JP4668474B2 - 電子内視鏡システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子内視鏡に関し、より詳しくは2つの電子内視鏡を組み合わせて体内の最深部を観察するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子内視鏡は、スコープの挿入部の径がそれぞれ異なる様々なタイプのものが開発されており、医療現場では、観察対象の器官の形状に応じた挿入部を備える電子内視鏡が適宜用いられる。電子内視鏡には、挿入部の先端から前方を照射する照明光の光量調節や、挿入部の先端に設けられる撮像センサから得られる画像信号に施される所定の処理等を実行する画像処理プロセッサが接続される。また、画像処理プロセッサには、画像信号を再現するための表示モニタ、画像信号を記録するためのVCR(Video Cassette Recorder)が接続される。
【0003】
スコープの操作部には、挿入部の先端の向きをコントロールするため1組のアングルノブを含むアングル操作ユニットが設けられている。このアングル操作ユニットと挿入部を挿通して挿入部先端の湾曲部まで延びる操作ワイヤと湾曲部の湾曲管とで湾曲部を所定の方向へ曲げるアングル機構が構成される。すなわち、一方のアングルノブを操作することにより挿入部先端の上下方向における湾曲部の湾曲角度が制御され、他方のアングルノブを操作することにより挿入部先端の湾曲部の上下方向と直交する左右方向における湾曲部の湾曲角度が制御される。したがって、この1組のアングルノブを適宜操作すれば、スコープの挿入部先端は術者の希望する方向および角度に変位させられる。スコープの挿入部を患者の体内に挿入した状態でこれらのアングルノブを操作することにより、体内の広範囲な観察が可能となる。
【0004】
一方、近年では、互いに径の異なる挿入部を有する2つの電子内視鏡を組み合わせて使用する、以下のような手技が行われている。相対的に太径の挿入部を備えるスコープ(以下、太径スコープ)と、太径スコープの鉗子チャンネルの内径より細径の挿入部を備えるスコープ(以下、細径スコープ)を用意し、太径スコープの鉗子チャンネルに細径スコープの挿入部を挿通させる。そして、太径スコープの挿入部の先端における鉗子チャンネルの開口部から、細径スコープの挿入部の先端を露出させることにより体内器官の最深部を観察する。さらに、細径スコープの鉗子チャンネルから生検鉗子を挿通させ、細径スコープの挿入の先端から露出させることにより、最深部にある病巣部に所定の処置を施す。以上のように、2つの電子内視鏡を組み合わせて使用するシステムによれば、体内器官の最深部の観察および病巣部の切除等の処置が可能となる。
【0005】
このようなシステムにおいても、体内において広範囲な観察を行うためには、細径スコープの挿入部を太径スコープの鉗子チャンネルに挿通させた状態で、太径スコープの上述のアングルノブを操作することにより、その挿入部先端の向きや角度が制御される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、元来、スコープの鉗子チャンネルは、処置具等を挿通させるためのものであり、処置具より剛性の高い部材を挿通させることは想定されていなかった。したがって、細径スコープの挿入部を太径スコープの鉗子チャンネルに挿通させた状態で太径スコープの挿入部先端の曲げ角度を変える場合、太径スコープの挿入部先端の曲げの角度によっては、細径スコープが太径スコープの挿入部先端の湾曲部の湾曲角度を制御するアングル機構を破壊する可能性がある。
【0007】
細径スコープが挿通させられた状態の太径スコープの挿入部先端を、太径スコープのアングル機構を破壊することなくどの程度まで曲げられるかは、術者の経験に頼らざるを得ない。したがって、経験の浅い術者が操作する場合は、太径スコープのアングル機構を破壊する可能性がより高まる。また、もし細径スコープにより太径スコープが破壊されると検査を途中で中断しなければならず、患者に与える負担は大きい。
【0008】
本発明は以上の問題を解決するものであり、2つの電子内視鏡を組み合わせて使用するシステムにおいて、太径スコープの挿入部先端の湾曲操作に伴う太径スコープ破壊を防止することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電子内視鏡システムは、患者の体内に挿入される挿入部先端の湾曲部の曲げ角度を制御する湾曲部角度制御手段を具備する第1のスコープと、この第1のスコープが接続される第1の画像信号処理ユニットとを有する第1の電子内視鏡と、第2のスコープと、この第2のスコープが接続される第2の画像信号処理ユニットとを有する第2の電子内視鏡と、第1および第2の画像信号処理ユニットの間でデータの送受信を行うデータ転送手段とを備え、第1のスコープの挿入部に設けられた鉗子チャンネルに第2のスコープの挿入部を挿通させ、第1のスコープの挿入部先端における鉗子チャンネルの開口部から第2のスコープの挿入部先端を露出させた状態で観察する電子内視鏡システムであって、第1のスコープは、第1のスコープの湾曲部の曲げ角度を検出する曲げ角度検出手段を有し、第1の電子内視鏡画像信号処理ユニットは、第1のスコープの種別と第2のスコープの種別の組み合わせに基づいて規定される、観察状態における第1のスコープの湾曲部の曲げ角度の限界値が格納された曲げ角度情報記憶手段と、曲げ角度検出手段により検出される湾曲部の曲げ角度と、角度情報記憶手段に格納された限界値とを比較する曲げ角度比較手段と、曲げ角度比較手段により曲げ角度が限界値に達しているという比較結果が得られたら、その旨を報知する報知手段とを有することを特徴とする。
【0010】
好ましくは、第1のスコープは、そのスコープの種別に関する諸情報が記憶された第1の記憶手段を備え、第2のスコープは、そのスコープの種別に関する諸情報が記憶された第2の記憶手段を備え、第2の画像信号処理ユニットにおいて第2の記憶手段から読み出された第2のスコープの種別に関する諸情報が、データ転送手段により第1の画像信号処理ユニットに送信され、曲げ角度比較手段は、第1の記憶手段から読み出される第1のスコープの種別に関する諸情報と、データ転送手段により送信される第2のスコープの種別に関する諸情報とに基づいて、曲げ角度情報記憶手段から限界値を取得する。
【0011】
好ましくは、曲げ角度検出手段は、第1のスコープの湾曲部の第1の直線軸線に沿った第1および第2の方向と、第1の直線軸線と交差する第2の直線軸線に沿った第3および第4の方向における曲げ角度を検出し、曲げ角度情報記憶手段には、第1〜第4の方向に関する限界値が格納されている。
【0012】
選択的に、報知手段は、第1の画像信号処理ユニットに接続され、第1および第2のスコープにより撮影された映像を再現するためのモニタに、湾曲部の曲げ角度が限界値に達したことを示すメッセージを表示する。
【0013】
以上のように、本発明によれば、第1のスコープの鉗子チャンネルに第2のスコープの挿入部を挿通させて観察する電子内視鏡システムにおいて、第1のスコープの挿入部先端の湾曲部の曲げ角度が検出され、第1のスコープの種別と第2のスコープの種別の組み合わせに基づいて規定される第1のスコープの挿入部先端の湾曲部の曲げ角度の限界値と比較される。その結果、検出された曲げ角度が限界値に達している場合、その旨が報知され、操作者が第1のスコープの挿入部先端の湾曲部をさらに曲げることが防止される。したがって、第1のスコープのアングル機構が破損することが防止される。
【0014】
第1のスコープの挿入部先端の湾曲部の曲げ角度が限界値に達したことを、スコープにより撮影される映像を再現するためのモニタにメッセージを表示することにより報知する構成とすれば、報知手段として新たな部材を追加する必要がなく、経済的である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る実施形態が適用される電子内視鏡システムのブロック図である。本実施形態の電子内視鏡システムは第1の電子内視鏡100と第2の電子内視鏡200を備える。第1の電子内視鏡100は第1のスコープ110と画像信号処理プロセッサ120を備える。第1のスコープ110は可撓性導管(可撓管)である挿入部110Aと操作部110Bを有し、画像信号処理プロセッサ120に着脱自在に接続される。第1のスコープ110の挿入部110Aの先端側には撮像センサ111が設けられている。第1のスコープ110内にはライトガイド112が挿通されており、その出射端は挿入部110Aの先端まで延びている。
【0016】
画像信号処理プロセッサ120のシステムコントローラ121は第1の電子内視鏡100を全体的に制御するマイクロコンピュータである。即ち、システムコントローラ121は中央処理ユニット(CPU)、種々のルーチンを実行するためのプログラム、常数等を格納する読出し専用メモリ(ROM)、データ等を一時的に格納する書込み/読出し自在なメモリ(RAM)から成る。
【0017】
第1のスコープ110を画像信号処理プロセッサ120に接続すると、撮像センサ111はCCDドライバ(図示せず)を介して画像信号処理プロセッサ120の映像信号処理回路122に接続される。また、ライトガイド112の入射端は画像信号処理プロセッサ120内に設けられたキセノンランプあるいはハロゲンランプ等の白色光源123に光学的に接続される。白色光源123は電源回路124から供給される電流により駆動される。白色光源123とライトガイド112の間にはコンデンサレンズ125、回転式RGBカラーフィルタ126、絞りユニット127が介在させられている。白色光源123の出射光はコンデンサレンズ125を介して回転式RGBカラーフィルタ126に導かれる。回転式RGBカラーフィルタ126を通過した出射光は絞りユニット127により、適宜光量調節が施され、ライトガイド112の入射端へ導かれる。
【0018】
また、スコープ110の操作部110Bに設けられた、挿入部110Aの先端の曲げ角度を制御するためのアングル操作ユニット150、スコープ110内に設けられるEEPROM190が、システムコントローラ121に接続される。アングル操作ユニット150、EEPROM190については後述する。
【0019】
回転式RGBカラーフィルタ126は円板要素からなり、それぞれセクタ状の赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタが設けられている。各色フィルタはそれぞれの半径方向の中心が120°の角度間隔となるよう、円板要素の円周方向に沿って配置されており、互いに隣接するフィルタ間の領域は遮光領域である。回転式RGBカラーフィルタ126は、サーボモータあるいはステッピングモータ等の駆動モータ(図示せず)により回転させられる。回転式RGBカラーフィルタ126の回転周波数は第1の電子内視鏡100で採用されるTV映像再現方式に応じて決められる。
【0020】
上述のように、白色光源123の出射光は回転式RGBカラーフィルタ126を介してライトガイド112の入射端に導かれる。したがって、回転式RGBカラーフィルタ126が1回転する間に、ライトガイド112の出射端の端面から赤色光、緑色光及び青色光が一定の遮光時間をおいて所定時間、順次射出させられる。その結果、被観察体は配光光学系113を介して赤色光、緑色光及び青色光により順次照明され、その各色の光学的被観察体像が撮像センサ111の対物レンズ群(図示せず)によってCCDイメージセンサ(図示せず)の受光面に順次結像させられる。撮像センサ111はそのCCDイメージセンサの受光面に結像された各色の光学的被観察体像を1フレーム分のアナログ画素信号に光電変換し、その各色の1フレーム分のアナログ画素信号は各色の照明時間に続く次の遮光時間にわたって撮像センサ111から順次読み出される。このような撮像センサ111からのアナログ画素信号の読み出しは第1のスコープ110内に設けられた上述のCCDドライバによって行なわれる。
【0021】
撮像センサ111から読み出された画素信号はCCDドライバを介して映像信号処理回路122に送られる。映像信号処理回路122において、送られてきた画素信号に所定の画像処理が施され、RGBのカラーアナログビデオ信号が生成される。尚、映像信号処理回路122におけるA/D(アナログ/デジタル)変換、D/A変換、画像データのメモリへの格納、およびメモリからの読み出し等の各処理のタイミングは、タイミングコントローラ128から出力される制御信号に基づいて決定される。
【0022】
第2の電子内視鏡200は、第1の電子内視鏡100と同様、第2のスコープ210と画像信号処理プロセッサ220とを有する。図1から明らかなように、スコープ210および画像信号処理プロセッサ220の各構成要素には200番台の符号が付されており、その下二桁の数字は、対応する第1の電子内視鏡100の構成要素の符号の下二桁の数字と同一である。
【0023】
第2の電子内視鏡200の第2のスコープ210の挿入部210Aの外径は、第1の電子内視鏡100の第1のスコープ110の挿入部110Aの外径よりも細く、挿入部210Aは、挿入部110A内に形成される鉗子チャンネルを挿通可能である。
【0024】
図2は、第1のスコープ110の挿入部110Aに第2のスコープ210の挿入部210Aが挿入されている場合の、挿入部110Aの先端部を示す斜視図である。第1のスコープ110において、ライトガイド112(図1参照)の出射端から出射される照明光は配光レンズ113を介して被観察体に照射される。被観察体からの反射光は対物レンズ114を介して撮像センサ111(図1参照)に導かれる。
【0025】
挿入部110Aを患者の体内に挿入して観察中、さらに微細な深部まで観察する必要がある場合、第1のスコープ110の鉗子口から第2のスコープ210の挿入部210Aを挿入させ、図2に示すように、挿入部110Aの先端部における鉗子チャンネル115の開口部から第2のスコープ210の挿入部210Aの先端部を露出させる。挿入部210Aの先端部は挿入部110Aの先端部と同様の構成を有する。すなわち、ライトガイド212(図1参照)の出射端から出射された照明光は、配光レンズ213を介して被観察体に照射され、被観察体からの反射光は対物レンズ215を介して撮像センサ211(図1参照)に導かれる。
【0026】
図1に示すように、本実施形態において、第1の電子内視鏡100の画像信号処理プロセッサ120のシステムコントローラ121と第2の電子内視鏡200の画像信号処理プロセッサ220のシステムコントローラ221は、シリアル通信用のケーブル300により接続されている。したがって、ケーブル300を介してシステムコントローラ121からシステムコントローラ221へ制御コマンドを転送することにより、第1の電子内視鏡100側で第2の電子内視鏡200の動作を制御することができ、システムコントローラ221からシステムコントローラ121へ制御コマンドを転送することにより、第2の電子内視鏡200側で第1の電子内視鏡100の動作を制御することができる。本実施形態においては、コマンドを送信する側を親機、コマンドを受信する側を子機と呼ぶ、また、第1若しくは第2の電子内視鏡100、200が親機として子機をコントロールするモードをマスターモードと呼び、子機として親機によりコントロールされるモードをスレーブモードと呼び、第1および第2の電子内視鏡100、200がそれぞれ独立して動作するモードをスタンドアロンモードと呼ぶ。
【0027】
第1の電子内視鏡100の画像信号処理プロセッサ120には、外部機器との接続を制御するための接続切り替えユニット130が設けられている。接続切り替えユニット130にはシステムコントローラ121および映像信号処理回路122が接続されている。接続切り替えユニット130において、映像信号処理回路122から出力される映像信号の出力先がシステムコントローラ121から出力される制御信号に基づいて切り替えられる。
【0028】
同様に、第2の電子内視鏡200の画像信号処理プロセッサ220には、外部機器との接続を制御するための接続切り替えユニット230が設けられている。接続切り替えユニット230にはシステムコントローラ221および映像信号処理回路222が接続されている。接続切り替えユニット230において、映像信号処理回路222から出力される映像信号の出力先がシステムコントローラ221から出力される制御信号に基づいて切り替えられる。
【0029】
図3には第1の電子内視鏡100の接続切り替えユニット130と第2の電子内視鏡200の接続切り替えユニット230との電気的な接続が示される。第1の電子内視鏡100の接続切り替えユニット130は、外部機器へ映像信号を出力するための第1および第2の外部出力端子131、132と、外部機器から出力される映像信号が入力される第1および第2の外部入力端子133、134を有する。
【0030】
第1のスイッチ135は、第1の外部出力端子131から出力される映像信号の入力先を切り替えるためのスイッチであり、システムコントローラ121の制御信号に基づいて動作する。第1の外部出力端子131から出力される映像信号の入力先は、第1のスイッチ135を介して、映像信号処理回路122、若しくは第1の外部入力端子133のいずれかに切り替えられる。
【0031】
第2のスイッチ136は、第2の外部出力端子132から出力される映像信号の入力先を切り替えるためのスイッチであり、第1のスイッチ135と同様、システムコントローラ121の制御信号に基づいて動作する。第2の外部出力端子132から出力される映像信号の入力先は、第2のスイッチ136を介して、映像信号処理回路122、若しくは第2の外部入力端子134のずれかに切り替えられる。
【0032】
第2の電子内視鏡200の接続切り替えユニット230は、上述の接続切り替えユニット130と同様の構成を有している。図3から明らかなように、接続切り替えユニット230の各構成要素には200番台の符号が付されており、その下二桁の数字は、対応する第1の電子内視鏡100の接続切り替えユニット130の構成要素の符号の下二桁の数字と同一である。
【0033】
本実施形態においては、接続切り替えユニット130の第1の外部入力端子133と接続切り替えユニット230の第1の外部出力端子231は、シリアル通信用のケーブル301により接続される。また、接続切り替えユニット130の第2の外部入力端子134と接続切り替えユニット230の第2の外部出力端子232は、シリアル通信用のケーブル302により接続される。さらに、接続切り替えユニット130の第1の外部出力端子131にはTVモニタ400が接続され、第2の外部出力端子132にはVCR500が接続される。
【0034】
接続切り替えユニット130において、第1および第2のスイッチ135、136が映像信号処理回路122側に切り替えられているとき、第1の電子内視鏡100の第1のスコープ110により撮影された映像がTVモニタ400に表示され、VCR500により記録可能となる。
【0035】
また、接続切り替えユニット130において、第1のスイッチ135が第1の外部入力端子133側に切り替えられ、第2のスイッチ136が第2の外部入力端子134側に切り替えられ、かつ接続切り替えユニット230において、第1および第2のスイッチ235、236が映像信号処理回路222側に切り替えられているとき、第2の電子内視鏡200の第2のスコープ210で撮影され、映像信号処理回路222で処理された映像信号がケーブル301、302を介して第1の電子内視鏡100側へ転送され、TVモニタ400に表示され、VCR500により記録可能となる。
【0036】
図1に示されるように、第1の電子内視鏡100の画像信号処理プロセッサ120と第2の電子内視鏡200の画像信号処理プロセッサ220には、それぞれ操作パネル140、240が設けられる。
【0037】
図4は、操作パネル140に設けられる操作ボタンおよび表示灯の一部を示す図である。モード設定スイッチ141は、被観察体に照射される照明光の光量を調節し、TVモニタ400の画面の輝度を調節するモード(調光モード)を選択するためのスイッチである。本実施形態では、調光モードとして、自動調光モード、マニュアル調光モード、リモート調光モード、およびリモートマニュアル調光モードがある。
【0038】
自動調光モードとは、第1の電子内視鏡100が上述のスタンドアロンで動作中であり、TVモニタ400の画面の輝度が自動的に調節されるモードである。自動調光モードが設定されると、映像信号処理回路122において映像信号から抽出される輝度信号に基づいて、システムコントローラ121により絞りユニット127が制御され、白色光源123から出射されライトガイド112に入射する白色光の光量が調節される。その結果、TVモニタ400の画面の輝度が自動的に調節される。
【0039】
マニュアル調光モードとは、第1の電子内視鏡100がスタンドアロンで動作中であり、モード設定スイッチ141の近傍に設けられる光量アップボタン142と光量ダウンボタン143を操作者が操作することにより、TVモニタ400の画面の輝度が調節されるモードである。光量アップボタン142は輝度を増大させるためのボタンであり、光量ダウンボタン143は輝度を減少させるためのボタンである。光量アップボタン142を押すことにより輝度増大パルス信号がシステムコントローラ121に対して出力され、光量ダウンボタン143を押すことにより輝度減少パルス信号がシステムコントローラ121に対して出力される。システムコントローラ121はこれらのパルス信号に基づいて、絞りユニット127を制御し、その結果、TVモニタ400の画面の輝度が調節される。尚、光量アップボタン142、光量ダウンボタン143の操作により指定された輝度レベルは、操作パネル140に設けられる輝度レベル表示器(図示せず)に段階的に表示され、操作者に認識される。
【0040】
リモート自動調光モードおよびリモートマニュアルモードは、第1の電子内視鏡100が上述のマスターモードで動作し、子機側、すなわち第2の電子内視鏡200の絞りユニット227の制御を行うモードである。それぞれの制御の態様は上述の自動調光モード、マニュアルモードと同様である。尚、本明細書では、リモート自動調光モードとリモートマニュアルモードを総称して「リモートモード」と呼ぶ。
【0041】
モード設定スイッチ141が押されるたびに、調光モードは、自動調光モード、マニュアル調光モード、リモート調光モード、リモートマニュアル調光モードの順にサイクリックに変更される。リモートマニュアル調光モードが設定されている場合に、モード設定スイッチ141が押されると、調光モードは自動調光モードに設定される。
【0042】
モード設定スイッチ141の下には、自動調光であること示す表示灯151、マニュアル調光であることを示す表示灯152、リモートモードであるか否かを示す表示灯153が設けられる。自動調光モードが選択されると、表示灯151は赤色に点灯され、表示灯152および153は消灯される。マニュアル調光モードが選択されると、表示灯152が赤色に点灯され、表示灯151および153は消灯される。リモート自動調光モードが選択されると、表示灯151は赤色に点灯され、表示灯152は消灯され、表示灯153は緑色に点灯される。リモートマニュアル調光モードが選択されると、表示灯151は消灯され、表示灯152は赤色に点灯され、表示灯153は緑色に点灯される。
【0043】
さらに、操作パネル140には静止画ボタン161、コピーボタン162が設けられる。静止画ボタン161が押されると、TVモニタ400に再現されている画像が静止し、コピーボタン162が押されると、TVモニタ400に再現中の画像がVCR500により記録媒体に記録される。
【0044】
第2の電子内視鏡200の画像信号処理プロセッサ220に設けられる操作パネル240も、上述の操作パネル140と同様の構成を有する。尚、図4において、各構成要素に付された符号の括弧内の符号は、対応する操作パネル240の構成要素を示す。
【0045】
尚、第1の電子内視鏡100側の操作パネル140の調光モード設定ボタン141によりリモート調光モード若しくはリモートマニュアルモードが選択された場合、第2の電子内視鏡200側の操作パネル240の表示灯253は、第2の電子内視鏡200が上述のスレーブモードで動作することを示すべく黄色に点灯される。逆に、第2の電子内視鏡200側の操作パネル240の調光モード設定ボタン241によりリモート調光モード若しくはリモートマニュアルモードが選択された場合、第1の電子内視鏡100側の操作パネル140の表示灯153は、第1の電子内視鏡100がスレーブモードで動作することを示すべく黄色に点灯される。
【0046】
図5は、操作パネル140における上述の各種ボタンおよび表示灯を制御するための回路構成を示すブロック図である。SW1は調光モード設定ボタン141に連動して動作するスイッチ、SW2は静止画ボタン161の操作に連動して動作するスイッチ、SW3はコピーボタン162の操作に連動して動作するスイッチ、SW4は光量アップボタン142の操作に連動して動作するスイッチ、SW5は光量ダウンボタン143の操作に連動して動作するスイッチである。それぞれのスイッチは対応するボタンが操作されるとオンし、ボタンが操作されたことを示す信号がI/Oポート140Pを介してシステムコントローラ121のCPU121Aに入力される。
【0047】
LED1は表示灯151、LED2は表示灯152、LED3GおよびLED3Yは表示灯153に対応する半導体発光素子である。LED1、LED2、LED3G、LED3Yは、システムコントローラ121のCPU121Aから出力されI/Oポート140Pを介して入力される制御信号に基づいて順方向に駆動電流が供給されると点灯し、駆動電流の供給が停止されると消灯する。LED3Gは緑色を発光し、LED3Yは黄色を発光する。
【0048】
第2の電子内視鏡200の第2の画像信号処理プロセッサ220の操作パネル240に設けられる操作ボタン、表示灯も同様の回路構成により制御される。
【0049】
さらに、図1に示すように、スコープ110および210の操作部には、それぞれ切り替えボタン116、216が設けられている。スコープ110の切り替えボタン116を押すと、システムコントローラ121の制御により、接続切り替えユニット130(図3参照)において第1および第2のスイッチ135、136は映像信号処理回路122側に切り替えられ、白色光源123へ電流を供給させる制御信号が電源回路124へ出力される。同時に、システムコントローラ121からシステムコントローラ221へ、接続切り替えユニット230の第1のスイッチ235を第1の外部入力端子233へ切り替え、第2のスイッチ236を第2の外部入力端子234へ切り替えることを指示する制御信号、および光源223を消灯することを指示する制御信号が送信される。その結果、被観察体は白色光源123から出射された照明光により照射され、スコープ110により撮影された画像がTVモニタ400に再現され、VCR500において記録媒体に記録可能となる。
【0050】
同様に、スコープ210の切り替えボタン216を押すと、システムコントローラ221の制御により、接続切り替えユニット230において第1および第2のスイッチ235、236は映像信号処理回路222側に切り替えられ、白色光源223へ電流を供給させる制御信号が電源回路224へ出力される。同時に、システムコントローラ221からシステムコントローラ121へ、接続切り替えユニット130の第1のスイッチ135を第1の外部入力端子133へ切り替え、第2のスイッチ136を第2の外部入力端子134へ切り替える制御信号、および光源223を消灯することを指示する制御信号が送信される。その結果、被観察体は白色光源223から出射された照明光により照射され、スコープ210により撮影された画像がTVモニタ400に再現され、VCR500において記録媒体に記録可能となる。
【0051】
図6は第1のスコープ110の操作部110Bの近傍を示す図である。操作部110Bにはアングル操作ユニット150が設けられる。操作部110Bにおいて挿入部110Aとの境界の近傍には鉗子口117が形成される。第2の第2のスコープ210の挿入部210Aは鉗子口117から挿入され、鉗子口117に連続して挿入部110A内に形成される鉗子チャンネルを挿通させられる。
【0052】
図7はアングル操作ユニット150の拡大図である。左右アングルノブ151は、円板状の本体151Aと、本体151Aの周縁部に一体的に形成される複数の突出部151Bを備える。複数の突出部151Bは円周方向において等間隔に形成される。左右アングルノブ151は時計方向(図7中、方向A)若しくは反時計方向(図7中、方向B)に回転可能に設けられる。左右アングルノブ151の回転運動は、後述する1組の操作ワイヤを介して第1のスコープ110の挿入部110Aの先端に伝達され、挿入部110Aの先端の湾曲部の角度が所定の直線方向に沿って変位する。本体151Aの表面には、左右アングルロックレバー161が設けられている。左右アングルロックレバー161を図7中、反時計方向に回すと挿入部110Aの先端の、上述の直線方向における角度がロックされ、時計方向に回すとそのロック状態が解除される。
【0053】
上下アングルノブ152も、左右アングルノブ151と同様に、円板状の本体152Aと、本体152Aの周縁部に一体的に形成される複数の突出部152Bを備え、時計方向若しくは反時計方向に回転可能に設けられる。上下アングルノブ152の回転運動は、後述する1組の操作ワイヤを介して第1のスコープ110の挿入部110Aの先端に伝達され、挿入部110Aの先端の湾曲部は、左右アングルノブ151の回転により変位する直線方向と交差する他の直線方向に沿って変位する。上下アングルノブ152の下には、上下アングルロックレバー162が設けられている。上下アングルロックレバー162を時計方向に回すと挿入部110Aの先端の、上述の他の直線方向における角度がロックされ、反時計方向に回すとそのロック状態が解除される。
【0054】
尚、本明細書においては、説明の都合上、左右アングルノブ151により変位する湾曲部の方向を左右方向、上下アングルノブ152により変位する湾曲部の方向を上下方向と呼ぶ。また、左右方向において湾曲部がいずれの方向にも曲げられていないとき、すなわち挿入部110Aの先端が左右方向において0°の位置にあるときの、左右アングルノブ151の位置を左右アングルノブ151の基準位置と呼ぶ。同様に、上下方向において湾曲部がいずれの方向にも曲げられておらず、挿入部110Aの先端が上下方向において0°の位置にあるときの、上下アングルノブ152の位置を上下アングルノブ152の基準位置と呼ぶ。
【0055】
図7に示されるように、左右アングルノブ151の本体151Aは、上下アングルノブ152の本体152Aの上に重なり合うように同軸的に配設される。操作者が突出部151B、152Bを介して左右および上下のアングルノブ151、152を適宜、回転させることにより、第1のスコープ110の挿入部110Aの先端の湾曲部を希望する方向および角度に曲げることが可能となる。また、必要があれば左右アングルロックレバー161および上下アングルロックレバー162を操作し、挿入部110Aの先端の方向および角度を固定する。
【0056】
図8には、左右および上下のアングルノブ151、152が断面で示され、さらに左右および上下アングルノブ151、152に設けられる各種センサとシステムコントローラ121のCPU121Aの入力ポートとの関係が示される。図8に示されるように、左右アングルノブ151の本体151Aおよび上下アングルノブ152の本体152Aにはそれぞれ中心軸部材151C、152Cが形成されている。上下アングルノブ152の本体152Aおよび中心軸部材152Cには、貫通穴が形成されており、左右アングルノブ151は、その中心軸部材151Cが、上下アングルノブ152の貫通穴を挿通するよう配設される。
【0057】
左右アングルノブ151の中心軸部材151Cは、貫通穴の近傍において第1のスコープ110の操作部110A内に設けられる軸受け171に嵌合している。軸受け171の近傍において、ギア172が中心軸部材152Cに軸支され、ギア172にはギア173が歯合している。すなわち、左右アングルノブ151の回転運動は、中心軸部材151Cおよびギア172を介してギア173に伝達される。ギア173の近傍には、左右アングルノブ151の回転方向および回転量を検出するための左右アングルノブ−エンコーダ174が配設される。
【0058】
左右アングルノブ−エンコーダ174は、図9に示されるように、ギア173と共に回転するスリット円板174Aと、このスリット円板174Aと組み合わされた検出器174Bとから成る。図10に示されるように、スリット円板174Aにはその円周方向に沿って等間隔に配列された2列(すなわち、内側列および外側列)のスリットが形成される。本実施形態において、それぞれの列に含まれるスリットの個数は36とされ、このため内側列のスリットおよび外側列のスリットは共に10°の角度ピッチで配列され、かつ、双方の配列ピッチの位相は半ピッチ分(5°)だけすらされている。
【0059】
図11に示されるように、検出器174BはU字形枠体175から成り、このU字形枠体175はその双方の支柱間をスリット円板174Aの一部が通り抜けるように配置される。検出器174Bはさらに二組の発光素子(176A、177A)および受光素子(176B、177B)を備え、これら二組の発光素子(176A、177A)および受光素子(176B、177B)はU字体枠体175の双方の支柱の内側に取り付けられる。すなわち、第1組の発光素子176Aおよび受光素子176Bはスリット円板174Aの内側列のスリットの通過を検出するようにU字体枠体175の双方の支柱の内側に配置され、第2組の発光素子177Aおよび受光素子177Bはスリット円板174Aの外側列のスリットの通過を検出するようにU字体枠体175の双方の支柱の内側に配置される。
【0060】
図11に示すように、二組の発光素子(176A、177A)および受光素子(176B、177B)は画像信号処理プロセッサ120に対する第1のスコープ110の接続時にコネクタ(図示せず)を介してシステムコントローラ121に接続され、システムコントローラ121の制御下で動作させられる。また、受光素子176Bおよび177Bのそれぞれからは出力信号v1およびv2が出力され、これら出力信号v1およびv2はコネクタを介してシステムコントローラ121に取り込まれ、図8に示すようにCPU121Aの入力ポートPORT_LR1、PORT_LR2にそれぞれ入力される。尚、発光素子176Aおよび177Aの各々は例えば発光ダイオードから成り、また受光素子176Bおよび177Bの各々は例えばフォトダイオードから成る。
【0061】
第1組の発光素子176Aおよび受光素子176Bの間をスリット円板174Aの内側列のスリットが通過するとき、発光素子176Aから射出した光はそのスリットを通して受光素子176Bに受光され、このとき受光素子176Bからの出力信号v1はハイレベルとなる。一方、互いに隣接する2つのスリット間の遮光領域が第1組の発光素子176Aおよび受光素子176Bの間を通過するとき、発光素子176Aから射出した光はその遮光領域によって遮られ、このとき受光素子176Bからの出力信号v1はローレベルとなる。したがって、スリット円板174Aが回転させれられると、受光素子176Bから出力される出力信号v1はハイレベルとローレベルとが交互に現れる信号となる。同様なことは第2組の発光素子177Aおよび受光素子177Bについても言え、受光素子177Bから出力される出力信号v2は、スリット円板174Aの回転に伴ってハイレベルとローレベルとが交互に現れる信号となる。
【0062】
図12には、スリット円板174Aが図9に示す位置(このとき検出器174Bによる検出位置が破線でしめされている)から矢印AおよびBで示されるそれぞれの回転方向に等速度で回転された際に受光素子176Bおよび177Bから出力される出力信号v1およびv2の変化が示されている。尚、矢印AおよびBで示される回転方向は図7で矢印AおよびBでしめされた左右アングルノブ151の回転方向AおよびBに対応したものとなっている。図12からも明らかなように、スリット円板174Aがいずれの回転方向AおよびBに回転されても、出力信号v1のレベル変化時の位相は出力信号v2のレベル変化時の位相に対してπ/2だけずれたものとなり、これはスリット円板174Aの内側列および外側列のスリットの配列ピッチが上述したように半ピッチ分だけずらされていることに依る。ところが、出力信号v1のレベル変化に対する出力信号v2のレベル変化を検出することにより、スリット円板174Aがいずれの回転方向AおよびBに回転しているかを判断することが可能である。
【0063】
詳述すると、出力信号v1がハイレベルにあるときに出力信号v2がローレベルからハイレベルに変化した場合、あるいは出力信号v1がローレベルにあるときに出力信号v2がハイレベルからローレベルに変化した場合、スリット円板174Aの回転方向は矢印Aで示される方向となる。また、出力信号v2がハイレベルにあるときに出力信号v1がハイレベルからローレベルに変化した場合、あるいは出力信号v2がローレベルにあるときに出力信号v1がローレベルからハイレベルに変化した場合、スリット円板174Aの回転方向は矢印Aで示される方向となる。
【0064】
一方、出力信号v1がハイレベルにあるときに出力信号v2がハイレベルからローレベルに変化した場合、あるいは出力信号v1がローレベルにあるときに出力信号v2がローレベルからハイレベルに変化した場合、スリット円板174Aの回転方向は矢印Bで示される方向となる。また、出力信号v2がハイレベルにあるときに出力信号v1がローレベルからハイレベルに変化した場合、あるいは出力信号v2がローレベルにあるときに出力信号v1がハイレベルからローレベルに変化した場合、スリット円板174Bの回転方向は矢印Bで示される方向となる。
【0065】
上述のように、出力信号v1はシステムコントローラ121のCPU121Aの入力ポートPORT_LR1に入力され、出力信号v2はCPU121Aの入力ポートPORT_LR2に入力される。したがって、入力ポートPORT_LR1(PORT_LR2)に入力される信号v1(v2)の立下りエッジ、若しくは立ち上がりエッジを検出した場合、入力ポートPORT_LR2(PORT_LR1)に信号v2(v1)のレベルを確認することにより、システムコントローラ121は左右アングルノブの回転方向および回転量を判断する。
【0066】
再び図8を参照すると、上下アングルノブ152の中心軸部材152Cは、略中央部分において第1のスコープ110の操作部110A内に設けられる軸受け181に嵌合している。軸受け181の近傍において、ギア182は中心軸部材152Cに軸支され、ギア182には、ギア183が歯合している。すなわち、上下アングルノブ152の回転運動は、中心軸部材152Cおよびギア182を介してギア183に伝達される。ギア183の近傍には、上下アングルノブ152の回転方向および回転量を検出するための上下アングルノブ−エンコーダ184が配設される。
【0067】
上下アングルノブ−エンコーダ184は、上述の左右アングルノブ−エンコーダ174と同様の構成を有している。すなわち、上下アングルノブ152の回転に応じて上下アングルノブ−エンコーダ184の2つの受光素子(図示せず)から出力信号v3、v4が出力される。出力信号v3は、システムコントローラ121のCPU121Aの入力ポートPORT_UD1に入力され、出力信号v4はCPU121Aの入力ポートPORT_UD2に入力される。出力信号v3およびv4に基づいて、システムコントローラ121は上下アングルノブ152の回転方向および回転量を判断する。
【0068】
左右アングルノブ151の中心軸部材の端部には、プーリ178が軸支されている。プーリ178の外周面はV型の溝が全周にわたって形成されており、その溝には、第1のスコープ110の挿入部110Aを挿通し、挿入部110Aの先端まで延びて端部が湾曲部の所定位置に固定された1組の操作ワイヤが巻き回されている。左右アングルノブ152の回転運動は1組の操作ワイヤを介して挿入部先端に伝達され、湾曲部が左右方向において湾曲させられる。尚、図8においては、図の複雑化を避けるため、プーリ178における1組の操作ワイヤの巻き回しの構成は省略されている。
【0069】
プーリ178の近傍には、左右アングルノブ151が基準位置にあるか検出するための基準位置検出センサ179が設けられている。基準位置検出センサ179には、例えば反射型のフォトインタラプタが用いられる。プーリ178において基準位置検出センサ179と対抗する面には、図13に示すように周縁部に沿って反射部材178Aと非反射部材178Bが設けられる。左右アングルノブ151が回転させられ第1のスコープ110の挿入部110Aの先端の湾曲部が左右方向において0°の位置に位置決めされるとき、プーリ178の反射部材178Aと非反射部材178Bの境界部分の通過が基準位置検出センサ179により感知されるよう、プーリ178と基準位置検出センサ179は配設される。
【0070】
基準位置検出センサ179の発光素子(図示せず)の前方にプーリ178の反射部材178Aが位置しているとき、その発光素子の出射光は反射部材178Aにより反射され、その反射光が基準位置検出センサ179の受光素子(図示せず)に入射し、基準位置検出センサ179の出力信号p1はハイレベルとなる。また、基準位置検出センサ179の発光素子の前方にプーリ178の非反射部材178Bが位置しているとき、その発光素子の出射光は非反射部材178Bにより反射されず、基準位置検出センサ179の受光素子には発光素子の出射光は入射せず、基準位置検出センサ179の出力信号p1はローレベルとなる。
【0071】
図8に示すように、基準位置検出センサ179の出力信号p1は不図示のコネクタを介してCPU121Aの入力ポートPORT_LRPに入力される。したがって、システムコントローラ121は、入力ポートPORT_LRPに入力される信号p1のエッジの立ち上がり若しくは立ち下がりを検出すると、左右アングルノブ151が基準位置に位置決めされ、第1のスコープ110の挿入部110Aの先端の湾曲部が左右方向において0°の位置に位置決めされたと判断する。
【0072】
同様に、上下アングルノブ152の中心軸部材152Cの端部には、外周面にV型の溝が全周にわたって形成されたプーリ188が軸支され、その溝には、第1のスコープ110の挿入部110Aを挿通し、挿入部110Aの先端まで延びて端部が湾曲部の所定位置に固定された1組の操作ワイヤが巻き回されている。上下アングルノブ152の回転運動はこの1組の操作ワイヤを介して挿入部110Aの先端に伝達され、湾曲部が上下方向において曲げられる。
【0073】
プーリ188の近傍には上下アングルノブ152が基準位置にあるか検出するための基準位置検出センサ189が設けられ、プーリ188の基準位置検出センサ189と対抗する面には、図13に示すように反射部材188Aと非反射部材188Bが形成される。上下アングルノブ152が回転させられ第1のスコープ110の挿入部110Aの先端の湾曲部が上下方向において0°の位置に位置決めされるとき、プーリ188の反射部材188Aと非反射部材188Bの境界部分の通過が基準位置検出センサ189により感知されるよう、プーリ188と基準位置検出センサ189は配設される。
【0074】
基準位置検出センサ189の発光素子(図示せず)の前方にプーリ188の反射部材が位置しているとき、基準位置検出センサ189の出力信号p2はハイレベルとなり、発光素子の前方にプーリ188の非反射部材が位置しているとき、基準位置検出センサ189の出力信号p2はローレベルとなる。
【0075】
基準位置検出センサ189の出力信号p2はCPU121Aの入力ポートPORT_UDPに入力される。したがって、システムコントローラ121は、入力ポートPORT_UDPに入力される信号p2のエッジの立ち上がり若しくは立ち下がりを検出すると、上下アングルノブ152が基準位置に位置決めされ、第1のスコープ110の挿入部110Aの先端の湾曲部が上下方向において0°の位置に位置決めされたと判断する。
【0076】
ここで図14〜19を用いて、第1のスコープ110の挿入部110Aの先端の湾曲部の曲げ角度の制御について説明する。図14は、第1の画像信号処理プロセッサ120のシステムコントローラ121が稼動中に繰り返し実行されるループ処理の処理手順を示すフローチャートである。システムコントローラ121に電源が投入されると、ステップS100で初期設定ルーチンが実行される。初期設定ルーチンでは、左右アングルノブ151が基準位置にあるか否かを示すためのフラグLR_POS_FLAGと、上下アングルノブ152が基準位置にあるか否かを示すためのフラグUD_POS_FLAGにそれぞれ「0」がセットされ、初期化される。LR_POS_FLAGに「1」がセットされている場合、左右アングルノブ151は基準位置にあることを示し、「0」がセットされている場合、左右アングルノブ151は基準位置以外に位置していることを示す。同様に、UD_POS_FLAGに「1」がセットされている場合、上下アングルノブ152が基準位置にあることを示し、「0」がセットされている場合、上下アングルノブ152は基準位置以外に位置していることを示す。
【0077】
また、変数connectに「0」がセットされ、初期化される。変数connectには、内視鏡接続フラグの状態に応じて値がセットされる。内視鏡接続フラグは、画像信号処理プロセッサ120に第1のスコープ110が接続されているか否かを示すフラグである。内視鏡接続フラグが立っており、画像信号処理プロセッサ120に第1のスコープ110が接続されている状態を示すとき、変数connectには「1」がセットされる。さらに、初期設定ルーチンでは、後述する処理で用いられるその他の各種変数、およびフラグが初期化される。
【0078】
次いで、ステップS200で、左右アングルノブ151および上下アングルノブ152が基準位置に位置付けられたか確認するための基準位置検出ルーチンが実行され、ステップS300で主処理が実行される。ステップS300の主処理では、左右アングルノブ151および上下アングルノブ152の回転方向および回転量が検出される。次いで、ステップS400で割り込み要求に対する処理が実行される。ステップS200〜S400の処理は、第1の画像信号処理プロセッサ120が稼動中、繰り返し実行される。
【0079】
図15は、ステップS200で実行される基準位置検出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。ステップS210で、変数connectの値がチェックされる。第1のスコープ110が画像信号処理プロセッサ120に接続され、内視鏡接続フラグが立っているとき、変数connectには「1」が格納されている。ステップS210において、変数connectの値が「1」であり、画像信号処理プロセッサ120に第1のスコープ110が接続されていることが確認されたらステップS220へ進む。
【0080】
ステップS220では、上下アングルノブ152が基準位置にあるかを検出する、第1の基準位置検出ルーチンが実行される。図16は、第1の基準位置検出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。ステップS222でフラグUD_POS_FLAGの値がチェックされ、「0」がセットされており、上下アングルノブ152が基準位置にないことが確認されたらステップS224へ進む。
【0081】
ステップS224では、ポートPORT_UDP(図8参照)に入力される信号p2のレベルに基づいて変数base_udに値がセットされる。変数base_udには、信号p2がハイレベルのとき「H」がセットされ、ローレベルのとき「L」がセットされる。ステップS226で変数base_udの値がチェックされ、「L」の場合、ステップS228へ進む。
【0082】
ステップS228では、変数pre_base_udの値がチェックされる。変数pre_base_udには、上下アングルノブ152が基準位置に位置決めされる前の信号p2のレベルが格納されている。尚、変数pre_base_udへの値の格納については後述する。ステップS228で、pre_base_udの値が「H」であることが確認されたら、ステップS230へ進む。
【0083】
制御がステップS230へ進む場合とは、base_udの値が「L」でかつpre_base_udの値が「H」の場合、すなわち、信号p2の立ち上がりエッジが検出された場合である。すなわち、上述のプーリ188の反射部材188Aと非反射部材188Bの境界が基準位置検出センサ189に検出され、上下アングルノブ152が矢印A方向(図7参照)に回転されて基準位置に位置決めされたことを示す。したがって、ステップS230では、フラグUD_POS_FLAGに「1」がセットされる。
【0084】
ステップS226でbase_udに格納された値が「L」ではないことが確認されたら、ステップS232へ進み、pre_base_udの値が確認される。ステップS232において、pre_base_udの値が「L」であることが確認されたら、ステップS234へ進む。制御がステップS234へ進む場合とは、信号p2の立下りエッジが確認された場合である。すなわち、プーリ188の反射部材188Aと非反射部材188Bの境界が基準位置検出センサ189に検出され、上下アングルノブ152が矢印B方向(図7参照)に回転されて基準位置に位置決めされたことを示す。したがって、ステップS230と同様、ステップS234ではUD_POS_FLAGに「1」がセットされる。
【0085】
以上のように、本ルーチンでは、基準位置検出センサ189の出力信号p2の立ち上がりエッジ、若しくは立下りエッジが検出されたら、上下アングルノブ152が基準位置に位置決めされたと判断する。
【0086】
本ルーチンが終了すると、制御は図15に示すようにステップS240へ進む。ステップS240では、左右アングルノブ151が基準位置にあるかを検出する、第2の基準位置検出ルーチンが実行される。図17は、第2の基準位置検出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。第1の基準位置検出ルーチンと同様、第2の基準位置検出ルーチンにおいても、基準位置検出センサ179の出力信号p1の立ち上がりエッジ、若しくは立下りエッジが検知されたら、左右アングルノブ151が基準位置に位置決めされたと判断する。
【0087】
すなわち、ポートPORT_LRPに入力される信号p1のレベルに基づいて、変数base_lrに値がセットされ(S244)、変数base_lrの値が「L」であり(ステップS246でYES)、変数pre_base_lrの値が「H」のとき(ステップS248でYES)、ステップS250において、LR_POS_FLAGに「1」がセットされる。また、変数base_lrの値が「H」であり(ステップS246でNO)、変数pre_base_lrの値が「L」のとき(ステップS252でYES)、ステップS254でLR_POS_FLAGに「1」がセットされる。
【0088】
第2の基準位置検出ルーチンが終了したら、制御は図14のステップS300へ進む。ステップS300では、左右アングルノブ151および上下アングルノブ152の回転操作により変位するスコープ110の湾曲部の曲げ角度の監視処理が実行される。図18は、同監視処理の処理手順を示すフローチャートである。ステップS302において、左右および上下のアングルノブ151、152の回転方向と回転量が演算される。左右アングルノブ151の回転方向と回転量は、左右アングルノブ−エンコーダ174から出力され、システムコントローラ121のCPU121Aの入力ポートPORT_LR1、PORT_LR2に入力される信号v1、v2に基づいて実行され、上下アングルノブ152の回転方向と回転量は、上下アングルノブ−エンコーダ184から出力され、システムコントローラ121のCPU121Aの入力ポートPORT_UD1、PORT_UD2に入力される信号v3、v4に基づいて実行される。
【0089】
ステップS302で演算された左右および上下のアングルノブ151、152の回転方向と回転量に基づいて、ステップS304において、第1のスコープ110の湾曲部の左方向、右方向、上方向および下方向における曲げ角度が算出される。次いで、ステップS306において第1のスコープ110の湾曲部の上方向の曲げ角度が、限界値angle_uと比較される。上方向の曲げ角度が限界値angle_uを超えていることが確認されたら、ステップS308へ進み、最大曲げ角度検出フラグを第1のスコープ110の湾曲部の上方向における曲げ角度が限界値を達していることを示す状態にセットする。次いでステップS310へ進み、割り込み要求を発生させる。
【0090】
ステップS306で、湾曲部の上方向の曲げ角度が限界値angle_uに達していないことが確認されたらステップS312へ進む。ステップS312では、湾曲部の下方向における曲げ角度が限界値angle_dと比較される。下方向の曲げ角度が限界値angle_dを超えていることが確認されたら、ステップS314へ進み、最大曲げ角度検出フラグを湾曲部の下方向における曲げ角度が限界値angle_dに達していることを示す状態にセットする。次いでステップS310へ進み、割り込み要求を発生させる。
【0091】
ステップS312で、湾曲部の下方向の曲げ角度が限界値angle_dに達していないことが確認されたらステップS316へ進む。ステップS316では、湾曲部の左方向における曲げ角度が限界値angle_lと比較される。左方向の曲げ角度が限界値angle_lを超えていることが確認されたら、ステップS318へ進み、最大曲げ角度検出フラグを湾曲部の左方向における曲げ角度が限界値angle_lに達していることを示す状態にセットする。次いでステップS310へ進み、割り込み要求を発生させる。
【0092】
ステップS316で、湾曲部の左方向の曲げ角度が限界値angle_lに達していないことが確認されたらステップS320へ進む。ステップS320では、湾曲部の右方向における曲げ角度が限界値angle_rと比較される。右方向の曲げ角度が限界値angle_rを超えていることが確認されたら、ステップS322へ進み、最大曲げ角度検出フラグを湾曲部の右方向における曲げ角度が限界値angle_rに達していることを示す状態にセットする。次いでステップS310へ進み、割り込み要求を発生させる。
【0093】
ステップS320で、湾曲部の右方向における曲げ角度が限界値angle_rに達していないことが確認された場合は、湾曲部の左右方向および上下方向のいずれの方向においてもその曲げ角度はまだ限界に達していないことを示す。したがって、特別な処理は実行されず、制御は図14のループ処理に戻る。
【0094】
尚、限界値angle_u、angle_d、angle_l、angle_rの値の設定については後述する。
【0095】
図19は、図14のループ処理中のステップS400で実行される割り込み要求に対する処理の実行手順を示すフローチャートである。ステップS402において、内視鏡接続フラグの状態がチェックされる。第1のスコープ110が画像信号処理プロセッサ120に接続され、システムコントローラ121が第1のスコープ110からの出力信号を受信すると、内視鏡接続フラグが立つ。ステップS402で内視鏡接続フラグが立っていることが確認されたら、ステップS404へ進む。ステップS404では、画像信号処理プロセッサ120に接続されたスコープに設けられるEEPROMから、そのスコープの仕様データ、スコープ名、シリアル番号等の諸情報が読み出され、システムコントローラ121内のRAMに格納される。すなわち本実施形態では第1のスコープ110に設けられたEEPROM190から第1のスコープ110の諸情報が読み出され、システムコントローラ121内のRAMに格納される。
【0096】
次いでステップS406へ進み、左右アングルノブ151および上下アングルノブ152の基準位置検出のための初期設定処理が実行される。すなわち、入力ポートPORT_UDP、PORT_LRPの入力信号p1、p2の電位に基づいて、上述の図16に示す第1の基準位置検出ルーチン、および図17に示す第2の基準位置検出ルーチンでそれぞれ用いられる変数pre_base_udおよびpre_base_lrに値がセットされる。また、内視鏡接続フラグの状態が画像信号処理プロセッサ120にスコープが接続されたことを示しているので、変数connectに「1」がセットされる。
【0097】
ステップS408で、第1および第2の電子内視鏡100、200との間における通信の接続が確立されたか否かを示す通信接続確立フラグがチェックされる。双方の電子内視鏡間の通信の接続確立の確認は、第1の電子内視鏡100のシステムコントローラ121で行われる。すなわち、システムコントローラ121のCPU121Aにおいて、第2の電子内視鏡200の画像信号処理プロセッサ220の動作状態を示すシリアル通信用の入力ステータスポートの電位がチェックされる。第2の電子内視鏡200に電源が投入されており、画像信号処理プロセッサ220が起動されていれば、入力ステータスポートの電位はハイレベルとなり、第2の電子内視鏡200の電源がオフで画像信号処理プロセッサ220が起動されていなければローレベルとなる。すなわち、入力ステータスポートの電位に基づいて、通信接続確立フラグはセットされる。
【0098】
通信接続確立フラグの状態が、第1の電子内視鏡100と第2の電子内視鏡200との間における通信の接続確立を示していることが確認されると、ステップS410へ進む。ステップS410では、第2の電子内視鏡200において、スコープ220に設けられたEEPROM290から、スコープ220の仕様データ、スコープ名、シリアル番号等の諸情報が読み出され、システムコントローラ221に取り込まれる。これらの情報は、通信ケーブル300を介して第1の電子内視鏡100のシステムコントローラ121へ取り込まれ、システムコントローラ121のRAMへ格納される。
【0099】
システムコントローラ121では、第1のスコープ110と第2のスコープ210の組み合わせに基づいて、第1のスコープ110の挿入部100Aの先端の曲げ角度の限界値が決定される。システムコントローラ121のROMには、表1に示されるような、太径スコープと細径スコープの組み合わせと、太径スコープの挿入部先端の曲げ角度の限界値との対応が記録されたデータベースが格納されている。
【0100】
【表1】
【0101】
システムコントローラ121では、EEPROM190、290から取り込んだ第1のスコープ110、210に関する諸情報に基づいて、第1のスコープ110、210の組み合わせに該当する組み合わせのデータをこのデータベースから取り込む。例えば、EEPROM190から読み出された情報が太径スコープ2を示し、EEPROM290から読み出された情報が細径スコープBである場合、データ2Bが選択される。
【0102】
データ1A〜4Cには、太径スコープの挿入部先端の上方向における曲げ角度の限界値、下方向における曲げ角度の限界値、左方向における曲げ角度の限界値、右方向における曲げ角度の限界値が含まれている。システムコントローラ121では、上方向における曲げ角度の限界値をangle_u、下方向における曲げ角度の限界値をangle_d、左方向における曲げ角度の限界値をangle_l、右方向における曲げ角度の限界値をangle_rに格納する。上述の図14のステップS300における処理で実行される、挿入部先端の曲げ角度と限界値との比較処理(図18のステップS306、S312、S316、S320)で用いられる。
【0103】
尚、このデータベースに記録される各データは、予め種々なタイプの太径スコープと細径スコープを組み合わせて行われる、実験の結果に基づいている。
【0104】
ステップS412で、最大曲げ角度検出フラグが、第1のスコープ110の挿入先端の曲げ角度が限界値を超えていることを示していることが確認されたら、ステップS414へ進む。ステップS414では、最大曲げ角度検出フラグの状態に応じて、第1のスコープ110の挿入部110Aの先端の湾曲部を上下方向若しくは左右方向においてさらに曲げることを警告するメッセージがTVモニタ400に表示される。
【0105】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、細径スコープの挿入部が太径スコープに挿入された状態において、太径スコープの挿入部先端の湾曲部の曲げ角度の限界が操作者に知らされる。したがって、太径スコープの湾曲部を曲げすぎることによるアングル機構の破損が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子内視鏡システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】第1の電子内視鏡のスコープの鉗子チャンネルに第2の電子内視鏡のスコープを挿通させ、その先端部を鉗子チャンネルの開口部から露出させた状態を示す図である。
【図3】第1の電子内視鏡と第2の電子内視鏡の電気的な接続を示す回路図である。
【図4】第1および第2の電子内視鏡の操作パネルに設けられる操作ボタンおよび表示灯の配列を示す図である。
【図5】図4の操作パネルの各種ボタンおよび表示灯を制御するための回路構成を示すブロック図である。
【図6】第1のスコープの操作部近傍を示す図である。
【図7】第1のスコープの操作部に設けられ、挿入部先端の曲げ角度を制御するための左右アングルノブおよび上下アングルノブの平面図である。
【図8】左右および上下のアングルノブの断面と、左右および上下アングルノブに設けられる各種センサとシステムコントローラのCPUの入力ポートとの関係を示す図である。
【図9】左右アングルノブの回転方向および回転量を検出するためのエンコーダを示す図である。
【図10】図9に示すエンコーダのスリット円板を示す図である。
【図11】スリット円板と検出器の相対的関係を模式的に示す図である。
【図12】エンコーダのスリット板を双方向に回転させた際にその検出器の2つの受光素子からそれぞれ出力される2つの出力信号のタイミングチャートである。
【図13】スコープの挿入部先端の曲げ角度を制御するための1組のワイヤが巻き回されるプーリの正面図である。
【図14】第1のスコープが接続される画像信号処理プロセッサで繰り返し実行されるループ処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】アングルノブの基準位置検出のメインルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図16】上下アングルノブの基準位置検出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図17】左右アングルノブの基準位置検出ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図18】第1のスコープの挿入部先端の曲げ角度の監視ルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【図19】割り込み要求に対する処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 第1の電子内視鏡
200 第2の電子内視鏡
110、210 スコープ
115、215 鉗子チャンネル
120、220 画像信号処理プロセッサ
121、221 システムコントローラ
130、230 接続切り替えユニット
116、216 切り替えボタン
151 左右アングルノブ
152 上下アングルノブ
174 左右アングルノブ−エンコーダ
179、189 基準位置検出センサ
184 上下アングルノブ−エンコーダ
400 TVモニタ
500 VCR
Claims (4)
- 患者の体内に挿入される挿入部先端の湾曲部の曲げ角度を制御する湾曲部角度制御手段を具備する第1のスコープと、この第1のスコープが接続される第1の画像信号処理ユニットとを有する第1の電子内視鏡と、
第2のスコープと、この第2のスコープが接続される第2の画像信号処理ユニットとを有する第2の電子内視鏡と、
前記第1および第2の画像信号処理ユニットの間でデータの送受信を行うデータ転送手段とを備え、
前記第1のスコープの挿入部に設けられた鉗子チャンネルに前記第2のスコープの挿入部を挿通させ、前記第1のスコープの挿入部先端における前記鉗子チャンネルの開口部から前記第2のスコープの挿入部先端を露出させた状態で観察する電子内視鏡システムであって、
前記第1のスコープは、前記湾曲部の曲げ角度を検出する曲げ角度検出手段を有し、
前記第1の画像信号処理ユニットは、前記第1のスコープの種別と前記第2のスコープの種別の組み合わせに基づいて規定される、前記観察状態における前記第1のスコープの前記湾曲部の曲げ角度の限界値が格納された曲げ角度情報記憶手段と、
前記曲げ角度検出手段により検出される前記湾曲部の曲げ角度と、前記角度情報記憶手段に格納された限界値とを比較する曲げ角度比較手段と、
前記曲げ角度比較手段により前記曲げ角度が前記限界値に達しているという比較結果が得られたら、その旨を報知する報知手段とを有することを特徴とする電子内視鏡システム。 - 前記第1のスコープは、そのスコープの種別に関する諸情報が記憶された第1の記憶手段を備え、第2のスコープは、そのスコープの種別に関する諸情報が記憶された第2の記憶手段を備え、
前記第2の画像信号処理ユニットにおいて前記第2の記憶手段から読み出された前記第2のスコープの種別に関する諸情報が、前記データ転送手段により前記第1の画像信号処理ユニットに送信され、
前記曲げ角度比較手段は、前記第1の記憶手段から読み出される前記第1のスコープの種別に関する諸情報と、前記データ転送手段により送信される前記第2のスコープの種別に関する諸情報とに基づいて、前記曲げ角度情報記憶手段から前記限界値を取得することを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡システム。 - 前記曲げ角度検出手段は、前記第1のスコープの前記湾曲部の第1の直線軸線に沿った第1および第2の方向と、前記第1の直線軸線と交差する第2の直線軸線に沿った第3および第4の方向における曲げ角度を検出し、
前記曲げ角度情報記憶手段には、前記第1〜第4の方向に関する前記限界値が格納されていることを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡システム。 - 前記報知手段は、前記第1の画像信号処理ユニットに接続され、前記第1および第2のスコープにより撮影された映像を再現するためのモニタに、前記湾曲部の曲げ角度が前記限界値に達したことを示すメッセージを表示することを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡システム。
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