JPH11242051A - 静電容量型多軸加速度センサ - Google Patents
静電容量型多軸加速度センサInfo
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- JPH11242051A JPH11242051A JP10057359A JP5735998A JPH11242051A JP H11242051 A JPH11242051 A JP H11242051A JP 10057359 A JP10057359 A JP 10057359A JP 5735998 A JP5735998 A JP 5735998A JP H11242051 A JPH11242051 A JP H11242051A
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- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01P—MEASURING LINEAR OR ANGULAR SPEED, ACCELERATION, DECELERATION, OR SHOCK; INDICATING PRESENCE, ABSENCE, OR DIRECTION, OF MOVEMENT
- G01P15/00—Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration
- G01P15/02—Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses
- G01P15/08—Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values
- G01P2015/0805—Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration
- G01P2015/0822—Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass
- G01P2015/084—Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass the mass being suspended at more than one of its sides, e.g. membrane-type suspension, so as to permit multi-axis movement of the mass
Landscapes
- Pressure Sensors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 半導体基板のサイズを大きくせずに感度性能
を向上することができ、加速度の検出を多軸について高
精度に行える静電容量型多軸加速度センサを提供するこ
と 【解決手段】 固定基板14と半導体基板11と半導体
基板12と半導体基板13と固定基板15を下から順に
積層する。固定基板14,15はガラス等の絶縁性の板
材からなす。半導体基板11,12,13を積層した内
側に、エッチングにより内側を分離させて可動電極16
を形成し、中央の半導体基板12から複数の梁17を渡
して弾性支持する。固定基板15の下面に、5つの第1
固定電極51〜55を設けるとともに、固定基板14の
上面に、5つの第2固定電極41〜45を設け、両固定
電極は合同で対称に形成する。可動電極16の上下両側
に静電容量の検出空間を形成するので、静電容量の変化
量が大きくなる。
を向上することができ、加速度の検出を多軸について高
精度に行える静電容量型多軸加速度センサを提供するこ
と 【解決手段】 固定基板14と半導体基板11と半導体
基板12と半導体基板13と固定基板15を下から順に
積層する。固定基板14,15はガラス等の絶縁性の板
材からなす。半導体基板11,12,13を積層した内
側に、エッチングにより内側を分離させて可動電極16
を形成し、中央の半導体基板12から複数の梁17を渡
して弾性支持する。固定基板15の下面に、5つの第1
固定電極51〜55を設けるとともに、固定基板14の
上面に、5つの第2固定電極41〜45を設け、両固定
電極は合同で対称に形成する。可動電極16の上下両側
に静電容量の検出空間を形成するので、静電容量の変化
量が大きくなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスメータやエレ
ベータなどにおいて地震の振動を検知する感震器及び自
動車のエアバッグ装置の加速度センサ等として用いられ
る静電容量型多軸加速度センサに関するもので、より具
体的には、センサ基板を大形化せずに電極間の静電容量
を大きく得られるようにした静電容量型多軸加速度セン
サに関する。
ベータなどにおいて地震の振動を検知する感震器及び自
動車のエアバッグ装置の加速度センサ等として用いられ
る静電容量型多軸加速度センサに関するもので、より具
体的には、センサ基板を大形化せずに電極間の静電容量
を大きく得られるようにした静電容量型多軸加速度セン
サに関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、静電容量型の多軸加速度センサ
の一例を示す縦断面図であり、図2はその電極を説明す
るため、A−A位置における横断面図(ガラス固定基板
4を取り除いた平面図)である。
の一例を示す縦断面図であり、図2はその電極を説明す
るため、A−A位置における横断面図(ガラス固定基板
4を取り除いた平面図)である。
【0003】この加速度センサは、半導体固定基板1と
ガラス基板2と半導体基板3とガラス固定基板4を下か
ら順に積層した4層構造からなり、上側の半導体基板3
には、内側を分離させて可動電極5を形成するととも
に、その可動電極5に梁3aを渡して、内側空間の定位
置に可動電極5が収まるようにしている。可動電極5の
下面には重り6を取り付けている。この重り6は、下側
のガラス基板2から分離して形成している。そして、最
上のガラス固定基板4の下面には、4つの同一形状から
なる固定電極7a〜7dを形成している。
ガラス基板2と半導体基板3とガラス固定基板4を下か
ら順に積層した4層構造からなり、上側の半導体基板3
には、内側を分離させて可動電極5を形成するととも
に、その可動電極5に梁3aを渡して、内側空間の定位
置に可動電極5が収まるようにしている。可動電極5の
下面には重り6を取り付けている。この重り6は、下側
のガラス基板2から分離して形成している。そして、最
上のガラス固定基板4の下面には、4つの同一形状から
なる固定電極7a〜7dを形成している。
【0004】係る構成においては、加速度が0の平常状
態では、4つの固定電極7a〜7dと可動電極5とは平
行で距離が所定値となり、また、各固定電極7a〜7d
と可動電極5の重なり合う面積も等しくなる。
態では、4つの固定電極7a〜7dと可動電極5とは平
行で距離が所定値となり、また、各固定電極7a〜7d
と可動電極5の重なり合う面積も等しくなる。
【0005】ここで、互いに直交する3軸を、いわゆる
右手系の座標としてX軸,Y軸,Z軸と呼び、X軸とY
軸とが上記各固定電極7a〜7dが存在する平面に含ま
れるとすると、Z軸はそれら各固定電極7a〜7dが存
在する平面に直交する。
右手系の座標としてX軸,Y軸,Z軸と呼び、X軸とY
軸とが上記各固定電極7a〜7dが存在する平面に含ま
れるとすると、Z軸はそれら各固定電極7a〜7dが存
在する平面に直交する。
【0006】そして、このX軸方向のみに加速度が加わ
った場合、梁3aで支持している部所よりも下方に重心
があるため、可動電極5がスイング動作し、このため、
その力の方向にある固定電極7aと可動電極5の間隔が
短くなり、逆に固定電極7bと可動電極5の間隔が長く
なる。同様に、Y軸方向のみに加速度が加わったとする
と、固定電極7cと可動電極5の間隔が短くなり、逆に
固定電極7dと可動電極5の間隔が長くなる。
った場合、梁3aで支持している部所よりも下方に重心
があるため、可動電極5がスイング動作し、このため、
その力の方向にある固定電極7aと可動電極5の間隔が
短くなり、逆に固定電極7bと可動電極5の間隔が長く
なる。同様に、Y軸方向のみに加速度が加わったとする
と、固定電極7cと可動電極5の間隔が短くなり、逆に
固定電極7dと可動電極5の間隔が長くなる。
【0007】このように各電極間の間隔が変化すること
から、各電極間に発生する静電容量も変化し、しかも変
化のパターンは、加速度が加わる方向により異なるの
で、各電極間に発生する静電容量の変化量を検出するこ
とにより、その加速度の方向と大きさを知ることができ
る。
から、各電極間に発生する静電容量も変化し、しかも変
化のパターンは、加速度が加わる方向により異なるの
で、各電極間に発生する静電容量の変化量を検出するこ
とにより、その加速度の方向と大きさを知ることができ
る。
【0008】つまり図示の例では、固定電極7a,7b
がX軸方向検出用固定電極となり、固定電極7c,7d
がY軸方向検出用固定電極となる。そして、固定電極7
a〜7dと、可動電極5との間には、間隔に応じた静電
容量が発生しているので、固定電極7a,7bと可動電
極5との間の静電容量C1,C2は、加速度が加わらな
い状態では、電極間隔が等しいので同一の値をとる。こ
こでX軸方向に加速度が加わると、可動電極5がスイン
グ動作して固定電極7a側の間隔が短くなるので、その
静電容量C1が増加し、固定電極7b側の静電容量C2
は減少する。当然のことながら、(−X)方向に加速度
が加わると、上記と逆の現象となる。そして、加速度が
大きいほど、可動電極6の変位量が大きくなるので、そ
の静電容量の差も大きくなる。
がX軸方向検出用固定電極となり、固定電極7c,7d
がY軸方向検出用固定電極となる。そして、固定電極7
a〜7dと、可動電極5との間には、間隔に応じた静電
容量が発生しているので、固定電極7a,7bと可動電
極5との間の静電容量C1,C2は、加速度が加わらな
い状態では、電極間隔が等しいので同一の値をとる。こ
こでX軸方向に加速度が加わると、可動電極5がスイン
グ動作して固定電極7a側の間隔が短くなるので、その
静電容量C1が増加し、固定電極7b側の静電容量C2
は減少する。当然のことながら、(−X)方向に加速度
が加わると、上記と逆の現象となる。そして、加速度が
大きいほど、可動電極6の変位量が大きくなるので、そ
の静電容量の差も大きくなる。
【0009】従って、2つの静電容量C1,C2の差を
求めることにより、X軸方向について加速度の向きと大
きさを検出することができる。同様に固定電極7c,7
dと可動電極5との間に発生する静電容量の差から、Y
軸方向について加速度の向きと大きさを検出することが
できる。
求めることにより、X軸方向について加速度の向きと大
きさを検出することができる。同様に固定電極7c,7
dと可動電極5との間に発生する静電容量の差から、Y
軸方向について加速度の向きと大きさを検出することが
できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、係る従
来の加速度センサにあっては、センサの感度を上げるに
はその基板のサイズ自体を大きくしなければならないと
いう問題があった。即ち、加速度センサの感度を上げる
ためには、加速度の大きさに対応することになる静電容
量の変化量を大きくする必要がある。そして、各固定電
極の面積を増せば、可動電極5との間に生ずる静電容量
が増大するとともに、加速度が作用した際の静電容量の
変化量も大きくなる。しかし、多軸とするためガラス固
定基板4には多数の固定電極7a〜7dが設けられるこ
とから、電極面積を増すことは基板のサイズを増すこと
につながり、しいてはコスト高を招くことになる。そし
て、半導体基板(チップ)のサイズアップは1ウエハあ
たりの生産チップ数が少なくなるため好ましくない。
来の加速度センサにあっては、センサの感度を上げるに
はその基板のサイズ自体を大きくしなければならないと
いう問題があった。即ち、加速度センサの感度を上げる
ためには、加速度の大きさに対応することになる静電容
量の変化量を大きくする必要がある。そして、各固定電
極の面積を増せば、可動電極5との間に生ずる静電容量
が増大するとともに、加速度が作用した際の静電容量の
変化量も大きくなる。しかし、多軸とするためガラス固
定基板4には多数の固定電極7a〜7dが設けられるこ
とから、電極面積を増すことは基板のサイズを増すこと
につながり、しいてはコスト高を招くことになる。そし
て、半導体基板(チップ)のサイズアップは1ウエハあ
たりの生産チップ数が少なくなるため好ましくない。
【0011】また、図1に示す構成において、例えば重
り6を形成する基板2を半導体で形成するとともに、そ
の基板2と下側の固定基板1を絶縁状態にし(接合面に
絶縁膜を介在させるか、基板1自体をガラス基板で構成
することにより実現できる)、その重り6の下面と固定
基板1の上面との間にも加速度検出用の電極を設ける
と、可動電極5の上方空間と重り6の下方空間の両方が
加速度検出領域となるので、電極面積が増し、チップサ
イズをさほど大きくしなくても、高感度に検出すること
が可能となる。
り6を形成する基板2を半導体で形成するとともに、そ
の基板2と下側の固定基板1を絶縁状態にし(接合面に
絶縁膜を介在させるか、基板1自体をガラス基板で構成
することにより実現できる)、その重り6の下面と固定
基板1の上面との間にも加速度検出用の電極を設ける
と、可動電極5の上方空間と重り6の下方空間の両方が
加速度検出領域となるので、電極面積が増し、チップサ
イズをさほど大きくしなくても、高感度に検出すること
が可能となる。
【0012】しかし、このような構成をとった場合、加
速度がかかった場合にスイングする中心は、梁3aとの
接続部分であるので、上方空間でのギャップの変位量
と、下方空間でのギャップの変位量が大きく異なる(図
1の例では、下方空間の変位量の方が大きい)。従っ
て、係る相違を考慮して測定しなければならなくなる。
さらに、周囲の温度変化に伴う熱変形などにより可動電
極と固定電極の間に発生する静電容量が変化した場合
に、その変化の程度が両空間で異なるので、キャンセル
させることができなくなる。
速度がかかった場合にスイングする中心は、梁3aとの
接続部分であるので、上方空間でのギャップの変位量
と、下方空間でのギャップの変位量が大きく異なる(図
1の例では、下方空間の変位量の方が大きい)。従っ
て、係る相違を考慮して測定しなければならなくなる。
さらに、周囲の温度変化に伴う熱変形などにより可動電
極と固定電極の間に発生する静電容量が変化した場合
に、その変化の程度が両空間で異なるので、キャンセル
させることができなくなる。
【0013】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、半導体基板のサイズ
を大きくせずに感度性能を向上することができ、しか
も、温度変化等の外部環境の変化に強く、加速度の検出
を高精度に行える静電容量型多軸加速度センサを提供す
ることにある。
もので、その目的とするところは、半導体基板のサイズ
を大きくせずに感度性能を向上することができ、しか
も、温度変化等の外部環境の変化に強く、加速度の検出
を高精度に行える静電容量型多軸加速度センサを提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る静電容量型多軸加速度センサで
は、絶縁体からなる上下の固定基板の間に3つの半導体
基板を積層状態で配置した5層構造を含み、前記両固定
基板の接合側表面には、それぞれ複数の固定電極を設
け、前記3つの半導体基板は、周枠部と、その周枠部内
に分離状態で配置される可動電極要素を有するととも
に、各半導体基板の周枠部同士及び可動電極要素同士が
接合されて一体化し、かつ、前記可動電極要素が一体化
されて構成される可動電極は、その上下両面が可動電極
面となって対向する前記固定電極との間で静電容量を発
生するとともに、前記中央の半導体基板の周枠部と可動
電極要素が複数の梁を介して連結されることにより、前
記可動電極が弾性支持され、前記可動電極の移動に伴い
前記可動電極と前記複数の固定電極との間に発生する静
電容量の変化に基づいて、前記各基板の積層方向とそれ
に直交する平面内の2方向の計3方向のうち少なくとも
いずれか2方向の加速度を検出可能に構成した(請求項
1)。
ために、本発明に係る静電容量型多軸加速度センサで
は、絶縁体からなる上下の固定基板の間に3つの半導体
基板を積層状態で配置した5層構造を含み、前記両固定
基板の接合側表面には、それぞれ複数の固定電極を設
け、前記3つの半導体基板は、周枠部と、その周枠部内
に分離状態で配置される可動電極要素を有するととも
に、各半導体基板の周枠部同士及び可動電極要素同士が
接合されて一体化し、かつ、前記可動電極要素が一体化
されて構成される可動電極は、その上下両面が可動電極
面となって対向する前記固定電極との間で静電容量を発
生するとともに、前記中央の半導体基板の周枠部と可動
電極要素が複数の梁を介して連結されることにより、前
記可動電極が弾性支持され、前記可動電極の移動に伴い
前記可動電極と前記複数の固定電極との間に発生する静
電容量の変化に基づいて、前記各基板の積層方向とそれ
に直交する平面内の2方向の計3方向のうち少なくとも
いずれか2方向の加速度を検出可能に構成した(請求項
1)。
【0015】そして好ましくは、前記可動電極に形成し
た前記両可動電極面は、前記梁の接続面を基準に対称形
となり、かつ前記両固定電極に形成した前記複数の固定
電極は、前記梁の接続面を基準に対称形となるように構
成することである(請求項2)。
た前記両可動電極面は、前記梁の接続面を基準に対称形
となり、かつ前記両固定電極に形成した前記複数の固定
電極は、前記梁の接続面を基準に対称形となるように構
成することである(請求項2)。
【0016】本発明では、可動電極の上下両方の空間が
静電容量の検出領域となるので、静電容量の検出空間が
従来のものの2倍になり、加速度に対する静電容量の変
化量も大きくなる。よって感度も向上する。
静電容量の検出領域となるので、静電容量の検出空間が
従来のものの2倍になり、加速度に対する静電容量の変
化量も大きくなる。よって感度も向上する。
【0017】そして、可動電極を3つの半導体基板を積
層して形成し、しかも、可動電極と周枠部との連結部分
を中央の半導体基板で行うようにしたため、可動電極の
積層方向の中央部で弾性支持されることになる。その結
果、加速度がかかって可動電極がスイング移動しようと
した際に、その可動電極は、梁の連結部分を中心にスイ
ングするので、上下両面に形成した可動電極面の変位量
はほぼ等しくなる。よって、静電容量の変化に基づく加
速度の算出が容易となる。しかも、そのように変位量が
ほぼ等しくなるということは、上方空間側の可動電極・
固定電極間に発生する静電容量と、下方空間側の可動電
極・固定電極間に発生する静電容量とを差動的に演算処
理することにより、例えば温度変化にともない静電容量
の変化があった場合には、それが相殺されキャンセルさ
れるので、加速度に伴う真の静電容量の変化に基づく信
号を出力することができ、温度変化等の外部環境の変化
に強くなる。
層して形成し、しかも、可動電極と周枠部との連結部分
を中央の半導体基板で行うようにしたため、可動電極の
積層方向の中央部で弾性支持されることになる。その結
果、加速度がかかって可動電極がスイング移動しようと
した際に、その可動電極は、梁の連結部分を中心にスイ
ングするので、上下両面に形成した可動電極面の変位量
はほぼ等しくなる。よって、静電容量の変化に基づく加
速度の算出が容易となる。しかも、そのように変位量が
ほぼ等しくなるということは、上方空間側の可動電極・
固定電極間に発生する静電容量と、下方空間側の可動電
極・固定電極間に発生する静電容量とを差動的に演算処
理することにより、例えば温度変化にともない静電容量
の変化があった場合には、それが相殺されキャンセルさ
れるので、加速度に伴う真の静電容量の変化に基づく信
号を出力することができ、温度変化等の外部環境の変化
に強くなる。
【0018】このことは、請求項2のように構成するこ
とにより、より顕著に現れる。つまり、可動電極の上下
両側にそれぞれ固定電極が設けられ、これら両固定電極
は上下で合同で対称となるからである。
とにより、より顕著に現れる。つまり、可動電極の上下
両側にそれぞれ固定電極が設けられ、これら両固定電極
は上下で合同で対称となるからである。
【0019】*用語の定義 本明細書に記載された半導体容量型多軸加速度センサの
多軸とは、複数軸のことを意味し、例えばX,Yの2軸
方向を検出するものも本発明に含む。
多軸とは、複数軸のことを意味し、例えばX,Yの2軸
方向を検出するものも本発明に含む。
【0020】
【発明の実施の形態】図3は、本発明に係る静電容量型
多軸加速度センサの一実施の形態を示す断面図である。
この加速度センサは、5枚の基板を積層して構成されて
いる。すなわち、3枚の半導体基板11,12,13の
上下に固定基板14,15が配置され、固定基板14・
半導体基板11・半導体基板12・半導体基板13・固
定基板15が下から順に積層されている。
多軸加速度センサの一実施の形態を示す断面図である。
この加速度センサは、5枚の基板を積層して構成されて
いる。すなわち、3枚の半導体基板11,12,13の
上下に固定基板14,15が配置され、固定基板14・
半導体基板11・半導体基板12・半導体基板13・固
定基板15が下から順に積層されている。
【0021】各半導体基板11,12,13は、シリコ
ン等の半導体チップであって、下側の半導体基板11と
上側の半導体基板13は、両者の厚みが同一に設定され
ている。上下に位置される半導体基板11,12の接合
面側中央は、エッチングされて所定量だけ除去されて凹
所11a,13aが形成され、この凹所11a,13a
の深さ分だけ対向する固定基板13,14の表面と離れ
る。
ン等の半導体チップであって、下側の半導体基板11と
上側の半導体基板13は、両者の厚みが同一に設定され
ている。上下に位置される半導体基板11,12の接合
面側中央は、エッチングされて所定量だけ除去されて凹
所11a,13aが形成され、この凹所11a,13a
の深さ分だけ対向する固定基板13,14の表面と離れ
る。
【0022】そして、これら半導体基板11,12,1
3を積層した内側(上記凹所11a,13aを形成した
部分に対応する領域)には、エッチングにより内側を分
離させて可動電極16が形成されている。換言すると、
その可動電極16の周囲には、それぞれ半導体基板1
1,12,13により形成される周枠部11b,12
b,13bが存在されることになり、それら各周枠部1
1b,12b,13bがそれぞれ接合されるとともに、
固定電極14,15とも接合されることになる。
3を積層した内側(上記凹所11a,13aを形成した
部分に対応する領域)には、エッチングにより内側を分
離させて可動電極16が形成されている。換言すると、
その可動電極16の周囲には、それぞれ半導体基板1
1,12,13により形成される周枠部11b,12
b,13bが存在されることになり、それら各周枠部1
1b,12b,13bがそれぞれ接合されるとともに、
固定電極14,15とも接合されることになる。
【0023】この可動電極16には、中央の半導体基板
12の周枠部12bから複数の梁17が渡されており、
各梁17は半導体基板12の厚さ方向の略中央から延び
て可動電極16に連結され、これにより可動電極16が
弾性支持され、かつ内側空間の定位置に収まるようにな
っている。
12の周枠部12bから複数の梁17が渡されており、
各梁17は半導体基板12の厚さ方向の略中央から延び
て可動電極16に連結され、これにより可動電極16が
弾性支持され、かつ内側空間の定位置に収まるようにな
っている。
【0024】つまり、可動電極16は、その下部可動電
極要素16a,中央部可動電極要素16b,上部可動電
極要素16cが各半導体基板11,12,13から各々
分離して形成されている。そして、図4に示すように、
下部可動電極要素16aは4つの側面が上に狭まり傾斜
した略台座形状に形成されて重りをなし、底面が下側の
電極面31となっている。また、上部可動電極要素16
cは、薄い天板を柱部で支持する形状に形成され、その
天面が上側の電極面32となっており、両電極面31,
32の平面形状は等しくしている。さらに、中央部可動
電極要素16bは、上下対称の柱形状に形成され、上部
可動電極要素16aと下部可動電極要素16cとを連結
するようになっていて、その中央部位にて各梁17が連
結されている。
極要素16a,中央部可動電極要素16b,上部可動電
極要素16cが各半導体基板11,12,13から各々
分離して形成されている。そして、図4に示すように、
下部可動電極要素16aは4つの側面が上に狭まり傾斜
した略台座形状に形成されて重りをなし、底面が下側の
電極面31となっている。また、上部可動電極要素16
cは、薄い天板を柱部で支持する形状に形成され、その
天面が上側の電極面32となっており、両電極面31,
32の平面形状は等しくしている。さらに、中央部可動
電極要素16bは、上下対称の柱形状に形成され、上部
可動電極要素16aと下部可動電極要素16cとを連結
するようになっていて、その中央部位にて各梁17が連
結されている。
【0025】これにより、可動電極16は、上下方向の
中心位置にて梁17が連結されることになり、また、そ
の重心位置は上部可動電極要素16cを細い柱部により
形成したことにより、若干下方にずれるため梁17より
も少し下側に位置する。よって、可動電極16に加速度
がかかると、梁17によって弾性支持された可動電極
は、上下対称にスイングすることになる。従って、凹所
11a,13aの深さを等しくしておけば、加速度がか
からない平常時における可動電極16の両電極面31,
32と、固定基板14,15の間隔は等しくなり、ま
た、加速度に伴いスイングしたときの、上記間隔の変化
量は均一になる。
中心位置にて梁17が連結されることになり、また、そ
の重心位置は上部可動電極要素16cを細い柱部により
形成したことにより、若干下方にずれるため梁17より
も少し下側に位置する。よって、可動電極16に加速度
がかかると、梁17によって弾性支持された可動電極
は、上下対称にスイングすることになる。従って、凹所
11a,13aの深さを等しくしておけば、加速度がか
からない平常時における可動電極16の両電極面31,
32と、固定基板14,15の間隔は等しくなり、ま
た、加速度に伴いスイングしたときの、上記間隔の変化
量は均一になる。
【0026】一方、固定基板14,15は、ガラス等の
絶縁性の板材からなり、両者の厚みが同一に設定されて
いる。そして、固定基板15の下面には、図5に示すよ
うに、可動電極16の上面に対向する位置に5つの第1
固定電極51〜55が設けられており、これらはX軸,
Y軸,Z軸の3軸について検出するための固定電極とな
っている。第1固定電極51〜54は、略三角形状で同
面積とされており、90度毎に配置されている。そし
て、第1固定電極55は略X字形状とされており、これ
は4つの第1固定電極51〜54が配置されている隙間
部分に設けられている。これら各固定電極は、対向して
いる第1固定電極51,52がX軸方向の検出用とな
り、それらと直交して対向している第1固定電極53,
54がY軸方向の検出用となっていて、第1固定電極5
5がZ軸方向の検出用となっている。これにより、可動
電極16の上側電極面は共通電極となり、その電極面と
5つの第1固定電極51〜55との間には、静電容量C
51〜C55が形成される。
絶縁性の板材からなり、両者の厚みが同一に設定されて
いる。そして、固定基板15の下面には、図5に示すよ
うに、可動電極16の上面に対向する位置に5つの第1
固定電極51〜55が設けられており、これらはX軸,
Y軸,Z軸の3軸について検出するための固定電極とな
っている。第1固定電極51〜54は、略三角形状で同
面積とされており、90度毎に配置されている。そし
て、第1固定電極55は略X字形状とされており、これ
は4つの第1固定電極51〜54が配置されている隙間
部分に設けられている。これら各固定電極は、対向して
いる第1固定電極51,52がX軸方向の検出用とな
り、それらと直交して対向している第1固定電極53,
54がY軸方向の検出用となっていて、第1固定電極5
5がZ軸方向の検出用となっている。これにより、可動
電極16の上側電極面は共通電極となり、その電極面と
5つの第1固定電極51〜55との間には、静電容量C
51〜C55が形成される。
【0027】固定基板14の上面には、図6に示すよう
に、可動電極16の上面に対向する位置に5つの第2固
定電極41〜45が設けられている。これらはX軸,Y
軸,Z軸の3軸について検出するための固定電極となっ
ていて、上方の5つの第1固定電極51〜55とは合同
で対称に形成されている。つまり、第2固定電極41〜
44は、略三角形状で同面積とされており、90度毎に
配置されている。そして、第2固定電極45は略X字形
状とされており、これは4つの第2固定電極41〜44
が配置されている隙間部分に設けられている。これら各
固定電極は、対向している第2固定電極41,42がX
軸方向の検出用となり、それらと直交して対向している
第2固定電極43,44がY軸方向の検出用となってい
て、第2固定電極45がZ軸方向の検出用となってい
る。これにより、可動電極16の下側の電極面は共通電
極となり、その電極面と5つの第2固定電極41〜45
との間には、静電容量C41〜C45が形成される。
に、可動電極16の上面に対向する位置に5つの第2固
定電極41〜45が設けられている。これらはX軸,Y
軸,Z軸の3軸について検出するための固定電極となっ
ていて、上方の5つの第1固定電極51〜55とは合同
で対称に形成されている。つまり、第2固定電極41〜
44は、略三角形状で同面積とされており、90度毎に
配置されている。そして、第2固定電極45は略X字形
状とされており、これは4つの第2固定電極41〜44
が配置されている隙間部分に設けられている。これら各
固定電極は、対向している第2固定電極41,42がX
軸方向の検出用となり、それらと直交して対向している
第2固定電極43,44がY軸方向の検出用となってい
て、第2固定電極45がZ軸方向の検出用となってい
る。これにより、可動電極16の下側の電極面は共通電
極となり、その電極面と5つの第2固定電極41〜45
との間には、静電容量C41〜C45が形成される。
【0028】上記のように構成すると、図中矢印で示す
X軸方向にのみ加速度が加わった場合、可動電極16が
加速度の作用で逆方向へ移動しようとするが、梁17で
支持している部所よりも下方に重心があるため、可動電
極16がスイング動作する。このため、X軸方向検出用
の第1固定電極51,52を設けた上側では、第1固定
電極51と可動電極16との間隔が短くなり静電容量C
51が増加し、第1固定電極52と可動電極16との間
隔が長くなって静電容量C52が減少する。同様に、X
軸方向検出用の第2固定電極41,42を設けた下側で
は、第2固定電極41と可動電極16との間隔が長くな
り静電容量C41が減少し、第2固定電極42と可動電
極16との間隔が短くなって静電容量C42が増加す
る。そして、(−X)方向に加速度が加わった場合に
は、上記と逆になる。
X軸方向にのみ加速度が加わった場合、可動電極16が
加速度の作用で逆方向へ移動しようとするが、梁17で
支持している部所よりも下方に重心があるため、可動電
極16がスイング動作する。このため、X軸方向検出用
の第1固定電極51,52を設けた上側では、第1固定
電極51と可動電極16との間隔が短くなり静電容量C
51が増加し、第1固定電極52と可動電極16との間
隔が長くなって静電容量C52が減少する。同様に、X
軸方向検出用の第2固定電極41,42を設けた下側で
は、第2固定電極41と可動電極16との間隔が長くな
り静電容量C41が減少し、第2固定電極42と可動電
極16との間隔が短くなって静電容量C42が増加す
る。そして、(−X)方向に加速度が加わった場合に
は、上記と逆になる。
【0029】従って、例えば外部回路として図7に示す
ように構成し、X軸方向に関して増減傾向が同相になっ
ている静電容量C51,静電容量C42を加算し、また
静電容量C52と静電容量C41を加算する。そして、
それらの差分を求めるように構成する。このようにする
と電圧Vに変換することができ、そのX軸方向出力Vx
は、
ように構成し、X軸方向に関して増減傾向が同相になっ
ている静電容量C51,静電容量C42を加算し、また
静電容量C52と静電容量C41を加算する。そして、
それらの差分を求めるように構成する。このようにする
と電圧Vに変換することができ、そのX軸方向出力Vx
は、
【0030】
【数1】 により求められる。
【0031】同様に、Y軸方向出力Vy 並びにZ軸方向
出力Vz は、図8,図9に示すような配線に外部回路を
構成し、所定の電極間に発生する静電容量を差分出力す
ることにより、
出力Vz は、図8,図9に示すような配線に外部回路を
構成し、所定の電極間に発生する静電容量を差分出力す
ることにより、
【0032】
【数2】 となる。
【0033】X軸方向出力Vx は、X軸方向に加速度が
加わった場合には正値をとり、(−X)方向に加速度が
加わった場合には負値をとる。そして、Y軸方向のみ或
いはZ軸方向のみに加速度が加わった場合には、X軸方
向出力Vx は変化しない。さらに、加速度が大きいほ
ど、Vx の絶対値は大きくなる。このため、Vx の値か
ら加速度の方向及び大きさを知ることができる。同様
に、Y軸方向,Z軸方向についてもVy ,Vz から加速
度の方向及び大きさを知ることができる。
加わった場合には正値をとり、(−X)方向に加速度が
加わった場合には負値をとる。そして、Y軸方向のみ或
いはZ軸方向のみに加速度が加わった場合には、X軸方
向出力Vx は変化しない。さらに、加速度が大きいほ
ど、Vx の絶対値は大きくなる。このため、Vx の値か
ら加速度の方向及び大きさを知ることができる。同様
に、Y軸方向,Z軸方向についてもVy ,Vz から加速
度の方向及び大きさを知ることができる。
【0034】このように、可動電極16の上下両側にそ
れぞれ第1,第2固定電極51〜55,41〜45が設
けられ、これら両固定電極は上下で合同で対称とされて
いるため、静電容量の検出空間が従来の2倍になり、加
速度に対する静電容量の変化量も大きくなる。このた
め、感度性能を向上することができ、固定電極は可動電
極16の上下に設けているので、半導体基板のサイズは
大きくせずに済み、そのままでよい。
れぞれ第1,第2固定電極51〜55,41〜45が設
けられ、これら両固定電極は上下で合同で対称とされて
いるため、静電容量の検出空間が従来の2倍になり、加
速度に対する静電容量の変化量も大きくなる。このた
め、感度性能を向上することができ、固定電極は可動電
極16の上下に設けているので、半導体基板のサイズは
大きくせずに済み、そのままでよい。
【0035】また、(−Z)方向に加速度が加わると、
可動電極16が下方に移動するため第1固定電極51〜
55と可動電極16との間隔が長くなる。そして、この
時同時にX軸方向にも加速度が加わると、X軸方向検出
用の第1固定電極51,52と可動電極16との間の間
隔が(−Z)方向の加速度のため長くなっていることか
ら、静電容量が小さくなっており、静電容量の変化量を
検出する際の基準点がずれているため、変化特性の直線
性が悪化する。
可動電極16が下方に移動するため第1固定電極51〜
55と可動電極16との間隔が長くなる。そして、この
時同時にX軸方向にも加速度が加わると、X軸方向検出
用の第1固定電極51,52と可動電極16との間の間
隔が(−Z)方向の加速度のため長くなっていることか
ら、静電容量が小さくなっており、静電容量の変化量を
検出する際の基準点がずれているため、変化特性の直線
性が悪化する。
【0036】しかし、本実施の形態では、可動電極16
の下側にも上側と対称に第2固定電極41〜45を設け
たため、(−Z)方向に加速度が加わると、X軸方向検
出用の第2固定電極41,52と可動電極16との間隔
が短くなり、静電容量も増加し、静電容量の変化量を検
出する際の基準点が逆側に同量ずれて変化特性の直線性
の悪化は逆相となる。従って、(−Z)方向の加速度に
起因する変化特性の直線性の悪化は、第1固定電極側と
第2固定電極側で相互にキャンセルし、センサ素子全体
では抑制される。
の下側にも上側と対称に第2固定電極41〜45を設け
たため、(−Z)方向に加速度が加わると、X軸方向検
出用の第2固定電極41,52と可動電極16との間隔
が短くなり、静電容量も増加し、静電容量の変化量を検
出する際の基準点が逆側に同量ずれて変化特性の直線性
の悪化は逆相となる。従って、(−Z)方向の加速度に
起因する変化特性の直線性の悪化は、第1固定電極側と
第2固定電極側で相互にキャンセルし、センサ素子全体
では抑制される。
【0037】なお、Z軸の正値方向に加速度が加わった
場合には、第2固定電極側の静電容量が小さくなるが、
それに伴い第1固定電極側で静電容量が増加するので、
やはりセンサ素子全体では抑制される。このため、X軸
方向に加わった加速度を精度よく検出することができ
る。そして、同様の原理に従い、Y軸方向の加速度も精
度よく検出することができる。
場合には、第2固定電極側の静電容量が小さくなるが、
それに伴い第1固定電極側で静電容量が増加するので、
やはりセンサ素子全体では抑制される。このため、X軸
方向に加わった加速度を精度よく検出することができ
る。そして、同様の原理に従い、Y軸方向の加速度も精
度よく検出することができる。
【0038】さらに、梁17が可動電極16の上下方向
の中央部所に渡され、その梁17に関して静電容量の検
出空間が上下で対称となっており、第1固定電極51〜
55と第2固定電極41〜45とが合同で対称に形成さ
れているので、これは熱変形に対して有利になる。つま
り、各半導体基板11,12,13と固定基板14,1
5とは素材の相違から熱膨脹率に差があるが、静電容量
の検出空間が梁17に関して上下対称となっているた
め、熱変形は上下で対称となる。従って、熱変形による
静電容量の変化は上下で同相となり、上記したように差
分を求める検出処理には影響がなく、温度変化に対して
安定化することができ、加速度の検出を高精度に行え
る。
の中央部所に渡され、その梁17に関して静電容量の検
出空間が上下で対称となっており、第1固定電極51〜
55と第2固定電極41〜45とが合同で対称に形成さ
れているので、これは熱変形に対して有利になる。つま
り、各半導体基板11,12,13と固定基板14,1
5とは素材の相違から熱膨脹率に差があるが、静電容量
の検出空間が梁17に関して上下対称となっているた
め、熱変形は上下で対称となる。従って、熱変形による
静電容量の変化は上下で同相となり、上記したように差
分を求める検出処理には影響がなく、温度変化に対して
安定化することができ、加速度の検出を高精度に行え
る。
【0039】さらにまた、第1固定電極51〜55と第
2固定電極41〜45とが合同で対称に形成されている
ため、各電極及び各電極の引き出しパターンに寄生する
ノイズ等の影響を上下でキャンセルすることができ、加
速度の検出を高精度に行える。
2固定電極41〜45とが合同で対称に形成されている
ため、各電極及び各電極の引き出しパターンに寄生する
ノイズ等の影響を上下でキャンセルすることができ、加
速度の検出を高精度に行える。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る静電容量型
多軸加速度センサでは、可動体の上下両側にそれぞれ固
定電極が設けられ、これら両固定電極は上下で合同で対
称とされているため、静電容量の検出空間が従来のもの
の2倍になり、加速度に対する静電容量の変化量も大き
くなる。従って、半導体基板のサイズを大きくせずに感
度性能を向上することができる。
多軸加速度センサでは、可動体の上下両側にそれぞれ固
定電極が設けられ、これら両固定電極は上下で合同で対
称とされているため、静電容量の検出空間が従来のもの
の2倍になり、加速度に対する静電容量の変化量も大き
くなる。従って、半導体基板のサイズを大きくせずに感
度性能を向上することができる。
【0041】また、例えば(−Z)方向に加速度が加わ
ると、可動電極が下方に移動して上側の検出間隔が長く
なり静電容量が小さくなってしまい、これはX軸,Y軸
方向の検出には基準点のズレとなり静電容量の変化特性
の直線性が悪化する。しかし、本発明では上下の固定電
極が合同で対称に形成されているので、下側では可動電
極が下方に移動するので静電容量は増加しており、検出
の基準点が逆側に同量ずれて変化特性の直線性の悪化は
逆相となる。従って、Z軸の加速度に起因する検出特性
の直線性の悪化は、上下出力の差分をとることにより相
互にキャンセルし、センサ素子全体では抑制される。さ
らに、静電容量の検出空間が上下で対称となっており、
上下の固定電極が合同で対称に形成されているので、熱
変形は上下で対称となり、静電容量の変化は上下で同相
となる。このため、上下出力の差分を求める検出処理に
は影響がなく、温度変化に対して安定化することができ
る。
ると、可動電極が下方に移動して上側の検出間隔が長く
なり静電容量が小さくなってしまい、これはX軸,Y軸
方向の検出には基準点のズレとなり静電容量の変化特性
の直線性が悪化する。しかし、本発明では上下の固定電
極が合同で対称に形成されているので、下側では可動電
極が下方に移動するので静電容量は増加しており、検出
の基準点が逆側に同量ずれて変化特性の直線性の悪化は
逆相となる。従って、Z軸の加速度に起因する検出特性
の直線性の悪化は、上下出力の差分をとることにより相
互にキャンセルし、センサ素子全体では抑制される。さ
らに、静電容量の検出空間が上下で対称となっており、
上下の固定電極が合同で対称に形成されているので、熱
変形は上下で対称となり、静電容量の変化は上下で同相
となる。このため、上下出力の差分を求める検出処理に
は影響がなく、温度変化に対して安定化することができ
る。
【0042】さらにまた、上下の固定電極が合同で対称
に形成されているため、各電極及び各電極の引き出しパ
ターンに寄生するノイズ等の影響を上下でキャンセルす
ることができる。従って、加速度の検出を多軸について
高精度に行えるという優れた効果を奏する。
に形成されているため、各電極及び各電極の引き出しパ
ターンに寄生するノイズ等の影響を上下でキャンセルす
ることができる。従って、加速度の検出を多軸について
高精度に行えるという優れた効果を奏する。
【図1】従来の加速度センサの一例を示す断面図であ
る。
る。
【図2】図1に示す従来例の電極を説明するためのA−
A矢視した断面図である。
A矢視した断面図である。
【図3】本発明の静電容量型多軸加速度センサの一実施
の形態を示す断面図である。
の形態を示す断面図である。
【図4】図3に示す加速度センサの可動電極の斜視図で
ある。
ある。
【図5】図3の加速度センサの第1固定電極を説明する
B−B矢視の断面図である。
B−B矢視の断面図である。
【図6】図3の加速度センサの第2固定電極を説明する
C−C矢視の断面図である。
C−C矢視の断面図である。
【図7】加速度を測定するための外部回路の一例を示す
ブロック図である。
ブロック図である。
【図8】加速度を測定するための外部回路の一例を示す
ブロック図である。
ブロック図である。
【図9】加速度を測定するための外部回路の一例を示す
ブロック図である。
ブロック図である。
11,12,13 半導体基板 14,15 固定基板 16 可動体(可動電極) 17 支持アーム(梁) 41〜45 固定電極(第2固定電極) 51〜55 固定電極(第1固定電極) 41,42,51,52 X軸の検出電極 43,44,53,54 Y軸の検出電極 55,45 Z軸の検出電極
Claims (2)
- 【請求項1】 絶縁体からなる上下の固定基板の間に3
つの半導体基板を積層状態で配置した5層構造を含み、 前記両固定基板の接合側表面には、それぞれ複数の固定
電極を設け、 前記3つの半導体基板は、周枠部と、その周枠部内に分
離状態で配置される可動電極要素を有するとともに、各
半導体基板の周枠部同士及び可動電極要素同士が接合さ
れて一体化し、 かつ、前記可動電極要素が一体化されて構成される可動
電極は、その上下両面が可動電極面となって対向する前
記固定電極との間で静電容量を発生するとともに、前記
中央の半導体基板の周枠部と可動電極要素が複数の梁を
介して連結されることにより、前記可動電極が弾性支持
され、 前記可動電極の移動に伴い前記可動電極と前記複数の固
定電極との間に発生する静電容量の変化に基づいて、前
記各基板の積層方向とそれに直交する平面内の2方向の
計3方向のうち少なくともいずれか2方向の加速度を検
出可能としたことを特徴とする半導体容量型多軸加速度
センサ。 - 【請求項2】 前記可動電極に形成した前記両可動電極
面は、前記梁の接続面を基準に対称形となり、 かつ前記両固定電極に形成した前記複数の固定電極は、
前記梁の接続面を基準に対称形となるように構成したこ
とを特徴とする請求項1に記載の半導体容量型多軸加速
度センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10057359A JPH11242051A (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 静電容量型多軸加速度センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10057359A JPH11242051A (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 静電容量型多軸加速度センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11242051A true JPH11242051A (ja) | 1999-09-07 |
Family
ID=13053395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10057359A Withdrawn JPH11242051A (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 静電容量型多軸加速度センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11242051A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006105798A (ja) * | 2004-10-06 | 2006-04-20 | Oki Electric Ind Co Ltd | 半導体加速度センサおよびその製造方法 |
CN101858929A (zh) * | 2010-05-21 | 2010-10-13 | 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 | 对称组合弹性梁结构电容式微加速度传感器及制作方法 |
-
1998
- 1998-02-24 JP JP10057359A patent/JPH11242051A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006105798A (ja) * | 2004-10-06 | 2006-04-20 | Oki Electric Ind Co Ltd | 半導体加速度センサおよびその製造方法 |
JP4559178B2 (ja) * | 2004-10-06 | 2010-10-06 | Okiセミコンダクタ株式会社 | 半導体加速度センサおよびその製造方法 |
CN101858929A (zh) * | 2010-05-21 | 2010-10-13 | 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 | 对称组合弹性梁结构电容式微加速度传感器及制作方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050510 |