JP2012073049A - 加速度センサ及び加速度センサシステム - Google Patents

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Nobuaki Konno
伸顕 紺野
Yoshiaki Hirata
善明 平田
Yasuhiko Ito
恭彦 伊藤
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Abstract

【課題】従来に比べて出力精度の向上を図ることのできる加速度センサ、及び該加速度センサを備えた加速度センサシステムを提供する。
【解決手段】MEMS技術で形成される静電容量型の加速度センサであって、基板1と、基板に対向して配置された検出フレーム21,22と、基板に対向して配置された慣性質量体5と、検出フレームに対向し基板に配置される検出電極41、42とを備え、さらに、検出電極に隣接して基板上に設けられ検出電極の出力値を補正するための補正電極101,102を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、加速度センサに関し、特に静電容量型の加速度センサに関する。また、本発明は、そのような加速度センサを備えた加速度センサシステムに関する。
半導体基板に形成される加速度センサで基板厚み方向の加速度を検出する従来の加速度センサにおいて、その加速度検出の原理の一つとして、加速度にともなう静電容量の変化を検出する方法がある。この方法による加速度センサの主な構成部分として、例えば、撓み部と、重りと、エレメントと、検知電極とを有する加速度センサ(加速度感知運動変換機)が知られている(例えば、特開平5−133976号公報(特許文献1)参照)。
この特許文献1に記載される加速度感知運動変換機(加速度センサ)では、撓み部を回転軸として、半導体基板に回転可能に支持された一つのエレメントが備わり、このエレメントの一方端部上には、重りが設けられている。また、エレメントの回転変位を検出するための検知電極がエレメントの下方で半導体基板に設けられている。
このように構成された加速度感知運動変換機に対して基板厚み方向の加速度が作用すると、重りには基板厚み方向の慣性力が作用する。重りは、一方端部上、すなわち上記回転軸から基板面内方向にずれた位置に設けられているため、この慣性力は、撓み部周りのトルクとしてエレメントに作用する。この結果、エレメントは、撓み部を回転軸として回転変位する。
この回転変位により、エレメントと検知電極との距離が変化するので、エレメントと検知電極とにより形成されているコンデンサの静電容量が変化する。この静電容量変化から加速度が測定される。
また、上記重りに相当する慣性質量体、上記エレメントに相当する検出フレームを有し、慣性質量体を検出フレーム上ではなく、検出フレームと同一平面に配置するように、慣性質量体と検出フレームとをリンク梁で接続した、静電容量型の加速度センサも知られている(例えば、特開2008−139282号公報(特許文献2)参照)。このような構成を採ることで、製造プロセスが簡略化される。また、この加速度センサでは、複数の検出フレームが互いに逆向きに回転変位する場合にのみ感受性が高くなるように、検出電極は設けられている。
このような構成により、特許文献2の加速度センサでは、検出対象ではない方向の加速度に対する感度は抑制され、かつ角速度及び角加速度の影響を受けにくくすることができる。すなわち、特許文献2の加速度センサでは、検出フレームを複数用いることにより、加速度の測定精度を向上させている。
特開平5−133976号公報 特開2008−139282号公報
上述したような従来の加速度センサにおいて、経時変化及び温度変化により、基板に反りが発生する場合がある。このような反りが生じることで、検出フレームと検出電極との間の距離に変化が生じ、これにより加速度センサの出力に誤差が発生することがある。
しかしながら従来の加速度センサでは、センサ特性の変化が加速度センサ自体の物理的変化に起因するにもかかわらず、これを補償するための手段が加速度センサそのものには設けていない。そして、加速度センサの外部に設けた抵抗等の電気的手段を用いて、加速度センサの出力を補正する方法が採られていた。したがって、加速度の検出精度は、必ずしも良好ではなかった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、従来に比べて検出精度の向上を図ることのできる加速度センサを提供すること、及びそのような加速度センサを備えた加速度センサシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下のように構成する。
即ち、本発明の一態様における加速度センサは、MEMS技術により形成される加速度センサであり、基板と、第1及び第2の検出フレームと、上記基板上に配置され上記第1及び第2の検出フレームと連結され上記基板の厚み方向に変位可能な慣性質量体と、上記第1及び第2の検出フレームのそれぞれと対向して上記基板上に形成され、上記基板に対する上記第1及び第2の検出フレームの角度を静電容量により検出するための複数の検出電極とを備え、上記第1検出フレームは、上記基板に支持された第1ねじれ軸の周りにねじれる第1ねじれ梁を介して上記基板に対して揺動可能に支持され、かつ第1リンク梁にて上記慣性質量体に連結され、上記第1リンク梁は、上記第1検出フレームの一方端部側に向かう第1方向へ上記第1ねじれ軸を平行移動した軸上に位置し、上記第2検出フレームは、上記基板に支持された第2ねじれ軸の周りにねじれる第2ねじれ梁を介して上記基板に対して揺動可能に支持され、かつ第2リンク梁にて上記慣性質量体に連結され、上記第2リンク梁は、上記第1方向とは反対の方向へ上記第2ねじれ軸を平行移動した軸上に位置する。このような加速度センサにおいて、上記検出電極に隣接して上記基板上に形成され、上記検出電極の出力値を補正するための複数の補正電極をさらに備えたことを特徴とする。
本発明の一態様における加速度センサによれば、第1及び第2の検出フレームと対向するように基板上に検出電極と補正電極とを隣接して配置している。よって、検出電極による加速度検出、及び補正電極による補正用の検出は、共に静電容量を利用するものであり、かつ、検出電極と補正電極とが近接して配置されていることから、例えば温度変化や経時変化による加速度センサにおける物理的な変形傾向は、両者で同一となる。したがって、従来のように、加速度検出と、検出値の補正とが別の方法で行われる場合と比較して、格段に高い補償精度を得ることが可能である。
また、補正電極に電圧を印加した場合の、検出電極からの検出容量を測定することで、加速度センサにおける温度補正が可能となる。よって、例えば外部抵抗などによる付加的な温度補正を行う必要はなく、また、補正用に温度測定を行う必要もない。
図1は、本発明の実施の形態1における加速度センサの構成を概略的に示す平面図である。 図2は、図1に示すII−II部に沿った概略的な断面図である。 図1に示す加速度センサに対して基板の厚み方向に沿って上方向に加速度が加えられたときの状態を概略的に示す断面図である。 図1に示す加速度センサの第1及び第2検出フレームと、検出電極とにより形成されるコンデンサの電気的接続を説明する回路図である。 図1に示す加速度センサの慣性質量体の重心にX軸周りの負の角加速度が加えられた状態を概略的に示す断面図である。 図1に示す加速度センサの慣性質量体の重心においてX軸周りの負の角加速度が加えられた状態を概略的に示す断面図である。 図1に示す加速度センサの慣性質量体の重心にZ軸方向の正の成分とY軸方向の負の成分とを有する角速度が加えられた状態を示す。 図1に示す加速度センサの慣性質量体の重心においてZ軸方向の正の成分とY軸方向の負の成分とを有する角速度が加えられた状態を概略的に示す断面図である。 図1に示す加速度センサの製造方法の第1工程を示す概略的な断面図である。 図1に示す加速度センサの製造方法の第2工程を示す概略的な断面図である。 図1に示す加速度センサの製造方法の第3工程を示す概略的な断面図である。 図1に示す加速度センサの製造方法の第4工程を示す概略的な断面図である。 図1に示す加速度センサの製造方法の第5工程を示す概略的な断面図である。 図1に示す加速度センサに対して温度変化が作用した場合の加速度センサの状態を概略的に示す断面図である。 図1に示す加速度センサにおける感度出力を説明するための図であり、(a)は検出フレームと検出電極との間の距離が初期状態の場合を示し、(b)は距離が変動した状態を示す。 図1に示す加速度センサにおける感度出力を説明するためのグラフであり、(a)は検出フレームと検出電極との間の距離と感度S1との関係を示すグラフであり、(b)は距離と、補正電極に電圧を印加した状態での感度S2との関係を示すグラフであり、(c)は感度S1と感度S2との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態2における加速度センサシステムにおける周波数特性を示すグラフであり、(a)は検出フレームにおける周波数と感度S1との関係を示すグラフであり、(b)は検出フレームにおける周波数と感度S2との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態3における加速度センサシステムにおける感度と補正感度との関係を示すグラフであり、(a)は感度S1と感度S2との関係を示すグラフであり、(b)は変曲点のずれ量と出力オフセットとの関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態における加速度センサシステムの構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態である加速度センサ、及び該加速度センサを備えた加速度センサシステムについて、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において、同一又は同様の構成部分については同じ符号を付している。
実施の形態1.
最初に、本実施の形態の加速度センサの主要構成について説明する。尚、説明の便宜上、互いに直交する座標軸X軸、Y軸、Z軸を導入する。図1において、X軸は横方向に沿う右方向が正の向きの軸であり、Y軸は縦方向に沿う上方向が正の向きの軸であり、Z軸は紙面に垂直で紙面の上方が正の向きの軸である。ここでZ軸の方向は、本実施の形態の加速度センサに備わる、以下に説明する、基板の厚み方向に相当し、当該加速度センサが測定対象とする加速度方向に一致する。よって、X軸及びY軸は、Z軸に直交する基板平面に沿った軸となる。
図1及び図2を参照して、本実施の形態の加速度センサ301は、主に、基板1と、第1及び第2ねじれ梁11、12と、第1及び第2検出フレーム21、22と、複数の検出電極40と、複数の補正電極100と、第1及び第2リンク梁31、32と、慣性質量体2とを有している。また、後述の製造方法からも明らかなように、本実施形態において加速度センサ301は、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により形成される。
基板1としては、本実施形態では半導体基板として例えばシリコン基板を用いるが、シリコン基板に限定するものではなく、例えばガラス基板や有機材料基板等を用いることもできる。また、第1及び第2ねじれ梁11、12、第1及び第2検出フレーム21、22、第1及び第2リンク梁31、32、慣性質量体2、検出電極40及び補正電極10、アクチュエーション電極5の材質としては、ポリシリコン膜を用いることができる。このポリシリコン膜は、低応力であり、かつ厚さ方向に応力分布がないことが望ましい。
第1ねじれ梁11、11は、X軸に沿った第1ねじれ軸T1の周りにねじれることができる、第1ねじれ軸T1に沿って延在する短冊状の梁であり、基板1に立設したアンカー91に、第1ねじれ梁11、11の各一端が接続され支持されている。第1ねじれ梁11、11の各他端は、第1検出フレーム21に接続される。
第1検出フレーム21は、第1ねじれ軸T1を中心に回転可能なようにして、第1ねじれ梁11、11、及びアンカー91を介して基板1に支持されている。また、第1検出フレーム21は、少なくともその一部が導電性を有している。また、第1ねじれ梁11、11は、第1検出フレーム21のY軸方向における中央部に位置する。
第2ねじれ梁12、12は、X軸に沿った第2ねじれ軸T2の周りにねじれることができる、第2ねじれ軸T2に沿って延在する短冊状の梁であり、基板1に立設したアンカー92に、第2ねじれ梁12、12の各一端が接続され支持されている。第2ねじれ梁12、12の各他端は、第2検出フレーム22に接続される。
第2検出フレーム22は、第2ねじれ軸T2を中心に回転可能なようにして、第2ねじれ梁12、12、及びアンカー92を介して基板1に支持されている。また、第2検出フレーム22は、少なくともその一部が導電性を有している。また、第2ねじれ梁12、12は、第2検出フレーム22のY軸方向における中央部に位置する。
複数の検出電極40及び補正電極100は、基板1に対する第1及び第2の検出フレーム21及び22の角度を静電容量により検出することができるように、第1及び第2検出フレーム21、22のそれぞれと対向するように基板1上に絶縁膜3を介して形成されている。なお、絶縁膜3としては、低応力の窒化シリコン膜やシリコン酸化膜が好適である。
第1リンク梁31、31は、短冊状であり、それぞれの一端を第1検出フレーム21に他端を下記の慣性質量体2に接続した梁であり、第1ねじれ軸T1と交差しかつ第1検出フレーム21の一方端部側に向かう第1方向にオフセットe1だけ第1ねじれ軸T1を平行移動した軸L1上においてX軸に沿って延在する。すなわち、オフセットe1の絶対値は、第1ねじれ軸T1と軸L1との間の寸法であり、その向きは、第1ねじれ軸T1と交差して第1ねじれ軸T1から軸L1へ向かう第1方向である。
第2リンク梁32、32は、短冊状であり、それぞれの一端を第2検出フレーム22に他端を下記の慣性質量体2に接続した梁であり、上記第1方向と反対方向、すなわちオフセットe1の方向と反対方向のオフセットe2だけ第2ねじれ軸T2を平行にずらした軸L2上においてX軸に沿って延在する。すなわち、オフセットe2の絶対値は、第2ねじれ軸T2と軸L2との間の寸法であり、その向きは、オフセットe1と反対方向である。
慣性質量体2は、第1及び第2検出フレーム21、22の周囲に沿って延在する枠形状の部材であり、第1及び第2リンク梁31、32のそれぞれにより第1及び第2検出フレーム21、22の各々に連結されることにより、基板1上で基板1の厚み方向に変位可能に支持されている。
次に、上記の検出電極40の構成の詳細と、この検出電極40により第1及び第2検出フレーム21、22のそれぞれの基板1に対する角度を検出することができる原理について説明する。
検出電極40は、第1検出フレーム21と対向する第1検出電極41を有している。この第1検出電極41は、Y軸方向において第1ねじれ軸T1を挟むように配置された第1検出電極41aと第1検出電極41bとを有している。第1検出電極41aは、加速度センサの外周側(図1上側)に位置しており、第1検出電極41bは、加速度センサの内周側(図2中央側)に位置している。
第1検出フレーム21が第1ねじれ梁11、11により第1ねじれ軸T1の周りに回転された場合、第1検出フレーム21の裏面(第1検出電極41と対向する面)は、第1検出電極41a、41bの一方に接近するとともに、他方から遠ざかる。このため、第1検出フレーム21が第1検出電極41aと対向することで生じている静電容量と、第1検出フレーム21が第1検出電極41bと対向することで形成している静電容量との差分を検出することにより、第1検出フレーム21の基板1に対する角度を検出することができる。
また検出電極40は、第2検出フレーム22と対向する第2検出電極42を有している。この第2検出電極42は、Y軸方向において第2ねじれ軸T2を挟むように第2検出電極42aと42bとを有している。第2検出電極42aは、加速度センサの外周側(図1下側)に位置しており、第2検出電極42bは、加速度センサの内周側(図1中央側)に位置している。
第2検出フレーム22が第2ねじれ梁12、12により第2ねじれ軸T2の周りに回転された場合、第2検出フレーム22の裏面(検出電極42と対向する面)は、第2検出電極42a、42bの一方に接近するとともに、他方から遠ざかる。このため、第2検出フレーム22が第2検出電極42aと対向することで生じている静電容量と、第2検出フレーム22が第2検出電極42bと対向することで形成している静電容量との差分を検出することにより、第2検出フレーム22の基板1に対する角度を検出することができる。
好ましくは、第1及び第2ねじれ梁11、12と、第1及び第2リンク梁31、32とは、オフセットe1とe2とが逆向きに等量となるように配置されている。
さらに好ましくは、加速度センサ301の平面レイアウトは、第1及び第2ねじれ軸T1、T2と平行な方向に延びる中心線Bに対して線対称な構造を有しており、慣性質量体2の重心Gは中心線B上に位置する。
また、加速度センサ301の平面レイアウトは、第1及び第2ねじれ軸T1、T2と交差する方向に延びる中心線Aに対して線対称な構造を有しており、慣性質量体2の重心Gは中心線A上に位置する。
補正電極100は、第1検出フレーム21と対向する第1補正電極101と、第2検出フレーム22と対向する第2補正電極102とを有し、それぞれ検出電極40に近接して基板1に配置されている。具体的には、X軸方向において第1検出電極41aの両隣に第1補正電極101a,101aを配置し、X軸方向において第1検出電極41bの両隣に第1補正電極101b,101bを配置する。同様に、X軸方向において第2検出電極42aの両隣に第2補正電極102a,102aを配置し、X軸方向において第2検出電極42bの両隣に第2補正電極102b,102bをそれぞれ配置している。
補正電極101aで形成される静電容量C101a、補正電極101bで形成される静電容量C101b、補正電極102aで形成される静電容量C102a、補正電極102bで形成される静電容量C102bに電圧を印加することで、慣性質量体2を変位させることができる。尚、検出電極40と、補正電極100との間に電気的接続関係はない。
アクチュエーション電極5は、慣性質量体2に対向して基板1に枠形状に設けられる電極であり、電圧が印加されることで、慣性質量体2を基板1側へ引っ張る静電気力を発生する。このように慣性質量体2を強制的に変位させることで、当該加速度センサ301に実際に加速度を作用させることなく、センサ故障の有無を自己診断することが可能となる。
以上のように構成される本実施の形態の加速度センサ301の加速度の測定原理について説明する。
図3は、本発明の実施の形態1における加速度センサ301に対して基板1の厚み方向、つまりZ軸方向に沿った上方向に加速度が加えられた際の様子を概略的に示す断面図である。尚、図3の断面位置は、図2と同一である。また図3においては図を見易くするためにアンカー91、92は、図示していない。
図3を参照して、基板1の厚み方向に沿った上方向、すなわちZ軸の正方向(図中上方向)の加速度azが加速度センサ301に加わると、慣性質量体2は、慣性力により初期位置(図中破線で示す位置)からZ軸の負方向(図中下方向)に沈み込むように変位する。慣性質量体2と連結されている第1及び第2リンク梁31、32も、慣性質量体2と一体となってZ軸の負方向(図中下方向)に変位する。
第1リンク梁31の変位により、第1検出フレーム21は、軸L1の部分でZ軸の負方向(図中下方向)への力を受ける。この軸L1は、第1ねじれ軸Tlからオフセットe1だけ平行移動された位置にあるため、第1検出フレーム21にはトルクが作用する。この結果、第1検出フレーム21は、第1ねじれ梁11、11により第1ねじれ軸T1の周りに回転変位する。
またこれと同様に、第2リンク梁32の変位により、第2検出フレーム22は、軸L2の部分でZ軸の負方向(図中下方向)への力を受ける。この軸L2は、第2ねじれ軸T2からオフセットe2だけ平行移動された位置にあるため、第2検出フレーム22にはトルクが作用する。この結果、第2検出フレーム22は、第2ねじれ梁12、12により第2ねじれ軸T2の周りに回転変位する。
オフセットe1とオフセットe2とは相互に反対向きであるため、第1検出フレーム21と第2検出フレーム22とは逆向きに回転する。すなわち、第1検出フレーム21の上面は、加速度センサ301の一方端部側(図3の右側)を向き、第2検出フレーム22の上面は、加速度センサ301の他方端部側(図3の左側)を向くように、第1及び第2検出フレーム21、22が回転変位する。
この回転変位にともない、第1検出フレーム21と第1検出電極41aとにより構成されるコンデンサC1aの静電容量Q1aが増大し、第1検出フレーム21と第1検出電極41bとにより構成されるコンデンサC1bの静電容量Q1bは減少する。また、第2検出フレーム22と検出電極42aとにより構成されるコンデンサC2aの静電容量Q2aは増大し、第2検出フレーム22と検出電極42bとにより構成されるコンデンサC2bの静電容量Q2bが減少する。
図4を参照して、コンデンサC1aとC2aとが並列接続され、コンデンサC1bとC2bとが並列接続されている。そして、これら2つの並列接続された部分がさらに直列に接続されている。このように形成された回路のコンデンサC1a、C2a側の端部には一定電位Vdが印加され、コンデンサC1b、C2b側の端部は接地されている。また、上記直列接続部には端子が設けられており、この端子の出力電位Voutを測定することができる。この出力電位Voutは、下記の値となる。
Figure 2012073049
一定電位Vdは一定値であることから、出力電位Voutを測定することにより、
Figure 2012073049
の値を知ることができる。
この式(2)の値は、図3のように慣性質量体2が基板1側へ沈み込んだ場合は減少する。また加速度センサ301に対して、加速度az(図3)と逆方向の加速度が加わった場合には、慣性質量体2は、基板1の厚み方向の上方(基板1から離れる方向)に変位し、式(2)の値は増大する。よって、出力電位Voutを測定することにより、基板1の厚み方向における慣性質量体2の変位方向を検出することができ、この検出結果によりZ軸方向の加速度azを検知することができる。
次に、本実施の形態の加速度センサ301に対してZ方向の加速度以外の運動が加わった場合の例について説明する。
図5及び図6は、加速度センサ301対して慣性質量体2の重心Gの周りにX軸方向の負の角加速度が加えられた状態を概略的に示す断面図であり、断面位置は図2と同一である。尚、図5では、図を見易くするために、第1及び第2検出フレーム21、22と、アンカー91、92と、検出電極40とは、図示を省略している。また、図6では、アンカー91、92の図示を省略している。
図5を参照して、慣性質量体2は、重心G周りにX軸方向の負の角加速度aωを受けると、慣性モーメントのために初期位置(図中破線の位置)から角加速度aωと逆向き(図中矢印Rの向き)に回転変位して傾斜する。
図6を参照して、この慣性質量体2の傾斜にともない、第1検出フレーム21は、第1リンク梁31の軸L1の部分で持ち上げられ、第1ねじれ軸T1を中心に回転される。また、第2検出フレーム22は、第2リンク梁32の軸L2の部分で押し下げられて、第2ねじれ軸T2を中心に回転される。
この第1及び第2検出フレーム21、22の回転にともない、第1検出フレーム21と第1検出電極41aとにより構成されるコンデンサC1aの静電容量Q1aが減少し、第1検出フレーム21と第1検出電極41bとにより構成されるコンデンサC1bの静電容量Q1bが増大する。また、第2検出フレーム22と第2検出電極42aとにより構成されるコンデンサC2aの静電容量Q2aが増大し、第2検出フレーム22と第2検出電極42bとにより構成されるコンデンサC2bの静電容量Q2bが減少する。
式(2)を参照して、上述の静電容量変化が生じた場合、左辺分母において静電容量Q1aの減少と静電容量Q2aの増大とが相殺され、かつ左辺分子において静電容量Q1bの増大と静電容量Q2bの減少とが相殺される。このため、この角加速度aωが出力電位Voutに対して及ぼす影響は抑制される。
図7は、加速度センサ301に対して慣性質量体2の重心Gの周りにZ軸方向の正の成分とY軸方向の負の成分とを有する角速度が加えられた状態を示す。尚、図7では、図を見易くするために、第1及び第2検出フレーム21、22と、アンカー91、92と、検出電極40との図示が省略されている。
図7を参照して、角速度ωの回転にともなう遠心力fcが慣性質量体2に作用する。このため、慣性質量体2は、初期位置(図中破線の位置)から、慣性質量体2の端部が角速度ωの回転軸から遠ざかる向き(図中矢印Rの向き)に回転変位して傾斜する。
この慣性質量体2の傾斜は、前述した角加速度aωが加えられた場合と同様である。このため、同様の原理により角速度ωが出力電位Voutに対して及ぼす影響も抑制される。
次に、本実施の形態の加速度センサ301に対して他軸加速度が加えられた場合の検出誤差について、重力の影響を含めて説明する。
図8は、加速度センサ301に対してY軸方向の負の加速度が加えられた状態を概略的に示す断面図であり、断面位置は図2と同一である。尚、図8では、図を見易くするために、第1及び第2検出フレーム21、22と、アンカー91、92と、検出電極40との図示を省略している。
図8を参照して、慣性質量体2には重力としてZ軸方向の負の力が作用しており、慣性質量体2は、初期位置(図中破線の位置)から下方(図中Z軸の負の方向)に沈み込んだ状態となっている。
この状態のもとで加速度センサ301に対してY軸の負の向きに加速度ayが加わると、慣性質量体2にはY軸の正の向きの慣性力が加わる。この慣性力は、第1及び第2リンク梁31、32のそれぞれの軸L1、L2上の部分で、第1及び第2検出フレーム21、22の各々に伝達される。
重力の影響により、軸L1の基板1からの高さは、第1ねじれ軸T1よりも低くなっている。このため、上述の軸L1の部分に伝達される力は、第1検出フレーム21に対して第1ねじれ軸T1周りのトルクとして作用する。
また、重力の影響により、軸L2の基板1からの高さは、第2ねじれ軸T2よりも低くなっている。このため、上述の軸L2の部分に伝達される力は、第2検出フレーム22に対して第2ねじれ軸T2周りのトルクとして作用する。
ここで、上述の第1及び第2ねじれ軸T1、T2周りのトルクは、両方とも第1及び第2ねじれ軸T1、T2の下方に作用点を有している。また、この作用点に働く力は、両方ともY軸方向に正の向きである。この結果、第1検出フレーム21の回転変位R1と、第2検出フレーム22の回転変位R2とは同一の向きとなる。
回転変位R1の影響として、第1検出フレーム21と第1検出電極41aとにより構成されるコンデンサC1aの静電容量Q1aが減少し、第1検出フレーム21と第1検出電極41bとにより構成されるコンデンサC1bの静電容量Q1bが増大する。また、回転変位R2の影響として、第2検出フレーム22と検出電極42aとにより構成されるコンデンサC2aの静電容量Q2aが増大し、第2検出フレーム22と検出電極42bとにより構成されるコンデンサC2bの静電容量Q2bが減少する。
式(2)を参照して、上述の静電容量変化が生じた場合、左辺分母において静電容量Q1aの減少と静電容量Q2aの増大とが相殺され、かつ左辺分子において静電容量Q1bの増大と静電容量Q2bの減少とが相殺される。このため、Y軸方向の加速度ayがZ軸方向の加速度検出のために測定される出力電位Voutに対して及ぼす影響は抑制される。
次に、本実施の形態の加速度センサ301の製造方法について説明する。
図9〜図13は、本発明の実施の形態1における加速度センサ301の製造方法の第1〜第5工程を順に示す概略的な断面図であり、その断面位置は図2の断面位置に対応する。
図9を参照して、シリコンからなる基板1上に、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により、絶縁膜3が堆積される。絶縁膜3としては、低応力の窒化シリコン膜やシリコン膜などが適している。この絶縁膜3の上に、LPCVD法により、例えばポリシリコンからなる導電性の膜が堆積される。続いて、この導電性の膜がパターニングされて、検出電極40及び補正電極100が形成される。その後、基板1上の全体にPSG(Phosphosilicate Glass)膜201が堆積される。
主に図10を参照して、アンカー91、92(図2)が形成される部分93のPSG膜201が選択的に除去される。
図11を参照して、基板1上の全体に、ポリシリコン膜202が堆積される。続いてその表面にCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理が施される。
図12を参照して、上記CMP処理により、ポリシリコン膜202の表面が平坦化される。
図13を参照して、ポリシリコン膜202のPSG膜201の上面よりも上方の部分に対して、選択的なエッチングが行なわれる。これにより、慣性質量体2と、第1及び第2リンク梁31、32と、第1及び第2検出フレーム21、22と、第1及び第2ねじれ梁11、12と、アンカー91、92とが一括形成される。その後、PSG膜201がエッチングにより除去され、図2に示される本実施の形態の加速度センサ301が得られる。
次に、補正電極100による出力電位Voutの補正方法について説明する。
経時変化や温度変化等に起因して、図14に示すように基板1には反り、つまり加速度センサ301の物理的変形が発生する場合がある。これにより、第1及び第2検出フレーム21、22と、第1及び第2検出電極41、42との間の距離が変化するため、加速度センサ301の感度が変化する。例えば図15の(a)を参照して、第1検出フレーム21と第1検出電極41bとの間の初期の距離をdoとし、加速度が印加された場合の変位をuとし、αを定数とすると、加速度センサ301の感度は、簡易的に、αu/doで表すことができる。次に、図15の(b)を参照して、反りなどの加速度センサ301の物理的変形により、第1検出フレーム21と第1検出電極41bとの間の距離がd1に変化した場合、このときの感度は同様に、αu/d1で表すことができる。このように物理的変形の有無により、加速度センサの感度は変化する。
より一般的な関数で表すために、第1及び第2検出フレーム21、22と、第1及び第2検出電極41、42との間の距離をdとすると、加速度センサの加速度に対する感度S1は、次式のようにdに依存する関数で示される。
Figure 2012073049
また、本実施形態のように、検出電極40に隣接して補正電極100を配置している場合、補正電極100に電圧を印加して、第1及び第2検出フレーム21、22を強制的に変位させた状態で第1及び第2検出電極41,42から得られる感度(補正感度S2とする)も同様に、次式で近似することができる。
Figure 2012073049
したがって、加速度センサ301の感度S1は、補正感度S2を用いて、次式で示すことができる。
Figure 2012073049
(5)式は、第1及び第2検出フレーム21、22と、第1及び第2検出電極41、42との間の距離dを測定する必要がないことを示す。即ち、図16を参照して、第1及び第2検出フレーム21、22と、第1及び第2検出電極41、42との間の距離がdaの場合、加速度センサ301に作用する加速度に対する加速度センサ301の感度S1は、図16の(a)に示すようにS1aとなり、補正電極100に電圧を印加して検出電極40から得られる補正感度S2は、図16の(b)に示すようにS2aとなる。したがって、補正感度S2の値がS2aを示したときには、図16の(c)に示すように加速度に対する感度S1はS1aと一意に決まることになり、距離dの値が分からなくとも、出力値である加速度を補正することが可能となる。
即ち本実施形態1では、例えば実験等から予め感度S1と補正感度S2の関係が判っており、その情報を記憶していれば、経時変化や温度変化等に起因して、反りなどが生じ感度S1が変化した場合も、補正感度S2を測定することで補正することができる。
また、本実施形態1では、例えば実験等から予め反り量等、つまり加速度センサ301の物理的変形量が想定可能であればより好ましいが、変形量が想定できないような場合であっても、変形量を相殺するように補正電極100に電圧を印加することで、上記相殺する変位を第1及び第2検出フレーム21,22に強制的に与える。よって、この状態で加速度を検知することで、加速度センサ301の検出電極40からの出力値は、変形量の補正がなされた値を示すことになり、直接に補正値を得ることが可能となる。尚、補正電極100に電圧を印加した状態で検出電極40から得られる出力値を補償用出力値とする。
本実施の形態によれば、検出電極40と補正電極100とは隣接して配置しているので、第1及び第2検出フレーム21、22と、第1及び第2検出電極41,42及び第1及び第2補正電極10との間の距離変化は、検出電極40及び補正電極100に対して同様に変化する。そのため、補正感度S2を測定することで、加速度センサ301の感度S1は一意に決まることになり、精度良く加速度センサ301の感度S1を補正することが可能となる。
図1等に示すように、加速度センサ301は、検出電極40、補正電極100等が形成されたものであるので、上述の補正動作では説明を省略したが、検出電極40による検出値から加速度を求めるためには、実際には図19に示すような加速度センサシステム350によって、検出値から加速度を求める動作、及び上述した出力値の補正動作が行われる。
加速度センサシステム350は、上述した加速度センサ301と、制御装置320とを備える。制御装置320は、加速度センサ301と電気的に接続され加速度センサ301に作用した加速度を求める装置であり、機能的に、補償部321と記憶部322と出力端323とを備える。補償部321は、加速度センサ301に備わる検出電極40及び補正電極100と電気的に接続され、検出電極40の出力から、加速度センサ301に作用した加速度を求める部分である。補償部321にて実行される加速度を求める方法は、上述したように、必要に応じて補正電極100への電圧印加を行うとともに検出電極40の出力(補償用出力値)から求める方法や、以下の実施の形態2、3にて説明する方法がある。実施の形態2、3にて説明する方法では、補償部321は、記憶部322との情報交換を行う。
このような制御装置320は、加速度センサ301が形成される基板1に、加速度センサ301とともに半導体プロセスにて形成しても良いし、加速度センサ301とは別に形成して別設し接続しても良い。
実施の形態2.
補正電極100を用いた出力値の補正方法として、実施の形態1では上述のように予め補正電極100に電圧を印加しておく方法を採る。他の補正方法として本実施の形態2では、第1及び第2検出フレーム21、22の周波数特性を利用する方法を採る。これについて以下に説明する。
図17は、感度S1の場合、つまり補正電極100に電圧を印加することなく、加速度センサ301に作用した加速度によって揺動する第1及び第2検出フレーム21、22における周波数特性と(図17の(a))、補正感度S2の場合、つまり補正電極100に電圧を印加して揺動させたときの第1及び第2検出フレーム21、22における周波数特性と(図17の(b))を示す図である。
空気による粘性ダンピングは、対向電極の面積と距離dに依存する。即ち、構造のみに依存するので、加速度により揺動する第1及び第2検出フレーム21、22の周波数特性と、補正電極100への電圧印加により揺動する第1及び第2検出フレーム21、22の周波数特性とは、図17の(a),(b)に示すように、同様の特性を示す。したがって、周波数特性は、感度S1と補正感度S2とで同様の特性を示す。
したがって本実施形態では、例えば、予め、加速度センサ301にて反り等の物理的変形が発生していない正常(理想)時における第1及び第2検出フレーム21、22の周波数特性を得て、これを記憶部322に記憶しておく。そして、物理的変形が生じた時点では、補償部321は、補正電極100に電圧を印加して第1及び第2検出フレーム21、22を強制的に揺動させ、そのときの検出電極40の出力値(補償用出力値)から、変形時における第1及び第2検出フレーム21、22の周波数特性を得る。
この強制揺動による周波数特性が、記憶部322から読み出した正常時における周波数特性に同等となるように、電圧を変化させて補正電極100に印加する。適切な電圧を補正電極100に印加した状態では、加速度が作用して検出電極40から得られる検出値は、物理的変形が補償された加速度値となる。
このように本実施の形態2によれば、補正電極100に電圧を印加して補正感度S2の周波数特性を測定することで、感度S1の周波数特性を推定することが可能となる。即ち、反りなどの物理的変形によって距離dが変化して感度S1の周波数特性が変化した場合でも、補正感度S2の周波数特性を測定することで、感度S1の周波数特性を補正することができる。
実施の形態3.
実施の形態1では、構造体の物理的変形量を相殺するように補正電極100に電圧を印加しておくことで加速度センサ301の感度S1を補正することを説明した。本実施の形態3は、補正電極100を用いた出力値の補正方法について、実施の形態1における補正精度をさらに向上させるための工夫を有するものである。以下に詳しく説明する。
図18は、図16の(c)に示すような、感度S1と補正感度S2との関係について、正の領域のみならず負の領域まで広げて示した図である。図1を参照して、第1検出フレーム21と第1補正電極101aとの間、及び、第2検出フレーム22と第2補正電極102aとの間に電圧を印加すると、感度S1は正方向になる。第1検出フレーム21と第1補正電極101bとの間、及び、第2検出フレーム22と第2補正電極102bとの間に電圧を印加すると、感度S1は負方向になる。構造体に反りなどの物理的変形がなく理想的な場合には、感度S1と補正感度S2との関係は、正方向及び負方向で対称となり、変曲点は座標原点(0点)になる。これに対して、構造体に物理的変形が有り距離dが変化した場合には、図18の(a)に示すように、変曲点は0点からずれる。例えば図18の(a)のように、補正感度S2がSoのときに対応して感度S1に変曲点が生じるような場合、予め、上記Soと、出力オフセットとの関係を求めておくことで、Soの値から出力オフセットを一意に推定することができる。
そこで本実施の形態3では、予め、補正電極100に電圧を印加して第1及び第2検出フレーム21、22を強制的に変位させ、この状態において加速度を作用させ、検出電極40からの出力値(補償用出力値)を得る。補正電極100に印加する電圧を変更して強制的な変位量を変化させることで、上記Soと、上記出力オフセットとの関係を求め、この関係を記憶部322に記憶しておく。また、加速度センサ301に物理的変形がなく理想的な状態における感度S1と補正感度S2との関係も記憶部322に記憶しておく。
そして、補償部321は、加速度センサ301に加速度が作用していない状態において検出電極40から得られる感度S1と、記憶部322に記憶している理想的な感度S1とを比較し、変曲点のずれ量、つまり上記Soを求める。そして、記憶しているSoと出力オフセットとの関係情報を元に、加速度センサ301の検出電極40から得られる感度S1に対して上記出力オフセットの補正を加える。これにより、実施の形態1に比べてさらに高い精度にて加速度センサ301に作用した加速度を得ることができる。
また、Soと出力オフセットとの関係を求める際に用いた、補正電極100に印加した電圧の内、求めたSoに対応する印加電圧値を、補正電極100にさらに印加してもよい。こうすることで、感度S1に対して出力オフセットの補正を加えるという動作は必要なくなり、検出電極40から求めた加速度は既に補償された値となる。
1 基板、2 慣性質量体、11 第1ねじれ梁、12 第2ねじれ梁、
21 第1検出フレーム、22 第2検出フレーム 、31 第1リンク梁、
32 第2リンク梁、40 検出電極、41,41a,41b 第1検出電極、
42,42a,42b 第2検出電極、
100 補正電極、101,101a,101b 第1検出電極、
102,102a,102b 第2検出電極、
301 加速度センサ、320 制御装置、350 加速度センサシステム。

Claims (5)

  1. MEMS技術により形成される加速度センサであり、
    基板と、第1及び第2の検出フレームと、上記基板上に配置され上記第1及び第2の検出フレームと連結され上記基板の厚み方向に変位可能な慣性質量体と、上記第1及び第2の検出フレームのそれぞれと対向して上記基板上に形成され、上記基板に対する上記第1及び第2の検出フレームの角度を静電容量により検出するための複数の検出電極とを備え、
    上記第1検出フレームは、上記基板に支持された第1ねじれ軸の周りにねじれる第1ねじれ梁を介して上記基板に対して揺動可能に支持され、かつ第1リンク梁にて上記慣性質量体に連結され、
    上記第1リンク梁は、上記第1検出フレームの一方端部側に向かう第1方向へ上記第1ねじれ軸を平行移動した軸上に位置し、
    上記第2検出フレームは、上記基板に支持された第2ねじれ軸の周りにねじれる第2ねじれ梁を介して上記基板に対して揺動可能に支持され、かつ第2リンク梁にて上記慣性質量体に連結され、
    上記第2リンク梁は、上記第1方向とは反対の方向へ上記第2ねじれ軸を平行移動した軸上に位置する、
    加速度センサにおいて、
    上記検出電極に隣接して上記基板上に形成され、上記検出電極の出力値を補正するための複数の補正電極をさらに備えたことを特徴とする加速度センサ。
  2. 上記複数の検出電極は、
    上記第1検出フレームと対向して上記基板上に形成され、上記基板に対する上記第1検出フレームの角度を静電容量により検出するための複数の第1検出電極と、
    上記第2検出フレームと対向して上記基板上に形成され、上記基板に対する上記第2検出フレームの角度を静電容量により検出するための複数の第2検出電極とを有し、
    上記複数の第1検出電極は、上記第1ねじれ軸に対して平面視において対称位置に配置され、上記複数の第2検出電極は、上記第2ねじれ軸に対して平面視において対称位置に配置され、
    上記複数の補正電極は、
    上記第1検出フレームと対向して上記基板上に形成され、上記対称位置に配置されるそれぞれの上記第1検出電極を上記第1ねじれ軸と平行な方向において挟んで配置され、上記検出電極の出力値を補正するための複数の第1補正電極と、
    上記第2検出フレームと対向して上記基板上に形成され、上記対称位置に配置されるそれぞれの上記第2検出電極を上記第2ねじれ軸と平行な方向において挟んで配置され、上記検出電極の出力値を補正するための複数の第2補正電極とを有する、
    請求項1に記載の加速度センサ。
  3. 請求項1又は2に記載の加速度センサと、
    上記加速度センサに備わる検出電極及び補正電極と電気的に接続され、上記加速度センサに作用した加速度を求める制御装置とを備えた加速度センサシステムであって、
    上記制御装置は、
    上記補正電極へ電圧を印加して、上記加速度センサに備わる第1及び第2の検出フレームを強制的に変位させるとともに、この変位によって上記検出電極から得られる補償用出力値をもとに、上記加速度センサの物理的変形に起因して発生する上記加速度センサの出力誤差を補償する、
    ことを特徴とする加速度センサシステム。
  4. 上記制御装置は、上記補償用出力値から上記第1及び第2の検出フレームにおける揺動の周波数特性を求め、該周波数特性から上記出力誤差の補償を行う、請求項3記載の加速度センサシステム。
  5. 上記制御装置は、正常時における上記検出電極からの出力値と、上記補償用出力値とのずれ量を求め、該ずれ量から上記出力誤差の補償を行う、請求項3記載の加速度センサシステム。
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