JP4668706B2 - トルク利用物品 - Google Patents

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Description

本発明は、一方向又は双方向に伝達される回転に伴う負荷トルクをそれぞれ設定値以下に制限するトルクリミッタ、又はクラッチ、トルクヒンジのようなトルク利用物品に関する。
一般に複写機、プリンタ、あるいはファクシミリ装置などの電子情報機器の給紙装置においては、紙の二重送り防止機構などに双方向トルクリミッタを備えて、紙の二重送りを防ぐと共に、紙詰まりの場合にも紙送り機構を逆転させて、詰まった紙を容易に除去できる機構になっている。
コイルばねと内輪部材との間の摩擦力によってトルク値を設定値に制限する構造のトルクリミッタが種々開示されている(例えば、特許文献1〜5参照)。これらトルクリミッタは、外輪部材、内輪部材、シールド部材、つまり側壁部材、コイルばね部材などから構成されている。特許文献1には、内輪部材に相当する内筒部材と、その外側に位置する外輪部材に相当する外筒部材と、互いに逆方向になるように内筒部材に巻かれた二つのコイルばねと、特定の構造のシールド部材とを組み合わせてなる双方向のトルクリミッタが開示されている。
また、特許文献2には、外輪部材と内輪部材とシールド部材とコイルばね部材などから構成されているトルクリミッタにおいて、外輪部材と内輪部材との間、又は内輪部材とシールド部材との間に形成される間隙に比べて大きな間隙を与える切欠部をエアー溜まりとして形成することによって、封入された潤滑剤が漏出するのを防いでいる。特許文献3には、外輪部材と内輪部材とシールド部材である蓋部材とコイルばね部材などから構成されているトルクリミッタにおいて、外輪部材と内輪部材との間に形成される間隙における蓋部材の側壁内面が内輪部材側で厚く、外輪部材側が薄くなる傾斜面とすることによって、封入された潤滑剤が漏出するのを防いでいる。さらに、特許文献4及び5には、外輪部材と内輪部材とシールド部材と複数のコイルばね部材との他に側輪部材をも用いてなる双方向トルクリミッタが開示されている。
特開平09−166153号公報 特開平10−078044号公報 特開平11−093969号公報 特開2002−147499公報 特開2002−155973公報
いずれも本件出願人の発明にかかる前記特許文献1〜5で開示されたトルクリミッタに限らず、従来のものは外輪部材と内輪部材とシールド部材(側壁部材)とコイルばね部材のようなトルク発生部材とを備え、更には別のトルクリミッタは潤滑剤が溢れて漏出するのを防ぐためのスペーサ部材を備えているものもある。このようなトルクリミッタの組み立て時には、通常、予めトルク発生部材を取り付けてなる内輪部材を外輪部材に組み込んだ後に、スペーサ部材が必要ならば、スペーサ部材を組み込み、更にシールド部材を外輪部材に嵌め込んでいるので、組み込む部品点数が多く、したがって、部品の管理や組み立てに工数がかかるためにコストの低減が難しく、また、それぞれの部材のコスト低減も限りがあるので、コスト低減が難しいという実際上の問題ある。また、設定トルクを長期間にわたって保持するために潤滑剤を用いているトルクリミッタの場合には、トルクリミッタの両端で、シールド部材と内輪部材との間隙を潤滑剤が漏出しないような構造にしなければならず、このこともコストアップの遠因になっていた。さらに、この構造はシールド部材と内輪部材との間のすべり摩擦にも悪影響を与えていた。このことは同様な構造を有するクラッチ又はトルクヒンジについても当てはまる。
本発明はかかる従来のトルクリミッタ又はクラッチあるいはトルクヒンジのようなトルク利用物品の課題を解決するために、一体成形などによって内輪部材と一体的にシールド部材を形成することにより部品点数を少なくするだけでなく、組み立て工数を簡略化でき、また、トルク利用物品の一端側は内輪部材とシールド部材との間に全く間隙が存在しないので、別途に何ら対策を施すことなく、潤滑剤の漏出を防ぐことができるなど、安価で信頼性の高いトルク利用物品を提供することができる。
前述のような問題を解決するために、第1の発明は、内輪本体部と該内輪本体部の一方の端部に一体的に形成されているシールド部とからなる内輪部材と、外輪部材と、これら内輪部材と外輪部材との間に設けられたトルク発生部材とを備えたトルク利用物品において、前記外輪部材は、外輪本体部と、この外輪本体部と一体的に形成された側壁部とからなり、前記シールド部は、前記外輪本体部の一方の端部における内面に沿って延びる第1の短円筒状部分を有し、その第1の短円筒状部分は前記外輪本体部の前記一方の端部における前記内面と接触するか又は微小距離だけ隔てて位置し、前記内輪本体部と前記第1の短円筒状部分との間には空部S1が形成されており、前記外輪部材の前記側壁部は前記内輪本体部の他端に係合する第2の短円筒状部分を有し、前記外輪本体部と前記第2の短円筒状部分との間には空部S2が形成されており、前記シールド部の前記第1の短円筒状部分と前記外輪本体部の前記一方の端部における前記内面とには、互いに係止し合う第1の凹部と第1の凸部とが形成されており、前記外輪部材の前記側壁部における前記第2の短円筒状部分と前記内輪本体部の他端部における前記第2の円筒状部分の外面には、互いに係止し合う第2の凹部と第2の凸部とが形成されており、前記内輪部材と前記外輪部材とを係止するとき、前記空部S1、S2が前記第1と第2の凹部と前記第1と第2の凸部とに弾性力を与え、係止を楽にすると共に係止状態を安定に保持することを特徴とするトルク利用物品を提供する。
第2の発明は、前記第1の発明において、前記内輪部材及び前記外輪部材の少なくとも一方は、ポリフェニレンサルファイド樹脂からなることを特徴とするトルク利用物品を提供する。
第3の発明は、前記第1の発明又は前記第2の発明において、前記内輪部材の前記内輪本体部の円筒形状外面は、梨地状又はディンプル状の肌面、あるいは長さ方向に延びる縦溝を有することを特徴とするトルク利用物品を提供する。
第4の発明は、前記第1の発明ないし前記第3の発明のいずれかにおいて、前記トルク利用物品は、トルクリミッタ、クラッチ、トルクヒンジの内のいずれかであることを特徴とするトルク利用物品を提供する。
前記第1の発明によれば、一体成形などによって内輪部材と一体的にシールド部材を形成することにより部品点数を少なくするだけでなく、組み立て工数を簡略化でき、また、トルク利用物品の一端側は内輪部材とシールド部材との間に全く間隙が存在しないので、別途に何ら対策を施すことなく、潤滑剤の漏出を防ぐことができるなど、安価で信頼性の高いトルク利用物品を提供することができる。また、前記短円筒状部分によってより一層トルク利用物品の動作の安定化を向上させることができ、更に内輪部材と外輪部材との係止を極めて簡単に行えるという効果も得られる。
前記第2の発明によれば、前記第1の発明の効果の他に、耐久性に優れ、かつ安定な特性を有する樹脂成型のトルク利用物品を得ることができる。
前記第3の発明によれば、前記第1の発明及び前記第2の効果の他に、内輪部材におけるトルク発生面が梨地状になっているので、潤滑剤を長期間にわたって保持しやすく、設定トルクを長期間にわたって維持することが可能である。
前記第4の発明によれば、トルクリミッタに限らず一方向又は双方向のクラッチ、あるいはトルクヒンジについても、本発明を適用することができる。
先ず図1及び図2によって発明を実施するための実施形態1のトルクリミッタについて説明する。図1(A)は本発明のトルクリミッタを正面から見た断面図を示し、図1(B)は図面の左側から見た図、図1(C)は図面右側から見た図である。図2(A)は外輪部材の側壁部と内輪本体部との係止構造の一部分を拡大して示す図、図2(B)は外輪部材の外輪本体部と内輪部材のシールド部3との係止構造の一部分を拡大して示す図である。図3は図1(A)における切断線X−X’での断面を示す図である。内輪部材1は、円筒形状の内輪本体部2と、内輪本体部2と一体成形されて外方向に延びるシールド部3とからなる。内輪部材1は、材質は特に限定されないが、好ましい実施形態としては金属材料とほぼ同等な耐久性と温度特性とを呈するポリフェニレン系(PPS系)樹脂からなる。
そして、潤滑剤による潤滑特性を長期に保持するために、内輪本体部2の円筒形状外面2Aを梨地状又は多数の小さな窪みをもつディンプル状にしてザラザラの肌面にしたり、あるいは内輪本体部2の円筒形状外面の長さ方向に延びる縦溝を形成してグリス溜まりとするのが好ましい。シールド部3は、円筒形状の内輪本体部2の外面から外方向に延びる円板状部分3Aと円板状部分3Aから内輪本体部2の外面に沿って延びる短円筒状部分3Bとからなる。内輪本体部2の外面と短円筒状部分3Bとの間には空部S1が存在する。内輪本体部2は、一端側に図示しないピンでもって不図示のシャフトに内輪部材1を固定するための固定用溝2Bを有する。なお、図1(C)に示すように、短円筒状部分3Bは空部S1を通して延びる複数の橋絡部3Cによっても内輪本体部2に結合されている。
内輪本体部2の円筒形状外面2Aには適当な巻数を有するコイルばね部材4が巻かれている。内輪本体部2の円筒形状外面2Aとコイルばね部材4との間の摩擦力がトルクリミッタのトルクを決める。コイルばね部材4は一端にフック部4Aを有する。この実施形態では1個のコイルばねを用いた一方向トルクリミッタを示しているが、必要に応じて2個以上のコイルばねを同方向に直列に接続して用いても良いし、また、前掲の特許文献4、特許文献5で開示されたトルクリミッタのように、2個以上のコイルばねを逆方向にして組み込んで双方向トルクリミッタとしても勿論よい。なお、図示していないが、必要に応じてコイルばね部材4にはグリスのような潤滑剤が塗布されている。
外輪部材5は円筒状外面6Aを有する外輪本体部6とその一端側に形成されている側壁部7とを有する。外輪本体部6は他端側に大径円筒状内面部分6Bを有する。大径円筒状内面部分6Bは、コイルばね部材4に対面する部分の直径よりも大きな直径になっており、内輪部材1におけるシールド部3の短円筒状部分3Bの短円筒状外面3B’に接触、又はごく僅かな間隙で対面している。つまり、内輪部材1のシールド部3の装着に適合するようになっている。他方、外輪部材5の側壁部7は内輪本体部2の円筒形状外面2Aに係合する短円筒状内面7Aを有する。外輪本体部6と側壁部7との間には円溝状の空部S2が形成されている。外輪本体部6は、その大径円筒状内面部分6Bから長さ方向に側壁部7へ向かって延びるフック溝6Cを有し、そのフック溝6Cにコイルばね部材4のフック部4Aが係止される。なお、外輪本体部6と側壁部7とは空部S2を通して延びる複数の橋絡部7Bによっても結合されている。また、外輪部材5の側壁部7の端面には、不図示の負荷にこのトルクリミッタを取り付けるためのリンク部8が側壁部7と一体的に形成されている。外輪部材5は、材質は特に限定されないが、動作中にフック部4Bによって力が加わるので、内輪部材1と同様な前記ポリフェニレン系(PPS系)樹脂又は他の樹脂成形が可能な合成樹脂からなるのが好ましい。
内輪本体部2の円筒形状外面2Aと側壁部7の短円筒状内面7Aとの係止構造について図2(A)により説明すると、内輪部材1の内輪本体部2における円筒形状外面2Aには浅い係止用溝2Cが形成されており、外輪部材5の外輪本体部6における側壁部7の短円筒状内面7Aには係止用突起7Cが形成されている。内輪部材1の係止用溝2Cは内輪本体部2における円筒形状外面2Aの全周にわたって形成されているのが好ましく、係止を容易に行うために外輪本体部6の係止用突起7Cは一定間隔で複数個設けられているのが好ましい。係止用突起7Cも連続して全周にわたって形成されていても勿論よい。また、内輪本体部2の長さ方向における係止用溝2Cの幅は、外輪部材5の係止用突起7Cの幅よりも大きいのが好ましく、内輪部材1と外輪部材5との係止ばかりでなく、図示していない潤滑剤が漏出するのを防止する有効なエアー溜まりとしても作用する。また、コイルばね部材4を内輪本体部2の円筒形状外面2Aに装着する場合には、当然に図面の右方向から装着するので、装着作業の妨げにならないように、係止用溝2Cには係止用溝2Cの底部から円筒形状外面2Aまで傾斜となっている傾斜面Zがコイルばね部材4の装着方向に形成されている。この構造などにより、本発明に係るトルクリミッタなどの組み立ての自動化が可能になる。
次に、このトルクリミッタの組み立てについて簡単に説明すると、図示しない機械又は治具を使用して、先ずコイルばね部材4を内輪部材1における内輪本体部2の円筒形状外面2Aに装着する。このときコイルばね部材4の径は幾分拡げられて大きくなり、コイルばね部材4は内輪本体部2の円筒状外面2Aを適度な力で締め付け、所望のトルクを得る。そして、必要に応じて図示しないグリスのような潤滑剤がコイルばね部材4に塗布される。このようにコイルばね部材4が装着された内輪部材1を、コイルばね部材4のフック部4Aがフック溝6C内に入る(図3)ようにして、図1(A)の右方向から外輪部材5に装着する。内輪部材1におけるシールド部3の短円筒状部分3Bが外輪部材5における外輪本体部6の大径円筒状内面部分6Bに位置し、外輪部材5の係止用突起7Cが内輪部材1の係止用溝2Cに入ることにより、内輪部材1と外輪部材5とが係止される。つまり、本発明のトルクリミッタ構造にあっては、コイルばね部材4が装着された内輪部材1を外輪部材5に差し込むだけで組み立てが完了する。なお、空部S1、S2は組み立て時に係止部分に弾力性を与えることも可能であり、このことがより内輪部材1と外輪部材5との係止を楽なものにし、係止後は係止状態を安定に保持することになる。
また、内輪部材1と外輪部材5との係止構造は、図2(B)に示すように、内輪部材1におけるシールド部3の短円筒状部分3Bの短円筒状外面3B’と外輪部材5における外輪本体部6の大径円筒状内面部分6Bとに設けてもよい。図2(B)によって説明すると、外輪部材5における外輪本体部6の大径円筒状内面部分6Bの先端部分は内輪部材1方向に僅かに突出している係止部6B1を有する。この係止部6B1は大径円筒状内面部分6Bに沿って断続的に形成、又は連続して形成されている。他方、短円筒状部分3Bの短円筒状外面3B’の先端部分を小径面3B’1としている。小径面3B’1と短円筒状外面3B’との差の寸法は大径円筒状内面部分6Bと係止部6B1との差の寸法にほぼ等しく、当該寸法は外輪部材5に内輪部材1を適当な力で圧入できる程度であれば良い。つまり、外輪部材5に対して図面右方向から内輪部材1に力をかけ、短円筒状部分3Bの短円筒状外面3B’が外輪本体部6の係止部6B1内に入り、通過して、大径円筒状内面部分6Bに至ることによって、外輪部材5と内輪部材1とが互いに係止し合う。図2(B)に示すように、内輪部材1が一旦外輪部材5に係止すると、内輪部材1が外輪部材5から外れることはない。この係止構造であっても、図2(A)の係止構造と同様にごく容易に内輪部材と外輪部材とを係止することができる。
さらに、外輪部材5の構造は図4に示すようなものであっても良い。図4(A)は外輪部材の正面図を示し、図4(B)は図4(A)において切断線Y−Y’における断面を示す。図4において、図1〜図3で用いた記号と同一の記号は同じ名称の部材を示すものとする。図4(A)において、図1に示したような内輪部材1の内輪本体部2及びコイルばね部材4は鎖線で示されている。この実施形態で用いられるコイルばね部材4は両端の切断部分を図3に示すようにほぼ直角に曲げてフック部とすることなく、切断部分をコイルばねの接線方向に単に引き出した形状のフック部4Aになっている。フック部4Aをコイルばねの接線方向に単に引き出した形状にすることにより、折り曲げ工程が不要となり、コストの低減が図れる。
外輪部材5の側壁部7は図1〜図3に示した構造のものとほぼ同様であるので、側壁部7については特に説明しない。円筒形状外面6Aを有する外輪本体6の内面側における、図1に示した内輪部材1のシールド部3が装着される面域は大径円筒状内面部分6Bとなっている。図4から分かるように、外輪本体6の内面の上下は大径円筒状内面となっている空間部分6Dが形成されており、その他の面域には複数の小径形成部6Eが島状に形成されて不連続の小径円筒状内面6Fを形成している。このような内部構造になっている外輪部材5においては、コイルばね部材4のフック部4Aは、図面の上下に形成されている大径円筒状内面となっている空間部分6Dのいずれかに容易に納まる。また、この外輪部材5は、内輪部材1のシールド部3が装着される大径円筒状内面部分6Bに係止用突起6Gが形成されている。この場合には、図1に示した内輪部材1のシールド部3における短円筒状外面3B’には、係止用突起6Gに係止するのに都合の良い不図示の係止溝が備えられる。係止用突起と係止溝とが入れ替わって形成されても勿論よい。このような外輪部材の構造においては材料の節約を図ることができ、またより軽量化にできる。なお、前記実施形態にかかるトルクリミッタにあっては、コイルばね部材4の巻数、個数は任意であっても良い。また、コイルばね部材4は断面円形状の線材だけでなく、断面が角型の線材からなるものであってもよく、さらにコイルばね部材4の断面は円形状に限ることなく、正5角形又は正6角形などの多角形であってもよい。
以上説明した実施形態にかかるトルクリミッタにおいては、内輪部材との間に予め設定したトルクを発生するトルク発生部材としてコイルばね部材を用いた。しかし、本発明に係るトルクリミッタにおいてはトルク発生部材をコイルばね部材に限定する必要はなく、トルク発生部材がスリーブ形ばね又は板ばねなど他のばね部材、又は板ばねとローラなどを組み合わせたトルク発生部材、あるいは内輪部材と外輪部材とその間に配置された円筒状の永久磁石などからなる非接触型のトルクリミッタなどに本発明を同様にして適用することが可能である。図示しないが、例えば、いずれも本件出願人の出願に係る特開平9−4650号公報に開示されているような、ローラ部材で内輪外面に加圧してトルクを得るトルクリミッタ構造、特開平9−88998号公報に開示されているような、トルク発生部材として板ばねなどを用いた構造のもの、特開平9−329153号公報に開示されているような、トルク発生部材として球面部材と摩擦部材とを用いた構造のもの、また、特開平10−131980号公報に開示されているように、トルク発生部材として摩擦・ばね部材などを用い、トルク発生部材と外輪部材の内面との間に所定のトルクを発生させる構造のトルクリミッタなどにも本発明を適用することができる。以上の説明から分かるように、本発明に係るトルクリミッタはトルク発生部材によって制限されるものでなく、内輪部材と外輪部材とが側壁部及び/又はシールド部などで両端が閉じられ、かつ側壁部又はシールド部にて内輪部材と外輪部材とが係止される構造のトルクリミッタに本発明を適用できる。
また、以上の実施形態ではトルクリミッタについて説明したが、内輪部材と外輪部材と前述のようなトルク発生部材とを組み合わせてなるクラッチ、トルクヒンジは種々のものが多数知られているが、内輪部材と外輪部材とが側壁部及び/又はシールド部などで両端が閉じられ、かつ側壁部又はシールド部にて内輪部材と外輪部材とが係止される構造の一方向クラッチなどのクラッチ又はトルクヒンジには全く同様に本発明を適用することができる。したがって、ここでは、トルクリミッタに限らず、本発明に係る前述の構造を備えているクラッチ又はトルクヒンジを含めてトルク利用物品という。
本発明の一実施形態に係るトルクリミッタの断面と正面と裏面とを示す図である。 本発明の一実施形態に係るトルクリミッタの一部分を拡大した断面を示す図である。 本発明の一実施形態に係るトルクリミッタの断面を示す図である。 本発明の一実施形態に係るトルクリミッタにおける外輪部材の他の一例を示す図である。
符号の説明
1・・・内輪部材
2・・・内輪本体
2A・・・内輪本体部2の円筒形状外面
2B・・・固定用溝
2C・・・係止用溝
3・・・内輪部材1のシールド部
3A・・・シールド部3の円板状部分
3B・・・シールド部3の短円筒状部分
3B’・・・短円筒状部分3Bの短円筒状外面
3B’1・・・短円筒状外面3B’の小径面
3C・・・シールド部3の橋絡部
4・・・コイルばね部材
4A・・・コイルばね部材4のフック部
5・・・外輪部材
6・・・外輪本体部
6A・・・外輪本体部6の円筒状外面
6B・・・外輪本体部6の大径円筒状内面部分
6B1・・・大径円筒状内面部分6Bの係止部
6C・・・外輪本体部6のフック溝
7・・・外輪部材5の側壁部
7A・・・側壁部7の短円筒状内面
7B・・・側壁部7の橋絡部
7C・・・側壁部7の係止用突起
S1・・・内輪部材1の空部
S2・・・外輪部材5の空部
Z・・・係止用溝2Cの傾斜面

Claims (4)

  1. 内輪本体部と該内輪本体部の一方の端部に一体的に形成されているシールド部とからなる内輪部材と、外輪部材と、これら内輪部材と外輪部材との間に設けられたトルク発生部材とを備えたトルク利用物品において、
    前記外輪部材は、外輪本体部と、該外輪本体部と一体的に形成された側壁部とからなり、
    前記シールド部は、前記外輪本体部の一方の端部における内面に沿って延びる第1の短円筒状部分を有し、該第1の短円筒状部分は前記外輪本体部の前記一方の端部における前記内面と接触するか又は微小距離だけ隔てて位置し、前記内輪本体部と前記第1の短円筒状部分との間には空部S1が形成されており、
    前記外輪部材の前記側壁部は前記内輪本体部の他端に係合する第2の短円筒状部分を有し、前記外輪本体部と前記第2の短円筒状部分との間には空部S2が形成されており、
    前記シールド部の前記第1の短円筒状部分と前記外輪本体部の前記一方の端部における前記内面とには、互いに係止し合う第1の凹部と第1の凸部とが形成されており、
    前記外輪部材の前記側壁部における前記第2の短円筒状部分と前記内輪本体部の他端部における前記第2の円筒状部分の外面には、互いに係止し合う第2の凹部と第2の凸部とが形成されており、
    前記内輪部材と前記外輪部材とを係止するとき、前記空部S1、S2が前記第1と第2の凹部と前記第1と第2の凸部とに弾性力を与え、係止を楽にすると共に係止状態を安定に保持することを特徴とするトルク利用物品。
  2. 請求項1において、
    前記内輪部材及び前記外輪部材の少なくとも一方は、ポリフェニレンサルファイド樹脂からなることを特徴とするトルク利用物品。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記内輪部材の前記内輪本体部の円筒形状外面は、梨地状又はディンプル状の肌面、あるいは長さ方向に延びる縦溝を有することを特徴とするトルク利用物品。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、
    前記トルク利用物品は、トルクリミッタ、クラッチ、トルクヒンジの内のいずれかであることを特徴とするトルク利用物品。
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