,6の電極では、液中に設けた参照電極(Ag/AgCl)との間に−0.2Vの定電位を印加して、電流値を測定し、1分後に安定した時の値を計測した。
【0053】
図6に、液中のPEG濃度と計測した5,6の電極での電流値との関係を示す。このように、PEG濃度と、5,6の電極での電流の測定値はよい相関を示し、本モニター法が液中の添加剤の状態を適正に把握しうる手段であることを示している。5よりも液流の下流に位置する6の電極における電流値が大きいのは、5での銅析出過程において電流を促進する物質が生成し、それが、電極6上での電気化学反応を促進したためである。すなわち、この電流の差は、促進剤の量のモニタとしても使用することが可能である。
【0054】
このめっき液を用いて、実施例1と同様に穴径50μm、深さ30μmのブラインドビアホールを有するビルドアップ基板に対し、無電解銅めっきで導電化処理をした後に、電気銅めっきを施した。PEG濃度を10,100,400,1000mg/Lとした液について、それぞれ実施した。電流密度は2A/dm2とし、めっき時間は、40分であった。この結果、PEG濃度が100,400、1000mg/Lの場合には、ビア内は完全に銅めっきで充填されていた。一方、PEGが10mg/Lの場合は、ビア内が充填されず、コンフォーマル(表面と穴内がほぼ同様の析出膜厚)の状態であった。以上のことは、本発明における試験片を用いたモニター法を用いた時、電位の値とフィルドビアの埋め込み性によい相関が見られることを示すものである。
【0055】
(比較例1)
試験片として、単純な4.5mm角の部分が露出した銅電極を用い、実施例1と同様にSPS濃度を変化させた液について試験を行った。この場合、銅電極には、1A/dm2の電流密度を流し、同時にその銅電極と参照電極間の電位差を測定した。
この結果、測定された電位の値は、SPS濃度0.5〜20mg/Lの範囲内で、最大9mVの差しか得られなかった。従って、埋め込み性に関するモニターを行うには、不十分である。
【0056】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、配線層となる銅層を、電気銅めっきにより形成する配線基板の製造方法において、2mm以下の間隔で絶縁材料を隔てて隣接する電極を備える試験片を用いて電気化学的にモニターした結果により、電気銅めっき液の制御を行いながら前記電気銅めっきを行うことを特徴とする配線基板の製造方法であるため、電気銅めっき液を高い精度で管理することが可能となる。そのため、電気銅めっきを安定して行うことができ、銅めっき層が一定の厚さとなる。従って信頼性に優れる配線基板を製造することができる。
【0057】
請求項2記載の発明によれば、ブラインドビアホールを銅で充填するために、電気銅めっきにより穴埋めする工程を備える配線基板の製造方法において、2mm以下の間隔で絶縁材料を隔てて隣接する電極を備える試験片を用いて電気化学的にモニターした結果により、少なくとも銅(II)塩、酸または電気伝導塩、促進剤及び抑制剤を含む電気銅めっき液の制御を行いながら前記電気銅めっきを行うことを特徴とする配線基板の製造方法であるため、電気銅めっき液を高い精度で管理することが可能となる。そのため、電気銅めっきを安定して行うことができ、銅めっき層が一定の厚さとなると共にブラインドビアの穴埋めを良好に行うことができる。従って信頼性に優れる配線基板を製造することができる。
【0058】
さらに、請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の配線基板の製造方法において、前記試験片が、絶縁材料に径が2mm以下、深さ2mm以下で、かつアスペクト比が5以下である複数の穴があけられ、穴底部と穴上面近傍に電極を備え、穴底部の電極同士及び穴上面近傍の電極同士は電気的に導通され、かつ、穴底部の電極と穴上面近傍の電極は電気的に絶縁されており、穴底部の電極の前記絶縁材料に接しない面には絶縁層が形成されているため、電気銅めっき液を高い精度で管理することが可能となる。そのため、電気銅めっきを安定して行うことができ、銅めっき層が一定の厚さとなると共にブラインドビアの穴埋めを良好に、かつ用意に行うことができる。従って信頼性に優れる配線基板を製造することができる。
【0059】
そして、請求項4記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の配線基板の製造方法において、前記試験片が、絶縁材料の一方の面上に2mm以下の間隔で隣接する電極を備え、かつ、各電極の表面積が1cm2未満であるため、上記効果に加え、電流密度の電極面内でのばらつきを抑制することができ、電気化学的モニターを精度よく行うことができ、短時間で安定した電気化学信号を得ることができる。従って電気銅めっき液を、より高い精度で管理することが可能となり、信頼性に優れる半導体回路と配線基板を製造することができる。
【0060】
請求項5記載の発明によれば、配線層となる銅層を、電気銅めっきにより形成する半導体回路の製造方法において、2mm以下の間隔で絶縁材料を隔てて隣接する電極を備える試験片を用いて電気化学的にモニターした結果により、電気銅めっき液の制御を行いながら前記電気銅めっきを行うことを特徴とする半導体回路の製造方法であるため、電気銅めっき液を高い精度で管理することが可能となる。そのため、電気銅めっきを安定して行うことができ、銅めっき層が一定の厚さとなる。従って信頼性に優れる半導体回路を製造することができる。
【0061】
請求項6記載の発明によれば、トレンチを銅で充填するために、電気銅めっきにより穴埋めする工程を備える半導体回路と配線基板の製造方法において、2mm以下の間隔で絶縁材料を隔てて隣接する電極を備える試験片を用いて電気化学的にモニターした結果により、少なくとも銅(II)塩、酸または電気伝導塩、促進剤及び抑制剤を含む電気銅めっき液の制御を行いながら前記電気銅めっきを行うことを特徴とする半導体回路と配線基板の製造方法であるため、電気銅めっき液を高い精度で管理することが可能となる。そのため、電気銅めっきを安定して行うことができ、銅めっき層が一定の厚さとなると共にトレンチの穴埋めを良好に行うことができる。従って信頼性に優れる半導体回路と配線基板を製造することができる。
【0062】
さらに、請求項7記載の発明によれば、請求項5または請求項6記載の半導体回路の製造方法において、前記試験片が、絶縁材料に径が2mm以下、深さ2mm以下で、かつアスペクト比が5以下である複数の穴があけられ、穴底部と穴上面近傍に電極を備え、穴底部の電極同士及び穴上面近傍の電極同士は電気的に導通され、かつ、穴底部の電極と穴上面近傍の電極は電気的に絶縁されており、穴底部の電極の前記絶縁材料に接しない面には絶縁層が形成されているため、電気銅めっき液を高い精度で管理することが可能となる。そのため、電気銅めっきを安定して行うことができ、銅めっき層が一定の厚さとなると共にトレンチの穴埋めを良好に、かつ用意に行うことができる。従って信頼性に優れる半導体回路を製造することができる。
【0063】
そして、請求項8記載の発明によれば、請求項5または請求項6記載の半導体回路の製造方法において、前記試験片が、絶縁材料の一方の面上に2mm以下の間隔で隣接する電極を備え、かつ、各電極の表面積が1cm2未満であるため、上記効果に加え、電流密度の電極面内でのばらつきを抑制することができ、電気化学的モニターを精度よく行うことができ、短時間で安定した電気化学信号を得ることができる。従って電気銅めっき液を、より高い精度で管理することが可能となり、信頼性に優れる半導体回路を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いられる試験片の一実施形態の説明図
【図2】 本発明に用いられる試験片の他の実施形態の説明図
【図3】 本発明における測定装置の模式図
【図4】 モニターされた電位の時間変化の添加剤濃度による影響を示した図
【図5】 モニターされた電流値の添加剤濃度との関係を示した図
【図6】 モニターされた電流値の抑制剤濃度との関係を示した図
【符号の説明】
1・・・・絶縁材料
2・・・・ビア穴
3・・・・電極
4・・・・レジスト
5・・・・液流の上流に設けられた電極
6・・・・液流の下流に設けられた電極
7・・・・絶縁材料
8・・・・レジスト
9・・・・試験片
10・・・・参照電極
11・・・・アノード
12・・・・電気銅めっき液
13・・・・ポテンシオガルバノスタット
14・・・・攪拌子
15・・・・マグネチックスターラ法。

Claims (6)

  1. 配線層となる銅層を、電気銅めっきにより形成する配線基板の製造方法において、2mm以下の間隔で絶縁材料を隔てて隣接する電極を備える試験片を用いて
    試験片を電気銅めっき液に浸せきし、同じ液中に設けたアノードとの間で一方の電極を流して銅を析出させた状態で他方の電極における、めっき液中に設けた参照電極との電位、又は当該参照電極との間に定電位を印加した時の電流密度、およびそれらの数値の時間による変化を測定する方法を用いて、電気化学的にモニターした結果により、
    電気銅めっき液中への促進剤と抑制剤の両方の補給量の変更による濃度制御による電気銅めっき液の制御を行いながら前記電気銅めっきを行うことを特徴とする配線基板の製造方法。
  2. ブラインドビアホールを銅で充填するために、電気銅めっきにより穴埋めする工程を備える配線基板の製造方法において、
    2mm以下の間隔で絶縁材料を隔てて隣接する電極を備える試験片を用い、
    当該試験片は、絶縁材料に径が2mm以下、深さ2mm以下で、かつアスペクト比が5以下である複数の穴があけられ、穴底部と穴上面近傍に電極を備え、穴底部の電極同士及び穴上面近傍の電極同士は電気的に導通され、かつ、穴底部の電極と穴上面近傍の電極は電気的に絶縁されており、穴底部の電極の前記絶縁材料に接しない面には絶縁層が形成されたものであり、
    当該試験片を電気銅めっき液に浸せきし、同じ液中に設けたアノードとの間で穴底の電極に定電圧を印加して銅を析出させた状態において、流れる電流密度を測定し、その値を穴口近傍の電極とアノードとの間に同じ定電圧を印加した時の電流密度の値と比較する方法で、電気化学的にモニターした結果により、
    電気銅めっき液中への促進剤と抑制剤の両方の補給量の変更による濃度制御による電気銅めっき液の制御を行いながら前記電気銅めっきを行うことを特徴とする配線基板の製造方法。
  3. 前記試験片が、絶縁材料の一方の面上に2mm以下の間隔で隣接する電極を備え、かつ、各電極の表面積が1cm未満であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の配線基板の製造方法。
  4. 配線層となる銅層を、電気銅めっきにより形成する半導体回路の製造方法において、2mm以下の間隔で絶縁材料を隔てて隣接する電極を備える試験片を用いて
    試験片を電気銅めっき液に浸せきし、同じ液中に設けたアノードとの間で一方の電極を流して銅を析出させた状態で他方の電極における、めっき液中に設けた参照電極との電位、又は当該参照電極との間に定電位を印加した時の電流密度、およびそれらの数値の時間による変化を測定する方法を用いて、電気化学的にモニターした結果により、
    電気銅めっき液中への促進剤と抑制剤の両方の補給量の変更による濃度制御による電気銅めっき液の制御を行いながら前記電気銅めっきを行うことを特徴とする半導体回路の製造方法。
  5. トレンチを銅で充填するために、電気銅めっきにより穴埋めする工程を備える半導体回路の製造方法において、
    2mm以下の間隔で絶縁材料を隔てて隣接する電極を備える試験片を用い、
    当該試験片は、絶縁材料に径が2mm以下、深さ2mm以下で、かつアスペクト比が5以下である複数の穴があけられ、穴底部と穴上面近傍に電極を備え、穴底部の電極同士及び穴上面近傍の電極同士は電気的に導通され、かつ、穴底部の電極と穴上面近傍の電極は電気的に絶縁されており、穴底部の電極の前記絶縁材料に接しない面には絶縁層が形成されたものであり、
    当該試験片を電気銅めっき液に浸せきし、同じ液中に設けたアノードとの間で穴底の電極に定電圧を印加して銅を析出させた状態において、流れる電流密度を測定し、その値を穴口近傍の電極とアノードとの間に同じ定電圧を印加した時の電流密度の値と比較する方法で、電気化学的にモニターした結果により、
    電気銅めっき液中への促進剤と抑制剤の両方の補給量の変更による濃度制御による電気銅めっき液の制御を行いながら前記電気銅めっきを行うことを特徴とする半導体回路の製造方法。
  6. 前記試験片が、絶縁材料の一方の面上に2mm以下の間隔で隣接する電極を備え、かつ、各電極の表面積が1cm未満であることを特徴とする請求項4又は5記載の半導体回路の製造方法。
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