JP4668320B2 - 中空繊維膜分離デバイス - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の包括的部分による中空繊維膜分離デバイスに関する。

前記種類の中空繊維膜分離デバイスは、例えば、欧州特許出願公開第０８４４０１５号から知られている。前記中空繊維膜分離デバイスでは、２つの流れ空間が形成され、２つの流れ空間のうちの第１の空間は、端部が密封化合物の中に配列された中空繊維束の毛細管通路によって形成され、第２の空間は、繊維束を包囲するハウジングによって形成される。第１の空間は、密封化合物の周囲領域に延びるシールとともに、密封化合物上に配置されたキャップによって密封される。それぞれの中空繊維束は、ハウジングの中に引き入れられる。ハウジングは、そのケーシングの各端に、自由に延びる軸線方向のノッチあるいはへこみによって形成された歯状あるいは尖塔状突出部を有する。突出部の外側領域は、ノッチあるいはへこみの自由な内側領域が流体のための流通路を形成するように、密封化合物中に埋め込まれる。

パイプ断面形状であり、好ましくは円形断面を備えるハウジングは、弾性特性を有する材料、例えばポリカーボネートからなるので、可撓性舌部からなる花輪状縁が、ノッチあるいはへこみによって形成され、前記縁は、密封化合物によって少なくとも部分的に包囲される。密封化合物が硬化してディスクを形成するとき、前記ディスクは、本質的に応力なしに縮むことができ、可撓性舌部は、この縮みに著しい抵抗を提供しない。それによって、密封化合物によって形成されたディスクは、管状ハウジングの端部にしっかり接合されるので、２つの流れ空間を、適当な密封手段とともに、互いに重なる２つのキャップによって、互いに確実に分離することができる。

しかしながら、歯状あるいは尖塔状突出部が形成される前記ハウジングは、中空繊維膜分離デバイスの製造中、個々の中空繊維あるいは中空繊維束が、軸線方向に向けられた尖塔部のギャップの中に押し進むことがあるという、欠点を有する。その結果、外側中空繊維あるいは中空繊維束が、歯状あるいは尖塔状突出部間のギャップから突出することがある。これは、製造工程中、不便である。

従って、本発明の目的は、一般的なタイプの中空繊維膜分離デバイスを、より簡単な方法で、且つ問題なく製造できるように、更に開発することにある。

前記目的の解決策は、請求項１の特徴の組み合わせによる、中空繊維膜分離デバイスのハウジングの新しい設計である。上で示した一般的なタイプの中空繊維膜分離デバイスから出発して、本中空繊維膜分離デバイスのハウジングは、歯状あるいは尖塔状突出部間の延長部を有し、前記延長部は、前記突出部から延び、且つ隣接した歯状あるいは尖塔状突出部まで延びる。

歯状あるいは尖塔状突出部間の延長部は、２つの隣接した歯状あるいは尖塔状突出部間のギャップの中に中空繊維束の外側中空繊維の通過を防止する、いわば横支柱を形成する。前記延長部は、歯状あるいは尖塔状突出部から延びる。本発明の第１の態様では、２つの隣接した尖塔部は、延長部によって連結され、延長部は、２つの尖塔部間の距離の変化、あるいはそれらの可動性の妨げとならないような幾何学的設計（例えば、波状あるいはジグザグ）を有する。本発明の第２の態様では、延長部は、隣接した突出部に連結されない。本発明の両方の態様とも、収縮する密封化合物との応力のない連結を形成するのに役立つ所望の弾性を保証する。

本発明の有利な更なる展開は、主請求項に続く下位請求項から生じる。従って、突出部から延びる延長部は、好ましくは、弓状あるいは鎌状フックとして形成される。前記鎌状フックは、突出部を囲む密封化合物との更に良い結合をもたらす。材料の破壊の危険が、付加的に明らかに減じられる。

本発明の特に有利な更なる展開によれば、歯状あるいは尖塔状突出部の高さの上で、且つそれから延びる２つの延長部が各側に向って枝分かれする。

ハウジングは、可撓性プラスチック材料の射出成形によってワンピースに成形されるのがよい。

本発明の更なる特徴、詳細、および利点が、図面に示す実施形態から生じる。

中空繊維膜分離デバイス１０は、プラスチック材料、例えばポリカーボネートで作られたパイプ断面形状のハウジング１２からなる。中空繊維束が、ハウジングの中に挿入される。前記中空繊維膜束１４の端部は、硬化後にディスク形状を有する、例えばＰＵ（ポリウレタン）からなる密封化合物１６の中に埋設される。密封化合物１６によって、中空繊維１４は、ハウジング１２に接合される。

キャップ１８が、ハウジング上に配置され、前記キャップは、シール２０によって密封される。

そのような中空繊維膜分離デバイスの正確な構成および機能は、ここに援用される欧州特許出願公開第０８４４０１５号に既に詳細に記載されている。

パイプ断面形状のハウジング１２は、そのケーシングの各端部に、歯状あるいは尖塔状突出部２２間に形成された、自由に延びる軸線方向のノッチあるいはへこみを有する（図１〜５を参照）。

尖塔部２２間に存在するギャップ２４は、本発明によれば、突出部２２から延びる延長部２６によって、架橋される。特に図２および３で分かるように、前記延長部は、隣接した歯状あるいは尖塔状突出部２２に触れない、弓状あるいは鎌状フックとして形成される。ここに示す実施形態では、一方が他方の上に配置された２つの延長部２６が、突出部２２の各側に配置される。前記配置により、密封化合物（図１を参照）との強い結合が得られる。延長部２６によって互いに正確に連結されない、隣接した歯状あるいは尖塔状突出部間に維持された可撓性により、ポリウレタンで作られた強く収縮する密封材料との応力の無い結合を形成することができる。

製造工程中、中空繊維束１４は、ハウジング１２の中に導入される。本発明により設けられた延長部２６によって、突出部２２間のギャップからの個々の中空繊維の突出を確実に回避することができる。

その上、延長部２６の鎌状デザインは、前記幾何学形態は１ステップで金型から軸線方向に強制的に取り出すことができるので、射出金型の簡単且つコストの有利なデザインを可能にする。特に、延長部２６が比較的可撓性であり、金型からの取り出し中、歯状あるいは尖塔状突出部の方向に曲がれる事実のために、延長部を、最終状態でアンダーカットを描く事実にかかわらず、射出金型によって製造することができる。

本発明の中空繊維膜分離デバイスの一側を通る長手方向断面図を示す。 中空繊維膜分離デバイスのハウジングの端部の詳細を示す。 中空繊維膜分離デバイスハウジングの詳細を示す。 繊維束の挿入前、およびキャップの取付け前の、中空繊維膜分離デバイスのハウジングの表示を示す。 繊維束の挿入前、およびキャップの取付け前の、中空繊維膜分離デバイスのハウジングの表示を示す。

Claims (7)

1. ２つの流れ空間を有する中空繊維膜分離デバイスであって、
   ２つの流れ空間のうちの第１の空間は、端部が密封化合物の中に配列された中空繊維束の毛細管通路によって形成され、
   第２の空間は、繊維束を包囲するハウジングによって形成され、
   第１の空間は、密封化合物上に配置されたキャップによって密封され、
   中空繊維束が引き入れられるハウジングは、そのケーシングの各端に、自由に延びる軸線方向のノッチあるいはへこみによって形成された歯状あるいは尖塔状突出部を有する、中空繊維膜分離デバイスにおいて、
   ハウジングが、前記突出部から延び、且つ隣接した歯状あるいは尖塔状突出部まで延びる延長部を、歯状あるいは尖塔状突出部の間に有する、
   ことを特徴とする中空繊維膜分離デバイス。
2. 延長部は、弓状あるいは鎌状フックとして形成される、ことを特徴とする請求項１に記載の中空繊維膜分離デバイス。
3. 歯状あるいは尖塔状突出部の高さの上で、且つ、それから延びる２つの延長部が、各側に向って枝分かれする、ことを特徴とする請求項１または２に記載の中空繊維膜分離デバイス。
4. 歯状あるいは尖塔状突出部から延びる延長部は、隣接した歯状あるいは尖塔状突出部に連結されない、ことを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の中空繊維膜分離デバイス。
5. 歯状あるいは尖塔状突出部から延びる延長部は、隣接した歯状あるいは尖塔状突出部に連結される、ことを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の中空繊維膜分離デバイス。
6. ハウジングは、可撓性プラスチック材料の射出成形によってワンピースに作られる、ことを特徴とする請求項１乃至５のいずれか１項に記載の中空繊維膜分離デバイス。
7. 端部に設けられた歯状あるいは尖塔状突出部間に、前記突出部からそれぞれ延びる延長部を有し、各々が隣接した歯状あるいは尖塔状突出部まで延びる、ことを特徴とする請求項１乃至６のいずれか１項に記載の中空繊維膜分離デバイスのハウジング。

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