JP4671574B2 - 志賀毒素様毒素及び血管内皮成長因子断片を含有する組換えたんぱく質 - Google Patents
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Description
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、組換え核酸分子及び組換え融合たんぱく質に関し、さらに特定的には志賀毒素様毒素−血管内皮成長因子融合たんぱく質、及びそのような融合たんぱく質をコードする組換えDNA分子に関する。本発明はまた、上記組換え核酸分子を含有する細菌ベクター、上記融合たんぱく質を製造する方法、及び治療的処置におけるそれらの使用に関する。
【0002】
2.関連技術の記載
血管形成は、新しい血管を成長させる厳重に制御された過程である(概説としてFolkman&Shing(1992);Hanahan(1997)を参照)。正常な状況下では、血管形成は胚発生、傷の治癒及び黄体の発達中にのみ起こる。しかしながら、血管形成は充実性腫瘍及び転移増殖、種々の眼の疾患、慢性炎症状態、及び虚血性傷害のような多くの症状において起こる(概説としてFolkman(1995)参照)。したがって、増殖しつつある内皮細胞は幾つかの主要な症状の治療のためのユニークな標的を提供する。
【0003】
血管形成の極めて重要な正のレギュレーターは血管透過性因子としても知られている血管内皮成長因子(VEGF)である(概説としてNeufeld等(1999)を参照)。VEGFは選び得るスプライシングの結果として、121、145、165、189及び206アミノ酸残基を有するポリペプチド類からなり得る、分泌された二量体糖たんぱく質である。VEGFは正常な細胞及び腫瘍細胞により発現され、そしてVEGF発現の制御は、幾つかの水準で調節されると思われる(概説としてClaffey&Robinson(1996)、Veikkola&Alitalo(2000)参照)。VEGFの発現は、腫瘍と転移増殖との間のフィードバックループを示唆する低酸素及び栄養欠如、及び宿主血管形成応答に対する腫瘍細胞の能力に応じてアプレギュレーションされる(upregulated)。
【0004】
内皮細胞に対するVEGFの作用はVEGFR−1及びVEGFR−2としてまた知られている、チロシンキナーゼ−flt−1受容体及びKDR/flk−1受容体により仲介される(概説としてTerman&Dougher−Vermazen(1996)、Veikkola等(2000)参照)。これらの受容体は内皮細胞上で優先的に発現される。血管形成の部位での内皮細胞が、休止性(静止性)内皮細胞よりも、有意義に高い数のKDR/Flk−1受容体を発現するという報告がある(Brown等(1993)、Brown等(1995)、Plate等(1993)、Detmar等(1994)、Couffinhal等(1997))。それらの受容体は、免疫グロブリンスーパーファミリーに属し、細胞外領域に7つのIg様ループを含有し、そして血小板由来の成長因子のための受容体と相同性を共有する単一スパンの膜通過たんぱく質チロシンキナーゼである。これらの受容体に結合するVEGFは、受容体二量体化、次の二量体におけるSH2及びSH3のチロシン燐酸化を誘発する(概説としてNeufeld等(1994)参照)。KDR/Flk1−VEGF複合体は受容体媒介エンドサイトーシス(細胞飲食作用:細胞が外環境から種々の物質を取り込む機構)を介して取り込まれる(Bikfalvi等(1991))。
【0005】
幾つかのグループは、VEGF又はKDR/flk−1のいずれかの標的化が血管形成及び血管形成に依存する過程を阻止することを報告した(Kim等(1993)、Millauer等(1994)、Saleh等(1996)、Aiello等(1995))。他方、モデルシテスムにおいて虚血性組織中へのVEGF又はVEGFをコードするプラスミドの直接注入は、微小血管系の発生を促進し、そして虚血傷害又はバルーン血管形成術後の回復を改良した(Asahara等(1996))。一緒に考慮して、これらの結果は、VEGF及びKDR/Flt1が血管形成においてきわめて重要な役割を演じていることに、殆ど疑念を残さない。これらの実験は、VEGF−毒素共役体又は融合たんぱく質がインビボで働くことができることの原理証明を提供したけれども、DT含有融合たんぱく質の腎臓及び肝臓毒性の故に、DT−VEGFの構築物の追加の開発は疑わしい。
【0006】
VEGFは内皮細胞に特異的に結合するので、この成長因子は、血管形成部位に標的化医薬送り込みのためのユニークな機会を提供する。組換えVEGF165及び/又はVEGF121に、組換えDNA技術を介して共有的に結合又は融合されたジフテリア毒素の触媒作用的に活性な形態がKDR/flk−1受容体を発現する細胞に対して選択的に毒性であり、そしてまたインビボで血管形成を抑制したことが示された(Ramakrishnan等(1996)、Olsolon等(1997)、Arora等(1999))。
【0007】
内皮細胞の“ナチュラルキラー”である毒素を標的化するためにVEGFを使用することが有利である。E.coli O157:H7により生産された志賀毒素様毒素1は内皮細胞に対するそのような“ナチュラルキラー”である。志賀毒素様毒素1により起こされた内皮細胞への損傷は、E.coli O157:H7により誘発された出血性大腸炎(HC)及び溶血性尿毒症症候群(HUS)の病因において、原因となる役割を演じている(Obrig等(1987)、Obrig等(1993)、Richardson等(1988)、Kaplan等(1990))。
【0008】
志賀毒素様毒素1(SLT−1)は受容体結合7kDaB−サブユニットの環状五量体と組合わされた32kDaA−サブユニットの単一コピーから構成されている。B−サブユニットはGb3として知られている細胞受容体グロボトリアオシルセラミドにSLT類を結合させる(Obrig等(1993))。この受容体は内皮細胞を包含する多くの細胞のタイプ上に見い出される(Obrig等(1993))。細胞表面受容体に結合後にSLTは細胞内部に取り込まれ、そしてA−サブユニットは、ジスルフィド結合により結合されるA1(27.5kDa)型とA2(4.5kDa)型とに開裂される(Olsnes(1981))。処理されたAサブユニットは60Sリボソームサブユニットの28SrRNAの5’末端から位置4324において単一アデニン残基を開裂することによりリボソーム類を不活性化する特異性N−グリコシダーゼである(Saxena等(1989))。28SrRNAからのA4324の開裂は、リボソーム類への延長因子(EF−1)/アミノアシル−tRNA複合体の結合を阻止して、たんぱく質合成の抑制を生ずることによりリボソーム類を不活性化する。他のリボソーム−不活性化剤に関して、後に続く細胞増殖抑制性及び細胞毒性作用はリボ毒性ストレス応答により比較的小割合のリボソームの不活性化への細胞の応答として生ずるだろう(Iordanov等(1997))。あるいは、細胞増殖抑制性及び細胞毒性作用は、多数のリボソーム類の不活性化に起因するたんぱく質合成の大きな崩壊への細胞応答として生ずるだろう。処理されていない全長のAサブユニット並びに種々の切形(truncated)Aサブユニットは有意義なN−グリコシダーゼ活性を維持していることは重要である(Haddad等(1993)、Al−Jaufy等(1994)、Al−Jaufy等(1995))。さらに、処理されていない全長のAサブユニットを含有する融合たんぱく質ならびにCD4のN−末端に融合された種々の切形AサブユニットはN−グリコシダーゼ活性を維持し、そしてHIV−1gp120−gp41複合体を発現する細胞に対して細胞毒性である(Al−Jaufy等(1994)、Al−Jaufy等(1995))。
【0009】
志賀毒素様毒素は、内皮細胞の“ナチュラル”キラーであるので、内皮細胞の増殖を阻止し、及び/又は内皮細胞を死滅させるために、酵素的に活性な全長、切形又は突然変異形Aサブユニットを内皮細胞に送り込むことは有利である。他の細胞タイプへの損傷を避けるために、酵素的に活性な全長、切形又は突然変異形AサブユニットはVEGFのような内皮細胞特異性成長因子により標的細胞に送り込まれるべきである。それ故に、VEGF受容体に結合するための能力を維持している、全長、切形又は突然変異形VEGFに融合された酵素的に活性な全長、切形又は突然変異形Aサブユニットを含有する融合たんぱく質の生産のために有効な組換えDNA方法を提供することが本発明における目的である。
【0010】
発明の概要
1つの面において、本発明は(1)志賀毒素様細菌毒素(Shiga−like bacterial toxin)のAサブユニット又はその切形若しくは突然変異体;及び(2)ヒト血管内皮成長因子又はその切形若しくは突然変異体、を含む融合たんぱく質であって、リボソーム不活性化活性を有する融合たんぱく質をコードする単離された核酸に向けられている。
【0011】
他の面において、本発明は(1)志賀毒素様毒素のAサブユニット又はその切形若しくは突然変異体;及び(2)ヒト血管内皮成長因子又はその切形若しくは突然変異体を含む単離されたポリペプチドであって、リボソーム不活性化活性を有する単離されたポリペプチドに向けられている。
【0012】
他の面において、本発明は(1)志賀毒素様毒素のAサブユニット又はその切形若しくは突然変異体;及びヒト血管内皮成長因子又はその切形若しくは突然変異体を含む融合たんぱく質をコードする核酸;及び(2)該核酸に操作的に結合されて、核酸の発現を可能にしているプロモーター配列を含む、発現ベクターに向けられている。
【0013】
他の面において、本発明は上記発現ベクターで形質転換された細菌細胞に向けられている。
【0014】
なお他の面において、本発明は、細胞中のリボソームを不活性化する方法であって、(a)細胞を、(1)志賀毒素様毒素のAサブユニット又はその切形若しくは突然変異体;及び(2)ヒト血管内皮成長因子又はその切形若しくは突然変異体、を含むポリペプチドと、該ポリペプチドが前記細胞中に取り込まれ、そして前記細胞中のリボソームを不活性化することを可能にする条件下で、接触させる工程を含む、上記方法に向けられている。
【0015】
なお他の面において、本発明は、(A)志賀毒素様毒素のAサブユニット又はその切形若しくは突然変異体;及びヒト血管内皮成長因子又はその切形若しくは突然変異体を含む融合たんぱく質であって、リボソーム不活性化活性を有する融合たんぱく質;及び(B)医薬的に許容できる担体を含む、患者における内皮細胞増殖を阻止するための組成物に向けられている。
【0016】
なお他の面において、本発明は、志賀毒素様毒素のAサブユニット又はその切形若しくは突然変異体;及びヒト血管内皮成長因子又はその切形若しくは突然変異体を含む融合たんぱく質であって、リボソーム不活性化活性を有する融合たんぱく質;及び医薬的に許容できる担体を含む組成物の有効な量を患者に与えることを含む、血管形成に依存する病理生理学的症状を患っている患者を治療する方法に向けられている。
【0017】
また、本発明のたんぱく質類及び医薬組成物は、単独で用いることができるか、あるいは血管形成に関連する疾患のための他の治療、特に前記たんぱく質及び医薬組成物により起こされる内皮に対する損傷から生ずるであろう酸素又は栄養供給における減少により効能が高められる治療と組み合わせて用いることができる。
【0018】
これらの及び他の面は、本発明の以下の詳細な記載においてより詳細に記載されるだう。
【0019】
本発明は添付図面と一緒にして以下の詳細な記載からより十分に理解されるだろう。図面において:
【0020】
図1は、SLT−VEGF/L、触媒作用的に不活性なSLT−VEGF/Lci及びSLT−VEGF/Sたんぱく質の概要表現図である。触媒作用的に不活性なSLT−VEGF/Lciは、組換えSLT−VEGFたんぱく質により誘発されることができる他の作用から、リボソーム不活性化の作用を分離するために構築された。このたんぱく質は、独立してSLT−1A−サブユニットの酵素的活性を非常に減少させる一方で、変化していない抗原の性質により判断されるように、その折りたたみ(フォールディング)に影響しない、Y114S及びR170Lアミノ酸置換基を有する二重突然変異体Aサブユニットを含有する(Deresiewicz等(1993)、Cao等(1994))。精製及び定量化のためのHis−標識及びS−標識が用いられる。A1−A2二量体に結合されたジスルフィド結合にAサブユニットを開裂する細胞間プロテアーゼフリンについての開裂部位が示される。対照実験において用いられる組換えVEGF121たんぱく質はまた、His−標識及びS−標識を含有する。
【0021】
図2はBL21(DE3)pLysS E.coli菌株(BL21と呼ばれる)及びOrigami(DE3)pLysS E.coli菌株(Origamiと呼ばれる)におけるSLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sのたんぱく質の発現、及び各々の宿主から単離された封入体においてのそれらの蓄積を例示する(図2、パネルA及びB)。図2はまた、Origami(DE3)pLysS E.coli菌株からの精製後に得られたVEGF121(レーンV)、SLT−VEGE/L、SLT−VEGF/Lci及びSLT−VEGF/Sたんぱく質の最終標品の品質を例示する(図2、パネルC)。SLT−VEGF融合たんぱく質の発現はイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)の添加により誘発された。37℃で、BL21(DE3)pLysS細胞はSLT−VEGF/LについてIPTG誘発の3.5時間後に採取され、そしてSLT−VEGF/SについてIPTG誘発の2時間後に、採取された。Origami(DE3)pLysS細胞は30℃で両方のたんぱく質についてIPTG誘発の4時間後に採取された。可溶性区分(S)、封入体(I)、及び封入体から精製された再生(リフォールドされた)たんぱく質は15%ゲル上でSDS−PAGEにより分析された。レーンMにおける標識の分子量はkDaで示される。
【0022】
図3はSLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sたんぱく質(しかし触媒的に不活性なSLT−VEGF/Lciなし)が無細胞翻訳系においてたんぱく質合成を阻止することを例示する。SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sたんぱく質は100nMの濃度で、それぞれ99.99%及び99%だけ蛍ルシフェラーゼmRNAの翻訳を阻止する(図3、パネルA)。SLT−VEGF融合たんぱく質と同じ方法により単離された組換えVEGF121たんぱく質は、1,000nMほどの高さの濃度で〜50%だけ翻訳を阻止する(図3、パネルA)。SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sは、前者が0.04nMの濃度で、後者が2nMの濃度で、適用量依存性様式で、90%阻止でたんぱく質合成を阻止し、その一方でSLT−VEGF/Lciはたんぱく質合成を阻止しなかった(図3、パネルB)。VEGF121対照のパーセントで検出されたルシフェラーゼ活性が示される。
【0023】
図4は、SLT−VEGF/L、SLT−VEGF/Lci及びSLT−VEGF/Sたんぱく質が、KDR/flk−1受容体(293/KDR細胞)を過度に発現する細胞において、VEGFのためのKDR/flk−1受容体のチロシン燐酸化を誘発することを例示している。KDR/flk−1受容体のチロシン燐酸化は、抗−ホスホチロシン抗体を用いて、SLT−VEGF/L、SLT−VEGF/Lci、SLT−VEGF/S及びVEGF121で処理された293/KDRの溶菌液(ライゼート)のウエスタンブロット分析により検出された。
【0024】
図5は、SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sたんぱく質が、KDR/flk−1受容体を過度に発現する増殖しつつあるPAE/KDR細胞を標的化する(中が白い円形)が、しかしKDR/flk−1受容体を発現していない対照のPAE/V細胞に影響しない(中が黒い円形)ことを例示している。PAE/KDR細胞及びKDR/flk−1受容体が存在しない対照PAE/V細胞が、〜5,000細胞/ウエルで平板培養され、SLT−VEGF/L(図5、パネルA)又はSLT−VEGF/S(図5、パネルB)で72時間処理され、そしてOrigami(DE3)lysS宿主から単離された。図5において示されるように、SLT−VEGFたんぱく質は、KDR/flk−1受容体を過度に発現しているPAE/KDR細胞の増殖を強く阻止した。触媒作用的に不活性なSLT−VEGF/LciはPAE/KDR及びPAE/V細胞の増殖に影響しないので、この効果はSLT部分のリボソーム不活性化活性に起因すると考えられる(図5、パネルC)。
【0025】
図6は、DNA分解(図6、パネルA)及びα−ホドリンの開裂(図6、パネルB)により判断されるように、SLT−VEGF/L融合たんぱく質はPAE/KDR細胞におけるアポトーシスを迅速に活性化することを例示する。
【0026】
図7は、SLT−VEGF/Lたんぱく質が低い数のKDR/flk−1受容体(図7、パネルA)及び休止(静止)PAE/KDR細胞(図7、パネルB)を有する内皮細胞を標的としないことを例示している。ウエスタンブロット分析により評価されるように、ヒト臍静脈内皮(HUVE)細胞は、細胞当たり30,000〜50,000KDR/flk−1受容体を発現し、そしてPAE/KDRlow細胞は細胞当たり〜5,000KDR/flk−1受容体を発現する。MSl細胞は、細胞当たり〜20,000VEGFR−2を発現した。HUVE、PAE/KDRlow及びMSl細胞は、5〜10x103細胞/ウエルの密度で、24個ウエルの平板上で平板培養され、そして20時間後に2.5nMのSLT−VEGF/Lにさらされ、そして72時間後に計数された。集密PAE/KDRは3日間、集密状態で維持され、次に72時間20nMのSLT−VEGF/Lで処理された。増殖しつつあるPAE/KDRは5分間20nMのSLT−VEGF/Lにさらされ、次に、新しい培地に移され、72時間後に計数された。
【0027】
発明の詳細な説明
本発明の目的は、本明細書においてSLT−VEGFと称される融合たんぱく質をコードするDNA又はRNAのような核酸配列を提供することである。SLT−VEGF融合たんぱく質は、リボソーム不活性化活性を与える志賀毒素様毒素(Shiga−like bacterial toxin)の全長、切形又は突然変異Aサブユニット、及びVEGF受容体に結合する血管内皮成長因子(VEGF)を含む。該3種の核酸配列及び結果として生ずるたんぱく質配列は、スペーサー配列により分離されるのが好ましい。
【0028】
志賀毒素様毒素についての核酸配列及びVEGFについての核酸配列はそれぞれ当業界において知られている。しかしながら、本発明者は、これらの2つの配列の組み合わせが、特性のユニークな組み合わせを有する融合たんぱく質の生成を提供することを驚くべきことに見い出した。その融合たんぱく質は、そのVEGF領域に基づいて特異的VEGF細胞受容体に結合することができる。その融合たんぱく質はまた、志賀毒素様毒素領域に基づいてリボソーム類を不活性化し、そしてKDR/flk−1受容体を過度に発現している内皮細胞においてアポトーシスを誘発することができる。組み合わせにおいて、これらの2つのたんぱく質領域は、血管形成に関連する疾患に対する有効な且つ高度に標的化した治療を提供する。
【0029】
本発明のさらに他の目的は、内皮細胞増殖の阻止において使用するための医薬組成物であって、SLT−VEGF融合たんぱく質及び医薬的に許容できる担体を含有する医薬組成物を提供することである。有用な担体は、水、緩衝化塩水又は当業界において知られている他の医薬的に許容できる担体を包含する。医薬組成物のSLT−VEGF融合たんぱく質は効能のある細胞毒性薬剤又は細胞増殖抑制薬剤であり、そして充実性腫瘍及び転移増殖、種々の眼の疾患、慢性炎症状態並びに虚血性傷害のような、血管形成に依存する種々の病理生理学的症状の治療において有用である。また、本発明のたんぱく質及び医薬組成物は単独で用いられることができるか、あるいは血管形成に関連した疾患のための他の既知の治療、特に前記たんぱく質及び医薬組成物により起こされる内皮への損傷から生ずる酸素又は栄養補給における減少により効能が高められる治療と組み合わせて用いることができる。
【0030】
本発明のなお他の目的は、新しいDNA配列を受け入れている組換え発現ベクター、及びそのような組換え発現ベクターを含有する形質転換された細菌細胞を提供することである。融合たんぱく質SLT−VEGFをコードする核酸配列は当業界において周知の材料及び方法を用いて、細菌プラスミド又はウイルスベクターのような既知のベクター中に挿入することができる。SLT−VEGF融合たんぱく質をコードする核酸構築物は、その核酸構築物が誘導性プロモーター配列、融合たんぱく質の精製及び定量化を簡潔にする標識をコードする配列、並びに選ばれた宿主におけるターミネーター官能性に操作的に結合されるようにプラスミド中に挿入される。そのプラスミドはまた、プロモーターが誘導的に制御される、細菌細胞のような、宿主細胞中に導入されるのが好ましい。
【0031】
本発明の他の目的は、内皮細胞の増殖を阻止し、そして充実性腫瘍及び転移増殖、種々の眼の疾患、慢性炎症状態、並びに虚血性傷害のような、血管形成に依存する病理生理学的症状を患っている患者を治療するための方法である。
【0032】
本発明に従う組換え核酸配列により発現された融合たんぱく質において、そのVEGFは、VEGFの高い親和性受容体に結合することができる、VEGF121、VEGF165、VEGF189及びVEGF209の全長又は突然変異体から適当に選ばれる。本発明の特に好ましい態様に従えば、VEGFはVEGF121又はその切形VEGF突然変異体により構成される。
【0033】
本明細書において用いられるものとして、(SLTとして本明細書において略記する)志賀毒素様毒素Aサブユニットとは、E.coli O157:H7に見い出されるアミノ酸配列、並びに実質的にリボソーム不活性化活性を依然として発現する、アミノ酸置換、欠失、挿入又は付加を有する修飾された配列を有するポリペプチドを言う。種々の制御実験のような幾つかの適用のために、リボソーム不活性化活性を欠いているSLTを生成することが有益であろう。特に、そのような修飾されたSLT類は、1つ以上のアミノ酸を変化させるか、又は欠失させるか、又はSLT−VEGF融合たんぱく質の所望の性質を達成させるために、より適当にすることができる1つ以上のアミノ酸を挿入することにより、本明細書において開示されたDNAを修飾することにより生成することができる。そのような性質は、細菌宿主における組換えたんぱく質の生産、細胞VEGF受容体に結合する能力、受容体媒介吸収を介する細胞に取り込まれる能力、細胞間たんぱく質合成阻止活性、全体的な細胞毒性又は細胞増殖抑制性、薬物速度論、薬動力学(薬力学)、及び種々の貯蔵及び使用条件下での安定性を包含するが、しかしそれらに限定されない。標準のインビトロ又はインビボアッセイにおいて、本明細書において記載されたとおりにしてVEGFに融合したときに、リボソーム不活性化活性及び細胞VEGF受容体に結合する能力を示すような、任意のたんぱく質又はその変換体が本発明において使用するために意図される。
【0034】
本明細書において用いられるものとして、SLT−VEGFたんぱく質は、SLTポリペプチド、及びVEGF細胞表面受容体と反応性である、血管内皮成長因子(VEGF)を含有している融合たんぱく質である。
【0035】
結果として得られるSLT−VEGF融合たんぱく質は、内皮細胞の増殖を標的化しそして阻止する細胞毒性又は細胞増殖抑制剤として有用であり、それにより充実性腫瘍及び転移増殖、種々の眼の疾患、慢性炎症状態、並びに虚血性障害を包含するが、それらに限定されない、血管形成依存性疾患を治療するために有用である。
【0036】
本明細書において用いられるものとして、SLT−VEGFたんぱく質が標的とするとは、それを、VEGF受容体を発現する細胞に向けることを意味する。その受容体に結合する際、SLT−VEGFたんぱく質は、その細胞に取り込まれ、そしてその細胞に対して細胞毒性又は細胞増殖抑制性である。
【0037】
本明細書において用いられるものとして、活性という用語、又はSLT−VEGFたんぱく質の活性への言及、又はSLT−VEGFたんぱく質の細胞毒性及び細胞増殖抑制作用への言及は、細胞によるSLT−VEGFたんぱく質のVEGF受容体媒介取り込みの際に、インビボ又はインビトロのいずれか又はそれぞれにおいて、リボソームを不活性にし、細胞を死滅させ又は細胞増殖を阻止するそのようなたんぱく質の能力を言う。そのような活性は、たんぱく質合成、受容体結合、自動燐酸化及び細胞による取り込みを測定するアッセイ、及び細胞増殖、アポトーシスについての及びたんぱく質合成についての試験化合物の作用を測定することによる細胞毒性及び細胞増殖抑制作用を評価するアッセイを包含するが、それらに限定されない当業者に知られている任意の方法により評価されることができる。
【0038】
本明細書において用いられるものとして、VEGFは天然VEGFたんぱく質のアミノ酸配列を有するポリペプチドを言い、並びに該天然たんぱく質のアミノ酸置換、欠失、挿入又は付加を有するが、しかしVEGF受容体に結合し且つ細胞取り込みされ能力を維持している修飾された配列を有するポリペプチドを言う。そのようなポリペプチドは、VEGF121、VEGF165、VEGF189、VEGF209を包含するが、それらに限定されない。
【0039】
アミノ酸配列における差は、異なる種のVEGF類の中で、並びにそれぞれ生体又は種からのVEGF類の中で起こり得ることが理解される。VEGF類への言及はまた、天然源から単離されたたんぱく質、並びに組換え体手段による又は、ことによっては化学合成によるような、合成的に作られたたんぱく質を包含することが意図される。VEGFはまた、SLTに、VEGF−受容体発現細胞を標的とさせる能力を有し、そして例えば該成長因子の活性又は安定性を維持し又は増大させるために、ジスルフィドスクランブルを減少させるか又は排除させるために、あるいは種々の修飾用基(例えばポリエチレングリコール)を用いて反応性を変えるために造られた、VEGFの突然変異体を包含する。
【0040】
本明細書において用いられるものとして、“VEGF受容体”という用語は、VEGFと特異的に相互作用し、それを細胞中に輸送する受容体に言及するために用いられる。これらの中に、KDR/flk−1(VEGF−R1)、flt−1(VEGF−R2)が包含されるが、それらに限定されない。
【0041】
本明細書において用いられるものとして、“VEGF受容体と反応性のポリペプチド”という用語は、VEGF受容体、好ましくは高い親和性のVEGF受容体と特異的に反応し、VEGF受容体とのその相互反応に基づいて細胞中に移送される任意のポリペプチドを言う。
【0042】
他のように定義されない限り、本明細書において用いられる追加の技術的且つ科学的用語は、本明細書における当該事項が属する業界の当業者により通常理解されている意味と同じ意味を有する。
【0043】
本発明は、この点に関して決して限定されないけれども、志賀毒素様毒素の全長Aサブユニット(SLT/L)、その切形変換体(SLT/S)、又はその触媒作用的に不活性な突然変異変換体(SLT/Lci)に関して主として以下に例示されるだろう。したがって、本発明は、融合たんぱく質が、特異VEGF受容体を標的にする、SLT/L、又はSLT/S、又はSLT/LciとVEGF分子との間の遺伝子融合たんぱく質の構造に関連して記載され、そして内皮細胞上への細胞毒性及び/又は細胞増殖抑制作用を、SLT/L又はSLT/Sを含有する融合たんぱく質だけが示すが、しかしSLT/Lciを含有する融合たんぱく質は示さないことを本明細書において示すだろう。
【0044】
VEGF121に結合されたSLT/L又はSLT/Sからなる、SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sで表示される融合たんぱく質は、〜0.15nMのIC50を有する適用量依存方式で、VEGFに対してKDR/flk−1受容体を過度に発現するブタ内皮細胞PAE/KDR細胞の増殖を阻止する。低いナノモルの濃度範囲で、SLT−VEGF/Lたんぱく質は細胞毒性であり、2.5nM程の低い濃度にさらされたときに実質的すべてのPAE/KDR細胞を死滅させる。これとは対照的に、低いナノモル濃度でのSLT−VEGF/Sたんぱく質はほとんど細胞増殖抑制性である。触媒作用的に不活性なVEGF−SLT/LciがPAE/KDR細胞増殖に影響しないので、これらの効果はリボソームを不活性化する融合たんぱく質のSLT部分の触媒活性により左右される。SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sは、KDR/flk−1受容体を発現しないがしかし制御ベクターによりDNA感染されるブタ内皮細胞PAE/V細胞の増殖に影響しないので、これらの効果はKDR/flk−1受容体の発現により左右される。重要なことには、SLT−VEGF/Lたんぱく質は、20nMほどの高さの濃度でさえ、低い数のKDR/flk−1受容体又は休止(静止)PAE/KDR細胞を発現する内皮細胞に影響しない。それらの結果は、SLT−VEGF/L及びSLT−VQEGF/S分子がKDR/flk−1受容体を介して細胞に入ることができ、そして前記分子のSLT/L又はSLT/S部分が、KDR/flk−1受容体を過度に発現する増殖しつつある内皮細胞において細胞毒性及び/又は細胞増殖抑制作用を有効に生じさせることができるが、しかし低い数のKDR/flk−1受容体を発現する内皮細胞又は休止(静止)内皮細胞においては該作用を生じさせることができないことを示している。
【0045】
これらの結果は、VEGFたんぱく質のための受容体は低い数で発現するか又は発現しない、正常な内皮細胞又は他のタイプの細胞に影響せず、それにより標的化されていない細胞との相互作用から生じ得る望ましくない副作用を最小にして、KDR/flk−1受容体を過度に発現することが知られている血管形成の部位で増殖しつつある内皮を選択的に標的にするためにSLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sたんぱく質を使用することの可能性を示している。それ故に、SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sたんぱく質は、表面VEGF受容体を過度に発現している細胞において表面VEGF受容体への特異的結合を介して細胞相互作用の狭いスペクトルが与えられ、それにより血管形成の部位で主として増殖しつつある内皮細胞を、SLT/L及びSLT/Sが標的化する。
【0046】
さらに、SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/S構築物を用いて、本発明者は:
(i)SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sたんぱく質は、たんぱく質合成を阻止する能力を維持するが、しかしSTL−VEGF/Lciはその能力を維持しない;
(ii)SLT−VEGF/L、SLT−VEGF/Lci及びSLT−VEGF/Sたんぱく質は、細胞KDR/flk−1受容体に結合し、そして前記受容体のチロシン自己燐酸化を誘発する;
(iii)SLT−VEGF/Lたんぱく質はKDR/flk−1受容体を過度に発現している増殖しつつある内皮細胞の死滅を誘導する細胞毒性たんぱく質であるが、しかし低い数のDKR/flk−1受容体を発現している内皮細胞又は休止(静止)内皮細胞に対しては細胞毒性たんぱく質ではなく、一方では、SLT−VEGF/Sは、ほとんどの増殖阻止を生ずる細胞増殖抑制性たんぱく質である:ことを示した。
【0047】
血管形成を阻止するための内皮細胞増殖の阻止において使用するための組成物は、医薬的に許容できる希釈剤又は担体と組合わせて融合たんぱく質を含む。本発明に従う組成物は、実施にあたって、静脈内注射、連続注入により通常投与されるけれども、非経口注射又は筋肉内注射のような他の方法も使用することができる。
【0048】
注射のための組成物は、単位投与量形で提供することができ、溶液のような形をとることができ、そして安定剤、緩衝剤、等のような配合用剤を含有することができる。
【0049】
本発明は、以下の例によってさらに記載されるが、しかしそれらの例によって限定されることを意図しない。他のように明瞭に記載されない限り、すべての部及びパーセンテージは重量によるものであり、すべての温度は摂氏目盛りの度である。
【0050】
例
例 1
SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/S融合たんぱく質をコードする
DNA配列の構築
一般的な記載
細菌の菌株、プラスミド、及び哺乳類の細胞
E.coli菌株DH5αはLife Technologies,Inc.(米国)から市販されている。E.coli菌株BL21(DE3)pLysS及びOrigami(DE3)pLysSは、Novagenから市販されている。His−標識、S−標識、チオレドキシンを含有する末端延長を有する組換えたんぱく質の細菌発現のためのベクターpET32(a)はNovagen(米国)から市販されている。ヒトVEGFの121−残基形をコードするDNA配列を含有するプラスミドpLen−121は米国特許第5,219,739号(この特許をその全体において参照することにより本明細書に組み入れる)において記載されており、Dr.J.Abraham(米国のScios Nova,Inc.)から得られた。VTl/SLTホロトキシンのための配列を含有するプラスミドpJB144はDr.J.Brunton(カナダ、トロントのSamuel Lunenfield Research institute)から得られた。プラスミドpBalPst(エンプティベクター)、及びKDR/flk−1受容体をコードするpBalPst/KDRは、Dr.B.Terman(米国、ニューヨーク市Albert Einstein School of Medicine)から得られた。ブタ大動脈内皮(PAE)細胞及び293ヒト一次胚腎臓細胞(293)は、American Type Culture Collection(米国)から得られた。細胞当たり2〜3x 105KDR/flk−1を発現するPAE細胞(PAE/KDR)、pBalPstプラスミドでDNA感染されたPAE細胞(PAE/V)、ヒト臍静脈内皮(HUVE)細胞及びMSlねずみ内皮細胞はDr.B.Terman(米国のニューヨーク市Albert Einstein School of Medicine)から得られた。VEGFR−2を過度に発現する293細胞(293/KDR)及び低い数のKDR/flk−1を発現するPAE細胞(PAE/KDElow)は、トランスIT−LTl試薬(米国のPanVera Corporation)を用いて、対応する親細胞をpBalPst/KDRプラスミドでDNA感染し、次に0.375g/mlのプロマイシンの存在下で選択することにより構築された。この研究のために選択された293/KDRのクローンは、125I−VEGF165結合のスキャッチャード(Scatchard)分析に従って細胞当たり2.5x106VEGFR−2を発現した。PAE/KDR及びPAE/KDRlow細胞におけるVEGFR−2の発現水準は標準として働く293/KDR細胞を用いてウエスタンブロットにより評価された。免疫ブロットはDr.B.Terman(米国ニューヨーク市のAlbert Einstein School of Medicine)から得られたウサギ多クローン抗−VEGFR−2血清を用いて精査された。PAE、293細胞及びそれらの誘導体は10%のウシ胎児血清(米国、Germini,Inc.)、2mMのL−グルタミン及び抗生物質を補充したDMEMにおいて維持された。低い継代数のHUVE細胞(第3〜第7の継代)は、20%のFBS、50ng/mlの塩基性繊維芽細胞増殖因子、100g/mlのヘパリン、2mMのL−グルタミン及び抗生物質を有するDMEMU中で、ゼラチンコーティングされたフラスコにおいて増殖された。MS1細胞は5%のFBS、4mMのL−グルタミン及び抗生物質を有するDMEM中で増殖される。すべての細胞系は、37℃,5%CO2で培養された。
【0051】
DNA操作
本明細書において用いられた制限酵素及び修飾酵素は普通の供給業者から市販されており、製造会社の説明書にしたがって使用された。異なるDNA構築物の配列化はMacromolecular Resources(米国Ft.Collins,Co.のBiochemistry and Molecular Biologyの部門)で行われた。コンピテント細胞、形質転換及び細菌培養液はSambrook等(J.Sambrook、E.F.Fritsch及びT.ManiatisによるMolecular Cloning(1989):ニューヨークのCold Spring HarborのCold Spring Harbor Laboratory Pressの実験マニュアル)に従って、又は製造会社の説明書に従って作られた。プラスミド類の精製は、製造会社の説明書に従って、Wizard Plus SV Minipreps又はMaxipreps DNA Puprification Systems(米国Promega)を用いて行われた。DNAの追加の精製ならびにアガロースゲルからのDNAの精製は製造会社の説明書に従って、Geneclean Spinキット(米国、BIO 101)を用いて行われた。
【0052】
A PET32(A)発現ベクターへのヒトVEGFの121残基イソ形のサブクローニング
ヒトVEGFの121残基イソ形をコードするDNAの増幅のためのプライマー
ヒトVEGF DNA増幅のためのプライマーがGeneLink(米国)により合成された。“センス”鎖(SEQ ID NO:1)に対応するプライマーはVEGFの成熟121−残基イソ形のアミノ酸−1のためのDNAコドンの直ぐ下流にStu I制限部位を包含した。“アンチセンス”鎖(SEQ ID NO:2)に対応するプライマーは成熟VEGFをコードする配列後に翻訳停止コドンを包含する、成熟ペプチドのカルボキシル末端をコードするDNAのコード配列を補足(complement)し、そしてVEGFをコードするDNAの下流にXho I制限部位及び停止コドンを導入した。
【0053】
【0054】
ヒトVEGFの121−残基イソ形をコードするDNAを増幅するためのPCR
ヒトVEGF cDNAは、ヒトVEGFの121残基イソ形のための配列を含有するpLen121プラスミドからPCRにより増幅された。鋳型DNAのナノグラムはPfu緩衝液(米国のStratagene)中の各々のオリゴヌクレオチドの10ピコモル、各々dNTPの0.2mM及びPfuポリメラーゼの2Uを含有する0.1mlの反応混合物中で混合された。インキュベーションはDNA GenAmp PCR System 2400(米国のPerkin Elmer Cetus)中で行われた。1つのサイクルは変性工程(1分間94℃)、アニーリング工程(1分間65℃)及び延長工程(1分間72℃)を包含した。増幅されたDNAはStu I及びXho Iを用いて消化され、そしてGeneclean Spinキット(米国のBIO 101)を用いて精製された。
【0055】
pET32−VEGF121プラスミド構築
上記増幅されたDNA形は、ベクターの多クローン部位からXho I部位、及びStu I部位を用いてpET32(a)に連結され、これは以下のとおりにしてベクターを処理することにより構築された:pET32(a)DNAは、Nco 1レストリクターゼ(制限酵素)を用いて線形化され、そして生成された凹んだ末端の1つはDNAポリメラーゼ Large(Klenow)断片を用いてシチジンで部分的に充てんされた。構築物はGeneclean Spinキット(米国のBIO 101)を用いて精製され、1本鎖オーバハング(overhangs)は緑豆(ヤエナエ)ヌクレアーゼを用いて除去された。得られた構築物はXho SI制限酵素で消化され、Geneclean Spinキット(米国のBIO 101)で精製された。連結反応は、VEGFの成熟121−残基イソ形の第1アミノ酸がベクターにより提供されたエンテロキナーゼ開裂部位の後の第1アミノ酸になるように、行われた。得られたプラスミドは、pET32−txVEGF121と称され、製造会社の説明書に従ってDH5αコンピテント細胞(米国のLife Technologies)に形質転換された。上に記載された方法を用いて、単離されたプラスミドの大きな試料を得るために、所望のプラスミドを含有する細菌培養液がさらに増殖された。
【0056】
チオレドキシン(tx)遺伝子は、制限酵素Nde Iを用いて精製プラスミドDNAの消化によりpET32−txVEGF121から除去され、次にT4リガーゼを用いて線形化プラスミドDNAの分子間連結反応が行われた。得られたプラスミドはpET32−VEGF121と称され、そして製造会社の説明書に従ってDH5αコンピテント細胞(米国のLife Technologies)に形質転換された。上記方法を用いて単離されたプラスミドの大きな試料を得るために、所望のプラスミドを含有すに細菌培養液がさらに増殖された。プラスミドpET−VEGF121DNAは、His標識(6アミノ酸)、トロンビン開裂部位(6アミノ酸)、S−標識(15アミノ酸)を含有する36アミノ酸全長N−末端、エンテロキナーゼ開裂部位を含有する6アミノ酸全長連結ペプチド、及び成熟VEGF121たんぱく質の1〜121アミノ酸をコードする(図1)。
【0057】
pET32−VEGF121ベクターへの、SLTサブユニットAの全長、切形及び突然変異形のサブクローニング
1. SLT−サブユニットAの全長(L)及び切形(S)形をコードするDNAの増幅のためのプライマー
SLTサブユニットAのL及びS形をコードするDNAのDNA増幅のためのプライマーはGeneLink(米国)により合成された。全長(293−残基)SLT形の“センス”鎖(SEQ ID NO:3)及び切形(202−残基)SLT形の“センス”鎖(SEQ ID NO:4)に対応するプライマーは、成熟SLTサブユニットAの、(前者における)アミノ酸−1及び(後者における)アミノ酸62のそれぞれ、のためのDNAコドンの上流にBgl II制限部位を含んだ。VEGF121の第1Metを有するフレームにおけるSLT分子をクローン化するために、追加のGがSLTの、Bgl II部位とORFsとの間に挿入された。
【0058】
【0059】
全長SLT形の“アンチセンス”鎖に対応するプライマーは停止コドンの右上流の成熟SLTサブユニットAのカルボキシル末端をコードするSLT DNAのコード配列(SEQ ID NO:5)を補足した。切形SLT形の“アンチセンス”鎖に対応するプライマーはSLTサブユニットAのアミノ酸258−264のためのDNAコドンをコードするDNAのコード配列(SEQ ID NO:6)を補足(complement)した。両方のプライマーは、SLTコードDNAの下流にKpn I制限部位を導入した。
【0060】
【0061】
SLTサブユニットAの全長形及び切形を増幅するためのPCR
SLTサブユニットAの全長形及び切形をコードするDNAはVTl/SLTホロトキシンを含有するプラスミドpJB144からのPCRにより増幅された。10ナノグラムの鋳型DNAはVent緩衝液中の、各々のオリゴヌクレオチドの10ピコモル、dNTPの0.2mM及びVent DNAポリメラーゼ(米国のNew England Biolabs)の2Uを含有する0.1mlの反応混合物中で混合された。インキュベーションは、DNA GenAmp PCR System 2400(米国のPerkin Elmer Cetus)において行われた。1つのサイクルは変性工程(30秒間94℃)、アニーリング工程(1分間58℃)、及び延長工程(1分20秒間72℃)を含んだ。25サイクル後、各々の反応混合物の10μlのアリコートを、1%アガロースゲル上で走らせて、増幅された生成物の正しい大きさを確認した。増幅されたDNA形はBgl II制限酵素及びKpn I制限酵素で消化され、Geneclean Spinキット(米国のBIO 101)で精製された。
【0062】
pET32−VEGF121−SLT/L及びpET32−VEGF121−SLT/Sプラスミド構築
上記増幅されたSLT DNA形は、Bgl II及びKpnI制限酵素で処理されたpET32−VEGF121ベクターに連結され、そして上に記載されたとおりにして精製された。全長SLT形及び切形SLT形をコードするDNAを含有する得られたプラスミドは、それぞれpET32−VEGF121−SLT/L及びpET32−VEGF121−SLT/Sと称され、そして製造会社の説明書に従ってDH5αコンピテント細胞(米国のGibco)に形質転換された。それらのクローンは、上に記載されたとおりにしてスクリーンにかけられ、精製され、特性化され、そして増殖された。pET32−VEGF121−SLT/L及びpET32−VEGF121−SLT/SプラスミドにおけるDNA断片は、それらが予期されたSLT DNA配列を含有していることを確認するためにSLTのコード配列においてT7プロモーターからヌクレオチド203まで配列化された。
【0063】
ブラスミドpET−VEGF121−SLT/L DNAは、His標識(6アミノ酸)、トロンビン開裂部位(6アミノ酸)、S−標識(15アミノ酸)を含有する36アミノ酸全長N−末端、全体のSLTサブユニットA(293アミノ酸)、エンテロキナーゼ開裂部位を含有する6アミノ酸全長連結ペプチド、及び成熟VEGF121たんぱく質の1〜121アミノ酸をコードする(図1)。プラスミドpET−VEGF121−SLT/Sは、全体のSLTサブユニットAをコードするDNAの代わりに、それがアミノ酸62からアミノ酸264までのこのサブユニットの202アミノ酸断片をコードするDNAを含有する以外は、該プラスミドpET−VEGF121−SLT/Lと同一である(図1)。
【0064】
触媒作用的に不活性なSLT−VEGF/Lciたんぱく質の発現のためのプラスミドの構築
pET32/SLT−VEGF/LによりコードされたSLT−1Aサブユニットの部位−特異性突然変異誘発は、GeneEditorTM インビトロSite−Directed Mutagenesis System(Promega)を用いて行われた。2種の突然変異誘発性プライマーは、(下線が引かれた)3点の突然変異を導入するために明示された:Y114S(SEQ ID NO:7)、及びE167Q、及びR170L(SEQ ID NO:8):
【0065】
【0066】
Y114S及びR170L突然変異は2つのクローンから単離された突然変異化DNAの配列化により確認された。E167Q突然変異はどちらのクローンにも検出されなかった。pET32−VEGF121−SLT/Lciと称される得られたプラスミドは、プラスミドpET−VEGF121−SLT/Lと同一であるが、野性型SLTサブユニットAをコードするDNAの代わりに、このサブユニットの二重突然変異体(Y114S及びR170L)をコードするDNAを含有する(図1)。
【0067】
例 2
組換えSLT−VEGF/L、SLT−VEGF/Lci及びSLT−VEGF/Sの融合たんぱく質の発現及び精製
A.SLT−VEGF/L、SLT−VEGF/Lci及びSLT−VEGF/
Sたんぱく質の発現
1.E.coli BL21(DE3)pLysS中でのSLT−VEGF/L
及びSLT−VEGF/Sの発現
pET−VEGF121−SLT/L及びpET−VEGF121−SLT/S形質転換されたE.coli細胞BL21(DE3)pLysS(米国のNovagen)は、融合たんぱく質の発現が対数増殖期において、又はその中点でO.D.へのラクトース抑制物質(lacリプレッサー)により抑制される条件下で増殖され、その後にIPTG(イソプロピル−D−チオガラクトシド:米国のLife Technologies)が加えられて、融合たんぱく質コードDNAの発現が誘発された。
【0068】
pET−VEGF121−SLT/L及びpET−VEGF121−SLT/S形質転換されたE.coli細胞の大きな回分の培養を生成するために、50mg/lのアンピシリン及び34mg/lのクロラムフェニコールを含有する、LBブロス中の、プラスミドpET−VEGF121−SLT/L及びpET−VEGF121−SLT/Sのそれぞれで形質転換されたBL21(DE3)pLysS E.coli細胞の(約16時間続けての)一夜培養液が、50mg/lのアンピシリン及び34mg/lのクロラムフェニコールを有する、100mlのLBブロスを含有するフラスコ中に1:100に希釈された。分光光度計(Ultrospec 1000:米国のPharmacia Biotech)において測光されたとき、600nmでの光学濃度が0.5に到達するまで37℃で振り混ぜながら細胞は増殖された。
【0069】
第2工程において、1mMの最終濃度にまでIPTG(米国のLife Technlogies)の添加により、融合たんぱく質の発現が誘発された。誘発された培養は、SLT−VEGF/Lについて追加の3.5時間で増殖され、SLT−VEGF/Sについて追加の2時間増殖され、次に遠心分離(25分、5000xg)により採取された。細胞のペレットは氷冷された緩衝液A(50mMのTris−HCl,pH7.5、0.1MのMgCl2、1%Nonidet P40、0.1MのDTT、200mg/lのPMSF、25mg/lの抗トリプシン、50mg/lのロイペプチン、25mg/lのアプロチニン)に再懸濁された。凍結及び解凍の5サイグル後、DNアーゼ(デオキシリボヌクレアーゼ)は、50U/mlまで細胞懸濁液の各々に加えられた。懸濁液は室温で20分間インキュベートされ、次に4℃で30分間5,000xgで遠心単離された。IPTG誘発された細菌の可溶性分画と封入体との間での、SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sとして示される融合たんぱく質の分布の分析は、SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/S融合たんぱく質が封入体中に存在したことを示した(図2、パネルA)。
【0070】
封入体ペレットは20mMのTris−HCl,pH8.0、0.5MのNaCl、5mMのイミダゾールを含有する緩衝液で洗浄され、8Mの尿素中に溶解化され、次に、氷冷水音波処理装置(FC14:米国のFisher Sci)中で5〜10分間、その溶液は音波処理された。たんぱく質溶液は、4℃で10分間14xgで遠心分離することにより清澄化され、上澄液は集められ、そして4℃で16時間、10mMのTris−HCl,pH8.0、150mMのNaCl、0.05%のNonidet P40を含有する緩衝液の1000倍容量に対して透析された。SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/S融合たんぱく質溶液は、10%グリセロールで補充され、−20℃で数アリコートで貯蔵された。組換えたんぱく質の濃度は製造会社の説明書に従ってS−標識アッセイキット(米国のNovagen)を用いて決定された。
【0071】
2.E.coli Origami(DE3)pLysSにおいてのSLT−V
EGF/L、SLT−VEGF/Lci及びSLT−VEGF/Sの発現
pET−VEGF121−SLT/L、SLT−VEGF/Lci及びpET−VEGF121−SLT/S形質転換されたE.coli細胞Origami(DE3)pLysS(米国のNovagen)は融合たんぱく質の発現が対数増殖期において又はその中点で、O.D.へのラクトース抑制物質(lacリプレーサー)により抑制される、条件下で増殖され、その後にIPTG(米国のLife Technologies)が加えられて、融合たんぱく質コードDNAの発現を誘発させた。
【0072】
pET−VEGF121−SLT/L、pET−VEGF121−SLT/Lci及びpET−VEGF121−SLT/S形質転換されたE.coli細胞の大きな回分の培養を生成するために、50mg/lのアンピシリン、34mg/lのクロラムフェニコール、12.5mg/lのテトラサイクリン及び15mg/lのカナマイシンを含有するLBブロス中の、プラスミドpET−VEGF121−SLT/L又はpET−VEGF121−SLT/Lci又はpET−VEGF121−SLT/Sのそれぞれで形質転換されたOrigami(DE3)pLysS E.coli細胞の(約16時間続けての)一夜培養液が、50mg/lのアンピシリン、34mg/lのクロラムフェニコール、12.5mg/lのテトラサイクリン及び15mg/lのカナマイシンを有する、100mlのLBブロスを含有するフラスコ中に1:100に希釈された。分光光度計(Ultrospec 1000:米国のPharmacia Biotech)において測定されて、600nmでの光学濃度が0.4に到達するまで、細胞は37℃で振り混ぜながら増殖された。
【0073】
第2工程において、1mMの最終濃度にまでIPTG(米国のLife Technologies)の添加により、融合たんぱく質発現が誘発された。誘発された培養は、30℃で追加の4時間で増殖され、次に遠心分離(25分、5000xg)により採取された。細胞ペレットは氷冷された緩衝液A(50mMのTris−HCl,pH7.5、0.1MのMgCl2、1%Nonidet P40、0.1MのDTT、200mg/lのPMSF、25mg/lの抗トリプシン、50mg/1のロイペプチン、25mg/lのアプロチニン)に再懸濁された。凍結及び解凍の5サイクルの後、DNアーゼ(デオキシリボヌクレアーゼ)は、50U/mlまで細胞懸濁液の各々に加えられた。懸濁液は室温で20分間インキュベートされ、次に、4℃で30分間5,000xgで遠心単離された。IPTG誘発された細菌の可溶性分画と封入体との間での、SLT−VEGF/L、SLT−VEGF/Lci及びSLT−VEGF/Sとして示される融合たんぱく質の分布の分析は、SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sのこれらのたんぱく質が封入体中に存在したことを示した(SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sについて、図2、パネルB)。
【0074】
封入体ペレットは20mMのTris−HCl,pH8.0、0.5MのNaCl、5mMのイミダゾールを含有する緩衝液で洗浄され、8Mの尿素中に溶解化され、次に出力40〜50%で操作される音波処理装置VirSonic475(米国のVirTis)において20〜30秒間その氷冷溶液は音波処理された。たんぱく質溶液は、4℃で10分間14,000xgで遠心分離することにより清澄化され、上澄液は集められ、そして4℃で2時間、10mMのTris−HCl,pH8.0、150mMのNaCl、0.01%のBrij−35を含有する緩衝液の1000倍容量に対して透析され、次に、同じ緩衝液の新しい1000倍容量に対して4℃で16時間透析された。この方法により得られたSLT−VEGF/L、SLT−VEGF/Lci及びSLT−VEGF/S融合たんぱく質はSDS−PAGEにより特性化された(図2、パネルC)。SLT−VEGF/L、SLT−VEGF/Lci及びSLT−VEGF/S融合たんぱく質溶液は5%グリセロールで補充され、−70℃で数分別量で貯蔵された。組換えたんぱく質の濃度は、製造会社の説明書に従ってS−標識アッセイキット(米国のNovagen)を用いて決定された。
【0075】
B.E.coli BL21(DE3)pLysSにおけるVEGF121の
発現
pET32−VEGF121形質転換されたE.coli細胞BL21(DE3)pLysSは増殖され、VEGF121として示される組換えVEGFの発現が上に記載された条件下に誘発された。組換えVEGF121は上に記載されたとおりにして封入体から回収れれ、そして上澄み液は、4℃で16時間10mMのTris−HCl,pH8.0、150mMのNaClを含有する緩衝液の1000倍容量に対して透析された。VEGF121たんぱく質溶液は10%グリセロールで補充され、そして−20℃で数分別量で貯蔵された。組換えVEGF121たんぱく質の濃度は製造会社の説明書に従ってS−標識アッセイキット(米国のNovagen)を用いて決定された。
【0076】
例 3
SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/S融合たんぱく質の生化学的活性A.無細胞たんぱく質合成に対するSLT−VEGF/L及びSLT−VEGF
/S融合たんぱく質の阻止作用
たんぱく質合成を阻止するための、上に得られたSLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/S組換え体融合たんぱく質能力は核分解酵素処理されたウサギ網状赤血球溶解産物(米国のPromega)においての無細胞たんぱく質合成を測定するインビトロアッセイで試験された。5μlのSLT−VEGF/L、SLT−VEGF/S、VEGF121溶液、又は10mMのTrisHCl、150mMのNaCl、8mMの尿素、10%グリセロールを含有する貯蔵緩衝液は18μlのウサギ網状赤血球溶解産物、1mMのアミノ酸完全混合体、90mMのKCl、及び1アッセイ当たり0.5μgの蛍ルシフェラーゼ(発光酵素)を含んでいる20μlの反応混合物に、氷上で加えられた。SLT−VEGF/L、SLT−VEGF/Sの最終濃度は100nMであり、VEGF121の最終濃度は1000nMであった。適用量依存性実験におけるSLT−VEGF/L、SLT−VEGF/Lci、SLT−VEGF/Sの最終濃度は図3、パネルBにおいて示されるとおりであった。30℃で90分のインキュベーション後、反応混合物は、1mg/mlのBSAを含有する水で20倍容量に希釈し、そして2μlの各々の混合物は、製造会社の説明書に従ってLumiOneルミノメーター(輝度計)(米国のBioscan,Inc.)を用いてルシフェラーゼ反応緩衝液(米国のPromega)において蛍ルシフェラーゼ活性についてアッセイされた。100nMのVEGF121を含有する対照反応液のルシフェラーゼ活性が100%として採用された。
【0077】
100nMの濃度でのSLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/S融合たんぱく質は、対照の0.01%及び1.2%の水準にたんぱく質合成を阻止した(図3、パネルA)。比較のために1000nMほどの高さの濃度での組換えVEGF121たんぱく質は、対照の48%の水準にたんぱく質合成を阻止した(図3、パネルA)。適用量依存性実験は、SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sがそれぞれ、0.04nM及び2nMの濃度で90%だけたんぱく質合成を阻止し、一方では、SLT−VEGF/Lciはたんぱく質合成を阻止しなかった。(図3、パネルC)。
【0078】
B.SLT−VEGF/L、SLT−VEGF/Lci及びSLT−VEGF/
S融合たんぱく質により細胞KDR/flk−1受容体のチロシン燐酸化の
誘発
細胞KDR/flk−1受容体のチロシン燐酸化を誘発するための、上で得られたSLT−VEGF/L、SLT−VEGF/Lci及びSLT−VEGF/S組換え体融合たんぱく質の能力は、293/KDR細胞として示されるKDR/flk−1で安定に形質移入された293細胞を用いて試験された。ウエル当たり約50,000の293/KDR細胞は、10%ウシ胎児血清(米国のGemini)で補充された1mlのDMEM(米国のLife Technologies)中に24個のウエルの平板上に平板培養され、そして37℃,5%CO2で一夜インキュベートされた。次の日に、細胞は燐酸塩緩衝化塩水で1度洗浄され、そして37℃で4時間無血清DMEMに移された。次に培地は、0.1mMのオルトバナジン酸ナトリウム、100ng/mlのウシ血清アルブミン、25mMのHEPES,pH7.2で補充された無血清DMEMに変えられ、そして細胞は37℃で20分間インキュベートされ、次に4℃で20分間インキュベートされた。次に細胞は4℃で1時間SLT−VEGF/L、又はSLT−VEGF/Lci、又はSLT−VEGF/S、又はVEGF121でインキュベートされ、次に37℃で8分間インキュベートされた。次に細胞は、0.1mMのオルトバナジン酸ナトリウムを含有する氷冷燐酸塩緩衝化塩水で1度リンスされ、0.05MのTris−HCl,pH6.8、2.5%のSDS、7.5%のグリセロール、5mMのEDTA、50mMのDTT、0.025%のブロムフェノールブルーを含有するサンプル緩衝液に可溶化され、そしてウエスタンブロット法により分析された。細胞たんぱく質は、7.5%ゲル上でSDS−PAGEにより分別化され、製造者により記載されたとおりにしてセミ−ドライシステム2117 Multiphor II(スェーデンのLKB)を用いてニトロセルロース(米国のBioRad)に移された。製造会社の説明書に従って、1:2000の希釈で抗−ホスホチロシンRC20:HRP共役体(米国のTransduction Lab)を用いて処理され且つ精査された。化学発光をベースとするシステム(ECL:米国のAmersham)はバンド検出のために用いられた。SLT−VEGF/L、SLT−VEGF/Lci及びSLT−VEGF/Sたんぱく質は、VEGF121と同じ濃度範囲で適用量依存性方法でKDR/flk−1チロシン燐酸化を誘発した(図4)。
【0079】
例 4
SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/S融合たんぱく質の細胞毒性及び細胞増殖抑制作用
A.KDR/flk−1受容体を過度に発現する増殖しつつある内皮細胞に対す
る及びKDR/flk−1受容体を発現しない増殖しつつある内皮細胞に対
するVEGF−SLT/L及びVEGF−SLT/S融合たんぱく質の作用
増殖しつつある内皮細胞に作用するための、上で得られたVEGF−SLT/L及びVEGF−SLT/S融合たんぱく質の能力は、(PAE/KDR細胞として示される)KDR/flk−1で安定にDNA感染されたブタ大動脈内皮細胞及び(PAE/V細胞として示される)エンプテイベクターで安定にDNA感染されたブタ大動脈内皮細胞を用いて試験された。ウエル当たり約5,000細胞は、10%ウシ胎児血清(米国のGemini)で補充された1mlのDMEM(米国のLife Technologies)において24個のウエルの平板上で平板培養され、そして37℃,5%CO2で一夜インキュベートされた。次の日に、培地は、10%ウシ胎児血清及び0.078nM〜2.5nMの最終濃度でSLT−VEGF/L又はSLT−VEGF/Sで補充された新しいDMEMに変えられた。平板は37℃,5%CO2で72時間インキュベートされた。インキュベーションの後に、ウエルは燐酸塩緩衝化塩水で洗浄され、細胞はトリプシン溶液(米国のLife Technologies)で分離され、そして製造会社の説明書に従ってCoulter Counter(米国のCoulter Corporation)において計数された。SLT−VEGF/L及びSLT−VGEF/S融合たんぱく質は、IC50〜0.15nMを有する適用量依存方法でPAE/KDR細胞の増殖を阻止し、一方ではKDR/flk−1受容体を発現しないPAE/Vの増殖は影響されなかった(図5)。低いナノモル濃度範囲で、SLT−VEGF−/Lたんぱく質は細胞毒性であって、2.5nMほどの低さの濃度に一夜さらした後に実質的にすべてのPAE/KDR細胞を死滅させた。対照的に、低いナノモルの濃度でSLT−VEGF/Sたんぱく質は2.5nMの濃度でわずかに死滅させた細胞を有して、ほとんど細胞増殖抑制の状態にあった。
【0080】
触媒的に不活性なSLT−VEGF/Lci融合たんぱく質はPAE/KDR及びPAE/V細胞の増殖に影響せず(図5、パネルC)、このことはSLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sの細胞毒性及び細胞増殖抑制作用は、SLT部分のリボソーム不活性化活性に起因していることを示している。
【0081】
SLT−VEGF/Lの細胞毒性活性は、DNA断片化及び −ホドリンの開裂のようなアポトーシスのホールマークにより判断されるようにPAE/KDR細胞におけるアポトーシスの迅速な誘発において、自ずから明白である(図6)。アポトーシス性DNA断片化を検出するために、PAE/KDR細胞は、2x105細胞/ウエルの密度で6個のウエルの平板上に平板培養され、そして24時間後に、5nMのSLT−VEGF/Lにさらされた。示された時間の後に、DNAは細胞溶解産物から分離され、そして1.5%アガロースゲル上で分別化された。150kDa及び120kDa断片への kDa −ホドリンの開裂を検出するために、PAE/KDR細胞は、4x104細胞/ウエルの密度で24個のウエルの平板上で平板培養され、20時間後に示された時間にわたって2.5nMのSLT−VEGF/Lにさらされた。 −ホドリン及びその断片は抗− −ホドリン抗体(米国のChemicon)を用いて、処理された細胞の溶解産物のウエスタンブロット分析により検出された。
【0082】
B.低い数のKDR/flk−1受容体を発現する内皮細胞に対する及び休止内
皮細胞に対するVEGF−SLT/L融合たんぱく質の作用
正常な血管系における内皮細胞は低い数のKDR/flk−1受容体を発現する。潜在的なネガティブな副作用を最小にするために、有用な毒素−VEGF融合たんぱく質は、正常な血管系を構成する、低い数のKDR/flk−1受容体の内皮細胞に対して又は休止内皮細胞に対して毒性であってはならない。低い数のKDR/flk−1受容体を発現する内皮細胞に作用するための、上に得られたVEGF−SLT/L融合たんぱく質の能力は、細胞当たり30,000〜50,000KDR/flk−1受容体を発現するヒト臍静脈内皮(HUVE)細胞、細胞当たり〜5,000KDR/flk−1受容体を発現するPAE/KDRlowブタ大動脈内皮細胞、及び細胞当たり〜20,000VEGFR−2を発現するMSIネズミ内皮細胞を用いて試験された。HUVE、PAE/KDRlow、及びMSI細胞は5〜10x103細胞/ウエルの密度で24個のウエルの平板上で平板培養され、そして20時間後に2.5nMのSLT−VEGF/Lにさらされた。平板は37℃,5%CO2で72時間インキュベートされた。インキュベーション時間後に、ウエルは燐酸塩緩衝化塩水(PBS)で洗浄され、細胞はトリプシン溶液(米国のLife Technologies)で分離され、そして製造会社の説明書に従ってCoulter Counter(米国のCoulter Corporation)において計数された。SLT−VEGF/L融合たんぱく質は、増殖しつつあるヒトHUVE、ネズミMSI、及びブタPAE/KDRlow内皮細胞に作用せず、このことは高い水準のKDR/flk−1受容体発現だけが、内皮細胞に対してSLT−VEGF/L融合たんぱく質に感受性を与えることができることを示している(図7、パネルA)。
【0083】
休止(静止)内皮細胞に作用するための、上で得られたVEGF−SLT/L融合たんぱく質の能力は、休止PAE/KDR細胞を用いて試験された。ウエル当たり約5,000のPAE/KDR細胞は10%ウシ胎児血清(米国のGemini)で補充された1mlのDMEM(米国のLife Technologies)中で、24個のウエルの平板上で平板培養され、そして37℃,5%CO2でインキュベートされた。約1週間後に細胞は集密化状態に達し、そしてさらに3日間、休止(静止)状態として維持された。その後に、培地は、10%のウシ胎児血清及び20nMの最終濃度でSLT−VEGF/Lで補充された新しいDMEMに変えられた。平板は37℃,5%CO2で72時間インキュベートされた。比較のために増殖しつつあるPAE/KDRは5分間20nMのSLT−VEGF/Lにさらされた;次に新しい培養地に移され、そして72時間後に計数された。SLT−VEGF/Lたんぱく質は72時間露出後でさえ、休止PAE/KDR内皮細胞に作用せず、一方では5分間のさらされた後でさえ、増殖しつつあるPAE/KDRに劇的に作用した。
【0084】
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【図面の簡単な説明】
【図1】 SLT−VEGF/L、触媒的に不活性なSLT−VEGF/Lci、及びSLT−VEGF/Sたんぱく質の概要表現図である。
【図2】 BL21(DE3)pLysS E.coli菌株及びOrigami(DE3)pLysS E.coli菌株におけるSLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sたんぱく質の発現、各々の宿主から単離された封入体におけるそれらの蓄積を例示する。
【図3】 SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sたんぱく質が無細胞翻訳系においてたんぱく質合成を阻止することを例示する。
【図4】 SLT−VEGF/L、SLT−VEGF/Lci及びSLT−VEGF/Sたんぱく質が、KDR/flk−受容体を過度に発現する細胞(293/KDR)において、VEGFのためのKDR/flk−1受容体のチロシン燐酸化を誘発することを例示する。
【図5】 SLT−VEGF/L及びSLT−VEGF/Sたんぱく質が、KDR/flk−1受容体を過度に発現する増殖しつつあるPAE/KDR細胞を標的化する(中が白い円形)が、しかしflk−1受容体を発現しない対照のPAE/V細胞に影響しない(中が黒い円形)ことを例示する。
【図6】 DNA分解(パネルA)及びα−ホドリンの開裂(パネルB)により判断されるように、SLT−VEGF/融合たんぱく質はPAT/KDR細胞におけるアポトーシスを迅速に活性化することを例示する。
【図7】 SLT−VEGF/Lたんぱく質が低い数のKDR/flk−1受容体(パネルA)及び休止(静止)PAE/KDR細胞(パネルB)を有する内皮細胞を標的としないことを例示する。
【配列表】
Claims (17)
- (1)志賀毒素様毒素のAサブユニット及び(2)ヒト血管内皮成長因子を含む融合たんぱく質をコードする単離された核酸であって、前記融合たんぱく質がリボソーム不活性化活性を有している上記単離された核酸。
- 前記融合たんぱく質が血管内皮成長因子受容体に特異的に結合する、請求項1の単離された核酸。
- 前記融合たんぱく質が、前記受容体を発現する細胞により取り込まれる、請求項2の単離された核酸。
- 前記取り込みがエンドサイトーシスにより起こる、請求項3の単離された核酸。
- (1)志賀毒素様毒素のAサブユニット及び(2)ヒト血管内皮成長因子を含む単離されたポリペプチドであって、リボソーム不活性化活性を有している上記単離されたポリペプチド。
- 前記単離されたポリペプチドが血管内皮成長因子受容体に特異的に結合する、請求項5の単離されたポリペプチド。
- 前記単離されたポリペプチドが、前記受容体を発現する細胞により取り込まれる、請求項6の単離されたポリペプチド。
- 前記取り込みがエンドサイトーシスにより起こる、請求項5の単離されたポリペプチド。
- (1)志賀毒素様毒素のAサブユニット及びヒト血管内皮成長因子を含む融合たんぱく質をコードする核酸であって、前記融合たんぱく質がリボソーム不活性化活性を有している上記核酸及び
(2)前記核酸に操作的に結合されて、前記核酸の発現を可能にする、プロモーター配列
を含む発現ベクター。 - 前記融合たんぱく質が血管内皮成長因子受容体に特異的に結合する、請求項9の発現ベクター。
- 前記融合たんぱく質が、前記受容体を発現する細胞により取り込まれる、請求項10の発現ベクター。
- 請求項10の発現ベクターで形質転換された細菌細胞。
- ヒト血管内皮成長因子受容体を発現する細胞におけるリボソームを不活性化するインビトロの方法であって、
(a)細胞をインビトロで、
(1)志賀毒素様毒素のAサブユニット及び
(2)ヒト血管内皮成長因子
を含む融合たんぱく質であって、リボソーム不活性化活性を有している該融合たんぱく質と、
該融合たんぱく質が前記細胞中に取り込まれ、そして前記細胞中のリボソームを不活性化することを可能にする条件下で、接触させる工程を含む、上記方法。 - 前記融合たんぱく質が血管内皮成長因子受容体と特異的に結合する、請求項13の方法。
- 前記融合たんぱく質が、前記受容体を発現する細胞により取り込まれる、請求項14の方法。
- (A)志賀毒素様毒素のAサブユニット及びヒト血管内皮成長因子を含む融合たんぱく質であって、リボソーム不活性化活性を有している該融合たんぱく質;及び
(B)医薬的に許容できる担体;
を含む、患者における内皮細胞増殖を阻止するための組成物。 - 志賀毒素様毒素のAサブユニット及びヒト血管内皮成長因子を含む融合たんぱく質であって、リボソーム不活性化活性を有している該融合たんぱく質;及び医薬的に許容できる担体を含む、血管形成に依存する病理生理学的症状を患っている患者を治療するための医薬組成物。
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