JP4671043B2 - エンジンのオイルセパレータ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのオイルセパレータ構造に関し、特にブローバイガスからオイルミストを分離するオイルセパレータ室に上流側室と下流側室とを設け、ブローバイガス中のオイルミストを上流側室で分離する比率を高め得るように構成したものに関する。
レシプロエンジンでは、ピストンに装着されたピストンリングから未燃ガスがクランクケース内へブローバイガスとしてリークするため、通常のエンジンでは、シリンダヘッドカバー内にオイルセパレータ室を設け、このオイルセパレータ室にブローバイガス中のオイルミストを分離する種々のオイルセパレータ構造を設け、分離した液状オイルは、オイル循環系に戻し、未燃ガスは吸気系に供給するようになっている。
例えば、特許文献1には、オイルセパレータ室を形成する空間形成体の内部に、ブローバイガスの通路を上下に蛇行形状にする為の仕切り部材を設けてオイルセパレータ室を複数の室に仕切り、空間形成体の天井壁の内面のうち、ブローバイガスのガス流と接触しやすい複数の部位(ガス流が方向変換する部位)にオイルミストを捕集する捕集部を設け、この捕集部はガス流の進行方向に配列してなる複数の突出部で構成されている。
特開2004−132199号公報
特許文献1のオイルセパレータ構造では、ブローバイガスのガス流と接触しやすい複数の部位(ガス流が方向変換する部位)にオイルミストを捕集ず捕集部を設けるだけであるため、オイルミストを捕集する捕集性能を高めるには限界がある。また、捕集部の複数の突出部に捕集したオイルを側壁側へ導くための構成が設けられていないため、捕集したオイルが下流側の室へ流れ易く、また複数の突出部にオイルが滞留し易いから捕集性能を高めにくい。しかも、複数の突出部の下端部が水平状に形成され傾斜していないので、複数の突出部にオイルが滞留し易く捕集性能を高めにくい。
側壁部には何ら捕集部を設けていないため、オイルセパレータ室の側壁にオイルを捕集する構造ではないから、オイル捕集性能を高めるのに限界がある。
オイルセパレータ室は、通常アルミ合金や合成樹脂材料で構成される場合が多いため、オイルセパレータ室の天井壁のパネル剛性を確保するのが難しいが、オイルセパレータ室の天井壁の一部に捕集部(複数の突出部)を形成するのみであるから、複数の突出部を有効活用して天井壁の面直交方向の剛性を高める構造ではなく、天井壁のパネル剛性確保のための何らかの対策が必要となる。
本発明の目的は、オイルセパレータ構造において、捕集したオイルが側壁側へ流れ易くすること、捕集したオイルの捕集部からの流動と滴下を促進すること、側壁部における捕集性能を高めること、オイル捕集用のビードを介してオイルセパレータ室の天井壁のパネル剛性を高めることなどである。
請求項1のエンジンのオイルセパレータ構造は、エンジンのシリンダヘッドカバー内の空間を区画してオイルセパレータ室を設け、このオイルセパレータ室をガス流の上流側の上流側室と下流側の下流側室とに仕切る少なくとも1つの仕切り壁を設け、上流側室にガス導入部を設けると共に下流側室にガス導出部を設け、ブローバイガス中のオイル成分を液滴化して分離するエンジンのオイルセパレータ構造において、前記上流側室の天井壁の内面にガス流の主流の方向と交差する方向に向けられた突状の複数のビードがほぼ平行に並べて形成され、それらビードは、ビードの下端部に溜まる液状オイルをガス流により両側壁側に導く為に、両側壁側に近づくほどガス流の下流側へ移行するようなほぼへ字形に形成され、前記ビードの下端部は両側壁側に移行するほど下方へ移行するように形成されたことを特徴としている。
上流側室の天井壁の内面にガス流の主流の方向と交差する方向に向けられた突状の複数のビードがほぼ平行に並べて形成され、それらビードは、ビードの下端部に溜まる液状オイルをガス流により両側壁側に導く為に、両側壁側に近づくほどガス流の下流側へ移行するようなほぼヘ字形に形成されているため、複数のビードに捕集された液状オイルは、ガス流と接触して摩擦力が作用し、ガス流下流側へ移動して両側壁側へ移動し、両側壁側に付着し、両側壁部から底壁上へ流動する。そのため、複数のビードにより捕集されたオイルは下流側室へ流れにくくなり、上流側室において捕集されて底壁上へ流動し、底壁に形成されるオイル出口からオイル循環系へ排出される。しかも、複数のビードの表面に捕集されたオイルの流動が促進されるため、オイル捕集性能も高くなる。前記上流側室の天井壁を両側壁側ほど低くなるように傾斜状または湾曲状に形成することで、ビードの下端部は両側壁側に移行するほど下方へ移行するように形成してもよく、或いは、上流側室の天井壁が水平であっても、両側壁側ほど低くなるようにビードの上下高さを変化させてもよい。
請求項のエンジンのオイルセパレータ構造は、請求項の発明において、前記仕切り壁には、ガス流を絞って流速を高める為の連通孔が天井壁より低い位置に形成され、この連通孔にガス流の下流側から接近対向する邪魔板が設けられたことを特徴としている。
請求項のエンジンのオイルセパレータ構造は、請求項の発明において、前記天井壁に形成された複数のビードのうち連通孔に最も近いビードは、仕切り壁と間隔を空けてガス流の主流の方向と直交状に形成されたことを特徴としている。
請求項のエンジンのオイルセパレータ構造は、請求項1〜の何れか1項の発明において、前記両側壁には上下方向に延びる突状の複数のサブビードが小間隔おきに形成されたことを特徴としている。
請求項のエンジンのオイルセパレータ構造は、請求項の発明において、前記連通孔は所定長さの孔であり、エンジン停止状態のときその連通孔内の液状オイルが前記上流側室に自然流下するように、前記連通孔の下面が斜面に形成されたことを特徴としている。 請求項のエンジンのオイルセパレータ構造は、請求項の発明において、前記複数のビードは、前記上流側室の天井壁の面直交方向の剛性を高める為に、天井壁の全面に小間隔おきに形成されたことを特徴としている。
請求項7のエンジンのオイルセパレータ構造は、請求項1〜の何れか1項の発明において、前記下流側室の天井壁の内面にガス流の主流の方向と直交する方向に向けた突状の複数のビードが形成され、それら複数のビードは、下流側室の天井壁の面直交方向の剛性を高める為に、その天井壁の全面に亙って小間隔おきに形成されたことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、上流側室の天井壁の内面にほぼ平行に並べて形成された突状の複数のビードが、ビードの下端部に溜まる液状オイルをガス流により両側壁側に導く為に、両側壁側に近づくほどガス流の下流側へ移行するようなほぼへ字形に形成されているため、複数のビードに捕集された液状オイルは、ガス流下流側へ導かれて両側壁側へ移動し、両側壁側に付着し、両側壁部から底壁上へ流動する。そのため、複数のビードにより捕集されたオイルは下流側室へ流れにくくなり、上流側室において確実に捕集されてオイル出口からオイル循環系へ排出されやすくなる。しかも、複数のビードの表面に捕集されたオイルの流動が促進されるため、オイル捕集性能も高くなる。また、ビードの下端部は両側壁側に移行するほど下方へ移行するように形成されたため、複数のビードに捕集されたオイルが両側壁側に流動しやすくなり、オイル捕集性能が向上する。
請求項の発明によれば、仕切り壁にはガス流を絞って流速を高める為の連通孔が天井壁より低い位置に形成され、この連通孔にガス流の下流側から接近対向する邪魔板が設けられているため、天井壁に付着したオイルが天井壁の表面を流動して下流側室へ移動するのを確実に防止することができる。また、ガス流は連通孔で絞られて流速が高まり、そのガス流が邪魔板に衝突してガス流中のオイルミストが邪魔板に捕集される。
請求項の発明によれば、天井壁に形成された複数のビードのうち連通孔に最も近いビードは、仕切り壁と間隔を空けてガス流の主流の方向と直交状に形成されたため、上記の連通孔に最も近いビード以外のビードに捕集されたオイルが仕切り壁へ流動しにくくなり、連通孔から下流側室へのオイルの持ち込みを抑制することができる。
請求項の発明によれば、上流側室の両側壁には上下方向に延びる突状の複数のサブビードが小間隔おきに形成されたため、それら複数のサブビードによってガス流中のオイルミストを捕集することができるから、オイル捕集性能を格段に高めることができる。
請求項の発明によれば、前記連通孔は所定長さの孔であり、エンジン停止状態のときその連通孔内の液状オイルが前記上流側室に自然流下するように、前記連通孔の下面が斜面に形成されたため、エンジン停止状態になり、ガス流がなくなったときにも、連通孔内の液状オイルが上流側室に自然流下する。
請求項の発明によれば、前記複数のビードは、前記上流側室の天井壁の面直交方向の剛性を高める為に、天井壁の全面に小間隔おきに形成されたため、オイルセパレータ構造の複数のビードを有効活用して、上流側室の天井壁の面直交方向のパネル剛性を高めることができる。
請求項の発明によれば、前記下流側室の天井壁の内面にガス流の主流の方向と直交する方向に向けた突状の複数のビードが形成され、それら複数のビードは、下流側室の天井壁の面直交方向の剛性を高める為に、その天井壁の全面に亙って小間隔おきに形成されたため、下流側室の天井壁の内面に形成した複数のビードによりオイル捕集性能を高めることができるうえ、オイルセパレータ構造の複数のビードを有効活用して、下流側室の天井壁の面直交方向のパネル剛性を高めることができる。
本発明は、エンジンのブローバイガス中のオイル成分を分離するオイルセパレータ構造において、オイルセパレータ室を区画した上流側室と下流側室を設け、上流側室の天井壁に形成するオイル捕集用の複数のビードの形状、配置パターンに工夫を凝らし、ビードに捕集したオイルを側壁側へ流動させて底壁上へ流動させるように構成し、前記複数のビードを有効活用して天井壁のパネル剛性を高めたものである。
以下、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
図1は4気筒ディーゼルエンジンのシリンダヘッドカバー1の平面図であり、図2はオイルセパレータ構造の内部を示す斜視図であり、図3はオイルセパレータ構造の縦断面図であり、図4はオイルセパレータ構造を横断して下方から視た横断底面図である。図1に図示のように前後左右を定義して説明する。
図1〜図4に示すように、シリンダヘッドカバー1の左右方向の中央部には、燃料噴射器装着部 が1列状に設けられ、シリンダヘッドカバー1内の空間を区画して、オイルセパレータ構造2のオイルセパレータ室3が形成されている。オイルセパレータ構造2は、エンジンのクランクケース内からシリンダヘッドカバー1内に導入されるブローバイガス中のオイル成分(オイルミスト)を捕集して分離するものである。
オイルセパレータ室3は、シリンダヘッドカバー1内の空間のうち、前記中央部よりも左側の左側部分の上部約1/2〜2/3の空間部分に細長いほぼ直方体状に形成される。 シリンダヘッドカバー1は例えば耐熱性に優れる合成樹脂材料、またはアルミ合金材料で構成され、オイルセパレータ室3は、天井壁4と左右の側壁5と前壁6と後壁7と底壁8とで区画されている。天井壁4と左右の側壁5と前壁6と後壁7は、シリンダヘッドカバー1と一体形成され、底壁8は、シリンダヘッドカバー1と別体に形成され、その外周部が下方から複数のボルトやビスでシリンダヘッドカバー1に固定されている。
図2〜図4に示すように、オイルセパレータ室3は、2つの仕切り壁9A,9Bにより、ほぼ3等分に仕切られ、ブローバイガスのガス流の流れ方向上流側の上流側室10Aと、下流側室11と、上流側室10Bとに区画され、下流側室11は上流側室10A,10Bよりもガス流の流れ方向下流側に配置されている。上流側室10Aと上流側室10Bの間に下流側室11が配設されている。
上流側室10Aの前端部において底壁8には下方からブローバイガスを導入するガス導入部13が形成され、上流側室10Bの後端部において底壁8とシリンダヘッドカバー1の後端壁7との間にも下方からブローバイガスを導入するガス導入部14が形成されている。ガス導入部13は、底壁8に形成された前後に細長い矩形状の導入口15と、底壁8と一体形成された断面U形のバッフル板16とを有する。
バッフル板16は、左右1対の縦板部16aと水平板部16bを有し、水平板部16bは所定距離あけて導入口15の下方に対向しており、ブローバイガスは、底壁8と水平板部16bの間の前後の隙間から導入口15へ導入される。このように、バッフル板16を設けたため上流側室10Aに流入するブローバイガスの流速が低くなり、上流側室10A内におけるガス流が低速の安定した流れになる。上流側室10Bのガス導入部14は、左右に細長い狭い隙間であるためバッフル板は省略されているが、バッフル板を設けてもよい。
上流側室10Aの下流端は仕切り壁9Aで仕切られ、この仕切り壁9Aには、ガス流を絞って流速を高める為の連通孔17Aが天井壁4より低い位置に形成され、仕切り壁9Aには連通孔17Aを形成する為のボス部18Aであって仕切り壁9Aの表面より上流側室10A側へ突出するボス部18Aが形成され、このボス部18Aに所定前後長を有し且つ上流側室10A側ほど大径のテーパ孔からなる連通孔17Aが形成され、エンジン停止状態のときその連通孔17Aの内面の液状オイルが上流側室10Aに自然流下するように、連通孔17Aの下面が斜面に形成されている。
仕切り壁9Aは、シリンダヘッドカバー1と別体の板部材で構成され、この仕切り壁9Aの上端部と左右両端部が壁面に形成された門形の係合溝に下方から係合され、仕切り壁9Aの下端を底壁8で支持するようになっている。仕切り壁9Aの連通孔17Aにガス流の下流側から接近対向する邪魔板19Aが、下流側室11内に設けられ、邪魔板19Aの下端と底壁8との間にはガス流が通る開口20Aが形成されている。邪魔板19Aは、下流側室11内におけるガス流を低速にし且つ安定させる為にガス流を衝突させて流速を弱めると共に、ガス流中のオイルミストを捕集する為のものである。
上流側室10Bの下流端は仕切り壁9Bで仕切られ、この仕切り壁9Bにも、前記ボス部18Aと同様のボス部18Bが形成され、このボス部18Bに連通孔17Aと同様のテーパ孔からなる連通孔17Bが形成され、この仕切り壁9Bも仕切り壁9Aと同様の係合溝を介して取り付けられている。仕切り壁9Bの連通孔17Bにガス流の下流側から接近対向する前記邪魔板19Aと同様の邪魔板19Bが下流側室11内に設けられ、邪魔板19Bの下端と底壁8との間にはガス流が通る開口20Bが形成されている。
上流側室10Aのガス流の流れ方向の下流端近傍部において、底壁8にオイル排出部21が形成されている。オイル排出部21は、底壁8を下方へ所定長さ膨出させたオイル溜部21aと、このオイル溜部21aの下端に形成されたオイル排出孔21bとを有する。オイル溜部21aは水平断面がほぼ左右に細長い矩形状であり、オイル排出孔21bは溝幅約0.5 〜1.0 mmのスリット状に形成され、オイル溜部21aに溜まったオイルがそのヘッド圧により下方へ排出され、オイル排出部21からブローバイガスの流入を阻止できるように構成されている。
上流側室10Aの天井壁4や側壁5から底壁8上へ流動した液状オイルがオイル排出部21へ流動して排出されるが、そのため、上流側室10Aの底壁部分はオイル排出部21に向かって微小な下り傾斜に形成されている。上流側室10Bのガス流の流れ方向の下流側部分にも、前記と同様のオイル排出部21が底壁8に形成されており、上流側室10Bの底壁部分もオイル排出部21に向かって微小な下り傾斜に形成されている。下流側室11の前後両端近傍部にも、前記と同様のオイル排出部21が底壁8に形成されており、下流側室11の底壁部分も、前後方向中央部から前後のオイル排出部21,21に向かって微小な下り傾斜に形成されている。
下流側室11の前後方向ほぼ中央部の左寄り部位において、天井壁4にはガス排出口22が形成され、このガス排出口22にはオイルミストを分離したブローバイガスを吸気通路に導くガス導出管23が接続されている。
次に、ブローバイガス中のオイルミストを捕集するための、また、天井壁4のパネル剛性を高めるための構造について、上流側室10A,10B、下流側室11の順に説明する。図2〜図4に示すように、上流側室10Aの天井壁4の内面にガス流の主流Gの方向と交差する方向に向けられた突状の複数のビード30がほぼ平行に並べて形成されている。 これらのビード30によりガス流と接触する接触面積が増し、オイルミストを捕集する性能が向上する。これらのビード30は、ビード30の下端部に溜まる液状オイルをガス流により両側壁5側に導く為に、両側壁5側に近づくほどガス流の下流側へ移行するようなほぼ「へ」字形に形成され、ビード30の左右両端部は、側壁5の近くまで延びている。ビード30の断面形状はほぼ半円形であるが、半円形に限らず、半楕円又は山形又は逆三角形の断面形状でもよい。
天井壁4に形成された複数のビード30のうち連通孔17Aに最も近いビード30aは、ほぼストレートに形成され、仕切り壁9Aと間隔を空けてガス流の主流Gの方向と直交状に配置されている。これは、天井壁4の表面を流動して仕切り壁9Aの方へ液状オイルが流動するのを防止するためである。
図5に示すように、天井壁4は、左右方向中央部から両側壁5側へ移行する程低くなるようなアーチ形又は緩傾斜の屋根形に形成され、ビード30の下端部は両側壁5側に移行するほど下方へ移行するように形成されている。そのため、ビード30に付着した液状オイルの側壁5側への流動を促進することができる。尚、天井壁4を水平に構成する場合には、各ビード30の上下幅を両側壁5側ほど大きくしてビード30の下端部は両側壁5側に移行するほど下方へ移行するように形成する。
上流側室10Aの天井壁4の面直交方向のパネル剛性を高める為に、複数のビード30は、上流側室10Aの天井壁4の全面に小間隔(例えば、ビード30の幅とほぼ同じ間隔)おきに形成されている。しかも、上記と同様に天井壁4のパネル剛性を高める為に、天井壁4の前端部分と前壁6とを連結する左右1対の三角形状の補強ブラケット24が一体的に形成されている。
上流側室10Aの左側の側壁5は平板状に形成されているが、右側の側壁5は部分円筒形に形成されている。これらの両側壁5には上下方向に延びる突状の複数のサブビード31が小間隔おきに形成されている。サブビード31は前記ビード30と同様の断面形状のもので、前記ビード30と同様に、小間隔おきに側壁5の全面に亙って設けられている。これらサブビード31もガス流との接触面積を増し、オイルミストを捕集する性能を高めるために設けられていると共に、これらサブビード31によって側壁5のパネル剛性が向上する。これらサブビード31は上下方向に向けて配置されているため、付着した液状オイルは、主に下方へ流動する。
後側の上流側室10Bには、左側から張り出す張り出し部25があり、この上流側室10Bの天井壁4の形状は上流側室10Aの天井壁4の形状と多少相違しているが、この天井壁4にも前記上流側室10Aの天井壁4と同様に、複数のビード30が前記上流側室10Aのビード30と同様の配置パターンで全面に亙って形成されており、それら複数のビード30により、上流側室10Bの天井壁4のパネル剛性を高めている。
また、この上流側室10Bの左右の両側壁5にも、前記上流側室10Aの両側壁5と同様に、上下方向に延びる突状の複数のサブビード31が小間隔おきに成形され、これらサブビード31により、ガス流と接触する接触面積を大きくして、オイルミストを捕集する性能を高めると共に、両側壁5のパネル剛性が高められている。
次に、下流側室11の天井壁4の内面にガス流の主流の方向と直交する方向に向けた突状の複数のビード32が形成され、それら複数のビード32は、下流側室11の天井壁4の面直交方向の剛性を高める為に、その天井壁の全面に亙って小間隔おきに形成されている。これらのビード32は前記ビード30と同断面形状のもので、同様の小間隔おきに配置されている。ビード32の左右両端部は両側壁5の近くまで延びている。
また、下流側室11の左右の両側壁5にも、上流側室10A,10Bの側壁5と同様に、上下方向に延びる突状の複数のサブビード33が小間隔おきに形成されている。これらサブビード33によりガス流との接触面積が増してオイルミストを捕集する性能が向上すると共に、両側壁5のパネル剛性が向上する。サブビード33に付着した液状オイルはサブビード33に沿って下方へ流動する。
次に、以上説明したオイルセパレータ構造2の作用、効果について説明する。
ガス導入部13から上流側室10Aにブローバイガスが流入するとき、パッフル板16の作用でガス流が減速され、上流側室10A内のガス流の主流Gは低速で安定した流れを維持しつつ下流側へ流れる。このとき、ガス流が天井壁4の複数のビード30に接触すると、ガス流中のオイルミストがビード30に付着する。ビード30に付着したオイルは、ビード30に沿って下流側へ左右の側壁5側へ流動し、ビード30の端部から左右の側壁5へ流れ、側壁5のサブビード31に沿って下方へ流れる。尚、後側の上流側室10Bにおけるオイル捕集作用も基本的に上記と同様であるのでその説明は省略する。
上流側室10Aにおいて、ガス流が側壁5のサブビード31に接触すると、ガス流中のオイルミストがサブビード31に付着して、サブビード31に沿って下方へ流動する。
左右の側壁5から底壁8上へ流動したオイルはオイル排出部21へ流動し、そのオイル溜部21aに溜まり、オイル排出口21bから排出される。上流側室10Bに流入したブローバイガスについても、上記と同様であり、ガス流中のオイルミストは、天井壁4の複数のビード30で捕集され、左右の両側壁5の複数のサブビード31で捕集されて底壁8上をオイル排出部21の方へ流動し、オイル排出部21から排出される。
上流側室10Aのガス流は、連通孔17Aを通って下流側室11へ流れ、下流側室11内においても上流側室10Aとほぼ同様にして、天井壁4の複数のビード32と左右の側壁5の複数のサブビード32とでオイルミトスが捕集され、オイルミストがほぼ完全に除去された未燃ガスはガス排出口22からガス導出管23へ導出される。
次に、上記の作用、効果について一層詳細に説明する。
上流側室10Aの天井壁4の内面にほぼ平行に並べて形成された突状の複数のビード30が、ビード30の下端部に溜まる液状オイルをガス流により両側壁5側に導く為に、両側壁5側に近づくほどガス流の下流側へ移行するようなほぼへ字形に形成されているため、複数のビード30に捕集された液状オイルは、ガス流下流側へ導かれて両側壁5側へ移動し、両側壁5に付着し、両側壁5から底壁8の上面へ流れる。
そのため、複数のビード30により捕集されたオイルは下流側室11へ流れにくくなり、上流側室10Aにおいて確実に捕集されてオイル排出口21からオイル循環系へ排出されやすくなる。しかも、複数のビード30の表面に捕集された液状オイルの流動が促進されるため、オイル捕集性能も高くなる。
ビード30の下端部は両側壁5側に移行するほど下方へ移行するように形成されたため、複数のビード30に捕集されたオイルが両側壁5側に流動しやすくなり、オイル捕集性能が向上する。仕切り壁9Aにはガス流を絞って流速を高める為の連通孔17Aが天井壁4より低い位置に形成され、この連通孔17Aにガス流の下流側から接近対向する邪魔板19Aが設けられているため、天井壁4に付着したオイルが天井壁4の表面を流動して下流側室11へ移動するのを確実に防止することができる。ガス流は連通孔17Aで絞られて流速が高まり、そのガス流が邪魔板19Aに衝突してガス流中のオイルミストが邪魔板19Aに捕集される。
連通孔17Aは所定長さの孔であり、エンジン停止状態のときその連通孔17A内の液状オイルが上流側室10Aに自然流下するように、連通孔17Aの下面が斜面に形成されたため、エンジン停止状態になり、ガス流がなくなったときにも、連通孔17A内の液状オイルが上流側室10Aに自然流下する。
上流側室10Aの天井壁4に形成された複数のビード30のうち連通孔17Aに最も近いビード30aは、仕切り壁9Aと間隔を空けてガス流の主流Gの方向と直交状に形成されたため、上記の連通孔17Aに最も近いビード30a以外のビード30に捕集されたオイルが仕切り壁9Aへ流動しにくくなり、連通孔17Aから下流側室11へのオイルの持ち込みを抑制することができる。
複数のビード30は、上流側室10Aの天井壁4の面直交方向の剛性を高める為に、天井壁4の全面に小間隔おきに形成されたため、オイルセパレータ構造2の複数のビード30を有効活用して、上流側室10Aの天井壁4の面直交方向のパネル剛性を高めることができる。上流側室10Aの両側壁5には上下方向に延びる突状の複数のサブビード31が小間隔おきに形成されたため、それら複数のサブビード31によってガス流中のオイルミストを捕集することができるから、オイル捕集性能を格段に固めることができる。尚、以上のことは、上流側室10Bにおけるオイル捕集についても同様である。
下流側室11の天井壁4の内面にガス流の主流Gの方向と直交する方向に向けた突状の複数のビード32が形成され、それら複数のビード32は、下流側室11の天井壁4の面直交方向の剛性を高める為に、その天井壁4の全面に亙って小間隔おきに形成されたため、下流側室11の天井壁4の内面に形成した複数のビード32によりオイル捕集性能を高めることができるうえ、オイルセパレータ構造2の複数のビード32を有効活用して、下流側室11の天井壁4の面直交方向のパネル剛性を高めることができる。
前記実施例における底壁8は、合成樹脂材料又はアルミ合金製ものであったが、底壁8をステンレス鋼板やメッキ鋼板で構成してもよくその場合、前記オイル排出部21は、底壁とは別体の部材で構成して溶接接合する構造にしてもよい。
尚、当業者ならば、前記実施例のオイルセパレータ構造に、本発明の趣旨逸脱しない範囲で種々の変更を付加した形態で実施することができ、本発明はそれらの変更形態も包含するものである。
本発明の実施例に係るシリンダヘッドカバーの平面図である。 オイルセパレータ構造の内部を示す斜視図である。 オイルセパレータ構造の縦断面図である。 オイルセパレータ構造の横断底面図である。 シリンダヘッドカバーの要部断面図である。
1 シリンダヘッドカバー
2 オイルセパレータ構造
3 オイルセパレータ室
4 底壁
5 側壁
9A,9B 仕切り壁
10A,10B 上流側室
11 下流側室
17A,17B 連通孔
19A,19B 邪魔板
30 ビード
31 サブビード

Claims (7)

  1. エンジンのシリンダヘッドカバー内の空間を区画してオイルセパレータ室を設け、このオイルセパレータ室をガス流の上流側の上流側室と下流側の下流側室とに仕切る少なくとも1つの仕切り壁を設け、上流側室にガス導入部を設けると共に下流側室にガス導出部を設け、ブローバイガス中のオイル成分を液滴化して分離するエンジンのオイルセパレータ構造において、
    前記上流側室の天井壁の内面にガス流の主流の方向と交差する方向に向けられた突状の複数のビードがほぼ平行に並べて形成され、
    それらビードは、ビードの下端部に溜まる液状オイルをガス流により両側壁側に導く為に、両側壁側に近づくほどガス流の下流側へ移行するようなほぼへ字形に形成され
    前記ビードの下端部は両側壁側に移行するほど下方へ移行するように形成されたことを特徴とするエンジンのオイルセパレータ構造。
  2. 前記仕切り壁には、ガス流を絞って流速を高める為の連通孔が天井壁より低い位置に形成され、この連通孔にガス流の下流側から接近対向する邪魔板が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンのオイルセパレータ構造。
  3. 前記天井壁に形成された複数のビードのうち連通孔に最も近いビードは、仕切り壁と間隔を空けてガス流の主流の方向と直交状に形成されたことを特徴とする請求項に記載のエンジンのオイルセパレータ構造。
  4. 前記両側壁には上下方向に延びる突状の複数のサブビードが小間隔おきに形成されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジンのオイルセパレータ構造。
  5. 前記連通孔は所定長さの孔であり、エンジン停止状態のときその連通孔内の液状オイルが前記上流側室に自然流下するように、前記連通孔の下面が斜面に形成された
    ことを特徴とする請求項に記載のエンジンのオイルセパレータ構造。
  6. 前記複数のビードは、前記上流側室の天井壁の面直交方向の剛性を高める為に、天井壁の全面に小間隔おきに形成されたことを特徴とする請求項に記載のエンジンのオイルセパレータ構造。
  7. 前記下流側室の天井壁の内面にガス流の主流の方向と直交する方向に向けた突状の複数のビードが形成され、それら複数のビードは、下流側室の天井壁の面直交方向の剛性を高める為に、その天井壁の全面に亙って小間隔おきに形成されたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のエンジンのオイルセパレータ構造。
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