JP4672098B2 - スルホアルキルを含む疎水性付与変性された水溶性セルロースエーテル、それらの製造方法、およびエマルション塗料におけるそれらの使用 - Google Patents

スルホアルキルを含む疎水性付与変性された水溶性セルロースエーテル、それらの製造方法、およびエマルション塗料におけるそれらの使用 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の背景】
本発明は、本明細書に開示され、かつ本明細書にその開示の一部として引用する独国優先特許出願第19849442.4号(1998年10月27日出願)に記載されている。
本発明は、スルホアルキルを含む、疎水性付与変性された水溶性セルロースエーテル、それらの製造方法およびそれらの使用、並びにそれらの化合物を含んでなるエマルション塗料に関する。
【0002】
商業的に一般的に使用されているエマルション塗料は、顕著な擬似塑性を有する。このことは、刷毛さばき、流動性および滴下に関して明らかに優位な、より高いニュートンレオロジーを有する塗料を求める塗装業者の要求するところと対照をなしている。増粘剤として長鎖アルキル基により疎水性付与変性されたセルロースエーテルを使用することにより、あるいは従来のセルロースエーテルを合成会合性増粘剤と組み合わせて使用することにより、エマルション塗料中でより高いニュートンレオロジーを確立することができる。
【0003】
長鎖アルキル基を使用して疎水性付与変性されたセルロースエーテルを含んでなる市販の増粘剤の欠点は、エマルション塗料の増粘(bodying)が貯蔵時に不当 に高レベルになることである。エマルション塗料の粘稠度が製造後に急激に増加し、1日の貯蔵で2倍を超えることもある。このために、塗料製造業者が塗料の粘稠度を慎重に調節し、監視し難くなっている。もう一つの欠点は、疎水性付与変性されたセルロースエーテルの水溶性が、低い置換度にあっても急激に低下してしまうことである。
【0004】
EP−A−0307915では、カルボキシメチル基をさらに導入することにより、疎水性付与変性されたセルロースエーテルの溶解性を改良する試みがなされている。しかし、カルボキシメチル基のpHに対する感度において不利である。すなわち、カルボキシメチル基は弱酸領域でもプロトン化され、そのためにカルボキシメチル基自体が疎水性を示す。カルボキシメチル基は2価イオン、例えばカルシウムイオン、に対しても敏感である。しかし、カルシウム化合物は、水性エマルション塗料では充填材として頻繁に使用される。
【0005】
P. Talaba 、I. Srokova、P. HodulおよびG. Cikは、Chem. Papers 50(2), 101 (1996)において、疎水性付与変性されたスルホエチルセルロースを開示している。しかし、これらの化合物では、他の置換基が存在しないために、高度に置換する必要がある。これらの化合物は、低い重合度でのみ水溶性であり、エマルション塗料用には好ましくない発泡の傾向が強い。
【0006】
EP−A−0781780は、C10〜C40アルキル鎖を使用して疎水性付与変性されたスルホアルキル化セルロースエーテルを記載しており、これらのエーテルも同様に界面活性剤作用が高く、化粧品処方に増粘剤として使用されている。これらの化合物に関して、スルホアルキル化度0.1〜1が特許請求の範囲に記載されている。
【0007】
【発明の概要】
本発明の目的は、エマルション塗料に使用した場合に疎水性付与変性していないセルロースエーテルの塗料に匹敵する最小限の塗料増粘しか引き起こさず、同時に、ローラーで塗布した場合に塗料の非滴下特性を長鎖アルキル基を使用して疎水性付与変性された市販のセルロースエーテルの塗料と同程度に改善する、疎水性付与変性された水溶性セルロース誘導体を提供することである。本発明はまた、エマルション塗料に使用した場合に比較的低い塗料粘度でも非滴下特性が大幅に改良され、同時に、塗料を(ブラシまたはローラー等により)容易に塗り広げられる様にするセルロース誘導体を提供することも意図している。その上、このエマルション塗料は良好な耐摩耗性有していなければならない。
【0008】
そして本発明によれば、無水グルコース単位あたり平均0.001〜1.0個、好ましくは0.001〜0.2個、のアルキル基により置換され、かつ無水グルコース単位あたり0.01〜0.1個のスルホアルキル基を有してなるヒドロキシアルキルセルロースからなる群から選択された水溶性イオン系セルロースエーテルが提供される。
【0009】
好ましいセルロースエーテルは、下式を有するセルロースエーテルである。
[C672(OR1)(OR2)(OR3)]m
(式中、
672は無水グルコース単位であり、
mは50〜3000、特に100〜1000であり、
1、R2およびR3は、互いに独立して、次式のポリアルキレンオキシド鎖であ り、
【0010】
【化2】
Figure 0004672098
【0011】
式中、
X=H、Cn2n+1、Cn2n+1O、CH2−CH2−SO3YまたはCH2−CHOH−CH2SO3Yであり、
n=4〜20であり、
Y=H、NaまたはKであり、
p、qおよびrは、R1、R2およびR3中で互いに独立して、それぞれ0〜4の 値を取ることができ、無水グルコース単位あたりのR1、R2およびR3全てにつ いて加えた(p+q+r)の総計が平均で1.3より大きく、かつ4.5未満、好ましくは1.5〜3.0であり、ポリアルキレンオキシド鎖中のオキシアルキレン単位の配列は任意であり、無水グルコース単位あたりの疎水性付与変性された基の平均数(DS HM)が0.001〜0.2、好ましくは0.01〜0.04であり、無水グルコース単位あたりのスルホアルキル基の平均数が0.01〜0.1、好ましくは0.01〜0.09である。スルホアルキル基は好ましくはスルホエチル基である)。
【0012】
また、本発明によれば、セルロースを、塩基触媒存在下、アルキレンオキシドからなる群から選択されたエーテル化剤によりエーテル化し、更にハロゲン化アルキルまたはアルキルグリシジルエーテルおよびスルホネートにより、エーテル化するか、またはヒドロキシアルキルセルロースからなる群から選択されたエーテルを、ハロゲン化アルキルまたはアルキルグリシジルエーテルおよびスルホネートにより、塩基触媒存在下、エーテル化することにより、
好ましくは
A)セルロースを、塩基触媒存在下、好ましくは懸濁液媒体中で、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはグリシジルアルコールおよびハロゲン化アルキルまたはアルキレンオキシドまたはアルキルグリシジルエーテルおよびアルケニルスルホネートまたはクロロアルキルスルホネートを用いて、エーテル化することにより、または
B)ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ジヒドロキシプロピルセルロースまたは2個以上の該ヒドロキシアルキル置換基を有するセルロースエーテルを、ハロゲン化アルキルまたはアルキレンオキシドまたはアルキルグリシジルエーテルおよびアルケニルスルホネートまたはクロロアルキルスルホネートにより、塩基触媒存在下、好ましくは懸濁液媒体中で、エーテル化することにより、
本発明によるセルロースエーテルを製造する方法が提供される。
【0013】
【発明の具体的説明】
懸濁液媒体は、低級アルコールまたはケトン(例えばイソプロパノール、tert−ブタノールまたはアセトン)を、セルロースに対する重量比3:1〜30:1、好ましくは8:1〜15:1で使用するのが好ましい。塩基としては、アルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウム、の水溶液を使用するのが一般的である。塩基対無水グルコース単位のモル比は、使用する炭水化物(誘導体)により決定される。セルロースを使用する場合(方法A)、このモル比は好ましくは1.0〜1.5であり、すでにエーテル化されている物質では(方法B)、無水グルコース単位あたり塩基0.1〜1.0モルであることが好ましい。
【0014】
反応混合物の含水量は、無水グルコース単位あたり水5〜30モルであることが好ましく、特に好ましくは10〜20モルである。
【0015】
最初の装填物として懸濁液媒体を導入した後、セルロースを加え、そのバッチを水性塩基でアルカリ性にし、十分に均質化し、加熱せずに、所望により冷却しながら、好ましくは0.5〜2時間攪拌する。続いて、エーテル化試薬(エポキシアルカン、アルキルグリシジルエーテルおよび/またはハロゲン化アルキルおよびスルホン酸誘導体)を、一度に、または順次加える。次いで、バッチを好ましくは温度60〜120℃、特に好ましくは80〜100℃に、好ましくは2〜6時間加熱する。冷却後、このバッチを酸、好ましくは塩酸、硝酸および/または酢酸、により好ましくはpH6〜8に中和する。懸濁液媒体をデカンテーションまたは濾過により除去する。好ましくは10〜50重量%の水を含む水性アルコールまたはケトン(特にイソプロパノール、エタノールおよびアセトン)で抽出することにより、粗製セルロース混合エーテルを、付着している副生成物、例えばポリグリコール、グリコールエーテルおよび塩、から分離することができる。減圧または大気圧下、50〜120℃で乾燥させた後、所望のセルロース混合エーテルが無色または僅かに黄色の粉末として得られる。
【0016】
必要であれば、本発明によるセルロースエーテルの望ましい重合度は、その製造の前または最中に、ペルオキソ化合物、例えば過酸化水素、またはペルオキソ二硫酸塩または他の酸化剤(例えば塩化ナトリウム)を加えることにより、達成することができる。これらの分子量低減方法およびそれぞれの工業的手順は公知技術である(T.M. Greenway の「Cellulosic Polymers, Blends and Composites」 、R.D. Gilbert編集、Carl Hanser Verlag, Munich, 1994, p.178 以降)。
【0017】
本発明によるセルロースエーテル誘導体の製造に好適な反応装置としては、例えば攪拌容器、ミキサーおよび混練装置がある。原則的に、非疎水性置換基を有するセルロース誘導体の製造に一般的に使用されている、セルロースまたは水溶性セルロースエーテルを非疎水性試薬と十分に混合できる、すべての装置を使用することができる。
【0018】
本発明によればさらに、無水グルコース単位あたり平均0.001〜1.0個のアルキル基により置換され、かつ無水グルコース単位あたり0.01〜0.4個のスルホアルキル基を有してなるヒドロキシアルキルセルロースからなる群から選択された水溶性イオン系セルロースエーテルのエマルション塗料における使用、および無水グルコース単位あたり平均0.001〜1.0個のアルキル基により置換され、かつ無水グルコース単位あたり0.01〜0.4個のスルホアルキル基を有してなるヒドロキシアルキルセルロースからなる群から選択された水溶性イオン系セルロースエーテルを含んでなるエマルション塗料が提供される。
【0019】
以下に、例を参照しながら本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0020】
【実施例】
製造例:
例1
使用する疎水性試薬は、EMS-Chemie, Zurichから市販の(C15〜C17)アルキルグリシジルエーテル(商品名Grilonit RV 1814)である。
馬蹄形攪拌機(anchor stirrer)を備えた2リットルのガラス製反応器中で、事実上無水のイソプロパノール中に、細かく粉砕した松材パルプを分散させる。不活性化(排気および窒素掃気)の後、攪拌しながら、25℃で、49.5%濃度の水酸化ナトリウム溶液および水を加える。この混合物を25℃で60分間、アルカリ性にする。エチレンオキシドを導入し、温度を40℃に1時間、次いで80℃に1時間保持する。次いで、約80℃で、所望量のアルキルグリシジルエーテルをイソプロパノール20gに溶解させた溶液を加え、エーテル化を80℃で2時間行なう。28.3%濃度のビニルスルホン酸ナトリウム(NaVSO3) 水溶液を加え、混合物を80℃で2〜3時間反応させる。室温に冷却した後、この混合物を約20%濃度の塩酸で中和する。生成物を吸引濾過し、80%濃度の水性アセトンで、塩含有量<0.5%に洗浄し、75℃で乾燥させる。
使用量および得られた疎水性付与変性されたヒドロキシエチルスルホエチルセルロースの置換度は表1に示される通りである。
【0021】
【表1】
Figure 0004672098
【0022】
例2
より多くのモル量のエチレンオキシドを使用する以外は、手順は例1と同様である。
使用量および得られた疎水性付与変性されたヒドロキシエチルスルホエチルセルロースの置換度は表2に示される通りである。
【0023】
【表2】
Figure 0004672098
【0024】
例3
高分子量リンターパルプを使用する以外は、手順は例2と同様である。
使用量および得られた疎水性付与変性されたヒドロキシエチルスルホエチルセルロースの置換度は表3に示される通りである。
【0025】
【表3】
Figure 0004672098
【0026】
例4
手順は例2と同様である。分子量の酸化調節には、アルキルグリシジルエーテルによるエーテル化に続いて少量の3%濃度の過酸化水素溶液を加えた後、温度を80℃に15分間保持する。その後、ビニルスルホン酸ナトリウムを加える。
使用量および得られた疎水性付与変性されたヒドロキシエチルスルホエチルセルロースの置換度は表4に示される通りである。
【0027】
【表4】
Figure 0004672098
【0028】
例5(比較例)
手順は例1と同様である。使用する疎水性付与試薬は、Nagase Chemicals Ltd. 、大阪から市販のフェニルエトキシレートのグリシジルエーテル(5エチレンオキシド単位)(商品名Denacol EX-145)である。
使用量および得られた疎水性付与変性されたヒドロキシエチルスルホエチルセルロースの置換度は表5に示される通りである。
【0029】
【表5】
Figure 0004672098
【0030】
例6
手順は例1と同様である。使用する疎水性付与試薬は、Nagase Chemicals Ltd. 、大阪から市販のラウリルエトキシレートのグリシジルエーテル(15エチレンオキシド単位を有するC12アルキル)(商品名Denacol EX-171)である。 使用量および得られた疎水性付与変性されたヒドロキシエチルスルホエチルセルロースの置換度は表6に示される通りである。
【0031】
【表6】
Figure 0004672098
【0032】
例7
手順は例1と同様である。使用する懸濁液媒体および溶剤は、tert−ブタノールとイソプロパノールの混合物である。
使用量および得られた疎水性付与変性されたヒドロキシエチルスルホエチルセルロースの置換度は表7に示される通りである。
【0033】
【表7】
Figure 0004672098
【0034】
例1〜7で製造したセルロース誘導体を増粘剤として各種のエマルション塗料中に配合し、それらの作用を先行技術の増粘剤と比較する。
サテン仕上げ塗料の処方で、塗料のレオロジー、安定性、光沢および塗布特性を試験する。処方組成物は下記の通りである。
【0035】
Figure 0004672098
【0036】
増粘剤:
試料A:5重量部の、例4Aのセルロース誘導体
試料B:5重量部の、例4Bのセルロース誘導体
試料C:5重量部の、例4Cのセルロース誘導体
試料D:5重量部の、例4Dのセルロース誘導体
【0037】
本発明のセルロース誘導体と比較するために、下記の先行技術の増粘剤を使用する。増粘剤の粘度(mPa・s) はすべて、2%濃度水溶液中、20℃で、DIN 53015によるHoepplerの落球粘度計で測定した。
【0038】
試料E:5重量部の、メチルヒドロキシエチルセルロース、粘度6000mPa・s 、2%濃度
試料F:5重量部の、ヒドロキシエチルセルロース、粘度6000mPa・s 、2%濃度
試料G:5重量部の、長鎖アルキル基を有するヒドロキシエチルセルロース、粘度6000mPa・s 、2%濃度
試料H:5重量部の、ヒドロキシエチルセルロース、粘度6000mPa・s 、2%濃度+5重量%のポリウレタン増粘剤RAcrysol RM 2020
【0039】
塗料製造後直ちに23℃/1日調整した後、塗料粘度をBrookfieldレオメーター(スピンドル6、10分-1および100分-1、23℃)を使用して測定する。100分-1および10分-1における粘度から得た比を、擬似塑性の尺度として使用することができる。この値が高い程、擬似塑性が低く、理想的なニュートン挙動に近くなる。
【0040】
測定された粘度値は、本発明の生成物(試料A〜D)が、従来のセルロースエーテル(試料EおよびF)および疎水性付与変性されたセルロースエーテル(試料G)および増粘剤の組合せ(試料H)と比較して、増粘の程度が低いことを示している。
エマルション塗料の製造から1日のエージング期間に続いて、塗料をブラシで塗布し、刷毛さばき、および塗布された塗料の外観を採点尺度に従って査定する(評価基準参照)。
【0041】
エマルション塗料の非滴下挙動を定量的に査定するために、ローラーを使用する塗料の塗布を再現する下記の試験を行なう。
調整した塗料ローラーに限定量(35ml)のエマルション塗料を付け、モーター駆動する往復運動により、この分野で一般的なペイントストリッパーグリッドの上にロール塗りする。ローラーを押し付ける圧力は一定に維持する。長方形グリッドを支持するのに使用する皿の底には、黒色のカードがある。その上に滴下する塗料を、それらの回数および面積の広がりに関して目視により比較し、決められた採点尺度に従って査定する(評価基準参照)。
乾燥した塗料被膜の光沢を、反射率計を使用し、角度60°で測定する。
【0042】
【表8】
Figure 0004672098
【0043】
Figure 0004672098
【0044】
下記の組成を有する無溶剤内装用塗料で、各種増粘剤の耐洗浄性を試験する。
Figure 0004672098
【0045】
増粘剤
試料A:例2Cから得たセルロース誘導体
試料B:例2Dから得たセルロース誘導体
試料C:例2Eから得たセルロース誘導体
【0046】
本発明のセルロース誘導体と比較するために、下記の先行技術の増粘剤を使用する。増粘剤の粘度(mPa・s) はすべて、2%濃度水溶液中、20℃で、DIN 53015によるHoepplerの落球粘度計で測定した。
【0047】
試料D:ヒドロキシエチルセルロース、粘度30,000mPa・s/2%濃度
試料E:メチルヒドロキシエチルセルロース、粘度30,000mPa・s/2%濃度
試料F:長鎖アルキル基を有するヒドロキシエチルセルロース、粘度6000mPa・s 、2%濃度
【0048】
仕上がった塗料の耐洗浄性を査定するために、被膜吸引装置を使用し、乾燥被膜厚100μmの塗料被膜を吸引する。耐洗浄性は、DIN 53778 Part2により、23℃/50%相対湿度で28日間調整した後に行なう。
【0049】
Figure 0004672098
【0050】
本発明によるセルロース誘導体は、貯蔵の際に塗料の増粘が少なく、長鎖アルキル基を使用して疎水性付与変性されたセルロースエーテルの擬似塑性と比較してはるかに低い擬似塑性を有する。疎水性付与変性されていないセルロースエーテルと比較して、本発明のセルロース誘導体は、エマルション塗料の滴下が大幅に減少している。光沢および流動性に関して優位性は明らかである。水溶性のスルホエチル基を導入しているにも関わらず、仕上がったエマルション塗料の良好な耐洗浄性が維持されている。従来のセルロースエーテルと合成ポリウレタン増粘剤の組合せと比較して、増粘剤濃度を下げた塗料を製造し、所望の塗料粘稠性を達成することができる。

Claims (4)

  1. 無水グルコース単位あたり平均0.001〜0.2個のアルキル基により置換され、無水グルコース単位あたり少なくとも2.31の数(MS)のヒドロキシアルキル基により置換され、かつ無水グルコース単位あたり0.01〜0.4個のスルホアルキル基を有してなるヒドロキシアルキルセルロースからなる群から選択された一種以上の水溶性イオン系セルロースエーテルを含んでなる、エマルション塗料であって、
    水溶性イオン系セルロースエーテルが下式を有する、エマルション塗料:
    [C(OR)(OR)(OR)]
    (式中、
    は無水グルコース単位であり、
    mは50〜3000であり、
    、R およびR は、互いに独立して、次式のポリアルキレンオキシド鎖であり、
    Figure 0004672098
    式中、
    X=H、C 2n+1 、CH −CH −SO YまたはCH −CHOH−CH SO Yであり、
    n=4〜20であり、
    Y=H、NaまたはKであり、
    p、qおよびrは、R 、R およびR 中で互いに独立して、それぞれ0〜4の 値を取ることができ、無水グルコース単位あたりのR 、R およびR 全てにつ いて加えた(p+q+r)の総計が平均で1.3より大きく、かつ4.5未満であり、ポリアルキレンオキシド鎖中のオキシアルキレン単位の配列は任意であり、無水グルコース単位あたりの疎水性付与変性された基の平均数(DS HM)が0.001〜0.2である)。
  2. 無水グルコース単位あたりの疎水性付与変性された基の平均数(DS HM)が0.01〜0.04である、請求項1に記載のエマルション塗料
  3. 無水グルコース単位あたりのスルホアルキル基の平均数が0.01〜0.09である、請求項1または2に記載のエマルション塗料
  4. スルホアルキル基がスルホエチル基である、請求項1〜のいずれか一項に記載のエマルション塗料
JP30599799A 1998-10-27 1999-10-27 スルホアルキルを含む疎水性付与変性された水溶性セルロースエーテル、それらの製造方法、およびエマルション塗料におけるそれらの使用 Expired - Fee Related JP4672098B2 (ja)

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