JP4668582B2 - 水系インク用分散体 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、印字物の耐摩耗性、印字濃度を高める観点から、マイクロエマルジョンを添加するインクが開示されている。
また特許文献2には、耐汚れ性を改善する観点から、インク中にハイドロゾルポリマーを添加するインクが開示されている。
しかし、これらのマイクロエマルジョン、ハイドロゾルポリマーでは、耐擦過性、耐マーカー性、保存安定性が不充分である。
[1](a)塩生成基含有モノマー由来の構成単位、及び(b)ベンジルメタクリレート由来の構成単位20〜70重量%を含む水不溶性グラフトポリマー粒子を、分散状態で含有する水系インク用分散体であって、該水不溶性グラフトポリマーが、炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び下記式(2)で表されるモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1つの(c)疎水性モノマー由来の構成単位を0〜20重量%含有するポリマーであり、該水不溶性グラフトポリマー粒子に着色剤を含有するものを除く、水系インク用分散体
CH2=C(R3)−R4 (2)
(式中、R3は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R4は炭素数6〜22の芳香環含有炭化水素基を示す。)、
[2]水不溶性グラフトポリマー粒子を分散状態で含有する水系インク用分散体の製造方法であって、中和剤を含む水性媒体に水不溶性グラフトポリマーを添加して、該ポリマー粒子の分散体を得る工程を含む、上記[1]の水系インク用分散体の製造方法
を提供する。
本発明の製造方法によれば、前記水系インク用分散体を効率よく製造することができる。
(水不溶性グラフトポリマー)
本発明で用いられる水不溶性グラフトポリマーは(a)塩生成基含有モノマーに由来する構成単位と(b)芳香環含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位とを含むポリマー鎖を主鎖に有することが好ましい。
従って、本発明で用いられる水不溶性グラフトポリマーは、(a)塩生成基含有モノマーと(b)芳香環含有(メタ)アクリレートモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させてなり、ビニル系モノマーに由来する構成単位を含む側鎖を有するものである。
(a)塩生成基含有モノマーは、分散性を向上させ、保存安定性を高めるのに用いられ、塩生成基含有モノマーとしては、(a-1)アニオン性モノマー及び(a-2)カチオン性モノマーが好ましい。分散性は、後述する分散体を製造する際の分散性を意味する。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。
不飽和スルホン酸モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸エステル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。
不飽和リン酸モノマーとしては、例えば、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記のアニオン性モノマーの中では、インク粘度及び吐出性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
不飽和3級アミン含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−6−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン等が挙げられる。
不飽和アンモニウム塩含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート四級化物等が挙げられる。
上記のカチオン性モノマーの中では、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
上記の(a)塩生成基含有モノマーは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、本明細書にいう「(メタ)アクリ」とは、「アクリ」、「メタクリ」又はそれらの混合物を意味する。
芳香環含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位としては、下記式(1)で表される構成単位が好ましい。
R2の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基(フェニルエチル基)、フェノキシエチル基、ジフェニルメチル基、トリチル基等が挙げられる。
置換基には、ヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子が挙げられる。
置換基の具体例は、好ましくは炭素数1〜9の、アルキル基、アルコキシ基若しくはアシロキシ基、水酸基、エーテル基、エステル基又はニトロ基等が挙げられる。
CH2=CR1COOR2 (1−1)
(式中、R1、R2は、前記と同じである。)
具体的には、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、フタルイミドメチル(メタ)アクリレート、p−ニトロフェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸等を重合することで、式(1)で表される構成単位を有するポリマーを合成することができる。これらの中では、ベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
CH2=C(R3)−R4 (2)
(式中、R3 は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、好ましく水素原子又はメチル基であり、R4 は炭素数6〜22の芳香環含有炭化水素基を示す。)
炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート、ベへニル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
なお、本明細書にいう「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、「イソ」又は「ターシャリー」で表される枝分かれ構造が存在している場合と存在しない場合(ノルマル)の両者を示すものである。
式(2)で表されるモノマーとしては、印字濃度の観点から、スチレン、ビニルナフタレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、4−ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレンから選ばれた一種以上が好ましい。これらの中では、保存安定性、耐擦過性、及び耐マーカー性の観点から、スチレン、α−メチルスチレン、及びビニルトルエンからなる群から選ばれる一種以上のスチレン系モノマーがより好ましい。
ノニオン性(メタ)アクリレート系モノマーとしては、下記式(3)で表される(d)ノニオン性モノマーが好ましい。
CH2=C(R5)COO(R6O)nR7 (3)
(式中、R5 は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、R6 は炭素数2〜18のアルキレン基、nは平均付加モル数を示し、1〜30の数、R7 は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数1〜8のアルキル基を有していもよいフェニル基が好ましい。)
式(3)において、重合性の観点から、R5 は水素原子又はメチル基が好ましく、R6は炭素数2〜4のエチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基が好ましい。
吐出性を向上させる観点からエチレン基が好ましく、保存安定性を向上させる観点からプロピレン基又はテトラメチレン基が好ましい。nは、保存安定性の観点から、2〜25の数が好ましく、4〜23の数が更に好ましい。n個のR6 は同一でも異なっていてもよく、異なる場合はブロック付加及びランダム付加のいずれでもよい。
R7 は、良好な保存安定性の観点から、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましい。又は、炭素数1〜8のアルキル基を有していもよい、フェニル基が好ましい。
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基等が挙げられる。
(e)マクロマーとしては、下記(e−1)スチレン系マクロマー、(e−2)アルキル(メタ)アクリレート系マクロマー、(e−3)芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマーが挙げられ、側鎖中疎水性モノマー由来の構成単位は、60重量%以上が好ましく、70重量%以上が更に好ましく、90重量%以上が特に好ましい。
スチレン系マクロマーとは、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマー(e−1 モノマーという)を有するマクロマーを意味する。スチレン系モノマーの中ではスチレンが好ましい。
スチレン系マクロマーは、例えば、片末端に重合性官能基を有するスチレン単独重合体、及び片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。片末端に存在する重合性官能基は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、これらを共重合させることで、スチレン系マクロマー由来の構成単位を有する水不溶性グラフトポリマーを得ることができる。
他のモノマーとしては、例えば、(1)アクリロニトリル、後述の(2)(メタ)アクリル酸エステル類(e−2 モノマー)、及び(3)スチレン以外の芳香環含有(メタ)アクリレート系モノマー(e−3 モノマー)等が挙げられる。
側鎖中、又はスチレン系マクロマー中、スチレン系モノマー由来の構成単位の含有量は、耐擦過性の観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
スチレン系マクロマーの数平均分子量は、保存定性を高めるために共重合比を高めつつ、粘度を低く抑えるという観点から、1,000〜10,000が好ましく、2,000〜8,000が更に好ましい。
スチレン系マクロマーの数平均分子量は、標準物質としてポリスチレンを用い、溶媒として50mmol/Lの酢酸を含有するテトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定したときの値である。
商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成株式会社の商品名、AS−6、AS−6S、AN−6、AN−6S、HS−6、HS−6S等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレート系マクロマーとは、ヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1〜22、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基を有する、(メタ)アクリル酸エステル(e−2 モノマーという)を有するマクロマーを意味する。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1〜22の(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む側鎖は、片末端に重合性官能基を有するアルキル(メタ)アクリレート系マクロマーを共重合することにより得られ、例えば、メチルメタクリレート系マクロマー、ブチルアクリレート系マクロマー、イソブチルメタクリレート系マクロマー、ラウリルメタクリレート系マクロマー等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレート系マクロマーは、片末端に重合性官能基を有するアルキル(メタ)アクリレートの単独重合体、及び片末端に重合性官能基を有する、アルキル(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合体が挙げられ、重合性官能基は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましい。他のモノマーとしては、前記の(1)スチレン系モノマー(e−1 モノマー)、後記の(3)スチレン以外の芳香環含有(メタ)アクリレート系モノマー(e−3 モノマー)等が挙げられる。
側鎖中、又はアルキル(メタ)アクリレート系マクロマー中、(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位の含有量は、最も多く、耐擦過性の観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマーとは、芳香環含有(メタ)アクリレート(e−3 モノマーという)を有するマクロマーを意味する。
芳香環含有(メタ)アクリレートとしては、前記式(1-1)で表されるものが好ましく、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート等が挙げられる。これらの中では、ベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
芳香環含有(メタ)アクリレート由来の構成単位を含む側鎖は、片末端に重合性官能基を有する芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマーを共重合することにより得られる。
芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマーは、片末端に重合性官能基を有する芳香環含有(メタ)アクリレートの単独重合体、及び片末端に重合性官能基を有する、芳香環含有(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合体が挙げられ、重合性官能基は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましい。他のモノマーとしては、前記の(1)スチレン系モノマー(e−1 モノマー)、(2)(メタ)アクリル酸エステル(e−2 モノマー)等が挙げられる。
側鎖中、又は芳香環含有(メタ)アクリレート系マクロマー中、芳香環含有(メタ)アクリレート由来の構成単位の含有量は、最も多い。
本発明においては、(e)マクロマーとしては、保存安定性を向上させる観点から、(e−1)スチレン系マクロマーが好ましい。
CH2=C(CH3)−COOC3H6−〔Si(CH3)2−O〕t−Si(CH3)3 (4)
(式中、tは8〜40の数を示す)
本発明に用いられる水不溶性グラフトポリマーの主鎖と側鎖との重量比[主鎖/側鎖]は、耐擦過性、耐マーカー性及び保存安定性を向上させるために、1/1〜20/1であることが好ましく、3/2〜15/1が更に好ましく、2/1〜10/1が特に好ましい。(重合性官能基は側鎖に含有されるものとして計算する。以下同じ)
モノマー混合物中、(a)塩生成基含有モノマー(未中和として計算する。以下同じ)と(b)芳香環含有(メタ)アクリレートモノマーの重量比[(a)/(b)]は、保存安定性、印字した際の耐擦過性を向上させる観点から、1/1〜1/20であることが好ましく、1/1.5〜1/15であることが更に好ましく、1/2〜1/10が特に好ましい。
モノマー混合物における(a)塩生成基含有モノマーの含有量(未中和量としての含有量。以下同じ)、又は水不溶性グラフトポリマー中、主鎖に存在する(a)塩生成基含有モノマーに由来する構成単位の含有量は、得られる分散体の分散性を向上させ、保存安定性を高める観点から、3〜30重量%が好ましく、 3〜20重量%が更に好ましく、5〜15重量%が特に好ましい。
モノマー混合物における(e)マクロマーの含有量、又は水不溶性グラフトポリマー中、(e)マクロマー由来の構成単位の含有量は、保存安定性を向上させる観点から、5〜50重量%が好ましく、5〜40重量%が更に好ましく、5〜35重量%が特に好ましい。
モノマー混合物中における(c)疎水性モノマーの含有量、即ち水不溶性ポリマー中の(c)疎水性モノマー由来の構成単位の含有量は、保存安定性、耐擦過性及び耐マーカー性の観点から、0〜40重量%が好ましく、0〜20重量%が更に好ましい。
モノマー混合物中における(d)ノニオン性モノマーの含有量、即ち水不溶性ポリマー中の(d)ノニオン性モノマー由来の構成単位の含有量は、吐出安定性、保存安定性の観点から、0〜60重量%が好ましく、10〜50重量%が更に好ましい。
モノマー混合物中における(b)芳香環含有(メタ)アクリレートモノマーの含有量と(d)ノニオン性モノマーの含有量の重量比[(b)芳香環含有(メタ)アクリレートモノマー/(d)ノニオン性モノマー]、又は水不溶性グラフトポリマー中、(b)芳香環含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位の含有量と(d)ノニオン性モノマー由来の構成単位の含有量の重量比[(b)芳香環含有(メタ)アクリレートモノマー由来の構成単位の含有量/(d)ノニオン性モノマー由来の構成単位の含有量]は、吐出安定性、保存安定性、耐擦過性及び耐マーカー性の観点から、5/1〜1/2が好ましく、4/1〜1/2が更に好ましい。
本発明で用いられる水不溶性グラフトポリマーは、通常、塩生成基含有モノマー由来の塩生成基を、後述する中和剤により中和して用いる。塩生成基の中和度は、10〜400%であることが好ましく、さらに20〜300%、特に30〜250%であることが好ましい。
ここで中和度は、塩生成基がアニオン性基である場合、下記式によって求めることができる。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーの酸価 (KOHmg/g)×ポリマーの重量(g)/(56×1000)]}×100
塩生成基がカチオン性基である場合、下記式によって求めることができる。
[[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーのアミン価 (HCLmg/g)×ポリマーの重量(g)/(36.5×1000)]]×100
酸価やアミン価は、水不溶性グラフトポリマーの構成単位から、計算で算出することができる。または、適当な溶剤(例えばメチルエチルケトン)にポリマーを溶解して、滴定する方法でも求めることができる。
なお、水不溶性グラフトポリマーの重量平均分子量は、溶媒として60mmol/Lのリン酸及び50mmol/Lのリチウムブロマイド含有ジメチルホルムアミドを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
また、水不溶性グラフトポリマーのlogP値が、耐擦過性及び保存安定性の観点から、2〜5であることが好ましく、2.2〜4が好ましく、3〜4が更に好ましい。本発明で用いられる「LogP値」とは、ポリマーの水/1−オクタノール分配係数の対数値を意味し、KowWin(Syracuse Research Corporation,USA)のSRC's LOGKOW / KOWWIN Programにより、フラグメントアプローチで計算された数値を用いる(The KowWin Program methodology is described in the following journal article: Meylan, W.M. and P.H. Howard. 1995. Atom/fragment contribution method for estimating octanol-water partition coefficients. J. Pharm. Sci. 84: 83-92.)。フラグメントアプローチは化合物の化学構造に基づいており、原子の数及び化学結合のタイプを考慮している。LogP値は、一般に親疎水性の相対的評価に用いられる数値である。ポリマーのLogP値は、次のように計算される。
1.ポリマーを構成する各構成単位が由来する各モノマーのLogP値を前記SRC's LOGKOW / KOWWIN Programにより求める。なお、連鎖移動剤、開始剤由来のポリマー構成は除外する。
2.各モノマーのLogP値に、ポリマー鎖中のそのモノマー由来の構成単位のモル分率(M)を乗じて、各モノマーの(LogP×M)を求める。
3.上記2で得られた、各モノマーのLogP×Mを全て合計することで、ポリマーのLogPを算出する。
なお、(a)塩生成基含有モノマーは、中和する前の該モノマーのLogP値に基づいて計算を行う。
ベンジルメタクリレート(2.98)[( )内は、LogP値を示す。以下同じ。](Mw:176)、メタクリル酸(0.99)(Mw:86)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレートは、メタクリル酸と5モルのプロピレングリコールから構成されるので、(0.99+5×0.37=2.84)(Mw:375)となる。従って、ポリマーのLogP値は、各モノマーのLogP値に、各モル比率を乗じた値の合計値であるから、2.37[=2.98×60/176/(60/176+15/86+25/375)+0.99×15/86/(60/176+15/86+25/375)+2.84×25/375/(60/176+15/86+25/375)]となる。
ベンジルメタクリレート(2.98)[( )内は、LogP値を示す。以下同じ。](Mw:176)、メタクリル酸(0.99)(Mw:86)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレートは、メタクリル酸と5モルのプロピレングリコールから構成されるので、(0.99+5×0.37=2.84)(Mw:375)となり、スチレンマクロマーは、グリシジルメタクリレートと3−メルカプトプロピオン酸と55モルのスチレンから構成されるので、(0.81+0.52+55×2.89=160.28)(Mw:6000)となる。従って、ポリマーのLogP値は、各モノマーのLogP値に、各モル%を乗じた値の合計値であるから、2.81[=2.98×50/176/(50/176+15/86+25/375+10/6000)+0.99×15/86/(50/176+15/86+25/375+10/6000)+2.84×25/375/(50/176+15/86+25/375+10/6000)+160.28×10/6000/(50/176+15/86+25/375+10/6000)]となる。
溶液重合法で用いる溶媒は、極性有機溶媒であることが好ましい。極性有機溶媒が水混和性を有する場合には、水と混合して用いることもできる。
極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン又はこれらのうちの1種以上と水との混合溶媒が好ましい。
ラジカル重合開始剤の量は、モノマー混合物1モルあたり、好ましくは0.001〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。
重合の際には、さらに重合連鎖移動剤を添加してもよい。重合連鎖移動剤の具体例としては、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、3−メルカプト‐1、2−プロパンジオール、メルカプトコハク酸等のメルカプタン類;チウラムジスルフィド類;炭化水素類;不飽和環状炭化水素化合物;不飽和ヘテロ環状化合物等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成した水不溶性ポリマーを単離することができる。また、得られた水不溶性ポリマーは、再沈澱を繰り返し、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
(水不溶性グラフトポリマー粒子の分散体の製法)
本発明で用いられる水不溶性グラフトポリマー粒子の分散体は、具体的には、次の工程(1)及び(2)により得ることが好ましい。
工程(1):水不溶性グラフトポリマー、有機溶媒、中和剤、及び水性媒体を含有する混合物を、攪拌する工程、
工程(2):前記有機溶媒を除去する工程。
混合物中、有機溶媒は、10〜70重量%が好ましく、水不溶性グラフトポリマーは、2〜40重量%が好ましく、水は、10〜70重量%が好ましい。中和度には、特に限定がない。通常、最終的に得られる水分散体の液性が中性、例えば、pHが4.5〜10であることが好ましい。前記水不溶性グラフトポリマーの望まれる中和度により、pHを決めることもできる。
アルコール系溶媒としては、n−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒が好ましい。
中和剤としては、水不溶性グラフトポリマー中の塩生成基の種類に応じて、酸又は塩基を使用することができる。
中和剤としては、塩酸、酢酸、プロピオン酸、リン酸、硫酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の等の酸、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン等の塩基が挙げられる。
水不溶性グラフトポリマー粒子の分散体はそのまま水系インク用として用いてもよいが、インクジェット記録用水系インクに通常用いられる湿潤剤、浸透剤、分散剤、粘度調整剤、消泡剤、防黴剤、防錆剤等を添加してもよい。
得られる水不溶性グラフトポリマー粒子の分散体のD90(散乱強度の頻度分布における累積90%の値)は、粗大粒子を減らして、分散体の保存安定性を高める観点から、2000nm以下が好ましく、1000nm以下が更に好ましく、500nm以下が特に好ましい。下限は、製造のし易さから、20nm以上が好ましい。
D50及びD90の測定法は、レーザー粒子解析システム〔大塚電子株式会社製、品番:ELS8000〕を用いた。なお、測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力する。
本発明の添加剤中、水の含有量は、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは40〜80重量%である。
分散体には、本発明で用いられる水不溶性グラフトポリマー粒子以外に、予め水系インク中で用いられる湿潤剤、浸透剤、分散剤、粘度調整剤、消泡剤、防黴剤、防錆剤等を含有してもよい。なお、水系インクは、水を主溶媒とするインクである。
前記水溶液、分散体又は水系インクと本発明の分散体との混合方法は、前記水溶液、分散体又は水系インクに本発明の分散体を添加してもよく、前記水溶液、分散体又は水系インクに本発明の分散体を添加しても良い。本発明の分散体を添加して得られた水溶液、分散体は、そのまま水系インクとしてもよく、更に湿潤剤、浸透剤、分散剤、粘度調整剤、消泡剤、防黴剤、防錆剤等を添加してもよい。
本発明の分散体をインクジェット記録用水系インク中に含有させる場合、水不溶性グラフトポリマー粒子の含有量(固形分)は、通常、耐擦過性、耐マーカー性及び保存安定性の観点から、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.05〜5重量%となるように調整することが望ましい。
水系インク中の染料や顔料等の着色剤100重量部に対して、本発明の分散体(固形分)は、耐擦過性、耐マーカー性及び保存安定性の観点から、好ましくは1〜100重量部、更に好ましくは5〜30重量部用いることが望ましい。
反応容器内に、メチルエチルケトン20部及び重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.01部、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート〔数平均分子量375、アルドリッチジャパン社製〕2.5部、メタクリル酸1.5部、ベンジルメタクリレート5.0部及びスチレンマクロマー〔商品名:AS―6S、東亞合成株式会社製〕1.0部を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行って混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、上記ポリプロピレングリコールモノメタクリレート22.5部、メタクリル酸13.5部、ベンジルメタクリレート45.0部及び上記スチレンマクロマー9.0部を仕込み、上記重合連鎖移動剤0.09部、メチルエチルケトン60部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行って混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了時から75℃で2時間保持した後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部をメチルエチルケトン5部に溶解した溶液を加え、更に75℃で2時間、85℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液を、減圧下、105℃で2時間乾燥させ、溶媒を除去することによってポリマーAを得た。標準物質としてポリスチレン、溶媒として60mmol/Lのリン酸及び50mmol/Lのリチウムブロマイド含有ジメチルホルムアミドを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、このポリマーAの重量平均分子量を測定したところ、250,000であった。また、logP値は、2.81であった。
反応容器内に、メチルエチルケトン20部及び重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.01部、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート〔数平均分子量375、アルドリッチジャパン社製〕2.5部、メタクリル酸1.5部及びベンジルメタクリレート6.0部を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行って混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、上記ポリプロピレングリコールモノメタクリレート22.5部、メタクリル酸13.5部及びベンジルメタクリレート54.0部を仕込み、重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.09部、メチルエチルケトン60部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行って混合溶液を得た。
以下、合成例1と同様にして、ポリマー溶液Bを得た。このポリマーBの重量平均分子量は200,000、logP値は2.37であった。
反応容器内に5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液7.50部、25%アンモニア水5.0部及びイオン交換水217.5部を入れて混合した。
合成例1で得られたポリマーA溶液を減圧乾燥させたポリマーA 30.0部にメチルエチルケトン40.0部とアセトン30.0部を加えて溶解させた。得られたポリマーA溶液を滴下ロートに入れ、30分間かけて反応容器内に滴下した。さらに、30分間攪拌し、乳化組成物を得た。得られた乳化組成物を、減圧下、60℃で有機溶媒、アンモニアと一部の水を除去し、さらに、平均孔径5μmのフィルター(日本ポール社製)でろ過し、粗大粒子を除去し、固形分量が20%の水不溶性ポリマー粒子を含む水分散体を得た。
得られた水不溶性ポリマー粒子のD50は110nm、D90は175nmであった。
なお、D50及びD90の測定は、レーザー粒子解析システム〔大塚電子株式会社製、品番:ELS8000〕を用いて25℃で測定した。
合成例1で得られたポリマーA溶液を用いる代わりに、合成例2で得られたポリマーB溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして水不溶性ポリマー粒子を含む水分散体を得た。
得られた水不溶性ポリマー粒子のD50は100nm、D90は171nmであった。
カーボンブラック顔料〔キャボット社製、商品名:CAB−O−JETTM200、固形分20%〕35部、実施例1で得られた水不溶性グラフトポリマー粒子水分散体1部、グリセリン14部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル10部、アセチレングリコール・ポリエチレンオキサイド付加物〔エアプロダクツジャパン株式会社製、商品名:サーフィノール465〕1部及びイオン交換水39部を混合し、得られた混合液を平均孔径が0.5μmのフィルター〔アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製〕を取り付けた容量25mlの針なしシリンジ〔テルモ株式会社製〕で濾過し、粗大粒子を除去し、インクジェット記録用水系インクを得た。
実施例1で得られた水不溶性グラフトポリマー粒子水分散体の代わりに、比較例1で得られた水不溶性ランダムポリマー粒子水分散体を用いた以外は、調製例1と同様にしてインクジェット記録用水系インクを得た。
調製例1及び比較調製例1で得られた水系インクの物性を下記方法に基づいて評価した。その結果を表1に示す。
70℃の恒温槽内で30日間加熱放置前後の粘度をE型粘度計〔東機産業株式会社製、型番:RE80型〕で測定(20℃)し、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:加熱放置前後の粘度差の絶対値 0.2mPa・s未満
○:加熱放置前後の粘度差の絶対値 0.2mPa・s以上0.5mPa・s未満
△:加熱放置前後の粘度差の絶対値 0.5mPa・s以上2.0mPa・s未満
×:加熱放置前後の粘度差の絶対値 2.0mPa・s以上
実用上0.5mPa・s未満であることが必要であり、0.2mPa・s未満以下が好ましい。
セイコーエプソン株式会社製のインクジェットプリンター(型番:EM930C)を用い、市販の専用紙(セイコーエプソン株式会社製、商品名:写真用紙 <光沢>)にベタ印字し、25℃で10分間乾燥させた後、指で強く印字面を擦った。その印字のとれ具合を以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
○:ほとんど印字はとれず、周りが汚れない
△:少し印字が擦り取られ、周りが少し汚れ、指も少し汚れる
×:かなり印字が擦り取られ、周りがかなりひどく汚れ、指も相当汚れる
前記(3)のプリンターを用い、前記(3)の専用紙にテキスト印字し、25℃で10分間乾燥させた後、市販の水性蛍光ペンでなぞったときの印字サンプルの汚れ度合いを目視により観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
○:蛍光ペンでなぞっても尾引き等汚れがない
△:蛍光ペンでなぞると尾引きするが、事実上問題がないレベル
×:蛍光ペンでなぞると尾引きが発生し、汚れがひどい
Claims (7)
- (a)塩生成基含有モノマー由来の構成単位、及び(b)ベンジルメタクリレート由来の構成単位20〜70重量%を含む水不溶性グラフトポリマー粒子を、分散状態で含有する水系インク用分散体であって、該水不溶性グラフトポリマーが、炭素数1〜22のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び下記式(2)で表されるモノマーからなる群から選ばれる少なくとも1つの(c)疎水性モノマー由来の構成単位を0〜20重量%含有するポリマーであり、該水不溶性グラフトポリマー粒子に着色剤を含有するものを除く、水系インク用分散体。
CH2=C(R3)−R4 (2)
(式中、R3は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R4は炭素数6〜22の芳香環含有炭化水素基を示す。) - 水不溶性グラフトポリマーが、(e)マクロマー由来の構成単位をグラフト鎖として有するポリマーである、請求項1に記載の水系インク用分散体。
- 自己分散型顔料と共に用いられる、請求項1又は2に記載の水系インク用分散体。
- 水不溶性ビニルポリマーが、更に(d)下記式(3)で表されるノニオン性(メタ)アクリレート系モノマー由来の構成単位を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体。
CH2=C(R5)COO(R6O)nR7 (3)
(式中、R5は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R6は炭素数2〜18のアルキレン基を示す。nは平均付加モル数を示し、1〜30の数である。R7は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、又は炭素数1〜8のアルキル基を有してもよいフェニル基を示す。n個のR6Oは同一でも異なっていてもよい。) - 前記の(d)ノニオン性(メタ)アクリレート系モノマー由来の構成単位を10〜50重量%含有する、請求項4に記載のインクジェット記録用水分散体。
- 水不溶性ビニルポリマーにおける(b)前記ベンジルメタクリレート由来の構成単位と、(d)前記式(3)で表されるノニオン性(メタ)アクリレート系モノマー由来の構成単位との重量比[(b)ベンジルメタクリレート由来の構成単位の含有量/(d)ノニオン性モノマー由来の構成単位の含有量]が、5/1〜1/2である、請求項5に記載のインクジェット記録用水分散体。
- 水不溶性グラフトポリマー粒子を分散状態で含有する水系インク用分散体の製造方法であって、中和剤を含む水性媒体に水不溶性グラフトポリマーを添加して、該ポリマー粒子の分散体を得る工程を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の水系インク用分散体の製造方法。
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