JPH11248741A - 静電容量型多軸加速度センサ - Google Patents

静電容量型多軸加速度センサ

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JPH11248741A
JPH11248741A JP10060337A JP6033798A JPH11248741A JP H11248741 A JPH11248741 A JP H11248741A JP 10060337 A JP10060337 A JP 10060337A JP 6033798 A JP6033798 A JP 6033798A JP H11248741 A JPH11248741 A JP H11248741A
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JP
Japan
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electrode
acceleration
fixed
attractive force
movable body
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Withdrawn
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JP10060337A
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English (en)
Inventor
Koichi Hikasa
浩一 日笠
Katsumi Hosoya
克己 細谷
Keisuke Uno
圭輔 宇野
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01PMEASURING LINEAR OR ANGULAR SPEED, ACCELERATION, DECELERATION, OR SHOCK; INDICATING PRESENCE, ABSENCE, OR DIRECTION, OF MOVEMENT
    • G01P15/00Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration
    • G01P15/02Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses
    • G01P15/08Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values
    • G01P2015/0805Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration
    • G01P2015/0822Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass
    • G01P2015/084Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass the mass being suspended at more than one of its sides, e.g. membrane-type suspension, so as to permit multi-axis movement of the mass

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡略な構成により他軸の干渉を防止すること
ができ、加速度の検出を多軸について高精度に行える静
電容量型多軸加速度センサを提供すること 【解決手段】 可動電極15の上方に、X軸の検出電極
31,32を対に配置するとともに、Y軸の検出電極も
対に配置する。第1,第2補正用固定電極35,36
を、可動電極15の上方及び下方に対向させて配置す
る。第1補正用固定電極に定電圧Vbzを印加し、第2
補正用固定電極に可変電圧Vbdを印加する。Z軸方向
の加速度が作用すると、これを相殺する静電引力を発生
させるように可変電圧Vbdを調整する。このフィード
バック制御により可動電極15のZ軸方向の移動が阻止
され、他軸干渉がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスメータやエレ
ベータなどにおいて地震の振動を検知する感震器及び自
動車のエアバッグ装置やナビゲーション装置などにおい
て振動と衝撃の検知器等として用いられる静電容量型多
軸加速度センサに関するもので、より具体的には、可動
電極の変位を静電引力により定値制御するようにした静
電容量型多軸加速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】図1,図2は従来の静電容量型多軸加速
度センサの一例を示している。同図に示すように、この
加速度センサは、4枚の基板を積層して構成している。
つまり、下から順に半導体固定基板1,ガラス基板2,
半導体基板3,ガラス固定基板4を積層して接合する。
そして、半導体基板3には、その内側を分離させて可動
電極5を形成するとともに、その可動体5に梁6を渡し
て周囲の枠体と連結し、内側空間の定位置に可動体5が
収まるようにしている。そしてこの可動体5の上面が可
動電極5aとなる。
【0003】この可動体5の下面には重り7を取り付け
ている。この重り7は、ガラス基板2から分離して形成
してある。そして、最上のガラス固定基板4の下面に
は、X軸,Y軸,Z軸の3方向の加速度軸について検出
するため5つの固定電極8a〜8eを形成してある。具
体的な各電極の配置レイアウトは、略正方形の固定電極
8eを中央に配置し、これを取り囲んで略台形の固定電
極8a〜8dを90度毎に配置している。可動電極5a
は共通電極となり、その電極面と5つの固定電極8a〜
8eとの間には、静電容量C8a〜C8eが形成され
る。
【0004】係る構成においては、加速度が0の平常状
態では、4つの固定電極8a〜8dと可動電極5aとは
平行で距離が等しくなり、また、各固定電極8a〜8e
と可動電極5aの重なり合う面積も等しくなる。これに
より、各電極間に発生する静電容量は等しくなる。
【0005】ここで、互いに直交する3軸を、いわゆる
右手系の座標としてX軸,Y軸,Z軸と呼び、X軸とY
軸とが上記電極がなす平面に含まれるとすると、Z軸は
電極がなす平面に直交する。
【0006】このX軸方向のみに加速度が加わった場
合、可動体5は梁6で支持している部分よりも下方に重
心があるため、可動体5がスイング動作する。このた
め、その加速度の方向にある固定電極8aと可動電極5
aの間隔が短くなり、逆に固定電極8bと可動電極5a
の間隔が長くなる。同様に、Y軸方向のみに加速度が加
わったとすると、固定電極8cと可動電極5aの間隔が
短くなり、逆に固定電極8dと可動電極5aの間隔が長
くなる。そして、Z軸方向のみに加速度が加わったとす
ると、固定電極8eと可動電極5aの間隔が短くなる。
【0007】このように各電極間の間隔が変化すること
から、各電極間に発生する静電容量も変化し、しかも変
化のパターンは、加速度が加わる方向により異なるの
で、各電極間に発生する静電容量の変化量を検出するこ
とにより、その加速度の方向と大きさを知ることができ
る。
【0008】つまり図示の例では、X軸方向に沿って配
置された固定電極8a,8bがX軸方向の検出用とな
り、それらと直交して配置された固定電極8c,8dが
Y軸方向の検出用となっていて、中央の固定電極8eが
Z軸方向の検出用となっている。そして、固定電極8a
〜8eと可動電極5aとの間には、間隔に応じた静電容
量が発生しているので、固定電極8a,8bと可動電極
5aとの間の静電容量は、加速度が加わらない状態で
は、電極間隔が等しいため同一の値をとる。ここでX軸
方向に加速度が加わると、可動体5がスイング動作して
傾き、固定電極8a側の間隔が狭まって静電容量が増加
し、固定電極8b側の間隔が広がって静電容量は減少す
る。当然のことながら、(−X)方向に加速度が加わる
と、上記と逆の現象となる。そして、加速度が大きいほ
ど、可動電極5aの変位量が大きくなるので、その静電
容量の差も大きくなる。
【0009】従って、図2に示すように外部回路を接続
して、2つの静電容量の差を求めることにより、X軸方
向について加速度の向きと大きさを検出することができ
る。同様に、固定電極8c,8dと可動電極5aとの間
に発生する静電容量の差から、Y軸方向について加速度
の向きと大きさを検出することができ、Z軸方向につい
ては静電容量の容量変化から加速度の向きと大きさを検
出することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、係る従
来の加速度センサにあっては、検出方向ではない他軸の
加速度により検出方向のセンサ出力が変動するという他
軸干渉の問題があった。これは例えば、X軸方向の加速
度が作用すると、図3に実線で示すように、可動電極5
aがスイング動作して傾き、前述したようにX軸用の固
定電極8a,可動電極5a間の静電容量が増加し、固定
電極8b側の静電容量は減少する。このとき同時にZ軸
方向の加速度も作用した場合には、図3に一点鎖線で示
すように、可動電極5aが上に平行移動して、固定電極
8a〜8eとの間隔が全体で同等に狭まる。すると、X
軸に関わる静電容量は、電極間隔に反比例する物理量で
あるため可動電極5aがすでに傾いている状態では等値
には変化しなく、このため静電容量の差が変動してしま
い、干渉される。
【0011】この他軸を干渉してしまうという現象は、
X,Y平面に含まれる梁6により可動体5(可動電極5
a)が支持された構造のため、Z軸方向の加速度が他軸
に及ぼす影響が大きく、X軸及びY軸のセンサ出力を大
きく変動させてしまうため補正する必要がある。係る補
正を行うため、従来は、センサ出力を信号処理する測定
回路に補正機能を持たせるようにしている。このため、
信号処理が複雑になり、コストが増して好ましくない。
【0012】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、簡略な構成により他
軸の干渉を防止することができ、加速度の検出を高精度
に行える静電容量型多軸加速度センサを提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る静電容量型多軸加速度センサで
は、複数の固定電極が形成された固定基板と、その固定
基板に接合される半導体基板と、前記半導体基板の反対
側に直接または所定基板を介して接合される他の固定基
板とを有し、前記半導体基板は、前記固定基板と接合さ
れる枠体と、その枠体の内側に配置され加速度を受けて
変位する可動体と、その可動体を前記枠体に対して弾性
支持する梁とを有し、その可動体の前記固定電極に対向
する面に所定のギャップをおいて可動電極を設け、その
可動電極と前記固定電極との間に発生する静電容量に基
づいて複数方向の加速度を検知する半導体容量型多軸加
速度センサであって、前記可動体と前記固定基板との間
に静電引力を発生させる第1引力発生手段と、前記可動
体またはその可動体と一体に移動する部材(実施の形態
の「重り11b」に対応)と、前記他の固定基板の対向
する表面の間に静電引力を発生させる第2引力発生手段
とを備え、前記各引力発生手段のうち少なくとも一方
は、発生させる静電引力を調整可能とする。さらに、前
記各基板の積層方向の加速度を打ち消すような静電引力
を前記可動体に与えるように前記静電引力の調整を制御
する制御手段とを備えるように構成した(請求項1)。
【0014】実施の形態では、第1,第2引力発生手段
は、一方がZ軸制御回路19の機能の一部により実現さ
れ(静電引力を調整できる方)、他方がZ軸定電圧源2
0により実現されている。そして、制御手段は、容量変
換回路20の出力を受けて動作するZ軸制御回路19に
より実現されている。
【0015】そして、好ましくは、前記制御手段が行う
前記静電引力の調整量に対応する情報に基づいて、その
積層方向の加速度を検出するように構成することである
(請求項2)。これら請求項1,2に記載の発明は、第
1の実施の形態(図8に示す変形例も含む)により具体
化されている。
【0016】また、別の解決手段としては、固定基板
と、その固定基板に接合される半導体基板と、前記半導
体基板の反対側に直接または所定基板を介して接合され
る他の固定基板とを有し、前記半導体基板は、前記固定
基板と接合される枠体と、その枠体の内側に配置される
可動体と、その可動体を前記枠体に対して弾性支持する
梁とを有し、加速度を受けて前記可動体が移動しようと
した際に、前記加速度を相殺する静電引力を前記可動体
に与える引力発生手段と、前記引力発生手段が発生する
前記加速度を相殺する静電引力の大きさに基づいて前記
加速度に対応する信号を出力するように構成することで
ある(請求項3)。
【0017】さらに、別の解決手段としては、複数の固
定電極が形成された固定基板と、その固定基板に接合さ
れる半導体基板と、前記半導体基板の反対側に直接また
は所定基板を介して接合される他の固定基板とを有し、
前記半導体基板は、前記固定基板と接合される枠体と、
その枠体の内側に配置され加速度を受けて変位する可動
体と、その可動体を前記枠体に対して弾性支持する梁と
を有し、その可動体の前記固定電極に対向する面に所定
のギャップをおいて可動電極を設け、前記可動体と前記
固定基板との間にそれぞれ補正用電極(実施の形態で
は、可動体側の補正電極は、可動電極により兼用させて
いる。)を設け、前記可動体またはその可動体と一体に
移動する部材(実施の形態では、「重り」に対応する)
と、前記他の固定基板の対向する表面にそれぞれ他の補
正用電極(実施の形態では、可動体(重り)側の補正電
極は、その下面をそのまま用いている)を設け、前記対
向する前記固定電極と前記可動電極間及び前記補正電極
間と前記他の補正電極間には、それぞれ電圧を印可して
静電引力を発生させる引力発生手段をさらに設け、同一
軸方向の加速度を検出するための複数の固定電極に接続
された前記引力発生手段のうち少なくとも一つは発生さ
せる静電引力を調整可能とするとともに、他の固定電極
と対向する可動電極間に発生する静電容量が一定になる
ように前記調整可能な引力発生手段を制御する手段をさ
らに設け、かつ、前記補正用電極間と前記他の補助電極
間に取り付けられた各引力発生手段のうち少なくとも一
方は、発生させる静電引力を調整可能とし、他の引力発
生手段が取り付けられた電極間に発生する静電容量が一
定になるように前記調整可能な引力発生手段を制御する
手段をさらに設け、前記制御する手段が行う前記静電引
力の調整量に対応する情報に基づいて、所定方向の加速
度を検出するように構成してもよい(請求項4)。
【0018】請求項3,4は、第2の実施の形態により
具体化されており、この請求項における引力発生手段
は、定電圧源17,22や、制御回路19,19a(Y
軸方向用の引力発生手段は図示省略)により実現されて
いる。そして、制御する手段は、各軸方向の検出用の電
極間の静電容量を検出する容量変換回路20,20aの
出力を受けて動作する制御回路19,19aにより実現
されている。
【0019】本発明では、基板の積層方向の加速度がか
かった場合に、その加速度を相殺するような静電引力を
可動体に対して与えることにより、可動体(可動電極)
がその積層方向に移動するのを抑制する。これにより、
他軸干渉の影響を無くすことができ、高精度な測定が行
える。
【0020】そして、係る積層方向の加速度も検出した
い場合には、請求項2を実施することにより実現でき
る。すなわち、可動体の移動を停止するために加える静
電引力は、加速度に対応して一義的に決まる。したがっ
て、その静電引力を発生させる信号に基づいて加速度を
算出できる。
【0021】そして、この原理を利用した請求項3,4
の発明によれば、検出方向のすべてに対し、加速度を相
殺するような静電引力を発生させる。これにより、可動
電極が実際には動かない状態で加速度を検出することが
可能となり、他軸干渉を抑制できる。
【0022】
【発明の実施の形態】図4〜図7は、本発明に係る静電
容量型多軸加速度センサの第1の実施の形態を示してい
る。同図に示すように、この加速度センサは、4枚の基
板を積層して構成している。但し、図1に示す従来と相
違して2枚の半導体基板11,12の上下にガラス固定
基板13,14が配置されている。
【0023】各半導体基板11,12は、シリコン等の
半導体チップであって、上側の半導体基板12は、エッ
チングにより平面ロ字型の枠体12aの内側に梁16を
介して可動体12bが形成されている。そして、その可
動体12bの上面が可動電極15となる。これにより可
動体12b(可動電極15)が弾性支持され、枠体12
aの内側空間の定位置に収まるようになっている。
【0024】また、下側の半導体基板11は、図6に示
すように井桁状にダイシングすることにより、周囲の複
数のブロックからなる枠体11aの内側に、周囲から分
離独立した重り11bを形成している。そしてこの重り
11bが本形態では、可動体12bの下面に接合され、
可動体12bと一体に移動するようになっている。この
ように重り11bを取り付けることにより、加速度を受
けて移動する部材(可動体12b+重り11b)の重量
が増すので、感度が向上する。なお、重り11bの下面
側は、エッチングにより削られており、下側の第2ガラ
ス固定基板14に接触せずにスイング移動可能となって
いる。
【0025】なお、本実施の形態では、このように2枚
の半導体基板11,12を積層して各部を形成している
が、所望する厚みの1枚の半導体基板から各部を形成し
てももちろんよい。また、従来と同様に下側の半導体基
板11をガラス板から構成してもよい。なおまた、本実
施の形態では、このように2枚の半導体基板11,12
を積層して各部を形成しているが、所望する厚みの1枚
の半導体基板から各部を形成してももちろんよい。
【0026】一方、第1,第2ガラス固定基板13,1
4は、両者の厚みが同一に設定されている。上側の第1
ガラス固定基板13の下面には、図5に示すように、可
動電極15の上面に対向する位置にX軸,Y軸方向の加
速度を検出するための4つの固定電極31〜34と、第
1補正用固定電極35を設けている。具体的には、第1
補正用固定電極35は略正方形状とされており、これは
基板面の中央に設けられている。この第1補正用固定電
極35は、従来であれば単純にZ軸検出用の固定電極と
して用いられていたものであるが、本形態においては、
主として後述するように可動体12bのZ軸方向の移動
を抑制するために機能する。
【0027】また、各固定電極31〜34は、略台形状
で同面積とされており、第1補正用固定電極35を取り
囲んで90度毎に配置されている。そして、第1補正用
固定電極35を挟んで反対側に位置する固定電極31,
32がX軸方向の検出用となり、それらと直交する固定
電極33,34がY軸方向の検出用となっている。これ
により、共通電極となる可動電極15と4つの固定電極
31〜34との間には、距離に応じた静電容量Cx1,
Cx2,Cy1,Cy2が発生する。また、第1補正用
固定電極35と可動電極15の間にも、距離に応じた静
電容量Cz1が発生する。
【0028】一方、第2ガラス固定基板14の上面に
は、可動体12b(可動電極15)と一体になって移動
する重り11bの下面に対向する位置に第2補正用固定
電極36が設けられいる。この第2補正用固定電極36
は、第1補正用固定電極35と同一形状で、上下に重な
る位置に形成されている。そして、重り11bも半導体
基板で形成されているので、その重り11bの下面と第
2補正用固定電極36の間には、距離に応じた静電容量
Cz2が発生している。そして、本形態では、上側の半
導体基板12の上面中央のエッチング量と下側の半導体
基板11の下面中央のエッチング量を等しくすることに
より、加速度がかからない平常状態における第1補正用
固定基板35と可動電極15間の距離と、第2補正用固
定基板36と重り11bの下面間の距離が等しくなり、
それぞれで発生する静電容量Cz1,Cz2が等しくな
る。
【0029】上記した各電極は、図7に示すように、外
部回路と接続されている。すなわち、X軸用の固定電極
31,32と可動電極15が差動増幅回路18に接続さ
れる。この差動増幅回路18は、実際には入力側にC−
V変換回路を設け、各固定電極31,32と可動電極1
5の間に発生する静電容量Cx1,Cx2に対応する電
圧値に変換し、その変換した電圧値同士の差を所定倍し
た値を出力するようになっている。また、具体的な図示
は省略するが、Y軸用の固定電極33,34と可動電極
15の間にも上記と同様の差動増幅回路が設けられ、両
電極間に発生する静電容量の差に応じた電圧値を出力す
るようになっている。そして、係るX軸方向出力Vx 及
びY軸方向出力Vy の正負及びその大きさから加速度の
方向と大きさを検出することができるようになってい
る。係るX,Y軸方向の検出手法は、従来と同様であ
る。
【0030】ここで本発明では、第1補正用固定電極3
5と可動電極15の間に、Z軸定電圧源20を接続し、
両電極間に定電圧Vbzを印加するようになっている。
これにより、第1補正用固定電極35と可動電極15と
の間に所定の静電引力が発生する。一方、Z軸制御回路
19は、第2補正用固定電極36と重り11bの下面と
の間に所定の電圧を印可するようにしている。
【0031】これにより、第2補正用固定電極36と重
り11bとの間にも所定の静電引力が発生する。そし
て、重り11bと可動体12b(可動電極15)は一体
となっているので、それら両静電引力や可動体等にかか
る重力などにより両ガラス固定基板13,14側に引き
寄せられるので、そのバランスのとれた位置に停止す
る。そして、その停止した状態では第1補正用固定電極
35と、可動電極15の間に距離に応じた静電容量Cz
1が発生する。
【0032】ところで、仮にZ軸制御回路19を介して
印可される電圧値を固定とすると、上記のように可動体
12bが停止した状態からZ軸方向に加速度がかかる
と、可動体12bはその加速度の方向に移動する。すな
わち、例えば上方(Z軸正方向)に加速度がかかると、
可動電極15と第1補正用固定電極35との距離が短く
なり、そこに発生する静電容量Cz1も増加する。する
と、従来と同様に他軸干渉の問題が生じる。そこで本形
態では、可動電極15と第1補正用固定電極35の間に
発生する静電容量Cz1を、容量変換回路20を介して
監視し、その静電容量Cz1に応じた出力を上記Z軸制
御回路19に与えるようにしている。容量変換回路20
は、例えばC−V変換回路により実現できる。
【0033】そして、Z軸制御回路19では、容量変換
回路20から与えられる値が所定の基準値になるように
印加電圧Vbdを調整するようにしている。つまり、静
電容量Cz1が一定であれば、可動体12b等はZ軸方
向の変位がないことになる。従って、上記した加速度が
かからない状態における静電容量Cz1を維持するよう
に印加電圧Vbdを調整することにより、たとえZ軸方
向の加速度がかかった場合であっても、それと逆方向の
静電引力を発生させることにより相殺し、Z軸方向の変
位を阻止する。つまり、Z軸(正)方向に加速度がかか
った場合には、印加電圧Vbdを大きくし、Z軸(負)
方向に加速度がかかった場合には、印加電圧Vbdを小
さくなるように調整する。これにより、可動体12b
(可動電極15)のZ軸方向の移動が抑制されるので、
他軸干渉の影響がなく、精度よくX,Y軸方向の加速度
を検出することができる。
【0034】また、上記の構成によれば、X軸,Y軸方
向の加速度を検出するのは従来と同様の方法により行え
る。そして、Z軸方向の加速度も検出したい場合には、
以下のようにして測定できる。つまり、本実施の形態で
は、可動電極15がZ軸方向には変位しないため、その
可動電極15と第1補正用固定電極35との間の静電容
量Cz1は一定となる。よって、係る静電容量Cz1に
基づいて加速度を計測することはできない。
【0035】そこで、Z軸制御回路19の出力Vzに基
づいてZ軸方向の加速度を検出するようにした。つま
り、上記したようにZ軸制御回路19は、Z軸方向の加
速度の大きさに基づいて印加電圧Vbdを調整するもの
であるので、印加電圧Vbdの値からZ軸方向の加速度
を算出できる。つまり、Z軸方向の加速度がない場合に
は印加電圧Vbdが一定の基準電圧となるので、その基
準電圧よりも大きい場合にはZ軸の正方向の加速度がか
かり、基準電圧よりも小さい場合にはZ軸の負方向の加
速度がかかることになる。そして、基準電圧との差が大
きいほど加速度も大きくかかっていることになる。そし
て、係る印加電圧Vbdに対応した信号(電圧値)を出
力することにより、Z軸方向の加速度の向きと大きさを
算出するようにした。
【0036】なお、Z軸定電圧源20とZ軸制御回路1
9は、図8に示すように、逆に接続した構成としてもよ
い。つまり、Z軸定電圧源175を第2補正用固定電極
36に接続して、その第2補正用固定電極36に定電圧
Vb5を印加して、第2補正用固定電極36と可動電極1
5との間に所定の静電引力を発生させる。そして、Z軸
制御回路19の出力側は、第1補正用固定電極35と接
続し、補正信号の電圧Vbdを第1補正用固定電極3
5,可動電極15間に印加させる構成をとる。この場合
も同様に動作し、同様の作用効果を得ることができる。
【0037】図9は、本発明の第2の実施の形態を示し
ている。この加速度センサは、図7に示すZ軸の構成に
加えて、X軸及びY軸についても静電引力により可動電
極15の静止バランスをとるように構成されている。
【0038】つまり、X軸の検出電極の一方の固定電極
31と可動電極15の間にはX軸定電圧源22が接続さ
れ、固定電極31と可動電極15間に定電圧Vbx1を
印加するようになっている。これにより、第1固定電極
31と可動電極15との間に所定の静電引力が発生す
る。そして他方のX軸検出用の固定電極32と可動電極
の間に発生する静電容量を容量変換回路20aにて検出
し、その検出結果をX軸制御回路19aに与えるように
している。そして、X軸制御回路19aの出力側はX軸
検出用の固定電極32と接続されており、可動電極15
のX軸方向の変位を相殺する静電引力に相当する補正信
号である電圧Vbx2を、固定電極32に印加するフィ
ードバックループが形成されている。
【0039】なお、図示省略するがY軸についても同様
となる。また、Z軸方向については、上記した第1の実
施の形態と同様である。このような構成によれば、X軸
及びY軸方向についても静電引力により可動電極15の
静止バランスがとられる。そして前述した実施の形態と
同様の原理に従い、X軸及びY軸方向の加速度による変
位を引き戻す方向に静電引力が作用するので加速度がか
かっても可動体12b(可動電極15)は動かずに、定
常状態と同一姿勢を保つ。このように、可動電極15が
3軸全てに関して定位置に止められて変位しないので、
相互干渉の影響が全くなくなる。
【0040】そして、各軸方向の加速度の方向及びまた
は大きさの検出は、上記した第1の実施の形態における
Z軸方向の加速度検出と同様に、各制御回路19,19
aからの出力(制御対象の印加電圧の大きさ・増減)に
基づいて行える。従って、本形態では、可動体12b
(可動電極15)が実際に移動するのが抑制される(こ
の意味では、「可動」という称呼は適しないかもしれな
いが、移動しようとしている電極という意味で本形態で
は「可動電極」,「可動体」と称する)ため、他軸干渉
のない高精度な加速度の測定が行える。しかも、可動体
12b(可動電極15)が移動しないため、従来のよう
に可動体(可動電極)・重りがスイングするための領域
を確保する必要がなくなるので、元々の電極間距離を短
くし、感度の向上を図ることができ、また、電極面積を
小さくすることもできるので、チップサイズの小型化を
図ることもできる。さらには、スイングしないため、長
期にわたって損傷することなく、安定動作する。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る静電容量型
多軸加速度センサでは、基板の積層方向(Z軸方向)の
加速度が作用した場合に、これを相殺する静電引力が可
動体(可動電極)等に対して作用するので、可動電極は
Z軸方向には移動できない。従って、可動電極はZ軸方
向に対して定位置に止められる。これにより、X軸及び
Y軸には何ら影響がなく、X軸方向に加わった加速度を
精度よく検出することができ、Y軸方向の加速度も精度
よく検出することができる。すなわち、他軸の干渉を防
止することができる。このように他軸干渉がないので、
X軸及びY軸のセンサ出力は、従来のように複雑な補正
処理を行う必要がなく、直ちに高精度な検出値を得るこ
とができる。このため、加速度を測定するための外部回
路は簡略な構成となり、加速度の検出を高精度に行え
る。
【0042】また、そのように移動させない方向の加速
度は、相殺するために必要とした静電引力に基づいて算
出することができる(請求項2)。したがって、究極に
は請求項3,4に記載するように、複数の方向に対して
移動を阻止するための静電引力を印加できるようにする
ことによって、可動電極を移動させずに加速度の測定が
可能となる。そして、可動電極が移動しないので、他軸
干渉ももちろん発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の加速度センサの一例を示す断面図であ
る。
【図2】図1に示す従来例の各電極を説明する斜視図で
ある。
【図3】従来の問題点を説明する図である。
【図4】本発明に係る静電容量型多軸加速度センサの第
1の実施の形態を示す断面図である。
【図5】第1の実施の形態における電極の配置構造を示
す図である。
【図6】半導体基板12を示す平面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるセンサに接
続する回路の一例を示す図である。
【図8】本発明の変形例を示す図である。
【図9】本発明に係る静電容量型多軸加速度センサの第
2の実施の形態における図7に対応する図である。
【符号の説明】
11,12 半導体基板 11b 重り 12b 可動体 13,14 固定基板 15 可動電極 16 梁 17 Z軸定電圧源 19 Z軸制御回路 19a X軸制御回路 20 容量変換回路 22 X軸定電圧源 31〜34 固定電極 35 第1補正用固定電極 36 第2補正用固定電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の固定電極が形成された固定基板
    と、 その固定基板に接合される半導体基板と、 前記半導体基板の反対側に直接または所定基板を介して
    接合される他の固定基板とを有し、 前記半導体基板は、前記固定基板と接合される枠体と、
    その枠体の内側に配置され加速度を受けて変位する可動
    体と、その可動体を前記枠体に対して弾性支持する梁と
    を有し、その可動体の前記固定電極に対向する面に所定
    のギャップをおいて可動電極を設け、その可動電極と前
    記固定電極との間に発生する静電容量に基づいて複数方
    向の加速度を検知する半導体容量型多軸加速度センサで
    あって、 前記可動体と前記固定基板との間に静電引力を発生させ
    る第1引力発生手段と、 前記可動体またはその可動体と一体に移動する部材と、
    前記他の固定基板の対向する表面の間に静電引力を発生
    させる第2引力発生手段とを備え、 前記各引力発生手段のうち少なくとも一方は、発生させ
    る静電引力を調整可能とし、 かつ、前記各基板の積層方向の加速度を打ち消すような
    静電引力を前記可動体に与えるように前記静電引力の調
    整を制御する制御手段とを備えた静電容量型多軸加速度
    センサ。
  2. 【請求項2】 前記制御手段が行う前記静電引力の調整
    量に対応する情報に基づいて、その積層方向の加速度を
    検出するようにした請求項1に記載の静電容量型多軸加
    速度センサ。
  3. 【請求項3】 固定基板と、 その固定基板に接合される半導体基板と、 前記半導体基板の反対側に直接または所定基板を介して
    接合される他の固定基板とを有し、 前記半導体基板は、前記固定基板と接合される枠体と、
    その枠体の内側に配置される可動体と、その可動体を前
    記枠体に対して弾性支持する梁とを有し、 加速度を受けて前記可動体が移動しようとした際に、前
    記加速度を相殺する静電引力を前記可動体に与える引力
    発生手段と、 前記引力発生手段が発生する前記加速度を相殺する静電
    引力の大きさに基づいて前記加速度に対応する信号を出
    力するように構成した静電容量型多軸加速度センサ。
  4. 【請求項4】 複数の固定電極が形成された固定基板
    と、 その固定基板に接合される半導体基板と、 前記半導体基板の反対側に直接または所定基板を介して
    接合される他の固定基板とを有し、 前記半導体基板は、前記固定基板と接合される枠体と、
    その枠体の内側に配置され加速度を受けて変位する可動
    体と、その可動体を前記枠体に対して弾性支持する梁と
    を有し、 その可動体の前記固定電極に対向する面に所定のギャッ
    プをおいて可動電極を設け、 前記可動体と前記固定基板との間にそれぞれ補正用電極
    を設け、 前記可動体またはその可動体と一体に移動する部材と、
    前記他の固定基板の対向する表面にそれぞれ他の補正用
    電極を設け、 前記対向する前記固定電極と前記可動電極間及び前記補
    正電極間と前記他の補正電極間には、それぞれ電圧を印
    可して静電引力を発生させる引力発生手段をさらに設
    け、 同一軸方向の加速度を検出するための複数の固定電極に
    接続された前記引力発生手段のうち少なくとも一つは発
    生させる静電引力を調整可能とするとともに、他の固定
    電極と対向する可動電極間に発生する静電容量が一定に
    なるように前記調整可能な引力発生手段を制御する手段
    をさらに設け、 かつ、前記補正用電極間と前記他の補助電極間に取り付
    けられた各引力発生手段のうち少なくとも一方は、発生
    させる静電引力を調整可能とし、他の引力発生手段が取
    り付けられた電極間に発生する静電容量が一定になるよ
    うに前記調整可能な引力発生手段を制御する手段をさら
    に設け、 前記各制御する手段が行う前記静電引力の調整量に対応
    する情報に基づいて、所定方向の加速度を検出するよう
    にしたことを特徴とする静電容量型多軸加速度センサ。
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