JP4425066B2 - 静電浮上型ジャイロ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ジャイロ機構部と電子回路とを備えた静電浮上型ジャイロ装置に関する。
ジャイロ機構部は、ジャイロロータとジャイロケースとを含み、ジャイロロータをジャイロケース内で静電支持力によって浮動的に支持する。ジャイロロータは、回転動作等の適正な動作のため、真空中に置かれる。
電子回路部は、ジャイロ機構部に接続され、ジャイロロータとジャイロケースとの相対変位を検出して、ジャイロロータの姿勢制御と回転駆動を行う。
詳しくは、姿勢制御用の制御電圧の生成手法およびそれに適合した変位検出手法に関する。
小形化に適した静電浮上型ジャイロは、船舶や航空機ばかりか自動車等の移動体にも使用されており、慣性空間に対する加速度等を検出するために、慣性を具有した機械部品からなるジャイロ機構部と、静電支持力の制御や相対変位の検出等を担う電子回路部とを備えている。すなわち、静電浮上型ジャイロ装置は、回転体であるジャイロロータと、それを静電浮上可能かつ回転可能に内蔵するジャイロケースと、これに形成や付設されているケース付属部材を利用してジャイロロータとジャイロケースとの相対変位を検出する変位検出回路と、上記の又は別のケース付属部材を利用してジャイロロータの姿勢制御および回転駆動を行う制御回路とを備えたものである。
静電浮上型ジャイロ装置は長年の改良により進歩しているが、初期のものでは(例えば特許文献1の図11等を参照)、ジャイロロータが球体であり、静電支持用のケース付属部材はジャイロケースに複数形成された対向対の電極であり、回転駆動用のケース付属部材はジャイロケースに複数装着された対向対のコイルであり、変位検出用のケース付属部材はジグザグ模様の変位を検出する複数の光学的ピックアップであり、変位検出回路は模様の変位から角度変位を求めるようになっており、制御回路は、姿勢制御のため対向対の電極に接続されており、更にジャイロロータを回転させるためコイルに交流電圧を印加するようになっていた。
それを改良したものでは、ジャイロロータを円盤状にしたものがある(例えば特許文献1の図1,図2等を参照)。この場合、対数こそ三対から四対に増えているが、この場合も、静電支持用のケース付属部材は、ジャイロケースに複数配置された対向対の電極であり、回転駆動用のケース付属部材は、ジャイロケースに複数配置された対向対のコイルである。また、変位検出用のケース付属部材は、ジャイロロータの孔を挟んで対向配置された発行素子および受光素子であり、変位検出回路は、上記の孔の偏倚による受光量の変化からジャイロロータの相対変位を求めるようになっており、制御回路は、ジャイロロータを回転させるためコイルに交番電圧を印加するとともに、ジャイロロータのジャイロケースに対する姿勢を一定に維持するため、検出された相対変位に応じて増減する姿勢制御用電圧を生成して対向対の電極に印加するようになっている。
次に改良したものは(例えば特許文献2参照)、ジャイロロータが円盤状であり、静電支持用のケース付属部材も、ジャイロケースに複数配置された対向対の電極であるが、その静電支持用電極の詳細構造や、他のケース付属部材が改良されている。すなわち、静電支持用電極はそれぞれ径方向に分割されて隣り合う隣接電極(電極対,電極群)になり、回転駆動用のケース付属部材は、ジャイロケースの両内面で円状に列設された多数の回転駆動用電極の対向対になっている。それに伴って、制御回路は、ジャイロロータ姿勢制御用の制御電圧を生成してそれを静電支持用電極に印加するとともに、ジャイロロータ回転駆動用の制御電圧を生成してそれを回転駆動用電極に印加するようになっている。
また、変位検出用のケース付属部材も、ジャイロケースの両内面に形成された電極になっており、制御電圧の印加されない変位検出用電極も、ジャイロケースの両内面に形成されている。そして、変位検出回路は、変位検出用電極を介してジャイロロータとジャイロケースとの相対変位検出用信号の送受を行う信号検出回路になっている。具体的には、制御電圧の印加されない変位検出用電極が、相対変位検出用信号の検出に用いられる検出側電極になっていて、信号検出回路の入力側に接続されるのに対し、相対変位検出用信号を印加される印加側電極には、姿勢制御用の制御電圧の印加される静電支持用電圧が兼用されていて、信号検出回路は、周波数弁別可能な幾つかの変位検出用印加信号を姿勢制御用の制御電圧に重畳させて静電支持用電圧に印加するとともに、変位検出用電極から変位検出用印加信号に係る信号成分を抽出して変位検出用検出信号を生成するようになっている。
更に改良を加えた静電浮上型ジャイロ装置では(例えば特許文献3参照)、ジャイロロータが環状になり、ジャイロケースに形成されている静電支持用電極がジャイロロータを囲むように配置されている。静電支持用電極は、この場合も、複数の対向対からなり、その各々が隣接電極(電極対,電極群)からなるが、この隣接電極は、周方向に分割されて隣り合っている。なお、回転駆動用電極は、円状列設の対向対であり、制御回路は、ジャイロロータの姿勢制御用および回転駆動用の制御電圧を生成してそれぞれ静電支持用電極および回転駆動用電極に印加するものである。また、信号検出回路は、変位検出用印加信号を姿勢制御用の制御電圧に重畳させ、制御電圧の印加されない変位検出用電極から変位検出用印加信号に係る信号成分を抽出して変位検出用検出信号を生成するようになっている。
特開平7−071965号公報 (図1、図2、図11) 特開平08−320231号公報 (第1頁) 特開2001−235329号公報 (第1頁)
[先行特許出願1] 特願2002−362031号
[先行特許出願2] 特願2003−099695号
また、変位検出用信号の流れを従来と逆転させたものもある(先行特許出願1,2参照)。具体的には、信号検出回路について、制御電圧の印加されない変位検出用電極に変位検出用印加信号を印加し、制御回路から静電支持用電極に姿勢制御用の制御電圧を印加するところから変位検出用印加信号に係る信号成分を分離抽出して変位検出用検出信号を生成するようになっている。変位検出用信号の分離抽出は、制御電圧の出力段回路における差動電流を検出するのと(先行特許出願1参照)、逆相の制御電圧から同相成分を検出するのとがあり(先行特許出願2参照)、後者の同相検出手法は静電支持用電極が複数の対向対からなりその各々が隣接電極からなることを前提とするが、前者の電流検出手法や従来の信号検出手法にはそのような制約が無い。
ところで、これらの信号検出回路や制御回路のうち演算部分はデジタルシグナルプロセッサやマイクロプロセッサの採用等によりデジタル化が進んでいるが、静電支持用電極に印加される姿勢制御用の制御電圧は依然としてアナログ信号であり、そのため、制御電圧の出力段回路には高価なアナログアンプが必要であった。
そこで、原価低減のため、制御電圧の出力も、デジタル化・スイッチ化して、高価なアンプを不要とすることが望まれる。具体的にはパルス幅変調を採用したい。
しかしながら、制御電圧をパルス化すると、変位検出用信号の重畳が難しくなるうえ、変位検出用信号に大きなスイッチングノイズが重畳してしまう。
そこで、制御電圧の生成をパルス幅変調で行っても、その影響が変位検出用信号にはほとんど及ばないよう、信号検出のための部材等に工夫を凝らすことが技術的な課題となる。
本発明の静電浮上型ジャイロ装置は、このような課題を解決するために創案されたものであり、ジャイロロータを静電浮上可能かつ回転可能に内蔵するジャイロケースと、これに形成されている複数の電極のうち静電支持用電極および回転駆動用電極に前記ジャイロロータの姿勢制御用および回転駆動用の制御電圧をそれぞれ生成して印加する制御回路と、前記複数電極のうち前記制御電圧の印加されない変位検出用電極を介して前記ジャイロロータと前記ジャイロケースとの相対変位検出用信号の送受を行う信号検出回路とを備えた静電浮上型ジャイロ装置において、前記制御回路が、前記制御電圧の生成をパルス幅変調にて行うものであり、前記変位検出用電極が、前記信号検出回路の出力側に接続され前記相対変位検出用信号を印加される印加側電極と、前記信号検出回路の入力側に接続され前記相対変位検出用信号の検出に用いられる検出側電極とからなり、前記検出側電極または前記印加側電極が、前記静電支持用電極に近接して分散配置されている、というものである。
このような本発明の静電浮上型ジャイロ装置にあっては、相対変位検出用信号が、変位検出用電極のうち印加側電極に印加され、それからジャイロロータを経て、変位検出用電極のうち検出側電極から検出されるが、印加側電極および検出側電極の何れか一方または双方が静電支持用電極に近接して分散配置されていて、各静電支持用電極の容量変化が弁別可能な又は分割可能な状態で相対変位検出用信号に反映されるので、相対変位検出用信号に基づいてジャイロロータとジャイロケースとの相対変位を算出することが可能である。しかも、この場合、相対変位検出用信号の送受に用いられる電極が、印加側電極も検出側電極も共に、制御電圧の印加されない変位検出用電極であることから、ジャイロロータのところは別としてそれ以外のところでは相対変位検出用信号と制御電圧とが完全に分離されるので、制御電圧がパルスであってもそのスイッチングノイズが相対変位検出用信号に及ぶ割合は激減する。
このような本発明の静電浮上型ジャイロ装置について、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1〜3により説明する。
本発明の静電浮上型ジャイロ装置の実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、(a)がジャイロ機構部の縦断面図、(b)がジャイロケースにおける電極の平面配置図、(c)が信号検出回路および制御回路の要部ブロック図、(d)が幾つかの信号に関する波形例である。
この静電浮上型ジャイロ装置は、ジャイロ機構部については特許文献3等に開示された環状のジャイロロータ10を採用し、信号検出回路30については先行特許出願1,2等に開示された逆転方式を採用していて制御電圧A,Bの印加されない変位検出用電極22に印加信号発生回路31から変位検出用印加信号Cを印加するようになっているが、ジャイロケース20における電極21〜25の配置や,信号検出回路30における信号検出方式32,制御回路40の制御電圧出力段回路41などが改良されている。
すなわち、軸対称の環状に形成されたジャイロロータ10と、これを静電浮上可能かつ回転可能に内蔵するジャイロケース20と、これに形成されている複数の電極21〜25のうち静電支持用電極24,25および回転駆動用電極21にジャイロロータ10の姿勢制御用の制御電圧A,Bおよび回転駆動用の制御電圧をそれぞれ生成して印加する制御回路40と、複数の電極21〜25のうち制御電圧A等の印加されない変位検出用電極22,23を介してジャイロロータ10とジャイロケース20との相対変位検出用信号C,D,Eの送受を行う信号検出回路30とを備えた静電浮上型ジャイロ装置において、次のような改良が施されている。
先ず、制御回路40については、最終段の制御電圧出力段回路41にパルス幅変調方式のものが採用されて、制御回路40は姿勢制御用制御電圧A,Bの生成をパルス幅変調にて行うものとなっている。また、相対変位検出用信号の送受については、電極が、印加側も検出側も共に、制御電圧の印加されない変位検出用電極になっている。すなわち、変位検出用電極22,23は、信号検出回路30の出力側に接続され相対変位検出用印加信号Cを印加されるが姿勢制御用制御電圧A,B等は印加されない印加側電極22と、信号検出回路30の入力側に接続され印加信号Cに係る相対変位検出用検出信号D,Eの検出に用いられるがやはり姿勢制御用制御電圧A,Bは印加されない検出側電極23とからなる。さらに、そのうち検出側電極23は、静電支持用電極24に近接して分散配置されている。印加側電極22は、適宜な空き領域に対称形で分散している。
各部材について詳述すると、ジャイロ機構部については(図1(a)参照)、ジャイロロータ10が、シリコン等の導電体からなり、1本のスピン軸(対称軸)周りに安定して回転するよう、環状に形成されている。ジャイロケース20は、ガラス等の絶縁物からなる上側底部材と下側底部材とスペーサとを組み合わせて構成され、内部に環状の真空空間が形成されている。ジャイロケース20からジャイロロータ10に静電支持力や回転駆動力を作用させるために、ジャイロケース20の内表面には、金属膜パターン等からなる多数の電極21〜25が形成されている。
これらの電極21〜25は(図1(a),(b)参照)、何れも複数個・多数個が対向配置された回転駆動用電極21と相対変位検出用の印加側電極22と相対変位検出用の検出側電極23と静電支持用電極24と静電支持用電極25とからなる。そのうち電極21〜24は、ジャイロケース20の上側底部材にも下側底部材にも環状内部空間に臨んで円状に列設されており上側底部材の各々と下側底部材の各々とが一対一で対向している。静電支持用電極25は、ジャイロケース20の環状内部空間に臨む両周面に放射状・円環状に列設されており両周面の各々が一対一で対向している。
回転駆動用電極21は等角に多数個たとえば12個が列設され、静電支持用電極24,25は、スピン軸(その軸方向を本明細書ではZ方向とする)を中心に直交する四方(本明細書ではそのうち相反する2方向を纏めてX方向としそれに直交する相反2方向を纏めてY方向とし相反2方向を区別するときには正負を付加する)に分散して配置され、それに一対一で対応して但し重ならないよう径方向にずらして検出側電極23が分散配置されている。印加側電極22は、検出側電極23同士の間隙や静電支持用電極25同士の間隙に配置されている。
回転駆動用電極21は、順次循環駆動のため個別に制御回路40の出力段回路それぞれに接続され、印加側電極22は、同じ印加信号Cを印加するため相互に接続されて信号検出回路30の出力側の印加信号発生回路31に共通接続され、検出側電極23は、ジャイロロータ10の各部の相対変位を区別して検出するため個別に信号検出回路30の入力側の電流電圧変換回路32それぞれに接続され、静電支持用電極24,25は、ジャイロロータ10の各部に適切な静電引力を働かせるため個別に制御回路40の制御電圧出力段回路41それぞれに接続されている。
このような電極配置と結線とにより、X方向に対向配置の静電支持用電極25からX方向に正負の静電引力が生じ、Y方向に対向配置の静電支持用電極25からY方向に正負の静電引力が生じ、X方向に対向配置の静電支持用電極24からY方向軸線周り回転のθ方向に正負の静電引力が生じ、Y方向に対向配置の静電支持用電極24からX方向軸線周り回転のφ方向に正負の静電引力が生じ、ジャイロケース20の上下の底部材に対向配置の静電支持用電極24からZ方向に正負の静電引力が生じるものとなっている。
制御回路40は(図1(c)参照)、ジャイロロータ10とジャイロケース20とのスピン軸周り以外の相対変位すなわちX方向変位とY方向変位とZ方向変位とφ方向変位とθ方向変位とから、公知の演算を行って、姿勢制御用制御電圧A,B等を生成し、それぞれを複数の電極21〜25のうち各方向の静電支持用電極24,25に印加する等のことで、それらの相対変位をゼロにする姿勢制御を行うようになっている。また、ジャイロロータ10のZ軸周りの回転状態から、やはり公知の演算を行って、回転駆動用の制御電圧たとえば三相のパルス状信号を生成し、それらを回転駆動用電極21へ循環的に印加する等のことで、ジャイロロータ10を一定速度で回転させる回転制御を行うようにもなっている。なお、ジャイロロータ10の回転状態は、回転駆動用電極21の容量変化から検出され、それ以外の相対変位ΔX,ΔY,ΔZ,Δφ,Δθは、静電支持用電極に近接配置された検出側電極23の容量変化から検出されるようになっている。
制御回路40から静電支持用電極24,25に送出される姿勢制御用制御電圧A,B等は、制御電圧出力段回路41によってパルス幅変調されるようになっている(図1(d)参照)。具体的には、制御電圧出力段回路41は、ジャイロロータ10の運動に影響しないほど高い周波数たとえば数百kHz以上でスイッチングしながら高位電源電圧たとえば5Vと低位電源電圧たとえば接地電圧の0Vとの何れかを出力するが、そのディーティ比を変えることにより平均電圧を所望の電圧に一致させるようになっている。
また、制御回路40は、対向対の静電支持用電極24に送出される姿勢制御用制御電圧A,Bについては、姿勢制御用制御電圧Aが5Vのときには姿勢制御用制御電圧Bが0Vになり姿勢制御用制御電圧Aが0Vのときには姿勢制御用制御電圧Bが5Vになるような一対の制御電圧をそれぞれの制御電圧出力段回路41から出力するようになっている。これにより、ジャイロロータ10が適正に浮上していれば、ディーティ比が50%より大きいか小さいかに応じて正方向か負方向か何れかの方向に静電引力が生じ、その静電引力の大きさがディーティ比の50%からの偏倚に応じて変化するものとなる。
信号検出回路30は(図1(c)参照)、出力側の相対変位検出用印加信号供給回路として印加信号発生回路31を具え、入力側の相対変位検出用検出信号生成回路として電流電圧変換回路32及び引算回路33を具えたものである。印加信号発生回路31は、やはりジャイロロータ10の運動に影響しないほど高い周波数たとえば数百kHz以上の印加信号Cを生成するが、この印加信号Cは、一定の周波数および一定の振幅を持った適宜な波形たとえば正弦波や(図1(d)参照),三角波(図示せず),矩形波(図示せず)などであって、例えば0V〜5Vの電源電圧の許す範囲でなるべく大きな一定の電流振幅をとるようになっている。
電流電圧変換回路32(図1(c)参照)は、検出側電極23毎に設けられ、それぞれ接続先の検出側電極23から検出した検出信号D,Eについて電流信号から電圧信号に変換するようになっている。引算回路33は、対向対の検出側電極23毎に即ちそれに対応した一対の電流電圧変換回路32毎に設けられ、対をなす検出信号D,Eについて、それらが電流電圧変換回路32にて電圧信号に変換された後で、差を算出するようになっている。検出信号D等は(図1(d)参照)、印加信号Cの電流を分割した電流信号であるが、検出側電極23ひいては静電支持用電極24とジャイロロータ10における対峙面との距離に応じてそこの静電容量が変化することに基づき、ジャイロロータ10の変位に応じて電流の分割状態が変化するので、該当電極23の各配置部位におけるジャイロロータ10とジャイロケース20との相対変位を反映したものとなる。
さらに、それら多数の引算回路33による検出信号は、一旦、X方向の正方向および負方向に配置された静電支持用電極25について相対変位ΔXを反映するものと、Y方向の正方向および負方向に配置された静電支持用電極25について相対変位ΔYを反映するものと、X方向の正方向に配置された静電支持用電極24について相対変位ΔZ+Δθを反映するものと、X方向の負方向に配置された静電支持用電極24について相対変位ΔZ−Δθを反映するものと、Y方向の正方向に配置された静電支持用電極24について相対変位ΔZ+Δφを反映するものと、Y方向の負方向に配置された静電支持用電極24について相対変位ΔZ−Δφを反映するものとの6個に纏められ、それからA/D変換および適宜な加減演算が施されて、相対変位ΔX,ΔY,ΔZ,Δφ,Δθを反映するものに集約され、制御回路40での姿勢制御用制御電圧の演算に供されるようになっている。
この実施例1の静電浮上型ジャイロ装置について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図1(d)は、幾つかの信号に関する波形例である。
信号検出回路30により検出側電極23の容量変化に基づいて相対変位ΔX,ΔY,ΔZ,Δφ,Δθが検出され、それを入力した制御回路40の姿勢制御および回転駆動によってジャイロロータ10がジャイロケース20内の中立位置に浮上して回転し続け、更にそれらに基づいて、静電浮上型ジャイロに作用した加速度等が演算され検知されるのは、従来通りなので、それについての更なる説明は割愛して、以下、従来とは相違する動作等を中心に説明する。すなわち、制御回路40の出力する姿勢制御用制御電圧A,B等が制御電圧出力段回路41にてパルス幅変調されるようになったことや、そのように制御電圧をパルス化しても改造後の変位検出用電極22,23及び信号検出回路30によりスイッチングノイズの影響を排して適切に相対変位の検出が行われることを説明する。
姿勢制御用制御電圧A,B等は(図1(d)参照)、制御回路40から静電支持用電極24,25に送出されるが、その際、制御電圧出力段回路41によってパルス幅変調されて、例えば振幅5Vのパルス信号になる(図1(d)参照)。その周波数は一定であるが、パルス幅はディーティ比50%を基準に増減する。そのディーティ比が増えると姿勢制御用制御電圧A,Bの平均電圧が上がり、ディーティ比が減ると姿勢制御用制御電圧A,Bの平均電圧が下がるが、その平均電圧がジャイロロータ10における静電支持用電極24対峙部位に対する有効な静電引力となる。
また、対向対の静電支持用電極24に印加される姿勢制御用制御電圧A,Bを対比してみると、姿勢制御用制御電圧Aが5Vのとき姿勢制御用制御電圧Bは0Vになり、姿勢制御用制御電圧Aが0Vのとき姿勢制御用制御電圧Bは5Vになるので、ジャイロロータ10の電位が姿勢制御用制御電圧A,Bの印加によって不所望に変動することはない。また、ディーティ比の増減が反対になるが増減量すなわち偏倚は等しいので、50%からのディーティ比の偏倚に応じてジャイロロータ10には正方向にも負方向にも静電支持力が作用する。
一方、印加信号Cは(図1(d)参照)、印加信号発生回路31から印加側電極22に印加されるが、印加側電極22が分散しているうえ互いに接続されているので、ジャイロロータ10が変位してもそれと印加側電極22との合計容量はあまり変化しない。そして、印加信号Cは、周波数も最大電流も一定であるが、最大電流ができるだけ大きくなるよう、電圧振幅が電源電圧を目一杯利用した例えば5Vの正弦波にされる。
印加側電極22に印加された印加信号Cは、ジャイロロータ10を介して分散配置の検出側電極23に伝わり、検出信号D,E等となって、それぞれ該当する電流電圧変換回路32で検出される。その際、印加信号Cが各検出側電極23の容量に応じて検出側電極23に分配されるので、検出信号D,E等は(図1(d)参照)、ジャイロロータ10が検出側電極23に近寄ると、振幅・信号レベルが増大し、ジャイロロータ10が検出側電極23から離れると、振幅・信号レベルが減少する態様で、相対変位を反映する。
対向対の検出側電極23から抽出される検出信号D,Eも対比してみると、それらは振幅の異なる相似波形であり、ジャイロロータ10の変位状態に応じて、検出信号Dの振幅・信号レベルが増大するときには検出信号Eの振幅・信号レベルが減少し、検出信号Dの振幅・信号レベルが減少するときには検出信号Eの振幅・信号レベルが増大する、という関係にある。そこで、検出信号D,Eをそれぞれ電流電圧変換回路32で検出してから引算回路33にて統合した相対変位検出用検出信号は、ジャイロロータ10とジャイロケース20との各部での相対変位を正方向にも負方向にも的確に反映したものとなる。
こうして、この静電浮上型ジャイロ装置にあっては、姿勢制御用制御電圧A,B等をパルス化することで、制御電圧出力段回路41から高価なアナログアンプ等を省くことが出来て、装置が安価になっているが、それにとどまらず更に相対変位検出用信号の送受に関して、印加信号Cの印加される印加側電極22にも、検出信号D,E等の検出される検出側電極23にも、制御電圧の印加されない変位検出用電極を割り当てたことにより、ジャイロケース20の電極やそれに接続された信号線については制御電圧と相対変位検出用信号との重畳が解消されたので、制御電圧がパルス化されてもそのスイッチングノイズの悪影響が相対変位検出用信号に及ぶことがない。例え及んでも僅かにすぎない。
図2にジャイロケースにおける電極23,24の平面配置図を示した本発明の静電浮上型ジャイロ装置が上述した実施例1のものと相違するのは、検出側電極23の静電支持用電極24に対する位置ずれが径方向でなく周方向になっていることである。
上例では静電支持用電極24の内径側に一つずつ形成されていた検出側電極23が、本例では、二つに分かれて静電支持用電極24の周方向両脇に配置されている。形成箇所は分かれても、図示しない配線にて接続されている。
そして、そのような検出側電極23から合わせて検出される相対変位検出用検出信号は、検出側電極23の間に形成されている静電支持用電極24とジャイロロータ10との静電容量の変化ひいてはジャイロロータ10とジャイロケース20との相対変位を反映したものとなる。そのため、この場合も、上例と同様、制御電圧がパルス幅変調にて生成されるが、そのスイッチングの影響が変位検出用信号に及ぶことはほとんどない。
図3にジャイロケースにおける電極23,24の平面配置図を示した本発明の静電浮上型ジャイロ装置が上述した実施例1,2のものと相違するのは、検出側電極23の静電支持用電極24に対する位置ずれを径方向でなく周方向にする際に検出側電極23でなく静電支持用電極24を二つに分けたことである。
すなわち、静電支持用電極24は、ジャイロロータ10を挟むようにして向かい合う複数の対向対からなり、その各々がジャイロケース20の上側か下側か何れかの底部材において周方向に分かれた隣接電極(24+,24−)からなるが、この隣接電極の間に検出側電極23が一つずつ配置されている。
この場合、隣接電極の何れか一方(24+)には姿勢制御用制御電圧A等が印加され、他方(24−)には姿勢制御用制御電圧B等が印加される。その対向対における隣接電極にも同様に姿勢制御用制御電圧A,Bが印加されるが、その際、上側底部材における隣接電極のうち姿勢制御用制御電圧Aの印加される電極と下側底部材において対向する電極には姿勢制御用制御電圧Bが印加され、上側底部材における隣接電極のうち姿勢制御用制御電圧Bの印加される電極と下側底部材において対向する電極には姿勢制御用制御電圧Aが印加されるので、ジャイロロータ10の電位が一層安定する。また、検出側電極23が相対変位を最も良く反映するところに配置されているので、検出精度が向上する。
[その他]
なお、上記実施例では、環状ジャイロロータを具体例に採って説明したが、本発明の適用は、これに限られる訳でなく、その他のものにも可能であり、例えば円板状・円盤状ジャイロロータの装置にも適用することができる。
また、上記実施例では、検出側電極23が静電支持用電極24に近接して分散配置されていたが、印加側電極22を静電支持用電極24に近接して分散配置しても良い。印加側電極22と検出側電極23のうち何れか一方がそのようになっていれば、他方は分散していても集中していても良い。
本発明の実施例1について、静電浮上型ジャイロ装置の構造等を示し、(a)がジャイロ機構部の縦断面図、(b)がジャイロケースにおける電極の平面配置図、(c)が信号検出回路および制御回路の要部ブロック図、(d)が信号波形例である。 本発明の実施例2について、ジャイロケースにおける電極の平面配置図である。 本発明の実施例3について、ジャイロケースにおける電極の平面配置図である。
符号の説明
10 ジャイロロータ(ジャイロ機構部)
20 ジャイロケース(ジャイロ機構部)
21 ロータ駆動用電極(制御電極、ロータ駆動系)
22 印加側電極(変位検出用電極、変位検出系)
23 検出側電極(変位検出用電極、変位検出系)
24 静電支持用電極(姿勢制御用電極、制御電極、拘束制御系)
25 静電支持用電極(姿勢制御用電極、制御電極、拘束制御系)
30 信号検出回路(変位検出回路、変位検出系)
31 印加信号発生回路(相対変位検出用印加信号供給回路)
32 電流電圧変換回路(相対変位検出用検出信号生成回路)
33 引算回路(差算出、相対変位検出用検出信号生成回路)
40 制御回路(姿勢制御演算、ロータ回転演算、拘束制御系、ロータ駆動系)
41 制御電圧出力段回路(PWM、パルス幅変調回路)
A 姿勢制御用制御電圧(一面側、一方側)
B 姿勢制御用制御電圧(他面側、対向側)
C 印加信号(相対変位検出用信号、共通)
D 検出信号(相対変位検出用信号、一面側、一方側)
E 検出信号(相対変位検出用信号、他面側、対向側)

Claims (1)

  1. ジャイロロータを静電浮上可能かつ回転可能に内蔵するジャイロケースと、これに形成されている複数の電極のうち静電支持用電極および回転駆動用電極に前記ジャイロロータの姿勢制御用および回転駆動用の制御電圧をそれぞれ生成して印加する制御回路と、前記複数電極のうち前記制御電圧の印加されない変位検出用電極を介して前記ジャイロロータと前記ジャイロケースとの相対変位検出用信号の送受を行う信号検出回路とを備えた静電浮上型ジャイロ装置において、前記制御回路が、前記制御電圧の生成をパルス幅変調にて行うものであり、前記変位検出用電極が、前記信号検出回路の出力側に接続され前記相対変位検出用信号を印加される印加側電極と、前記信号検出回路の入力側に接続され前記相対変位検出用信号の検出に用いられる検出側電極とからなり、前記検出側電極または前記印加側電極が、前記静電支持用電極に近接して分散配置されていることを特徴とする静電浮上型ジャイロ装置。
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