JP4667940B2 - 慣性センサ装置 - Google Patents
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そのうちマイクロセンサでは(特許文献1)、固定部である平行な絶縁基板の対向面に形成された固定電極の中間に、可動部としての可動電極がカンチレバーで弾性支持されており、その固定電極が、静電サーボ型センサの場合、制御電極となっていて、その制御電極には可動部の相対変位の変動を解消する静電引力を生じる制御電圧が印加される。
このような制御電圧の有効成分はロータ11を運動させるため概ね数十kHz以下であるのに対し、ロータ11の運動に影響を与えずに相対変位を測定するための変位検出用信号は、それより十分に周波数が高く、例えばMHzのオーダーの信号であり、変位検出信号発生回路27で例えば5つの周波数成分を持たされ、出力アンプ26の入力側で制御電圧に重畳されるようになっている。
もっとも、そのような制御電圧が印加されるのはセンサ回路20に動作電力が供給されてセンサ回路20が正常に動作している場合であり、センサ回路20への給電が停止されてセンサ回路20が動作していないときには制御電極13の印加電圧V3a等は0Vになる(図2(b)参照)。
これに開示された発明は、上述した静電浮上型ジャイロ装置(特許文献2〜4)の改良であり、変位検出用信号を各制御電圧に重畳する際に重畳先が時分割されるとともに、制御電圧出力が変位検出用信号の印加中の電極から外されるようになっている。また、相対変位の検出結果から直ちに加速度算出等の測定値算出を行うのでなく、相対変位を打ち消すための制御電圧に基づいて加速度算出等の測定値算出を行うようになっている。そのため、加速度等の算出は精度を優先して動作速度を落とし、制御量等の算出は動作速度を優先して精度を落とすことにより、センサ回路が小形で安価なものとなる。
しかしながら、このような従来の慣性センサ装置や未公開の慣性センサ装置は、何れも、制御電圧として正負の異なる相補的な電圧を生成してそれらを制御電極のうち隣り合っている電極に印加するようになっており、これに起因する測定精度阻害要因をはらんでいると推測されるに至った。すなわち、長期に及ぶ実験と観測の結果、絶縁体からなるケース等の固定部の内部に存在しているイオンの分布状態がゆっくりではあるが変化して、やがて測定精度に無視できない影響を与えるようになることが判ってきた。
そこで、絶縁体(固定部)内部のイオンの移動を抑制することにより測定精度の不安定要因を取り除いて測定精度の向上を図ることが技術的な課題となる。
これにより、電気絶縁性の固定部の内部のイオンがセンサ回路の動作時も非動作時も制御電極の近傍に偏在し続けることから、イオンの移動が抑制されるので、イオンの分布状態が安定して、測定精度の不安定要因が無くなる。
したがって、この発明によれば、電気絶縁性の固定部の内部のイオンを制御電極近傍へ積極的に偏在させることにより、長時間に亘って測定精度の良い慣性センサ装置を実現することができる。
これにより、電気絶縁性の固定部の内部のイオンがセンサ回路の動作時も非動作時も制御電極の遠隔部に偏在し続けることから、イオンの移動が抑制されるので、イオンの分布状態が安定して、測定精度の不安定要因が無くなる。
したがって、この発明によれば、電気絶縁性の固定部の内部のイオンを制御電極の遠くへ積極的に偏在させることにより、長時間に亘って測定精度の良い慣性センサ装置を実現することができる。
図4に示した実施例1は、上述した解決手段1〜2(出願当初の請求項1〜2)を具現化したものであり、図5の実施例2は、その変形例である。また、図6に示した実施例3は、上述した解決手段3〜4(出願当初の請求項3〜4)を具現化したものである。
なお、それらの図示に際し従来と同様の構成要素には同一の符号を付して示したので、重複する再度の説明は割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。また、以下の実施例の説明でも、従来例の説明と同様、ジャイロロータ回転駆動用の電極や制御手段に関する説明は割愛する。
バイアス手段30は、センサ回路20の出力アンプ26からジャイロ機構部10の制御電極13に至る制御電圧伝送ラインに介挿接続された切替回路31と、バイアス電圧として既述のオフセット電圧±Vofと同じ一定電圧を発生して切替回路31へ送出するバイアス回路32と、例えば外部の操作部材から与えられる作動指令Bに応じてセンサ回路20への給電を遂行/停止する開閉器33とを具えている。
バイアス回路32は、抵抗分圧回路でも良いが、消費電力を少なくするため、例えば、スイッチトキャパシタ回路を含む降圧回路などの降圧回路が採用されている。
したがって、この実施例によれば、センサ回路20非動作時とセンサ回路20動作時における制御電極の印加電圧がほぼ同じとなるため、絶縁体からなるケース12内部のイオンはほぼ定位置にとどまることとなり、結果として絶縁体内部のイオンの動きが原因の慣性センサの加速度A測定値の変動を防止することが可能となる。
また、センサ回路20への給電が断たれてセンサ回路20が動作を停止しているときには、上述した実施例1のときと同様にして、センサ回路20動作時における制御電極の印加電圧の平均に等しいバイアス電圧が各制御電極13に印加されることから、この場合も、制御電圧と静電引力とが長時間に亘って安定な一定関係になるので、絶縁体からなるケース12内部のイオンはほぼ定位置にとどまることとなり、結果として絶縁体内部のイオンの動きが原因の慣性センサの加速度A測定値の変動を防止することが可能となる。
そうすると、何時もケース12内のイオンがバイアス電極42の近傍すなわち制御電極13の遠隔部に偏在し続け、その状態が安定維持されるので、センサ回路20の動作/非動作に拘わらず何時でも、制御電極13に印加される制御電圧と、ロータ11とケース12との間に生じる静電引力とが、長時間に亘って安定な一定の関係になる。
したがって、この実施例によれば、絶縁体からなるケース12内部のイオンはセンサ回路20の動作状態に拘わらずほぼ定位置にとどまることとなり、結果として絶縁体内部のイオンの動きが原因の慣性センサの加速度A測定値の変動を防止することが可能となる。また、バイアス手段40が消費する電力は、絶縁部からのリーク電流によるものだけなので、極めて少ない。
上記実施例では、慣性センサ装置として静電浮上型ジャイロ装置を挙げたが、本発明の適用は、それに限定される訳でない。例えば、既述したカンチレバー支持方式のマイクロセンサのようなものでも、静電サーボ型センサであって、隣り合う制御電極に正負の異なる相補的な制御電圧を印加するようになっている場合は、本発明の適用が可能である。
13…制御電極、3a,3b、3c,3d…隣接電極、14…検出電極、
20…センサ回路、21…検出アンプ、22…演算部、
23…A/D変換回路、24…デジタルプロセッサ、25…D/A変換回路、
26…出力アンプ、27…変位検出信号発生回路、28…時分割手段、
30…バイアス手段、31…切替回路、32…バイアス回路、33…開閉器、
40…バイアス手段、41…ジャイロ機構部、42…バイアス電極、
A…加速度(測定値)、B…作動指令、C…時分割信号、Vcc…電源電圧、
Vof…オフセット電圧、V3a,V3b,V3c,V3d…印加電圧
Claims (5)
- 導電性の可動部と、これとの対向面に複数の制御電極が形成されている電気絶縁性の固定部と、前記固定部に対する前記可動部の相対変位を検出して、その変動を解消する静電引力を生じる制御電圧を前記制御電極に印加するとともに、前記相対変位の検出結果または前記制御電圧に基づいて加速度算出等の測定値算出を行うセンサ回路とを備え、前記制御電圧として正負の異なる相補的な電圧を生成してそれらを前記制御電極のうち隣り合っている電極に同時に印加する慣性センサ装置において、前記センサ回路への給電停止時も受電可能なところに設けられ正負の異なる相補的な一定のバイアス電圧を生成するバイアス回路と、前記センサ回路への給電停止時には前記制御電圧に代えて前記バイアス電圧を前記制御電極のうち隣り合っている電極に同時に印加させる切替回路とを具備したことを特徴とする慣性センサ装置。
- 前記バイアス電圧が前記制御電圧の平均電圧であることを特徴とする請求項1記載の慣性センサ装置。
- 導電性の可動部と、これに静電引力を作用させうる対向面を有するとともに静電引力を無視できるほど前記可動部から離隔している非対向面も有しており前記対向面に複数の制御電極が形成されている電気絶縁性の固定部と、前記固定部に対する前記可動部の相対変位を検出して、その変動を解消する静電引力を生じる制御電圧を前記制御電極に印加するとともに、前記相対変位の検出結果または前記制御電圧に基づいて加速度算出等の測定値算出を行うセンサ回路とを備え、前記制御電圧として正負の異なる相補的な電圧を生成してそれらを前記制御電極のうち隣り合っている電極に印加する慣性センサ装置において、前記固定部のうち前記非対向面に形成された複数のバイアス電極と、前記センサ回路への給電停止時も受電可能なところに設けられ正負の異なる相補的な一定のバイアス電圧を生成して前記バイアス電極に印加するバイアス回路とを具備したことを特徴とする慣性センサ装置。
- 前記バイアス回路が電池から受電してその電圧を前記バイアス電圧とするものであることを特徴とする請求項3記載の慣性センサ装置。
- 前記可動部をロータとし前記固定部をケースとする静電浮上型ジャイロ装置であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載された慣性センサ装置。
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