JP4219200B2 - 容量検出型自己診断3軸加速度センサ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、容量検出型自己診断3軸加速度センサに関し、特に、3軸方向の自己診断に加速度検出用の固定電極を兼用する容量検出型自己診断3軸加速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
容量検出型加速度センサとは、シリコンの如き半導体を原材料とする半導体薄板にエッチングを含むマイクロマシニング技術を適用して製造した方形ダイアフラムに形成される可動電極と、ガラスその他の絶縁材料を原材料とする絶縁材料板に切削研削加工を施して製造した固定基板1に形成される固定電極とにより容量検出型加速度センサ素子が構成され、可動電極はダイアフラム自身を共通接地電極とし、可動電極の加速度変化で可動電極と固定電極との間の静電容量が変化するところから、この静電容量変化を電気信号に変換してセンサ出力を得るものである。
【0003】
ここで、図4を参照して従来例を説明する。方形の固定基板1表面の中心を原点とし、この表面内において直交するx軸、y軸、およびこれらに直交するz軸を定義して説明する。
以下の加速度検出用の固定電極は固定基板1の表面に形成した金属薄膜からその一部を小幅の帯状に除去することにより分割形成される。固定電極の内のz固定電極Zは固定基板1の表面の中心部にx軸およびy軸に平行に整列して方形に形成されている。第1のx固定電極X1と、第2のx固定電極X2の対であるx固定電極対X1、X2は、電極面を固定基板1の2本の対角線方向およびy軸方向に沿って分割され、z固定電極Zに関してx軸方向に離隔対向して固定基板1の表面に形成配置される一方、第1のy固定電極Y1と、第2のy固定電極Y2の対であるy固定電極対Y1、Y2は、電極面を固定基板1の2本の対角線方向およびx軸方向に沿って分割され、z固定電極Zに関してy軸方向に離隔対向して固定基板1の表面に形成配置されている。
【0004】
x固定電極対X1、X2とy固定電極対Y1、Y2は、それぞれの電極対の可動電極Mとの間の容量差を電気信号に変換して入力加速度とするものであり、x固定電極対X1、X2はy軸を入力軸としてy軸に関する回動運動を検出する。y固定電極対Y1、Y2は、x軸を入力軸としてx軸に関する回動運動を検出する。また、z固定電極Zは、可動電極Mとの間の単体の容量変化或いはバイアス相殺用の固定容量との間の容量差を電気信号に変換して入力加速度とするものであり、z軸方向の運動を検出する。
【0005】
図5を参照するに、これは図4の容量検出型加速度センサに自己診断用の固定電極を付加した容量検出型自己診断加速度センサの従来例を説明する図である。図5において、x固定電極対X1、X2の近傍の固定基板1表面には、それぞれ、X自己診断固定電極対STX1、STX2が形成されている。y固定電極対Y1、Y2の近傍の固定基板1表面には、それぞれ、Y自己診断固定電極対STY1、STY2が形成されている。z固定電極Zの近傍の固定基板1表面には、Z自己診断固定電極STZが形成されている。
【0006】
容量検出型加速度センサについて自己診断を実施しようとすると、上述した通り、固定電極および電極対のそれぞれに対応して固定電極の数と同数の自己診断固定電極を形成する必要がある。これに伴って、付加形成された自己診断固定電極の数だけ引き出し線が必要となり、容量検出型加速度センサが3軸加速度センサの場合は加速度検出の固定電極と自己診断の固定電極と合わせて10本の引き出し線が必要となる。また、電極間絶縁不良の回避に有効な間隙を設ける必要上引き出し線に固定基板1の面積をとられると、センサチップ全体の面積に占める電極面積が制限されることにつながる(特許文献1、2 参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−64370号公報
【特許文献2】
特開2002−162413号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、格別に自己診断用の電極を形成することをせずに、加速度検出用の固定電極自体に外部から電圧を印加して静電気力により可動電極を運動させ、固定電極との間の静電容量の変化を入力加速度とみなし、これにより電極面積および引き出し線本数を削減して小型化および信頼性を向上した容量検出型自己診断3軸加速度センサを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1:固定基板1と、固定基板1に対向するダイアフラム2と、ダイアフラム2上面中央部に形成される錘体3と、ダイアフラム2の下面に形成される可動電極Mと、可動電極Mに対向して固定基板1上面に形成される固定電極とを有し、両電極間に形成される静電容量の変化に基づいて固定基板1面内の互いに直交するx軸、y軸およびこれらに直交するz軸の各軸方向の加速度を検出する容量検出型自己診断3軸加速度センサにおいて、z固定電極対Z1、Z2は、固定基板1の表面の中心部に一方の対角線に沿って分割して直角三角形に形成され、この一方の対角線に関して互いに対称に対向して他方の対角線方向に離隔し固定基板1の表面に配置され、x固定電極対X1、X2は、電極面を固定基板1の2本の対角線方向およびy軸方向に沿って分割して台形に形成され、z固定電極対Z1、Z2に関してx軸方向に離隔対向して固定基板1の表面に配置され、y固定電極対Y1、Y2は電極面を固定基板1の2本の対角線方向およびx軸方向に沿って分割して台形に形成され、z固定電極対Z1、Z2に関してy軸方向に離隔対向して固定基板1の表面に配置されている容量検出型自己診断3軸加速度センサを構成した。
【0010】
そして、請求項2:請求項1に記載される容量検出型自己診断3軸加速度センサにおいて、第1のy固定電極Y1と第1のz固定電極Z1と第2のz固定電極Z2とを駆動電極としてx軸方向の自己診断を行い、第2のx固定電極X2と第1のz固定電極Z1と第2のz固定電極Z2とを駆動電極としてy軸方向の自己診断を行い、x固定電極対X1、X2とy固定電極対Y1、Y2とを駆動電極としてz軸方向の自己診断をそれぞれ行う容量検出型自己診断3軸加速度センサを構成した。
【0011】
また、請求項3:請求項2に記載される容量検出型自己診断3軸加速度センサにおいて、可動電極Mを基準電位点に接続し、第1のy固定電極Y1と第1のz固定電極Z1とを一方の極性の電圧で駆動すると共に第2のz固定電極Z2を他方の極性の電圧で駆動してx軸方向の自己診断を行い、第2のx固定電極X2と第1のz固定電極Z1とを一方の極性の電圧で駆動すると共に第2のz固定電極Z2を他方の極性の電圧で駆動してy軸方向の自己診断を行い、x固定電極対X1、X2とy固定電極対Y1、Y2とを一方の極性の電圧で駆動してz軸方向の自己診断をそれぞれ行う容量検出型自己診断3軸加速度センサを構成した。
【0012】
更に、請求項4:請求項3に記載される容量検出型自己診断3軸加速度センサにおいて、所定の周波数の矩形波或いは正弦波電圧を発振する検出用発振回路4を具備し、検出用発振回路4から出力される発振出力を自己診断に必要な所定の周波数に分周する自己診断用分周回路7を具備し、検出用発振回路4の出力と自己診断用分周回路7の出力を切り替えて各固定電極対に供給する切り替え回路81ないし87を具備し、切り替え回路eを切り替える自己診断切り替え制御回路9を具備し、自己診断に使用する駆動しようとする固定電極には自己診断用分周回路7から出力される電圧信号を印加し、加速度検出するに使用する固定電極には検出用発振回路4から出力される電圧信号を印加する切り替えを実行することを特徴とする容量検出型自己診断3軸加速度センサを構成した。
【0013】
また、固定基板1と、固定基板1に対向するダイアフラム2と、ダイアフラム2上面中央部に形成される錘体3と、ダイアフラム2の下面に形成される可動電極Mと、可動電極Mに対向して固定基板1上面に形成される固定電極とを有し、両電極間に形成される静電容量の変化に基づいて固定基板1面内の互いに直交するx軸、y軸およびこれらに直交するz軸の各軸方向の加速度を検出する容量検出型自己診断3軸加速度センサにおいて、加速度検出用の固定電極の内のx固定電極対X1、X2は電極面を固定基板1の2本の対角線方向およびy軸方向に沿って分割され直角三角形に形成され、固定基板1中心点に関して対称にx軸方向に離隔対向して固定基板1の表面に形成配置され、y固定電極対Y1、Y2は電極面を固定基板1の2本の対角線方向およびx軸方向に沿って分割され直角三角形に形成され、固定基板1中心点に関して対称にy軸方向に離隔対向して固定基板1の表面に形成配置され、z固定電極対Z1、Z2は、L字状に分割され、一方の対角線方向に沿って離隔してx、y固定電極の外側で固定基板1の表面の隅部に形成され、ここで、ダイアフラム2は多数の穿孔を有する可撓性に富むメッシュ状ダイアフラムに形成した容量検出型自己診断3軸加速度センサを構成した。
【0014】
そして、固定基板1と、固定基板1に対向する可動電極Mと、可動電極M上面中央部に接続固定される錘体3と、可動電極Mに対向して固定基板1上面に形成される固定電極とを有し、両電極間に形成される静電容量の変化に基づいて固定基板1面内の互いに直交するx軸、y軸およびこれらに直交するz軸の各軸方向の加速度を検出する容量検出型自己診断3軸加速度センサにおいて、細い可撓性に富むヒンジを具備し、ヒンジは錘体3に接続して錘体3およびこれが接続固定される可動電極Mを錘体支持枠に結合支持し、z固定電極対Z1、Z2は、固定基板1の表面の中心部に一方の対角線に沿って分割して直角三角形に形成され、この一方の対角線に関して互いに対称に対向して他方の対角線方向に離隔し固定基板1の表面に配置され、x固定電極対X1、X2は、電極面を固定基板1の2本の対角線方向およびy軸方向に沿って分割して台形に形成され、z固定電極対Z1、Z2に関してx軸方向に離隔対向して固定基板1の表面に配置され、y固定電極対Y1、Y2は電極面を固定基板1の2本の対角線方向およびx軸方向に沿って分割して台形に形成され、z固定電極対Z1、Z2に関してy軸方向に離隔対向して固定基板1の表面に配置されている容量検出型自己診断3軸加速度センサを構成した。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図1の実施例を参照して説明する。方形の固定基板1の表面の中心を原点とし、この表面において直交するするx軸、y軸、およびこれらに直交するz軸を定義して説明する。
以下の加速度検出用の固定電極は固定基板1の表面に形成した金属薄膜からその一部を小幅の帯状に除去することにより分割形成される。固定電極の内の、第1のz固定電極Z1と、第2のz固定電極Z2の対であるz固定電極対Z1、Z2は、固定基板1の表面の中心部に一方の対角線に沿って分割して直角三角形に形成され、この一方の対角線に関して対称に互いに対向して他方の対角線方向に離隔して固定基板1の表面に配置されている。
【0016】
x固定電極対X1、X2は、電極面を固定基板1の2本の対角線方向およびy軸方向に沿って分割して台形に形成され、z固定電極対Z1、Z2に関してx軸方向に離隔対向して固定基板1の表面に配置されている。一方において、y固定電極対Y1、Y2は、電極面を固定基板1の2本の対角線方向およびx軸方向に沿って分割して台形に形成され、z固定電極対Z1、Z2に関してy軸方向に離隔対向して固定基板1の表面に配置されている。
x固定電極対X1,X2とy固定電極対Y1,Y2はそれぞれの電極対の可動電極Mとの間の容量差を電気信号に変換して入力加速度のとするものであり、x固定電極対X1、X2はy軸を入力軸としてy軸に関する回動運動を検出する。y固定電極対Y1,Y2は、x軸を入力軸としてx軸に関する回動運動を検出する。
【0017】
また、z固定電極対Z1,Z2は検出回路において接続され、単体の容量変化或いはバイアス相殺用の固定容量との間の容量差を電気信号に変換して入力加速度とするものであり、z軸方向の運動を検出する。z固定電極対Z1、Z2は可動電極Mの変位量が最大となるダイアフラム2の中心部分に対向して固定基板1上面の中心部に配置されて検出感度を最も効率的にしている。
固定基板1面内方向の入力加速度に対して、錘体3はx軸或いはy軸回りに傾く変位をするので、可動電極Mと入力軸方向の2つの固定電極それぞれとの間の距離に従って静電容量に差異を生じる。この静電容量の差異を電気信号に変換する回路を図2を参照して説明する。
【0018】
検出用発振回路4は所定の周波数の矩形波或いは正弦波電圧を発振し、この出力電圧は電極対を組み合せた電圧変換兼差動増幅回路部bに印加され、加速度変化がデューティサイクルの変化した矩形波出力に変換される。検出用発振回路4の出力が正弦波の場合、電圧変換兼差動増幅回路部bの出力は全波整流出力、或いは半波整流出力となる。これらの整流出力を出力用平滑回路6を介して直流電圧出力に変換し、この直流電圧出力の変化を加速度信号としている。
自己診断を行う場合、検出用発振回路4から出力される発振出力を自己診断用分周回路7において自己診断に必要な所定の周波数に分周する。自己診断用分周回路7の出力は、切り替え回路eにより検出用発振回路4の出力と切り替えられて各固定電極対に供給される。自己診断切り替え制御回路9は切り替え回路eを制御し、当該自己診断に使用する駆動しようとする固定電極には自己診断用分周回路7から出力される電圧信号を印加し、加速度検出するに使用する固定電極には検出用発振回路4から出力される電圧信号を印加する切り替えを実行する。なお、自己診断実施中は対象以外の軸の出力は不定となる。
【0019】
ここで、自己診断を実施する場合の固定電極の駆動の仕方を説明する。
自己診断用分周回路7の出力は位相の反転した2つの出力信号dp、dnより成る。ここで、自己診断実施軸に対応するx固定電極対X1,X2、y固定電極対Y1,Y2、z固定電極対Z1、Z2の組み合わせを表1に示す。表1の固定電極の組み合わせ接続に表1の対応する電圧を印加して各軸の自己診断を実施する。
【表1】
【0020】
自己診断実施軸がx軸の場合、第1のz固定電極Z1と第1のy固定電極Y1を駆動電極としてこれに出力信号dpを印加する一方、第2のz固定電極Z2を駆動電極としてこれに逆極性の出力信号dnを印加して、基準電位点に接続する可動電極Mが形成されるダイアフラム2の一方の対角線を自己診断動作軸とする回動運動を検出し、自己診断する。
自己診断実施軸がy軸の場合、同様にして、第1のz固定電極Z1と第2のx固定電極X2とを駆動電極としてこれに出力信号dpを印加する一方、第2のz固定電極Z2を駆動電極としてこれに逆極性の出力信号dnを印加して、基準電位点に接続する可動電極Mが形成されるダイアフラム2の自己診断動作軸の回動運動を検出して自己診断する。
【0021】
自己診断実施軸がz軸の場合は、x、y、固定電極全てを駆動電極としてこれに同一の出力信号を印加し、ダイアフラム2をz軸方向に運動させ、この運動を検出して自己診断する。
容量検出型自己診断3軸加速度センサの動作を具体的に説明する。3軸加速度センサは、切り替え回路81ないし87が図2に図示される状態に切り替えられている場合、3軸加速度を検出する状態にある。
自己診断実施軸がx軸の場合、自己診断切り替え制御回路9により切り替え回路83、85、87を図2に図示される状態から他方の状態に切り替える。自己診断実施軸がy軸の場合も、同様に、自己診断切り替え制御回路9により切り替え回路82、85、87を図2に図示される状態から他方の状態に切り替える。自己診断実施軸がz軸の場合は、自己診断切り替え制御回路9により、切り替え回路81、82、83、84を図2に図示される状態から他方の状態に切り替える。
【0022】
図3を参照して他の実施例を説明する。図3の実施例も、格別に自己診断用の電極を形成することをせずに、加速度検出用の固定電極自体に外部から電圧を印加し、可動電極との間の静電気力により可動電極を所定方向に運動させて、両電極間の静電容量変化を入力加速度とみなして自己診断する容量検出型自己診断加速度センサの実施例である。以下、これについて説明する。
加速度検出用の固定電極の内のx固定電極対X1、X2は電極面を固定基板1の2本の対角線方向およびy軸方向に沿って分割され直角三角形に形成され、固定基板1中心点に関して対称にx軸方向に離隔対向して固定基板1の表面に形成配置されている。y固定電極対Y1、Y2は電極面を固定基板1の2本の対角線方向およびx軸方向に沿って分割され直角三角形に形成され、固定基板1中心点に関して対称にy軸方向に離隔対向して固定基板1の表面に形成配置されている。z固定電極対Z1、Z2は、L字状に分割され、一方の対角線方向に沿って離隔してx、y固定電極の外側で固定基板1の表面の隅部に形成されている。
【0023】
錘体3および可動電極Mを支持する部材をダイアフラムではなく細い可撓性に富むヒンジ31により構成する。ヒンジ31は錘体3に接続して錘体3を錘体支持枠11に結合支持させる。4枚の剛性の板体より成る可動電極Mは、ヒンジ31に直接には接続せずに錘体3の一部を構成する錘体接合部30の下面に接合固定し、錘体3を介して間接的にヒンジ31により錘体支持枠11に結合支持されている。
ここで、可動電極Mを基準電位として第1のx固定電極X1と第2のy固定電極Y2に互に逆極性の電圧を印加することにより、可動電極Mを他方の対角線を自己診断動作軸として回動運動を検出して自己診断をする。或いは、同様に、可動電極Mを基準電位として第1のy固定電極Y1と第2のx固定電極X2に互いに逆極性の電圧を印加することにより、可動電極Mを他方の対角線を自己診断動作軸としてその回動運動を検出し、自己診断とする。
【0024】
以上の如く、可動電極Mが下向きに静電的に吸引駆動された場合、可撓性の大きいヒンジ31のみが変形し、錘体3およびこれと剛性の板体より成る可動電極Mは剛性を保持したまま両者一体で下向きに平行移動変位する。可撓性に富むヒンジ31の下向きの変位は充分大きいので、z固定電極Z1、Z2が固定基板1の中央から離れた周縁部に位置決め形成されていても、可動電極Mは大きな変位をすることにより、z軸方向の入力加速度の検出感度を充分に確保することができる。
【0025】
更に、錘体3および可動電極Mを支持する部材をダイアフラムにより構成する場合は、ダイアフラムにエッチング処理を施してメッシュ加工し、多数の穿孔を有する可撓性に富むメッシュ状ダイアフラムに形成する。これに依っても、先の可撓性に富むヒンジによる場合と同様に、z固定電極対Z1、Z2が固定基板1の中央から離れた周縁部に位置決め形成されていても、可動電極Mは大きな変位をすることにより、z軸方向の入力加速度の検出感度を充分に確保することができる。
【0026】
【発明の効果】
上述した通りであって、この発明の容量検出型自己診断3軸加速度センサは下記の通りの効果を奏す。
(1)自己診断に加速度検出用の固定電極を兼用するところから、自己診断用の電極を格別に形成する必要はないので、加速度センサにおけるセンサ検出素子の占める領域をその分だけ減少することができてセンサ全体の構造寸法を簡略化することができる。これはセンサ検出素子をシリコンウェハの如き半導体ウェハから形成する場合、半導体ウェハ1枚当たりの製造個数を増加させると共に生産効率の向上につながる。
【0027】
(2)自己診断用の電極が省略されたところから全体の引き出し線の本数が半減し、引き出し線間の絶縁に対する信頼性が向上する。
(3)z固定電極対Z1、Z2を固定基板1の表面の中心部の表面に配置することにより、自己診断に加速度検出用の固定電極を兼用する容量検出型自己診断3軸加速度センサでありながら、y固定電極を固定基板1表面の中心部に位置決め形成してz軸方向の入力加速度の検出感度を良好とするとすることができる。(4)固定電極の組み合わせ並列接続して両者に自己診断用分周回路の出力信号を印加して駆動することにより、z固定電極対のみで駆動する場合と比較してダイアフラム2の変動量が大きくなり、自己診断がより確実に実施される。
【0028】
即ち、x軸方向の駆動をさせたい時に、z固定電極対Z1,Z2だけによる駆動によっては錘体3の変位を得るに充分なパワーを得られないところ、y固定電極Y1をも並列接続して駆動することでより強いパワーを得ることができ、この駆動の変位をx固定電極対X1,X2で検出して自己診断の動作をする。y軸の自己診断についても同様である。また、x固定電極対X1、X2、y固定電極対Y1、Y2のすべて同時に自己診断用分周回路の出力電圧信号を印加して錘体3をz軸方向に駆動させながら、z固定電極対Z1,Z2で変位を検出してz軸の自己診断をすることができる。
【0029】
(5)ダイアフラム2は多数の穿孔を有する可撓性に富むメッシュ状ダイアフラムに形成し、或いは細い可撓性に富むヒンジを錘体3に接続して錘体3およびこれが接続固定される可動電極Mを錘体支持枠に結合支持する構成を採用することにより、z固定電極対Z1、Z2が固定基板1の中央から離れた周縁部に位置決め形成されていても、可動電極Mは大きな変位をすることにより、z軸方向の入力加速度の検出感度を充分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を説明する図。
【図2】静電容量の差異を電気信号に変換する回路の実施例を説明する図。
【図3】他の実施例を説明する図。
【図4】従来例を説明する図。
【図5】他の従来例を説明する図。
【符号の説明】
1 固定基板
2 ダイアフラム
3 錘体
M 可動電極
X1 第1のx固定電極
X2 第2のx固定電極
X1、X2 x固定電極対
Y1 第1のy固定電極
Y2 第2のy固定電極
Y1、Y2 y固定電極対
Z1 第1のz固定電極
Z2 第2のz固定電極
Z1、Z2 z固定電極対
Claims (2)
- 方形の固定基板と、固定基板に対向するダイアフラムと、ダイアフラム上面中央部に形成される錘体と、ダイアフラムの下面に形成される可動電極と、可動電極に対向して固定基板上面に形成される固定電極とを有し、両電極間に形成される静電容量の変化に基づいて固定基板面内の互いに直交するx軸、y軸およびこれらに直交するz軸の各軸方向の加速度を検出する容量検出型自己診断3軸加速度センサにおいて、
z軸方向の加速度を検出するためのz固定電極対は、上記方形の固定基板の表面の中心部に、その方形の固定基板の一方の対角線に沿って分割され、各々がその一方の対角線に斜辺を向けた直角三角形に形成され、この一方の対角線に関して互いに対称に対向して他方の対角線方向に離隔して固定基板の表面に配置されたz固定電極対として構成され、
x軸方向の加速度を検出するためのx固定電極対は、電極面を上記方形の固定基板の2本の対角線方向およびy軸方向に沿って分割して台形に形成され、z固定電極対に関してx軸方向に離隔対向して固定基板の表面に配置されたx固定電極対として構成され、
y軸方向の加速度を検出するためのy固定電極対は、電極面を上記方形の固定基板の2本の対角線方向およびx軸方向に沿って分割して台形に形成され、上記z固定電極対に関してy軸方向に離隔対向して固定基板の表面に配置されたy固定電極対として構成され、
選択された上記固定電極に自己診断電圧を印加して、自己診断実施軸がx軸又はy軸の場合は、上記一方の対角線を自己診断動作軸とする可動電極の回転運動を検出し、自己診断実施軸がz軸の場合は、z軸方向の可動電極の運動を検出して自己診断し、
上記x固定電極対、y固定電極対、ならびにz固定電極対はそれぞれ、第1および第2のx固定電極、第1および第2のy固定電極、第1および第2のz固定電極であり、
可動電極を基準電位点に接続し、
第1のy固定電極と第1のz固定電極とを一方の極性の電圧で駆動すると共に第2のz固定電極を他方の極性の電圧で駆動してx軸方向の自己診断を行い、
第2のx固定電極と第1のz固定電極とを一方の極性の電圧で駆動すると共に第2のz固定電極を他方の極性の電圧で駆動してy軸方向の自己診断を行い、
x固定電極対とy固定電極対とを一方の極性の電圧で駆動してz軸方向の自己診断をそれぞれ行うことを特徴とする容量検出型自己診断3軸加速度センサ。 - 請求項1に記載される容量検出型自己診断3軸加速度センサにおいて、
所定の周波数の矩形波或いは正弦波電圧を発振する検出用発振回路を具備し、
検出用発振回路から出力される発振出力を自己診断に必要な所定の周波数に分周する自己診断用分周回路を具備し、
検出用発振回路の出力と自己診断用分周回路の出力を切り替えて各固定電極対に供給する切り替え回路を具備し、
切り替え回路を切り替える自己診断切り替え制御回路を具備し、自己診断に使用する駆動しようとする固定電極には自己診断用分周回路から出力される電圧信号を印加し、加速度検出するに使用する固定電極には検出用発振回路から出力される電圧信号を印加する切り替えを実行することを特徴とする容量検出型自己診断3軸加速度センサ。
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JP2003088228A JP4219200B2 (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | 容量検出型自己診断3軸加速度センサ |
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